JP4548877B2 - 不織布製電子レンジ用成形トレー - Google Patents

不織布製電子レンジ用成形トレー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は不織布製食品用成形トレーに関し、さらに詳しくはハンバーガーや空揚げなどの調理済み食品を収納するのに好適であり、特に食品から出る余分な水分や油によって食品の風味が損なわれのを防ぐのに好適で、外観に優れた不織布製食品用成形トレーに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンビニエンスストア、駅売店、食料品量販店等において販売されるハンバーガー、唐揚げ、天ぷらなどは、紙やプラスチック素材で形成された容器やシートに入れられている。これらの食品は、調理後まだ暖かいうちに容器に入れられたり、食べる前に容器やシートごと電子レンジ等で再加熱が行われる。しかし、このときに食品から余分な水分や油分が発生したり、また発生した蒸気が結露して容器やシートの内部にとどまり結露水となり、この余分な水分や油分が食品などの表面に付着して食品の表面がべちゃべちゃになってしまい、食品の見栄えが悪くなったり、味覚が損なわれるという問題があった。
【0003】
例えば、これまで、紙や樹脂で作られたトレー製品に食品を載せて調理加熱が行われていた(実開昭62−185275号公報、特開昭54−101450号公報、特公平3−31834号公報、特開平6−329142号公報、特開平8−244857号公報等)。しかし、樹脂で作られたトレーや吸液性の悪い素材でつくられたトレーを用いた場合には、余分な油や水、特に調理済み食品から出る水蒸気の結露水がトレーの下部に溜まってしまうという欠点があった。また紙や樹脂フィルム製などのトレーでは、電子レンジ加熱のみでなく、ヒーターによる直接加熱まで想定していたため、電子レンジで誘電加熱して調理する際の多量の結露水を想定しておらず、電子レンジ加熱後の食品に対する濡れ戻りが多かった。
【0004】
一方、紙製のトレーでは、食品から出る余分な水分が紙に吸収され、ふやけてしまうため、トレー形状を保てないなどの問題があった。この問題を改善するため、紙製トレーの表面に無機顔料を含む樹脂をコーティングしたり、シリコン加工等を施すことにより、耐水性、耐熱性、食品との剥離性、保形性などの向上が図られていた。しかし、これらの処理によって紙製トレーの吸液性や通気性が阻害され、トレー表面に結露が生じ易くなるなどの問題が生じていた。また紙製品では紙粉等が出たり、上記処理の後加工剤による汚染の可能性が高まり、食品容器としては必ずしも衛生的に満足できるものではなかった。またアルミなどの金属で作られたトレーでは、電子レンジでの再加熱はできなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記従来技術の欠点を改善し、ハンバーガーや唐揚げなどの食品から出る余分な水分や油分を吸収し、かつ水分等の濡れ戻りの少ない、調理済み食品をおいしく保存でき、再加熱することができる不織布製食品用成形トレーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願で特許請求される発明は以下のとおりである。
(1)繊維径が0.5〜20デニールの、繊維表面がポリオレフイン系樹脂からなる繊維で構成される不織布からなる、食品を載置する成形トレーであって、前記不織布の目付が30〜150g/mで、嵩密度が0.05〜0.15g/cm であることを特徴とする不織布製電子レンジ用成形トレー。
(2)前記ポリオレフイン系繊維がポリプロピレン繊維であることを特徴とする(1)記載の不織布製電子レンジ用成形トレー。
(3)繊維径が1.0〜20デニールであることを特徴とする(1)または(2)に不織布製電子レンジ用成形トレー。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明における成形トレーは、熱可塑性樹脂製の不織布からなる。成形トレーに用いる不織布が熱可塑性樹脂で構成されるため、成形性や保形性に優れ、また生産性もよいことから安価に製造することができる。また不織布の繊維間に適度な空隙を有し、余分な油分や水分を保持でき、また適度な通液性や通気性を有するため、食品の保存性に優れる。本発明に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン等のモノオレフィン重合体およびこれらの共重合体を主成分とするポリオレフィン樹脂挙げられる。
