JP4549554B2 - 絶縁油注入口キャップ及びその容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は絶縁油注入口キャップ及びその容器に関し、更に詳しくはX線管球収容容器の給油口に着脱自在に取り付けて内部の絶縁油を封じ込めるための絶縁油注入口キャップ及びX線管球収容容器に関する。
【0002】
X線管球収容容器では、高圧を印加されるX線管球を十分に絶縁し、かつ発熱するX線管球を冷却する目的で、予め内部には十分な絶縁油が充填される。しかし、封入された絶縁油中に僅かでも気泡(空気)が残っていると、その部分における絶縁性や熱伝導性が著しく低下するため、予め気泡を完全に抜き取っておく必要がある。
【0003】
【従来の技術】
図6は従来のX線管ユニットを説明する図で、一部に断面図を示している。従来の典型的なX線管ユニット50’は、回転陽極型のX線管40と、その周囲に充填された冷却・絶縁用の絶縁油と、内部でX線管40を固定支持し、かつこれらを絶縁油と共に封止するX線管球収容容器51’とを含む。
【0004】
この容器51’は、その全体がアルミ合金等による円筒体又は矩形筒様体の容器からなり、その内壁(X線窓を除く)にはX線を遮断するための鉛の層が設けられている。また容器51’の内部には、樹脂等の円筒様体からなる支持部材52が固定されており、該支持部材52の中央(軸上)部でX線管40の陽極側(陽極軸)を固定(ビス止め)支持する構造となっている。この支持部材52には、ステータ(固定子コイル)52Aが埋設されており、後述のロータ(回転陽極子)46に加えるための回転磁界(130〜160Hz程度)を発生する。
【0005】
更に、容器51’の壁面(例えば図の上部)には、絶縁油を注入するための注入口(ネジ孔)53と、注入後の絶縁油を封止するためのキャップ(ネジ蓋)60’とが設けられている。キャップ60’は、その全体がアルミ合金等の不透明な金属製部材からなり、上部の2つの丸溝66に不図示の工具を嵌め込み、向かって右側に回すことで、キャップ60’を注入口53にネシ締め固定する。なお、これらの間にはゴム製のOリング64が挟まれており、これによって螺合部の機密性が保たれる。また、容器51’の他の壁面(例えば図の底部)には絶縁油の熱膨張/収縮による内部圧力の上昇/低下を緩和するためのゴム製のベローズ54が設けられている。
【0006】
一方、X線管40は、管内を真空に保つガラス製の外囲器41と、熱電子を発生するフィラメント(陰極)42と、熱電子の集束電極43と、これらを包含及び支持する陰極スリーブ44と、対面の傘状タングステン円板等からなるターゲット(回転陽極)45と、該ターゲット45と一体化形成されている回転陽極子(ロータ)46と、陽極軸により該ロータ46を回転自在に軸支するベアリング47とを備える。
【0007】
係る構成により、ステータ52Aで回転磁界が発生すると、ロータ46に渦電流が流れ、回転陽極45は所定速度で回転する。この状態で、フィラメント62で発生した熱電子を高圧kVにより加速・集束してターゲット45上の小さな焦点Fに衝突させ、X線を発生する。そして、その際の回転陽極45で発生する熱を十分に冷却し、かつ陽極45と容器51’間の絶縁を十分に維持する目的で、容器51’内には予め絶縁油が満タンに充填されている。そして、X線管40の稼働中における絶縁油は、ポンプ(P)91によって強制循環されると共に、ラジエータ92によって冷却され、こうして、X線管40の温度が所要以下に保たれる。
【0008】
しかし、封入された絶縁油中に僅かでも気泡(空気)が残っていると、その部分の絶縁性や熱伝導性が著しく低下してしまう。また僅かな気泡であっても、熱膨張によってその体積が増大し、上記絶縁性や熱伝導性劣化の問題は一層深刻なものとなる。そこで、容器51’からは予め気泡を完全に抜き取っておく必要がある。
【0009】
