JP2008308911A - 斜材の支持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】地震作用力の振動数と建家の固有振動数とが合致して共振する共振周波数以外の周波数帯域の振動に対しても制震効果を奏する斜材の支持装置を提供する。
【解決手段】建家構造枠に固定されるアンカープレート7と、平面からなる押さえ面8Aおよびこの押さえ面8Aの両端でS字状または逆S字状に湾曲される湾曲部8Bを有して全体が略Ω字形状に形成され、両端部でアンカープレート7に固定される弓形金具8と、押さえ面8Aとアンカープレート7とによって密接挟持される摺動板10および粘弾性部材11からなる積層体9と、押さえ面8A或いは摺動板10から立ち上がり形成され、斜材の端部を取り付ける斜材取り付け片12と、を備える支持装置6とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄骨構造および木構造の建家の構造枠に取り付けられ、建家の吸震機能を有する斜材の支持装置に関するものである。
地震力に対して、現行の建築法規では制震構造は特に定められていない。大型の免震構造を適用し難い比較的小規模の鉄骨或いは木造建家の制震構造の従来例および免震構造やその作用機序については、たとえば特許文献1、非特許文献1、2,3等に記載されている。
特開2006−63771号公報 日経産業新聞 MASA建築構造設計室 低価格戸建て免震システム 2004年5月12日発行 カタログ類 地震動エネルギー吸収システム(シーカス) 積水ハウス株式会社 平成19年4月3日発行 騒音制御誌 Vol.23 No.6 社団法人 日本騒音制御工学会 1999年12月発行(第371頁左欄第6行目〜第13行目、第374頁右欄第37行目〜第45行目)
地震の作用力の振動数は地震規模や地層によって地震毎にばらつきがあるが、特許文献1に記載の技術はかゝる地震の作用力を曲げダンパーなど弾性材の弾性変形により運動エネルギーに変換して吸収するものであり、この他にも種々の弾性支持装置が提案、実用化されている。ところで前記地震の周波数帯域の振動成分と個々の建屋構造によって定まる固有振動数と合致する成分が現れた場合には、これらの間の共振によって前記弾性支持装置によっては対処のできない不測の作用力が建屋に及ぼされることが懸念される。非特許文献1、2の技術はこのような地震作用力中の共振周波数成分を粘弾性体による位相遅れの変位中に熱エネルギーに変換して吸収することを意図しており、近年その原理に基き粘弾性体による吸震のための支持装置が提案されている。しかし、建家に制震を意図して粘弾性体の粘りを付加するにしても、制震効果が最も生ずるのは地震作用力の振動数と建家の固有振動数とが共振する共振周波数の近傍に限られ、その他の周波数帯域では有効な制震効果はほとんど期待できないものとされている(非特許文献3)。
したがって、さまざまな振動数の地震の作用力に対しては、主として共振周波数近傍の振動数を対象とした前記粘弾性体による熱エネルギーへの変換というワンパターンの方式では不完全である。共振周波数f
Figure 2008308911
で表される。すなわち、地震の作用力が共振周波数帯域の振動数の前後の場合には、ばね係数kの大小が制震効果を左右するのである。このように前記の曲げダンパーおよび粘弾性体による減衰作用はその作用原理に基づく効果が異なり、夫々の装置の構造、動作形態、材質も互いに異なっているので、これら両機能を効果的に組み合わせ、単一の装置において一体化した構造として広範な周波数帯域全般にわたって極めて有効な吸震効果による制震作用を得ることができるが、これを具現化した技術は従来知られていない。
本発明は、この課題に対して、粘弾性体と摺動板からなる積層体に特許文献1に記載の板ばね材を組み合わせて押さえ金具として利用することにより、弓形金具(バネ要素)と粘弾性体と摺動板(減衰要素)を一体化し、前記共振周波数およびそれ以外の共振周波数前後の振動に対しても総合的な制震効果を奏する斜材の支持装置を提供することを目的する。