【0008】
本発明に用いられる不織布は、上記した熱可塑性樹脂を単独で用いて製造してもよく、または2種以上の繊維を混合した複合不織布でよく、さらに1本の繊維が2種以上の合成樹脂で形成された不織布であってもよい。例えば、ポリエチレン繊維またはポリプロピレン繊維とポリエステル繊維とを混合した複合不織布や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂からなる鞘芯型繊維またはサイドバイサイド繊維などからなる単一繊維内部で複合された不織布が挙げられる。
【0009】
本発明において、不織布を構成する繊維としては、上記熱可塑性樹脂からなる繊維のうち、プロピレン、エチレン、ブテン等のモノオレフィン重合体またはこれらの共重合体を主成分とするポリオレフィン系繊維が好ましい。鞘芯型複合繊維の場合、食品と接する表面の素材、すなわち、鞘の素材がポリオレフィン樹脂であればよく、芯の素材には特に限定されない。例えば、鞘/芯が、ポリプロピレン/ポリエステル、ポリエチレン/ポリエステル、ポリエチレン/ポリプロピレン等からなる鞘芯型複合繊維が用いられる。ポリオレフィン樹脂の製法や使用する触媒等には特に制限されない。製法としてはスラリー法、モノマーバルク法、ガス法、ソリューション法等のいずれでもよく、触媒もTiCl3 系、TiCI4 /MgCl2 系、メタロセン系等のいずれでもよい。
【0010】
不織布を構成する繊維として親水性の低いポリオレフィン系繊維を使用することにより、載置される食品が成形トレーにくっつかずに剥離性が向上し、食品の取り出しが容易になる。一般にトレーに載置される食品は、パン、ハンバーガー、ご飯等のでんぷん質やセルロース質であり、親水性の高い成分であるため、従来の紙製トレーなどには食品との剥離性を向上させるためにパラフィンやシリコン系の撥水処理がなされていたが、これらの撥水加工剤が食品に移行し、人体に入る恐れがあった。不織布繊維として上記親水性の低いポリオレフィン系繊維を使用すれば撥水加工剤を使用することなしに食品との剥離性を向上させることが可能となる。また電子レンジでの再加熱を考慮した場合、他のポリマーと比較して、ポリオレフィン樹脂は、誘電率が低く、誘電損失が少ない性質を有しているため、電子レンジ加熱のエネルギーが有効に食品に伝わり、効率よく温めることが可能になる。
【0011】
本発明の成形トレーに用いられる不織布の目付は15〜300g/m2 、好ましくは30〜150g/m2 である。目付が15g/m2 未満ではトレーの厚みが薄くなり、水分や油分の保持能力が低く、水分等の戻りが多くなり、食品の下部にベタつきが生じ、また成形トレーの剛性が不足し、保形性が低下する。一方、目付が300g/m2 を超えると厚みが厚くなり、加工性が低下する。
【0012】
また本発明の成形トレーに用いられる不織布の嵩密度は0.01〜0.2g/cm3 、好ましくは0.05〜0.15g/cm3 である。嵩密度が0.2g/cm3 を超えると、不織布の繊維間のバルキー性がなくなり、食品からの水分や油分を保持し難くなる。一方、0.01g/cm3 未満では実質上、不織布の製造が困難であり、また強度不足となり糸くずが出やすく、加工性、取り扱い性が低下する。
本発明において、成形トレー自体の嵩密度も0.01〜0.2g/cm3 であることが好ましい。食品に接する成形トレーに必要な機能は、食品から発生した余分な水分や油分を不織布の内部に吸収して保持し、吸収した水分と食品とを隔離し、さらに食品に対する結露水の濡れ戻りを最小限に抑えることである。この意味で、成形後のトレーを構成する不織布自体がバルキーな構造を維持し、該不織布の内部に余分な水分や油分を保持させる空隙を多く有するようにするのが好ましい。
【0013】
