JP3070131U - 調理用鍋のスプ―ン具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 調理用鍋内に装入配置しておくことで、加熱
時の煮沸作用を調理用鍋内の周囲に分散して噴きこぼれ
等を防止し、また遠赤外線によって被調理物、煮汁素材
等を十分に加熱調理して美味しさを十分に引き出すと共
に被調理物等を直接に取り出し、供食できるようにす
る。 【解決手段】 煮沸調理時の調理用鍋Ｐ内に装入配置す
るよう、遠赤外線発生素材にて形成したスプーン本体１
から成り、調理用鍋Ｐの底部内側面上に所定の間隔を隔
てて載置する掬い部２と、調理用鍋Ｐ外に外出する柄部
３とを備える。掬い部２底部には調理用鍋Ｐ底部内側面
に接する脚体４を突設形成し、また柄部３は、調理用鍋
Ｐに被せる鍋蓋Ｃの外周側縁に形成した外出口６に嵌め
入れるようにし、更には断熱性材製の摘み５を固着す
る。 【効果】 調理用鍋Ｐ底部からの煮沸作用を掬い部２が
抑制して調理用鍋Ｐ内の対流を促進し、また被調理物Ｆ
等を遠赤外線で内部から十分に加熱調理する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は例えば供食者毎に個別に各種の料理を煮沸調理して供食するに際し 、供食者毎に用意された小さな調理用鍋内に装入セットされることで、被調理物 を遠赤外線加熱によって美味しく調理し、その味等を十分に堪能できるようにし た調理用鍋のスプーン具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、例えば宴会席等で会席者毎に一人前の各種の料理を煮沸調理して提 供するとき、会席者毎に小さな調理用鍋を用意しておいて、それを加熱すること でその場で温かい料理として調理し、その調理用鍋から直接に供食できるように することがある。こうした供食場所においての個別の調理提供方式では、一人前 の料理分に相当する被調理物を収納する調理用鍋自体と、この調理用鍋を載置す るコンロ枠と、被調理物を加熱調理するに足りる燃焼量に相当する小型燃料を収 納した燃焼器とを予め用意しておき、また料理品を調理用鍋から取り出す小さな 杓子・スプーンも用意しておくのである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ただこの個別の調理提供方式による調理用鍋は比較的に小型のものであるから 、特に被調理物が煮汁によって煮沸調理されるとき、燃焼器の燃焼度合いによっ ては煮汁が沸騰して周囲に噴きこぼされたり、鍋蓋を持ち上げてしまったりする 等の不都合が生じる場合がある。これを防止するには、燃焼器の燃焼度合いを小 さく調整設定すればよくても、燃焼が不十分であると被調理物を十分に煮沸しな くなるから、被調理物の美味しさを十分に堪能できなくなるのである。

【０００４】 そればかりでなく従来の調理提供方式では、調理用鍋内の煮汁を煮沸すること で調理するから、被調理物に対する熱の授受は伝導、対流によって単に加熱させ るにすぎず、被調理物によっては内部にまで十分に熱が浸透せず素材自体の美味 しさが十分に引き出されず、ただ熱くなっているにすぎないこともあった。

【０００５】 そこでこの考案は叙上のような従来存した諸事情に鑑み案出されたもので、例 えば個別の調理提供方式で使用される調理用鍋内の底部に載置セットされるよう 調理用鍋内に装入しておくことで、底部からの煮汁に対する煮沸熱を調理用鍋周 囲に分散させることでその噴きこぼれ等を防止すると共に、素材自体から生じる 遠赤外線によって被調理物をその内部にわたってまで十分に加熱調理し、被調理 物素材更には煮汁等の美味しさを十分に引き出し、その味を十分に堪能できるよ うにし、またこれによって直接に被調理物を取り出し、供食できるようにした調 理用鍋のスプーン具を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上述した課題を解決するため、この考案にあっては、煮沸調理時の調理用鍋Ｐ 内に装入配置されるよう、遠赤外線発生素材にて形成されたスプーン本体１から 成り、調理用鍋Ｐの底部内側面上に所定の間隔を隔てて載置される掬い部２と、 調理用鍋Ｐ外に外出される柄部３とを備えているものである。 掬い部２底部には調理用鍋Ｐ底部内側面に接する脚体４を突設形成し、また柄 部３は、調理用鍋Ｐに被せられる鍋蓋Ｃの外周側縁に形成された外出口６に嵌め 入れられるようにし、更には断熱性材製の摘み５を固着して構成できる。

