JP2017145606A - 合板ウエブ耐力制震壁による耐震構造およびその形成方法 - Google Patents

合板ウエブ耐力制震壁による耐震構造およびその形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017145606A
JP2017145606A JP2016027695A JP2016027695A JP2017145606A JP 2017145606 A JP2017145606 A JP 2017145606A JP 2016027695 A JP2016027695 A JP 2016027695A JP 2016027695 A JP2016027695 A JP 2016027695A JP 2017145606 A JP2017145606 A JP 2017145606A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
earthquake
structural frame
satiety
control device
vibration control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016027695A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6765822B2 (ja
Inventor
健二 宮沢
Kenji Miyazawa
健二 宮沢
収一 佐藤
Shuichi Sato
収一 佐藤
力 大川
Tsutomu Okawa
力 大川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DOMUSU SEKKEI JIMUSHO KK
SATOU KK
Original Assignee
DOMUSU SEKKEI JIMUSHO KK
SATOU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by DOMUSU SEKKEI JIMUSHO KK, SATOU KK filed Critical DOMUSU SEKKEI JIMUSHO KK
Priority to JP2016027695A priority Critical patent/JP6765822B2/ja
Publication of JP2017145606A publication Critical patent/JP2017145606A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6765822B2 publication Critical patent/JP6765822B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vibration Dampers (AREA)
  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Abstract

【課題】木質系建家の壁面の耐震構造において、従来の耐力壁と同等の壁の厚さで、合法的に設計プランニングの自由度を確保でき、耐力性能と制震性能を兼ね備えた耐震構造、およびその形成方法を提供する。【解決手段】縦材210に固定された充腹材130が、地震による水平力Pに対し、縦材210に固定され充腹材130と連結した制震デバイス110により、地震による水平力Pを減衰させる耐力性能と制震性能を兼ね備えた耐力制震構造を形成する。【選択図】図2

