JP6913174B2 - 建築用パネルの取付金具及びそれを用いた建築用パネルの取付構造 - Google Patents

建築用パネルの取付金具及びそれを用いた建築用パネルの取付構造 Download PDF

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Description

本発明は、建築用パネルを躯体に取り付けるための取付金具と、その取付金具を用いた建築用パネルの取付構造に関する。
従来、建築物の外壁材等に使用される建築用パネルとして、押出成形セメント板などが用いられている。押出成形セメント板は、中空形状で軽量・高強度であることから、近年、外壁材等の建築用パネルとして多く用いられている。以下、建築用パネルとして押出成形セメント板を例に説明する。
図11は、従来の押出成形セメント板を用いた建築用パネルの取付構造を示す断面図である。建築用パネルとして用いられる押出成形セメント板100には、内面側に取付金具たるZクリップ110が取り付けられる。Zクリップ110には、押出成形セメント板100に取り付ける取付部112が設けられている。取付部112には、長穴113が設けられており、この長穴113の部分が押出成形セメント板100の中空部101に挿入される角ナット120に固定ボルト130で取り付けられる。押出成形セメント板100は、このZクリップ110に設けられた係止部111で建物躯体150の下地材151に係止される。
この種の建築用パネルを取り付けるための取付金具に関する先行技術として、一端側と他端側とが長手方向に段差を介して互いに平行に連続する板金からなり、一端側にパネルを固定する透孔を有し且つ他端側を建築物の躯体に取り付けるものがある(例えば、特許文献1参照)。この取付金具には、透孔を挟んで幅方向の両側にパネル固定面と反対側に突出し且つ長手方向に連続した突出条が設けられている。
日本国 特開平09−032167号公報
ところで、外壁等の建築用パネルの外面には風圧力が作用する。そして、図10に示すように、押出成形セメント板100に風圧力で負圧荷重G(押出成形セメント板100を外側に引っ張る力)が作用した場合、取付金具(Zクリップ110)の部分を外側に引っ張る引抜き力が作用する。この明細書及び特許請求の範囲の書類中では、押出成形セメント板100の外面側を「外側」、内面側を「内側」という。
このため、押出成形セメント板100を外壁材等に用いる場合には、Zクリップ110の留付部160がこの負圧荷重Gに耐えられるように支持スパンや、取付金具の種類を選択して設計される。そして、押出成形セメント板100を建物躯体150に取り付ける取付金具として、負圧荷重Gに応じてZクリップ110の他、いわゆるW型Zクリップなどが使用される。
図12は、Zクリップ110の図面であり、図13は、W型Zクリップ115の図面である。図12に示すZクリップ110は、中間部分が屈曲して側面視が略Z形状となっている。押出成形セメント板100に取り付ける一端側の取付部112には、長手方向に長穴113が設けられている。他端側には、建物躯体150の下地材151に係止する係止部111が設けられている。Zクリップ110に設けられている長穴113は、長穴113の部分が欠損となり、また力が加わった時の支点となるため弱点部分となる。通常は、長穴113の部分に対して、耐力を越えた荷重がかからないよう、押出成形セメント板100の支持スパンや取付金具の種類を決定している。一方、図13に示すW型Zクリップ115は、押出成形セメント板100の幅寸法が大きくなった場合などに用いられ、中間部分が屈曲して側面視が略Z形状となっている点はZクリップ110と同一であるが、幅寸法が広く形成されている。W型Zクリップ115は、下地材151に係止する係止部116及び押出成形セメント板100に取り付ける取付部117の幅寸法が大きく、取付部117には幅方向に2つの長穴118が設けられている。W型Zクリップ115は、例えば、押出成形セメント板100の幅寸法が600mmを超える場合、風圧力が作用する押出成形セメント板100の受圧面積が大きくなり、負圧荷重Gが作用した時に押出成形セメント板100を留付ける部分に発生する引き抜き力が大きくなる場合などに用いられる。特に、高層建物の場合、設定される建物設計用風圧力が大きくなるので、図8に示すZクリップ110では留付部160が負圧荷重に耐え難くなり、留付部160の引抜き耐力を上げるためにW型Zクリップ115が多く用いられる。
しかし、W型Zクリップ115は、外壁材等の場合は用いられる部材数が多いこと及び金物ボリュームが大きいことからコストが高くなる。また、2本の固定ボルトで押出成形セメント板100に取り付けるため、1本目の固定ボルト130で仮止めした状態で、施工位置においてW型Zクリップ115で下地材151に係止した後、2本目の固定ボルト130が取り付けできるように、あらかじめ押出成形セメント板100の中空部内に保持される専用の角ナットが必要となる。このため、2種類の角ナットが必要となる。
一方、近年、留付部160の高耐力化(引抜き耐力の向上)を図るために、Zクリップ110とともに用いられる角ナット120として、高耐力化した高耐力角ナットが用いられることがある。しかし、高耐力角ナットを用いた場合には、負荷加重が発生した時にZクリップに生じる曲げ応力は固定ボルトの位置で最大となり、この部分を支点としてZクリップ110の係止部111が曲がって変形してしまうおそれがある。
