JP7471916B2 - 吊り材ユニット及び吊り天井構造 - Google Patents

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Description

本発明は、吊り材に圧縮方向の剛性を有する吊り材ユニット及び吊り天井構造に関するものである。
従来から、建物の天井として、吊り天井が広く採用されている。吊り天井では、天井下地材が吊りボルトで上部構造に支持され、吊りボルトの下端部に鋼製の天井下地が接続され、天井下地材に天井板が取付けられている。天井下地材は、JISA6517に規定される野縁受けや野縁等で構成されるものや、特許文献1のようにTバー等の鋼材が格子状に構成されるものがあり、吊りボルトと天井下地材とは吊り部材接続用金具を介して接続されている。
風圧を受ける軒や加圧される用途の部屋で使われる天井は、吊りボルトに角パイプや軽量チャンネルを取付けて、圧縮力に対して抗するように補剛した構造となっている。
また、特許文献2のように天井面が傾斜した天井についても、地震により発生する水平慣性力が天井板の面外方向(天井材の板面と交差する方向)に作用するため、吊りボルトが圧縮力に対して抗するように補剛した構造となっている。
特開2014-224445号公報 特開2020-2686号公報
天井の面外上方向に力が加わる天井の構造は、吊りボルトが圧縮力に対して抗するように補剛した構造となっているが、吊り部材接続用金具は偏心して取付けられることが多く、鉛直圧縮力に対して金具に接続された天井下地材(鋼材)が捻れ変形を伴い容易に変形する傾向があった。
なお、吊りボルトの補剛に軽量チャンネルを用いたものは、圧縮力に対し断面性能上の弱軸方向と強軸方向とがあり、吊りボルトとの緊結で重心位置を一致しないことから物理的に偏心する。角パイプの場合も部材中央部と吊りボルトとの位置がずれるため偏心する。これらの偏心により、圧縮力に対しての部材の剛性や曲げ耐力に問題を生じやすくなる。
また、吊りボルトに取付ける角パイプは鋼板厚1.2mmの19角のパイプが一般的に使用されているが、吊り長さの大きな天井では材の単位長さ質量に対し曲げ剛性が不足することになり、地震時に角パイプ自体が共振することで、天井面に不安定な挙動を発生させる恐れがあった。
傾斜した天井で使われる吊り部材接続用金具は、角度調整機能を有しているが角度調整のための軸部が天井面と離れた位置にあるため、吊り材の鉛直軸方向に対して偏心することになり、吊り支持においても圧縮力を受けた時にも物理的に不安定な構造であった。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、天井下地材が鉛直圧縮力に抗する吊り材ユニット及び吊り天井構造を提供する。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る吊り材ユニットは、上部構造体に支持された吊りボルトと、該吊りボルトに取付けられ、地震時に共振しない特性の圧縮補剛材と、前記吊りボルトに取付けられた吊り部材接続用金具と、を備え、水平方向に対して傾斜した天井材を吊るための吊り材ユニットであって、該吊り部材接続用金具は、天井下地材に支持された天井材からの鉛直上方向の力を受けられる脚部材を備え、前記脚部材を介して前記天井材と接続されており、前記脚部材と前記天井材とは、前記吊りボルトの軸方向延長線上で接続されている
このように構成された吊り材ユニットでは、吊りボルトの中心と圧縮補剛材の中心とを揃えるようにして、地震時に共振しない特性の圧縮補剛材を吊りボルトに取付けることができる。吊りボルトに取付けられた吊り部材接続用金具の脚部材は、天井下地材に支持された天井材からの鉛直上方向の力を受けられる。よって、天井下地材が鉛直圧縮力に抗することができる。
また、本発明に係る吊り材ユニットは、前記天井材の前記吊りボルトに対する傾斜角度を調整可能な角度調整部を備えていてもよい。
