JPS638633Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、弁当などの食品を収容するための
包装容器であつて、特に電子レンジにて内容食品
を区分して選択的に加熱することができるものに
関する。

（従来の技術） 弁当には御飯の他、種々のおかず食品が詰合わ
され、販売時にこれを店頭にて電子レンジで加熱
することが行われている。ところがおかずの中に
は、例えばサラダの如く加熱になじまないものが
ある。従来はこのような弁当をまるごと電子レン
ジに入れて全体にマイクロ波を照射していたの
で、おかずの風味を損うことがあつた。

（考案が解決しようとする問題点） この考案は、弁当の如く、異なつた数種の食品
を収容する包装容器において、これを電子レンジ
で加熱処理する際に、加熱に適さない食品のみを
他と区別し、部分的にマイクロ波を遮へいするこ
とができる簡易な手段を提供しようとするもので
ある。

（問題点を解決するための手段） この考案においては、上記問題点を解決するた
め、マイクロ波透過性の素材から成り所定の位置
に複数の異なる食品を保持するための仕切２に区
画された複数の仕切室３を有する皿１と、マイク
ロ波不透過性の素材から成り皿１の特定の仕切室
３ａに敷かれるアルミ箔カツプ４の如き遮へいシ
ートと、マイクロ波不透過性の素材から成り皿１
の特定の仕切室３ａを覆うようにこれに嵌まる遮
へい板５と、マイクロ波透過性の素材から成り皿
１に嵌合可能で皿１の仕切２に対応し、かつ嵌合
時に皿の仕切２に圧接され隣接する仕切室３ａ，
３ｂ相互間の熱気の移動を遮ぎるための仕切８を
有するふた７とを具備し、前記皿１の特定の仕切
室３ａの上部内周には遮へい板５の外周縁が嵌ま
る係合凹所１１が形成され、また遮へい板５に
は、指先で押圧したときに容易に破断されて指差
し孔６ａを形成可能な脆弱部６が形成されている
構成とした。

（作用） この容器に種々の異なる種類の食品を収容して
その全体にマイクロ波を照射すると、マイクロ波
は遮へい板５と遮へいシート４に遮ぎられて特定
の仕切室３ａ内の食品に照射されない。しかし、
他の仕切室３ｂ内にはマイクロ波が照射される。
従つて、遮へい板５に覆われた特定の仕切室３ａ
に収容された嫌熱性の食品は加熱されず、他の仕
切室３ｂ内の食品のみが加熱される。加熱された
食品から出る熱気はふた７と皿１の対向する仕切
２，８に遮断され、他の仕切室３ａ，３ｂ内の食
品へは移らない。

（実施例） 皿１はマイクロ波透過性の合性樹脂製で、仕切
２によつて区画された複数の仕切室３を有する。
各仕切室３には夫々異なつた食品が収容される
が、特定の仕切室３ａには、特に加熱に適さな
い、例えばサラダの如き食品が、また他の仕切室
３ｂには、加熱すべきその他の種類の食品が収容
されるものとする。特定の仕切室３ａにはアルミ
箔カツプ４の如き、マイクロ波不透過性素材から
成る遮へいシートが敷かれ、この上に食品が置か
れるものとする。特定の仕切室３ａの上部内周に
は上下の凸部９，１０に挟まれた係合凹所１１が
形成されている。

遮へい板５は、マイクロ波不透過性の素材から
成り、皿１内に食品を収容した後仕切室３ａ上に
被せられる。遮へい板５は仕切室３ａの開口に略
等しい形状で、開口内に押込み可能である。開口
内に押込まれた遮へい板５は、その周縁が係合凹
所１１に嵌まり、固定されるものとする。遮へい
板５には、一隅に、破線状の小孔によりふち取ら
れた脆弱部６が形成され、遮へい板５を仕切室３
ａから外す際に、小孔に沿つて破断して指差し孔
６ａを形成することができる。遮へい板５は、例
えば、厚紙の一面にアルミ箔をラミネートしたも
の等により構成される。

ふた７は、マイクロ波透過性の合成樹脂製で、
皿１上に嵌合しうるものとする。ふた７には、皿
１の仕切２と対向する位置に仕切８が形成されて
いる。この仕切８は、ふた７を皿１に嵌合したと
きに、皿１の仕切２上に弾力的に圧接されるもの
とする。しかして、例えば、皿１の仕切室３ａに
サラダを収容して、遮へい板５を被せ、仕切室３
ｂには御飯、ハンバーグ等の要加熱食品を収容
し、ふた７をして電子レンジへ入れたとする。電
子レンジのマイクロ波は遮へい板５、アルミ箔カ
ツプ４に遮ぎられてサラダには照射されないか
ら、サラダは加熱されることがない。一方マイク
ロ波は御飯、ハンバーグ等には照射されるので、
これらは十分に加熱されることとなる。御飯、ハ
ンバーグ等の熱気は仕切２，８に遮ぎられて他の
食品に移らないからその風味を損うことがない。
食べるときには、ふた７をとつて、遮へい板５の
脆弱部６を指先で押込んで指差し孔６ａを形成
し、これに指を掛けて引上げて仕切室３ａから遮
へい板を取外す。

（考案の効果） 本考案においては、遮へいシート４と遮へい板
５とで、所望の仕切室３ａ内の食品のみをマイク
ロ波から遮絶して加熱せず、他の仕切室３ｂ内の
食品はマイクロ波に曝してこれを加熱すること
で、両食品の特性を生かした別々の調理を簡単に
行うことができる。加熱された食品からの熱気は
仕切２，８により有効に遮断され、他の仕切室３
ａ，３ｂへは移らないので食品の風味を損わな
い。遮へい板５は仕切室３ａの係合凹所１１に保
持されるので、容器の移動途中で容易に位置ずれ
することがなく、着脱も容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は斜視図、第２図は皿の平面図、第３図
は包装状態の容器の断面図である。 １……皿、２……仕切、３ａ，３ｂ……仕切
室、４……遮へいシート（アルミ箔カツプ）、５
……遮へい板、６……脆弱部、６ａ……指差し
孔、７……ふた、８……仕切、９，１０……凸
部、１１……係合凹所。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) マイクロ波透過性の素材から成り、所定の位
   置に複数の異なる食品を保持するための仕切に
   区画された複数の仕切室を有する皿と、 マイクロ波不透過性の素材から成り、前記皿
   の特定の仕切室に敷かれる遮へいシートと、 マイクロ波不透過性の素材から成り、前記皿
   の特定の仕切室を覆うようにこれに嵌まる遮へ
   い板と、 マイクロ波透過性の素材から成り、前記皿に
   嵌合可能で、前記皿の仕切に対応し、嵌合時に
   この仕切に圧接される仕切を有するふた、とを
   具備し、 前記皿の特定の仕切室の上部内周には、前記
   遮へい板の外周縁が嵌まる係合凹所が形成さ
   れ、 前記遮へい板には、指先で押圧時に容易に破
   断されて指差し孔を形成可能な脆弱部が形成さ
   れていることを特徴とする食品包装容器。 (2) 前記遮へいシートが、アルミ箔カツプである
   実用新案登録請求の範囲第(1)項に記載の食品包
   装容器。 (3) 前記遮へい板が厚紙の一面にアルミ被膜を形
   成したものである実用新案登録請求の範囲第(1)
   項または第(2)項に記載の食品包装容器。