Description

本発明は、耐震構造、およびその形成方法に関し、特に縦材、および横材で構成される建家の構造枠内に耐力制震部材を有する耐震構造に関する。
従来から、巨大地震災害を背景に耐震構造の建築物の開発が進められている。特に木質系建家では損壊抑制を目的とする耐震部材を用いた耐力壁や制震部材を用いた制震壁が知られている。
耐力壁とは、構造枠を構成する二本の縦材の隅角部間に筋かいを入れる構造、または構造用合板を構造枠全体に釘留めする構造である。このように構造枠内に筋かいを入れる構造や、構造用合板を構造枠全体に釘留めする構造をとることで、構造枠が変形しないようにすることができ、地震力や風圧力による水平方向の力に対抗することができるようにする構造を耐震構造という。
また一方で制震壁とは、例えば構造枠に取付けられた制震装置に鋼管部材などで形成された補助部材を取り付け、補助部材を介して制震装置に水平力を伝達させる構造である。このように構造枠に取り付けられた補助部材を介して制震装置に水平力を伝達させるので、建家に地震や風による水平力が作用した時に、制震装置がこの作用力を減衰させることで建家の変位を軽減する構造を制震構造という(たとえば、特許文献1参照)。
上記のように、耐力壁は地震に対して建家が耐えられるように強くする構造であり、制震壁は建家に伝わった地震の揺れを少なくしようとする構造であって、耐力壁と制震壁は異なった構成と作用効果をもった構造である。
特開2013−019233号公報
これらの耐力壁や制震壁による耐震構造においては、壁体内部に耐震部材が存在するため、窓などの開口部を設置することが困難となるので、耐震壁は開口部を避けて耐震性能が確保できるように配置する必要がある。
ところが、建家の変形挙動の抑制または制御の手段として用いられることの多い制震壁は、現在の建築基準法上ではあくまで補助的な手段として扱われているため、地震などの水平力に対して耐震性を確保するには、主に法的に有効な耐力壁が使われている。また制震壁は変形減衰用として、あくまで補助的な手段として使用されている。耐力壁および制震壁は、それぞれ別個に働くものとしてその併用を行なわざるを得ない。このように耐力壁および制震壁を併用すると、開口部を設置できる壁面が減少してしまい必然的に閉鎖壁面の比率が増加してしまう。このように閉鎖壁面の比率が増加すると設計の自由度は著しく低下し、設計プランニング的に生活の利便性を損なうこととなる。
これらの対策として、耐力壁や制震壁の配置場所を少なくしても必要十分な耐震性能を得るために、耐力壁と制震壁を平面的に同じ位置に重ねて配置する方法も考えられる。しかし、制震壁の法的な評価が与えられない以上、構造計算上では両者の干渉・共振などから単純に必要な壁の量が半分になる訳ではない。また、耐震部材と制震部材を同じ位置の壁に重ねるようにして用いるため、壁が厚くなってしまい、結果として生活空間が狭くなってしまう問題も生じる。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、耐力壁に制震機能を付加した新しい耐震構造とその形成方法に関するものである。木質系建家の壁面の耐震構造において、従来の耐力壁と同じ壁の厚さで、合法的に設計プランニングの自由度を確保でき、耐力性能と制震性能を兼ね備えた耐力制震構造、およびその形成方法を提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、縦材および横材で構成される建家の構造枠内に制震部材を有する耐力耐震構造において、前記構造枠部材内の対向した面に設けられる固定部と、前記固定部を介して前記構造枠と連結された充腹材とを備え、前記固定部のうち少なくとも1つが制震デバイスであることを特徴とする耐力耐震構造が提供される。
これにより、地震によって構造枠を変形する力が加わると、固定部を介して構造枠に備えられた充腹材が地震による応力に対抗し、固定部のうち少なくとも1つに備えられた制震デバイスが地震による応力を減衰させる。
また、本発明では、縦材および横材で構成される建家の構造枠内に制震部材を有する耐力耐震構造において、前記構造枠内に固定部を設ける工程と、前記固定部のうち少なくとも1つに制震デバイスを設ける工程と、前記構造枠に前記固定部を介して前記充腹材を連結する工程とを備えることを特徴とする耐力耐震構造の形成方法が提供される。
これにより、耐力耐震構造に加わった地震による応力が構造枠に伝わると、構造枠に固定部を介して備えられた充腹材が地震による応力に対抗し、固定部の少なくとも1つに備えられた制震デバイスデバイスが地震による応力を減衰させる。
