JPS5845422B2 - ジ過イソフタル酸t−ブチルエステルの水含浸物の製造方法 - Google Patents

ジ過イソフタル酸t−ブチルエステルの水含浸物の製造方法

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JPS5845422B2
JPS5845422B2 JP9340177A JP9340177A JPS5845422B2 JP S5845422 B2 JPS5845422 B2 JP S5845422B2 JP 9340177 A JP9340177 A JP 9340177A JP 9340177 A JP9340177 A JP 9340177A JP S5845422 B2 JPS5845422 B2 JP S5845422B2
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JP
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water
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acid chloride
butyl ester
isophthalic acid
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JP9340177A
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猛 駒井
勝 松島
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Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ジ過イソフタル酸t−ブチルエステルの水含
浸物の製造方法に関するものである。
ジ過イソフタル酸t−ブチルエステルは、過安息香酸t
−ブチルエステルとほぼ同程度の分解特性を持ち、ビニ
ル型単量体の重合開始剤として有用である。
この化合物は1分子中に2個の過酸化物結合を持つため
、スチレンの重合開始剤とじて用いたとき、重合速度を
遅くすることなく、ポリスチレンの分子量を高めること
ができるので過安息香酸t−ブチルエステルよりも優れ
ている。
また、この化合物は室温で固体(融点52〜54℃)で
あるため、不飽和ポリエステル樹脂、特に乾式プレミッ
クス樹脂の硬化剤として有用である。
ところが、この過酸化物は、活性酸素量が高く危険性が
大きいため、有機溶媒に溶解希釈するか、水を含浸させ
て、安定化する必要がある。
このうち、有機溶媒希釈品は、重合開始剤として用いた
とき、有機溶媒が樹脂中に未変化のまま残るために、樹
脂物性上および安全衛生上好ましくない。
そのため水を含浸したジ過イソフタル酸t−ブチルエス
テルの効果的な製造法が望まれていた。
イソフタル酸クロライドとt−ブチルヒドロペルオキシ
ドのアルカリ塩水溶液との反応によって、水を含浸した
ジ過インフタル酸t−ブチルエステルを製造する方法と
しては、 (1) t−ブチルヒドロペルオキシドのアルカリ塩
水溶液に、イソフタル酸クロライド(融点43〜44℃
の固体)を固体のまま、あるいは溶融させて加え反応さ
せる方法。
(2) t−ブチルヒドロペルオキシドのアルカリ塩
水溶液に、油溶性有機溶媒に溶解したイソフタル酸クロ
ライドを加え反応させた後、溶媒留去あるいは冷却結晶
して、最後に水を含浸させる方法。
があるが、(1)のイソフタル酸クロライドを室温で固
体のまま加えることは、作業上好ましくないばかりか、
t−ブチルヒドロペルオキシドのアルカリ塩との接触が
悪く、副反応である加水分解反応が起り、反応は良好に
進まない。
また、溶融させたイソフタル酸クロライドの添加は、反
応温度が30℃付近以下であるため、この方法でもイソ
フタル酸クロライドが反応系内で固化するため好ましく
ない。
一方(2)の方法は、反応は良好に進むが、得られるジ
過イソフタル酸t−ブチルエステルは、溶媒との溶液と
して得られるため、溶媒留去あるいは晶析などの分離操
作が必要で、工程が煩雑となり、好ましくない。
本発明の目的は、前記のような欠点を持たないジ過イソ
フタル酸t−ブチルエステルの水含浸組成物の工業的製
