JPS628151Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、電磁調理器にかけて加熱される鍋を
構成する直接煮炊き機能を発揮する容体が高温と
なつても、鍋の外側壁面に触れても熱くない、い
わゆるやけど等をすることがない安全性と、保温
機能とを有し、更にデザインの幅をも著しく拡大
すると共に、上記容体の底部の電磁調理機能をも
減退させないようにした極めて優れた利点と、容
体と外側胴体とが製作工程において寸法上若干の
誤差が発生しても、不良品として処理することな
く、製品化が図れる等の利点をも併有する電磁調
理器用鍋を得ることを目的としたものである。

（従来の技術） 従来の電磁調理器用鍋は、鍋自体を電磁性を有
する鉄、ステンレス製等の資材を以て形成するだ
けの単体鍋のために、鍋自体が加熱されて、うつ
かり触ろうものなら、直ちにやけど等の危険があ
り、更に保温性も悪く、まして、加熱や洗つたり
するために、鍋外側周面部へ適宜のデザインを施
しても、早期に剥がれ、極めて見にくい現象を惹
起して鍋の美観を損傷せしめ、調理全体のムード
をも悪化する弊害が多々存していた。

（本考案が解決しようとする問題点） 本考案の電磁調理器用鍋は、従来の電磁調理器
用鍋に比し、電磁調理器にかけて鍋を構成する容
体自体が加熱されても、熱伝導が皆無のためやけ
どの危険がないし、持運びも安心してできるし、
保温機能も著大で、更に鍋の外側周面部に適宜の
デザインをも自由自在に施すことができると共
に、容体と外側胴体とを嵌脱自在に組立てること
ができるようにすれば、ストツク中の別個の外側
胴体の取替えることができて経済性をも著しく高
めることができるし、又本考案の場合、両体が製
造工程時に寸法上に若干の誤差が生じても、直ち
に不良品とすることなく、多少の寸法上の誤差が
あつても製品化が図れて、無駄を殆んど皆無にで
きる等、多数の優れた利点を併有する電磁調理器
用鍋を得ることを目的としたものである。

（問題を解決するための手段） 上方開口部を外側方向へ展開し、且水平体又は
湾曲状の開口縁部と、囲繞壁面部の所定個所にス
トツパー部を取着した鉄、ステンレス製等の電磁
性を有する資材製容体と、上記容体が嵌込まれた
ときに空隙部が形成される程度の大きさで、内側
面に容体の底部より若干底上げした位置に底面部
が位置するように、且ストツパー部より上方に位
置する形状にてストツパー部と同じ数だけの係止
部を突設し、上下方開口部の中、上下開口部より
外側方向に若干傾斜させて延設した鍔部を有する
陶磁製又はプラスチツク製、耐熱ガラス製等の耐
熱性と強度を有する資材製の外側胴体とを夫々別
設し、外側胴体の底部を容体の底部より若干上方
へ持上げた形状にて組立て嵌着形成したことを特
徴とする電磁調理器用鍋。

（実施例） ａは電磁調理器用鍋を構成する鉄、ステンレス
製等の電磁性を有する資材製容体、１は該容体ａ
を構成する電磁調理器に載置した際、安定し、且
加熱に適した、いわゆる電磁機能を十分発揮でき
る形状にて形成の底部である。２は容体ａを構成
する囲繞壁面部、３は容体ａの上方開口部４を外
側方向へ展開し、且湾曲状にカールした開口縁部
である。５は囲繞壁面部２の所定個所に、通常４
個所、即ち前後両側面部と左右両側面部に、基部
６だけは上記壁面部２に接着させ、他方の引掛け
部７は壁部２と若干の空隙部８を有し、且基部６
を若干低く、引掛け部７を漸次高くした形状にて
取着したストツパー部である。ｂは耐熱性及び強
度を有する陶磁製又はプラスチツク製、耐熱ガラ
ス製等の外側胴体であつて、上、下両開口部１
０，１０′を有し以下の構成から成つている。即
ち容体ａの径より若干大きく、容体ａが嵌込まれ
た時に空隙部９が形成される程度の大きさで、上
方開口部１０の頂部より若干下方の外側面部より
外側方向に若干傾斜させて延設した鍔部１０ａを
一部分又は一体に形成する。又外側胴体ｂの高さ
は、図面図示の如く、容体ａの開口縁部３の端部
が傾斜する鍔部１０ａに載置し、且載置した形状
で底部１より若干上方に位置した、いわゆる間隙
部１２を有する形状にて形成する。そして該胴体
ｂの内側面部１３に開口縁部３と胴体ｂの鍔部１
０ａとが密着状態にあつて、且容体ａの底部１
と、胴体ｂの底面部１１とが間隙部１２を有する
状態を保持できる位置に、ストツパー部５よりも
上方に位置する形状にてストツパー部５と同じく
通常４個所係止部１４を突設する。上述の如く容
体ａと外側胴体ｂとの嵌着法には、容体ａを転覆
し上方になつた底部１に対し、外側胴体ｂの開口
部１０から嵌挿させ、且各係止部１４を各ストツ
パー部５の間から落し込み開口縁部３が上方開口
部１０の頂部に載置するか、又は開口縁部３と鍔
部１０ａとが密着状態になるまで胴体ｂを回転し
てやると、各ストツパー部５と各係止部１４とが
係合して両部材を嵌着させることができる。反対
に両構成部材を離脱させるには、上述とは逆回転
させれば、ストツパー部５が傾斜しているので係
止部１４がストツパー部５から容易に離脱し、離
脱したら両部材は容易に分離できる。従つて、予
備の外側胴体ｂと交換することも容易である。ｃ
は蓋体、１５はつまみ部である。そして胴体ｂの
底面部１１は陶磁製の場合、強度を持たせるため
に内側方向へ突設した、いわゆる鍔部にて形成し
ても良い。更に胴体ｂには耐熱性資材を使用する
から、胴体ｂの外側面１６には適宜の模様等のデ
ザインが可能であることは当然である。

