JP2008057107A - 制震壁の取付方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】上層階の躯体施工に伴って柱に圧縮変形縮みが発生した場合であっても、その性能に影響を受けない制震装置の取付方法を提供する
【解決手段】下層階から上層階に向けて順次建造されるRC造建物1の建造時に、上下一対の梁3a−2,3a−3と左右一対の柱2a,2bとから構成される架構体4に、剪断パネル型の制震パネル11を取り付ける方法において、制震パネル11を架構体4の内部に配置し、次に、高力ボルト24を使って上部取付プレート19を上部支持プレート6に固定し、制震パネル11に上下方向の引張応力を付与すべく、ロッド32を下部外周フランジ14に通して下部支持プレート7に取り付け、ロッド32の上端にナット34を所定のトルクで締め付け、制震パネル11に所定の引張応力を発生させた状態で、下部取付プレート20を下部支持プレート7に高力ボルト24で固定するようにする。
【選択図】図2

Description

本発明は、建造物に設置される制震装置に関し、特に鋼材の剪断変形を利用した履歴ダンパである剪断パネル型の制震壁の取付方法に関する。
近年の超高層RC造建物においては、大スパン化や更なる超高層化に伴って免振装置や制震装置を設置する場合が増えつつあり、鋼材の剪断変形を利用して地震等による振動エネルギを吸収する履歴ダンパとして、剪断パネル型ダンパが知られている(例えば特許文献1参照)。このような制震装置には、装置が取り付けられる架構体への緊結固定後に装置に過大な外力が加わった場合に、座屈等の装置の性能を損なう現象が生じる虞がある。ところがRC造建物では、躯体が積層的に施工されることが一般的であり、上部躯体の階層が増すにつれ、下層階の柱に加わる荷重も増大して柱が順次軸方向に縮む現象が生じる。したがって、下層階の制震装置が柱梁構造の架構体に既に緊結されている場合は、制震装置に圧縮変形縮みによる応力が生じることになる。
そこで従来では、この圧縮変形縮みが過大とならないようにするために、ある程度上層階の躯体工事が完了し、制震措置が仮留めされている柱のその後の圧縮変形縮みが許容量を超えない程度となるまで、耐震装置の架構体への緊結固定を遅らせるという方法を採用していた。一般的には躯体工事の完了後、3〜5層上の階において躯体工事が施工されているときに、支保工等の仮設資材が撤去され、仕上げ工事が着手される。
特開2001−317227号公報
しかしながら、従来の免震・制震装置の取付方法では、ある程度上層階の躯体工事が完了するまで制震装置を緊結固定することができない。一般的に制震装置の周囲には仕上げ工事が施されるが、緊結固定作業を行った後でなければ仕上げ工事に着手することはできない。制震装置を取り付けない建物の場合、3〜5層上の階において躯体工事が施工されているときに、支保工等の仮設資材が撤去され、仕上げ工事が着手されるのが一般的である。一方、免震・制震装置が取り付けられている柱のその後の圧縮変形縮みが許容量を超えない程度となるまで緊結固定を行うことができない期間は、躯体施工階より所定の階だけ下であれば可能という条件ではなく、基本的には、躯体施工階より上に加わる荷重、すなわち構築される階数によって決まるため、超高層建物では下層階であればあるほど緊結固定できない期間が長くなるという状況が発生する。そのため、例え躯体工事を早めても仕上げ工事に着手できない部分が多く残る結果となり、建物全体の工期短縮やコストダウンの足かせとなっている。
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、上層階の躯体施工に伴う荷重の増加によって制震装置取付階の柱に圧縮変形縮みが発生した場合であっても、その性能に影響を受けない制震装置の取付方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、下層階から上層階に向けて順次建造される建造物において、上下一対の梁と左右一対の柱とから構成される架構体に剪断パネル型の制震壁を取り付ける方法であって、少なくとも最上階を除いた階の架構体に制震壁を取り付けるにあたり、前記制震壁を前記架構体の内部に配置する工程と、前記制震壁に上下方向の引張応力を付与する工程と、前記引張応力を付与した状態で前記制震壁を前記上下一対の梁の両方に固定する工程とを含む構成とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の制震壁の取付方法において、前記制震壁は、上端および下端のいずれか一方の近傍に形成されて引張手段が係合する引張手段係合部を備え、前記制震壁に引張応力を付与する工程では、前記制震壁の上端および下端のいずれか他方が固定された状態で、前記引張手段係合部を前記引張手段によって固定すべき梁に引き付けるように構成する。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の制震壁の取付方法において、前記制震壁は、上端近傍に形成されて突張手段が係合する上部突張手段係合部と、下端近傍に形成されて突張手段が係合する下部突張手段係合部とを備え、前記制震壁に引張応力を付与する工程では、前記上部突張手段係合部と前記下部突張手段係合部とを突張手段によって突っ張るように構成する。