本発明においては、前記課題を解決するため、建家構造枠の縦材または横材に斜材の端部を弾性支持するための支持装置を、建家構造枠に固定されるアンカープレートと、頂部に平面からなる押さえ面を有するとともに、この押さえ面の両端でS字状または逆S字状に湾曲される湾曲部を有して全体が略Ω字形状に形成され、両端部で前記アンカープレートに固定される弓形金具と、前記弓形金具の押さえ面と前記アンカープレートとによって密接挟持される摺動板および粘弾性部材からなる積層体と、前記弓形金具の押さえ面或いは前記摺動板から立ち上がり形成され、斜材の端部を取り付ける斜材取り付け片と、を備えることを特徴とする斜材の支持装置とした。
この斜材の支持装置によれば、粘弾性部材と摺動板からなる積層体が、曲げ変形によるダンパー効果(振動減衰効果)を有する前記弓形金具により密接挟持されるため、地震作用力の振動数と建家の固有振動数とが合致して共振する共振周波数近傍の振動は前記粘弾性による積層体で吸収し、他の周波数帯域の振動成分を有する地震作用力が働いた場合には、弓形金具の弾性変形等によるダンパー作用によってこれを吸収することができる。したがって、粘弾性材からなる積層体と弓形金具との複合効果によって広範囲の周波数帯域に亘る地震の作用力を吸収することが可能となる。
また本発明の斜材の支持装置は、前記アンカープレートが前記弓形金具の凹部空間内に突出して、前記積層体を支持する凸形状部を有することを特徴とする。
この斜材の支持装置によれば、摺動板および粘弾性部材からなる積層体を弓形金具とアンカープレートとで密接挟持するにあたり、凸形状部にスペーサとしての機能を持たせることができるので、制震要素として重要な積層体の厚み設定の自由度が広がる。
また本発明の斜材の支持装置は、前記弓形金具の頂部の平面において前記アンカープレート側にへこむ段差平面が形成され、この段差平面を前記押さえ面として構成することを特徴とする。
この斜材の支持装置によれば、摺動板および粘弾性部材からなる積層体を弓形金具とアンカープレートとで密接挟持するにあたり、段差平面にスペーサとしての機能を持たせることができるので、制震要素として重要な積層体の厚み設定の自由度が広がる。
また本発明の斜材の支持装置は、前記斜材取り付け片が摺動板から立ち上がり形成されていることを特徴とする。
斜材取り付け片を摺動板から立ち上がり形成することで、簡易な構造で組み付け性に優れる斜材の支持装置となる。
また本発明の斜材の支持装置は、前記斜材取り付け片が前記弓形金具から一体に立ち上がり形成されていることを特徴とする。
斜材取り付け片を弓形金具側に形成することで、積層体側においては摺動板と粘弾性部材の積層構成のみとなるので、積層体の仕様の管理性が向上する。
本発明によれば、建家の固有振動(周波)数近傍の振動数を持つ地震作用力のエネルギーに対しては、摺動板および粘弾性部材からなる積層体が位相変換して変形、摺動し、これを熱エネルギーに変換して吸収し、その前後の振動数を有する地震の作用力のエネルギーに対しては積層体を密接させている弓形金具が弾性変形し、これを運動エネルギーに変換して減衰させる。このように、粘弾性材からなる積層体の作用と弓形金具の作用との複合効果によって、発生の都度ばらつきのある地震振動数を有する地震の作用力を吸収減衰させることが初めて可能となる。
図5は建家構造枠1に対する斜材4と本発明に係る支持装置6のレイアウト例を示す側面図である。建家構造枠1は、例えば低層家屋の壁体に使用されるものであって、各一対の縦材2、横材3から構成された矩形枠からなる。具体的には縦材2は柱などであり、横材3は梁や土台などである。
建家構造枠1の四隅には斜材4の一端部を固定する固定金具5が取り付けられるとともに、各縦材2の上下方向中程には斜材4の他端部を支持する支持装置6が取り付けられており、4本の斜材4が、各固定金具5によって対向する側の縦材2および横材3に取り付けられた支持装置6とにわたって掛け渡される。つまり、斜材4は、建家構造枠1内の上部と下部においてそれぞれX字状に交差するように架設される。斜材4は、例えば断面L−字状又は矩形状を呈した部材であって金属材や木材からなる。固定金具5としては、一般に斜材4の端部を釘打ちや螺子締結などによって直接固定する公知の金具が適用される。支持装置6については後に詳述する。
