JP5670766B2 - 回転機械の防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ポンプ組立体などの回転機械と、該回転機械が据え付けられる構造体との間に設置される防振装置に関し、特に振動源である回転機械から構造体への振動の伝搬を防止しつつ、回転機械の運転に対する信頼性を向上させる防振装置に関するものである。
ポンプ組立体などの回転機械は、その運転中に振動を発生する。回転機械が据え付けられる構造体への振動の伝播を防止するために、回転機械と構造体との間には防振装置が設置される。この防振装置は、ゴムなどの弾性材から基本的に構成されており、弾性材が持つ弾性により回転機械の振動を吸収する。しかしながら、従来の防振装置には次のような問題点がある。
第1に、回転機械が防振装置の上に載ると、防振装置の弾性材が変形するため、回転機械の芯合わせ作業が困難になる。回転機械の重心はその中央からずれた位置にあることがほとんどである。このような回転機械が防振装置の上に載置されると、回転機械の回転軸が傾き、その結果、回転機械の芯合わせ作業が困難となる。例えば、駆動機とポンプとが回転軸で連結されるポンプ組立体において、駆動機が防振装置の上で傾くと、駆動機とポンプとの芯合わせ作業が困難となってしまい、最悪の場合、芯合わせ精度が悪い状態で据え付けられ、振動が大きくなり、回転機械の故障を発生させてしまうおそれがある。
第2に、回転機械は、防振装置を介して構造体に柔軟に連結されるため、構造体への振動伝播が防止される反面、回転機械自体の振動が大きくなってしまう。このような回転機械自体の振動は、回転機械の全体が揺れる現象であり、回転機械の振動検出器でこの振動を適切に検出することは難しい。このため、回転機械の異常振動を検出して回転機械を停止させ、故障を回避させることができず、信頼性が劣ってしまう。
第3に、地震などにより回転機械および構造体が大きく揺れた場合に、回転機械に転倒モーメントが発生する。上述したように、回転機械は防振装置を介して構造体に柔軟に連結されるため、地震などが起きると、回転機械全体が大きく傾いて転倒してしまうおそれがある。
特開2003−269530号公報
本発明は、上述した従来の問題点を解決するためになされたもので、回転機械が据え付けられる構造体への回転機械の振動の伝搬を防止するとともに、回転機械の芯合わせ作業を容易化し、精度よく回転機械を据付および設置することを可能として、回転機械自体の振動を抑えることができ、さらに地震などで回転機械が大きく揺れても回転機械の転倒を防止することができる防振装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、回転機械と構造体との間に設置される防振装置であって、前記防振装置は複数の防振ユニットから構成されており、前記複数の防振ユニットは、それぞれ、前記構造体に固定される基台と、前記回転機械に固定されるマウント部材と、前記基台と前記マウント部材との間に配置された防振パッドと、前記基台と前記回転機械とを連結する連結部材とを備え、前記連結部材は、前記回転機械を持ち上げるジャッキ機構と、前記回転機械の上下方向の動きを制限する上限ストッパおよび下限ストッパとを有し、前記マウント部材は、互いに平行に配置された上方水平プレートおよび下方水平プレートと、これら上方水平プレートおよび下方水平プレートを連結する垂直プレートとを有しており、前記下方水平プレートには、その中心から外側に延びる切り欠きが形成され、前記防振パッドは、その上部から上方に延びるボルトを有していて、前記ボルトが前記切り欠きに挿入された状態で、前記ボルトにナットを係合させることにより、前記防振パッドが前記マウント部材に固定されることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記連結部材は、前記基台に固定されたボルトを有し、前記上限ストッパおよび下限ストッパは、前記ボルトに係合しているナットであり、前記ジャッキ機構は、前記ボルトと前記下限ストッパとから構成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記防振パッドは、前記マウント部材および前記基台に着脱可能に固定されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記回転機械の異常振動を検知する振動検知器をさらに備え、前記振動検知器は、互いに対向するように配置された接触要素と、前記接触要素同士の接触を検知する接触検知器とを備え、前記接触要素は、前記上限ストッパおよび前記下限ストッパのうち少なくともいずれか一方と、前記回転機械とに配置されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、横揺れを防止するための横揺れストッパをさらに備え、前記横揺れストッパは、前記回転機械の架台から前記構造体の側面に向かって延びるボルトを有していることを特徴とする。
