JPH0520702Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、調理用食品収納容器に関するもので
あつて、特に電子レンジにより調理するのに使用
される容器に関するものである。

〔従来の技術〕

高周波加熱装置、いわゆる電子レンジによつて
調理用食品を調理する場合の容器として調理用食
品を収納した状態で販売することができ、この調
理用食品を収納した状態のまま電子レンジによつ
て加熱調理することのできるものがある。

この電子レンジを利用して調理用食品を調理す
ると、調理用食品そのものが電子レンジの高周波
によつて直接に加熱され、或いは内部に収納した
水分を蒸気にすることによつて蒸らしながら加熱
調理されるので、手軽な食事用に広く用いられて
いる。

このように、電子レンジを使用して収納した食
品を直接加熱調理する調理用食品収納容器は、そ
の使用条件及び使用形態からして使い捨て容器で
あることが要求されるものとなつている。

このため、容器の構造としては、より簡単でよ
り安価に製造することができるものが利用される
ことになり、例外なく合成樹脂フイルム製の簡易
容器とか、紙または合成樹脂シート製の簡易容器
となつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この食品を直接収納している調理用食品収納容
器は、食品を収納した状態のまま電子レンジ内に
置かれ、この状態で食品を加熱調理するものであ
るが、調理後においては、加熱調理された食品の
高い熱がほぼそのまま容器の外表面に伝えられて
いる状態となつていると共に、容器そのものが加
熱調理された食品の熱および容器内に発生した多
量の蒸気の作用により軟化しているために、電子
レンジ内からの容器の取出しの際に火傷を負う危
険性が高いと共に、容器が極めて取扱い難い状態
となつていると云う欠点があつた。

この欠点を解消するものとして、容器に比較的
大きな鍔片等を一体成形し、電子レンジ内からの
容器の取出しは、この鍔片部分を指先で摘むよう
に構成することが考えられているが、容器と一体
に成形される鍔片も加熱により軟化するので、取
扱いの安全性を確実に得ることは難しく、また鍔
片を大きく突出させなければならないので、搬
送、格納の取扱い時に、この鍔片が邪魔となる不
都合を生じることになる。

本考案は、上記した従来例における問題点、欠
点を解消すべく考案されたもので、熱および蒸気
の作用により軟化する容器本体の剛性の低下を補
強すると共に、加熱調理された食品の熱の影響を
受けることなく容器本体を取扱うことができるよ
うにすることをその技術的課題とするものであ
る。

〔問題点を解決するための手段および作用〕

以下、本考案を、本考案の実施例を示す図面を
参照しながら説明する。

本考案による調理用食品収納容器は、食品を収
納する容器本体１と、この容器本体１を収納保持
する脚体３とから構成される。

脚体３は、有低短筒体であつて、その低壁６の
一部に、把手片７が切離自在に切欠き形成されて
いる。

この把手片７は、低壁６から切離されて前記し
た有低短筒体の筒壁４に先端部を係止できる板片
形状である。

それゆえに、脚体３の低壁６から把手片７を切
離し、その先端部を筒壁４に係止して、把手片７
を脚体３の把手することができる。

従つて、容器本体１を脚体３内に収納保持さ
せ、電子レンジ内に設置して調理することになる
のであるが、調理が完了したならば、加熱された
食品の熱が伝わつていない脚体３の把手片７を持
つて、電子レンジ内から容器本体１を脚体３と共
に取り出すことになり、容器本体１の取出しに際
して、加熱調理された食品の熱により火傷を負う
危険を無くすことができる。

また、脚体３は、容器本体１を収納保持した状
態にあるので、容器本体１が加熱調理された食品
の熱または蒸気により軟化したとしても、この軟
化した容器本体１を安定して支持することにな
り、これによつて容器本体１の食品収納状態を安
全に維持することが出来る。

さらに、加熱調理された食品を収納している容
器本体１は、脚体３上に保持された状態のまま、
電子レンジ内から取出されて取扱われるので、脚
体３が一種の断熱材としての機能を発揮すること
になり、これによつて食卓上に直接置いたとして
も、食卓表面が食品の熱により悪影響を受けるこ
とを少なくすることができる。

そして、脚体３は、食品の収納には何んら作用
しないものとなつているので、耐内容物性等の食
品に対する悪影響を考慮する必要がなく、このた
め例えば再生樹脂材料等の極めて安価な成形材料
で成形することが可能であり、これによつて脚体
３を設けることによる全体の価格の上昇を大幅に
抑えることができることになる。

