JP2544447Y2 - 電子レンジ用多室容器 - Google Patents

電子レンジ用多室容器

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JP2544447Y2
JP2544447Y2 JP1989089733U JP8973389U JP2544447Y2 JP 2544447 Y2 JP2544447 Y2 JP 2544447Y2 JP 1989089733 U JP1989089733 U JP 1989089733U JP 8973389 U JP8973389 U JP 8973389U JP 2544447 Y2 JP2544447 Y2 JP 2544447Y2
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chamber
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microwave oven
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靖 松村
英文 岡本
武史 坂根
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ハウス食品 株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、マイクロ波による加熱され易さの異なる2
種類以上の食品を別々の室に収納し、該食品それぞれを
適度に加温し得る電子レンジ用多室容器に関する。
[従来の技術] 昨今、電子レンジで加熱するだけですぐに喫食できる
容器入り食品が市場に多数出回っている。
本考案者等は、こうした容器入り食品の1つとして、
2種類以上の食品を別々の室に収納するタイプのものを
開発しようと試みた。
[発明が解決しようとする問題点] ところが、マイクロ波による加熱され易さ(マイクロ
波による加熱を行った場合に、各部分特に中心部分付近
が充分に加熱されるまでの時間)の異なる2種類以上の
食品を別々の室に収納した場合、下記の問題点が生じ
た。
上記食品のうちマイクロ波により最も加熱され易い食
品(マイクロ波による加熱を行った場合に、各部分特に
中心部分付近が充分に加熱されるまでの時間が最も短い
食品、以下、単に加熱され易い食品という)が適度に加
熱されるように加熱時間の調整を行うと、マイクロ波に
より最も加熱されにくい食品(マイクロ波による加熱を
行った場合に、各部分特に中心部分付近が充分に加熱さ
れるまでの時間が最も長い食品、以下、単に加熱されに
くい食品という)が充分に加熱されておらず、一方、加
熱されにくい食品が適度に加熱されるように時間調整を
行うと、加熱され易い食品は熱くて食べられない、焦げ
が生じる等の問題点が生じた。上記問題点は、加熱され
にくい食品が塩分含有食品である場合に、特に顕著にな
った。
一方、電子レンジ用多室容器としては、実開昭56−49
778号、実開昭61−22706号、実開昭61−69063号、実開
昭1−69064号、実開昭62−161217号に開示があるが、
上記した問題点を解決し、加熱され易い食品と加熱され
にくい食品とをそれぞれ適度に加熱することができると
の要望を満足するものはなかったのである。
[問題点を解決するための手段] 本考案者等は上記した問題点を解決するために鋭意研
究開発を行った結果、室の底部の形状がマイクロ波によ
る各室内の食品の品温上昇に関係があること、更には、
加熱しにくい食品を収納する室の底部を、垂直断面が中
央部分から上方に向かって外拡する弧状又は折れ線状と
なるように構成し、一方加熱され易い食品を収納するた
めの室の底部は、これと異なり平面状に構成することに
より、加熱され易い食品と加熱されにくい食品とをそれ
ぞれ適度に加熱することができるとの知見を得た。
上記知見を基に完成された本願考案の第1の考案は、
マイクロ波による加熱され易さの異なる2種類以上の食
品を、各々上端が開口した複数の加熱室にそれぞれ充填
するマイクロ波透過性の電子レンジ用多室容器におい
て、該複数の加熱室には、下に凸の丸みの程度が互いに
異なる加熱室が含まれることを特徴とする電子レンジ用
多室容器である。
又、本願考案の第2の考案は、マイクロ波による加熱
され易さの異なる2種類以上の食品を異なる室に収納す
る電子レンジ用多室容器において、(a)上記食品のう
ちマイクロ波により最も加熱されにくい食品を収納する
