JP4548894B2 - 固体の水不溶性有機過酸化物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体の水不溶性有機化合物、特に固体有機過酸化物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に固体の有機過酸化物を製造する際には、原料(酸クロライド又は蟻酸エステルクロライド)をハイドロパーオキサイドまたは過酸化水素のアルカリ水溶液中に添加して撹拌反応させ生成物を濾過して過酸化物を得ている。また酸クロライドをジオキサンのような水溶性の有機溶剤に溶解してハイドロパーオキサイドのアルカリ性水溶液中に滴下するという方法も提案されている(特開昭54−30128)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年環境の悪化が叫ばれ、合成反応における低収率は、未反応物や副反応物での環境汚染の問題があること、更にコスト高の原因になることから、収率アップが求められている。 ところで前記したような水不溶の固体有機過酸化物の従来の製造方法では原料(例えば酸クロライド又は蟻酸エステルクロライド等)を水溶液に添加した際充分な分散が得られず、原料どうしの接触面積が小さくなり、反応性が悪くなり、収率の落ちる原因となっている。また、生成した水不溶の固体有機過酸化物が結晶となって析出する際に原料を同伴する為、原料由来の不純物、例えばクロル分等が多い結果となる。一度結晶化した過酸化物を洗浄して不純物を除くことは難しい場合が多く、特にクロル分等が多い場合は機器の腐食等と結びつくため、改善が求められる。界面活性剤のような分散剤を予め水溶液中に溶解しておけば、原料の分散は良くなり改良が期待できるが、分散するのに時間を要する為にその間に分解が起こることと、原料由来の不純物等に関しては改善は不十分である。
【0004】
さらに、水溶性の有機溶剤に水不溶性の原料(例えば酸クロライド又は蟻酸エステルクロライド等)を溶解して滴下する方法は、水溶性の溶剤から原料が微小結晶(液滴)として不溶化してくるので、良い分散を直ちに得る方法としては良いが、原料由来の不純物等の改善に関しては同じように不十分である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは反応生成物である固体の水不溶性有機化合物、特に水不溶の固体有機過酸化物中の不純物を減らすこと及び収率を上げるために鋭意検討の結果、水不溶性原料有機化合物(例えば酸クロライド又は蟻酸エステルクロライド等)を相対的によく溶解し、反応生成物である固体の水不溶性有機化合物(例えば固体有機過酸化物)を相対的に溶解しにくく、かつ水と相分離する有機溶剤を共存させて反応させることにより、目的を達成できることを見いだした。
これは原料化合物由来の不純物が、該有機溶媒の作用により、反応生成物に付随して混入するのが防がれる為と思われる。
【0006】
即ち、本発明は、
(1)メチル又はエチルから選ばれる低級アルキル基またはハロゲン原子で置換されていてもよいベンゾイルクロライド、又はヘキサヒドロテレフタロイルクロライド(以下水不溶性の原料有機化合物(A)という)と、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−アミルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイドおよび1,1,2−トリメチルプロピルハイドロパーオキサイドからなる群から選ばれるハイドロパーオキサイド又は過酸化水素、又はそれらの水溶性塩(以下水溶性原料化合物(B)という)とを、沸点が60℃〜150℃の、脂肪族炭化水素又はケトンから選ばれる有機溶剤であって、上記水不溶性の原料有機化合物(A)と上記水溶性原料化合物(B)との反応で生成する固体の水不溶性有機過酸化物(C)の該有機溶剤に対する溶解度が原料有機化合物(A)の溶解度よりも小さく、且つ、該水不溶性有機過酸化物(C)の該有機溶剤に対する溶解度が20℃において5%以下である、水と相分離する有機溶剤の存在下に、水溶媒中で反応させ、生成した固体の水不溶性有機過酸化物(C)を分離することを特徴とする固体の水不溶性有機過酸化物(C)の製造方法。
【0007】
(2)上記水不溶性の原料有機化合物(A)及び上記有機溶剤を、上記ハイドロパーオキサイド水溶性塩若しくは過酸化水素の水溶性塩を含む水溶媒中に添加することを特徴とする上記(1)に記載の固体の水不溶性有機過酸化物(C)の製造方法。