さらに本発明に用いられる不織布を構成する繊維単糸の平均繊度は、0.5〜50デニールであることが好ましく、より好ましくは1.0〜20デニールである。繊度が0.5デニール未満では、不織布が緻密化されるため食品から発生した余分な水分等を保持する能力が低くなり、また水分の濡れ戻りが多くなる場合がある。また食品と成形トレーとの接触面積が大きくなり、食品が成形トレーにくっつきやすくなる。さらに不織布の強度が不足し、成形性が低下し、成形トレーの剛性が不足し、摩擦等でトレーが破れたり、繊維が切れて脱落し易くなり、食品の汚染元となる場合がある。一方、繊度が50デニールより大きい不織布は実質上製造困難である。
【0014】
上記不織布の製造方法としては、上記不織布の目付および嵩密度を満たすかぎりは特に制限されず、例えば、抄造法、カード法等の短繊維不織布の製造法やスパンボンド法等の長繊維不織布の製造法など、一般的な方法を採用することができる。なお、メルトブロー法で得られた不織布の場合は、繊維1本1本の強度が低く、樹脂の結晶性が低いため、こすれ等の外部の力に対して弱くなる場合がある。不織布繊維の接合方法としては、部分熱圧着接合(エンボス加工)、接着剤による接合、超音波ウェルダー接合、部分熱風接合、ニードルパンチ接合等の方法を用いることができる。食品用途的には、摩耗強度、ゴミやリントが発生しにくく、また余分なつなぎの樹脂や糊がない点から、部分熱圧着する方法が最も好ましい。
【0015】
不織布を形成する繊維は長繊維であっても短繊維であってもよいが、短繊維の脱落による食品への異物の混入、トレーの強度や摩耗耐久性の点から、長繊維を使用するのが好ましい。また繊維は、丸形断面のみならず、扁平やC型等の異形糸であってもよく、またクリンプ等がかかった繊維であってもよい。トレーの内部に吸収した水分等と食品とを物理的に隔離する点を考慮すれば、異形糸やクリンプ糸を用いることは好ましい態様である。
以上を総合すると、本発明の成形トレーに用いる不織布としては、耐摩耗性がよく、糸くずなどが食品への混入の少ない長繊維タイプのスパンボンド不織布がより好ましい態様であり、またSMS等の積層不織布や複合不織布を使用することもできる。
【0016】
本発明における成形トレーは、上記不織布を通常の方法により成形して得ることができる。成形トレーを載置する食品の形に合うように成形することにより、食品の保存性、再加工性、衛生性が向上する。特に食品を搬送する際にトレー上に食品を載置して行うことにより、より安定した商品とすることができ、またオートメーション的な搬送によって食品を包装する際の手間が省け、かつ衛生的な包装が可能となる。またトレーの形状を工夫することによって、より意匠性や外観性を向上させることができる。
図1は、本発明の一実施例を示す成形トレーの斜視図であり、(A) には側部がプリーツ状の丸形成形トレー、(B) には側部がプリーツ状の楕円形成形トレー、(C) にはフランジ部を有する角形成形トレーを示した。
【0017】
不織布をトレーに成形する際には公知の方法が採用できる。例えば、トレーを切断したり、打ち抜いたりして予め所望の大きさにした後、トレーの形に型押して得ることができる。打ち抜きや切断は、トレーに成形すると同時に実施してもよい。また成形型には、金属型、樹脂型、木型等が用いられるが、型の自由度や型づけの時の加熱や加圧性の自由度を考慮した場合、金属型がより好ましい。加熱温度、加熱時間、型から離すまでの保持時間は、用いる樹脂の溶融温度、結晶化温度、型の形状等で適宜選べばよい。例えば、溶融温度が260℃のポリエチレンテレフタレートでは、金型温度は250〜150℃の範囲で数秒保持するのが好ましい。また溶融温度が160℃のポリプロピレンでは、金型温度は150〜100℃の範囲で数秒保持するのが好ましい。
【0018】
