JPH0437099Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、調理用食品収納容器に関するもので
あつて、調理用食品を収納したままの状態で電子
レンジにより調理することができる容器に関する
ものである。

〔従来の技術〕

高周波加熱装置、いわゆる電子レンジによつて
調理用食品を調理するのには、調理用食品に対す
る加熱のムラを解消したり、加熱効率の向上を図
る意図で、調理用食品を収納した容器を載置する
ための台を別途に準備して、この載置用台を使用
して食品の加熱調理を行つていた。

このものは、電子レンジを使用しての食品の調
理に専用の載置台が必要となり、その使用および
電子レンジの操作を煩雑にする問題を生じること
になつていた。

このため、調理用食品を収納した状態で販売さ
れると共に、この調理用食品を収納した状態のま
ま電子レンジによつて調理用食品を加熱調理する
ことができる容器が利用されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記した従来の電子レンジを利
用して調理用食品を調理しようとする容器は、電
子レンジ内に直接載置されるものであるために、
容器の底部に位置している調理用食品に対する加
熱が充分には達成されず、これがため食品に対す
る加熱にムラが生じると共に、加熱効率の悪いも
のとなり、従来と同様に専用の載置台が必要とな
ると云う問題があつた。

本考案は、上記した従来例における問題点およ
び不満を解消すべく考案されたもので、購入した
容器の中の調理用食品を収納している容体を、容
器の一部を利用して電子レンジ内に浮き上がつた
状態で位置させ、もつて容体内に収納された調理
用食品の全体を均一に加熱すると共に、この調理
用食品に対する加熱効率を向上させることができ
るようにすることを目的としたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

以下、本考案を、本考案の一実施例を示す図面
を参照しながら説明する。

本考案による調理用食品収納容器は、有底筒体
の筒壁２上部を大外径部４に形成した調理用食品
を収納する容体１と、厚紙等の断熱材料から成り
容体１を収納する少なくとも前面を容体１の出入
り口として開放した箱形状の枠体６とから成り、
この枠体６の頂壁７に容体１の筒壁２の外径より
も大きく大外径部４の外径よりも小さい口径の開
口１０を設けて構成されている。

容体１は、通常の容器と同様に、有底筒形状を
した容器本体と、この容器本体の上面開口部を開
閉する蓋体５との組合せで構成されている。

この容体１を収納する枠体６は、基本的には単
純な箱形状をしていて、開放された前面から容体
１が出し入れされるが、加熱調理時には頂壁７の
上方から容体１の筒壁２を開口１０に嵌入して、
頂壁７のこの開口１０の周縁部に大外径部４を搭
載し、容体１を枠体６内で吊持ち状に保持するの
である。

容体１を枠体６によつて吊持ち状に保持した状
態において、容体１の底部３は枠体６の下端より
も充分に上位に位置しており、これがため枠体６
を載置台として利用した場合、容体１は電子レン
ジ内において電子レンジ内部空間の底面から浮き
上がつた状態で位置することになる。

また、枠体６の底壁８の上面に、金属製の導電
材料を配するのが有効である。

〔作用〕

本考案は、上記した構成となつているので、販
売時および保存時には、容体１は枠体６内に収納
された状態で保持される。

この状態、すなわち容体１が枠体６内に収納保
持された状態において、商品の本体である容体１
は枠体６によつて保護された状態となつており、
枠体６が緩衝材として機能するので、容体１を傷
付けたりすることがないと共に、容器の取扱を容
易なものとしている。

そして、調理に際しての使用時には、枠体６内
の容体１を、開放された前面から取り出して開口
１０に上方から挿入して容体１を枠体６に組付け
る。

容体１を枠体６の開口１０に上方から挿入して
いくと、枠体６の開口１０の口径は容体１の大外
径部４の外径よりも小さい値であるので、この大
外径部４部分で容体１は頂壁７に当接して、容体
１のそれ以上の枠体６内への侵入が阻止されると
同時に、容体１は枠体６の頂壁７により下から支
えられて吊持ち状に支持されることになる。

この容体１と枠体６との組合せ姿勢のまま、容
器を電子レンジのターンテーブル１１に搭載する
等して挿入配置すると、容体１は電子レンジの内
部空間の底面から浮き上がった状態で位置するこ
とになるので、電子レンジの高周波が各方向から
ほぼ均一に照射され、高周波の一部は、電子レン
ジの底面、或いはターンテーブル１１が金属製で
ある場合にはそのターンテーブル１１面で反射
し、もつて容体１内の調理用食品全体を均一に加
熱することになり、これによつて調理用食品をム
ラなく加熱することがき、極めて良好な加熱効率
を得ることができる。

また、枠体６は、容体１内に食品の加熱の邪魔
にならないように、高周波によつて加熱されない
厚紙等の材料で成形されるものであるので、食品
の調理後、容体１を取り出すのに、枠体６を掴ん
で容体１を電子レンジ内から取り出せば、この枠
体６が断熱材としての機能を発揮するので、例え
容体１が調理加熱された食品の熱によつて熱くな
つていたとしても、安全にかつ良好にその取り出
しを達成することができる。