室の底部を、その垂直断面が中央部分から上方に向って
外拡する弧状又は折れ線状になるように構成すること、
(b)上記食品のうちマイクロ波により最も加熱され易
い食品を収納するための室の底部を平面状に構成するこ
と、以上(a)及び(b)を満足することを特徴とする
電子レンジ用多室容器にある。
[作用] 垂直断面が中央部分から上方に向かって外拡する弧状
又は折れ線状となるように構成した底部を有する室は、
平面状に構成した底部を有する室と比べて電子レンジで
収納物を短時間で加熱することができる。従って、垂直
断面が中央部分から上方に向かって外拡する弧状又は折
れ線状となるように構成した底部を有する室に加熱され
にくい食品を収納し、一方、平面状に構成した底部を有
する室に加熱され易い食品を収納して電子レンジで加熱
することにより、それぞれの食品を適度に加熱すること
ができる。
以下、本考案の内容を実施例を基に詳細に説明する。
第1図は本考案の実施例の平面図であり、第2図は直
線a−a′による第1図の断面図、第3図〜第5図は本
考案の他の実施例の断面図である。
図中1は多室容器を示す。
上記多室容器1は、電子レンジによる加熱に耐え得る
程度の耐熱性を有することが必要である。その材質とし
ては、前記した耐熱性を有するものであれば、特に制限
されず、ポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂が
好適に利用される。
該多室容器1には、加熱されにくい食品を収納するた
めの室2と加熱され易い食品を収納するための室3とが
設けられている。
加熱されにくい食品を収納するための室2は、底部4
と側部5とから構成されている。上記底部4は、垂直案
面が中央部分6から上方に向って外拡する弧状となるよ
うに構成されている。これにより、電子レンジで加熱し
た場合、短時間で且つ比較的均一に昇温させることが可
能となる。
上記中央部分6は図においては接地するように構成し
てあるが、下に空隙を有するように構成しても良い。こ
の場合、安定性の点から底部4に、足を取り付けること
が好ましい。
上記側部5は、その下縁26が上記底部4の上縁7と合
致するように構成されており、一方、側部5の上縁8は
フランジ9に設けられた開口部の縁10と合致するように
構成されている。該側部5の形状は、垂直断面が第2図
に示すように、ほぼ垂直状であっても良いし、或いは底
部4に連続して弧状であっても良く、特に制限されな
い。
次に、加熱され易い食品を収納する室3について説明
する。
該加熱され易い食品を収納する室3は、底部11と側部
12とから構成される。底部11は平面状に構成されてい
る。また、底部4は全体が接地するように構成してもよ
いが、加熱され易い食品全体をより均一に加熱し得る点
で下に空隙を確保することが好ましく、図示するよう
に、該底部4の複数箇所に足13を設けることが望まし
い。
上記側部12は、その下縁14が上記底部11の縁15と合致
するように構成されており、一方、側部12の上縁16は上
記フランジ9に設けられたもう1つの開口部の縁17と合
致するように構成されている。該側部12の形状は、垂直
断面が第2図に示すように、ほぼ垂直状であっても良い
し、或いは上方に向って外拡するものであっても良く、
特に制限されない。また、側部12の下縁14と上記底部11
の縁15とが合致する部分には、多少のアールをつけても
良い。
次に、加熱されにくい食品を収納する室2と加熱され
易い食品を収納する室3との位置関係について説明する
と、上記加熱されにくい食品を収納するための室2の底
部4の最も低い部分、すなわち中央部分6が上記加熱さ
れ易い食品を収納する室3の底部11より低く位置するよ
うに構成することが、上記加熱されにくい食品を収納す
るための室2へのマイクロ波の照射を良くし本考案の効
果をより一層有効になし得る点で好ましい。
次に、各室の大きさは、特に制限されず、実施者にお
いて適宜決定すれば良い。
次に、本考案にいう加熱され易い食品と加熱されにく
い食品とは、相対的なものであり、選択される食品の組
み合わせ毎に決まるものである。その組み合わせ例を以
下に掲げる。(加熱され易い食品:加熱されにくい食
品)米飯:カレー、スパゲティー:ソース、パン:シチ
ュー等を例示し得る。上記例は、加熱され易い食品とし
て固形食品、加熱されにくい食品として液状食品を掲げ
たが、こうした組み合せだけに限定されるものではな
く、例えば、加熱され易い食品及び加熱されにくい食品
の双方とも固形食品又は液状食品としても何ら差し支え
