JPH0235615Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、加熱調理される食品を収納する容体
を保持するサポート用容器に関するものであつ
て、容体の取扱いを簡便にしたものである。

〔従来の技術〕

ラーメン等のインスタント食品を調理するに
は、調理用食品を収納した容体内に熱湯を注ぎ、
蒸したり、或いは例えば高周波加熱装置、いわゆ
る電子レンジによつて調理用食品を容体内に収納
したまま加熱調理することが行われている。

この種の容体としては、成形が容易であるこ
と、安価に製作できること、従つて使い捨てが可
能であること等の点よりして、合成樹脂材料とか
アルミ箔板材料を利用して成形することが行われ
てきた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、収納される調理用食品は加熱処
理されるものであるから、容体には食品を確実に
収納保持する強度が要求され、またさらには、飲
食する際に取扱い易いように、断熱性、耐熱性が
要求される。

つまり、容体には上記したように熱湯を注ぎ、
または電子レンジによつて調理用食品を調理して
も、変形や損傷が生じないようにし、また取扱う
際に熱によつて持ちにくくなることのないように
断熱性を向上させ、さらには内容物を収納した状
態で把持した際に、変形してしまうことのないよ
うに或る程度の強度を付与しなければならない。

従つて、容体を、上記したような要求を全て充
たしながらも合成樹脂材料とかアルミ箔板材料で
成形するとなると、材料の限定、形状の限定、加
工処理等に多大の手間を必要とし、合成樹脂材料
またはアルミ箔板材料で成形するものでありなが
ら、必ずしも成形が容易とは言えず、安価で手軽
なものでもなかつた。

また、加熱調理された食品を飲食する際には、
箸とかフオーク等の用具を使用することになる
が、容体と器具とは別体物であると共に、個々に
別々に取扱われることになるので、主として用具
の取扱いが面倒となり勝ちであり、特に野外とか
車内において飲食する場合にはこの用具の取扱い
で不便を経験することが多々生じている。

本考案は、上記した従来例における問題点およ
び不満を解消すべく考案されたもので、飲食時に
容体に直接触れることなく取扱うことができるよ
うにし、しかも容体と箸やフオーク等の用具との
組合せ物の取扱いを容易として、飲食し易くする
ことを目的としたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

以下、本考案を、本考案の実施例を示す図面を
参照しながら説明する。

本考案によるサポート用容器は、加熱調理され
る食品を収納する容体８を嵌入保持するものであ
つて、この容体８は、筒体１内に収納される。

そして筒体１は、その下端に脚片６を配し、外
周に把手２を設けると共に、この筒体１の一部
に、上端が開口しかつ底部４を有して、箸やフオ
ーク等の付属品１１が収納されるポケツト部３を
突出設した構成である。

この筒体１は、その全体が上方に拡がつたテー
パ筒形状をしており、また把手２は、上方に拡が
つた筒体の側板から構成されており、さらにポケ
ツト部３は、上端に向かつて拡がつた形状となつ
ている。

筒体１は、容体８を嵌入保持することができれ
ば足り、有底である必要はない。

脚片６は、筒体１内に容体８を嵌入保持した際
に、容体８下方に間隙を形成して、容体８を浮き
上げた姿勢で維持できるようにするためのもので
ある。

さらに把手２は、容体８を嵌入保持した状態で
筒体１を保持するものであるから、所定の機械的
強度を必要とし、さらにポケツト部３は、箸等の
付属品１１の出し入れが容易で確実となるよう
に、上端を開口すると共に底部４を設けたもので
ある。

〔作用〕

本考案によるサポート用容器は、上記した構成
となつているので、加熱調理に際しては、調理食
品を収納した状態で容体８を筒体１内に嵌入保持
させ、この姿勢で熱湯を容体８内に注入し、或い
は水を補給して電子レンジによる加熱調理を行
う。

この電子レンジによる加熱調理に際し、容体８
下端には脚片６が設けられているので、上記した
ように容体８の下方に間隙が形成されて容体８が
浮き上がつた姿勢となつており、従つて容体８下
方からの加熱が確実に達成されるため、食品を上
下から均一に加熱調理することができる。

また、飲食時には、熱湯が注入されまたは電子
レンジによつて加熱調理された容体８を、直接把
持するのではなく、筒体１外周の把手２を把持す
ることにより保持するのであるから、容体８の熱
が直接的に手に伝わることはなく、電子レンジか
らの出し入れが片手で行うことができて取扱い易
くなるため、容体８自体の耐熱性、断熱性をそれ
ほど高いものにしなくても良い利点がある。

ポケツト部３を一体設した筒体１全体が、上方
に拡がつたテーパ筒形状をしており、更に筒体１
の一部で構成する把手２の側板も同様に上方に拡
がつた相互姿勢で対向しており、しかも、この把
手２と対向位置にある筒体１の筒壁部分を除去し
ているので、容器同志を嵌合積重することができ
る。