図6は斜材4と支持装置6のレイアウト変形例を示す側面図である。この例は、支持装置6を上下の横材3の中程に装着するとともに、公知の固定金具5´を左右の縦材2の中程に取り付け、4本の斜材4を建家構造枠1内で菱形状となるように架設した場合を示している。この他、固定固定金具5´を上下の横材3の中程に装着し、支持装置6を左右の縦材2の中程に取り付けることもできるし、上下の横材3の中程と左右の縦材2の中程の全てに支持装置6を取り付けることもできる。また左右の固定金具5’の間に繋ぎ材4’を挿入してもよい。これらの例によれば、従来の建家構造壁に用いられている一般の片筋違あるいは襷筋違との同じ部位での共存が可能である。
以下、本発明に係る支持装置6について複数の実施形態を示して説明する。
「第1実施形態」
図1ないし図3はそれぞれ第1実施形態に係る支持装置6の側面図、断面説明図、分解斜視図である。支持装置6は、建家構造枠1に固定されるアンカープレート7と、頂部に平面からなる押さえ面8Aを有するとともに、この押さえ面8Aの両端でS字状または逆S字状に湾曲される湾曲部8Bを有して全体が略Ω字形状に形成され、両端部でアンカープレート7に固定される弓形金具8と、弓形金具8の押さえ面8Aとアンカープレート7とによって密接挟持される摺動板10および粘弾性部材11からなる積層体9と、弓形金具8の押さえ面8A或いは摺動板10から立ち上がり形成され、斜材4の端部を取り付ける斜材取り付け片12と、を備える。
「アンカープレート7」
アンカープレート7は、帯板状の鋼板、樹脂塗装鋼板などからなり、縦材2や横材3の長手方向に離間させた両端部にて複数のボルトや螺子13を介して縦材2や横材3に固定される。ボルトや螺子13の代わりに釘打ちにより縦材2や横材3に固定してもよい。また、本実施形態では、アンカープレート7の中央部に曲げ加工等を施して凸形状部7Aを形成しており、その頂上部には平面状の支持面7Bが形成される。
凸形状部7Aを設けることで積層体9に対するスペーサ機能を持たせることができる。すなわち、取り付け対象となる家屋の状況や建家構造枠1における取り付け箇所によっては、積層体9の厚み仕様を変える必要が生じる場合があるが、凸形状部7Aを設けることで容易に弓形金具8とアンカープレート7とで積層体9を密接挟持することができる。アンカープレート7として、積層体9の厚み仕様に応じて、凸形状部7Aを有するタイプと、高さ寸法の異なる複数の凸形状部7A有しないタイプを用意しておけば、汎用性に優れた斜材の支持装置となる。アンカープレートは複数の凸形状部を有する波形構造としてもよい。
「弓形金具8」
弓形金具8は、例えば帯状鋼板に曲げ加工を施して成形した部材であって、長手方向中央部を平面状の押さえ面8Aとし、この押さえ面8Aの両端をS字状、逆S字状に湾曲させて対向し合う一対の湾曲部8Bを形成している。湾曲部8Bの先側、つまり弓形金具8の両端部はアンカープレート7の両端部に接面する平面状の固定面8Cとして形成される。以上により、弓形金具は前記したように全体が略Ω字形状を呈し、押さえ面8Aと湾曲部8Bとで囲まれた空間は積層体9や前記した凸形状部7Aを内蔵させる凹部空間8Dとして構成される。弓形金具8は、固定面8Cにおいて、例えば前記ボルトや螺子13を利用してアンカープレート7の両端部を介して縦材2や横材3に固定される。勿論、弓形金具8、アンカープレート7、後記する積層体9等の具体的な形状寸法は選択的事項である。
図4は弓形金具8の複数の例を示す斜視図である。弓形金具8としては、図4(a)に示すようにスリットを切刻していないものや、図4(b)、(c)に示すようにスリット8Eを有した弓形金具8´、8´´を使用することができる。スリット8Eは、例えば、一方の固定面8C側の湾曲部8Bの湾曲起点あたりから他方の同湾曲起点あたりまで連続或いは不連続に、帯長手方向に沿って複数形成される。スリット幅は例えば1〜5mm程度である。スリット8Eを設けることにより、外力が加わったときの弓形金具8の変形量を大きくとることができかつ地震のような三次元方向の変形が可能となるので、振動吸収作用が向上する。なお、このスリット8Eの幅やピッチ或いは形状等は選択的事項である。