本発明の耐力耐震構造によれば、耐力耐震構造に加わった地震による応力が構造枠に伝わると、構造枠に固定部を介して備えられた充腹材が地震による応力に対抗し、固定部の少なくとも1つに備えられた制震デバイスが上下方向に摺動して地震による応力を減衰させるので、現在の建築基準法上で補助的な手段として扱われている制震壁に減衰由来の剛性と耐力を与えることが確認されている。
また、制震壁と耐力壁とが一元化できるので、閉鎖壁面の比率が減少し、その分だけ開口部を増やすことができる。これにより設計の自由度、生活の合理性や利便性を向上させることができる
図1は、第1の実施の形態に係る耐震構造を示す正面図である。 第1の実施の形態の構造枠に、地震による水平力が加わった様子を示す図である。 図3は、制震デバイスの詳細を示す斜視図である。 図4は、第1の実施の形態に係る固定金具の詳細を示す斜視図である。 図5は、第1の実施の形態に係る充腹材の形状を示す正面図である。 図6は、縦材および充腹材に連結された制震デバイスに水平力が加わる様を示す図である。 図7は、第2の実施の形態に係る耐震構造を示す正面図である。 図8は、第2の実施の形態の構造枠に水平力が加わった様子を示す図である。 図9は、第2の実施の形態に係る固定金具の詳細を示す斜視図である。 図10は、第2の実施の形態に係る充腹材の形状を示す正面図である。
以下、以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る耐震構造を示す正面図である。
図1に示すように、耐震部材100は、制震デバイス110、固定金具120、および表裏2枚の充腹材130を備えている。なお便宜上、図1において構造枠200内手前側の斜線で示される充腹材130を第一充腹材130とし、もう一方の構造枠200内奥側充腹材130を第二充腹材130とする。
また木質系建家の構造枠200は、左右二本の縦材210と、両者をつなぐ上下2本の横材220とが固定され形成されている。縦材120の間隔は、建屋の構造計画によって広幅にも細幅にも設定可能である。
耐震部材100の設置方法は、例えば以下の手順で設置を行う。
2本の縦材210の長手方向三分割点に、制震デバイス110を構造枠200の中心方向に向けて、図示しない複数のネジ例えば角ビットビスで固定する。
次に2本の縦材210の中央と、2本の縦材210の両端部のやや中央寄りとに、固定金具120を制震デバイス110と対面する方向に向けて、図示しないネジ例えば角ビットビスで固定する。
次に構造枠200の内側に沿った形状に加工した第一充腹材130を、第一充腹材130が構造枠200と干渉しないように構造枠200の図1における手前側から建て込む。一方の縦材210に固定された2つの制震デバイス110と、他方の縦材210に固定された3つの固定金具120とに、図示しないネジ例えばコーススレッドビスで第一充腹材130を固定する。これにより、第一充腹材130は、制震デバイス110および固定金具120を介して構造枠200と連結される。また、表裏2枚の充腹材130と、制震デバイス110および固定金具120が干渉する部分は、あらかじめ切り欠いておく必要があるが、切り欠き加工する形状については後述する。
次に構造枠200の内側に沿った形状に加工した第二充腹材130を、第二充腹材130が構造枠200と干渉しないように構造枠200の図1における奥側から建て込む。第一充腹材130に固定されていない2つの制震デバイス110および3つの固定金具120に、図示しないネジ例えばコーススレッドビスで第二充腹材130を固定する。これにより、第二充腹材130は、制震デバイス110および固定金具120を介して構造枠200と連結される。よって耐震部材100は、制震デバイス110および固定金具120を介して構造枠200と連結される。
表裏2枚の充腹材130は、地震による応力を受けた構造枠200が歪むことで、構造枠200、制震デバイス110および固定金具120と干渉する部分がでてくる恐れがあるので、干渉する部分はあらかじめ切り欠いておく必要がある。切り欠く部分については後述する。
表裏2枚の充腹材130は、耐力性を備えた板状体例えば構造用合板であって、構造枠200に固定金具120および制震デバイス110を介して固定することで地震による応力に抵抗することが出来る。また、縦材120の間隔や制震デバイスの数量によって特に耐力を要する場合には、充腹材130の厚さを厚くすることで、地震による応力に抵抗する抵抗力を増加させることができる。
また、1枚の充腹材130の形状寸法については、構造用合板の規格サイズである厚さ12mm〜24mmの構造用合板を加工して使用することが望ましい。