本発明における不織布製食品用成形トレーは、水分や油分を吸液してトレー内に保持し、かつ食品に対する水分や油分の濡れ戻りを低減させ、吸収した水分と食品とを効果的に隔離することができるため、調理済み食品の搬送や保存等に好適に使用することができる。例えば、調理済み食品の載置用トレーとして利用できるほか、コンビニエンスストア、駅の売店または量販店の食品売場などで売られているお弁当や惣菜の容器に、ハンバーガーやサンドイッチ等の食品容器に、肉まん、餃子、しゅうまい等の蒸し物の容器に利用することができる。また上記食品などを搬送するための容器としても利用できる。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお、例中の不織布の目付および嵩密度は、JIS−1906に準じて目付を測定し、さらに厚み(測定条件、ピーコック厚み型、加圧子 直径30mm、荷重0.49KPa(5gf/ cm2 ))を測定し、下記式により嵩密度を求めた。
嵩密度(g/ cm3 )=目付/厚み
実施例1
ポリプロピレンを紡口から溶融紡糸し、エアーサッカーで牽引して2.5デニールの連続長繊維を得た。該繊維を開繊分散し、ウェブコンベア上に堆積してウェブを製造し、該ウェブを圧着面積率8%でエンボス模様間隔4.5mmのエンボスロールとフラットロールの間で熱圧着し、目付50g/ m2 の長繊維不織布を得た。得られた不織布の嵩密度は0.144g/cm3 であった。
この不織布を図1(A) に示す形状のトレーに金型を用いて成形した。成形条件は150℃で、1.96×105 Pa(2kgf/cm2 )、実質成形時間(金型で圧力が加わっている時間、以下同じ)は2秒とした。トレーの底部は10cmの丸状で、高さ(プリーツ部の長さ)は2cmとした。
【0020】
実施例2
実施例1において、目付30g/m2で、嵩密度が0.124g/cmのポリプロピレン製の不織布を用いた以外は実施例1と同じ方法で成形トレーを成形した。
実施例
実施例1において、目付50g/m2の長繊維不織布(繊維径は1.1デニール)で、嵩密度0.120g/cmのポリプロピレン製の不織布を用いた以外は実施例1と同じ方法で成形トレーを成形した。
【0021】
実施例
ポリプロピレンをV型断面ノズルを有する紡口から溶融紡糸し、紡口直下で冷却装置により糸条を側方から冷却し、エアーサッカーで牽引し:異形度1.6のくの字型で、2.5デニールのクリンプを有する連続長繊維を得た。この繊維のクリンプ数は平均25個/インチであった。該繊維を開繊分散し:ウェブコンベア上に堆積してウェブを製造し、該ウェブを圧着面積率8%でエンボス模様間隔4.5mmのエンボスロールとフラットロールの間で熱圧着し、目付50g/m2 のクリンプ長繊維不織布を得た。得られた不織布の嵩密度は0.089g/cm3 であった。この不織布を用いて実施例1と同じ方法で成形トレーを成形した。
【0022】
実施例
ポリプロピレン(鞘)/ポリエチレンテレフタレート(芯)の鞘芯型の4mm長さの短繊維(繊維径4.5デニール)をカード法によって開繊分散し、ウェブコンベア上に堆積してウェブを製造し、該ウェブを実施例1と同じ方法で熱圧着し、目付50g/ m2 の不織布とした。得られた不織布の嵩密度は0.077g/cm3 であった。この不織布を用いて成形条件を150℃で、3.92×10 5 Pa(4kgf/cm 2 )、実質成形時間2秒とした以外は実施例1と同じ方法で成形トレーを成形した。
【0025】
比較例1
ポリプロピレン製の50μmのフィルムを用いて実施例1と同じ方法で成形トレーを成形した。
比較例2
ポリエチレンテレフタレート製の30μmのフィルムを用いて実施例1と同じ方法で成形トレーを成形した。
比較例3
吸水紙(ユニチャーム社製、商品名ニューソフロンFX、目付22g/m2 )を用いて実施例1と同じ方法で成形トレーを成形した。
【0026】
比較例4
市販のシリコン加工した紙製トレー(サランラップ販売社製、クックパー)を成形トレーとした。
比較例5
メルトブロー法で得られたポロプロピレン製の不織布を用いて実施例1と同じ方法で成形トレーを成形した。メルトブロー法による不織布は目付50g/ m2 で、嵩密度は0.320g/cm3 であった。また不織布の繊維径は平均0.11デニールであった。
比較例6
実施例1で得られたポロプロピレン製の不織布をフラットロールで再加工して嵩密度を0.250g/cm3 とし、これを実施例1と同じ方法で成形トレーを成形した。
【0027】
比較例7