（作 用） 電磁性を有する資材製の容体ａに対し、耐熱性
と強度が著しく高い資材製の外側胴体ｂが、図面
図示の如く、底面部１１を容体ａの底部１より若
干底上げして組立てられ、更に容体ａの開口縁部
３が上方開口部１０の頂部に載置しているか、又
は開口縁部３が胴体ｂの上方部鍔部１０ａの傾斜
面に載置した状態で両体ａ，ｂが組立てられてい
る。そのとき容体ａと胴体ｂとは若干の空隙部９
を有して組立てられている。

（効 果） (1) 本考案は上述のとおりであつて、殊に電磁性
の資材製の容体と、外側胴体上下方が開口状の
陶磁製又はプラスチツク製、耐熱ガラス製等の
耐熱性と強度を有する資材製外側胴体とを別設
し、両部材を嵌着して組立てた鍋なので、電磁
調理器にかけて加熱されても、加熱物が内側に
嵌着の容体だけであつて、外側胴体ではなく、
従つて該胴体に触れても、やけど等の危険がな
く、安全利用ができると共に、胴体の底面部を
容体の底部よりも若干底上げしているので、電
磁調理時に容体の底部だけが電磁器の平担面部
と密着して電磁機能を阻害しない利点を有して
いる。

(2) 更に本考案は、容体と胴体との間に、若干の
空隙部が形成されていることと、胴体が耐熱性
の資材製であることと相俟つて相乗効果をもた
らして、容体の熱を外部へ放出させない、いわ
ゆる胴体自体が保温機能を著しく発揮し、被煮
炊き器具が単に本考案の容体だけだけに匹敵す
る従来品の鍋とは比較にならない程大きい比率
の保温機能を有している。

(3) 又本考案は、胴体を耐熱性を有し、且強度も
十分具有する資材製となしたので、胴体自体が
高温となることがないので、安心して持運びが
できると共に、胴体外周面部に対するデザイン
もできるので、従来の電磁調理器用鍋に比し、
デザインに富んだ極めて多種類の商品を積極的
に産出できる等の優れた利点を併有している。

(4) その他本考案は、両体が製作工程時におい
て、寸法上若干の誤差が生じても、容体の開口
縁部が外側胴体を構成する上方開口部の頂部に
載置するか、又は開口縁部が鍔部の傾斜面の何
れかの面に引掛り、密着でき、従つて鍔部から
開口縁部が外れない限り、両体は確実に嵌着状
態を保持できるので、本考案は製造した両体が
殆んど不良品とはならない利点をも併有してい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は電磁調理器用鍋の半截縦断正面図、第
２図は外側胴体の半截縦断正面図、第３図は同外
側胴体の一部切欠平面図、第４図は被蓋した容体
の半截縦断面図、第５図は容体の一部切欠平面
図、第６図は要部の一部切欠縦断面図である。 ａ……容体、ｂ……外側胴体、１……底部、２
……囲繞壁面部、３……開口縁部、４……上方開
口部、５……ストツパー部、６……基部、７……
引掛け部、８，９……空隙部、１０，１０′……
開口部、１０ａ……鍔部、１１……底面部、１２
……間隙部、１３……内側面部、１４……係止
部、１５……つまみ部、１６……外側面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上方開口部を外側方向へ展開し、且水平上又は
   湾曲状の開口縁部と、囲繞壁面部の所定個所にス
   トツパー部を取着した鉄、ステンレス製等の電磁
   性を有する資材製容体と、上記容体が嵌込まれた
   ときに空隙部が形成される程度の大きさで、内側
   面に容体の底部より若干底上げした位置に底面部
   が位置するように、且ストツパー部より上方に位
   置する形状にてストツパー部と同じ数だけの係止
   部を突設し、上下方開口部の中、上下開口部より
   外側方向に若干傾斜させて延設した鍔部を有する
   陶磁製又はプラスチツク製、耐熱ガラス製等の耐
   熱性と強度を有する資材製の外側胴体とを夫々別
   設し、外側胴体の底部を容体の底部より若干上方
   へ持上げた形状にて組立て嵌着形成したことを特
   徴とする電磁調理器用鍋。