このように構成された吊り材ユニットでは、吊り部材接続用金具の角度調整部は、天井材の吊りボルトに対する傾斜角度を調整することができるため、天井面(天井材の下面)の傾斜角度を調整することができる。
また、本発明に係る吊り材ユニットでは、前記脚部材は、前記吊りボルトを挟んで対称に配置され、前記角度調整部は、前記天井材の近傍に配置されていてもよい。
このように構成された吊り材ユニットでは、脚部材は吊りボルトを挟んで対称に配置され、角度調整部は天井材の近傍に配置されている。よって、角度調整部が慣性力の力点近傍となる天井材の近傍に配置されるため、吊りボルトの鉛直軸方向に対しての偏心距離が短くなり、物理的に安定した構造となる。
また、本発明に係る吊り材ユニットでは、前記圧縮補剛材は、厚さ0.45mmの40角の角スタッドである。
このように構成された吊り材ユニットでは、厚さ0.45mmの40角の角スタッドの圧縮補剛材を用いることで、例えば鋼板厚1.2mmの19角のパイプと比較して、部材の固有値を高次に移動することができる。
また、本発明に係る吊り材ユニットでは、前記圧縮補剛材は、中央部に前記吊りボルトを挿通可能な貫通孔を有する金物であってもよい。
このように構成された吊り材ユニットでは、圧縮補剛材は、中央部に吊りボルトを挿通可能な貫通孔を有する金物である。よって、圧縮補剛材をバランスよく、且つ容易に設置することができる。
また、本発明に係る吊り天井構造は、鋼材が格子状に配置された天井下地材と、上記のいずれか一に記載の吊り材ユニットと、を備え、前記脚部材は、前記鋼材を挟み込んでいる。
このように構成された吊り天井構造では、吊りボルトの中心と圧縮補剛材の中心とを揃えるようにして、地震時に共振しない特性の圧縮補剛材を吊りボルトに取付けることができる。吊りボルトに取付けられた吊り部材接続用金具の脚部材は、天井下地材に支持された天井材からの鉛直上方向の力を受けられる。よって、天井下地材が鉛直圧縮力に抗することができる。
また、吊り部材接続用金具の角度調整部は、天井材の吊りボルトに対する傾斜角度を調整することができるため、天井面(天井材の下面)の傾斜角度を調整することができる。
また、脚部材は天井下地材の鋼材を挟み込んでいるため、脚部材を天井下地材に安定して取付けることができる。
また、本発明に係る吊り天井構造は、野縁受け材と、該野縁受け材に支持された野縁材と、を有する天井下地材と、上記のいずれか一に記載の吊り材ユニットと、を備え、前記脚部材は、前記野縁受け材と前記野縁材に支持された前記天井材との間に嵌合されている。
このように構成された吊り天井構造では、吊りボルトの中心と圧縮補剛材の中心とを揃えるようにして、地震時に共振しない特性の圧縮補剛材を吊りボルトに取付けることができる。吊りボルトに取付けられた吊り部材接続用金具の脚部材は、天井下地材に支持された天井材からの鉛直上方向の力を受けられる。よって、天井下地材が鉛直圧縮力に抗することができる。
また、吊り部材接続用金具の脚部材は野縁受け材と天井材との間に嵌合されているため、脚部材を天井下地材に安定して取付けることができる。
本発明に係る吊り材ユニット及び吊り天井構造によれば、天井下地材が鉛直圧縮力に抗することができる。
本発明の一実施形態に係る傾斜した吊り天井構造を模式的に示した図である。 Tバーを用いた天井下地に本発明の一実施形態に係る吊り材ユニットを取付けた構成を示す傾斜方向断面で示した図である。 Tバーを用いた天井下地に本発明の一実施形態に係る吊り材ユニットを取付けた構成を示す傾斜直交方向断面で示した図である。 本発明の一実施形態に係る吊り材ユニットの地組の手順方法を示す図であり、(a)は吊りボルトに上部固定ナットを取付けた状態を示し、(b)は吊りボルトに補剛材を取付ける状態を示し、(c)は吊りボルトに吊り部材接続用金具を取付ける直前を示し、(d)は吊りボルトに吊り部材接続用金具を取付けた状態を示す。 仮組された吊り材ユニットの吊り部材接続用金具に天井下地を取付ける方法を示す図であり、(a)は傾斜直交方向断面で示した図であり、(b)は傾斜方向断面で示した図である。 本発明の一実施形態に係る吊り材ユニットを用いた天井構造について、性能検証の結果を示す図である。 野縁材及び野縁受け材を用いた天井下地に本発明の一実施形態に係る吊り材ユニットを取付けた構成を示す傾斜方向断面で示した図である。 野縁材及び野縁受け材を用いた天井下地に本発明の一実施形態に係る吊り材ユニットを取付けた構成を示す傾斜直交方向断面で示した図である。