実施例1において、目付130g/m 2 で、嵩密度が0.165g/cm 3 のポリプロピレン製の不織布を、フラットロールで再加工して嵩密度を0.232g/cm 3 とし、成形条件を150℃で、3.92×10 5 Pa(4kgf/cm 2 )、実質成形時間2秒とした以外は実施例1と同じ方法で成形トレーを成形した。
比較例8
実施例1と同様の方法で、目付12g/m2 で、嵩密度が0.245g/cm3 のポリプロピレン製の不織布を得た。これを実施例1と同じ方法で成形トレーを成形した。
比較例9
後述の比較例10で得られたポエチレンテレフタレート製の不織布をフラットロールで再プレス加工して嵩密度を0.244g/cm3 とし、これを比較例10と同じ方法で成形トレーを成形した。
比較例10
ポリエチレンテレフタレートを紡口から溶融紡糸し、エアーサッカーで牽引し、2.2デニールの連続長繊維を得た。該繊維を開繊分散し、ウェブコンベア上に堆積してウェブを製造し、該ウェブを圧着面積率8%でエンボス模様間隔4.5mmのエンボスロールとフラットロールの間で熱圧着し、目付50g/ m 2 の長繊維不織布を得た。得られた不織布の嵩密度は0.171g/cm 3 であった。この不織布を用いて成形条件を240℃で、3.92×10 5 Pa(4kgf/cm 2 )、実質成形時間2秒とした以外は実施例1と同じ方法で成形トレーを成形した。
比較例11
ポリエチレンテレフタレートの4mm長さの短繊維(繊維径3.0デニール)をカード法によって開繊分散し:ウェブコンベア上に堆積してウェブを製造し、該ウェブを比較例10と同じ方法で熱圧着し、目付50g/ m 2 の不織布を得た。得られた不織布の嵩密度は0.091g/cm 3 であった。この不織布を用いて比較例10と同じ方法で成形トレーを成形した。
比較例12
比較例10と同じ方法で目付100g/m 2 で、嵩密度が0.189g/cm 3 のポリエチレンテレフタレート製の不織布を得、この不織布を用いて成形条件を250℃で、4.9×10 5 Pa(5kgf/cm 2 )、実質成形時間5秒とした以外は実施例1と同じ方法で成形トレーを成形した。
【0028】
実施例1〜および比較例1〜12で得られた成形トレーについての特性 (i〜(iii) を下記の方法で評価し、それらの結果を表1に示した。
(i) 成形トレーの仕上がり性得られた成形トレーの外観を目視で観察し、下記判定基準で評価した。
◎:外観も良く、成形トレーの保形性や剛性も充分だった。
○:外観がよいが、成形トレーの保形性や剛性が少し足りなかった。
△:外観が少し悪く、成形トレーの保形性や剛性も少し足りなかった。
×:外観が悪く、商品適性に欠けていた。
【0029】
(ii) 成形トレーの吸水性、濡れ戻り性
7ccの水を含ませた濾紙をビーカーに入れ、ビーカーの口(孔面積50cm2 )に試料を置き、その上にポリスチレンのフィルム(30μm)を軽く被せ、輪ゴムで口を止める。その後600ワットの電子レンジで2分間照射する。
試料を電子レンジから恒温・恒湿の部屋に取り出し(20℃、65%rh)、5分後に試料をはずして天秤で重量を測定する。次に、この試料の上に濾紙(目付120g/m2 、大きさ15cm×15cm)を置き、その上にガラス板とおもり(1kg)を置き、10秒経過後の濾紙と試料の重量を測定し、下記A〜Cの項目について、それぞれの算出方法で算出した。なお、測定は各試料5回行い、その平均を用いた。
【0030】
A:蒸気発生吸着量
0 : 電子レンジ照射前の試料重量(mg)
1 : 電子レンジ照射後の試料重量(mg)
蒸気発生吸着量A(mg)=W1 −W0
B:濡れ戻り量および濡れ戻り率
0 :初めの濾紙の重量
1 :試料と濾紙を重ねて10秒経過の濾紙の重量
濡れ戻り量B1 (mg)=R1 −R0
濡れ戻り率B2 (%) ={(R1 −R0 )/A}×100
C:試料の保水量および保水率
0 : 電子レンジ照射前の試料重量
3 : 試料と濾紙を重ねて10秒経過の試料の重量
試料の保水量C1 (mg)=W3 −W0
試料の保水率C2 (%) ={(W3 −W0 )/A}×100
【0031】
(iii)成形トレーの吸油性
試料を5cm×5cmに切り、その重量(L1 )を測定する。20℃のサラダ油を入れた槽にこの試料を20分間浸漬する。その後、試料をサラダ油槽から取り出し、10分間つるした後、試料の重量(L2 )を測定する。吸油量および率は下記式で求めた。
