JP6209785B2 - 減震ストッパ構造並びに当該減震ストッパ構造を備えた防振架台 - Google Patents
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Description
一般的な防振架台は、設備機器を設置する上部架台と、床スラブ等の設置面に固定する下部架台と、両架台間に介装された防振部材を備えており、設備機器の稼動により発生する振動を防振部材で吸収することで、設置面に振動が伝わることを抑制する。
しかしながら、地震や強風などが発生した場合には、設備機器が所定以上の振幅で揺れ、転倒する危険性が生じる。そこで、設備機器が所定以上の振幅で揺れることを防ぐ目的で、防振架台には種々のストッパ構造を備えている。
この防振架台110は、床スラブ111に設置された下部架台114上に防振部材113を介して上部架台112が備えられる。
この耐震ストッパ構造120は、上部架台112にナット130、130によって固定され垂設されるストッパボルト121を備え、このストッパボルト121を下部架台114に設けられた耐震枠116の貫通孔116aに挿通させた構成を有している。
平時において、防振機能を発揮するために、耐震ストッパ構造120は、耐震枠116と水平方向の隙間e及び鉛直方向の隙間fを設け、上部架台112と下部架台114とを絶縁する構造となっている。
水平方向の隙間e及び鉛直方向の隙間fが狭すぎると、上述した平時における防振機能を十分に果たすことができなくなり、逆に水平方向の隙間e及び鉛直方向の隙間fが広すぎると、地震時の大きな揺れによって、上部架台112と下部架台114とが、大きな振幅をもって相対運動し、耐震枠116と耐震用弾性部材115が衝突時に大きな衝撃力が発生する。この衝撃力によって、耐震ストッパ構造120の構成部材が破損したり、また、場合によっては、上部架台112に設置された設備機器が破損する虞がある。
水平方向の隙間eは、上部架台112及び下部架台114の各部の寸法精度並びに組み付け精度を適切に設計することで適切に設定できるため、現場搬入前の工場での組み立て工程において、適切に管理できる。
発電設備又は屋外空調機等の設備機器は、屋外の壁際などに設置されることが多く、複数個の設備機器を配置する場合においては、隣り合う設備機器同士をできるだけ近接させることで、屋外スペースを有効に使うことが一般的である。従って、設備機器を載置する防振架台110も、壁際や他の設備機器と近接した場所に設置されることとなるため、作業者が鉛直方向の隙間fを正確に調整することが困難であった。
図1に、本発明の第1実施形態である減震ストッパ構造30が適用された防振架台1の斜視図を示す。防振架台1は、建築物等の床スラブ(設置面)18にアンカーボルト(図示略)などで固定された第2架台(下部架台)14と、第2架台14と所定の間隙を隔てて対向配置された第1架台(上部架台)12とを備えている。
この予備ストッパ構造20は、第1コーナ部材22の底板部22aに形成された貫通孔22bに挿通される予備ストッパボルト23と、当該予備ストッパボルト23を第2コーナ部材24の天板部24aに固定するためのワッシャ26、26並びにナット25、25を備えている。さらに、第1コーナ部材22に形成された貫通孔22bと予備ストッパボルト23の間には、弾性部材27が介装されている。
円筒部27bは、貫通孔22bの内周面に接し、さらに予備ストッパボルト23の軸部23bと水平方向の隙間pを設けて介装されている。
また、フランジ部27aは、第1コーナ部材22の底板部22a上に載置され、予備ストッパボルト23の頭部23a底面と鉛直方向の隙間qを設けて介装されている。
弾性部材27は、ゴムなどの弾性体から形成されている。従って、第1架台12と第2架台14の相対運動により、水平方向及び鉛直方向の隙間p、qがなくなり、予備ストッパ構造20の構成部材同士が衝突した際に、衝撃を吸収し、当該構成部材の破損を防ぐことができる。
なお、水平方向の隙間p及び鉛直方向の隙間qは、設置現場における目視によって確認できる程度の広さであれば良く、それぞれ3〜5mm程度であることが好ましい。
また、この予備ストッパ構造20は、大きな地震に伴う振動により、詳細を後述する減震ストッパ構造30の構成部材の一部が変形した場合に、載置された設備機器の転倒を防ぐ目的で予備的に備えられるものである。従って、上述した水平方向の隙間p及び鉛直方向の隙間qは、図5(a)、(b)を参照して、後段で詳しく説明する減震ストッパ構造30の構成部品同士の距離h、iよりも大きく設定することが望ましく、これによって減震ストッパ構造30の作用を阻害することはない。