請求項1に係る発明によれば、取り付ける階に応じた引張応力を制震壁に予め付与しておくことにより、その取付後に上層階の荷重が加わって制震壁を取り付けた柱に圧縮歪が発生しても、制震壁は引張歪を打ち消されて内部応力が縮減される方向に作用するので、ダンパとしての減衰性能を確保することができる。したがって、ダンパの減衰性能を確保した上で、従来よりも早期に制震壁を架構体に緊結固定することができる。その結果、制震壁周辺の仕上げ工事の着手をも早めて、工期の短縮およびコストの低減を図ることができる。また、請求項2および請求項3の発明によれば、制震壁に引張応力を付与する手段を提供して上記効果を得ることができる。
以下、本発明の第1の実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は第1実施形態に係る制震壁を取り付けた建物の縦断面図であり、図2は第1実施形態に係る制震壁を取り付けた状態を一部破断して示す斜視図である。図3は第1実施形態に係る制震壁を取り付けた状態を示す正面図であり、図4は図3中のIV−IV断面図である。図5は第1実施形態に係る制震壁による作用を示す概念図である。図6は第2実施形態に係る制震壁を取り付けた状態を示す正面図であり、図7は図6中のVII−VII断面図である。図8および図9は従来技術による制震壁による作用を示す概念図である。なお、構成要素について階を表すことが必要な場合には、各符号の後ろに階数を表す数字を表示し、例えば、5階の梁3aは「梁3a−5」と記す。
≪第1実施形態≫
《第1実施形態の構成》
図1に示すように、RC造建物1(建造物)は複数階の建物であって、各階は鉄筋コンクリートからなる複数の柱2a〜2dと、各階ごとに柱2a〜2dを連結する鉄筋コンクリートからなる複数の梁3a〜3cとを備えている。左右に隣接する柱と上下に隣接する梁とによって、1つの架構体が形成されている。図1における断面では、下層階から所定の階まで各階に1基ずつ制震パネル11(制震壁)が架構体の内部に取り付けられている。
図2は柱、梁、床スラブの一部を破断して示している。図2,図3に示すように、架構体4は、上下一対の梁3a−2,3a−3と、左右一対の柱2a,2bとによって構成され、これらに囲まれた内部空間には制震パネル11が取り付けられている。梁3a−2の上端には床スラブ5−2が連結されており、同様に、梁3a−3の上端には床スラブ5−3が連結されている。梁3a−3の下面には、制震パネル11の上部を固定するための上部支持プレート6が取り付けられ、梁3a−2の上面には、制震パネル11の下部を固定するための下部支持プレート7が取り付けられている。また、柱2aの架構体4内面側には、制震パネル11の左端を固定するための左側部支持プレート8が取り付けられ、柱2bの架構体4内面側には、制震パネル11の右端を固定するための右側部支持プレート9が取り付けられている。
図2,図4に示すように、支持プレート6,7,8,9はそれぞれT形鋼であって、T形鋼の背面に取り付けられた埋込アンカー10が鉄筋コンクリート内に埋め込まれるようにコンクリートが打設されることによって、梁または柱とそれぞれ一体に形成されている。
図3,図4に示すように、制震パネル11は、低降伏点鋼からなる矩形状のパネル12と、パネル12の各辺に沿ってそれぞれ配置された上部外周フランジ13,下部外周フランジ14(引付手段係合部),左側部外周フランジ15および右側部外周フランジ16と、パネル12の一方の面に垂直方向に取り付けられた複数の垂直補剛スティフナ17と、パネル12の他方の面に水平方向に取り付けられた複数の水平補剛スティフナ18と、上下左右の各辺に取り付けられた上部取付プレート19(上側固定部),下部取付プレート20(下側固定部),左側部取付プレート21および右側部取付プレート22とから構成される。