また、制震デバイス110および固定金具120を縦材210に固定する際、後で固定される表裏2枚の充腹材130が縦材210の高さ方向の中心線の延長線上にくるように調節して固定することが望ましい。
また、第1の実施の形態では、充腹材130は図3および図4に示すように構造枠200に取付けられた制震デバイス110および固定金具120の充腹材取付板115,122を挟みこむように、それぞれ表裏から固定される。
図2は、第1の実施の形態の構造枠に、地震による水平力が加わった様子を示す図である。
構造枠200に地震による水平力Pが加わると、2本の縦材210に水平力Pによる応力が伝わり、縦材210に固定された制震デバイス110および固定金具120を介して、表裏2枚の充腹材130にその応力が伝わる。表裏2枚の充腹材130は、制震デバイス110および固定金具120を挟むようにして構造枠200に固定されているので、充腹材130に加わった正負交番で反対向きの水平力Pによる応力は、表裏2枚の充腹材130にそれぞれ圧縮側は圧縮方向に、引張り側は引張り方向に、表裏個別に充腹材130の全体に均一に広がり、応力の向きによって構造枠200を水平方向に傾斜変形させつつ充腹材130全体で構造枠200を支えて正負交番の水平力Pに抵抗する。
また、充腹材130に伝わる水平力Pによる垂直分力は、充腹材130を傾かせる過程で発生するベクトルである。充腹材130に伝わった垂直分力は、表裏の2枚の充腹材130に連結された制震デバイス110に伝わり、制震デバイス110が上下方向に摺動することで、それぞれの垂直分力を減衰させる。また充腹材130によって水平力Pによる応力が分散されるため、過度の応力が集中して制震デバイス110に伝わり難く、構造枠200にかかった正負交番の水平力Pを、制震デバイス110で効率よく吸収減衰させることができる。構造枠200の縦材120の間隔が細幅Wの場合、地震水平力Pによって派生する垂直分力PvはPv=P/Wで表され、W>1mの場合には垂直分力Pv>Pとなるので、制震デバイス110の数量を割り増しして対処することができる。
図3は、制震デバイスの詳細を示す正面図である。
図3に示すように、制震デバイス110はΩ型の形状をしている。この制震デバイス110は、低降伏点鋼帯状鋼板からなる制震素子111と、縦材に取り付けるための普通鋼製のベースプレートと、充腹材130を取り付けるための充腹材取付板115とを備える。
制震素子111は、加力が弾性限界を超えると塑性変形する低降伏点鋼帯状鋼板で構成され、縦材210に取り付けられる普通鋼製のベースプレート112と、ベースプレート112に取り付けられる2つの取付面113と、取付面113の内側端部から立ち上がる2つの立上部114と、2つの立上部114の間を繋ぎ、構造枠200から伝達される水平力Pによる応力を充腹材130および充腹材取付板115を介して受ける上辺面116とを備える。
上辺面116の両端は、立上部114の外側に突出しており、取付面113方向にΩ状に折り曲げられた形状をしている。
制震素子111の延長線状の2つの取付面113はベースプレート112に溶着されており、充腹材取付板115は一般鋼材製で、制震素子111の延長線状の上辺面116の長手方向中心線上に垂直かつベースプレート112短手方向の断面がT形になるように溶着されている。
充腹材取付板115には、充腹材130をネジで固定するためのネジ穴117が複数開けられており、充腹材130を固定する際は、充腹材取付板115側からネジを締め付け、充腹材取付板115と充腹材130とを固定する。これは、充腹材130側からネジで固定しようとすると、充腹材取付板115に開けられているネジ穴117の場所が不明確であり、充腹材取付板115と充腹材130とを固定する際の位置ずれを防止するためである。
図4は、第1の実施の形態に係る固定金具の詳細を示す斜視図である。
図4に示すように、第1の実施形態において固定金具120は縦材210に取り付けるためのベースプレート121と、充腹材130を固定するための充腹材取付板122とを備える。充腹材取付板122は、ベースプレート121の長手方向中心線上に垂直かつベースプレート121短手方向の断面がT形になるように溶着されている。
充腹材取付板122には、充腹材130をネジで固定するためのネジ穴123が複数開けられており、充腹材130を固定する際は、充腹材取付板122側からネジを締め付け、充腹材取付板122と充腹材130とを固定する。これは、充腹材130側からネジで固定しようとすると、充腹材取付板122に開けられているネジ穴123の場所が不明確であり、充腹材取付板122と充腹材130とを固定する際の位置ずれを防止するためである。
図5は、第1の実施の形態に係る充腹材の形状を示す正面図である。