本発明の他の態様は、構造体の上に設置された上記防振装置と、前記防振装置の上に設置されたポンプ組立体とを備えたことを特徴とするポンプ設備である。
本発明によれば、各防振ユニットのジャッキ機構により回転機械のレベル調整を行い、回転機械の据付位置を決定し、安定した設置状態にさせることができる。したがって、回転機械の据付時において、回転機械の芯合わせ作業を容易にすることができる。また、芯合わせ作業終了後に、回転機械とジャッキ機構との係合を外すことにより、回転機械の運転時には回転機械は防振パッドにより支持される。したがって、回転機械から構造体への振動の伝搬を防止することができる。さらに、地震などにより回転機械が大きく揺れても、連結部材の上限ストッパおよび下限ストッパにより回転機械の上下方向の動きが規制されるので、回転機械の転倒を防止することができる。
ポンプ組立体を示す模式図である。 図1に示す防振ユニットを矢印Iで示す方向から見た図である。 図2のA−A線断面図である。 図4(a)は、図2に示すマウント部材を示す図であり、図4(b)は図3に示すマウント部材を示す図であり、図4(c)は図4(a)のB−B線断面図である。 図2に示す防振パッドを示す図である。 ポンプ組立体に横揺れストッパを設けた例を示す図である。 ポンプ組立体に横揺れストッパを設けた例を示す図である。 防振ユニットと据付床との間にシムを配置した例を示す図である。 ポンプ組立体の異常振動を検知する振動検知器を備えた振動ユニットの例を示す図である。 図9に示す第一の接触要素の拡大図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、ポンプ組立体を示す模式図である。図1に示すように、このポンプ組立体は、いわゆる立軸ポンプである。ポンプ組立体は、ポンプ1と、ポンプ1に連結された減速機2と、減速機2に連結された駆動機3とを備えている。ポンプ1は、減速機2を介して駆動機3により駆動されるようになっている。ポンプ組立体は、構造体に据え付けられている。より具体的には、ポンプ1は、構造体の一部である吸込水槽5のポンプ床5aに設置され、減速機2および駆動機3は、構造体の他の一部である据付床6に設置されている。
ポンプ1は、吸込ベルマウス11aおよび吐出ボウル11bを有するガイドケーシング11と、ガイドケーシング11を吸込水槽5内に吊り下げる吊下管13と、吊下管13の上端に接続された吐出曲管14と、ガイドケーシング11内に収容された羽根車20と、羽根車20が固定された回転軸16とを備えている。
吊下管13は、吸込水槽5のポンプ床5aに形成された挿通孔5bを通って下方に延び、吊下管13の上端に設けられたポンプベース9を介してポンプ床5aに固定されている。回転軸(立軸)16は、吐出曲管14および吊下管13を通って鉛直方向に延びており、その下端はガイドケーシング11内に位置している。ガイドケーシング11および吊下管13によりポンプケーシング12が構成されている。
図1に示すように、吸込ベルマウス11aは下方に開口しており、吸込ベルマウス11aの上端は吐出ボウル11bの下端に固定されている。羽根車20は回転軸16の下部に固定されており、羽根車20と回転軸16とは一体的に回転するようになっている。この羽根車20は複数の翼を有し、羽根車20の上方(吐出側)には複数のガイドベーン22が配置されている。これらのガイドベーン22はガイドケーシング11の内周面およびボウルブッシュ21の外周面に固定されている。
回転軸16は、水中軸受25,26、中間軸受27、および外軸受28により回転自在に支持されている。水中軸受25は、羽根車20の下方に位置しており、回転軸16の下端を支持している。水中軸受26は、ボウルブッシュ21内に収容されており、回転軸16の下部を支持している。外軸受28は吐出曲管14の上部に設けられ、回転軸16の上部を支持している。中間軸受27は、外軸受28と水中軸受26との間に配置されている。すなわち、中間軸受27は吊下管13内に収容され、回転軸16の中間部を支持している。水中軸受25,26および中間軸受27は、回転軸16に滑り接触する、いわゆる滑り軸受である。