造方法を提供することにある。
本発明の目的は、イソフタル酸クロライドを溶解し、か
つ任意の割合で水に溶解し、しかも前記のイソフタル酸
クロライドおよびt−ブチルヒドロペルオキシドのアル
カリ塩水溶液のいスレとも化学反応を起さない水溶性有
機溶媒を使用することによって達成された。
すなわち、本発明の製造方法は前記の水溶性有機溶媒に
溶解したイソフタル酸クロライドの溶液をt−ブチルヒ
ドロペルオキシドのアルカリ塩水溶液に添加して反応さ
せ、得られた反応混合物をそのままの温度または必要に
応じて冷却および/または反応混合物への冷水江別によ
り、温度を下げた後、反応生成物であるジ過イソフタル
酸tブチルエステルの結晶を水よりF別することによっ
てジ過イソフタル酸t−ブチルエステルの水含浸物を得
る方法である。
ここで本発明の製造方法で用いられる前記の水溶性有機
溶媒としては、たとえば次のような化合物を使用するこ
とができる。
すなわち、環状エーテル類として、1・3−ジオキサン
、1・4−ジオキサン、テトラヒドロフランなど、ケト
ン類として、アセトン、モノクロルアセトン、メチルエ
チルケトンなどがある。
これに反し、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミドなどのアルキルアミド類、メタノール、エチレンク
リコールナトのアルコール類ハ、水溶性であるが、イン
フタル酸クロライドと反応してしまうために本発明にお
ける水溶性有機溶媒として使用できない。
これらの水溶性有機溶媒の使用量は、イソフタル酸クロ
ライドに対する溶解性により決定される。
イソフタル酸クロライドに対する水溶性有機溶媒の使用
量が少ない場合には、イソフタル酸クロライドは室温で
十分溶解しないため好ましくない。
また、多過ぎる場合には、反応自体に何らマイナス効果
はないが、反応系の容積が大きくなり、水溶性有機溶媒
のコストが高くなるなどのために好ましくない。
具体的な使用量は、水溶性有機溶媒の種類によって多少
変化するが、およそ、イソフタル酸クロライド100重
量部に対して15〜100重量部、好ましくは20〜5
0重量部である。
反応温度、反応時間、アルカリの種類およびそれらの使
用範囲については、従来の方法における条件をそのまま
適用することができる。
すなわち、滴下および反応温度は10〜50’C1反応
時間は1〜5時間の範囲である。
代表的なアルカリとしては、水酸化ナトリウムまたは水
酸化カリウムがある。
また、反応混合物から反応生成物であるジ過イノフタル
酸t−ブチルエステルの結晶をr別する場合は望ましく
は15℃以下の温度で行なった方がよいので、反応温度
が15℃以下の場合は、反応混合物から前記の結晶をそ
のままr別すればよい。
しかし、反応温度が15℃以上の場合は反応混合物を1
5℃以下に冷却するか、反応混合物に15℃以下の冷水
を加えるか、または15℃以下の水を加えながら、冷却
を行なって前記の結晶を十分析出させた後、その結晶を
P刑する。
このように前記の冷却および/または冷水を加えるとい
う操作は反応温度との関係において必要に応じて行なわ
れる。
次に本発明をさらに具体的に説明するために実施例およ
び比較例をあげるが、本発明はこの実施例に限定される
ものではない。
実施例 1〜3 10%水酸化ナトリウム水溶液96?(0,24モル)
に、かきまぜながら純度81.6%のt−ブチルヒドロ
ペルオキシド25.1’(0,23モル)を20℃の温
度で少量ずつ加え、同温度で20分間反応させた後、不
純物のジ−t−ブチルペルオキシドを分離してt−ブチ
ルヒドロペルオキシドのナトリウム塩水溶液を得た。
ついでこのt−ブチルヒドロペルオキシドのナトリウム
塩水溶液中に、かきまぜながら、第1表に示す水溶性有
機溶媒62にイソフタル酸クロライド20.3P(0,
10モル)を溶解した溶液を、15〜20℃の温度で1
0分間にわたって少量ずつ滴下した。
ついで徐々に昇温しで反応温度30〜35℃で1時間反
応させた。
その後、反応液を15℃以下に冷却するとともに、冷水
(15℃以下)35献を加え、生成物を十分析出させ、
これをr別し、最後に水で2回洗浄した。
なお、前記の反応において、イソフタル酸クロライドを
水溶性有機溶媒の溶液として取扱ったことにより、イソ
フタル酸クロライドの吸湿による塩化水素ガスの発生と