次に、従来の絶縁油注入方法を説明する。まずX線管ユニット50’を絶縁油注入口53が上になるようにして不図示の作業台上に載せる。次に金属製のキャップ60’を取り外し、代わり不図示の給油タンクからの給油管を絶縁油注入口53に接続(螺合)する。次に不図示の真空ポンプでX線管ユニット50’内の空気を抜き取り、好ましくは一旦内部を真空状態にしてから、絶縁油を容器51’内に注入する。こうして、やがて、絶縁油が満タンになると、給油管を取り外す。
【0010】
更に、絶縁油中における気泡の有/無を確認するため、作業者が作業台を適当な方向に傾ける。これによって、容器51’内に滞留する気泡bを浮上させ、最終的に絶縁油注入口53から外部に逃がす。更に、傾ける方向を変えて、上記同様の作業を繰り返し、こうして、最終的に気泡が無いであろうことを確認すると、金属製のキャップ60’により蓋をする。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のX線管ユニット50’では、一旦金属製のキャップ60’を締めてしまうと、もはや容器51’の内部を見ることができないため、もし気泡が残っていても、これを知る方法が無かった。また、従来はキャップ60’を開けたまま作業台を傾ける必要があるため、作業台を様々な方向に十分な角度にまで傾ける(揺さぶる)ことができず、よって内部に気泡が取り残される可能性が高かった。
【0012】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的とする所は、容器内絶縁油の気泡有/無を容易に目視でき、必要なら気泡を容易に抜き取れる絶縁油注入口キャップ及びその容器を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は例えば図1の構成により解決される。即ち、本発明(1)の絶縁油注入口キャップ60は、X線管球収容容器51の給油口53に着脱自在に取り付けて内部の絶縁油を封じ込めるための絶縁油注入口キャップであって、キャップ本体部61の少なくとも中央部が透明又は半透明の素材により正面から裏面側を透視できるように構成され、該裏面側の前記中央部に向かって滑らかな凹部が形成されているものである。
【0014】
本発明(1)によれば、キャップ本体部61の少なくとも中央部が透視可能であるため、キャップ取り付け後も給油口53の油面を容易に監視できる。従って、絶縁油が充填された容器51を大きく傾ける(揺さぶる)ことが可能となり、容器内部の様々な部位に滞留するような気泡を容易に給油口53に浮上させられる.また、キャップ本体部61の裏面側に凹部を有するため、その付近を通過するような気泡を捕獲し易く、一旦捕獲された気泡は容器51を任意方向に傾けても他には逃げられない。また、こうして捕獲された複数の気泡は、凹部の頂点(中央部)に集められて一つの大きな気泡に成長するため、気泡の有無を確認し易い。更には、その後にキャップ60を外して集めた気泡を一挙に除去可能である。また、このような絶縁油注入口キャップ60は、既存のX線管球収容容器に使用しても好適なるものである。
【0015】
好ましくは本発明(2)においては、上記本発明(1)において、キャップ本体部61の略中央部に凹部に捕獲された気泡を抜き取るための排気手段63を備えるものである。
【0016】
従って、キャップ60を取り外すまでも無く、凹部に捕獲された気泡を容易に抜き取れる。また、例えば容器内部に油圧が存在していても、該油圧に殆ど影響を与えること無く、かつ該油圧からの影響を受けることも無く、気泡のみを容易に抜き取れる。
【0017】
また本発明(3)のX線管球収容容器51は、内部にX線管球40を固定支持し、かつこれらを絶縁油と共に封入可能なX線管球収容容器において、容器51の壁面に設けた絶縁油注入口53と、絶縁油注入口に着脱自在に取り付けて内部の絶縁油を封じ込めるための上記本発明(1)又は(2)に記載の絶縁油注入口キャップ60とを備えるものである。
【0018】
従って、絶縁油注入口53を有効利用して、絶縁油の給油と気泡除去とを効率よく行える。
【0019】