図1に示すように、回転軸16は吐出曲管14から上方に突出している。回転軸16の上端は、減速機2の駆動軸に連結されている。さらに減速機2は駆動機3に連結されている。駆動機3としては、ディーゼルエンジン、ガスタービン、モータなどを使用することができる。なお、減速機2が用いられずに、ポンプ1が駆動機3に直接連結されてもよい。
駆動機3により回転軸16を介して羽根車20を回転させると、吸込水槽5内の水(取扱液)が吸込ベルマウス11aから吸い込まれ、吐出ボウル11b、吊下管13、吐出曲管14を通って吐出配管30に移送される。
図1に示すように、減速機2は、複数の防振ユニット31から構成された防振装置の上に載置されている。これら防振ユニット31は、構造体の一部である据付床6の上に設置されている。減速機2と据付床6とはこれら防振ユニット31を介して連結されている。各防振ユニット31は同一構造で、複数の防振ユニット31により減速機2を載荷する構成としたことにより、その載荷対象となる減速機2に合わせた適正な任意の位置に防振ユニット31を設置することが可能となっている。すなわち、それぞれの防振ユニット31に掛かる荷重が均一になるように、各防振ユニット31の設置位置を調節することができる。このように、防振装置は、複数の防振ユニット31から構成されているので、重心の異なる様々な回転機械に使用することができる。
次に、防振装置について説明する。上述したように、各防振ユニット31は同一構造を有しているので、これら防振ユニット31のうちの1つについて詳細に説明する。図2は、図1に示す防振ユニット31を矢印Iで示す方向から見た図であり、図3は、図2のA−A線断面図である。防振ユニット31は、構造体の一部である据付床6に固定されるソールプレート(基台)34と、ポンプ組立体の減速機2に固定されるマウント部材40と、ソールプレート34とマウント部材40との間に配置された防振パッド50と、ソールプレート34と減速機2とを連結する連結部材60とを備えている。ソールプレート34は、ボルト36により据付床6に固定されている。マウント部材40は、減速機2の架台2aにボルト37により固定されている。
図4(a)は、図2に示すマウント部材40を示す図であり、図4(b)は図3に示すマウント部材40を示す図であり、図4(c)は図4(a)のB−B線断面図である。マウント部材40は、互いに平行に配置された上方水平プレート41および下方水平プレート42と、これら上方水平プレート41および下方水平プレート42を連結する2つの垂直プレート43,43とを有している。2つの垂直プレート43,43は、上方水平プレート41および下方水平プレート42の間に配置されており、上方水平プレート41と下方水平プレート42の間には空間Sが形成されている。下方水平プレート42には、その中心から外側に延びる切り欠き42aが形成されている。上方水平プレート41は、図2に示すように、減速機2の架台2aに上記ボルト37により固定されている。
図5は、図2に示す防振パッド50を示す図である。図5に示すように、防振パッド50は、振動を吸収する弾性体51と、この弾性体51の上面に固定されたトッププレート52と、弾性体51の下面に固定されたボトムプレート53と、トッププレート52から上方に延びるボルト54と、このボルト54に係合するナット55とを有している。弾性体51としては、ゴムなどの吸振性を持つ材料が使用される。使用すべき防振パッド50は、支持する回転機械の大きさや振動特性などに基づいて選択される。
図2に示すように、防振パッド50のボルト54は、下方水平プレート42の切り欠き42aに挿入され、この状態でナット55を締め付けることにより、防振パッド50がマウント部材40に固定される。さらに、防振パッド50のボトムプレート53は、ボルト57によりソールプレート34に固定される。防振パッド50を取り出すときは、ナット55を緩め、ボルト57を取り外し、後述するジャッキ機構により、減速機2をジャッキアップした後、防振パッド50を切り欠き42aに沿って水平方向に引き出す。