図5に示すように、切り欠いた充腹材130の形状は概ね船体側面状の形状をしている。表裏2枚の充腹板130は同形状で逆対称のものである。
切欠部131は、充腹材取付板に表裏に重ね合わせて取付けた充腹材130と縦材210とを連結する固定金具120が表裏互いに干渉しないように、あらかじめ切り欠いておく必要がある。
また切欠部132は、重ねあわせる充腹材130と縦材210とを連結する制震デバイス110が互いに干渉するため、あらかじめ切り欠いておく必要がある。
切欠部分の形状は特に指定はないが、切欠面積を大きくすると、応力によって充腹材130が変形する可能性があるので、切欠部分は必要十分に取ることが望ましい。
図6は、縦材および充腹材に連結された制震デバイスに水平力が加わる様子を示す図である。
(a)は、水平力が加わる前の状態を示す図である。
(a)に示すように、水平力が加わらなければ、固定された状態を保っている。
(b)は、水平力Paが矢印の方向に加わった時の様子を示す図である。
(b)に示すように、水平力Paが矢印方向から加わると、充腹材130を介し制震デバイス110に伝わった水平力Paからの応力により、弾性限界を超えると制震素子111は塑性変形し、(b)のように、上部の立上部114が制震素子111の外側に湾曲し、下部の立上部114が制震素子111の内側に湾曲する。
(c)は、水平力Pbが矢印の方向に加わった様子を示す図である。
(b)の様な水平力Paが加わったことによる反動で、逆方向の水平力Pbが加わると、充腹材130を介し制震デバイス110に伝わった水平力Pbからの応力により、弾性限界を超えると制震素子111は塑性変形し、(c)のように、上部の立上部114が制震素子111の内側に湾曲し、下部の立上部114が制震素子111の外側に湾曲する。
上記のように、制震素子111の塑性変形により制震デバイス110が上下方向に摺動することで水平力PaおよびPbを減衰させることができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態の耐震構造は、充腹材の枚数が1枚となること以外は、第1の実施の形態で示した構成とほぼ同様である。このため、上記第1の実施の形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付すなどして適宜その説明を省略する。
図7は、第2の実施の形態に係る耐震構造を示す正面図である。
図7に示すように、耐震部材100は、制震デバイス110、固定金具120、および充腹材130を備えている。固定金具120には第1の実施の形態の固定金具120と異なり充腹材130取付用のためのボルト孔が1つ明けられている。
また木質系建家の構造枠200は、左右二本の縦材210と、両者をつなぐ上下二本の横材220から形成されている。
耐震部材100の設置方法は、例えば以下の手順で設置を行う。
2本の縦材210の長手方向三分割点に、制震デバイス110を構造枠200の中心方向に向けて、図示しない複数のネジ例えば角ビットビスで固定する。
次に、2本の横材210の中央に、固定金具120を構造枠200の中心方向に向けて、図示しないボルトとナットで固定する。
次に、構造枠200の内側に沿った形状に加工した充腹材130を、充腹材130が構造枠200と干渉しないように構造枠200の一方から建て込み、図示しない例えばコーススレッドビスで4つの制震デバイス110に固定し、2つの固定金具120には図示しないボルトおよびナットで固定する。これにより、充腹材130は構造枠200と制震デバイス110および固定金具120(b)を介して連結される。充腹材130の形状については後述する。
充腹材130は、耐力性を備えた板状体例えば構造用合板であって、構造枠200に固定することで地震による水平力に抵抗することが出来る。また、充腹材130の厚さを厚くすることで、水平力に抵抗する抵抗力を増加させることができる。
また、充腹材130の形状寸法については、規格サイズである厚さ12mm〜24mmの合板を加工して使用することが望ましい。
また、制震デバイス110および固定金具120(b)を縦材210および横材220に固定する際、後で固定される充腹材130が構造枠200の高さ方向中心線上にくるように調節して固定することが望ましい。
また、第2の実施の形態では、充腹材130を構造枠200の一方から建て込み、制震デバイス110および固定金具120を介して構造枠200に固定したが、充腹材130を中心に充腹材の上部が表面から、下部が裏面からというように、構造枠200の表裏から、制震デバイス110および固定金具120で充腹材130を挟みこむようにして固定してもよい。
図8は、第2の実施の形態の構造枠に水平力が加わった様子を示す図である。