好ましくは本発明(4)においては、上記本発明(3)において、例えば図5に示す如く、容器内壁の少なくとも一部が絶縁油注入口53に向けて滑らかな斜面を為すように構成されているものである。
【0020】
従って、容器内部の様々な部位に滞留するような気泡が、その浮上に際して効率よく絶縁油注入口53に導かれる。
【0021】
また本発明(5)のX線管球収容容器51は、例えば図5に示す如く、内部にX線管球40を固定支持し、かつこれらを絶縁油と共に封入可能なX線管球収容容器において、容器51の壁面に設けた気泡監視窓70であって、少なくともその中央部が透明又は半透明の素材により正面から裏面側を透視できるように構成され、該裏面側に前記中央部に向かって滑らかな凹部が形成されているもの、を備えるものである。
【0022】
本発明(5)によれば、例えば容器51の側面に設けた気泡監視窓70の少なくとも中央部が透視可能であるため、X線管ユニット50を所定位置に設置した後でも気泡の有無を容易に監視できる。また、気泡監視窓70の裏面側に凹部を有するため、その付近を通過するような気泡を捕獲し易く、一旦捕獲された気泡は他には逃げられない。また、こうして捕獲された複数の気泡は、凹部の頂点(中央部)に集められて一つの大きな気泡に成長するため、気泡の有無を確認し易い。また、こうして一箇所に集められた気泡が容器内部の絶縁性や熱伝導性に与える影響は、予めこれを把握(予測)し、適正に対処できるため、不測の事態の発生を容易に回避できる。
【0023】
好ましくは本発明(6)においては、上記本発明(5)において、気泡監視用窓70の略中央部に凹部に捕獲された気泡を抜き取るための排気手段を備えるものである。
【0024】
図示しないが、凹部中央部に排気手段を設けることで、例えば容器内部に油圧が存在していても、該油圧に殆ど影響を与えること無く、かつ該油圧からの影響を受けることも無く、気泡のみを容易に抜き取れる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に好適なる実施の形態を詳細に説明する。なお、全図を通して同一符号は同一又は相当部分を示すものとする。
【0026】
図2は実施の形態によるX線CT装置の要部構成図で、本発明のX線CT装置への適用例を示している。X線CT装置は大きく分けて、X線ファンビームXLFBにより被検体100のアキシャル/ヘリカルスキャン・読取等を行う走査ガントリ部30と、被検体100を載せて体軸CLbの方向に移動させる撮影テーブル20と、技師が操作する遠隔の操作コンソール部10とから構成される。
【0027】
走査ガントリ30において、50はX線管ユニット、40は回転陽極型のX線管、45はその回転陽極、40AはX線制御部、80はX線の曝射範囲(主に被検体体軸CLb方向)の制限を行うコリメータ、80Aはコリメータ制御部、81はチャネルCH方向に並ぶ多数(n=1000程度)のX線検出素子が体軸CLb方向の例えば2列A,Bに配列されているX線検出器(ツインディテクタ)、82はX線検出器81の検出信号に基づき被検体100の投影データを生成し、収集するデータ収集部(DAS)、30Aは走査ガントリ(X線撮影系)を体軸CLbの回りに回転させる回転制御部である。なお、X線検出器81はX線検出素子が体軸CLb方向の1列(シングルディテクタ)又は3列以上(マルチディテクタ)に配列されていても良い。
【0028】
操作コンソール10において、11はX線CT装置の主制御・処理(スキャン制御,CT断層像の再構成処理等)を行う中央処理装置、11aはそのCPU、11bはCPU11aが使用するRAM,ROM等からなる主メモリ(MM)、12はキーボードやマウス等を含む指令やデータの入力装置、13はスキャン計画やスキャン再構成されたCT断層像等を表示するための表示装置(CRT)、14はCPU11aと走査ガントリ30及び撮影テーブル20との間で各種制御信号CSやモニタ信号MSのやり取りを行う制御インタフェース、15はデータ収集部82からの投影データを一時的に蓄積するデータ収集バッファ、16はデータ収集バッファ15からの投影データを蓄積記憶すると共に、X線CT装置の制御・運用に必要な各種アプリケーションプログラムや各種演算/補正用データファイル等を格納している二次記憶装置(ハードディスク装置等)である。