第1架台12及び第2架台14を構成する各フレーム部材12a、14aは、防錆処理型鋼やFRP材を矩形に枠組みして形成されたものからなる構成を採用できる。
なお、図1に示す防振架台の構成は一例であり、フレーム部材12a、14aの材質、第1架台12、第2架台14を構成する部材数等は、第1架台12に固定される設備機器の重量や当該設備機器の振動特性によって、適宜決定することが望ましい。
図3(a)、(b)並びに図4に示すように、減震ストッパ構造30は、第1架台12に取り付けられるストッパ板部材2と、第2架台14に取り付けられる中継フレーム15と、第2架台14と中継フレーム15との間に介装される板状の水平減震部材17と、中継フレーム15に取り付けられ、面上から鉛直上方に突出するストッパボルト(螺送制限部材)4と、第1及び第2ストッパナット5、6と、ロックナット(螺送制限部材)7と、減震管10と、一対の減震ワッシャ11、11とから構成される。なお、本実施形態においては、一対の減震ワッシャ11、11は、それぞれの上方又は下方に配置される第1又は第2ストッパナット5、6に接着されている。
鉛直板部2bには、上下方向を長手方向とする2つの長孔2c、2cが並列して設けられている。一方、第1架台12のフレーム部材12aの側面には、水平方向に貫通する挿通孔8C、8Cが設けられている。
鉛直板部2bの長孔2c、2cには、第1架台12の内側から挿通孔8C、8Cを通った固定ボルト8A、8Aを挿通させ、固定ナット8B、8Bを外側から螺入して締結することにより、第1架台12にストッパ板部材2が固定される。
本実施形態の減震ストッパ構造30では、鉛直板部2bの長孔2c、2cにおいて、固定ボルト8A、8A及び固定ナット8B、8Bを用いて締結する高さを変えることにより、ストッパ板部材2の取り付け位置を、長孔2cの鉛直方向の長さの範囲内で任意の高さの位置(無段階)に調整することができる。
第1架台12に設けられた挿通孔8C、8Cは、水平方向に横長の形状にすることが好ましい。挿通孔8C、8Cを、水平方向で横長に構成することにより、固定ボルト8A、8A及び固定ナット8B、8Bを用いてストッパ板部材2を締結する際の水平方向の位置を、上記の横長の形状の範囲内において、取付時に設定することができる。従って、第1架台12と第2架台14との間で、水平方向の組み立て誤差が生じている場合には、ストッパ板部材2の水平方向の位置を調整することによってこの誤差を吸収し、ストッパボルト4の位置と水平板部2aに設けられた貫通孔2dの位置を合わせることができる。
そして、締結板部3bの固定孔3c、3cに、第2架台14の内側から挿通孔9C、9Cを通った固定ボルト9A、9Aを挿通させ、固定ナット9B、9Bを外側から螺入し締結することにより、第2架台14に減震部材固定部材3が固定される。また、減震部材固着板部3aには、水平減震部材17が接着されている。
このような水平減震部材17をなす材料としては、低反発で高減衰であって、且つ、粘性系の材料であることが好ましく、例えば、TPE熱可塑性エラストマー(オレフィン系やスチレン系他)のような、伸び率が400%以上で大きなせん断変形歪に耐えうるものが好ましい。これらの材料は、粘弾性特性を有するので振動計算がし易く、また、一体成型用の金型を準備することで、インジェクション成型や加熱プレス成型法等で鋼材と一体化された成形品を容易に大量生産することができることから、低コスト化に繋がるという利点がある。
また、ストッパボルト4は、ストッパ板部材2の水平板部2aに設けられた貫通孔2dを挿通する他、一対の減震ワッシャ11、11並びに減震管10が挿通される。
減震管10の外周面と、貫通孔2dの内周面との間には、水平方向に距離iの隙間が確保されている。この距離iの隙間は1mm程度であることが望ましい。また、この距離iは、想定される地震の最大震度の大きさ等に応じて設定され、上記した1mm程度の隙間に限らず、設計段階で想定される地震の大きさに従って適宜決定すればよい。また、予備ストッパ構造20の水平方向の隙間pに対して距離iを小さく設定することで、予備ストッパ構造20により、水平方向の減震作用(地震のエネルギを減衰させる作用)が阻害されることが無く好ましい。
なお、減震ワッシャ11、11が、第1及び第2ストッパナット5、6に接着されていない場合においては、上方の減震ワッシャ11が減震管10に載置された状態となる。この場合には、図5(b)に示すように、上方の減震ワッシャ11の下面と水平板部2aとの距離h1、及び、上方の減震ワッシャ11の上面と第2ストッパナット6との距離h2の合計(h1+h2)が、上述した距離hとなっていればよい。