弓形金具8の材質としては、たとえば構造用鋼板、亜鉛鍍金鋼板、樹脂ライニング鋼板、ステンレス鋼板、構造用弾塑性履歴型鋼板(ダンパー鋼板)等を使用する。
「積層体9」
本実施形態の積層体9は、図1〜図3に示すように、摺動板10と、この摺動板10の表裏面を挟む粘弾性部材11とを有する積層体からなり、弓形金具8の押さえ面8Aとアンカープレート7の支持面7Bとによって密接挟持される。積層体9の平面形状は押さえ面8Aや支持面7Bの平面形状に合わせた矩形を呈しているが、必ずしも矩形状に限定されるものではなく、円形等にすることも可能である。
「摺動板10」
摺動板10の材質は、たとえば構造用鋼板、亜鉛鍍金鋼板、樹脂ライニング鋼板、ステンレス鋼板等を使用する。形状として、平板状の部材が一般的であるが、粘弾性部材11との間に実質的な摺動平面が形成されるものであれば角型鋼管も用いられ、この場合も本発明に包含される。
「粘弾性部材11」
粘弾性部材11の材質は、たとえばシリコン系、アクリル系等の合成ゴム系、天然ゴム系、またはアスファルト系等の高分子化合物から選ばれる。
積層体は予め成形された粘弾性板および摺動板を交互に積層するか、又は弾性板を挟持して製作される。流動状態の粘弾性材を摺動板に接して流延し固化させることによって製作することができる。
「斜材取り付け片12」
本実施形態では、一対の斜材取り付け片12を、弓状金具8の長手方向と平行にコの字状に立ち上がるように、摺動板10の両側縁から一体的に立ち上げた場合を示しており、それぞれに斜材4を固定する螺子、釘等を通す孔12Aが穿設されている。上方側、下方側に取り付けられる各斜材4の端部が各斜材取り付け片12に当接され、螺子等により固定される。
以上の構成からなる支持装置6の作用を説明する。地震力が斜材4を通じて積層体9に作用したとき、作用力に対する応答変位の遅れは調和関数の場合、π/2の角速度の奇数倍で発生し、したがって、実際に斜材取り付け片12とアンカープレート7との位置ずれによる積層体9の変形が作用力より遅れることで制震効果が現われる。この遅れ時間の間にエネルギが積層体9に蓄積され、建家構造枠1はエネルギを消費し、制震効果が生ずる。
ここで、地震の作用力の振動数は地震の規模、地質状況などにより広範囲にわてり、粘弾性により制震効果が最も生ずるのは、地震作用力の振動数と建家の固有振動数とが合致して共振する共振周波数近傍に限られることは既述の通りである。
本発明によれば、前記共振周波数近傍の地震振動の大部分は積層体9で吸収し得るが、地震の振動成分がこれと異なるときは、粘弾性体の制震効果はほとんどなく(前記「騒音制御」誌参照)、このとき、これらの周波数帯域の振動成分は、弓状金具8の主に湾曲部8Bの上下、左右、前後の弾性変形によって吸収される。このような積層体9と弓状金具8との複合効果によって地震毎に多くの周波数帯域が現われる地震の制震が可能となる。
なお、前記特許文献1の図2や図5にはゴム状弾性物質を弓形金具に対してその湾曲部を含めて全体に充填することが記載されている。しかし、本発明のように、粘弾性部材11を含む積層体9を弓形金具8とアンカープレート7とで密接挟持し、さらには、凹部空間8Dの内で湾曲部8Bにかかる空間には、粘弾性体つまり積層体9を介在させない構造とすることで、湾曲部8Bと積層体9とが互いに干渉することなく、弓形金具8の主として湾曲部8Bの変形と積層体9の変形吸収を各々独立して働かせることができる。したがって、地球規模の大エネルギーで発生する地震動によって建家に作用する振動に対する各部材の振動吸収の機能が損なわれることがない。
「第2実施形態」