【0008】
(3)上記ハイドロパーオキサイド水溶性塩若しくは過酸化水素の水溶性塩及び上記有機溶剤を含む水溶媒中に、上記水不溶性の原料有機化合物(A)を添加することを特徴とする上記(1)に記載の固体の水不溶性有機過酸化物(C)の製造方法。
(4)生成する固体の水不溶性有機過酸化物(C)の上記有機溶剤に対する溶解度が20℃において5質量%以下であり、水不溶性の原料有機化合物(A)の該有機溶剤に対する溶解度が20℃において10質量%以上である上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の固体の水不溶性有機過酸化物(C)の製造方法。
【0009】
(5)上記有機溶剤がヘプタン、ヘキサン、オクタン又はシクロヘキサンから選ばれる脂肪族炭化水素、又はメチルイソブチルケトンである上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の固体の水不溶性有機過酸化物(C)の製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明を以下により詳細に説明する。
本発明において「固体」というのは、少なくとも常温または反応温度のいずれかで固体であることを意味する。従って、固体の水不溶性有機化合物(C)が例えば固体有機過酸化物の場合、常温または反応温度で固体の有機過酸化物を意味する。なお、本発明で常温といった場合、0℃〜35℃程度、好ましくは10℃〜30℃程度の温度を意味する。
【0011】
本発明において水不溶性といった場合、水に対する溶解度が20℃において、2%(質量:以下特に断らない限り同じ)以下、好ましくは1%以下のものを示し、それを越えるものは水溶性に入るものとする。
また本発明において、「水と相分離する」とは常温、常圧若しくは反応条件下において水と相分離するものであることを意味し、通常水に対する溶解度が25%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下程度のものである。
【0012】
本発明で使用する水溶性原料化合物(B)と反応して固体の水不溶性有機化合物(C)を生成する水不溶性の原料有機化合物(A)としては、目的を達成するものである限り制限はないが、通常カルボン酸類及びその反応性の誘導体等が挙げられる。カルボン酸類の反応性の誘導体としては、カルボキシル基を活性化して反応性を高めるものでれば特に制限はなく、置換または非置換の脂肪族もしくは芳香族カルボン酸クロライドなどの酸クロライド、および置換または非置換の脂肪族若しくは芳香族カルボン酸エステル類などのカルボン酸エステル等が挙げられる。これらにおける置換または非置換の脂肪族基は、直鎖状、分枝状もしくは環状いずれでもよく、炭素数1〜20程度、好ましくは炭素数3〜10程度のものが挙げられ、置換基としてはハロゲン原子、フェニル基等のアリル基等が挙げられる。またこれらにおける置換または非置換の芳香族環としては、置換または非置換のフェニル環、ナフチル環、テトラヒドロナフチル環、ヘキサヒドロナフチル環等が挙げられ、置換基としてはハロゲン原子、炭素数1〜20程度の脂肪族基等が挙げられる。本発明における脂肪族基としては、炭素数1〜20程度の分枝または非分枝のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基等が挙げられる。これらの脂肪族基または芳香環につくカルボニル基は1つでも2以上あってもよい。
【0013】
例えば固体の有機過酸化物を製造する場合であれば、ベンゾイルクロライド、ラウロイルクロライド、メチル若しくはエチル等の低級アルキル基またはクロル原子等のハロゲン原子で置換されていてもよいベンゾイルクロライド、ヘキサヒドロテレフタロイルクロライド、または4−t−ブチルシクロヘキシルクロロホーメート、イソプロピルクロロホーメート等のクロロ蟻酸エステル等を挙げることができる。クロロ蟻酸エステルにおけるエステル基としては、炭素数1〜20程度のアルキル基が好ましい。炭素数3〜15程度の分枝アルキル基がより好ましい。これらは固体でも液体でも使用できる。
【0014】
本発明で使用する他の水溶性原料化合物(B)としては、水不溶性の原料有機化合物(A)と反応するものであれば特に制限はないが、通常カルボン酸類及びその反応性の誘導体と、脱水、脱ハロゲン化水素、脱アルコールと等の反応により、縮合反応するものが挙げられる。