即ち、隙間は、減震ワッシャ11と水平板部2aとの間、及び、減震ワッシャ11と第1又は第2ストッパナット5、6との間の何れか一方又は両方に確保されていれば良い。
ロックナット7、7としては、緩み止め効果を有するナットであれば、特に制限されるものではなく、既存の市販製品を使用することが可能である。また、ロックナット7、7として、2つのナットを用いたダブルナット法の構成を採用することが、緩み止め効果が得られる点からより好ましい。
また、図5(a)の断面図に示すように、ストッパボルト4は、中継フレーム15の一方の水平フレーム部15aに設けられる固定孔(ネジ孔)15cに、スプリングワッシャ41を介装して螺入し、且つ、ロックナット7で固定される構成なので、ストッパボルト4と水平フレーム部15aとの相対的な位置関係が変わることは無い。
なお、本実施形態においては、上下に配置されたストッパボルト4の頭部4a及びロックナット7に螺送制限部材としての機能を与えているが、これに限定されるものではない。例えば、第1ストッパナット5の下方に、中継フレーム15の一方の水平フレーム部15aを配置することにより、この水平フレーム部15aによって第1ストッパナット5の下方への螺送を制限する構成としても良い。
図6(a)に、工場からの出荷段階の状態における減震ストッパ構造30を示す。まず、図6(a)に示す状態に至るまでの、工場での組み立て工程について以下に説明する。
次に、第2架台14に、減震部材固着板部3a上に水平減震部材17が接着された減震部材固定フレーム3を取り付ける。この際、減震部材固定フレーム3に設けられた固定孔3cに固定ボルト9Aを挿通し、固定ナット9Bを締結することにより、第2架台14に減震部材固定フレーム3を固定する。
次に、ストッパ板部材2の水平板部2aに設けられた貫通孔2dをストッパボルト4に挿通する。貫通孔2dの内径は、前記減震管10の外径より大きいため、ストッパボルト4の外径部と貫通孔2dの内周面の間に減震管10が介装された状態となる。
次に、ストッパボルト4に減震ワッシャ11を挿通しさらに第1ストッパナット5及びロックナット7を螺入する。
なお、本実施形態においては、減震ワッシャ11、11が第1及び第2ストッパナット5、6に接着されているため、上述の手順において、第1及び第2ストッパナット5、6を螺入することで、同時に減震ワッシャ11が挿通される。
さらに、第2ストッパナット6を下方に螺送し、第1ストッパナット5と第2ストッパナット6との間に減震ワッシャ11、11を介してストッパ板部材2の水平板部2aが挟持された状態とする。
次に、第2ストッパナット6の上面とストッパボルト4の頭部4aの下面との間に十分な隙間を設け、この隙間に、上述のスペーサ(厚みが目標とする隙間の大きさである距離jと同じ)を挿入し、頭部4aを下方に移送し、第2ストッパナット6の上面と頭部4aの下面との隙間を距離jとした後、スペーサを抜く。
なお、詳細な図示を省略しているが、第1及び第2ストッパナット5、6の外形は矩形となっているため、第1及び第2ストッパナット5、6の螺送及び締結は手回しにより行うことができる。
減震ストッパ構造30には、鉛直方向の隙間がない状態となっている。また、水平方向の隙間は、水平板部2aの貫通孔2dと減震管10との間に形成された状態であるが、第1及び第2ストッパナット5、6が一対の減震ワッシャ11、11を介して水平板部2aを挟持しており、一対の減震ワッシャ11、11と水平板部2aとの間にフリクションが働くため、この水平方向の隙間によってガタツキを生じることはない。
まず、設置現場の床スラブ18に第2架台14が固定される。
次に、図6(b)に示すように、第1架台12とストッパ板部材2とを固定している固定ボルト8A及び固定ナット8Bを緩める。このように、固定ボルト8A及び固定ナット8Bを緩めても、水平板部2aが第1及び第2ストッパナット5、6によって一対の減震ワッシャ11、11を介して挟持されているため、ストッパ板部材2はその場に保持されている。
次に、設備機器13を第1架台12に載置し固定する。この際、設備機器13の重みにより、第1架台12と第2架台14との間に介装されている防振部材16(図1参照)が沈み込み、第1架台12と第2架台14とが近接する。これに伴い、ストッパ板部材2の鉛直板部2bに設けられる長孔2cの上部に挿通された固定ボルト8Aが、長孔2cに沿って下方に移動する。