梁3a−2,3a−3および柱2a,2bに取り付けられた支持プレート6,7,8,9と、制震パネル11の周囲に取り付けられた取付プレート19,20,21,22とには、ボルト通し孔がそれぞれ複数開けられており、高力ボルト24とナット25とを締め付けることによって制震パネル11が架構体4に摩擦接合される。
下部支持プレート7の背面には、埋込アンカー10の他に、アンカーナット31(引付手段)が取り付けられており、両端にねじを備えたロッド32(引付手段)を螺合して取り付けられるようにロッド通し孔が開けられている。下部取付プレート20にも同様に、ロッド32を通すためのロッド通し孔が開けられており、アンカーナット31に締め込まれたロッド32の上端からナット34(引付手段)を螺合することにより、制震パネル11が下側の梁3a−2に連結される。
《第1実施形態の取付方法》
次に、図3,図4を参照して、本実施形態における制震パネル11の架構体4への取り付け手順について説明する。制震パネル11を取り付けるに当たり、梁3a−3,3a−2,柱2a,2bには、支持プレート6,7,8,9がそれぞれ梁3a−2,3a−3または柱2a,2bと一体に形成されている。
最初に、制震パネル11を架構体4の近傍へ運搬し、制震パネル11に取り付けられた吊りピース(図示せず)にチェーンブロック等のフックを引掛け、制震パネル11が懸垂するように吊り上げて架構体4内部の所定位置に配置する。次に、高力ボルト24とナット25を使って上部取付プレート19を上部支持プレート6に固定する。上部が確実に固定されたら、制震パネル11に垂直方向の引張応力を付与すべく、ロッド32を下部外周フランジ14のロッド通し孔に通してアンカーナット31に締め付け、ロッド32の上端にナット34を螺合して所定のトルクで締め付ける。
この際、制震パネル11の全体に均等な引張応力を付与するように、全てのナット34のトルクが均等となるように締め付けを行う。ナット34の締付トルクは、パネル12の弾性範囲内の歪であって、上層階の建造に伴って柱2a,2bに加わる荷重が増大することによって柱2a,2bに生じる歪の大きさに応じて、制震パネル11に当該歪を発生させる力が作用するように求める。
次に制震パネル11に所定の引張応力が生じている状態で、下部取付プレート20を下部支持プレート7に高力ボルト24とナット25とで固定する。さらに、左側部取付プレート21および右側部取付プレート22を、それぞれ左側部支持プレート8および右側部支持プレート9に高力ボルト24とナット25とで固定し、ロッド32およびナット34を取り外して制震パネル11の取り付けが完了する。なお、ロッド32およびナット34は取り外さずにそのまま放置しておいてもよい。
《第1実施形態の作用》
本発明では、上層階の躯体施工の進行に伴って発生すると予想される応力と逆方向の引張力を、制震パネル11全体にその弾性範囲内で作用させた状態で周囲の架構体4に固定し、その後引張力を開放することにより、開放された引張力は固定した架構体4に伝達される。架構体4は伝達された引張力に応じた部材変形を生じるが、制震パネル11と比較してこれら架構体4の応力に対する変形率は非常に小さく、変形は極めて微小であるため、そのほとんどは制震パネル11にそのまま引張力として残留する。この引張力が残留した状態で上層階の躯体の荷重が順次下層階の柱2に加わるにしたがって、下層階の柱2にはその荷重に基づく軸方向の歪が発生する。制震パネル11にもこれに応じた応力が発生するが、これは制震パネル11の固定前に作用させた引張力を打ち消す方向であるので、制震パネル11に作用する応力は全体として減少する。
上記作用について具体例を挙げて、前述した従来技術による制震パネルの取付方法と比較しつつ説明する。ここで、実際には各階のコンクリートを打設後、直ちに制震パネル11を取り付けられるものではないが、図5,図8,図9においては簡単のため、コンクリート打設後の養生期間や型枠解体期間等を考慮せずに、直ちに制震パネル11を取り付けられるものと仮定して示す。
先ず、制震パネル11に発生する歪を考慮しない従来モデル1を示す図8を参照して、制震パネルに発生する歪について説明する。第1工程では、1階の架構体4−1を施工し、施工後直ちに1階制震パネル11−1を上下左右各辺について緊結固定する。この段階では、柱2−1には支保工解体時に一層施工分の荷重が加わり、この荷重に基づいて柱の歪εcは−εoとなる。一方、1階制震パネル11−1は当該荷重が加わった後に取り付けられるため、1階制震パネル11に生じる歪εdは0である。次に第2工程では2階の架構体4−2が施工され、その荷重に基づき1階の柱2−1には歪−εoが加わって−2εoとなる。1階制震パネル11−1にも同じだけ歪が生じ、1階制震パネル11−1の歪εdは−εoとなる。同様にして、第3工程、第4工程、第5工程を完了し、5階まで建造したときの1階制震パネル11−1に生じる歪εdは−4εoとなっている。