枠体６の底壁８の上面に、金属製の導電材料を
配すると、電子レンジの高周波の一部が、この底
壁８の上面で反射されて容体１に照射されること
になるので、容体１内の調理用食品をより均一に
加熱することができると共に、加熱効率のより高
い向上を達成できる。

〔実施例〕

図示実施例における容体１は、所定の合成樹脂
材料により成形され、ほぼ円筒形状の筒壁２の上
端を反転屈曲すると共に、さらに外方に延出させ
てフランジを一体に設けた構造となつていて、こ
のフランジをもつて大外径部４としている。

また、筒壁２を逆円錐台形状に成形し、外径が
大きくなつた筒壁２の上部をもつて大外径部４を
形成するものであつても良い。

そして、筒壁２の上端開口部には、蓋体５がシ
ール貼着されており、調理に際して、或いは調理
後に開封するようになつている。

枠体６は、頂壁７と底壁８と対向した一対の側
壁９とから構成された前後両面を開放した箱形状
体であつて、厚紙等で成形され、少なくとも開放
された前面から容体１の出し入れができるように
なつており、側壁９の高さと容体１の高さとほぼ
等しく、頂壁７に形成された開口１０は、容体１
の筒壁２上部の外径とほぼ等しい口径を有してい
る。

従つて、容体１を枠体６の開口１０に上方から
挿入していくと、大外径部４部分であるフランジ
が頂壁７の開口１０周縁部に搭載し、或いは開口
１０の口径よりも大きい値の外径の大外径部４部
分が開口１０の開口縁に当接した状態となつて、
容体１のそれ以上の枠体６内への侵入が阻止され
るため、容体１を頂壁７が下から支えて容体１を
吊持ち状に支持するのである。

すなわち、容体１は、容体１上端から大外径部
４下端までの高さ分だけ枠体６の底壁８からその
底部３を浮き上がらせた状態で支持されることに
なる。

具体的には、大外径部４をフランジで形成した
場合には、容体１上端からフランジ下端までの高
さ分であり、容体１の筒壁２を逆円錐筒台形状に
成形することによつて筒壁２の上部に大外径部４
を形成した場合には、逆円錐筒台形状のテーパ角
度を適正に設定して筒壁２の外周面が開口１０の
開口縁に当接する位置から容体１上端までの高さ
分である。

枠体６の底壁８の上面には、アルミニウム箔等
の金属製の導電材料が全面にわたり被覆配置され
ているので、電子レンジの高周波の一部がこの底
壁８の上面で反射されて、容体１内の調理用食品
の全体をより均一に加熱することになり、電子レ
ンジのターンテーブル１１の材料を問わずに有効
で良好な加熱を達成することができる。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかな通り、本考案による調
理用食品収納容器は、その構成部材である容体と
枠体との組付き形態を変更するだけで、即ち容体
を枠体の開放された前面から取り出して頂壁の開
口に挿入するだけで、収納した調理用食品の電子
レンジによる加熱を均一に達成できると共に、加
熱効率を向上させることができ、またこの調理用
食品の均一な加熱は電子レンジを改良することな
く達成できるので、電子レンジの機能に左右され
ることなく、この電子レンジで調理することので
きる食品の種類および範囲を大幅に拡大すること
ができ、そして枠体が電子レンジにより加熱され
ることがないので、調理後の容体の電子レンジ内
からの手による取り出しが安全にかつ良好に達成
することができると共に、この枠体が容体の緩衝
材として作用するので、流通、保管時に容体を安
全に保護できかつ取扱を容易にし、さらに使用が
簡単であると共に、安価に製造、販売することが
でき、なおまた枠体の底壁上面にアルミニウム箔
等の金属導電材料を配置することにより、電子レ
ンジの高周波の一部がこの底壁上面で反射されて
容体に照射されるので、容体内の調理用食品の全
体をより均一に加熱することができると共に、よ
り加熱効率の向上を達成できる等多くの優れた効
果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示すもので、容
体を枠体内から取り出す途中の状態を示す全体斜
視図である。第２図は、第１図に示した実施例
の、使用状態を示す全体斜視図である。第３図
は、第１図に示した実施例の、高周波による加熱
動作状態を説明するための縦断説明図である。 符号の説明、１……容体、２……筒壁、３……
底板、４…大外径部、５……蓋体、６……枠体、
７……頂壁、８……底壁、９……側壁、１０……
開口、１１……ターンテーブル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 有底筒体の筒壁２上部を大外径部４に形成し
   た調理用食品を収納する容体１と、厚紙等の断
   熱材料から成り該容体１を収納する少なくとも
   前面を前記容体１の出入り口として開放した箱
   形状の枠体６とから成り、該枠体６の頂壁７に
   前記容体１の筒壁２の外径よりも大きく大外径
   部４の外径よりも小さい口径の開口１０を設け
   て成る調理用食品収納容器。 (2) 枠体６の底壁８上面に金属製導電材料を配し
   た実用新案登録請求の範囲第１項記載の調理用
   食品収納容器。