図7、図8はそれぞれ第2実施形態に係る支持装置6の側面図、断面説明図である。第1実施形態で説明した構成要素と同一のものについては、同一の符合を付してその説明は省略する。第2実施形態の基本的な構成および作用は第1実施形態と同様であるが、斜材取り付け片12を弓形金具8から直接一体的に立ち上げている点が異なっている。具体的には、弓形金具8の平面部の押さえ面8Aの裏面に、図3に示した斜材取り付け片12を有した摺動板10を溶接等により固設した態様としている。なお、弓形金具8とアンカープレート7とに密接挟持される要件の摺動板10と区別するため、弓形金具8と一体に形成される板には図7に示すように符号10´を付している。
この第2実施形態によれば、積層体9側においては摺動板10と粘弾性部材11の積層構成のみとなるので、積層体9の仕様の管理性が向上する。
「第3実施形態」
図9、図10はそれぞれ第3実施形態に係る支持装置6の側面図、断面説明図である。第1実施形態で説明した構成要素と同一のものについては、同一の符合を付してその説明は省略する。第3実施形態の主な特徴部は、弓形金具8の頂部の平面中央においてアンカープレート7側にへこむ段差平面8Fを設け、この段差平面8Fを押さえ面8Aとして構成したことにある。段差平面8Fは、例えば弓形金具8の幅全体にわたり、頂上部の平面から弓形金具8の板厚寸法程度の段差をもって形成される。本実施形態の弓形金具8としては、弾性変形性が良好なダンパー用鋼板を用いているが、通常の鋼板、ステンレス鋼板を用いてもよい。スリット8Eの有無や、その幅、ピッチ、形状については本実施形態においても選択的事項である。
また、本実施形態において、段差平面8Fとアンカープレート7の支持面7Bとに挟まれる積層体9については4層構造としてあり、段差平面8F側から摺動板10、粘弾性部材11、摺動板10、粘弾性部材11の順で密接挟持している。斜材取り付け片12はいずれの摺動板10から形成してもよいし、弓形金具8から一体的に立ち上げてもよい。図では、第2実施形態で説明したように、弓形金具8の押さえ面8Aの裏面に、斜材取り付け片12を有した板(図9に符号10´にて示す)を溶接等により固設した態様を示している。
本実施形態によれば、段差平面8Fを設けることで弓形金具8の押さえ面8Aが波形断面となるため平面部が強化され、そのため地震力が作用した場合、弓形金具8の湾曲部8Bの変形性能が向上するとともに、弓形金具8の特性を変えることなく積層体9に対するスペーサ機能を持たせることができるので、積層体9に新たにスペーサを挿入することなく、厚さ調節が可能である。また、積層体9の厚みに対応して弓形金具8全体の高さを変えると湾曲部8Bの形状が変わってしまうので、弓形金具8全体の弾性変形の特性に違いが出るおそれがある。これに対して、主に積層体9との力の伝達のみとして機能する押さえ面8Aに段差平面8Fを設けてスペーサ機能を持たせることで、弓形金具8の弾性変形の特性を同一に維持できる。弓形金具8として、積層体9の厚みに応じて、段差平面8Fを有しないタイプと、段差寸法の異なる複数の段差平面8F有するタイプを用意しておけば、汎用性に優れた斜材の支持装置となる。
「第4実施形態」
図11、図12はそれぞれ第4実施形態に係る支持装置6の側面図、断面説明図である。第4実施形態の基本的な構成および作用は第1実施形態と同様であり、第1実施形態で説明した構成要素と同一のものについては、同一の符合を付してその説明は省略する。
第4実施形態の主な特徴部は、摺動板10として角型鋼管14を用いたことにある。本実施形態では、パイプ軸方向を弓形金具8の幅方向として、その各開口端に各斜材取り付け片12の内面を溶接等により固設した場合を示している。図では、押さえ面8A側から、粘弾性部材11、平板の摺動板10、粘弾性部材11、角型鋼管14からなる摺動板10、粘弾性部材11、平板の摺動板10、粘弾性部材11の順で配置しているが、弓形金具8とアンカープレート7との間であれば角型鋼管14の位置は特に限定されない。
なお、本実施形態のアンカープレート7は第1実施形態に示した凸形状部7Aが無いタイプとして示されている。また、本実施形態の弓形金具8としても、弾性変形性が良好なダンパー用鋼板を用いているが、通常の鋼板、ステンレス鋼板を用いてもよい。さらに、スリット8Eの有無や、その幅、ピッチ、形状についても選択的事項である。