連結部材60は、ソールプレート34に固定されたボルト62と、減速機2の架台2aの上下方向の動きを制限する上限ストッパ63および下限ストッパ64とを備えている。上限ストッパ63は、ボルト62に係合する2つのナット63a,63bから構成されており、同様に、下限ストッパ64は、ボルト62に係合する2つのナット64a,64bから構成されている。このように、上限ストッパ63および下限ストッパ64を、それぞれ複数のナットで構成したことにより、ダブルナット効果によってストッパ63,64の位置を任意の位置に確実に固定することが可能となる。ボルト62の上部は、減速機2の架台2aに形成された孔2bに挿入されている。孔2bの径はボルト62の径よりも大きく、架台2aはボルト62に対して上下方向に移動可能となっている。図2に示す例では、2つの連結部材60が設けられているが、3つ以上の連結部材60を設けてもよい。
上限ストッパ63は架台2aの上方に配置され、下限ストッパ64は架台2aの下方に配置されている。上限ストッパ63と架台2aとの間には、鉛直方向の隙間F1が形成されており、同様に、下限ストッパ64と架台2aとの間には、鉛直方向の隙間F2が形成されている。したがって、減速機2は、実質的に防振パッド50により支えられることになり、回転機械(この例では減速機2)から構造体への振動の伝達は、防振パッド50により防止される。地震などによりポンプ組立体および構造体の全体が大きく揺れた場合でも、減速機2の架台2aの上下方向の揺れは、上限ストッパ63および下限ストッパ64によって制限される。このように、ポンプ組立体と構造体とは、防振パッド50のみならず、連結部材60によっても連結されているので、ポンプ組立体が転倒してしまうことを防止することができる。なお、ポンプ組立体の横方向の揺れは、連結部材60と減速機2の架台2aとの接触により制限される。ただし、この構成では、横方向の許容振れ幅を設定、管理することが難しいため、後述する横揺れストッパを設けるようにしても良い。
ナット64a,64bからなる下限ストッパ64と、この下限ストッパ64が係合するボルト62は、ポンプ組立体を持ち上げるジャッキ機構としても機能する。すなわち、下限ストッパ64としてのナット64a,64bを上昇する方向に回転させることで減速機2の架台2aを持ち上げることができる。このジャッキ機構(ボルト62およびナット64a,64b)は、防振パッド50を交換するときに使用される。すなわち、防振パッド50のナット55が緩められ、さらにボルト57がソールプレート34から取り外された状態で、ジャッキ機構により、減速機2の架台2aと、架台2aに固定されているマウント部材40が持ち上げられる。そして、防振パッド50をマウント部材40の切り欠き42a(図4(c)参照)に沿って水平方向に引き出すことにより、防振パッド50が防振ユニット31から取り出される。なお、ジャッキ機構により、防振パッド50のボルト54の上端までマウント部材40をジャッキアップできる場合は、切り欠き42aに代えて単なる孔を下方水平プレート42に設けてもよい。
振動を吸収する防振パッド50は劣化するため、使用時間に従って交換する必要がある。従来は、防振パッドを交換するためは、天井クレーンなどによりポンプ組立体を引き上げる必要があった。本実施形態によれば、ジャッキ機構(ボルト62およびナット64a,64b)によりポンプ組立体を持ち上げることができるので、防振パッド50を容易に交換することができる。これにより、防振パッド50の交換に要する時間およびコストを大幅に削減することができる。
治水を目的とするポンプ設備の場合、通常、予備機を設けないため、突発的な大雨などの予期せぬ河川の増水に備えて、ポンプ設備全台を常に稼動できる状態にしておく必要がある。本防振装置を使用することにより、防振パッド50の交換を極めて短期間で完了することができるので、交換作業による排水機能低下期間を最小限とすることが可能となり、ポンプ設備としての信頼性を向上させることができる。
防振パッド50は、マウント部材40とソールプレート34との間に配置される。上限ストッパ63および下限ストッパ64は、ボルト62に係合するナットから構成されているので、上限ストッパ63および下限ストッパ64の位置は可変となっている。したがって、様々な高さ及び様々な弾力を持つ汎用の防振パッドを使用することができる。防振パッドは、ポンプ組立体に代表される回転機械の種類や特性に応じて選択することができる。