本発明の一実施形態に係る傾斜した吊り天井構造について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る傾斜した吊り天井構造を模式的に示した図である。
図1に示すように、本実施形態に係る傾斜した吊り天井構造100は、上階の床等の上部構造体11と、天井下地材2と、天井材12と、ブレース13と、吊り部材16と、を備えている。
本実施形態では、天井下地材2は、鋼材のいわゆるTバーが格子状に配置された構成である。天井下地材2は、メインTバー21(図2参照。以下同じ。)と、クロスTバー22(図2参照。以下同じ。)と、を有している。メインTバー21は、水平方向に沿うT1方向に対して傾斜したT2方向(メインTバー方向)に延在している。メインTバー21は、水平方向に沿うとともにT2方向と直交するT3方向(クロスTバー方向)に間隔を有して複数配置されている。クロスTバー22は、T3方向に延在している。クロスTバー22は、T2方向に間隔を有して複数配置されている。
天井材12は、平板状に形成されている。天井材12の板面は、T2方向に沿って配置されている。天井材12は、天井下地材2にビス等の固定具によって固定されている。本実施形態では、天井材12は、水平面に対して約30°以下の傾斜角度をなして配置されている。天井材12の下面12d(図2参照。以下同じ)は、天井面をなしている。
ブレース13は、水平面に対して傾斜して配置されている。一対のブレース13が略V字状に配置されている。
ブレース13の上端部は、ブレース上部取付具13aを介して上部構造体11に固定されている。ブレース13の下端部は、ブレース下部取付具13bを介して天井下地材2に固定されている。
図2は、吊り材ユニットの構成を示す傾斜方向断面で示した図である。図3は、吊り材ユニットの構成を示す傾斜直交方向断面で示した図である。
図2に示すように、吊り材ユニット10は、吊り部材16と、吊り部材接続用金具4と、を備えている。
吊り部材16は、T1方向(図1参照。以下同じ。)に間隔を有して複数設置されている。吊り部材16は、補剛材(圧縮補剛材)17と、吊りボルト18と、を有している。
補剛材17は、鉛直方向に延び、管状に形成されている。本実施形態では、補剛材17は、厚さ0.45mmの40角の角スタッドの補剛材母材170、上端部専用金物171及び下端部専用金物173で構成されている。補剛材17は、地震時に共振しない特性を有している。
吊りボルト18は、補剛材17の内部に形成された貫通孔に挿通されている。吊りボルト18の上部及び下部と補剛材17の上部及び下部とは、上部固定ナット172及び下部固定ナット174で連結されている。
吊りボルト18の上下端部は、補剛材17の上下端部からそれぞれ上方及び下方に突出している。吊りボルト18の上端部は、接続用金具16a(図1参照)を介して上部構造体11に固定されている。吊りボルト18の下端部は、吊り部材接続用金具4を介して天井下地材2のメインTバー21に固定されている。
吊りボルト18は、所定の引張耐力を有している。補剛材17は、地震時に天井材12(図1参照。以下同じ。)に水平力が作用した際に、吊りボルト18に生じる圧縮力に抗する。
次に、天井下地材2及び吊り部材接続用金具4の構成について詳細に説明する。
まず、天井下地材2のメインTバー21の構成について説明する。
図3に示すように、メインTバー21は、取付板部211と、立設板部212と、を有している。本実施形態では、メインTバー21は、金属製材料を加工して構成されている。
