JP3033586U - 電子レンジ用容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内容物を容器ごと電子レンジで加熱する場
合、容器を載置台に安定して載置することができ、かつ
内容物を均一に加熱し容器が熱変形しない電子レンジ用
プラスチック容器に関する。 【構造】 容器底部の外周よりリング状の接地部１３を
残し、その内側を容器内方に持ち上げ第１段部１１、第
２段部１２からなる突起部１０を形成する。各段部の上
面はほぼ平面であり、接地部と第１段部、第１段部と第
２段部は傾斜壁で連結される構造である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は内容物を容器ごと電子レンジで加熱しその容器を食器として使用する 場合に、内容物が均一に加熱されかつ容器が熱変形しない電子レンジ用プラスチ ック容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の米飯、カレーその他の調理若しくは半調理済みの食品等を包装した電子 レンジ用容器においては、第３図に示すような容器底部（１０１）に下向きの半 円弧状の複数の足（１０２）を設けたもの又は何も設けず底部が平坦なものが用 いられている。 このような容器はシート状のプラスチック材料を軟化した状態で真空又は圧縮 により金型に押し当てて、肉厚をほぼ均一の成形したシート成形容器であり、多 数の空容器を積み重ねるのに好都合である。 また、これらの容器は調理又は半調理された食品をオートメーション化された 機械で充填され、消費者は容器ごと加熱したり、容器を食器として兼用して使用 することができる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本来、このような電子レンジ加熱容器では加熱時容器が変形せず、かつ内容物 が容器内で均一に加熱される必要がある。 しかるにこのようなシート成形容器では、胴部壁の肉厚が比較的薄く可撓性を 有し、剛性が小さいので外形が歪み易い。特に底部に半円弧状の複数の足を設け た容器では電子レンジにかけたとき半円弧状の足が変形し易く、容器が傾き内容 物が溢れでる等の問題があった。 又底部が平坦な容器では電子レンジの載置台との接触面積が大きく、載置台に 容器底部付近の熱が取られるため、底部付近の内容物が加熱され難く、加熱にム ラが発生する。また加熱された容器を持ち上げると底部が内容物の重量で下方に 変形する欠点があった。 本考案はこれらの問題点を解決するため考案されたものであり、加熱時容器が 変形せず、内容物全体が均一に加熱され、食器として使用する場合冷め難い容器 を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案の容器においては容器底部の外周を足とし、 底部の中心部分を容器内側方向に持ち上げ、突起部を形成したものである。 上記容器底部の足は底部外周に沿ってリング状に接地面を形成し、上記突起部 はリング状の接地面の内側に階段形状で設けられている。

【０００５】

【作用】

上記のように構成された容器を電子レンジ内の載置台に載せると、容器底部の 外周のリング状の接地部が均一に載置台と接触するが、容器底部の接地面積が小 さいため加熱の際載置台からの熱の影響を極力抑えることができる。また容器底 部の外周が接地部となっているため、加熱時容器が多少変形しても安定性は保た れる。 底部中央部は内側に数段階段状に盛り上がった突起構造となっているため、底 部に剛性を与え、内容物の重量で底部が垂れ下がるようなことは防止される。

【０００６】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明すると、図１、図２に示すように、容器１ は上端開口部２、フランジ部３、胴部４及び底部５より構成され、胴部径が高さ に比べて大きいトレイ型容器であり、ポリプロピレン等で成形される。

【０００７】 上記容器は胴部の直径約１４０ｍｍ、高さ約３５ｍｍ、フランジ巾約５ｍｍの 寸法である。 フランジ部３は上端開口部に沿って設けられ、ほぼ楕円形状で平坦部を有して おり、一部に把手を兼ねる部分６と平坦部上にフィルム等の蓋材をヒートシール する環状のシール用リブ７を備えているが、フランジ部上面をシール面とするこ とも可能である。フランジ部下方には容器を積み重ねたとき互いに勘合し位置決 めする突起部８を具備する。 容器胴部４は中央部分の屈曲点９を境に異なるテーパーを持った円筒状であ り、屈曲点より下部の胴壁の方が上部の胴壁より大きいテーパー角度を具備して おり、底部５の径は上端開口部２の径より小径であり、下部の胴壁と底部は円弧 により連結されている。

【０００８】 底部５は外周よりリング状の接地部１３を残し、その内側を容器内方に持ち上 げ第１段部１１、第２段部１２からなる突起部１０を形成する。各段部の上面は 平坦面或いはなだらかな曲面であり、上端開口部２と平行となっている。接地部 １３の内側端と第１段部上面の外側端、第１段部上面の内側端と第２段部上面の 外側端は垂直方向に対し３０度から６０度、好ましくは約４５度の傾斜壁１４、 １５で連結されている。

