JPH0237741Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、調理用食品収納容器に関するもので
あつて、調理用食品を収納したままの状態で電子
レンジにより調理することができる容器に関する
ものである。

〔従来の技術〕

高周波加熱装置、いわゆる電子レンジによつて
調理用食品を調理するのには、調理用食品に対す
る加熱のムラを解消したり、加熱効率の向上を図
る意図で、調理用食品を収納した容器を載置する
ための台を別途に準備して、この載置用台を使用
して食品の加熱調理を行つていた。

このものは、電子レンジを使用しての食品の調
理に専用の載置台が必要となり、その使用および
電子レンジの操作を煩雑にする問題を生じること
になつていた。

このため、調理用食品を収納した状態で販売さ
れると共に、この調理用食品を収納した状態のま
ま電子レンジにより調理用食品を加熱調理するこ
とのできる容器が利用されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記した従来の電子レンジを利
用して調理用食品を調理しようとする容器は、電
子レンジ内に直接載置されるものであるために、
容器の底部に位置している調理用食品に対する加
熱が充分でなく、これがため食品に対する加熱に
ムラが生じると共に加熱効率の悪いものとなり、
従来と同様に専用の載置台が必要となると云う問
題があつた。

本考案は、上記した従来例における問題点およ
び不満を解消すべく考案されたもので、購入した
容器の内の調理用食品を収納している容体を、容
器の一部を利用して電子レンジ内に浮き上がつた
状態で位置させ、もつて容体内に収納された調理
用食品の全体を均一に加熱すると共に、この調理
用食品に対する加熱効率を向上させることができ
るようにすることを目的としたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

以下、本考案を、本考案の実施例を示す図面を
参照しながら説明する。

本考案による調理用食品収納容器は、調理用食
品を収納した容体１と、この容体１を収納する上
下が開放した筒形状の枠体５とから成り、この枠
体５の筒壁６の下端部に、枠体５を反転逆立させ
て容体１を上方から挿入させた際に、この枠体５
に挿入された容体１に下方から突き当たつて容体
１を吊持ち状に支持する保持突出片７を内方に突
出した形態で設けて構成されている。

容体１は、通常の容器と同様に、有底筒形状を
した容体本体と、この容体本体の上面開口部を開
閉する蓋体とを組合わせて構成されている。

この容体１を収納する枠体５は、基本的には単
純な起立した筒形状をしていて、容体１はこの枠
体５の上面開口部から枠体５に出し入れされるよ
うになつている。

この枠体５の下端部に形成された保持突出片７
は、容体１を吊持ち状に保持するものであるが、
容体１を安定した状態および姿勢で吊持ち状に保
持できる数だけ設けられている。

すなわち、保持突出片７は、必ずしもそれ単独
で容体１を吊持ち状に保持しなければならないと
云うものではなく、枠体５の保持突出片７を形成
していない他の下端部と一緒になつて容体１を吊
持ち状に保持しても良いのであり、容体１および
枠体５の平面形状によつては一個で良い場合もあ
るし、二個以上の複数個形成されることもある。

容体１を枠体５によつて吊持ち状に保持した状
態において、容体１の底部３は枠体５の下端より
も充分に上位に位置しており、これがため枠体５
を載置台として利用した場合、容体１は電子レン
ジ内において電子レンジ内部空間の底面からに浮
き上がつた状態で位置することになる。

〔作用〕

本考案は上記した如き構成となつているので、
販売時および保存時には容体１は枠体５内に収納
された状態で保持される。

この状態、すなわち容体１が枠体５内に収納保
持された状態において、商品の本体である容体１
は枠体５によつて保護された状態となつており、
枠体５が緩衝材として機能するので、容体１を傷
付けたりすることがないと共に、容器の取扱を容
易なものとしている。

そして、調理に際しての使用時には、容体１を
枠体５内から取り出して枠体５を反転逆立させ、
容体１を上方からこの枠体５内に挿入する。

容体１を枠体５に対して上方から挿入してゆく
と、枠体５に形成された保持突出片７が容体１の
一部に下方から突き当たり、容体１のそれ以上の
枠体５内への侵入を阻止すると同時に、容体１を
下から支えて容体１を吊持ち状に支持する。

この姿勢のまま容器を電子レンジ内に挿入配置
すると、容体１は電子レンジの内部空間の底面か
ら浮き上がつた状態で位置することになるので、
電子レンジの高周波が各方向からほぼ均一に照射
されることになり、もつて容体１内の調理用食品
はその全体が均一に加熱されることになり、これ
によつて調理用食品をムラなく加熱することがで
き、極めて良好な加熱効率を得ることができる。

また、枠体５は、容体１内の食品の加熱の邪魔
にならないように、高周波によつて加熱されない
厚紙等の材料で成形されるものであるので、食品
の調理後、容体１を取り出すのに、枠体５を掴ん
で容体１を電子レンジ内から取出せば、この枠体
５が断熱材としての機能を発揮するので、例え容
体１が調理加熱された食品の熱によつて熱くなつ
ていたとしても、安全でかつ良好にその取り出し
を達成することができる。