【０００７】 以上のように構成されたこの考案に係る調理用鍋のスプーン具にあって、煮沸 調理時の調理用鍋Ｐ内に装入されたスプーン本体１は、その掬い部２が調理用鍋 Ｐの底部内側面上に載置されることで、調理用鍋Ｐの底部からの加熱で煮沸され る調理用鍋Ｐ内の煮汁の沸騰を抑制し、掬い部２周囲に分散させて調理用鍋Ｐ内 の対流を促進させると共にその噴きこぼれ等を防止させる。 また掬い部２、柄部３等は遠赤外線発生素材によって形成されていることで調 理用鍋Ｐ内で加熱されるとき、これらから発生される遠赤外線が被調理物Ｆ、煮 汁素材等をその内部から加熱させ、調理素材の味を十分に引き出させ、まろやか さ等を増進させる。 掬い部２底部の脚体４が調理用鍋Ｐの底部に接して調理用鍋Ｐの底部の内側面 との間に所定の間隔を隔てさせることで調理用鍋Ｐ内部の煮汁等の対流空間を形 成し、掬い部２自体が煮汁等の煮沸を抑制していることと相俟ち調理用鍋Ｐ内の 対流を大きく促進させる。 柄部３は、調理用鍋Ｐに被せられる鍋蓋Ｃの外出口６に嵌め入れられることで 煮沸調理時のスプーン本体１全体の位置ズレ等を阻止させ、また断熱性材製の摘 み５はスプーン本体１を供食者等の手指によって直接に摘ませ、掬い部２によっ て調理後の被調理物Ｆ、煮汁等を取り出させる。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下図面を参照してこの考案の一実施の形態を説明すると、図において示され る符号１は所定の調理用鍋Ｐ内に装入配置されるスプーン本体であり、加熱によ って遠赤外線を発生する例えば陶磁器材、セラミックス材によって形成されてい る。このスプーン本体１自体は調理用鍋Ｐの底部内側面に開口部が上方に向けら れた状態で載置される凹部状の掬い部２と、調理用鍋Ｐ内に装入配置された状態 で調理用鍋Ｐ外に突出配置される柄部３との両者が、掬い部２に対して柄部３が 所定の連結角度に設定されることで一体状になって形成されている。このスプー ン本体１における全体重量は、後述するように調理用鍋Ｐ内に載置された状態で 調理用鍋Ｐが加熱煮沸されるときの煮沸圧力等によっても簡単には浮上されない 程度のものとされている。

【０００９】 また掬い部２は図示のように底部が平坦に形成されていて、この掬い部２の底 部外側面には調理用鍋Ｐの底部内側面との間に所定の間隔を設定して掬い部２を 載置させる突起状の脚体４を例えば３個にして突設配置してある。この脚体４自 体の高さは例えば３〜５ｍｍ程度のものとしてあって、調理用鍋Ｐ内の被調理物 Ｆ、煮汁等を煮沸調理するときに、調理用鍋Ｐの底部内側面と掬い部２の底部外 側面との間隙からの加熱された煮汁等が掬い部２の周囲部分外側面に沿って上昇 案内されて、調理用鍋Ｐ内で循環する対流を生じさせるようにしてある（図３参 照）。