防振装置は、複数の防振ユニット31から構成されているので、各防振ユニット31のジャッキ機構(ボルト62およびナット64a,64b)は、ポンプ組立体の構造体への据付時においては、ポンプ組立体の芯合わせ(アライメント)を行うための位置調整機構として使用することもできる。ポンプ組立体の芯合わせ作業は、次のようにして行なわれる。まず、マウント部材40の上に減速機2を載せ、そのまましばらく放置する。次に、ジャッキ機構のナット64a,64bを減速機2の架台2aに当たるまで上昇させ、さらに架台2aが水平になるようにナット64a,64bの位置を調整する。この状態でポンプ組立体の芯合わせ作業を行う。芯合わせ作業が完了した後、ナット64a,64bを下げる。さらに、上限ストッパ63としてのナット63a,63bと架台2aとの間に所定の隙間F1が形成されるようにナット63a,63bの位置を調整し、同様に、下限ストッパ64としてのナット64a,64bと架台2aとの間に所定の隙間F2が形成されるようにナット64a,64bの位置を調整する。これにより、ポンプ組立体の据付が完了し、運転が可能な状態となる。
ポンプ組立体の横揺れ(この例では減速機2の横揺れ)を防止するために、図6および図7に示すように、ポンプ組立体に横揺れストッパ70を設けてもよい。図6および図7に示す例では、減速機2の架台2aに横揺れストッパ70が設けられている。この横揺れストッパ70は、減速機2の架台2aに溶接により固定された側板71と、この側板71に固定されたボルト72とを有している。ボルト72は、据付床6の側面6aに向かって延びており、ボルト72の頭部と据付床6の側面6aとの間には水平方向の隙間F3が形成されている。この隙間F3は、ボルト72と側板71との相対位置によって調整することができる。この横揺れストッパ70には、複数のボルト72を用いることもできる。
上述したように、防振パッド50としては、市販されている汎用の防振パッドを使用することができる。しかしながら、汎用の防振パッドは、寸法および質にある程度のばらつきがあることがあるとともに、据付される床面も精度よく水平面が出ているとは限らない。そこで、防振パッド50の寸法(高さ)のばらつきを調整するために、図8に示すように、防振ユニット31のソールプレート34と据付床6との間にシム80を配置することが好ましい。
図9は、ポンプ組立体の異常振動を検知する振動検知器を備えた振動ユニットの例を示す図である。図9に示すように、振動検知器は、連結部材60の上限ストッパ63および減速機2の架台2aに配置された、互いに対向する第一の接触要素90,90と、連結部材60の下限ストッパ64および減速機2の架台2aに配置された、互いに対向する第二の接触要素91,91と、第一の接触要素90,90同士の接触を検知する第一の接触検知器92と、第二の接触要素91,91同士の接触を検知する第二の接触検知器93とを備えている。
図10は、図9に示す第一の接触要素90の拡大図である。図10に示すように、第一の接触要素90は、電極90aと、この電極90aが固定される絶縁体90bとから構成されている。第一の接触要素90,90は、電極90a,90a同士が互いに対向するように上限ストッパ63および架台2aにそれぞれ固定されている。第二の接触要素91も、第一の接触要素90と同一の構成を有しており、第二の接触要素91は、電極と、この電極が固定される絶縁体とから構成されている。第二の接触要素91,91は、電極同士が互いに対向するように、下限ストッパ64および架台2aにそれぞれ固定されている。
第一の接触要素90,90は第一の接触検知器92に接続され、第二の接触要素91,91は第二の接触検知器93に接続されている。さらに、これら第一の接触検知器92および第二の接触検知器93は、警報器95に接続されている。ポンプ組立体が何らかの原因により大きく揺れて、第一の接触要素90,90または第二の接触要素91,91が互いに接触すると、第一の接触検知器92または第二の接触検知器93がその接触を検知して警報器95に信号を送り、警報器95はその信号を受けて警報を発するようになっている。なお、第一の接触要素90,90または第二の接触要素91,91のどちらかを省略してもよい。
ポンプ組立体の異常振動(この例では、減速機2の異常振動)は、ポンプ組立体に何らかの不具合が発生していることが原因である場合が多い。したがって、許容範囲を超えるポンプ組立体の振動を振動検知器によって検知することにより、ポンプ組立体の重大な故障を未然に防ぐことができ、ポンプ組立体の信頼性を向上することができる。ポンプ組立体の振動の許容範囲は、第一の接触要素90,90の間隔、および第二の接触要素91,91の間隔、すなわち上限ストッパ63および下限ストッパ64の位置によって決定される。上限ストッパ63および下限ストッパ64はナットから構成されているので、その位置を容易に変更することができる。したがって、様々な回転機械に合わせた振動の許容範囲を設定することができる。