なお、上記特許文献1に記載の取付金具では、通常のZクリップ程度の留付耐力を得ることができるが、高耐力が求められる部位に使用するには金具の厚みを厚くする必要がある。しかし、Zクリップの大きさはそのままで厚みを厚くする場合には突出条の付与が難くなる。また、突出条を設けるために取付金具の幅を広くすると金具が大きくなるとともに、コストアップになる。
このようなことから、押出成形セメント板100の施工可能寸法(支持スパン)を決定する要素である、パネルの強度、パネルの剛性、留付部160の耐力の3つの要素のうち、留付部の耐力を向上させることができる取付金具が切望されている。
そこで、本発明は、建築用パネルを取り付ける作業性を保ったまま、留付部の耐力を向上させることができ、コストアップを抑えることができる建築用パネルの取付金具とその取付金具を用いた建築用パネルの取付構造を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係る建築用パネルの取付金具は、建築用パネルを建物躯体に取り付ける取付金具であって、長手方向の中央部分に屈曲段部が形成され、長手方向の前記屈曲段部から一方が前記建物躯体に係止する係止部に形成され、長手方向の前記屈曲段部から他方が前記建築用パネルに取り付ける取付部に形成され、前記取付部は、前記建築用パネルに取り付けるための穴部と、前記建築用パネルとの接触面の幅方向両端部がパネル接触面とは逆方向に折り曲げられた折り曲げ部と、を有している。
この構成により、建築用パネルを躯体建物に取り付ける取付部に形成した折り曲げ部によって取付金具自体の強度を上げることができ、これにより建築用パネルの留付部における耐力の向上と信頼性の向上を図ることができる。しかも、取付金具の大きさを従来の取付金具と同様の大きさに抑えることができ、強度を向上させるためのコストアップを抑えることができる。その上、建築用パネルに取り付ける作業性を従来と同様に保つことができる。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「留付部」は、取付金具を建築用パネルに取り付けている部分をいう。
また、前記折り曲げ部は、折り曲げ角度が15度〜75度となっていてもよい。
このように構成すれば、折り曲げ部の折り曲げ角度によって、取付部を使用に適した強度にすることができる。
また、前記折り曲げ部は、前記取付部の前記穴部と平行する部分のみの幅方向両端部に設けられていてもよい。
このように構成すれば、穴部の部分における強度低下を、穴部の幅方向両端部に設けた最小限の折り曲げ部で補うことができる。
また、前記折り曲げ部は、前記取付部の長手方向にわたって幅方向両端部に設けられていてもよい。
このように構成すれば、取付部の幅方向両端部の長手方向にわたって設けられた折り曲げ部によって穴部による強度低下を補うことができる。
また、前記折り曲げ部の頂点の高さは、前記取付部のパネル接触面から前記係止部の高さまでの高さと同等以下の高さであり、且つ前記取付部の厚みの2倍以下の高さとなっていてもよい。
このように構成すれば、従来の取付金具の大きさと形状の範囲内で取付金具の強度を向上させることができるので、従来の取付金具と同様に取り扱うことができ、コストも同等にすることができる。
また、前記穴部は、前記取付部の前記建築用パネルと接触するパネル接触面における長手方向の中間点よりも前記係止部の方向に設けられていてもよい。
このように構成すれば、取付金具の屈曲された段部に、より近い位置で建築用パネルに固定して、取付金具の留付部における耐力向上を図ることができる。
また、前記穴部は、前記取付部の長手方向に延びる長穴で構成され、前記長穴は、該長穴に挿入する固定ボルトのワッシャが前記取付部の屈曲された段部に掛からない位置に設けられていてもよい。
このように構成すれば、建築用パネルに層間変位が生じたとしても、固定ボルトのワッシャが取付部の屈曲された段部の傾斜部分に乗り上げることなく安定して移動するようにできる。
一方、本発明に係る建築用パネルの取付構造は、建物の躯体に建築用パネルを取り付ける建築用パネルの取付構造であって、前記建築用パネルは、中空部を有するセメント系建築用パネルであり、前記建築用パネルの内側に前記いずれかの建築用パネルの取付金具を備え、前記取付金具は、前記取付部が前記建築用パネルの前記中空部に挿入されたナットと固定ボルトとで取り付けられ、前記係止部が前記躯体に設けられた下地材に係止されて取り付けられている。
この構成により、従来と同様に建築用パネルを躯体の下地材に係止することができ、作業性を保ちつつ建築用パネルの取付部における耐力を向上させることができる。よって、建築用パネルの取付時における支持スパンを長スパン化することができる。しかも、建築用パネルの取付部における信頼性を向上させることができる。
また、前記取付金具は、前記穴部が前記取付部の前記建築用パネルと接触するパネル接触面における長手方向の中間点よりも前記係止部の方向に中間点を有する長穴で構成され、前記長穴の長手方向中間点を前記固定ボルトで固定した状態で、前記取付金具は前記取付部のパネル接触面の長手方向の中間点よりも前記係止部の方向が前記固定ボルトで固定されるよう構成されていてもよい。