固体有機過酸化物の合成の場合を例にすると、例えば過酸化水素または置換基を有してもよい炭素数1ないし20、好ましくは分岐した4ないし15の脂肪族若しくは芳香族炭化水素ハイドロパーオキサイド類が挙げられ、水不溶性の原料有機化合物(A)と反応して生成する有機過酸化物が固体となるものであればすべて使用できる。ハイドロパーオキサイドとしては例えばt−ブチルハイドロパーオキサイド、t−アミルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイドおよび1,1,2−トリメチルプロピルハイドロパーオキサイドを挙げることができる。過酸化水素及びこれらのハイドロパーオキサイドは通常ナトリウム、カリウムの塩として水溶液で使用されるが、これらの金属や他の金属のイオンと共存する形でも使用できる。
【0015】
固体の水不溶性有機化合物(C)の代表的なもである固体有機過酸化物を例示すればベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ(メチル置換ベンゾイル)パーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート等のパーオキシエステル類、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート類が挙げられる。これらのなかでパーオキシエステル類及びジアシルパーオキサイド類が好ましく、より具体的にはジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ベンゾイルパーオキサイド、メチル置換ベンゾイルパーオキサイドが好ましい。
【0016】
本発明方法で、水不溶性の原料有機化合物(A)と、他の水溶性原料化合物(B)とを水溶媒中で反応させ、固体の水不溶性有機化合物(C)を製造するには、反応系中に上記水と相分離する有機溶剤の存在下で行う以外は、それぞれの化合物に応じて、従来公知の方法を使用することが出来る。例えば、固体の水不溶性有機過酸化物を製造するには、例えば酸クロライドまたはクロロ蟻酸エステルを、ハイドロパーオキサイドの水溶液中に添加(好ましくは滴下)して、上記水と相分離する有機溶剤の存在下で反応を行うことにより製造することが出来る。
通常反応は常温程度、好ましくは5ないし30℃程度において行われる。酸クロライドまたはクロロ蟻酸エステルとハイドロパーオキサイドの使用量は、ほぼ理論量を使用すればよいが、通常ハイドロパーオキサイドを少過剰で使用するのが好ましい。また、水不溶性の原料有機化合物(A)を、添加する際及びその後の反応中は、撹拌下に行うのが好ましい。
生成する固体の水不溶性有機化合物(C)を反応系から単離するには、常法により、濾過、遠心分離等の方法で容易に分離することができる。濾過により得られた固体の水不溶性有機化合物(C)は必要に応じて、水等の目的化合物の不溶性の溶媒で洗浄することにより、不純分含量が少ない高純度の製品を得ることができる。
【0017】
水と相分離する有機溶剤は、水不溶性の原料有機化合物(A)の該有機溶剤に対する溶解度の方が生成する固体の水不溶性有機化合物(C)の該有機溶剤に対する溶解度よりも大きいことが必要であり、通常該有機溶剤はあまり水に溶けないか、殆ど不溶の液体が好ましい。更に好ましくは生成物を取り出しやすいように、沸点の低い溶剤が好ましい。メチルエチルケトン等の多少水溶性を有するものでも、合成する状況で、水と相分離する液体であれば使用できる。
【0018】
水不溶性の原料有機化合物(A)の該有機溶剤に対する溶解度は通常20℃において、10%以上あることが好ましく、より好ましくは15%以上であり、一般的には高い方が好ましい。また生成する固体の水不溶性有機化合物(C)の該有機溶剤に対する溶解度は5%以下が好ましく、より好ましくは3%以下、更に好ましくは2%以下である。両者の溶解度の差は大きい方が一般的に好ましく、生成する固体の水不溶性有機化合物(C)の該有機溶剤に対する溶解度を基準とした場合、水不溶性の原料有機化合物(A)の該有機溶剤に対する溶解度は5倍以上あると好ましく、10倍以上あるとより好ましい。
【0019】
該有機溶剤の使用量は、使用する水の量、及び該溶剤の種類にもよって異なるので一概には決められないが、通常水100部(質量:以下特に断らない限り同じ)に対して1〜50部程度あり、好ましくは、2〜30部、より好ましくは5〜20部程度である。
該有機溶剤の添加方法は限定されないが、該有機溶剤に原料(A)を溶解して反応液に加えても良いし、逆に原料(A)に該有機溶剤を溶解して均一の状態で反応液に加えても良い。また原料(A)と混合せずに直接予め反応液中に添加しておいても良い。