これまで述べてきた実施形態では、減速機2と構造体との間に防振装置が設置されているが、防振装置の設置箇所はこの例には限られない。防振装置は、減速機2と構造体との間、および/またはポンプ1と構造体との間、および/または駆動機3と構造体との間に設置してもよい。減速機を持たず、ポンプ1と駆動機3とが直接連結される構造のポンプ組立体にも、本防振装置を使用することができる。構造体に設置された防振装置と、防振装置の上に設置されたポンプ組立体とにより、信頼性の高いポンプ設備を提供することができる。さらに、ポンプ組立体以外にも、送風機、発電機など振動の発生源となり得るあらゆるタイプの回転機械に本防振装置を適用することができる。
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
1 ポンプ
2 減速機
3 駆動機
5 吸込水槽(構造体)
6 据付床(構造体)
16 回転軸
20 羽根車
31 防振ユニット
34 ソールプレート(基台)
40 マウント部材
50 防振パッド
60 連結部材
62 ボルト
63 上限ストッパ
64 下限ストッパ
70 横揺れストッパ
90 第一の接触要素
91 第二の接触要素
92 第一の接触検知器
93 第二の接触検知器
95 警報機

Claims (6)

  1. 回転機械と構造体との間に設置される防振装置であって、
    前記防振装置は複数の防振ユニットから構成されており、
    前記複数の防振ユニットは、それぞれ、
    前記構造体に固定される基台と、
    前記回転機械に固定されるマウント部材と、
    前記基台と前記マウント部材との間に配置された防振パッドと、
    前記基台と前記回転機械とを連結する連結部材とを備え、
    前記連結部材は、前記回転機械を持ち上げるジャッキ機構と、前記回転機械の上下方向の動きを制限する上限ストッパおよび下限ストッパとを有し、
    前記マウント部材は、互いに平行に配置された上方水平プレートおよび下方水平プレートと、これら上方水平プレートおよび下方水平プレートを連結する垂直プレートとを有しており、前記下方水平プレートには、その中心から外側に延びる切り欠きが形成され、
    前記防振パッドは、その上部から上方に延びるボルトを有していて、前記ボルトが前記切り欠きに挿入された状態で、前記ボルトにナットを係合させることにより、前記防振パッドが前記マウント部材に固定されることを特徴とする防振装置。
  2. 前記連結部材は、前記基台に固定されたボルトを有し、
    前記上限ストッパおよび下限ストッパは、前記ボルトに係合しているナットであり、
    前記ジャッキ機構は、前記ボルトと前記下限ストッパとから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記防振パッドは、前記マウント部材および前記基台に着脱可能に固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の防振装置。
  4. 前記回転機械の異常振動を検知する振動検知器をさらに備え、
    前記振動検知器は、互いに対向するように配置された接触要素と、前記接触要素同士の接触を検知する接触検知器とを備え、
    前記接触要素は、前記上限ストッパおよび前記下限ストッパのうち少なくともいずれか一方と、前記回転機械とに配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の防振装置。
  5. 横揺れを防止するための横揺れストッパをさらに備え、
    前記横揺れストッパは、前記回転機械の架台から前記構造体の側面に向かって延びるボルトを有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の防振装置。
  6. 構造体の上に設置された請求項1乃至のいずれか一項に記載の防振装置と、
    前記防振装置の上に設置されたポンプ組立体とを備えたことを特徴とするポンプ設備。
JP2011007568A 2011-01-18 2011-01-18 回転機械の防振装置 Active JP5670766B2 (ja)

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