このように構成すれば、取付金具を屈曲段部に近い位置で建築用パネルに固定して、取付金具の留付部における耐力向上を図ることができる。しかも、建築用パネルに層間変位が生じても、長穴の範囲内で固定ボルトが移動して変位を吸収することができる。
本発明によれば、留付部の耐力を向上させるとともに、コストアップを抑えることができる建築用パネルの取付金具と、その取付金具を用いた建築用パネルの取付構造を提供することが可能となる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る取付金具を示す図面であり、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)はI−I断面図である。 図2は、本発明の第2実施形態に係る取付金具を示す図面であり、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は底面図である。 図3は、本発明の第3実施形態に係る取付金具を示す図面であり、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は底面図である。 図4は、本発明の第4実施形態に係る取付金具を示す図面であり、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は底面図である。 図5は、本発明に係る取付金具を取り付ける高耐力角ナットの一例であり、(A)は正面図、(B)はV−V断面図である。 図6は、図1に示す取付金具を図5に示す高耐力角ナットで建物躯体に取り付けた状態の建築用パネルの取付構造を示す縦断面図である。 図7は、図6に示すVII矢視の図面である。 図8(A)、(B)は、図6に示す取付金具の取付状態における長穴とワッシャとの関係を示す図面である。 図9(A)〜(F)は、図1に示す取付金具の取付部における断面係数の変化について検討した断面図である。 図10(A)、(B)は、本発明に係る取付金具と従来の取付金具とによる負荷試験を示す図面である。 図11は、従来のZクリップを取り付けた建築用パネルを躯体に取り付けた状態を示す断面図である。 図12は、従来のZクリップを示す図面であり、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)はXII−XII断面図である。 図13は、従来のW型Zクリップを示す図面であり、(A)は正面図、(B)は側面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、建築用パネルとしてセメント系建築用パネルである押出成形セメント板100を例に説明する。また、押出成形セメント板100の押出成形方向に延在する中空部101を上下方向として取り付ける縦張りを例に説明する。なお、縦張りされた押出成形セメント板100の中空部101が延在する上下方向を縦方向、左右方向を横方向という。
(第1実施形態に係る取付金具の構成)
図1は、一実施形態に係る取付金具を示す図面であり、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)はI−I断面図である。この実施形態の取付金具10は、長手方向の中央部分に屈曲段部16が形成され、長手方向の側面視が従来のZクリップ110と同様の略Z型に形成されている。取付金具10は、長手方向の屈曲段部16から一方(図の上方)が建物躯体150に係止する係止部11に形成され、屈曲段部16から他方(図の下方)が押出成形セメント板100に取り付ける取付部12に形成されている。取付金具10としては、例えば、厚みTが6mm〜12mm程度の金属板材を用いることができる。
取付部12には、幅方向の中央部分に穴部たる長穴13が設けられている。そして、取付部12の幅方向両端部には、長手方向にわたって延びる折り曲げ部14が設けられている。折り曲げ部14は、取付部12のパネル接触面15とは逆方向に折り曲げられている。この実施形態における折り曲げ部14を設ける範囲としては、取付金具10の長手方向中央部分における屈曲段部16から取付部12の端部にわたって設けられている。このように、取付金具10は、取付部12の幅方向両端部を長手方向に折り曲げ変形させて折り曲げ部14を設けることで、曲げ応力が大きくなる部分の断面剛性を上げて取付金具10自体の剛性を向上させて曲げ降伏変形を防止し、これにより留付部160における耐力を向上させている。
上記折り曲げ部14としては、折り曲げ角度θが、15度〜75度の範囲が好ましい。折り曲げ角度θが30度より小さいと剛性向上の効果は少なく、60度より大きいと形状にゆがみを生じることがある。折り曲げ角度θは、より好ましくは、30度〜60度の範囲とすることで、従来のZクリップ110(取付金具)と同じ大きさの金属板材を用いて加工した場合に、従来のZクリップの形状に近くなり、形状と強度のバランスが取れた取付金具10とすることができる。この折り曲げ角度θについては、後述する取付部12における断面係数の検討(図9(A)〜(F))に基づいている。
この実施形態における上記折り曲げ部14は、折り曲げ角度θが、45度となっている。また、図1に示す取付金具10は、屈曲段部16の段差が小さいため、折り曲げ部14の頂点の高さを取付部12のパネル接触面15から係止部11の高さまでと同等程度にしている。これにより、従来の取付金具(Zクリップ110)の大きさの範囲内(係止部11及び取付部12を含めた取付金具10の全体厚みの範囲内)で取付金具の強度を向上させている。