【0020】
該有機溶剤の代表的なものを例示すればペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、トルエン等の芳香族炭化水素類、クロロホルム等のクロル化合物、ジエチルエーテル等のエーテル類、メチルイソブチルケトン(MIBK)等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類が使用できる。
また、該有機溶剤は生成過酸化物から分離されなければならないが反応液から直接蒸留で回収するか、有機過酸化物を濾過による分離後、有機過酸化物の湿体及び濾液から適切な方法で回収される。
該有機溶剤は沸点が60℃〜150℃が好ましく、より好ましくは60℃から100℃である。本発明において使用可能ではあるが、沸点が低いと、引火等の危険性が増し、沸点が高いと回収の際により多くのエネルギーを要するので、特別な場合を除いては上記の沸点のものを使用するのが好ましい。
【0021】
上記反応に際して、従来公知の方法で使用する分散剤、相間移動触媒等及びその他の反応助剤等も併用もできる。溶剤及び水に溶解しない、例えばシリコーンオイル等の液体が反応系に存在しても問題はない。
次に本発明をさらに具体的に説明するために実施例、比較例をあげるが、本発明は実施例に限定されるものではない。またこの方法は有機過酸化物だけでなく同様な性質を有する固体の生成物を製造する際には使用できる。
【0022】
【実施例】
以下の実施例で使用する水不溶性原料有機化合物(A)及び生成する固体の水不溶性有機化合物(B)の、水と相分離する有機溶剤に対する溶解度を下記に示す。なお、溶解度の表及び実施例における略称は下記の通りである。
水不溶性原料有機化合物(A)
ヘキサヒドロテレフタロイルクロライド(HHTC)
ベンゾイルクロライド(BC)
p−トルイルクロライド(PTC)
生成する固体の水不溶性有機化合物(C)
ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート(HTP)
ベンゾイルパーオキサイド(BPO)
p−メチルベンゾイルパーオキサイド(PMBPO)
【0023】
【0024】
実施例1 HTPの合成例
(a)反応装置
反応器:2Lガラストルビーカー、上部開放
攪拌機:ラボディスパー35φ、4500rpm
(b)HTPの合成
反応器に水339.1g、食塩113g、70%t−ブチルハイドロパーオキサイド(TBHP−70)101.6gを仕込む。反応器を外部冷却しながら、25%水酸化ナトリウム(NaOH−25)を130.1gと、HHTCとn−ヘプタンの1:0.30混合物を87.0g撹拌下20±2℃、60分で同時滴下する。滴下終了後、20±2℃で15分の後反応を行う。反応混合物を桐山式ロートで減圧濾過後、ロート上で水によりリンスし粗製品中の反応廃液を洗い流す。ロート上に残った粗製品を反応器に移し、水500gを加えて、室温で10分間撹拌後、内容物をラボ遠心分離機で4000rpm 5分間脱水し、157.4gの最終製品を得た。分析値は純度=62.5%、酸分=0.06%、Cl分=0.033%であった。収率は投入HHTCモルを基準として、99.2%であった。
【0025】
比較例1 HTPの従来法での合成例
(a)反応装置:実施例1と同じ
(b)HTPの従来法での合成
実施例1でn−ヘプタンの代わりにジオキサンを使用し、HHTCとジオキサンの1:0.365混合物を90.4gを滴下して実施例1と同じように合成した。141.7gの最終製品を得た。
分析値は純度=63.0%、酸分=0.08%、Cl分=0.056%であった。収率は投入HHTCモルを基準として、90.0%であった。
【0026】
実施例2 BPOの合成例
(a)反応装置
反応容器:1Lガラスビーカー
攪拌機 :70φ、ピッチドブレード4枚、バッフルなし
(b)BPOの合成例
反応容器に水278g,NaOH−25 134gを仕込み、更にn−ヘキサン20gをしこむ。そこへ撹拌しながら60%過酸化水素水(H2O2−60)を74.5g仕込んでNa2O2を合成する。界面活性剤ネオペレックス−05を0.2g仕込む。撹拌しながらBC98.5gを16〜18℃、30分で滴下する。滴下後、16〜18℃で、更に反応を30分間行う。反応混合物をヌッチェで吸引濾過する。ヌッチェ上の粗製品を反応容器に移し、水500gを加えて、14〜16℃で15分撹拌後(水洗)内容物をヌッチェで吸引濾過する。濾過母液のpHが4〜7になった時点で製品とする。
