JP2010261171A - 木造建築物用制震装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】木造建築物用制震装置20を、フレーム10のフレーム面14と平行に配置され、フレーム面14の四隅に対応する角部を夫々矩形状に切り欠いて、当該切欠き部分を除く左右の側縁を夫々隣接する縦枠13に当接させる合板21と、合板21の上下において夫々隣接する上枠11及び下枠12との間に跨って設けられる減衰部材23と、合板21の左右の側縁を夫々隣接する縦枠13に固定する固定手段(アングル金具22)と、フレーム面14との直交方向への合板21の変位を防止する座屈防止手段(横受け材24)と、で構成した。
【選択図】図1
Description
ここで、第1横材及び第2横材は、軸組工法における土台、胴差し、梁材、敷げた等であり、枠組壁工法における上枠、下枠に相当する。
また、縦材は、軸組工法における柱、間柱等であり、枠組壁工法における縦枠に相当する。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、面材の角部を全て同じ大きさの矩形状に切り欠いたことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、座屈防止手段を、面材の前後で縦材間へ水平に架設される少なくとも一対の横受け材としたことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、座屈防止手段を、面材の左右の側縁の前後で夫々隣接する縦材に固定される少なくとも二対の縦受け材としたことを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、固定手段を、面材の前後で縦材間へ水平に架設されて面材に固定される少なくとも一対の連結材として、連結材を座屈防止手段と兼用したことを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかの構成において、各横材に、フレーム面と平行な第1受け板を面材側へ向けて突設した第1金具を夫々固定する一方、面材の上下に固定した各減衰部材における横材側の端縁に、フレーム面と平行な第2受け板を横材側へ向けて突設した第2金具を夫々固定して、第1受け板と第2受け板とをフレーム面との直交方向で直接或いは両受け板間に介在させた中間部材を介して間接的に接合したことを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかの構成において、各横材に固定した各減衰部材における面材側の端縁に、フレーム面との直交方向で減衰部材より突出する第1連結端部を備えた第1金具を夫々固定する一方、面材の上下に、フレーム面との直交方向で且つ第1連結端部と同じ突出側へ向けて面材より突出する第2連結端部を備えた第2金具を夫々固定して、面材の上下で夫々重合する第1金具と第2金具とを第1連結端部と第2連結端部とを利用して接合したことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加えて、面材の角部を矩形状としたことで、面材の加工がし易い上、フレーム内に面材を設置する際のハンドリングも容易となり、施工に係る作業性が良好となる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、横受け材の採用により、座屈防止手段が胴縁等を利用して簡単に得られる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、縦受け材の採用により、座屈防止手段が壁の受け材等を利用して簡単に得られる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加えて、連結材の採用により、構成が合理化して部品点数が少なくて済み、施工が容易となる。
請求項6及び7に記載の発明によれば、請求項1乃至5の何れかの効果に加えて、フレームの片面側から施工可能となる。よって、既設の木造建築物に対しても壁を片面側だけ開放すれば足り、工期の短縮化やコスト低減が期待できる。
[形態1]
図1において、10は、枠組壁工法の木造建築物において上側の根太1と下側の根太2との間で壁を形成するフレームで、このフレーム10は、根太1側に固定される第1横材としての上枠11と、根太2側に固定される第2横材としての下枠12と、上枠11と下枠12との間で左右両端とその中央とにおいて立設される縦材としての縦枠13,13・・とから形成されて、フレーム10内に、上枠11と下枠12と縦枠13とによって囲まれる左右一対のフレーム面14,14を形成している。
アングル金具22は、合板21における中間部25の前後両面を挟む格好で夫々左右端に一対ずつ配置され、隣接する縦枠13と合板21とに跨って木ネジで固定されている。
そして、横受け材24は、合板21の中間部25と上部26及び下部27との各境目において、合板21を前後に挟んで夫々上下に一対ずつ配設されて、両端が縦枠13に夫々木ネジで固定されている。各横受け材24は、合板21に対しては固定されておらず、フレーム面14内での合板21の相対的な移動を許容している。
また、座屈防止手段を、合板21の前後で縦枠13間へ水平に架設される横受け材24としたことで、座屈防止手段が胴縁等を利用して簡単に得られる。
[形態2]
図2に示す制震装置20aにおいては、座屈防止手段として、縦向き矩形の縦受け材30,30・・を用いた点が形態1と異なっている。この縦受け材30は、中間部25と上部26、中間部25と下部27との夫々の上下の境目において、上下方向の中心が当該境目に夫々位置する高さで左右に一対ずつ、且つ合板21を挟む格好で前後に一対ずつ、隣接する縦枠13に沿って木ネジで固定されている。
特にここでは、座屈防止手段を、合板21の左右の側縁の前後で夫々隣接する縦枠13に固定される縦受け材30としたことで、座屈防止手段が壁の受け材等を利用して簡単に得られる。
図3に示す制震装置20bは、座屈防止手段として、合板21の上下方向の中央位置で縦枠13,13間に連結材31を架設し、その連結材31に合板21も木ネジで固定して、アングル金具を省略した点が形態1と異なっている。すなわち、連結材31に、合板21のフレーム10内での固定とフレーム面外方向への変位防止との両機能を具備したものである。