構造枠200に加わった地震による水平力Pは、制震デバイス110および固定金具120を介して構造枠200に固定された充腹材130に水平力Pが伝わる。充腹材130は制震デバイス110および固定金具120で構造枠200に固定されており、一体となっているので、充腹材130に加わった水平力Pによる応力によって構造枠200は変形しつつ、さらに水平力Pは充腹材130の全体に面上に均一に広がり、充腹材130全体で構造枠200を支えて水平力Pに抵抗する。
一方、充腹材130に伝わった水平力Pによる垂直分力は、充腹材130に連結された制震デバイス110に伝わり、制震デバイス110が上下方向に摺動することで垂直分力を減衰させる。また水平力Pによる応力が充腹材130によって充腹材130の面上に分散されるため、過度の応力が制震デバイス110に伝わること無く、構造枠200にかかった水平力Pを、制震デバイス110が効率よく減衰することができる。上記の水平力Pによる変形は左右交番の水平荷重であるから、圧縮方向と引張り方向で変形方向のみが変わり、変形量は非線形変化で非対称である。
図9は、第2の実施の形態に係る固定金具の詳細を示す斜視図である。
図9に示すように、第2の実施形態において固定金具120は縦材210に取り付けるためのベースプレート121と、充腹材130を固定するための充腹材取付板122とを備える。充腹材取付板122は、ベースプレート121の長手方向中心線上に垂直かつベースプレート121短手方向の断面がT形になるように溶着されている。
充腹材取付板122には、充腹材130をボルトで固定するためのボルト孔124が1つ明けられている。充腹材130を固定する際は、取り付け位置に合わせた充腹材130の所望の位置に孔を明け、図示しないボルトとナットで充腹材130と充腹材取付板122とをピン接合する。
図10は、第2の実施の形態に係る充腹材の形状を示す正面図である。
図10に示すように充腹材130は、長方形の四隅を切り取った形状をしている。
切欠部133は、水平力Pにより構造枠200が変形した際、充腹材130の隅角部と構造枠200とが干渉する恐れがあるため、あらかじめ切り欠いておく必要がある。
切欠部133の形状は特に指定はないが、切欠面積を多くすると、応力によって充腹材130が変形する可能性があるので、切欠部分は必要十分とすることが望ましい。
上記のように、本発明である耐力制震壁による耐震構造、およびその方法を用いることで、縦材210に固定金具および制震デバイスを介して固定された充腹材130が地震による水平力Pに抵抗し、縦材210に固定され充腹材130と連結した制震デバイス110が地震による水平力Pを吸収減衰させる。これにより、耐力性能と制震性能を兼ね備えた耐震構造を簡易かつ低コストで形成でき、建築基準法に合致した耐震性のある設計プランニングの自由度を確保できる。
また、上記実施例では、図7、図8のように1枚の充腹材130に対して4個の制震デバイス110と2個の固定金具120を使用したが、これらは設置箇所の状況に応じて制震デバイス110および固定金具120の数量、設置箇所を適宜変更することができる。
また、細幅壁の場合、筋かいを用いた耐力壁は、斜材である筋かいが鈍角に近づき、水平力の入力ロスのため耐震性能が極度に低下し、一般的には耐力壁と認められない乱尺寸法の雑壁として取り扱われることが多い。これに対して上記のような耐力制震部材を用いることで耐力性能と制震性能を兼ね備えた細幅の耐震構造を形成することが可能となる。
また、構造枠200に制震デバイス110および固定金具120を介して充腹材130を固定することによって構造枠200が構造的に一体化し、当該部分の断面性能である有効断面積、断面係数、および断面二次モーメントなどを向上できる。
また、筋かいを用いた耐力壁では、細幅になって構造枠200の縦材210の高さと間隔の比率によって筋かいの角度が上がった場合、構造枠200への水平力の入力ロスが発生するが、面状体である充腹材130を使用することによって、垂直分力を均等に制震デバイス110に供給でき、耐震性能が向上する。
また、充腹材130に例えば構造用合板を使用することで、施工現場で建屋の軒高さに合わせて合板の切断調節の加工や取り付け施工が簡単になり、工期を大幅に短縮しコストを低減させることができる。
100 耐震部材
110 制震デバイス
111 制震素子
112、121 ベースプレート
113 取付面
114 立上部
115、122 充腹材取付板
116 上辺面
117 ネジ穴
120 固定金具
123 ネジ穴
124 ボルト孔
130 充腹材
131、132、133 切欠部
200 構造枠
210 縦材
220 横材
P、Pa、Pb 水平力

