JP2524470Y2 - 電子レンジによる蒸し調理用の成形皿 - Google Patents

電子レンジによる蒸し調理用の成形皿

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JP2524470Y2 JP1989153204U JP15320489U JP2524470Y2 JP 2524470 Y2 JP2524470 Y2 JP 2524470Y2 JP 1989153204 U JP1989153204 U JP 1989153204U JP 15320489 U JP15320489 U JP 15320489U JP 2524470 Y2 JP2524470 Y2 JP 2524470Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電子レンジを用いて蒸し調理食品を調理す
る際に用いる成形皿に関するものである。
〔従来の技術〕 従来、シューマイ、中華饅頭、ぎょうざ等の蒸し調理
によって調理される食品を、電子レンジによって加熱、
調理することは知られている。
例えば、実開昭62-134871号として出願公開された明
細書には、本願第4図に示すように電子レンジ用の容器
本体42として、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリプロピレン、ポリカーボネート等によるプラ
スチック材料、紙とプラスチック材料との複合体、ある
いはセラミック等により構成する容器本体42内に、水43
を張り、その上方に、蒸気を通過させる多数の穴44、44
・・・を形成した台紙41(この台紙の材料には板紙、プ
ラスチックを用いる)を係止部で係止させ、該台紙41の
上に蒸し調理食品を載せ容器開口部を蓋体46で密封した
後、これを冷凍させて包装体を形成することが開示して
ある。そして、この容器入り冷凍食品を電子レンジで加
熱すると容器底部の水が沸騰して蒸気を発生し、台紙42
に載せた食品は蒸し調理されるというものである。
一方、加熱調理兼包装容器も公知であって例えば実開
昭56−34771号として出願公開された明細書では、金属
缶、ガラス瓶、合成樹脂製の耐熱性成形容器などの一部
に1ないし数個の通気孔を1群に設け、この1群の通気
孔を、通気性と細菌遮断性とを有する微多孔質の部材
(例えば不織布)で被覆し、さらに、この部材を熱ある
いは接着剤で包装容器に接着した加熱調理兼包装容器が
提唱されているが、これは通常の加熱調理用であるので
食品から発生する蒸気を放出するための通気孔を設け、
また、その通気孔からの塵埃・細菌の侵入を防止するた
め、微多孔質の部材で被覆するもので、所詮は蒸し調理
には適当でない。
〔考案が解決しようとする問題点〕
ところで、従来技術における前者の例にように、蒸気
を通過させるための多数の穿設孔を形成した台紙を利用
する蒸し調理は、 1)台紙の穿設孔以外の部分に、水蒸気が付着して蒸し
を阻害するので蒸しが十分でなくなる、 2)蒸し効率を高めるために、台紙の穿設孔の大きさを
大きくしたり、その数を多くしたりして穿設孔の占める
面積割合を大にすると、台紙自体が構造的に不安定にな
る、 3)蒸し調理に付される食品が、台紙に形成されている
穿設孔内に嵌合してしまい、食品全体を均一に蒸らし難
いだけでなく、穿設孔に嵌合した食品が取り外し難くな
る、 4)蒸気を通過させるための穿設孔を多数形成した台紙
では、孔を形成するための手間が掛かり、台紙の生産費
がコスト高になる、 という欠点を有する。
そこで、本考案は上記問題点を解消すべく、蒸気を通
過させるための特別の穿孔を形成する工程を経ること無
く得られ、また、成形皿の全体に亙って蒸気透過性が均
一であり、さらに、蒸し調理に付される食品が成形皿に
おける蒸気透過用の孔内に嵌合することがなく、食品全
体を均一に且つ効率良く蒸らし得る電子レンジによる蒸
し調理用の成形皿を提供しようとするものである。
〔問題を解決するための手段〕
本考案の電子レンジによる蒸し調理用の成形皿は、複
合短繊維によるノンバインダー不織布を成形用素材とす
る成形体からなるもので、また、界面活性剤処理して親
