JPH0224757Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 考案の目的 ［産業上の利用分野］ この考案は把手付き包装用容器に関し、特に包
装容器ごと電子レンジで加熱し食器兼用とし得
る、レトルト食品包装用容器として好適なもので
ある。

［従来の技術］ 近年、生活様式の変化に伴い、調理済みのカレ
ー、シチユー、コーヒー等の飲食物をその包装容
器ごと電子レンジで加熱し、そのまま食器兼用と
なし得る包装用容器への需要が増大している。

従来、このような包装用容器は、200℃前後の
温度に耐えるプラスチツクで構成され、内容物が
高温となると容器壁もこれに従つて高温となるた
め、これを食器としてそのまま使用するには、高
温の容器壁に直接手等が触れないように、把手が
あることが望ましい。

容器外面が高温にならないように包装容器の構
成材料等を選択することも考えられているが、こ
の場合でもコーヒーのように通常用いる食器自身
が把手を有する飲食物の場合や、デザイン上の要
請から、このような包装用容器にも把手付きであ
ることが望まれることがある。

従来の把手付き包装用容器は、把手が容器胴部
と一体のものが一般的であつた。

［考案が解決しようとする問題点］ このため、未充填容器のスタツク（Stack）性
が悪く、かつ充填・加熱後殺菌工程中に把手が邪
魔になつて取扱いに不便であり、容器の傷付き・
変形の恐れもありかつコスト高になるという問題
があつた。

一方、把手が別体のものも考えられてはいた
が、把手部の安定性に欠ける、或いは把手部の取
付操作が煩雑である、等の問題があつた。

この考案は上記の如き事情に鑑みてなされたも
のであつて、容器胴部と把手部とが別体をなして
おり、未充填容器においては、容器胴部と把手と
を別々に保管することができるため、容器のスタ
ツク性に優れ、また内容物の充填・加熱殺菌後に
把手部を取付けることが可能なため、取扱いが容
易で容器の傷付き、変形等の恐れが少なく、更
に、構造が簡単で、かつ把手部の安定性に優れ、
把手部の取付操作が容易な、把手付き包装用容器
を提供することを目的としている。

(ロ) 考案の構成 ［問題を解決するための手段］ この目的に対応して、この考案の把手付き包装
用容器は、容器本体と及び前記容器本体に嵌合す
る把手付き支持部材とを備え、前記容器本体は上
端開放の容器胴部と前記容器胴部の上端から外側
へ折り返されて前記容器胴部の外面との間に下端
開放の溝を形成する折返し部とを有し前記把手付
き支持部材は前記溝において前記容器胴部の外面
に前記嵌合する環状体部と、前記環状体部に一体
に接続する把手部とを有することを特徴としてい
る。

以下、この考案の詳細を一実施例を示す図面に
ついて説明する。

第１図、第２図及び第３図において１は把手付
き包装用容器である。把手付き包装用容器１は容
器本体２と及び容器本体２に嵌合する把手付き支
持部材３とを備える。

容器本体２はハイバリアー性のプラスチツク積
層材料で構成され、上端開放のカツプ型の容器胴
部４と、容器胴部４の上端５から外側に折返され
た折返し部６とを有する。

容器胴部４の側壁７は、後述する把手付き支持
部材３の取付けを容易とするように、僅かに上開
きに傾斜している。上端５の周上の複数箇所から
下方に向かつて長さh₀，幅W₁のスタツク用のリ
ブ８が側壁７から外側に突出形成されている。リ
ブ８は、１つの容器胴部４を他の容器胴部４の内
側に挿入したとき、リブ８でストツプしリブ８か
ら下の深さh₁の部分だけが挿入されるように制限
するためのものであり、リブ８の下端１１は内容
物を充填したときの液面１２の高さh₂より高い位
置にある（h₂＜h₁）。

折返し部６は、上端５から外側に張出す張出し
部１３と、張出し部１３の外周縁から垂下する垂
れ部１４とを有し、折返し部６は容器胴部４の外
面との間に下端開放の溝１５を形成する。

張出し部１３の上面を一周して蓋をシールする
ための環状の突条１０が形成されている。垂れ部
１４の深さh₃は張出し部１３の張出し幅W₂の２
〜５倍が好適であり、この部分は内容物に接して
いないからレンジ加熱によつて高温にならず、従
つて全く変形しないので、容器の変形防止に役立
ち支持を容易にする枠の如き役割を果すと共に、
容器の口当たりを良くするという効果をも有する
重要な部分である。

把手付き支持部材３は、溝１５において容器胴
部４の外面に嵌合する環状体部１６と、環状体部
１６に一体に接続する把手部１７とを有する。

環状体部１６は、溝１５の３方の壁に沿つて密
着した状態で一周し自らも下端開放の溝１８を形
成しており、張出し部１３の下面に密着する水平
部２１、水平部の内周縁から垂下して側壁７のう
ち上端５から深さ方向への距離がh₀までである環
状の部分の外周面に密着する内壁部２２、及び水
平部２１の外周縁から垂下して垂れ部１４の内面
に密着する外壁部２３が、一体に接続したもので
ある。