またさらに、脚体３により容器本体１の剛性が
補強されているので、容器本体１を、その機械的
強度を低下させて製造することが許されることに
なり、これにより高価な容器本体１の価格を低減
させることができる。

〔実施例〕

図示実施例における容器本体１は、所定の合成
樹脂材料によりサーモフオーミング成形され、そ
の上端開口部は蓋片２等により封じられている。

脚体３は、所定の合成樹脂材料により肉薄に射
出成形され、低壁６の周縁に筒壁４を連設した有
低四角短筒形状であつて、隅部には脚片１１が垂
下設されている。

この脚片１１は、低壁６と電子レンジの低部と
の間に間〓を形成させるためのもので、この間隙
により容器本体１が電子レンジの低部から浮き上
がつた状態となるために、電子レンジの高周波が
容器本体１の下方からも照射して、食品を有効に
加熱することができる。

また、食卓上に置いた際に、この脚片１１によ
り、容器本体１が食卓表面から浮き上がつた状態
で保持されるので、容器本体１内に収納された食
品の熱の食卓に対する影響が極めて少なくなり、
これによつて食品の熱に対して食卓を安全に保護
することができる。

脚体３の筒壁４の外周面における上端の一部に
は、略コ字形状となつた係止片５が外方に向けて
突設されており、筒壁４とによつて上下に開孔す
る係止孔５ａが形成され、この係止孔５ａに把手
片７の先端部が係止する。

板片形状の把手片７の構成としては種々考えら
れるところであるが、図示実施例では、先端部を
係止部８とすると共に、基端部を把持部９とした
もので、把持部９の中央部は斜め下方に屈曲され
て持ち易くなつている。

係止部８は、略コ字形状に下方に向けて屈曲成
形し、一対の垂直片８ａの下端を連結片８ｂで連
結した構成であり、この先端側の垂直片８ａを係
止孔５ａに下方からきつく嵌入し、同時に一対の
垂直片８ａ間に係止片５の一部が上方からきつく
嵌入して挿入固定し、把手片７を脚体３の把手と
して機能させるものである。

第５図の実施例では、さらに先端側の垂直片８
ａの内面に係止条８ｃが横設されていて、上記し
た嵌入の際にこの係止条８ｃが係止片５の上面に
係止し、係止片５からの係止部８の抜け出しを防
止している。

把手片７は、脚体３に固定して、食品を収納し
た容器本体１を保持することができるだけの組付
き強度があれば足りるので、この要求が満たされ
る限り、係止片５の位置、及び係止片５と係止部
８の構成は如何なるものであつても良い。

使用開始前において、この把手片７は低壁６の
一部に接続片１０を介して切離自在に切欠き形成
されており、使用に際してこの接続片１０を低壁
６から切離することになる。

尚、低壁６には、多数の肉抜孔１１が開孔され
ていて、軽量化と材料の節減を図つている。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかな如く、本考案による調
理用食品収納容器は、調理が完了したならば、加
熱された食品の熱が伝わつていない脚体の把手片
を持つて、電子レンジ内から容器本体を取り出す
ことができるので、極めて操作し易く、火傷等の
危険性もなく、また脚体が容器本体を外側から収
納保持しているので、例え容器本体に軟化による
剛性の低下が生じたとしても、容器本体の食品収
納機能を低下させることがなく、これにより加熱
調理された食品を安全に収納保持することがで
き、さらに把持片は、使用時に脚体から切離され
るので、使用時までに紛失する恐れがなく、確実
にその機能を発揮することができ、さらに脚体は
食品の収納とは直接関係しないで良いので安価な
再生材料等を使用して成形できるため、全体の価
格が高くなる恐れがない等、多くの優れた効果を
発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の容器の組立状態の斜視図で
ある。第２図は、脚体の組立前の斜視図である。
第３図は第２図の断面図である。第４図は、要部
の拡大断面図である。第５図は他の実施例を示す
要部の拡大断面図である。 符号の説明、１……容器本体、３……脚体、４
……筒壁、６……低壁、７……把手片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 調理用の食品を収納する容器本体１と、該容器
   本体１を収納保持する有底短筒体の底壁６の一部
   に、切離されて前記有低短筒体の筒壁４に先端部
   を係止できる板片形状の把手片７を、切離自在に
   切欠き形成した脚体３とから成る調理用食品収納
   容器。