なお、取付金具10の屈曲段部16における段差が取付金具10の厚みよりも大きい場合(後述する図3の上部に示す隙間S2の部分に用いる取付金具10)は、取付金具10の厚みTの2倍程度の高さとすることで、同様の剛性向上の効果を得ることができる。
また、取付金具10は、全体の幅寸法Nに対して、幅方向の両端部に形成された折り曲げ部14を除いた中央部分の平坦部の幅寸法Mが、固定ボルト130のワッシャ131が収まる幅より大きく形成されている。折り曲げ部14は、平坦部の幅寸法Mが確保できるように、上記折り曲げ角度θなどが決められる。
さらに、取付金具10の折り曲げ部14は、屈曲段部16の位置から折り曲げられ、長穴13の長手方向中間点E1よりも屈曲段部16側の位置Lから所定の角度で形成されるのが好ましい。すなわち、取付金具10は、長穴13の長手方向中間点E1を固定ボルト130で固定した場合に、固定ボルト130の位置よりも屈曲段部16側から所定角度に折り曲げられた折り曲げ部14が形成されるようにする。これにより、固定ボルト130で固定する部分における剛性向上を図れる。
なお、取付金具10の長手方向の大きさは、少なくとも係止部11が下地材151の所定範囲まで係止される長さであり、取付部12の長さは後述する力点と作用点から、必要とする耐力に耐えうる長さであればよい。
さらに、上記穴部たる長穴13は、取付部12の長手方向に延びており、取付部12のパネル接触面15の長手方向の中間点E2よりも係止部11側に設けられている。長穴13は、長穴13に挿入する固定ボルト130のワッシャ131(図8(B))が取付部12と係止部11との間の屈曲段部16に掛からない位置に設けられている。この長穴13は、その長手方向の長さが、固定ボルト130を長穴13の中央部で押出成形セメント板100に固定した場合に、層間変位時にこの長穴13の範囲内で固定ボルト130が移動できる長さとなっている。
このように、長穴13の位置を建物躯体150に係止する係止部11側に近づけて、取付金具10の屈曲段部16により近い位置を押出成形セメント板100に固定するようにしている。よって、この点でも取付金具10の留付部160における耐力向上を図っている。すなわち、取付部12の長穴13に挿入して固定される固定ボルト130(作用点)を、テコの原理から力点(下地材151に係止した場合に引き抜き力が掛かる地点:係止部11と下地材151との接触部分(図10))に近付けることで、固定ボルト130(作用点)に生じる引張り力を下げて留付部の耐力向上を図っている。
また、地震などで押出成形セメント板100に層間変位が生じたとしても、固定ボルト130のワッシャ131が屈曲段部16の傾斜部に乗り上げることなく安定して移動するようにしている(図8)。
(第2実施形態に係る取付金具の構成)
図2は、第2実施形態に係る取付金具30を示す図面であり、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は底面図である。第2実施形態の取付金具30も、上記第1実施形態の取付金具10と同様に、長手方向の中央部分に屈曲段部36が形成され、長手方向の側面視が従来のZクリップ110と同様の略Z型に形成されている。取付金具30の長手方向は、屈曲段部36から一方(図の上方)が建物躯体150に係止する係止部31に形成され、屈曲段部36から他方(図の下方)が押出成形セメント板100に取り付ける取付部32に形成されている。取付金具30も、例えば、厚みTが6mm〜12mm程度の金属板材を用いることができる。
取付部32には、幅方向の中央部分に穴部たる長穴33が設けられている。そして、取付部32の長穴33と平行する部分のみの幅方向両端部に、長手方向に延びる折り曲げ部34が設けられている。折り曲げ部34は、取付部32のパネル接触面35とは逆方向に折り曲げられている。この実施形態の折り曲げ部34は、取付部32の長穴33の部分における幅方向両端部であるため、最小限の折り曲げ部34の加工で、曲げ応力が大きくなる部分の断面剛性を上げて取付金具30自体の剛性を向上させて曲げ降伏変形を防止し、これにより留付部160における耐力を向上させている。折り曲げ部34の折り曲げ角度θなどは、上記取付金具10と同様であるため、説明は省略する。
(第3実施形態に係る取付金具の構成)
図3は、第3実施形態に係る取付金具40を示す図面であり、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は底面図である。第3実施形態の取付金具40も、上記第1実施形態の取付金具10と同様に、長手方向の中央部分に屈曲段部46が形成され、長手方向の側面視が従来のZクリップ110と同様の略Z型に形成されている。取付金具40の長手方向は、屈曲段部46から一方(図の上方)が建物躯体150に係止する係止部41に形成され、屈曲段部46から他方(図の下方)が押出成形セメント板100に取り付ける取付部42に形成されている。取付金具40も、例えば、厚みTが6mm〜12mm程度の金属板材を用いることができる。