なお、第1架台12の沈み込み量は、第1架台12に載置する設備機器13の重量及び防振部材16(図1参照)の弾発力によって決定されるため、長孔2cの鉛直方向の長さは、設備機器13の重量及び防振部材16の弾発力に応じて十分な長さに設定される。
さらに、図6(c)に示すように、第1ストッパナット5を手回しにより下方に螺送し、上側のロックナット7の上面に接触させる。同様に、第2ストッパナット6を手回しにより上方に螺送し、ストッパボルト4の頭部4aの下面に接触させる。
これにより、ストッパ板部材2の水平板部2aとその上下に配置される一対の減震ワッシャ11、11に、距離h、hの隙間を形成する。
距離h、hの隙間は、図6(a)を参照して説明した隙間の距離j、jと同じ値となる。即ち、工場において距離j、jを正確に設定することで、設置現場において専用の治具等を使用することなく、容易に所定の距離h、hの隙間を設定することができる。
以上の工程によって、第1実施形態の減震ストッパ構造30を備えた防振架台1の設置が完了する。
また、水平板部2aの上下に配置された第1及び第2ストッパナット5、6が螺送可能であり、螺送により水平板部2aと第1及び第2ストッパナット5、6との間に距離h、hの隙間を設けることが可能となる。
水平方向及び鉛直方向に隙間i、hが設けられることで、防振部材16(図1参照)によって設備機器の振動が設置面に伝わるのを防止する防振機能を阻害することがない。また、地震などが発生し、防振架台1に大きな振動が印加された場合、水平方向においては、ストッパ板部材2の貫通孔2dとストッパボルト4とが干渉し、鉛直方向においては、ストッパ板部材2の水平板部2aと第1及びストッパナット5、6とが干渉することで、鉛直及び水平に設けられた隙間i、h以上に、第1架台12と第2架台14が相対運動することがないので、設備機器13の転倒を防止することが可能となる。
これにより、設備機器13を載置して第1架台12と第2架台14の距離が決まった後に、減震ストッパ構造30のストッパ板部材2を第1架台12に固定することができる。即ち、予め、鉛直方向の隙間を距離h、hとして調整することが可能となるため、設置現場における鉛直方向の隙間管理が不要となり、設置作業が簡易となる。
しかしながら、本発明が適用される防振架台は、これに限定されるものではない。即ち、第1架台12を下部架台として、この下部架台にストッパ板部材2が固定され、第2架台14を上部架台として、この上部架台にストッパボルト4が固定される構造であっても良い。このような場合には、詳細な図示を省略するが、第1架台12が床スラブ(設置面)18に固定され、第2架台上に設備機器13が載置され、ストッパボルト4とストッパ板部材2の上下の位置関係が反転する構成となる。
さらに、減震ストッパ構造30は、例えば、中継フレーム15の一方の水平フレーム部15aに設けられた固定孔15cにストッパボルト4を螺入するにあたり、例えば、ロックナット7と水平フレーム部15aとの間に介装させるスプリングワッシャ41の個数(図6(a)〜(c)等に示す例では1個)を調整することにより、ストッパボルト4の高さ調整を行う構造を採用することも可能である。
また、本発明においては、さらに、ストッパ板部材2、又はストッパボルト4のうち少なくとも一方が、高さ調整可能である構成を採用しても良い。即ち、ストッパ板部材2が高調整可能でなくても、ストッパボルト4の高さ調整が可能であれば構わない。
図8に、第1実施形態の変形例である減震ストッパ構造35の断面図を示す。以下、図8を参照して、減震ストッパ構造35について説明する。本実施形態の変形例である減震ストッパ構造35は、減震ストッパ構造31と比較して、ストッパ板部材2の第1架台12への取り付け構造が異なる。
なお、本変形例では、上述した本実施形態の減震ストッパ構造30と同一態様の構成要素については同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。また、図8に示す例においては、ストッパ板部材2よりも下方に設けられる構成については、減震ストッパ構造30と同一態様であるため、その図示を省略している。
また、本変形例のように、取付板片36をフレーム部材12aの側面に溶接で接合することにより、フレーム部材12aに孔を形成することができない場合であっても、本発明の減震ストッパ構造を適用することが可能となる。