本実施形態によれば、積層体9において角型鋼管14を用いることにより積層体9の厚み、仕様を容易に変えることができる。
「第5実施形態」
図13は第5実施形態に係る支持装置6の側面図である。第5実施形態の基本的な構成および作用は第1実施形態と同様であり、第1実施形態で説明した構成要素と同一のものについては、同一の符合を付してその説明は省略する。
第5実施形態の主な特徴部は、積層体9の摺動板10、粘弾性部材11の内で摺動板10をアンカープレート7に密接させたことにある。図では、積層体9を2層構造とした場合を示しており、粘弾性部材11を弓形金具8に密接させている。斜材取り付け片12は摺動板10に形成されている。本実施形態においても、スリット8Eの有無や、その幅、ピッチ、形状については選択的事項である。
アンカープレート7と粘弾性部材11との摩擦係数に比べてアンカープレート7と摺動板10との摩擦係数は低いので、本実施形態によれば、地震の作用力を受けたときにアンカープレート7上で摺動板10が滑りやすくなり、その分、弓形金具8の初期応答が良好となり、初期弾性変形性に優れる。
以上、本発明について好適な実施形態を説明した。本発明は説明した実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な設計変更が可能である。
第1実施形態に係る支持装置の側面図である。 第1実施形態に係る支持装置の断面説明図である。 第1実施形態に係る支持装置の分解斜視図である。 弓形金具の複数の例を示す斜視図である。 建家構造枠に対する斜材と本発明に係る支持装置のレイアウト例を示す側面図である。 建家構造枠に対する斜材と本発明に係る支持装置のレイアウト変形例を示す側面図である。 第2実施形態に係る支持装置の側面図である。 第2実施形態に係る支持装置の断面説明図である。 第3実施形態に係る支持装置の側面図である。 第3実施形態に係る支持装置の断面説明図である。 第4実施形態に係る支持装置の側面図である。 第4実施形態に係る支持装置の断面説明図である。 第5実施形態に係る支持装置の側面図である。
符号の説明
1 建家構造枠
2 縦材
3 横材
4 斜材
4’ 繋ぎ材
6 支持装置
7 アンカープレート
7A 凸形状部
7B 支持面
8、8´、8´´ 弓形金具
8A 押さえ面
8B 湾曲部
8C 固定面
8D 凹部空間
8E スリット
8F 段差平面
9 積層体
10 摺動板
11 粘弾性部材
12 斜材取り付け片

Claims (5)

  1. 建家構造枠の縦材または横材に斜材の端部を弾性支持するための支持装置であって、
    建家構造枠に固定されるアンカープレートと、
    頂部に平面からなる押さえ面を有するとともに、この押さえ面の両端でS字状または逆S字状に湾曲される湾曲部を有して全体が略Ω字形状に形成され、両端部で前記アンカープレートに固定される弓形金具と、
    前記弓形金具の押さえ面と前記アンカープレートとによって蜜接挟持される摺動板および粘弾性部材からなる積層体と、
    前記弓形金具の押さえ面或いは前記摺動板から立ち上がり形成され、斜材の端部を取り付ける斜材取り付け片と、
    を備えることを特徴とする斜材の支持装置。
  2. 前記アンカープレートは、前記弓形金具の凹部空間内に突出して、前記積層体を支持する凸形状部を有することを特徴とする請求項1に記載の斜材の支持装置。
  3. 前記弓形金具の頂部の平面において前記アンカープレート側にへこむ段差平面が形成され、この段差平面を前記押さえ面とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の斜材の支持装置。
  4. 前記斜材取り付け片が前記摺動板から立ち上がり形成されていることを特徴とする請求項1に記載の斜材の支持装置。
  5. 前記斜材取り付け片が前記弓形金具から一体に立ち上がり形成されていることを特徴とする請求項1に記載の斜材の支持装置。
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