取付部42には、幅方向の中央部分に穴部たる長穴43が設けられている。そして、取付部42の幅方向両端部には、長手方向にわたって取付部52から両幅方向に突出し、長手方向に延びる折り曲げ部44が設けられている。折り曲げ部44は、取付部42のパネル接触面45とは逆方向に折り曲げられている。この実施形態の折り曲げ部44は、取付部32の長手方向にわたって幅方向両端部から突出するように設けられているため、取付部42の長手方向にわたって断面剛性を上げて取付金具30自体の剛性を向上させて曲げ降伏変形を防止し、これにより留付部160における耐力を向上させている。折り曲げ部44の折り曲げ角度θなどは、上記取付金具10と同様であるため、説明は省略する。
(第4実施形態に係る取付金具の構成)
図4は、第4実施形態に係る取付金具50を示す図面であり、(A)は正面図、(B)は側面図、(C)は底面図である。第4実施形態の取付金具50も、上記第1実施形態の取付金具10と同様に、長手方向の中央部分に屈曲段部56が形成され、長手方向の側面視が従来のZクリップ110と同様の略Z型に形成されている。取付金具50の長手方向は、屈曲段部56から一方(図の上方)が建物躯体150に係止する係止部51に形成され、屈曲段部56から他方(図の下方)が押出成形セメント板100に取り付ける取付部52に形成されている。取付金具50も、例えば、厚みTが6mm〜12mm程度の金属板材を用いることができる。
取付部52には、幅方向の中央部分に穴部たる長穴53が設けられている。そして、取付部52の長穴53と平行する部分のみの幅方向両端部に、取付部52から両幅方向に突出し、長手方向に延びる折り曲げ部54が設けられている。折り曲げ部54は、取付部52のパネル接触面55とは逆方向に折り曲げられている。この実施形態の折り曲げ部54は、取付部52の長穴53の部分において幅方向両端部から突出するように設けられているため、最小限の折り曲げ部54で、曲げ応力が大きくなる部分の断面剛性を上げて取付金具50自体の剛性を向上させて曲げ降伏変形を防止し、これにより留付部160における耐力を向上させている。折り曲げ部54の折り曲げ角度θなどは、上記取付金具10と同様であるため、説明は省略する。
(高耐力角ナットの構成)
図5は、上記取付金具10、30、40、50を取り付ける高耐力角ナット20の一例であり、(A)は正面図、(B)はV−V断面図である。この実施形態の高耐力角ナット20は、押出成形セメント板100の中空部101に沿って延びる長手方向が長辺、中空部101の幅方向が短辺となった矩形状に形成されている。中央部分には、固定ボルト130が螺合される雌ねじ部21が設けられている。そして、幅方向の両端部の長手方向2辺が、一方に折り曲げられた折り曲げ部22となっている。このように、板状の角ナットの両端部に、一方に折り曲げられた折り曲げ部22を設けることで、長手方向の剛性を上げて高耐力角ナット20としている。高耐力角ナット20としては、例えば、厚みTが6mm〜12mm程度の金属板材を用いることができる。
(取付金具を用いた建築用パネルの取付構造の構成)
図6は、図1に示す取付金具10を図5に示す高耐力角ナット20で建物躯体150に取り付けた状態の建築用パネルの取付構造1を示す縦断面図である。図7は、図6に示すVII矢視の図面である。図7では、建物躯体150の図示を省略している。これらの図に基づいて、縦張りされた押出成形セメント板100の取付構造1について説明する。なお、押出成形セメント板100と建物躯体150の構成は、上述した図11と同一の構成で示す。同一の構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
図示するように、押出成形セメント板100の中空部101に高耐力角ナット20が挿入され、押出成形セメント板100の内面に取付金具10が取り付けられている。取付金具10は、取付部12の長穴13を介して高耐力角ナット20に螺合された固定ボルト130で押出成形セメント板100に取り付けられている。そして、取付金具10の係止部11が建物躯体150の下地材151に係止されて、押出成形セメント板100が建物躯体150の外壁材として取り付けられている。
この例では、押出成形セメント板100の上部に設けられる取付金具10と下部に設けられる取付金具10とでは、下地の構成の違いから押出成形セメント板100の内面と係止部11との隙間が異なる例となっている。押出成形セメント板100の上部に取り付けられる取付金具10は、建物躯体150に設けられた下地材151を係止する隙間S1となっている。押出成形セメント板100の下部に取り付けられる取付金具10は、建物躯体150に設けられた下地材151と、この下地材151と押出成形セメント板100との空間を調整するための硬質パッキン152とを係止する隙間S2となっている。
この建築用パネルの取付構造1によれば、押出成形セメント板100に取り付けられる取付金具10は、取付部12の長手方向両端部がパネル接触面15と逆方向に折り曲げられた折り曲げ部14を有する。よって、取付金具10の係止部11が建物躯体150の下地材151に係止された状態で、係止部11から取付部12に掛けての剛性が高くなり、留付部160における耐力を向上させることができる。
なお、押出成形セメント板100の間の目地部140にはバックアップ材141が設けられ、その外面側に目地部140を塞ぐシーリング材142が充填されている。また、下側の押出成形セメント板100の上端と下地材151との間には充填材としてロックウール143が充填されている。押出成形セメント板100の目地部140の構成は、この構成に限定されるものではない。