本実施形態の変形例である減震ストッパ構造35においても、上述した本実施形態の減震ストッパ構造30と同様の効果を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態の減震ストッパ構造30によれば、ストッパ板部材2の水平板部2aに設けられた貫通孔2dにストッパボルト4を挿通する構造により、貫通孔2dとストッパボルト4の間に水平方向の隙間を形成している。また、水平板部2aの上下に配置されたストッパナット5、5が螺送可能であり、螺送により水平板部2aとストッパナット5、5との間に鉛直方向の隙間を設けることができる。水平方向及び鉛直方向に隙間が設けられることによって、防振機能を阻害することがなく、地震などが発生し、防振架台1に大きな振動が入力された場合において、水平方向においては、貫通孔2dとストッパボルト4が干渉し、鉛直方向においては、水平板部2aとストッパナット5、5が干渉することで、鉛直及び水平に設けられた隙間以上に、第1架台12と第2架台14が相対運動することがなく、設備機器の転倒を防止することができる。
図9、10に、本発明の第2実施形態である減震ストッパ構造31、32の断面図を示す。以下、図9、10を参照しながら、減震ストッパ構造31、32について説明する。なお、これら図9、10は、図5(a)に示した本発明の第1実施形態の減震ストッパ構造30の断面図と対応しており、上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付与するとともに、その詳細な説明を省略する。
また、第1フレーム55A(又は第1フレーム56A)と、第2フレーム55B(又は第2フレーム56B)とを、垂直減震部材17Bを介装して接続する手段としても、一体成型による溶着や、従来公知の接着剤を用いた手段等を何ら制限無く採用することができる。
また、減震ストッパ構造31(32)によれば、金属部材である第1フレーム及び第2フレームと、樹脂等の材料からなる垂直減震部材とを、一体溶着成型で接続することができるので、新たな一体成型金型が必要になるものの、大量生産が可能となり、また、大幅なコストダウンも可能になる。
図11に、本発明の第3実施形態である減震ストッパ構造33の断面図を示す。以下、図11を参照しながら、減震ストッパ構造33について説明する。なお、図11は、上記第2実施形態と同様、図5(a)に示した本発明の第1実施形態の減震ストッパ構造30の断面図と対応しており、上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付与するとともに、その詳細な説明を省略する。
また、他方の水平フレーム57と、下部フレーム34及びベースフレーム47の各々とを、水平減震部材17C、17Cを介装して取り付ける手段としても、一体成型による固着や、従来公知の接着剤を用いた手段等を何ら制限無く採用することができる。
また、他方の水平フレーム57と、下部フレーム34及び第2架台14の各々とが、水平減震部材17C、17Cを介装して接続された構成により、引抜き・圧縮・水平せん断力の各方向において減震効果が得られ、比較的コンパクトな構成で、万全な地震や強風対策が可能になるという効果が得られる。
30、31、32、33、35…減震ストッパ構造、
2…ストッパ板部材、
2a…水平板部、
2b…鉛直板部、
2c…長孔、
2d…貫通孔、
3…減震部材固定フレーム、
3a…減震部材固着板部、
3b…締結板部、
3c…固定孔
34…下部フレーム、
34a…水平部、
34b…垂直部、
45、46、47…ベースフレーム、
4…ストッパボルト(螺送制限部材)、
5…第1ストッパナット、
6…第2ストッパナット、
7…ロックナット(螺送制限部材)、
8A、9A、38A…固定ボルト、
8B、9B、38C…固定ナット、
8C、9C…挿通孔、
10…減震管、
11…減震ワッシャ、
15、55、56、57…中継フレーム、
15a、15b…水平フレーム部、
15c…固定孔、
55A、56A…第1フレーム部、
55B、56B…第2フレーム部、
55a…一対の垂直部、
55b…一対の垂直部、
55c、55d…水平部、
57a、57b…水平フレーム部、
34…下部フレーム、
34a…水平部、
34b…垂直部、
17、17A、17C…水平減震部材、
17B…垂直減震部材、
36…取付板片、
37…溶接部、
12…第1架台(上部架台)、
12a、14a…フレーム部材、
14…第2架台(下部架台)、
16…防振部材、
20…予備ストッパ構造、
22…第1コーナ部材、
23…予備ストッパボルト、
24…第2コーナ部材、
25…ナット、
26…ワッシャ、
27…弾性部材、
27a…フランジ部、
27b…円筒部、
13…設備機器、
18…床スラブ(設置面)、
d…外形、
D…直径、