ない。
以上が本考案の構成であるが、本考案の容器を使用す
るに際しては、各室にそれぞれ加熱しにくい食品、加熱
し易い食品を収納した後、必要により各室を耐熱性の合
成樹脂性フイルム等で密封し、次いで、加圧加熱殺菌等
の加熱殺菌処理を行うことが好ましい。もちろん例えば
マイクロ波殺菌、無菌充填プロセス、冷凍等の他の食品
加工技術を採用しても何ら差し支えない。
次に、本考案の他の実施例は、上記実施例が共通のフ
ランジに加熱されにくい食品を収納する室と加熱され易
い食品を収納するための室とが、一体的に構成されてい
るのに対して、第3図に示すように、加熱されにくい食
品を収納する室を別途独立して形成し、該加熱されにく
い食品を収納する室2を、加熱され易い食品を収納する
ための室3が一体的に形成されたフランジ9に設けられ
た開口部に嵌め込むことより構成される。更に、別の実
施例は、第4図に示すようにマイクロ波透過性の外枠31
の上面に設けられた2つの開口部に、別途それぞれ独立
して形成した加熱されにくい食品を収納する室2と加熱
され易い食品を収納するための室3とを嵌め込むことよ
り構成される。これらの実施例によれば、例えば、加熱
されにくい食品がカレーで、加熱され易い食品が米飯で
ある場合のように、加熱されにくい食品を加熱されやす
い食品にかけて喫食するものである場合には、加熱され
にくい食品を収納する室を取り外してかけることができ
便利である。また、加熱されにくい食品と加熱され易い
食品とが、最適な加熱殺菌条件が異なる場合の如く異な
る処理を必要とする場合に有用である。
更に、本考案の他の実施例は、第5図に示すように、
加熱されにくい食品を収納する室2の底部46を、その垂
直断面が中央部分から上方に向って折れ線状になるよう
に構成されている。
尚、上記本考案の容器は前記した加熱しにくい食品を
収納するための室及び加熱し易い食品を収納するための
室の他に、それらの中間程度の加熱され易さを有する食
品を収納するための室を設けても何ら差し支えない。そ
の場合、該室の底部の形状は、基本的には加熱されにく
い室の形状と同様に、その垂直断面が中央部分から上方
に向って弧状又は折れ線状になるように構成されている
が、上記加熱されにくい室よりも底部の接線の角度変化
が小さくなるように構成されることが好ましい。
〈比較実験〉 (使用例) 第1図に示す容器と基本的に同形状の容器(詳細は下
記に示す)の加熱され易い食品を収納する室に米飯230
g、加熱されにくい食品を収納する室にカレー170gを充
填した後、各室を蓋体(ポリエチレンテレフタレート/
ナイロン/ポリプロピレン)でヒートシールした。次い
で、得られた容器を121℃、20分間の条件で加圧加熱殺
菌処理を行った。その後、各室の蓋体を部分的に剥し、
500Wの電子レンジで4分30秒間の条件で加熱処理した。
・容器の材質;ポプロピレン ・加熱されにくい食品を収納する室のサイズ 楕円状の開口部の長軸の長さ;135mm 楕円状の開口部の短軸の長さ; 78mm 側部の長さ;26mm 底部の深さ;10mm ・加熱され易い食品を収納する室のサイズ 長方形の開口部及び底部の縦横;135mm×115mm 深さ;31mm 足の高さ;5mm (比較例) 加熱されにくい食品を収納する室の底部の形状も平面
状とし、該室の深さを31mmとする以外は、上記使用例と
同様な容器を採用し、且つ使用例と同様な方法で加熱処
理を行った。
加熱処理終了後使用例及び比較例それぞれについて、
カレーの各箇所の温度を測定した。その結果を第1表
(使用例)、第2表(比較例)に示す。
カレーは60〜80℃がおいしいとされる温度範囲である
が、上記第1表及び第2表から明白な如く、本願考案の
使用例によればすべての測定箇所の温度が上記範囲内に
あるのに対して、比較例は60℃を下回る箇所が多数認め
られた。
また、米飯についても温度の測定を行ったが、使用例
の米飯の温度は73〜84℃、比較例の米飯の温度は75〜86
℃であり、両者とも米飯がおいしいとされる60〜90℃の
温度範囲にあり、適度に加温されていた。
以上のことから明白なように、本考案によれば、加熱
され易い食品である米飯と加熱されにくい食品であるカ
レーを共に適度に加熱できることが明白となった。
[考案の効果] 以上詳述したように、本考案によれば、加熱しにくい
食品を収納する室の底部を、垂直断面が中央部分から上
方に向かって外拡する弧状又は折れ線状となるように構
成し、一方加熱され易い食品を収納するための室の底部