(取付金具の取付状態)
図8(A)、(B)は、図6に示す取付金具10の取付状態における長穴13とワッシャ131との関係を示す図面である。図8(A)に示すように、長穴13の長手方向中間点E1は、取付部12のパネル接触面15(図1)における長手方向の中間点E2よりも係止部11側に設けられている。このため、長穴13の中間位置を固定ボルト130で押出成形セメント板100に取り付けた状態で、取付金具10は建物躯体150の下地材151に係止する係止部11に近い位置で取り付けられる。これにより、取付部12の長穴13を、力点となる係止部11と下地材151との接触部分(図10)に近付けて、留付部160の耐力向上を図っている。
また、図8(B)に示すように、長穴13の係止部11側の端部が、固定ボルト130のワッシャ131が取付部12の屈曲段部16に掛からない位置となっている。このため、地震時などで押出成形セメント板100が層間変位して固定ボルト130が長穴13の端に移動したとしても、固定ボルト130と取付金具10との間に設けられたワッシャ131が屈曲段部16の傾斜部に掛からない。よって、押出成形セメント板100の取り付け状態を安定して保つことができる。
(取付金具の取付部における断面係数の検討)
図9(A)〜(F)は、図1に示す取付金具10の取付部12における幅方向の断面係数の変化について検討した断面図である。図9(A)は従来の取付金具110における取付部112の長穴113がない部分における断面図であり、図9(B)は長穴113がある部分における断面図である。例えば、板厚Tを6mm、取付部112の幅寸法Nを60mmとした場合、図9(A)に示す長穴113がない位置では断面係数が360mmとなる。一方、図9(B)に示す長穴113がある位置では、長穴113の幅寸法を13mmとすると、断面係数は282mmとなる。このことから、長穴113が設けられた位置では、断面係数が282/360=0.783となり、長穴113がない位置に比べて約22%低下している。このことから、長穴113による断面係数の低下を補うためには、長穴113を設けた部分における断面係数を360mm以上とすれば、取付部112の全体を長穴113がない位置と同じ強度以上にできる。
そこで、図9(C)〜図9(F)に示すように、取付金具10の取付部12に、幅方向両端部の長手方向にわたって折り曲げ部14を設け、この折り曲げ部14の折り曲げ角度θを変化させた場合の断面係数の変化について検討した。折り曲げ部14の折り曲げ角度θを15度とすれば、断面係数は350mmとなり、長穴13がない場合の断面係数と近くなる。折り曲げ部14の折り曲げ角度θを30度とすれば、断面係数は410mmとなり、折り曲げ部14の折り曲げ角度θを45度とすれば、断面係数は420mmとなり、折り曲げ部14の折り曲げ角度θを60度とすれば、断面係数は530mmとなる。これらのことから、折り曲げ部14の折り曲げ角度θによって、折り曲げ部14の形成後における取付部12の断面係数を、少なくとも長穴13のない場合の断面係数と同等かそれ以上にすることができる、という知見を得た。
(取付金具の強度確認実験)
図10(A)、(B)は、上記取付金具10と従来の取付金具(強度試験では、Zクリップ110を取付金具110ともいう)とによる引抜試験を示す図面である。(A)は、図12に示すZクリップ110による試験の構成図である。(B)は、上記取付金具10による試験の構成図である。いずれの引抜試験も、押出成形セメント板100を横向きに配置した状態で試験をしている。また、取付金具10、110と下地材151との接触部分の中央位置を「力点A」とし、取付金具10、110を押出成形セメント板100に取り付けている固定ボルト130の位置を「作用点B」とし、各取付金具10、110の一端を支点Cとしている。この試験では、押出成形セメント板100を試験機に固定し、下地材151に上向きの荷重を加える(押出成形セメント板100に対しては引き抜きの荷重となる。)試験を行った。
この引抜試験における取付金具10、110の一例として、板厚6mmの金属板を用いて、長手方向の全長寸法を135mm、幅寸法を60mm、全体の厚み(パネル接触面から係止部の反対面までの厚み)を11.3mmとした。また、取付金具10、110を下地材151に係止する寸法が30〜40mmの範囲を適正な寸法と設定しているため、下地材151と接する係止部11、111の長さを45mmに設定した。
さらに、押出成形セメント板100は、地震時などにより発生する建物揺れに対し押出成形セメント板100がロッキング又はスライドして変位を吸収する必要がある。その変位吸収は取付金具10、110で行われる。このため、取付金具10、110の穴部を長穴13(ルーズホール)として固定ボルト130が長穴13の中でスライドして押出成形セメント板100に過剰な力が加わらない設計としている。900mm幅の押出成形セメント板100では層間変位角は1/100radを想定することが一般的である。このため、ロッキング又はスライドの寸法は900/100=9(mm)が最大となる。固定ボルト130の直径を10mmとすると、固定ボルト130の両側に9mm以上余裕のある長穴13とする設計が必要となる。しかし、実際には施工誤差(5mm程度)も生じるため、10+9+9+5=33(mm)以上の長穴13を要する。このことから、この例では、長穴13の寸法を12mm×35mmとしている。また、層間変位時に固定ボルト130のワッシャ131が取付部12と係止部11との間の屈曲段部16に掛からないためには、長穴13の端部と屈曲段部16の段差開始位置の最小クリアランスは10mmであるため、その寸法まで長穴13を係止部11、111の方向(力点Aの方向)に近付けている。