取付板部211は、天井材12の上面に沿って配置されている。取付板部211は、平板状に形成されている。
取付板部211は、立設板部212を挟んでT3方向の両側に配置されている。取付板部211のT3方向の両端部には、上方に立設された端部壁部213が設けられている。
立設板部212は、取付板部211におけるT3方向の略中央から立設されている。立設板部212は、平板状に形成されている。立設板部212の板面は、T3方向を向いている。
立設板部212の上端部には、T3方向の両側に突出する係合部214が設けられている。
係合部214は、係合壁部215と、一対の上下壁部216と、連結壁部217と、を有している。係合壁部215は、立設板部212の上端部からT3方向の両側に向かって突出している。上下壁部216は、係合壁部215のT3方向の端部から上方に立設されている。連結壁部217は、一対の上下壁部216の上端部を連結している。
次に、吊り部材接続用金具4の構成について説明する。
吊り部材接続用金具4は、一対の上部部材41と、一対の下部脚部材(脚部材)42と、を有している。上部部材41と下部脚部材42とは、角度調整用動軸部(角度調整部)46で連結されている。
図2は、T3方向から見た図であり、上部部材41の天井下地材2に対しての配置が、傾斜した吊り天井構造100に対応した状態を実線で示し、上部部材41を回動させた状態を二点鎖線で示している。図3は、上部部材41を回動させた状態をT2方向から見た図である。
図3に示すように、一対の上部部材41及び一対の下部脚部材42は、吊りボルト18及びメインTバー21を挟み込んでT3方向の両側に配置されている。一対の上部部材41及び一対の下部脚部材42は、T3方向に対称となるように配置されている。
図2に示すように、上部部材41には、上下方向に貫通する貫通孔413が形成されている。貫通孔413には、吊り部材16の吊りボルト18の下端部が挿通されている。吊りボルト18の下端部に挿通されたナット411,412が締め付けられることによって、吊りボルト18は上部部材41に締結されている。
図3に示すように、上部部材41には、上下に離間して3箇所の取付孔441,442,443が形成されている。取付孔441と取付孔443とは、取付孔442を挟んで上下対称に配置されている。
上部部材41の取付孔441には、タップタイト等のタッピングビスを用いた開き止めビス451が挿通され、両側の上部部材41は締め付けられている。なお、開き止めビス451に替えて他のビスを用いてもよい。
上部部材41の取付孔442には、ドリルねじを用いた緊結ビス452が挿通されている。緊結ビス452は、メインTバー21の上下壁部216を貫通して、逆側の取付孔442に連結されている。
下部脚部材42は、天井下地材2の取付板部211及び立設板部212に沿って配置されている。下部脚部材42は、天井下地材2の立設板部212を挟んでT3方向の両側に配置されている。
下部脚部材42は、支持板部421と、係合板部422と、を有している。下部脚部材42は、天井材12からの鉛直上方向の力を直接受けられるように構成されている。これによって、鉛直力を伝搬する接合部が剛体連結同等の納まりとなっている。
支持板部421は、メインTバー21の取付板部211の上面に沿って配置される。支持板部421は、平板状に形成されている。支持板部421の板面は、上下方向を向いている。支持板部421は、係合板部422の下端部からT3側に延出している。
係合板部422は、支持板部421の端部から上方に延びている。係合板部422の上端部には、上方に向かうにしたがって次第に金具中央側に向かう係合片部423が形成されている。
係合片部423は、メインTバー21の係合壁部215の下端部に係合している。係合板部422には、T3方向に貫通する取付孔424が形成されている。