はこれと異なり平面状に構成することにより、加熱され
易い食品と加熱されにくい食品とをそれぞれ適度に加熱
することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例の平面図、第2図は直線a−
a′による第1図の断面図、第3図〜第5図は本考案の
他の実施例の断面である。 2…加熱されにくい食品を収納するための室 3…加熱され易い食品を収納するための室 4…底部 5…側部 9…フランジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 坂根 武史 大阪府東大阪市御厨栄町1丁目5番7号 ハウス食品工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−293020(JP,A) 実開 昭56−49778(JP,U) 実開 昭61−69064(JP,U) 実開 昭61−69063(JP,U)

Claims (6)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】マイクロ波による加熱され易さの異なる2
    種類以上の食品を、各々上端が開口した複数の加熱室に
    それぞれ充填するマイクロ波透過性の電子レンジ用多室
    容器において、 該複数の加熱室には、下に凸の丸みの程度が互いに異な
    る加熱室が含まれることを特徴とする電子レンジ用多室
    容器。
  2. 【請求項2】前記複数の加熱室は、その底部の周縁部の
    一部乃至全部が曲面状又は曲面に近い多面状である加熱
    室を含む請求項(1)記載の電子レンジ用多室容器。
  3. 【請求項3】前記複数の加熱室は、その底部から上端開
    口に向かって横断面積が増大するような周壁形状を有す
    る加熱室を含む請求項(1)又は請求項(2)に記載の
    電子レンジ用多室容器。
  4. 【請求項4】前記複数の加熱室は、マイクロ波によって
    最も加熱されにくい食品を充填するための、平底を有す
    る加熱室を含む請求項(1)乃至請求項(3)のいずれ
    か1項に記載の電子レンジ用多室容器。
  5. 【請求項5】マイクロ波による加熱され易さの異なる2
    種類以上の食品を異なる室に収納するマイクロ波透過性
    の電子レンジ用多室容器において、(a)上記食品のう
    ちマイクロ波により最も加熱されにくい食品を収納する
    室の底部を、その垂直断面が中央部分から上方に向かっ
    て外拡する弧状又は折れ線状になるように構成するこ
    と、(b)上記食品のうちマイクロ波により最も加熱さ
    れ易い食品を収納するための室の底部を平面状に構成す
    ること、以上(a)及び(b)を満足することを特徴と
    する電子レンジ用多室容器。
  6. 【請求項6】マイクロ波により最も加熱されにくい食品
    を収納する室の底部の中央部分がマイクロ波により最も
    加熱され易い食品を収納するための室の底部より低くな
    るように構成され、電子レンジ用多室容器を電子レンジ
    のターンテーブル上に載せたとき、該ターンテーブルと
    最も加熱されやすい食品を収納するための室との間に間
    隙が形成される請求項(5)に記載の電子レンジ用多室
    容器。
JP1989089733U 1989-07-28 1989-07-28 電子レンジ用多室容器 Expired - Lifetime JP2544447Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5649778U (ja) * 1979-09-21 1981-05-02
JPS638633Y2 (ja) * 1984-10-12 1988-03-15
JPS6169063U (ja) * 1984-10-12 1986-05-12
CA1279902C (en) * 1986-05-09 1991-02-05 Alcan International Limited Microwave container including higher order mode generation

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JPH0329488U (ja) 1991-03-25

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