【０００９】 底部外周に位置するリング状の接地部１３の幅は載置台に安定して載せるため ３ｍｍから１５ｍｍ程度であり、好ましくは７ｍｍ程度が望ましい。３ｍｍ以下 であると内容物が接地部内側１６に詰まり取り出し難い。１５ｍｍ以上であると 載置台との接地面積が大きくなり、加熱時載置台の温度の影響を受け電子レンジ での加熱効率が悪化する欠点がある。 第１段部１１は幅約５ｍｍ、接地面からの距離は約２ｍｍが好ましい。第２段 部１２の上部平坦面は直径約４０ｍｍ、接地面からの距離は約６ｍｍが好まし い。従来の平坦な底部の容器と比較し、上記寸法形状であると内容物の重量を支 えるのに充分な剛性を備えているので底部が垂れ下がるような変形は生じない。 第２段部１２の上部平坦面が接地面より高過ぎると内容積が少なくなり好ましく ない。

【００１０】 なお、本考案は上記実施例に限ることなく、胴部の直径に対し胴部の高さの高 いカップ状容器等も本底部構造を有するかぎり、本考案に含まれることは言うま でもない。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効 果を奏する。

【００１２】 容器は底部外周に位置する部分のリング状の接地部が電子レンジの載置台に広 い範囲で接触するため安定して載置され、内容物の加熱するとき熱の影響によっ て容器形状が多少変形しても容器が傾いて内容物が溢れ出るようなことはなく、 また電子レンジより取り出した後容器を食器として利用するときも何ら不都合は 生じない。 また接地部の内側を複数段容器内側に盛り上げることにより、内容物に電磁波 が均一に照射される。

【００１３】 従来の底部が平坦な容器であると、底部全体が載置台と接触しているため載置 台の温度の影響を受け底部付近の内容物は温まり難い欠点があった。これに対し 本容器はリング状の接地部と載置台との接触面積が小さいため、加熱時載置台の 温度が内容物に与える影響を極力おさえることができ均一に加熱される。 また加熱された容器をテーブル等に取り出しで食するときも、テーブルとの温 度差による内容物の温度低下が容器のリング状の接地部近傍のみに押さえる効果 がある。

【００１４】 次に本容器の底部はリング状の接地部の内側が複数段容器内側に盛り上った形 状となっており、底部の剛性を強化した構造となっている。 したがって、加熱後容器を持ち上げたとき、加熱により多少容器が軟化してい ても内容物の重量により底部が下方に垂れ下がり容器が変形するようなことが防 止される。

【００１５】 また本容器の胴部には位置決め用突起部が設けられ、底部中央部の各段部は３ ０度から６０度の傾斜壁となっているため、搬送のとき等多数の空容器を一定方 向に隙間なく積み重ねることが容易にできる。

【００１６】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に実施例に係る容器の平面図である。

【図２】本考案に実施例に係る容器の側面図である。

【図３】従来の容器の側面図である。

【符号の説明】

１ 容器 ２ 上端開口部 ４ 容器胴部 ５ 容器底部 ９ 屈曲点 １０ 突起部 １１ 第１段部 １２ 第２段部 １３ リング状接地部 １４，１５ 傾斜壁

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 容器胴部上端部に開口部を有し、開口部
   の周囲にシール用リブを備えた環状フランジ部を形成
   し、容器胴部の下端には上端開口部の内径より小さい底
   部を備えた成形容器において、底部外周にリング状の接
   地部を形成し、リング状の接地部の内側の底部を容器内
   側に少なくとも２段持ち上げ、かつ各段部の上面は上端
   開口部とほぼ平行な面となっていることを特徴とする電
   子レンジ用容器。
2. 【請求項２】 底部外周にリング状の接地部の幅は３ｍ
   ｍ乃至１５ｍｍであり、各段部は容器中心線に対し３０
   度乃至６０度の傾斜壁で連結されていることを特徴とす
   る請求項１記載の電子レンジ用容器。
3. 【請求項３】 底部外周にリング状の接地部と第一段部
   上面の間隔は接地部より１ｍｍ乃至４ｍｍであり、底部
   外周のリング状の接地部と第２段部上面の間隔は接地部
   より４ｍｍ乃至１０ｍｍである請求項１又は２に記載の
   電子レンジ用容器。