次に図9を参照して、上述したような、制震パネルに生じる歪を考慮してある程度上層階の施工が完了するまで制震パネル11を仮留め状態にしておく従来の方法について説明する。この方法の第1工程では、1階の架構体4−1の施工後、1階制震パネル11−1は架構体4−1内に配置され、上部だけが固定された仮留め状態とされる。第2工程で2階部分の架構体4−2が施工された後に、1階の柱2−1の歪εcは−2εoとなるが、1階制震パネル11−1は未だ仮留め状態であるため、歪は生じない。第3工程においても同様である。第4工程では1階制震パネル11−1が上下左右の全周に渡って本留めされ、その後4階の架構体4−4が施工されるため、1階制震パネル11−1には4階の架構体4−1の荷重に基づく歪εoが発生する。第5工程完了後における1階制震パネル11−1の歪εdは−2εoとなっている。
このように、1階制震パネル11−1の本留めを2層上の階(3階)の施工後に行うため、1階制震パネル11−1の歪は2層分の荷重に対する歪が縮小されることになる。一方で、3階部分の施工が完了してから1階制震パネル11−1の本留め作業を行うために、本留め作業が完了するまで制震パネル周辺の仕上げ作業に着手できない。
次に、本発明に係る取付方法を示す図5を参照して、本発明の作用・効果について説明する。第1工程では架構体4−1の施工後、1階制震パネル11−1を配置・固定(本留め)する。この際、1階制震パネル11−1には、前述したようにロッド32とナット34によって引張応力が付与されており、プレロードによる引張歪εtが生じた状態で架構体4−1に取り付けられている。1階の柱2−1の歪εcは−εoであり、1階制震パネル11−1の歪εdはεtである。次に第2工程では、2階の架構体4−2が施工され、1階制震パネル11−1と同様に2階制震パネル11−2も、プレロードによる引張歪εtが生じた状態で架構体4−2に取り付けられる。1階の柱2−1の歪εcは−2εoとなり、1階制震パネル11−1の歪εdはεt−εoとなる。
第3工程、第4工程および第5工程でも、第2工程と同様の作業が繰り返される。そして第5工程が完了した時点では、1階の柱2−1の歪εcは−5εoとなり、1階制震パネル11−1の歪εdはεt−4εoとなる。プレロードによる引張歪εtの値が2εoであった場合には、1階制震パネル11−1の歪εdは−2εoであり、図9に示す従来技術による取付方法と同じ歪量となるが、本発明による取付方法では、1階制震パネル11−1の本留めを3階の架構体4−3の施工完了まで待つ必要はなく、1階の架構体4−1の施工後直ちに行うことができる。したがって、1階制震パネル11−1周りの仕上げ工事にも直ちに取り掛かることが可能である。
また、プレロードによる引張歪εtの値を2εoよりも大きくした場合には、従来技術による取付方法よりも早く仕上げ工事に着手できる他、制震パネルに発生する歪を従来方法よりも小さくすることも可能である。
このように、上層階の躯体荷重が作用する前段階において、上層階の躯体施工に伴って発生すると予想される応力と逆方向の応力を作用させた状態で、制震パネル11を周囲の架構体4に固定することにより、制震パネル11の性能に影響のない範囲で制震パネル11に加わる応力を調整し、かつ上層階の躯体工事が進む前に制震パネル11を架構体に固定することが可能となる。その結果、制震パネル11周辺の仕上げ工事に早期に着手可能となって、工期の短縮を図ることができる。
≪第2実施形態≫
次に、上記実施形態と構成の異なる変形実施形態について説明する。なお、前記実施形態と同じ部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。図6に示すように、本実施形態の制震パネル11には、上部外周フランジ13(上部突張手段係合部)および下部外周フランジ14(下部突張手段係合部)の外側に補強リブ42,43がそれぞれ複数取り付けられている。上下一組の補強リブ42,43はそれぞれ垂直となる位置に配置され、当該補強リブ42,43が設置された部分の上部外周フランジ13と下部外周フランジ14との間にはねじ式のパイプサポート41(突張手段)が垂直に配置されている。
図7に示すように、パイプサポート41および補強リブ42,43は制震パネル11の両面に対称となるように配置されており、パイプサポート41の上端および下端が係合するように、上部外周フランジ13および下部外周フランジ14は、実施形態1に示す上部外周フランジ13および下部外周フランジ14よりも幅広とされている。図示されていないが、上部支持プレート6と下部支持プレート7には、補強リブ42,43が取り付けられた個所に対応して切欠きが設けられており、制震パネル11の配置および位置調整が可能とされている。