吸油量(mg/m2 )=(L2 ーL1 )×400
吸油率(%)={(L2 −L1 )/L1 }×100
【0032】
【表1】
Figure 0004548877
【0033】
表1から、実施例1〜で得られた本発明における成形トレーは、仕上がり性、吸水性、濡れ戻り性および吸油性に優れることが示される。これに対し、比較例1〜3、8で得られた成形トレーは、仕上がり性、吸水性、濡れ戻り性および吸油性に劣るものであった。また比較例4、6、7、9で得られた成形トレーは仕上がり性には優れるが、吸水性、濡れ戻り性および吸油性に劣るものであった。比較例10,11,12で得られた成形トレーは仕上がり性には優れるが、濡れ戻り性および吸油性に劣るものであった。さらに比較例5で得られた成形トレーは、吸水性、濡れ戻り性および吸油性には優れるが、仕上がり性に劣るものであった。
【0034】
また実施例1〜および比較例1〜12で得られた成形トレーについての食味の判定および総合判定を下記の方法で行い、その結果を表2に示した。
(iv) 食味の判定得られた成形トレーに、市販の総菜用の唐揚げ(約30g)と、市販のロールパン(約60g)をそれぞれ載置した。次に、これら全体を、市販のポリ塩化ビニリデンのフィルムで包む物と、また別に紙箱(タテ・ヨコ角10cm、高さ5cmの目付220g/m2 の板紙)になかに入れた物を作製し、それぞれ別々に電子レンジ加熱し、食味テストを実施した。600ワットの電子レンジで30秒間照射し、5分間おいた後取り出して、食べて判定した。判定は下記に示す基準で4段階で評価をした。これらを1試料につき5人で行い、それぞれ点数を付けて平均点を取った(点数:◎5点、○4点、△2点、×0点)。
◎:水分が適度にあり、大変美味しかった。
○:食品の底部が少しぬれているが、美味しかった。
△:水分や油が食品の底部に集まりやや美味しくなかった。
×:水分や油分がパンの底部や全体にまわり、ぐしゃぐしゃになって美味しくなかった。
【0035】
(v) 総合判定
成形後の仕上がり具合と食味テストをモニターテストで総合的に判定した。判定は下記の基準で4段階で評価をし、これらを1試料につき5人で行い、それぞれ点数を付けて平均点を取った(点数:◎5点、▲4▼点、△2点、×0点)。
にまとめた。
◎:良い
◯:まずまずである
△:あまり良くない
×:悪い
【0036】
【表2】
Figure 0004548877
【0037】
【発明の効果】
本発明の不織布製食品用成形トレーによれば、コンビニエンスストアや食料品店などで売られているハンバーガーや唐揚げなどの調理済み食品を載置して保存しても、食品から出る余分な水分や油分を吸収し、かつ水分等の濡れ戻りが少なく、吸収した水分と食品を効果的に隔離できるため、食品をおいしく保存でき、またおいしく再調理することができる。またに電子レンジ等での再加熱にも好適に使用することができる。また本発明の不織布製食品用成形トレーは、成形性や意匠性に富み、外観的にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す成形トレーの斜視図であり、(A) は側部がプリーツ状の丸形成形トレー、(B) は側部がプリーツ状の楕円形成形トレー、(C) フランジ部を有する角形成形トレーである。
【符号の説明】
1…成形トレー、3…プリーツ、4…フランジ

Claims (3)

  1. 繊維径が0.5〜20デニールの、繊維表面がポリオレフイン系樹脂からなる繊維で構成される不織布からなる、食品を載置する成形トレーであって、前記不織布の目付が30〜150g/mで、嵩密度が0.05〜0.15g/cm であることを特徴とする不織布製電子レンジ用成形トレー。
  2. 前記ポリオレフイン系繊維がポリプロピレン繊維であることを特徴とする請求項1記載の不織布製電子レンジ用成形トレー。
  3. 繊維径が1.0〜20デニールであることを特徴とする請求項1または2に不織布製電子レンジ用成形トレー。
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