そして、把手２を含む筒体１によつて容体８を
保持するのであるから、把持した際に、その力が
容体８に直接的に加えられることはなく、従つて
容体８自体に、この力に対抗するための変形防止
のための機械的強度を多くは必要としない。

さらには、ポケツト部３によつて箸等の付属品
１１の出し入れが容易で確実となつているので、
一体的に取扱うことができ、飲食時の付属品１１
の置き場所としての提供部分となる。

〔実施例〕

図示実施例における筒体１は、断熱性、耐熱
性、保形性に優れている点よりしてポリプロピレ
ン等の所定の合成樹脂材料により成形され、円錐
台筒形状の下端に内鍔７を周設すると共に、この
内鍔７の内周縁に脚片６を垂下設し、また筒体１
の一部を上下に沿つて外方に突出させて上記した
ポケツト部３を形成したものであり、ポケツト部
３の下端は底部４として筒体１下端に連設され
る。

ただし、水分を注入した状態での食品を収納す
る容体８を保持するものであるから、或る程度の
機械的強度が要求せられ、特に把手２は機械的強
度に優れていなければならない。

加熱調理される食品を収納する容体８は、合成
樹脂材料とかアルミ箔板材料で成形されたもの
で、筒壁９と底壁１０とから構成され、筒体１に
対応した円錐台有底筒形状であり、筒体１に嵌め
込んだ際に外周面が筒体１の内周面にほぼぴつた
りと面接して、嵌入姿勢が安定し、底壁１０下面
周縁部が上記した内鍔７の上面に乗載して保持さ
れることになる。

そして、この容体８の筒体１に対する嵌入によ
つて、容体８と筒体１との間における上記ポケツ
ト部３部分の上端に、箸等の付属品１１の出し入
れのための挿入開口端５が形成されることにな
り、箸等の付属品１１は、容体８の筒壁９とポケ
ツト部３を構成する壁体とによつて保持されるの
である。

容体８は、従来のこの種の容器と同様に、使い
捨てであるが、筒体１は、単に容体８をサポート
するだけのものであるから、繰り返しての使用が
可能であり、容体８を簡単かつ安価に成形できる
ので、全体として極めて経済的なものとなる。

所で、図示実施例の場合、筒体１は上方に拡が
つたテーパー筒形状をしていると共に、ポケツト
部３も上方に単純に拡がつた形状に成形されてお
り、そして把手２も一対の両側板と背板とを上方
に単純に拡がる形態で組合せた構造となつてお
り、さらにこの把手２の設けられた筒体１の壁部
分が除去された構造となつているので、この本考
案容器を、第５図図示の如く、相互に嵌合積重、
すなわちスタツクすることができ、これによつて
容器の格納、搬送を良好に達成できるものとなつ
ている。

特に、筒体１が上方に拡がつたテーパー筒形状
となつていることは、本考案容器に対する容体８
の着脱操作が容易に達成できることを意味してお
り、その取扱いをより簡便にしている。

また、図示実施例の場合、把手２を構成する一
対の両側板に指を出し入れするための孔部が形成
されているため、容器の取扱いを、この把手２に
形成された指の引掛けを利用して行うことがで
き、これによつて容体８を組付けた容器の取扱い
がより簡単となると共に、この取扱いに大きな操
作力を必要としない利点を生じることになる。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかな如く、本考案によるサ
ポート用容器は、飲食時に容体の熱に左右される
ことなく、しかも片手で保持できて、極めて取扱
い易いものとなり、従つて容体の耐熱性を高いも
のにしなくて済むので容体の成形が簡単で安価と
なり、箸等の付属品を容体と一緒に保持できるの
で便宜であり、さらに容器同志を嵌合積重させる
ことができるので、多数の容器を狭いスペース内
に効率良く格納収納することができる等、多くの
優れた効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案容器の一実施例の斜視図であ
る。第２図は、第１図に示した本考案実施例の平
面図である。第３図は、第１図に示した本考案実
施例の縦断面図である。第４図は、第１図に示し
た本考案実施例の正面図である。第５図は、本考
案による容器の一実施例を嵌合積重した状態を示
すものである。 符号の説明、１；筒体、２；把手、３；ポケツ
ト部、４；底部、６；脚片、８；容体、１１；付
属品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱調理される食品を収納する容体８が嵌入保
   持される上方に拡がつたテーパ筒形状の筒体１の
   下端に脚片６を配し、前記筒体１の外周に、上方
   に拡がつて開放した把手２を設け、かつ該把手と
   対向位置にある該筒体の筒壁部分を除去すると共
   に、前記筒体１の一部に、開口した上端に向かつ
   て拡がりかつ底部４を有して、箸等の付属品１１
   が収納されるポケツト部３を突出設して成るサポ
   ート用容器。