【0029】
係る構成により、X線管40からのファンビームXLFBは被検体100を透過してX線検出器81の検出列A,Bに一斉に入射する。データ収集部82はX線検出器81の各検出電流信号を積分及びA/D変換して対応する投影データg(X,θ)を生成し、データ収集バッファ15に格納する。更に、走査ガントリ30が僅かに回転した各ビュー角θで上記同様の投影を行い、こうして走査ガントリ1回転分の投影データを収集・蓄積する。
【0030】
更に、アキシャル/ヘリカルスキャン方式に従って撮影テーブル20を被検体100の体軸方向に間欠的/連続的に移動させ、こうして被検体100の所要撮影領域についての全投影データを順次収集・蓄積し、最終的にこれらを二次記憶装置16に格納する。そして、CPU11aは、上記スキャンと並行して、又はスキャン終了後に、得られた投影データに基づき被検体100のCT断層像を再構成し、表示装置13に表示する。以下、実施の形態によるX線管ユニットの詳細を説明する。
【0031】
図3は実施の形態によるX線管ユニットを説明する図で、既存のX線管球収容容器51に対して本発明に係る絶縁油注入口キャップ60を適用する場合を示している。図において、本実施の形態によるX線管ユニット50は、既存の容器51の絶縁油注入口53に取り付けるキャップ60のみが従来とは異なっており、その他の構成は上記図6につき述べたものと同様でよい。以下、実施の形態によるキャップを説明する。
【0032】
図4は実施の形態によるキャップを説明する図で、図4(A)は平面図、図4(B)はそのa−a断面図、図4(C)は底面図である。図において、キャップ60の本体61は、その全体又は少なくとも中央の一部が透明又は半透明なガラスや樹脂(アクリル,ポリカーボネイト等)からなっており、上部の2つの丸溝66に不図示の工具を嵌め込み、向かって右側に回すことで、キャップ60を注入口53にネシ締め固定可能となっている。なお、これらの間にはゴム製のOリング64が挟まれており、これによって螺合部の機密性が保たれる。
【0033】
またこのキャップ本体61は、その裏面側に例えばスリバチ状の凹部65が形成されている。従って、凹部65の底面付近を通過する気泡は、その浮力によって凹部65に捕獲され、更に斜面に沿って上方に移動し、頂点付近に集められる。なお、この凹部65の形状は、捕獲した気泡をその頂点付近い集め得るものであればどのような形状でも良く,例えば円錐,角錐又は半球形でも良い。
【0034】
一例のキャップ60は、このままの構造でも気泡を捕獲して外部から目視可能とする効果を十分に発揮するものである。X線管ユニット50の実装準備段階であれば、容器51を様々な方向に傾斜させて(揺さぶって)一旦気泡を集めれば、キャップ60を取り外すことで、気泡を外部に逃がせる。但し、本実施の形態によるキャップ60は、更に、キャップ本体61の略中央部に上記凹部65によって捕獲された気泡を抜き取るための排気手段を備え、これによって、集めた気泡の排気を容易、かつ確実なものにしている。以下、これを説明する。
【0035】
一例の排気手段は、図示の如く、キャップ本体61の軸上に設けたネジ孔62と、該ネジ孔62に螺合するビス63とから構成される。ビス63は、金属製でも良いが、透明又は半透明の樹脂でも良い。通常は、ネジ孔62にビス63をネジ締めしておき、これにより排気孔62は密閉されている。なお、これらの間にはゴム製のOリング64bが挟まれており、これによって螺合部の機密性が保たれる。凹部65に気泡が溜まると、ビス63を適当に緩める。このとき、もし油圧が気泡を排気するのに十分でない場合は、ベローズ54に空気を送り一時的に絶縁油に加圧する。これにより、気泡はネジ溝を伝って外部に容易に排気される。また、もともと油圧が存在する場合は、ビス63を緩めただけで気泡が排出される。絶縁油が粘性を有することから、気泡だけを排出し、絶縁油を排出しないようなネジ操作が容易に行える。これを逆に言うと、内部で必要とするような油圧に影響を与えずに気泡の排気を行える。こうして、気泡を排気後、ネジを締め付け固定する。