そして、図10(A)、(B)では、支点Cから力点Aと作用点Bまでの距離に基づいてそれぞれの力の大きさを比較した。
図10(A)に示す従来のZクリップ110(図12)では、作用点Bに作用する力P2は、力点Aに働く力P1と、支点Cから係止部111と下地材151との間の力点Aまでの距離(120.2)と、支点Cから長穴13の位置の作用点Bまでの距離(37.5)とから、「P2=120.2P1/37.5=3.21P1」となる。
一方、図10(B)に示す上記取付金具10は、取付金具10自体の剛性向上と長穴13を屈曲段部16に近付けている。これにより、作用点Bに作用する力P2は、力点に働く力P1と、支点Cから係止部11と下地材151との間の力点Aまでの距離(120.2)と、支点Cから長穴13の位置の作用点Bまでの距離(52.5)とから、「P2=120.2P1/52.5=2.29P1」となる。
このことから、取付金具10は、長穴13の長手方向中間点E1の位置をパネル接触面15の長手方向の中間点E2よりも係止部11の方向にずらして設けたことで、Zクリップ110に比べて作用点Bに作用する力を約29%(2.29/3.21=0.71)低減することができる。
一方、固定ボルト130の部分に発生する曲げ応力は、力点Aから固定ボルト130までの距離により発生する曲げモーメントと断面係数の関係から以下のようになる。なお、この試験に用いたZクリップ110は、長穴部分の幅方向のX軸(図12(C)に示すX)における断面係数は282である。また、取付金具10は、長穴部分の幅方向のX軸(図1(C)に示すX)における断面係数は420である。これらの断面係数は、上記した寸法の取付金具10、110における断面形状により算出したものである。
曲げ応力は、曲げモーメント/断面係数より、従来のZクリップ110では、82.7P1 /282=0.293P1となるが、取付金具10では、67.7P1/420=0.161P1 となる。従って、同じ荷重(P1)が力点Aに作用しても、取付金具10に発生する曲げ応力は0.161/0.293=0.55となり、従来のZクリップ110に対して約45%低減される。このことから、取付金具10の曲げ限界荷重が上昇する。
また、図1に示す取付金具10を図5に示す高耐力角ナット20で押出成形セメント板100に取り付け、引き抜き荷重を測定した。その結果、押出成形セメント板100が破壊する荷重は3.51〜3.95kNであった。
一方、図13に示すW型Zクリップ115を通常の角ナットで押出成形セメント板100に取り付け、引き抜き荷重を測定した。その結果、押出成形セメント板100が破壊する荷重は3.77〜4.79kNであった。
さらに、図12に示すZクリップ110を通常の角ナットで押出成形セメント板100に取り付け、引き抜き荷重を測定した。その結果、押出成形セメント板100が破壊する荷重は2.40〜2.72kNであった。
また、図12に示すZクリップ110を図5に示す高耐力角ナット20で押出成形セメント板100に取り付け、引き抜き荷重を測定した。その結果、Zクリップ110が3.1〜3.4kNで曲げ降伏変形し、それ以上の荷重値を得られなかった。
なお、許容耐力は、試験結果の平均値(μ)から標準偏差(σ)の3倍(3σ)を減じた値に対し1.5倍の安全率を考盧して算出している。そのため、ばらつきが大きいと標準偏差が大きくなり許容値が小さくなる。
上記W型Zクリップ115では、設計許容値を2.25kNとしている。そして、上記図1に示す取付金具10ではばらつきが小さいため、W型Zクリップ115と同様に設計許容値を2.25kNとすることが可能となる。
このような引抜試験結果から、上記取付金具10によれば、従来のZクリップ110と同等の大きさで、W型Zクリップ115と同等の設計許容値(上記W型Zクリップ115の2.25kNに対し、取付金具10も同等の2.25kN)を有する取付金具10を構成することができる。
なお、上記取付金具30、40、50も、取付金具10と同様に、従来のZクリップ110と同等の大きさで、W型Zクリップ115と同等の強度を有する取付金具を形成することができる。
(総括)
以上のように、上記取付金具10、30、40、50によれば、取付部12、32、42、52の強度を向上させることができ、この取付金具10を用いた建築用パネルの取付構造1によれば、取付金具10の留付部160における耐力を向上させることができる。よって、同等の耐力を有するW型Zクリップ115などの取付金具に比べてコストを低減させることが可能となる。しかも、取付金具10は1枚の押出成形セメント板100に対して4箇所(4隅)に取り付けられるので、取付金具10のコストダウンによって建築用パネルの取付構造1のトータルコストを低減することが可能となる。
また、取付金具10の大きさを従来のZクリップ110と同等にすることができるので、従来と同様の作業性を保つことができる。