把手部１７は、第４図に詳細に示すように環状
体部１６の一方の側に一体に接続している。すな
わち外壁部２３の下端の一箇所から外側に水平帯
状に張出した連結部２４の先端にほぼ上下方向を
長手方向とする基板部２５の裏面がほぼ垂直に接
続する。基板部２５の両側縁部に接続し外側に突
出する平行板状の把持部２６、基板部２５とで、
外側に開放した溝体状の把手部１７をなす。連結
部２４の左右両側縁からは各々補強部２７が下方
に接続し、補強部２７は把持部２６、外壁部２
３、内壁部２２を相互に接続する面一の板状をな
す。

以上説明した実施例の他、第５図、第６図及び
第７図に示す他の実施例の把手付き包装用容器１
ａは、側壁７のうち把手部１７ａに対向する部分
７ａに沿つて、押え板２８を密着させたものであ
り、押え板２８は把手付き支持部材３ａの一部分
として把手付き支持部材３ａと一体に成形されて
いる。

補強部２７ａは押え板２８にも接続し、把手部
１７ａの安定性を高める。

第８図、第９図及び第１０図に示す更に他の実
施例の把手付き包装用容器１ｂでは、押え板２８
ｂに対向する側壁の部分７ｂを、他の部分より内
側に突出させてその外面を凹ませ、押え板２８ｂ
とはその周縁部とのみ接当し、中央部では押え板
２８ｂとの間に隙間３１を有するようにし、押え
板２８ｂに手が触れても熱くないようにされてい
る。部分７ｂの壁はスタツク性を失わない程度の
緩い上開きの傾斜とする。

更に、第１１図、第１２図及び第１３図に示す
更に他の実施例の把手付き包装用容器１ｃでは、
内壁部２２ｃの深さを増すと共に、押え板２８ｃ
を直径上の２ケ所に配設し、更に２つの押え板２
８ｃの下端を容器胴部４の下部外周面を一周する
押え帯３２に一体に接続させ、更に把手部１７ｃ
の安定性が高められている。押え帯３２が接当す
る部分の上部で径を急に増大した段部３３を成す
ようにすると、より効果的である。

［作用・効果］ このように構成された把手付き包装用容器１
は、容器胴部４を有する容器本体２と把手部１７
を有する把手付き支持部材３とが別体をなしてお
り、未充填時にはこれらを別々に保管でき、容器
本体２は、リブ８より下の深さh₁までの部分を他
の容器本体２の中に挿入してスタツク可能であ
る。

充填・シール後の加熱殺菌工程は把手部を取付
けない状態で行うことができるから、把手部が邪
魔になつたり、容器同士のぶつかり合いによる容
器の傷付き・変形等の恐れが少ない。

加熱殺菌工程後に把手付き支持部材３を容器本
体２に取付けるのであるが、取付け方は溝１８に
嵌合若しくは超音波シール等により取付ける。把
手付き支持部材３は構造が簡単であり、かつ容器
胴部の外周を一周して嵌合する環状体部１６の摩
擦力により、把手部の安定性が非常によく、かつ
その取付操作は容易である。環状体部１６は前述
の通り、レンジ加熱によつて変形しないから、加
熱後も把手部の優れた安定性は保たれる。

把手付き包装用容器１ａ，１ｂ，１ｃについて
も同様である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係わる把手付き
包装用容器の縦断面図、第２図は第１図に示す把
手付き包装用容器の平面図、第３図は第１図に示
す把手付き包装用容器の側面図、第４図は第１図
に示す把手付き支持部材を示す斜視図、第５図は
この考案の他の実施例に係わる把手付き包装用容
器の縦断面図、第６図は第５図に示す把手付き包
装用容器の平面図、第７図は第５図に示す把手付
き包装用容器の側面図、第８図はこの考案の更に
他の実施例に係わる把手付き包装用容器の縦断面
図、第９図は第８図に示す把手付き包装用容器の
平面図、第１０図は第８図に示す把手付き包装用
容器の側面図、第１１図はこの考案の更に他の実
施例に係わる把手付き包装用容器の縦断面図、第
１２図は第１１図に示す把手付き包装用容器の平
面図、及び第１３図は第１１図に示す把手付き包
装用容器の側面図である。 １……把手付き包装用容器、２……容器本体、
３……把手付き支持部材、４……容器胴部、５…
…上端、６……折返し部、７……側壁、８……リ
ブ、１０……突条、１１……下端、１２……液
面、１３……張出し部、１４……垂れ部、１５…
…溝、１６……環状体部、１７……把手部、１８
……溝、２１……水平部、２２……内壁部、２３
……外壁部、２４……連結部、２５……基板部、
２６……把持部、２７……補強部、２８……押え
板、３１……隙間、３２……押え帯、３３……段
部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器本体と及び前記容器本体に嵌合する把手付
   き支持部材とを備え、前記容器本体は上端開放の
   容器胴部と前記容器胴部の上端から外側へ折り返
   されて前記容器胴部の外面との間に下端開放の溝
   を形成する折返し部とを有し前記把手付き支持部
   材は前記溝において前記容器胴部の外面に前記嵌
   合する環状体部と、前記環状体部に一体に接続す
   る把手部とを有することを特徴とする把手付き包
   装用容器。