角度調整用動軸部46は、上部部材41の取付孔443及び下部脚部材42の取付孔424に挿通されている。角度調整用動軸部46の軸線方向は、T3方向を向いている。角度調整用動軸部46は、上部部材41と下部脚部材42とを、軸線回りに回動可能に接続している。角度調整用動軸部46を回動させることによって、上部部材41と下部脚部材42とのなす角度を調整可能である。また、上部部材41は吊りボルト18に取付けられ、天井材12はメインTバー21に固定され、下部脚部材42はメインTバー21に固定されているため、天井材12の下面12dの吊りボルト18に対する傾斜角度を調整することが可能である。
取付孔443,424は、天井材12の近傍に配置されている。具体的には、メインTバー21の係合部214よりも下方(天井材12側)に配置されている。
次に、上記の吊り部材接続用金具4に天井下地材2を取付ける方法について説明する。
予め、上部部材41と下部脚部材42とを角度調整用動軸部46で接続し、組み立てておく。
図4は、吊り材ユニット10の地組の手順方法を示す図である。
図4(a)に示すように、吊りボルト18に上部固定ナット172を取付ける。図4(b)に示すように、吊りボルト18に、上端部専用金物171、角スタッドの補剛材母材170、下端部専用金物173を順番に挿通し、下部固定ナット174を取付け緊結する。
図4(c),(d)に示すように、吊りボルト18の下端部にナット411、吊り部材接続用金具4、ナット412を順番に挿通し、仮組する。
図7は、仮組された吊り材ユニット10の吊り部材接続用金具4部分に天井下地材2を取付ける方法を示す図である。
図7に示すように、仮組された吊り材ユニット10の下部脚部材42を押し広げて、メインTバー21を所定の位置に収める。上部部材41の取付孔441に、タップタイト等のタッピングビスを用いた開き止めビス451を挿通し、仮固定する。
メインTバー21とクロスTバー22とを組み上げ天井下地を仮組する。
仮組された吊り材ユニット10のナット411,412を調整し、吊り材ユニット10を鉛直方向に調整するとともに、天井下地材2を所定の高さに設置する。
上部部材41の取付孔442にドリルねじを用いた緊結ビス452を挿通し、メインTバー21と緊結して、位置を固定する。仮固定であった開き止めビス451を増し締めして緊結する。
次に、本発明の吊り材ユニットを用いた天井構造について、性能検証を行った。
上記の吊り部材接続用金具4と補剛材17として角スタッドを用いた吊り材ユニット10(実施例)と、従来品の金具と一般的に使用される19角鋼管で補剛した吊り材ユニット(比較例)とで比較を行った。
従来品の金具は、天井下地材2に固定された下部材と吊りボルト18に固定された上部材とが回動軸回りに回動可能とされるとともに、回動軸が天井下地材2よりも上方に配置された構成となっている。
Tバーを用いた天井下地材2とし、傾斜天井を想定して30°の傾斜天井ユニットとした。
吊り材の支持構造部側から油圧ジャッキを用いて吊り材ユニット10の軸圧縮方向にロードセルを介して加力を行い、吊り材軸方向の変位計測を行った。
試験の加力と変位との関係を図6に示す。
図6に示すように、本実施形態の吊り材ユニット10の方が、従来品よりも、耐力、剛性ともに高いことが分かる。
次に、上記の吊り天井構造100の構造計算を示す。
棒状の固有振動数1次モードは、式(1)で表すことができる。
Figure 0007471916000001
角パイプ19×19×0.45及び角スタッド40×40×0.45のヤング率、断面2次モーメント及び単位長さ質量は、表(1)で表すとおりである。
Figure 0007471916000002
同じ長さであれば、固有振動数1次モードは、断面2次モーメントを単位長さ質量で除した値の平方根に比例するため、式(2)となる。
Figure 0007471916000003
よって、角スタッド40×40×0.45を用いることで、角パイプ角パイプ19×19×0.45を用いる場合に対し、固有振動数1次モードを2倍程度高次に移行可能となる。