【００１０】 柄部３は、これの上部が図２に示すように、掬い部２が調理用鍋Ｐの底部内側 面に載置された状態で調理用鍋Ｐの上方に外出されるのに十分な長さ（高さ）を 備えたものとなっており、掬い部２との連結角度によって、調理用鍋Ｐ内に装入 されたとき、その連結角度が小さくされることで掬い部２は調理用鍋Ｐの周囲壁 に沿うものとなり、大きくされることで調理用鍋Ｐの中央部側に位置される。ま た供食者等が直接に柄部３自体を摘むことができるように、断熱性ある素材例え ば木材、竹材、プラスチック材その他によって形成された摘み５が柄部３の上部 を覆うように連結固定されている。なおこの柄部３は、図示のように断面で溝形 状になるように形成されているも、中空状、中実棒状等に形成することも可能で ある。

【００１１】 一方、調理用鍋Ｐの上部開口を覆う鍋蓋Ｃは図示のように頂部に摘み部を有す るほぼ逆椀状に形成されていて、その底部縁である開口外周縁には、この鍋蓋Ｃ が調理用鍋Ｐに被せられたときに柄部３を上方に外出させる外出口６を溝状に抉 るように切欠形成してある。この外出口６は、その幅員、深さ等は柄部３の前後 ・左右の幅員等に比しやや大きくしてあって、例えば調理用鍋Ｐ内にスプーン本 体１を予め装入載置した状態で鍋蓋Ｃを被せるときに円滑に行えるようにしてあ る。なお場合によってはこの外出口６は開口外周縁近傍位置で外周縁から若干の 間隔を隔てて孔状に形成されることもある。

【００１２】 次にこれの使用の一例を説明すると、図に示すように例えば宴会席において個 々に調理提供するように、所定の小さい容量を有する調理用鍋Ｐが用意されると き、煮汁や被調理物Ｆが収容されている調理用鍋Ｐをコンロ台Ｂ上にセットし、 適当に加熱調理する。このとき調理用鍋Ｐ内にこの考案に係るスプーン具を装入 しておくのであり、図２、図３に示すようにその脚体４によって調理用鍋Ｐの底 部内側面上に載置すると共に柄部３を調理用鍋Ｐ上方に外出させ、また鍋蓋Ｃの 外出口６を柄部３に位置合わせして鍋蓋Ｃを調理用鍋Ｐに被せる。こうしておい て加熱すれば、調理用鍋Ｐ内において図３に示すように、煮汁等の沸騰を柄部３ が抑制して煮汁全体に対流を生じさせると共に、掬い部２、柄部３が加熱される ことにより発生する遠赤外線にて煮汁、被調理物Ｆ素材等をその内部から加熱す る。調理加熱の終了後では鍋蓋Ｃを開け、摘み５によって摘んだスプーン本体１ で直接に煮汁、被調理物Ｆ等を取り出し、適当に供食するのである。

【００１３】 なお以上のように、個別の調理提供方式による容量が比較的に小さい調理用鍋 Ｐに使用するのみならず、図示を省略したが、使用する調理用鍋Ｐの大小・容量 等に対応した大きさの掬い部２、長さの柄部３とすることで各種の調理用鍋Ｐに 使用可能であるのは勿論である。

【００１４】

【考案の効果】

この考案は以上のように構成されているために、例えば個別の調理提供方式で 使用される調理用鍋Ｐ内の底部に載置セットされるよう調理用鍋Ｐ内に装入して おくことで、底部からの煮汁に対する煮沸熱による沸騰等を抑制し、また調理用 鍋Ｐ内部の周囲に煮沸熱を分散させることで対流作用を促進し、その噴きこぼれ 等を防止できるのである。また掬い部２、柄部３等の素材自体から生じる遠赤外 線によって煮汁、被調理物Ｆをその内部から十分に加熱調理し、被調理物Ｆ等の 素材更には煮汁等の美味しさを十分に引き出し、まろやかさ等を増さしめ、その 味を十分に堪能できるようにするばかりでなく、スプーン本体１自体によって被 調理物Ｆ等を直接に取り出し、供食できるものである。