〔実施例〕

第１図ないし第３図に示した実施例における容
体１は、所定の合成樹脂材料により形成され、円
筒形状の壁部２の上端を反転屈曲すると共にさら
に外方に延出させてフランジ４を一体に設けた構
造となつている。そして壁部２の上端開口部には
蓋板がシール貼着されていて、調理に際しては、
或いは調理後に開封するようになつている。

枠体５は、厚紙等で成形された上下両端が開放
された四角筒形状体であつて、その高さは容体１
の高さとほぼ等しく設定されており、保持突出片
７は、四角筒形状をした筒壁６の各角部を、この
筒壁６の下端から容体１のフランジ４下端に対向
する位置までにかけての高さ範囲にわたつて、内
方に反転屈曲させて成形されている。

このように筒壁６の各角部を内方に屈曲して成
形された保持突出片７の上端は、第２図に示す如
く、販売時および保存時さらには運搬時に枠体５
内に収納された容体１を乗載保持する乗載部８と
なつていて、枠体５内に収納された容体１の下方
への抜け出しを阻止している。

この保持突出片７は、枠体５を反転逆立させた
第３図図示の姿勢においては、枠体５の上端に位
置し、枠体５内に容体１を挿入位置させた際に、
この容体１のフランジ４に下方から突き当たつて
枠体５内への容体１の侵入限を設定すると共に、
フランジ４を下方から支持することによつて容体
１を吊持ち状に支持する。

すなわち、容体１は、容体１上端からフランジ
４下面までの高さ差分だけ逆立した枠体５の下端
面からその底部３を浮き上がらせた状態で支持さ
れることになる。

この第１図ないし第３図に示した実施例におい
て、各保持突出片７は四角筒形状をした筒壁６の
四隅に形成されているので、容体１を四点支持す
ることになり、これによつて容体１の支持が極め
て安定したものとなり、また内方に反転屈曲され
て成形されるものであるので、筒壁６の補強をも
達成することのできるものとなつている。

また、容体１は、その形状が有底円筒形状に限
定されるものではなく、有底三角筒形状であつて
も良いし、有底四角筒形状、有底六角筒形状であ
つても良い。

同様に、枠体５は、その形状が四角筒形状に限
定されるものではなく、三角筒形状であつても良
いし、円筒形状、多角筒形状であつても良い。

また、容体１の吊持ち状の支持は、各保持突出
片７だけによつて達成しなければならないと云う
ことはなく、例えば第４図および第５図に示す如
く、一個または二個の保持突出片７の突出量を大
きく設定しておき、枠体５を反転逆立させた際に
は、この大きく突出した保持突出片７によつて容
体１が枠体５の片側に偏位して位置し、保持突出
片７とは反対側の枠体５の下端面上にフランジ４
が載置するように構成しても良い。

さらに、各保持突出片７に突き当たる容体１の
部分は、フランジ４に限定されることはなく、例
えば第６図図示実施例の如く、容体１の壁部２を
上方に拡がるテーパ形状とし、このテーパ形状と
なつた壁部２の途中に各保持突出片７の突出先端
が突き当たるように構成しても良いし、または第
７図図示実施例の如く、容体１を容体本体と蓋体
９とから構成し、この容体本体に強固に組付けら
れる蓋体９の周端にフランジ４′を突出周設し、
この蓋体９に設けられたフランジ４′に第１図な
いし第３図に示したフランジ４と同等の機能を発
揮させるようにしても良い。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかな如く、本考案による調
理用食品収納容器は、その構成部材である容体と
枠体との組付き形態を変更するだけで、収納した
調理用食品の電子レンジによる加熱が均一に達成
できると共に加熱効率を向上させることができ、
またこの調理用食品の均一な加熱は電子レンジを
改良することなく達成できるので、電子レンジの
機能に左右されることなく、この電子レンジで調
理することのできる食品の種類および範囲を大幅
に拡大することができ、そして枠体が電子レンジ
により加熱されることがないので、調理後の容体
の電子レンジ内からの手による取り出しが安全に
かつ良好に達成することができると共に、この枠
体が容体の緩衝材として作用するので、流通、保
管時に容体を安全に保護できかつ取扱を容易にし
ており、さらに使用が簡単であると共に、安価に
製造、販売することができる等多くの優れた効果
を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の保存状態を示す
全体斜視図である。第２図は、第１図中Ａ−Ａ線
に沿つて切断矢視した縦断面図である。第３図
は、第１図図示実施例の使用時の縦断面図であ
る。第４図は、保持突出片の他の実施例を示す保
存時の縦断面図である。第５図は、第４図に示し
た実施例の使用時の縦断面図である。第６図は、
枠体による容体の吊持ち状支持の他の実施形態を
示す縦断面図である。第７図は、保持突出片が突
き当たる部分を蓋体にフランジ状に成形した場合
の縦断面図である。 符号の説明、１……容体、２……壁部、３……
底部、４……フランジ、５……枠体、６……筒
壁、７……保持突出片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 調理用食品を収納する容体１と、該容体１を収
   納する上下が開放した筒形状の枠体５とから成
   り、該枠体５の筒壁６の下端部に、該枠体５を反
   転逆立させて前記容体１を上方から挿入させた際
   に、該容体１に下方から突き当たつて該容体１を
   吊持ち状に支持する保持突出片７を内方に突出し
   た形態で設けた調理用食品収納容器。