【0036】
なお、上記排気手段(ネジ孔62とビス63)は、必ずしもキャップ本体61の軸上(中心部)に設ける必要は無く、軸上から外れた位置に設けておいても良い。こうすれば、視界が改善され、外部から気泡の有無を容易に確認できる。この場合でも、ビス63を緩めれば、粘性の小さい気泡から外部に押し出される。
【0037】
また、上記のようなネジ孔62とビス63とからなる排気手段は、その構造簡単であり、かつ動作信頼性が高いが、本発明の排気手段は、必ずしもこの構造に限定されるものでは無く、他の様々な構造の排気手段を採用できる。
【0038】
図4の挿入図(b)に他の排気手段の位置例を示す。この排気手段は透明なキャップ本体61の略軸上に貫通状態で埋設したゴムや比較的柔らかい樹脂の塊(層)からなっている。好ましくは、透明又は半透明の樹脂を用いる。裏面に捕獲された気泡を抜き取る場合は、例えば外部から細い注射針を差し込み、気泡を抽出する。その後、注射針を抜き取ると、樹脂の弾力性により針の通過孔が自力で塞がるため、絶縁油の漏れ出しは生じない。このよな排気手段は、構造簡単でかつ低コストで実現できると共に、上記ネジ63の締め忘れや、緩み等を心配する必要もない。
【0039】
図5は他の実施の形態によるX線管ユニットを説明する図で、本発明に適したX線管球収容容器51の一例を示している。図5(A)は側断面図、図5(B)はそのa−a断面図である。図において、このX線管ユニット50は、容器51の絶縁油注入口53に上記図4で述べたキャップ60を備えると共に、容器内壁の少なくとも一部が絶縁油注入口53に向けて滑らかな斜面を為すように構成されている。
【0040】
例えば、容器51の上半部が半球状に形成されており、これにより気泡b1はその内壁面に沿って絶縁油注入口53の側に自然に導かれる。また、図5(B)に示す如く、支持部材52の正面視形状は気泡の通過(浮上)を妨げないような例えば6本の幅の狭い腕で中央のX線管40を支持すると共に、図5(A)に示す如く、浮上の過程で支持部材52の一部にぶつかった気泡b2は、支持部材52が有する滑らかな斜面(表面形状)に沿って上部に導かれ、更に浮上を続ける。好ましくは、X線管40の外周器41も気泡の上昇を妨げないような外周形状に構成される。従って、本実施の形態によれば、絶縁油の給油時における気泡の除去が迅速、容易、かつ確実に行える。
【0041】
なお、上記絶縁油注入口53に取り付けるキャップ60に本発明を適用する場合を述べたが、これに限らない。絶縁油注入口53以外にも、外部から気泡の有無を容易に監視でき、必要なら捕獲した気泡を容易に排気できるような手段を、容器51の様々な場所に設け得る。図5はこの更に他の例のX線管ユニット50を示している。この例のX線管ユニット50は、容器51の壁面に設けた気泡監視窓70であって、少なくともその中央部が透明又は半透明の素材72により正面から裏面側を透視できるように構成され、該裏面側に前記中央部に向かって滑らかな凹部が形成されているもの、を備えている。
【0042】
例えば、図示の如く、容器51の側面に気泡監視窓70が設けられる。このX線管ユニット50は、図2に示す如く、その使用(稼働)時にはX線の射出方向が走査ガントリ部30の下側(y軸と反対方向)を向くように取り付けられ、このとき、気泡監視窓70は上側に位置する。このため、このX線管ユニット50の設置(セッティング)の際、又はその後の稼働時にまで残留していたような気泡は、何らかの理由で(例えば熱膨張して膨れ上がり)解き放たれると、浮上して容器51の上側に移動し、気泡監視窓70に捕獲される。従って、気泡の有無を容易に確認できる。このような気泡は、好ましくは外部に取り出したいが、仮に取り出さなくても、気泡監視窓70に安定に捕獲されているため、X線管40の絶縁性や冷却性に不測の事態を与えることは少ないと考えられる。