【００１５】 すなわちこれはこの考案において、煮沸調理時の調理用鍋Ｐ内に装入配置され る遠赤外線発生素材製のスプーン本体１から成り、調理用鍋Ｐの底部内側面上に 載置される掬い部２と、調理用鍋Ｐ外に外出される柄部３とを備えたからであり 、これによって噴きこぼれ防止、十分な加熱、美味しさの引き出し等を実現でき るのである。

【００１６】 また掬い部２底部には調理用鍋Ｐ底部内側面に接する脚体４を突設形成するこ とで、調理用鍋Ｐ内に装入配置されたときには、調理用鍋Ｐの底部の内側面との 間に所定の間隔を隔てさせることになって調理用鍋Ｐ内部の煮汁等の対流空間を 形成するのであり、加熱時の煮沸作用が掬い部２によって抑制されることと相俟 ち、掬い部２の周囲壁外側面に沿った対流を大きく促進させ、調理用鍋Ｐから煮 汁等が溢れたり、噴きこぼれたりするのを防止できるのである。

【００１７】 掬い部２、柄部３等は遠赤外線発生素材によって形成されているから、これが 装入配置された調理用鍋Ｐ内で加熱されるとき、これらから発生される遠赤外線 が被調理物Ｆ、煮汁素材等をその内部から十分に加熱させるものとなり、調理素 材の味を十分に引き出させ、まろやかさ等を増進させ、例えば味噌汁、お粥、雑 炊その他の被調理物Ｆの味を極めて良好なものとするのである。

【００１８】 柄部３は、調理用鍋Ｐに被せられる鍋蓋Ｃの外出口６に嵌め入れられるから、 煮沸調理時に生じる煮沸作用によってスプーン本体１全体が調理用鍋Ｐ内で移動 する位置ズレ等を阻止でき、またこの柄部３に断熱性材製の摘み５を固着してあ るから、この摘み５によってスプーン本体１を供食者等の手指によって直接に摘 ませることができ、掬い部２によって調理後の被調理物Ｆ、煮汁等を簡単、容易 に取り出させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施の形態を示す一部切欠の斜視
図である。

【図２】同じく調理用鍋内に装入した使用状態の断面図
である。

【図３】同じく使用状態の要部拡大断面図である。

【符号の説明】

Ｂ…コンロ台 Ｃ…鍋蓋 Ｆ…被調理物 Ｐ…調理用鍋 １…スプーン本体 ２…掬い部 ３…柄部 ４…脚体 ５…摘み ６…外出口

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 煮沸調理時の調理用鍋内に装入配置され
   るよう、遠赤外線発生素材にて形成されたスプーン本体
   から成り、調理用鍋の底部内側面上に所定の間隔を隔て
   て載置される掬い部と、調理用鍋外に外出される柄部と
   を備えていることを特徴とする調理用鍋のスプーン具。
2. 【請求項２】 掬い部底部には調理用鍋底部内側面に接
   する脚体を突設形成してある請求項１記載の調理用鍋の
   スプーン具。
3. 【請求項３】 柄部は、調理用鍋に被せられる鍋蓋の外
   周側縁に形成された外出口に嵌め入れられるようにして
   あると共に、断熱性材製の摘みを固着してある請求項１
   または２記載の調理用鍋のスプーン具。
4. 【請求項４】 煮沸調理時の調理用鍋内に装入配置され
   るよう、遠赤外線発生素材にて形成されたスプーン本体
   から成り、調理用鍋の底部内側面上に所定の間隔を隔て
   て載置される掬い部と、調理用鍋外に外出される柄部と
   を備え、掬い部底部には調理用鍋底部内側面に接する脚
   体を突設形成し、柄部は、調理用鍋に被せられる鍋蓋の
   外周側縁に形成された外出口に嵌め入れられるようにし
   てあると共に、断熱性材製の摘みを固着してあることを
   特徴とする調理用鍋のスプーン具。