いう現象がなく、しかも前記のイソフタル酸クロライド
溶液の滴下速度も自**由に調整することができ、反応
温度の調節が容易であった。
従って安全衛生上および作業上の欠点は何ら認められな
かった。
かくして、水を含浸した粉末状のジ過イソフタル酸t−
ブチルエステルを得た。
収量および分析結果を第1表に示す。
比較例 実施例1〜3に述べたと同様の方法で得たtブチルヒド
ロペルオキシドのナトリウム塩水溶液中にかきまぜなが
ら、イソフタル酸クロライド20.3f(0,10モル
)を固体のまま15〜20℃の温度で10分間にわたっ
て少量ずつ加えた。
ついで徐々に昇温しで反応温度30〜35℃で1時間反
応させた。
以下実施例1〜3に述べたと同様の方法で操作して、水
を含浸した粉末状のジ過イソフタル酸t−ブチルエステ
ル31.5?を得た。
分析の結果、活性酸素量8.46%、純度81.1%、
水分量17.55%、収率83.3%、ヒドロペルオキ
シド含有量0.15%、カルボン酸含有量0.20%で
あった。
なお、前記の反応においてイソフタル酸クロライドを固
体のまま取扱ったため、イソフタル酸クロライドの吸湿
による塩化水素ガスの発生が認められ、しかも、前記の
イソフタル酸クロライドの添加速度の調節による反応温
度の調節も実施例1〜3の場合に較べて非常に困難であ
った。
従って、比較例の方法では安全衛生上および作業上の欠
点があることが明らかに認められた。
以上の実施例と比較例とを比較すると、水溶性有機溶媒
を使用しない比較例においては、イソフタル酸クロライ
ドとヒドロペルオキシドのナトリウム塩との接触が悪い
ために副反応である加水分解反応が起り、反応は良好に
すすまず、そのためヒドロペルオキシドおよびカルボン
酸などの不純物の含有量が高く、かつ、収率が著しく低
下している。
これに対し、実施例1〜3においては前記のような不純
物も少なく、高純度のジ過イソフタル酸t−ブチルエス
テルが高収率で得られた。
以上詳細に説明したように、本発明の製造方法によれば
、イソフタル酸クロライドとt−ブチルヒドロペルオキ
シドのアルカリ塩水溶液とを反応させるに際し、前記の
イソフタル酸クロライドを水溶性有機溶媒に溶解させて
反応させることによって、反応物の接触が良好となるた
め、副反応である加水分解反応がおさえられ、反応は良
好に進み、目的物であるジ過イソフタル酸t−ブチルエ
ステルの水含浸物が高品質、かつ、高収率で得られる。
さらに、使用される溶媒が水溶性であるために油溶性有
機溶媒を使用する場合のような溶媒留去あるいは高度な
晶析などの特別な分離操作は必要なく、反応終了後その
まま、または単に冷水(15℃以下)を加えて沢過する
などの方法によつて容易にジ過イソフタル酸t−ブチル
エステルの水含浸物が得られる。
従って、本発明の製造方法は工程も簡単であり、その工
業的価値は極めて高い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 任意の割合で水に溶解し、かつt−ブチルヒドロキ
    シペルオキシドのアルカリ塩水溶液およびイソフタル酸
    クロライドのいずれとも化学反応を起さない水溶性有機
    溶媒に溶解したインフタル酸クロライドの溶液をt−ブ
    チルヒドロペルオキシドのアルカリ塩水溶液に添加して
    反応させ、得られた反応混合物をそのままの温度で、ま
    たは必要に応じて冷却および/または冷水性用を行なっ
    て温度を下げ、反応生成物であるジ過イソフタル酸を一
    ブチルエステルの結晶を水よりF別することを特徴とす
    るジ過イソフタル酸t−ブチルエステルの水含浸物の製
    造方法。
JP9340177A 1977-08-05 1977-08-05 ジ過イソフタル酸t−ブチルエステルの水含浸物の製造方法 Expired JPS5845422B2 (ja)

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JPS5927868A (ja) * 1982-08-10 1984-02-14 Nippon Oil & Fats Co Ltd コハク酸ペルオキシド組成物
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