【0043】
なお、好ましくは、この気泡監視窓70にも上記図4(B)又はその挿入図(b)に示したような排気手段を設けることで、事後に検出されたような気泡であっても、これを容易に除去できる。また好ましくは、気泡監視窓70に鉛層を含むキャップ73をかぶせることで、有害なX線の漏れを防止する。この点は、キャップ60についても同様である。
【0044】
また、上記実施の形態では、キャップ60と絶縁油注入口53との間をネジ締め方式で取り付ける場合を述べたが、これに限らない。絶縁油注入口53の既存の様々な構造(ラッチ方式等)に合わせて、キャップ60の取り付け構造も様々に変更し得るものである。
【0045】
また、上記本発明に好適なる複数の実施の形態を述べたが、本発明思想を逸脱しない範囲内で各部の構成、及びこれらの組合せの様々な変更が行えることは言うまでも無い。
【0046】
【発明の効果】
以上述べた如く本発明によれば、X線管球収容容器内絶縁油の気泡有/無を容易に目視でき、必要なら気泡を容易に抜き取れるため、X線管ユニットの保守性、動作信頼性の向上に寄与するところが極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する図である。
【図2】実施の形態によるX線CT装置の要部構成図である。
【図3】実施の形態によるX線管ユニットを説明する図である。
【図4】実施の形態によるキャップを説明する図である。
【図5】他の実施の形態によるX線管ユニットを説明する図である。
【図6】従来のX線管ユニットを説明する図である。
【符号の説明】
40 X線管
41 外囲器
42 フィラメント
43 集束電極
44 陰極スリーブ
45 ターゲット(回転陽極)
46 回転陽極子(ロータ)
47 ベアリング
50 X線管ユニット
51 X線管球収容容器
52 支持部材
52A ステータ(固定子コイル)
53 注入口
54 ベローズ
60 キャップ
61 キャップ本体
62 ネジ孔
63 ビス
64 Oリング
65 凹部
70 気泡監視窓
91 ポンプ(P)
92 ラジエータ

Claims (6)

  1. X線管球収容容器の給油口に着脱自在に取り付けて内部の絶縁油を封じ込めるための絶縁油注入口キャップであって、キャップ本体部の少なくとも中央部が透明又は半透明の素材により正面から裏面側を透視できるように構成され、該裏面側の前記中央部に向かって滑らかな凹部が形成されていることを特徴とする絶縁油注入口キャップ。
  2. キャップ本体部の略中央部に凹部に捕獲された気泡を抜き取るための排気手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の絶縁油注入口キャップ。
  3. 内部にX線管球を固定支持し、かつこれらを絶縁油と共に封入可能なX線管球収容容器において、
    容器の壁面に設けた絶縁油注入口と、
    絶縁油注入口に着脱自在に取り付けて内部の絶縁油を封じ込めるための請求項1又は2に記載の絶縁油注入口キャップとを備えることを特徴とするX線管球収容容器。
  4. 容器内壁の少なくとも一部が絶縁油注入口に向けて滑らかな斜面を為すように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のX線管球収容容器。
  5. 内部にX線管球を固定支持し、かつこれらを絶縁油と共に封入可能なX線管球収容容器において、
    容器の壁面に設けた気泡監視窓であって、少なくともその中央部が透明又は半透明の素材により正面から裏面側を透視できるように構成され、該裏面側に前記中央部に向かって滑らかな凹部が形成されているもの、を備えることを特徴とするX線管球収容容器。
  6. 気泡監視用窓の略中央部に凹部に捕獲された気泡を抜き取るための排気手段を備えることを特徴とする請求項5に記載のX線管球収容容器。
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