特にここでは、固定手段を、合板21の前後で縦枠13間へ水平に架設されて合板21に固定される連結材31として、連結材31を座屈防止手段と兼用しているので、形態1,2に比較して部品点数が少なくて済み、施工が容易となる利点がある。
図4は、制震装置20cにおける上枠11部分の拡大断面図で、ここでは第1金具となる外側金具29の下面で後方(図4の左側)寄りには、フレーム面14と平行な第1受け板32が下向きに突設されている。一方、内側金具28に接着される減衰部材23の上面には、フレーム面14と平行な第2受け板34を前方寄りで上向きに突設した第2金具としての中間金具33が接着されている。
横受け材24は、後側を先に縦枠13,13間に架設しておき、合板21をフレーム10内に嵌め込んだ後、前側の横受け材24を縦枠13,13間に架設すればよい。
図5に示す制震装置20dにおいては、受け木材35が省略されて、外側金具29の第1受け板32と中間金具33の第2受け板34とが夫々中央寄りでフレーム面14との直交方向で重合するように設けられており、第1受け板32にナット40(図5では概略で示す)が溶接されている。
この制震装置20dは、まず上下に対応する内側金具28と中間金具33との間に減衰部材23を夫々接着し、内側金具28を木ネジ36によって合板21の上下端部に夫々固定する。一方、上下の外側金具29を木ネジ38によって上枠11及び下枠12に夫々固定する。この状態で、合板21の上下には減衰部材23と中間金具33とが夫々固定され、上枠11及び下枠12には外側金具29が夫々固定される。
特にここでは、受け木材35を用いずに外側金具29と中間金具33とを直接接合しているため、形態4に比べて部品点数が少なくなり、施工も容易となる。
図6に示す制震装置20eにおいては、下枠12側の減衰部材23の上面に、フレーム面14との直交方向で減衰部材23より突出する第1連結端部43を備えた第1金具42が接着されている。一方、合板21の下端には、同じくフレーム面14との直交方向で且つ第1連結端部43の突出側へ向けて合板21より突出する第2連結端部45と、合板21の後面に位置する後板部46とを備えたL字状の第2金具44が、木ネジ36によって固定されている。そして、第1金具42の第1連結端部43と、第2金具44の第2連結端部45とが、合板21の前方においてボルト47及びナット48(図6では夫々概略で示す)によって接合される形態となっている。これは上枠11側でも同様である。49は壁材である。
よって、上下の第1金具42の間に合板21を前方から嵌め込むようにすると、下枠12側では第2金具44の第2連結端部45が第1金具42上に載置し、上枠11側では第2連結端部45が第1金具42の下方に重合する。最後に第1連結端部43と第2連結端部45とをボルト47及びナット48で接合すれば、制震装置20eの施工は完了する。
また、各形態において、面材の構造は上記形態に限らず、例えば角部の切欠きを矩形状以外の扇形や多角形等にしたり、左右の側縁を隙間をおいて縦材に近接させたり等、適宜変更可能である。減衰部材も粘弾性体等の他のデバイスが使用できる。
さらに、座屈防止手段も、形態1では横受け材の幅や架設位置を変えたり、数を増減したりでき、形態2では上下の縦受け材を連結したり、数を増減したり、金具を用いたりでき、形態3では連結材の幅を大きくしたりでき、何れの場合も各形態に限らず設計変更可能である。
Claims (7)
- 上下に配設される第1横材及び第2横材と、その第1横材と第2横材間に立設される一対の縦材とからなる木造建築物のフレーム内に取り付けられる木造建築物用制震装置であって、
前記フレームのフレーム面と平行に配置され、前記フレーム面の四隅に対応する角部を夫々所定形状に切り欠いて、当該切欠き部分を除く左右の側縁を夫々隣接する前記縦材に近接或いは当接させる面材と、
前記面材の上下において夫々隣接する前記横材との間に跨って設けられる減衰部材と、
前記面材の左右の側縁を夫々隣接する前記縦材に固定する固定手段と、
前記フレーム面との直交方向への前記面材の変位を防止する座屈防止手段と、
を備えたことを特徴とする木造建築物用制震装置。 - 前記面材の角部を全て同じ大きさの矩形状に切り欠いたことを特徴とする請求項1に記載の木造建築物用制震装置。
- 前記座屈防止手段を、前記面材の前後で前記縦材間へ水平に架設される少なくとも一対の横受け材としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の木造建築物用制震装置。
- 前記座屈防止手段を、前記面材の左右の側縁の前後で夫々隣接する前記縦材に固定される少なくとも二対の縦受け材としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の木造建築物用制震装置。
- 前記固定手段を、前記面材の前後で前記縦材間へ水平に架設されて前記面材に固定される少なくとも一対の連結材として、前記連結材を前記座屈防止手段と兼用したことを特徴とする請求項1又は2に記載の木造建築物用制震装置。
- 各前記横材に、前記フレーム面と平行な第1受け板を前記面材側へ向けて突設した第1金具を夫々固定する一方、前記面材の上下に固定した各前記減衰部材における前記横材側の端縁に、前記フレーム面と平行な第2受け板を前記横材側へ向けて突設した第2金具を夫々固定して、前記第1受け板と第2受け板とを前記フレーム面との直交方向で直接或いは両受け板間に介在させた中間部材を介して間接的に接合したことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の木造建築物用制震装置。
- 各前記横材に固定した各前記減衰部材における前記面材側の端縁に、前記フレーム面との直交方向で前記減衰部材より突出する第1連結端部を備えた第1金具を夫々固定する一方、前記面材の上下に、前記フレーム面との直交方向で且つ前記第1連結端部と同じ突出側へ向けて前記面材より突出する第2連結端部を備えた第2金具を夫々固定して、前記面材の上下で夫々重合する前記第1金具と第2金具とを前記第1連結端部と第2連結端部とを利用して接合したことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の木造建築物用制震装置。
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