制震パネル11を架構体4の内部空間に配置し、パイプサポート41のねじ部を回して伸長することにより、上部外周フランジ13および下部外周フランジ14を突っ張って制震パネル11に上下方向の引張応力を付与する。この際、前述の第1実施形態と同様に、柱2a,2bに発生する歪の大きさに応じて、制震パネル11に当該歪を生じさせる軸力が発生するように求めたトルクでねじ部を締め付ける。そして引張応力を付与した状態で、制震パネル11の上部取付プレート19(上側固定部)と下部取付プレート20(下側固定部)とを梁3a−2,3a−3に固定する。制震パネル11の全周を高力ボルト24およびナット25で固定した後、或いは少なくとも制震パネル11の上下を固定した後に、パイプサポート41を取り外して引張力を開放する。本変形実施形態による作用・効果は前記実施形態のものと同様である。
以上で具体的実施形態についての説明を終えるが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、建造物はRC造に限られず、SRC造やS造の建造物について本発明を利用することができる。また、制震パネル11の取付プレート19,20,21,22を架構体4の支持プレート6,7,8,9に固定するのに際し、高力ボルト24とナット25とで摩擦接合するのではなく、溶接によって固定してもよい。さらに本実施形態では、制震パネル11の上下左右の4辺を全て固定しているが、左右を固定せずに上下のみを固定する形態としてもよい。
また、制震パネル11に垂直方向の引張応力を付与する手段は、上述のロッド32およびナット34、またはねじ式のパイプサポート41に限られるものではなく、電気式のものや油圧式のものであってもよい。さらにパイプサポート41は予め工場等において制震パネル11に組込まれていてもよく、このような形態とすることにより、制震パネル11により正確な引張応力を付与することができる。
第1実施形態に係る制震パネルを取り付けた建物の縦断面図である。 第1実施形態に係る制震パネルを取り付けた状態を一部破断して示す斜視図である。 第1実施形態に係る制震パネルを取り付けた状態を示す正面図である。 図3中のIV−IV断面図である。 第1実施形態に係る制震パネルによる作用を示す概念図である。 第2実施形態に係る制震パネルを取り付けた状態を示す正面図である。 図6中のVII−VII断面図である。 従来技術による制震パネルによる作用を示す概念図である。 従来技術による制震パネルによる作用を示す概念図である。
符号の説明
1 RC造建物(建造物)
2 柱
3 梁
4 架構体
11 制震パネル(制震壁)
13 上部外周フランジ(上部突張手段係合部)
14 下部外周フランジ(引付手段係合部、下部突張手段係合部)
19 上部取付プレート(上側固定部)
20 下部取付プレート(下側固定部)
31 アンカーナット(引付手段)
32 ロッド(引付手段)
34 ナット(引付手段)
41 パイプサポート(突張手段)

Claims (3)

  1. 下層階から上層階に向けて順次建造される建造物において、上下一対の梁と左右一対の柱とから構成される架構体に剪断パネル型の制震壁を取り付ける方法であって、
    少なくとも最上階を除いた階の架構体に制震壁を取り付けるにあたり、
    前記制震壁を前記架構体の内部に配置する工程と、
    前記制震壁に上下方向の引張応力を付与する工程と、
    前記引張応力を付与した状態で前記制震壁を前記上下一対の梁の両方に固定する工程と
    を含むことを特徴とする制震壁の取付方法。
  2. 前記制震壁は、上端および下端のいずれか一方の近傍に形成されて引張手段が係合する引張手段係合部を備え、
    前記制震壁に引張応力を付与する工程では、前記制震壁の上端および下端のいずれか他方が固定された状態で、前記引張手段係合部を前記引張手段によって固定すべき梁に引き付けることを特徴とする、請求項1に記載の制震壁の取付方法。
  3. 前記制震壁は、上端近傍に形成されて突張手段が係合する上部突張手段係合部と、下端近傍に形成されて突張手段が係合する下部突張手段係合部とを備え、
    前記制震壁に引張応力を付与する工程では、前記上部突張手段係合部と前記下部突張手段係合部とを突張手段によって突っ張ることを特徴とする、請求項1に記載の制震壁の取付方法。
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