水性とした不織布を成形用素材とするものであってもよ
く、さらに単純な皿状でなく、多くは蒸し調理に付され
る食品の外郭形状・個数に対応する凹陥部を賦型した成
形皿とすることができる。
本考案の電子レンジによる蒸し調理用の成形皿の成形
用素材となる複合短繊維によるノンバインダー不織布と
しては、例えば、熱可塑性ポリプロピレン樹脂または熱
可塑性ポリエステル樹脂による芯部分と、該芯部分を被
覆するポリオレフィン樹脂による外周部分とからなる複
合短繊維によって形成され、その複合短繊維の多数が、
該複合短繊維同士の繊維間の交錯点で、前記複合短繊維
の外周部分をなす熱可塑性ポリオレフィン樹脂による熱
溶着能によって一体に固着されてなるノンバインダー不
織布である。
前記ポリプロピレン樹脂または熱可塑性ポリエステル
樹脂による芯部分と該芯部分を被覆する熱可塑性ポリオ
レフィン樹脂による外周部分とからなる複合短繊維によ
るノンバインダー不織布は、繊維長0.5〜5mm程度の前記
複合短繊維によるウエッブを、該複合短繊維における外
周部分をなすポリオレフィン樹脂の軟化点以上で、ま
た、芯部分をなす熱可塑性ポリプロピレン樹脂または熱
可塑性ポリエステル樹脂の融点以下の温度に加熱するこ
とによって得られるもので、通常は120〜155℃の熱処理
によって得られる50〜300g/m2程度の目付のものが好ま
しい。
そして、界面活性剤による処理を経た親水性のノンバ
インダー不織布を利用することにより、蒸気の透過機能
においてさらに優れた作用を奏する成形皿が得られる。
また、成形皿に成形するには当該不織布を加圧成形や
深絞り成形等に付すことによって得られるが、通常は、
逆凸状の上型と該上型に対応する凹状の下型とからなる
1対のプレス用金型間にて熱圧成形する。
さらに、調理食品と接する成形皿の面に、例えば、シ
リコーン処理を施すことにより、蒸し調理後の食品との
間の剥離性に優れた成形皿になる。
〔考案の作用〕
本考案の電子レンジによる蒸し調理用の成形皿を電子
レンジ用の容器本体内に装填し、この皿の上に蒸し調理
に付される食品を載置し、ラップあるいは別製の蓋を被
せ、また、蒸し調理に付される食品の含水量が少ない場
合には、さらに、皿の下方の容器本体内に水を貯留させ
た上で、電子レンジによる蒸し調理が行なわれる。
したがって、本考案の電子レンジによる蒸し調理用の
成形皿は、電子レンジ用の容器本体内に水を貯留させて
利用するものの場合には、該成形皿が装填される容器本
体の構造と組み合わさって、容器本体の底部内周面に皿
が接触するようなことのないような構造に形成されてい
ることが必要である。
そして、界面活性剤処理を経た親水性のノンバインダ
ー不織布で成形した成形皿では、蒸気の透過機能が特に
優れているので全体を均一に、しかも、効率良く蒸し調
理を行なえる。
また、蒸し調理に付される食品の外郭形状・個数と合
致する複数の独立した凹陥部を内周面に賦型した成形皿
では、複数の食品が不用意な扱いによって一方向に偏っ
たり、食品同士がくっついて団塊状となる不都合が生じ
る虞はない。
〔実施例〕
以下本考案の電子レンジによる蒸し調理用の成形皿の
具体的な構成を、図面に基づいて説明する。
断面形状が第5図に示されるような複合単繊維53によ
るウエッブ、すなわち、熱可塑性ポリプロピレン樹脂に
よる芯部分51と該芯部分51を被覆する熱可塑性ポリプロ
ピレン樹脂による外周部分52とからなる複合短繊維53に
よるウエッブを、140〜160℃で6分間、熱処理すること
により前記複合短繊維53同士が、該複合短繊維53間の交
錯点で、該複合短繊維53の外周部分52をなす熱可塑性ポ
リプロピレン樹脂による熱溶着能を利用して一体に固着
されているシート状物を得た後、該シート状物にニード
ルパンチングを施し、ノンバインダー不織布(目付:215
g/m2)を得た。
次いで、前記ノンバインダー不織布を一対のプレス用
金型によるプレス成形(加熱温度175〜180℃)に付し、
第1図に示すような16個の浅い円筒状の凹陥部7、7・
・・を有する成形皿1を得た。
しかる後、容器底部に水3を張った電子レンジ用の容