例として、長さ3,000mmの固有振動数1次モードは、式(3)に示す通りである。
Figure 0007471916000004
地震波に基づく知見において、10Hz以上の固有値は共振域から外れるため、角スタッドを用いた3,000mm以下の吊り長さの天井であれば、地震時に有害な共振をしないことになる。
このように構成された傾斜した吊り天井構造100では、吊りボルト18の中心と補剛材17の中心とを揃えるようにして、地震時に共振しない特性の補剛材17を吊りボルト18に取付けることができる。吊りボルト18に取付けられた吊り部材接続用金具4の下部脚部材42は、天井下地材2に支持された天井材12からの鉛直上方向の力を受けられる。よって、天井下地材2が鉛直圧縮力に抗することができる。
また、吊り部材接続用金具4の角度調整用動軸部46は、天井材12の吊りボルト18に対する傾斜角度を調整することができるため、天井面(天井材12の下面)12dの傾斜角度を調整することができる。
また、下部脚部材42は吊りボルト18を挟んで対称に配置され、角度調整用動軸部46は天井材12の近傍に配置されている。よって、角度調整用動軸部46が慣性力の力点近傍となる天井材12の近傍に配置されるため、吊りボルト18の鉛直軸方向に対しての偏心距離が短くなり、物理的に安定した構造となる。
また、厚さ0.45mmの40角の角スタッドの補剛材17を用いることで、例えば鋼板厚1.2mmの19角のパイプと比較して、部材の固有値を高次に移動することができる。
また、補剛材17は、中央部に吊りボルト18を挿通可能な貫通孔を有する金物である。よって、補剛材17をバランスよく、且つ容易に設置することができる。
また、下部脚部材42は天井下地材2のメインTバー21に挟み込んでいるため、下部脚部材42を天井下地材2に安定して取付けることができる。
また、平常時では天井下地材2を吊り支持するが、軒の風圧や室内の内圧、傾斜天井で地震時に天井材12に発生する鉛直上方向の慣性力を直接受けられる下部脚部材42を有することで、吊りボルト18を介して上部構造体11に直接伝搬させることが可能となる。すなわち、慣性力が脆弱な天井下地材2を経由しないため、鉛直圧縮力に対して天井下地材2及び天井下地材2の剛性や耐力に関わらず、吊り材ユニット10単体での性能設計が可能となる。
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
図7及び図8は、野縁材、野縁受け材を用いた天井下地に用いる吊り部材接続用金具の構成を示す図である、図7は、T3方向から見た図であり、上部部材41の天井下地材3に対しての配置が、傾斜した吊り天井構造100に対応した状態を実線で示し、上部部材41を回動させた状態を二点鎖線で示している。図8は、上部部材41を回動させた状態をT2方向から見た図である。
例えば、図7及び図8に示すように、吊り材ユニット10は、JISA6517に規定されるような、いわゆる鋼材で構成された野縁材と野縁受け材の天井下地材3にも設置可能である。天井下地材3は、野縁受け材31と、野縁材32と、を有している。野縁受け材31は、T2方向(野縁受け方向)に延在している。野縁受け材31は、T3方向(野縁方向)に間隔を有して複数配置されている。野縁材32は、T3方向に延在している。野縁材32は、T2方向に間隔を有して複数配置されている。
図7に示すように、野縁材32は、取付部材33を介して野縁受け材31にネジ34で固定されている。
図8に示すように、吊り部材接続用金具4の係合板部422の上下方向の長さは、野縁受け材31と天井材12との間の隙間の長さと略同一または僅かに短い。吊り部材接続用金具4は、野縁受け材31と天井材12との間に嵌合されている。
図7に示すように、吊り部材接続用金具4には、取付プレート47が設けられている。取付プレート47は、ネジ48で野縁材32に固定されている。
図8に示すように、上部部材41の取付孔442に挿通された緊結ビス452は、野縁受け材31を貫通して、逆側の取付孔442に連結されている。