Claims (12)

  1. 縦材および横材で構成される建家の構造枠内に制震部材を有する耐力耐震構造において、
    前記構造枠部材内の対向した面に設けられる固定部と、
    前記固定部を介して前記構造枠と連結された充腹材と、
    を備え、
    前記固定部のうち少なくとも1つが制震デバイスであることを特徴とする耐力耐震構造。
  2. 前記充腹材が、
    耐力性を備えた板状体であることを特徴とする請求項1記載の耐力耐震構造。
  3. 前記耐力性を備えた板状体が構造用合板であることを特徴とする請求項2記載の耐力耐震構造。
  4. 前記充腹材は、
    前記構造枠を変形する力が加わるときに前記充腹材が前記構造枠と干渉する部分に切欠部を設けたことを特徴とする請求項1記載の耐力耐震構造。
  5. 前記充腹材が、
    複数枚の板状部材を重ねて配置され、それぞれの板状部材に対して固定部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の耐力耐震構造。
  6. 前記板状部材は、
    前記構造枠に固定された他の前記板状部材に設けられた前記固定部と干渉する部分に切欠部を備えたことを特徴とする請求項5記載の耐力耐震構造。
  7. 前記構造枠内が複数の固定部を備える場合、
    前記固定部同士または前記制震デバイス同士、
    または前記固定部と前記制震デバイスとを対向する位置に取り付けることができることを特徴とする請求項1記載の耐力耐震構造。
  8. 前記制震デバイスは、加力が弾性限界を超えると塑性変形する帯状鋼板で構成される制震素子と、
    ベースプレートと、
    充腹材取付板と、
    を備え、
    前記制震素子は、
    前記ベースプレートに取り付けるための2つの取付面と、
    前記取付面の内側端部から立ち上がる2つの立上部と、
    前記立上部間を繋ぎ、前記構造枠から伝達される地震の振動が前記取付板を介して伝わる上辺面と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の制震デバイス。
  9. 前記制震素子は、
    前記帯状鋼板が低降伏点鋼であることを特徴とする請求項8記載の制震デバイス。
  10. 前記上辺面の両端辺は、前記立上部外側と同等かこれより突出していることを特徴とする請求項8記載の制震デバイス。
  11. 前記上辺面の両端辺は、前記取付面方向に折り曲げられていることを特徴とする請求項8記載の制震デバイス。
  12. 縦材および横材で構成される建家の構造枠内に制震部材を有する耐力耐震構造において、
    前記構造枠内に固定部を設ける工程と、
    前記固定部のうち少なくとも1つに制震デバイスを設ける工程と、
    前記構造枠に前記固定部を介して前記充腹材を連結する工程と、
    を備えることを特徴とする耐力耐震構造の形成方法。
JP2016027695A 2016-02-17 2016-02-17 合板ウエブ耐力制震壁による耐震構造およびその形成方法 Active JP6765822B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016027695A JP6765822B2 (ja) 2016-02-17 2016-02-17 合板ウエブ耐力制震壁による耐震構造およびその形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016027695A JP6765822B2 (ja) 2016-02-17 2016-02-17 合板ウエブ耐力制震壁による耐震構造およびその形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017145606A true JP2017145606A (ja) 2017-08-24
JP6765822B2 JP6765822B2 (ja) 2020-10-07