収量が95.1g、収率が投入BCモルを基準として97.0%、純度=85.9%、酸分=0.10%、Cl分=0.03%であった。
【0027】
比較例2
上記の実施例2でH2O2−60の仕込みの前のn−ヘキサンを仕込まないで同様に合成した。
収量が108.5g、収率が投入BCモルを基準として94.1%、純度=73.5%、酸分=0.15%、Cl分=0.10%であった。
【0028】
実施例3 PMBPOの合成例
(a)反応装置
反応器:2Lガラストルビーカー、上部開放、
攪拌機:ラボディスパー35φ、4400rpm
(b)PMBPOの合成
反応器に水372.4gを仕込んだ後、撹拌しながら炭酸ナトリウムを10.6gと界面活性剤ネオペレックス−05を0.4g、MIBKを10.0gを加える。H2O2−60を34.0g加える。撹拌速度を4400rpmに上げ、PTCを155.7gとNaOH−25の152.0gを滴下ロートより20±2℃、60分で同時に仕込んで反応させる。その後20±2℃、30分間後反応を行う。後反応後シリコーンオイル(12500cps)を33.3g仕込んで5分間撹拌する。反応混合物をヌッチェで吸引濾過する。ヌッチェ上の粗製品を水500gで2回リンスする。ヌッチェ上に残った粉体をもう一度反応容器に移し、水500gを加えて、10分間水洗する。内容物をヌッチェで吸引濾過し、最終製品とする。収量が235.9g、収率が投入PTCモルを基準として96.8%、純度=55.4%、酸分=0.00%、Cl分=0.01%であった。
【0029】
比較例3 PMBPOの従来法での合成
上記の実施例3でMIBKを仕込まないで同様に合成した。
収量が290.5g、収率が投入PTCモルを基準として89.0%、純度=41.4%、酸分=0.18%、Cl分=0.10%であった。
【0030】
【発明の効果】
収率があがることにより環境に出ていく未反応物が減り、環境汚染を減らすことができる。またクロル分を減らせることから機器の腐食を減らせる。
Claims (5)
- メチル又はエチルから選ばれる低級アルキル基またはハロゲン原子で置換されていてもよいベンゾイルクロライド、又はヘキサヒドロテレフタロイルクロライド(以下水不溶性の原料有機化合物(A)という)と、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−アミルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイドおよび1,1,2−トリメチルプロピルハイドロパーオキサイドからなる群から選ばれるハイドロパーオキサイド又は過酸化水素、又はそれらの水溶性塩(以下水溶性原料化合物(B)という)とを、沸点が60℃〜150℃の、脂肪族炭化水素又はケトンから選ばれる有機溶剤であって、上記水不溶性の原料有機化合物(A)と上記水溶性原料化合物(B)との反応で生成する固体の水不溶性有機過酸化物(C)の該有機溶剤に対する溶解度が原料有機化合物(A)の溶解度よりも小さく、且つ、該水不溶性有機過酸化物(C)の該有機溶剤に対する溶解度が20℃において5%以下である、水と相分離する有機溶剤の存在下に、水溶媒中で反応させ、生成した固体の水不溶性有機過酸化物(C)を分離することを特徴とする固体の水不溶性有機過酸化物(C)の製造方法。
- 上記水不溶性の原料有機化合物(A)及び上記有機溶剤を、上記ハイドロパーオキサイド水溶性塩若しくは過酸化水素の水溶性塩を含む水溶媒中に添加することを特徴とする請求項第1項に記載の固体の水不溶性有機過酸化物(C)の製造方法。
- 上記ハイドロパーオキサイド水溶性塩若しくは過酸化水素の水溶性塩及び上記有機溶剤を含む水溶媒中に、上記水不溶性の原料有機化合物(A)を添加することを特徴とする請求項第1項に記載の固体の水不溶性有機過酸化物(C)の製造方法。
- 生成する固体の水不溶性有機過酸化物(C)の上記有機溶剤に対する溶解度が20℃において5質量%以下であり、水不溶性の原料有機化合物(A)の該有機溶剤に対する溶解度が20℃において10質量%以上である請求項第1項〜第3項のいずれか1項に記載の固体の水不溶性有機過酸化物(C)の製造方法。
- 上記有機溶剤がヘプタン、ヘキサン、オクタン又はシクロヘキサンから選ばれる脂肪族炭化水素、又はメチルイソブチルケトンである請求項第1項〜第4項のいずれか1項に記載の固体の水不溶性有機過酸化物(C)の製造方法。
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