器本体2内に、前記成形皿1を容器本体2の側壁内周面
に形成されている段部8を利用して懸架させることで装
填し、さらに、該成形皿1に形成されている個々の浅い
円筒状の凹陥部7、7・・・内に蒸し調理に付される食
品5、5・・・を載置した後、加温時に水蒸気を外部へ
排出させ得る機構を有する蓋体6を被せて、密封包装体
を得た。
さらに、得られた密封包装体を冷凍させることによっ
て、電子レンジによる蒸し調理をそのままで行ない得る
凍結包装体にした。これを電子レンジ用容器内にセット
して蒸し調理を行なったところ、シューマイに対する均
一な蒸し調理が効率良く行なえた。
なお、第2図にて符号21で表示される成形皿は、電子
レンジ用の容器本体の底部内周面に皿が接触しないよう
にした構造のものである。
また、第3図にて符号31で表示される成形皿は、電子
レンジ用の容器本体の上縁鍔部に載架しうる構成のもの
を示す。
〔考案の効果〕
本考案の電子レンジによる蒸し調理用の成形皿は、複
合短繊維によるノンバインダー不織布を成形用素材とす
る成形体からなるものであって、蒸し調理の際の水蒸気
の透過性能が、蒸し調理される食品に対して全体に亙っ
て均一であり、安定した蒸し機能を有する。
また、本考案の電子レンジによる蒸し調理用の成形皿
は、水蒸気透過孔のような特別な開口部を有しないか
ら、蒸し調理の際に、開口部以外の部分に水蒸気が付着
するといった不都合はないので、開口部以外の部分に水
蒸気が付着することによって生ずる不十分な蒸らしの生
ずる虞がなく、効率の良い蒸し調理ができる。
さらに、本考案の電子レンジによる蒸し調理用の成形
皿は、蒸し調理に付す食品が、水蒸気透過孔のような穿
設孔内に嵌合するという不都合はなく、食品全体が均一
に蒸らされる。
さらにまた、界面活性剤処理を経た親水性のノンバイ
ンダー不織布で成形した成形皿では、蒸気の透過機能が
特に優れていて全体を均一に、しかも、効率良く蒸し調
理を行なえる。
また、蒸し調理に付される食品の外郭形状・個数と合
致する複数の独立した凹陥部を内周面に賦型した成形皿
では、複数の食品が不用意な扱いによって一方向に偏っ
たり、食品同士がくっついて団塊状となる不都合が生じ
る虞はない。
そして、本考案の電子レンジによる蒸し調理用の成形
皿は、不織布に起因する良好なクッション性を具備して
おり、蒸し調理される食品に対する保護性能においても
優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は、それぞれ異なる構造を有する本考案
の電子レンジによる蒸し調理用の成形皿を利用した蒸し
調理の際の状態を示す模型断面図、第4図は、従来の電
子レンジによる蒸し調理用の成形皿を利用した蒸し調理
の際の状態を示す模型断面図、第5図は、本考案の電子
レンジによる蒸し調理用の成形皿の成形用素材に利用さ
れる複合短繊維の模型断面図である。 1……電子レンジによる蒸し調理用の成形皿 2……電子レンジ用容器本体 5……蒸し調理に付される食品 6……電子レンジによる蒸し調理用の蓋体 41……台紙 44……蒸気を通過させる穴

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】複合短繊維によるノンバインダー不織布を
    成形用素材とする成形体からなることを特徴とする電子
    レンジによる蒸し調理用の成形皿。
  2. 【請求項2】界面活性剤処理して親水性とした不織布を
    成形用素材とすることを特徴とする第1項記載の電子レ
    ンジによる蒸し調理用の成形皿。
  3. 【請求項3】蒸し調理に付される食品の外郭形状・個数
    に対応する凹陥部を賦型したことを特徴とする第1項記
    載の電子レンジによる蒸し調理用の成形皿。
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JP2001114249A (ja) * 1999-10-13 2001-04-24 Asahi Kasei Corp 不織布製食品用成形トレー

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