このように構成された傾斜した吊り天井構造100では、吊りボルト18の中心と補剛材17の中心とを揃えるようにして、地震時に共振しない特性の補剛材17を吊りボルト18に取付けることができる。吊りボルト18に取付けられた吊り部材接続用金具4の下部脚部材42は、天井下地材3に支持された天井材12からの鉛直上方向の力を受けられる。よって、天井下地材3が鉛直圧縮力に抗することができる。
また、吊り部材接続用金具4の角度調整用動軸部46は、天井材12の吊りボルト18に対する傾斜角度を調整することができるため、天井面(天井材12の下面)12dの傾斜角度を調整することができる。
また、吊り部材接続用金具4の下部脚部材42は野縁受け材31と天井材12との間に嵌合されているため、下部脚部材42を天井下地材3に安定して取付けることができる。
また、上記の吊り部材接続用金具4は、天井面が傾斜しておらず、水平面に沿って配置された天井の天井下地材にも設置してもよい。
また、上記に示す実施形態では、吊り部材接続用金具4は、角度調整用動軸部46によって、天井材12の吊りボルト18に対する傾斜角度を調整可能な構成であるが、本発明はこれに限られない。圧縮力が生じない平坦な天井では、角度調整部を備えていない吊り部材接続用金具を用いてもよい。
2…Tバーを用いた天井下地材
3…野縁材、野縁受け材を用いた天井下地材
4…吊り部材接続用金具
10…吊り材ユニット
11…上部構造体
12…天井材
12d…天井面
13…ブレース
17…補剛材(圧縮補剛材)
18…吊りボルト
21…メインTバー
22…クロスTバー
31…野縁受け材
32…野縁材
41…上部部材
42…下部脚部材(脚部材)
46…角度調整用動軸部(角度調整部)
100…吊り天井構造
170…補剛材母材
211…取付板部
212…立設板部
213…端部壁部
214…係合部
215…係合壁部
421…支持板部
422…係合板部
424…取付孔
443…取付孔

Claims (7)

  1. 上部構造体に支持された吊りボルトと、
    該吊りボルトに取付けられ、地震時に共振しない特性の圧縮補剛材と、
    前記吊りボルトに取付けられた吊り部材接続用金具と、を備え、水平方向に対して傾斜した天井材を吊るための吊り材ユニットであって、
    該吊り部材接続用金具は、
    天井下地材に支持された天井材からの鉛直上方向の力を受けられる脚部材を備え
    前記脚部材を介して前記天井材と接続されており、
    前記脚部材と前記天井材とは、前記吊りボルトの軸方向延長線上で接続されている吊り材ユニット。
  2. 前記天井材の前記吊りボルトに対する傾斜角度を調整可能な角度調整部を備える請求項1に記載の吊り材ユニット。
  3. 前記脚部材は、前記吊りボルトを挟んで対称に配置され、
    前記角度調整部は、前記天井材の近傍に配置されている請求項2に記載の吊り材ユニット。
  4. 前記圧縮補剛材は、厚さ0.45mmの40角の角スタッドである請求項1から3のいずれか一項に記載の吊り材ユニット。
  5. 前記圧縮補剛材は、中央部に前記吊りボルトを挿通可能な貫通孔を有する金物である請求項1から4のいずれか一項に記載の吊り材ユニット。
  6. 鋼材が格子状に配置された天井下地材と、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の吊り材ユニットと、を備え、
    前記脚部材は、前記鋼材を挟み込んでいる吊り天井構造。
  7. 野縁受け材と、該野縁受け材に支持された野縁材と、を有する天井下地材と
    請求項1から5のいずれか一項に記載の吊り材ユニットと、を備え、
    前記脚部材は、前記野縁受け材と前記野縁材に支持された前記天井材との間に嵌合されている吊り天井構造。
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