Family

ID=59681232

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016027695A Active JP6765822B2 (ja) 2016-02-17 2016-02-17 合板ウエブ耐力制震壁による耐震構造およびその形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6765822B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109837995A (zh) * 2019-03-18 2019-06-04 武汉理工大学 一种框架—填充墙柔性连接结构

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62187157U (ja) * 1986-05-19 1987-11-28
JPH0374757U (ja) * 1989-07-12 1991-07-26
JP2007077601A (ja) * 2005-09-12 2007-03-29 Misawa Homes Co Ltd 制振パネルの設置構造
JP2008308911A (ja) * 2007-06-15 2008-12-25 Satou:Kk 斜材の支持装置
JP2010007377A (ja) * 2008-06-27 2010-01-14 Daiken Corp 制震構造
JP2010261171A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Tokai Rubber Ind Ltd 木造建築物用制震装置
JP2013019233A (ja) * 2011-07-14 2013-01-31 Satou:Kk 制震壁面軸組構造

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62187157U (ja) * 1986-05-19 1987-11-28
JPH0374757U (ja) * 1989-07-12 1991-07-26
JP2007077601A (ja) * 2005-09-12 2007-03-29 Misawa Homes Co Ltd 制振パネルの設置構造
JP2008308911A (ja) * 2007-06-15 2008-12-25 Satou:Kk 斜材の支持装置
JP2010007377A (ja) * 2008-06-27 2010-01-14 Daiken Corp 制震構造
JP2010261171A (ja) * 2009-04-30 2010-11-18 Tokai Rubber Ind Ltd 木造建築物用制震装置
JP2013019233A (ja) * 2011-07-14 2013-01-31 Satou:Kk 制震壁面軸組構造

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109837995A (zh) * 2019-03-18 2019-06-04 武汉理工大学 一种框架—填充墙柔性连接结构
CN109837995B (zh) * 2019-03-18 2024-07-23 武汉理工大学 一种框架—填充墙柔性连接结构

Also Published As

Publication number Publication date
JP6765822B2 (ja) 2020-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101348577B1 (ko) 건물의 개구부에 설치된 수평보형 댐퍼를 이용한 내진보강방법
JP5885950B2 (ja) 制震壁面軸組構造
JP6209785B2 (ja) 減震ストッパ構造並びに当該減震ストッパ構造を備えた防振架台
KR101297416B1 (ko) 외부 부착형 제진 댐퍼 시스템 및 이의 시공방법
JP6612014B2 (ja) 耐震補強装置、耐震補強構造、耐震建家、耐震補強方法
KR100798457B1 (ko) 제진 구조물
JP4070117B2 (ja) 制震装置
JP6161844B1 (ja) ログ壁の補強構造
JP2010216611A (ja) 制震用金属板
JP6765822B2 (ja) 合板ウエブ耐力制震壁による耐震構造およびその形成方法
JP5568343B2 (ja) 木造建築物の制震装置
JP2007146437A (ja) 建築物の制振装置
KR102462907B1 (ko) 내진 보강용 가새 철골 프레임 및 이를 이용한 내진 보강 공법
JP2011137311A (ja) 木造建築物の補強金具及び木造建築物の補強方法
JP2011157728A (ja) ダンパ及びダンパを用いた木構造
JP6717636B2 (ja) 制振装置
JP7362534B2 (ja) エネルギー吸収部材
JP2016017323A (ja) 制震構造
JP5305756B2 (ja) 波形鋼板を用いた制振壁
JP2010024656A (ja) 仕口ダンパおよび仕口部の構造
JP6913174B2 (ja) 建築用パネルの取付金具及びそれを用いた建築用パネルの取付構造
JP4354390B2 (ja) 木質系住宅用の制振装置
JP5235530B2 (ja) 制振ダンパーが取付けられた制振構造物
JP6977313B2 (ja) 構造体の制振構造
JP4279846B2 (ja) 木造軸組建築物の補強構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200421

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200421

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20200501

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20200501

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200915

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200916

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6765822

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250