さらに、従来のW型Zクリップ115と比較すると部品点数(角ナットの種類)が少なくなる。よって、コストの低減の他、押出成形セメント板100(建築用パネル)への穴開け作業や取り付け作業が軽減され、取付金具10の設置も簡易となることから、W型Zクリップ115を用いる場合に比べて施工効率の向上に寄与することが可能となる。
(変形例)
上記した実施形態における取付金具10は一例であり、大きさ、厚みなどは一例で上記実施形態に限定されるものではない。
また、上記した実施形態では、建築用パネルとして押出成形セメント板100を例に説明したが、軽量気泡コンクリート板などのセメント系パネル、或いは金属などを含むその他素材のパネルでも取付金具10を用いて取り付ける建築用パネルであれば同様に用いることができ、建築用パネルは上記した実施形態に限定されるものではなく、建築用パネルの取付方向も縦張りだけでなく、横張りにも用いることができる。
さらに、上記した実施形態は一例を示しており、穴部は長穴13に限定されるものではなく、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。
1 建築用パネルの取付構造
10 取付金具
11 係止部
12 取付部
13 長穴(穴部)
14 折り曲げ部
15 パネル接触面
16 屈曲段部
20 高耐力角ナット
21 雌ねじ部
22 折り曲げ部
100 押出成形セメント板
101 中空部
110 Zクリップ(取付金具)
115 W型Zクリップ(取付金具)
120 角ナット
130 固定ボルト
131 ワッシャ
140 横目地部
150 建物躯体
151 下地材
152 硬質パッキン
160 留付部

Claims (8)

  1. 建築用パネルを建物躯体に取り付ける取付金具であって、
    長手方向の中央部分に屈曲段部が形成され、
    長手方向の前記屈曲段部から一方が前記建物躯体に係止する係止部に形成され、
    長手方向の前記屈曲段部から他方が前記建築用パネルに取り付ける取付部に形成され、
    前記取付部は、前記建築用パネルに取り付けるための穴部と、前記建築用パネルとの接触面の幅方向両端部がパネル接触面とは逆方向に折り曲げられた折り曲げ部と、を有しており、
    前記折り曲げ部は、折り曲げ角度が15度〜75度となっている、
    ことを特徴とする建築用パネルの取付金具。
  2. 建築用パネルを建物躯体に取り付ける取付金具であって、
    長手方向の中央部分に屈曲段部が形成され、
    長手方向の前記屈曲段部から一方が前記建物躯体に係止する係止部に形成され、
    長手方向の前記屈曲段部から他方が前記建築用パネルに取り付ける取付部に形成され、
    前記取付部は、前記建築用パネルに取り付けるための穴部と、前記建築用パネルとの接触面の幅方向両端部がパネル接触面とは逆方向に折り曲げられた折り曲げ部と、を有しており、
    前記折り曲げ部は、前記取付部の前記穴部と平行する部分のみの幅方向両端部に設けられている、
    ことを特徴とする建築用パネルの取付金具。
  3. 前記折り曲げ部は、前記取付部の長手方向にわたって幅方向両端部に設けられている、
    請求項1に記載の建築用パネルの取付金具。
  4. 前記折り曲げ部の頂点の高さは、前記取付部のパネル接触面から前記係止部の高さまでの高さと同等以下の高さであり、且つ前記取付部の厚みの2倍以下の高さとなっている、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の建築用パネルの取付金具。
  5. 前記穴部は、前記取付部の前記建築用パネルと接触するパネル接触面における長手方向の中間点よりも前記係止部の方向に設けられている、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の建築用パネルの取付金具。
  6. 前記穴部は、前記取付部の長手方向に延びる長穴で構成され、
    前記長穴は、該長穴に挿入する固定ボルトのワッシャが前記取付部の屈曲された段部に掛からない位置に設けられている、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の建築用パネルの取付金具。
  7. 建物の躯体に建築用パネルを取り付ける建築用パネルの取付構造であって、
    前記建築用パネルは、中空部を有するセメント系建築用パネルであり、
    前記建築用パネルの内側に請求項1〜のいずれか1項に記載の建築用パネルの取付金具を備え、
    前記取付金具は、前記取付部が前記建築用パネルの前記中空部に挿入されたナットと固定ボルトとで取り付けられ、前記係止部が前記躯体に設けられた下地材に係止されて取り付けられている、
    ことを特徴とする建築用パネルの取付構造。
  8. 前記取付金具は、前記穴部が前記取付部の前記建築用パネルと接触するパネル接触面における長手方向の中間点よりも前記係止部の方向に中間点を有する長穴で構成され、
    前記長穴の長手方向中間点を前記固定ボルトで固定した状態で、前記取付金具は前記取付部のパネル接触面の長手方向の中間点よりも前記係止部の方向が前記固定ボルトで固定されるよう構成されている、
    請求項に記載の建築用パネルの取付構造。
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