e、f、p、q…隙間、
h、i、j、k…距離、
Claims (9)
- 第1架台と第2架台とこれらの間に介装される防振部材とを有し、前記第1及び第2架台の何れか一方が設置面に固定され、他方に設備機器を設置し、当該設備機器の振動が設置面に伝わらないようにする防振架台に備え付けられる減震ストッパ構造であって、
前記第1架台に取り付けられ、前記第1架台と前記第2架台との間において水平方向に延び、且つ、貫通孔を備えた水平板部を有するストッパ板部材と、
前記第2架台に取り付けられ、前記第2架台と前記ストッパ板部材との間に配置される中継フレームと、
前記第2架台と前記中継フレームとの間に介装される板状の水平減震部材と、
前記中継フレームに取り付けられ、前記第1架台側に延びて前記貫通孔に挿通されるストッパボルトと、
前記ストッパボルトに螺入され、前記水平板部の上下に配置され、個々に上下に螺送可能に備えられた一対のストッパナットと、
前記ストッパボルトの上部及び下部に配置され、前記一対のストッパナットの最大離間距離を制限する一対の螺送制限部材とを備え、
前記ストッパ板部材の前記第1架台への取り付け、もしくは前記ストッパボルトの前記中継フレームへの取り付けのうちの少なくとも一方が、高さ調整可能であることを特徴とする減震ストッパ構造。 - 前記中継フレームが、前記第1架台と前記第2架台との間において水平に延びる一対の水平フレーム部を有した断面略コの字状とされ、前記一対の水平フレーム部の内の一方に前記ストッパボルトが取り付けられるとともに、他方が前記水平減震部材を介装して前記第2架台に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の減震ストッパ構造。
- 前記中継フレームが、前記第1架台と前記第2架台との間において、前記ストッパ板部材側に配置されるとともに、前記ストッパボルトが取り付けられる第1フレームと、
前記第2架台側に配置されるとともに、前記水平減震部材を介装して前記第2架台に取り付けられる第2フレームとからなり、
前記第1フレームと第2フレームとが板状の垂直減震部材を介装して接続されていることを特徴とする請求項1に記載の減震ストッパ構造。 - 前記第1フレーム及び前記第2フレームが、一対の垂直部と水平部とを有する断面略コの字状に形成されてなり、
前記第1フレームと第2フレームとが、各々の前記一対の垂直部同士が互いに組み合わせられ、且つ、各々の前記垂直部間が前記垂直減震部材を介装して接続されていることを特徴とする請求項3に記載の減震ストッパ構造。 - 前記第1フレーム及び前記第2フレームが、それぞれ水平部及び垂直部を有する断面略L字状に形成されてなり、
前記第1フレームと第2フレームとが、各々の前記垂直部同士が重ね合わせられ、且つ、各々の前記垂直部間が前記垂直減震部材を介装して接続されていることを特徴とする請求項3に記載の減震ストッパ構造。 - さらに、前記第2架台に取り付けられる垂直部と、前記第2架台と前記第1架台との間に配置される水平部とを有する、断面略L字状の下部フレームが設けられており、
前記中継フレームが、前記第1架台と前記第2架台との間において水平に延びる一対の水平フレーム部を有した断面略コの字状とされており、
前記一対の水平フレーム部の内、一方の水平フレーム部に前記ストッパボルトが取り付けられるとともに、他方の水平フレーム部が前記下部フレームの水平部と前記第2架台との間に配置され、
前記他方の水平フレームが、前記下部フレームと前記第2架台との間に狭持されるように、該下部フレーム及び第2架台の各々と前記水平減震部材を介装して接続されていることを特徴とする請求項1に記載の減震ストッパ構造。 - 前記水平減震部材及び前記垂直減震部材が、粘弾性材料からなる板状基材の少なくとも1箇所以上に、前記板状基材を貫通するように、弾性ゴムからなる弾性部が設けられてなることを特徴とする請求項3〜請求項5の何れか一項に記載の減震ストッパ構造。
- 前記ストッパ板部材が、前記水平板部と、当該水平板部の端部から鉛直方向に延び同方向に長手方向を形成する長孔を備えた鉛直板部とからなり、
前記第1架台の側面に、前記長孔を介して前記ストッパ板部材がボルト固定されることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか一項に記載の減震ストッパ構造。 - 請求項1〜8の何れか一項に記載の減震ストッパ構造を備えたことを特徴とする防振架台。
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