JP4548615B2 - シリンダブロックの半溶融成形方法および半溶融成形装置 - Google Patents

シリンダブロックの半溶融成形方法および半溶融成形装置 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関のシリンダブロックを成形するための半溶融成形方法および半溶融成形装置に関する。
近年、自動車部品のアルミ化が進む中、シリンダブロックについても、アルミニウム合金の鋳造品が用いられるようになってきている。このようなアルミニウム合金製シリンダブロックにおいては、通常、ボア部の耐摩耗性と摺動特性とを確保するため、別途用意した鋳鉄製または鋼製のシリンダライナを鋳包むようにしている(例えば、特許文献1参照)。
ところで従来、アルミニウム合金製シリンダブロックの鋳造には、射出スリーブから溶湯を金型キャビティに加圧充填するダイカスト鋳造法が一般に採用されていた(同上、特許文献1等参照)。しかし、このダイカスト鋳造法では、射出スリーブへの給湯中に溶湯が酸化して多量の酸化物が生成するほか、射出スリーブからの射出中に空気の巻込みが起こり、これら酸化物や巻込み空気がキャビティ内に持込まれて鋳造品内部に入り込み、鋳造品質を劣化させる、という問題があった。また、金型における方案部(ランナ、ゲート等)の設計や射出条件が不適正であると、キャビティ内への溶湯補給が不十分となり、鋳造品に引け巣が発生する、という問題もあった。
一方、アルミニウム系材料の高品質な成形技術として、半溶融成形方法が注目を集めている。この半溶融成形方法は、半溶融状態に加熱した金属、いわゆる半溶融金属を金型のキャビティに加圧充填するもので、上記した酸化物の生成や空気の巻込みが抑えられるばかりか、引け巣の発生が抑えられる利点を有している。したがって、この半溶融成形をアルミニウム合金製シリンダブロックの成形に利用すれば、上記したダイカスト鋳造法における諸問題を解決できるものと期待される。なお、半溶融成形は、ダイカスト鋳造装置をそのまま利用して行うことが多く(例えば、特許文献2参照)、この場合は、溶湯に代えて半溶融金属からなるビレットが射出スリーブに供給され、射出スリーブ内のピストン(プランジャ)の前進により、ビレット材の半溶融金属が金型キャビティへ加圧充填される。
特開2005−14036号公報 特開2000−15429号公報
しかしながら、ダイカスト鋳造装置をそのまま利用してシリンダブロックを半溶融成形する場合は、金型内に、ボアを形成するためのボア中子(シリンダライナが嵌合される)をはじめ、ウォータジャケットを形成するための中子が配置されるため、キャビティが複雑形状となり、方案部を通る際の温度低下の影響もあって、キャビティ内での材料回り(半溶融金属の充填)が不十分となりやすく、所望の形状精度を確保するのが困難になる。
本発明は、上記した技術的背景に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、金型キャビティ内への半溶融金属の十分なる充填を保証し、もって形状精度に優れたシリンダブロックを高品質に成形することができる半溶融成形方法および装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係るシリンダブロック半溶融成形方法は、射出スリーブに摺動可能に内装された段付きピストンの先端側の小径部にシリンダライナを外嵌すると共に、前記段付きピストンおよびシリンダライナの先端側に半溶融金属からなるビレットを供給し、次に、前記段付きピストンの前進により前記ビレット材の半溶融金属を前記キャビティに加圧充填し、これと同時に前記充填金属中に前記シリンダライナを圧入し、しかる後、前記ピストンを後退させて、前記シリンダライナをそのまま充填金属中に残すことを特徴とする。
また、本発明に係るシリンダブロックの半溶融成形装置は、キャビティ内のボア形成部位に直通する装入口を壁面に設けた金型と、ピストンを射出スリーブに摺動可能に内装してなる射出装置とを備え前記射出スリーブは、前記装入口と同心をなすように金型に接合され該射出スリーブ内のピストンは、基端側に配置され射出スリーブ内を摺動する大径部と、この大径部の先端側に配置され成形すべきシリンダブロックのボア径と同径に設定されてシリンダライナが嵌合される小径部と、大径部と小径部とを連接し小径部に嵌合されたシリンダライナの一端が着座する段差面とを有する段付きピストンとなっており、射出装置が、その小径部にシリンダライナを嵌合支持して段差面に一端面を着座させた状態で前進して、該シリンダライナと前記小径部の先端側に供給された半溶融金属からなるビレットとを前記装入口を通して金型のキャビティ内に一体的に押込み、前記ビレット材の半溶融金属を前記キャビティに加圧充填すると共に、前記充填金属中にシリンダライナを圧入するものであることを特徴とする。
本発明に係るシリンダブロックの半溶融成形方法および装置においては、小径部にシリンダライナが外嵌された段付きピストンの前進によりビレット材の半溶融金属を前記キャビティに加圧充填し、これと同時に充填金属中に前記シリンダライナを圧入し、しかる後、ピストンを後退させて、シリンダライナをそのまま充填金属中に残すので、キャビティに半溶融金属を加圧充填した後の段付きピストンの抜け跡がボアになるとともに、ボア内面を画定するシリンダライナがそのまま充填金属中に残るので、キャビティ内に予めボア中子を配置する必要はなく、したがってキャビティが複雑形状となることはない。また、射出スリーブ内のピストンの前進によりビレット材の半溶融金属が直接キャビティ内に加圧充填されるので、半溶融金属の温度低下が抑えられる。そして、これらのことよりキャビティ内における半溶融金属の回りが円滑となり、その充填量が十分となって、形状精度の確保が確実となる。
本半溶融成形方法および装置においては、半溶融金属をキャビティに加圧充填する際、段付きピストンまたは装入口に対向してキャビティ内に設定した分流子により半溶融金属を分流するようにしてもよく、これにより半溶融金属の流動性が高まって充填性がより一層向上する。
本半溶融成形方法および装置において、上記金型は上下分割構造であっても、左右分割構造であってもよいが、上下分割構造の金型を用いる場合は、射出スリーブが、下型に接合して配置した縦型射出スリーブからなり、ビレットが、前記下型の上方から供給されて、該縦型射出スリーブの外でピストンの先端に載置されるようにしてもよい。この場合は、ビレットが射出スリーブ内面に接することがないので、半溶融金属の温度低下はより一層抑制される。
本半溶融成形方法および装置において、成形すべきシリンダブロックに設けられる気筒数は任意であり、複数の気筒を必要する場合は、上記射出スリーブを含む射出装置を成形するシリンダブロックの気筒の数に応じて用意し、各射出スリーブから同時に半溶融金属を金型のキャビティに加圧充填し、これと同時に充填金属中にシリンダライナを圧入する。
また、本半溶融成形方法および装置で用いる半溶融金属およびシリンダライナの材種は任意であるが、半溶融金属としてアルミニウム合金を、シリンダライナとして鉄系材料をそれぞれ選択することができる。
本半溶融成形装置はさらに、金型の装入口を、金型本体に脱着可能に装着されたブッシュ入子に設定し、該ブッシュ入子に、ウォータジャケット形成用中子を持たせた構成としてもよい。このように構成した場合は、ブッシュ入子の交換するだけ簡単に段替えを行うことができる。
本発明に係るシリンダブロックの半溶融成形方法および装置によれば、金型キャビティ内への半溶融金属の充填量を十分に高めることができるので、形状精度に優れたシリンダブロックを高品質に成形することができる。また、ビレット材の半溶融金属を直接的にキャビティ内に加圧充填するので、方案部やビスケットを必要とする汎用のダイカスト鋳造法をそのまま応用する場合に比べて、スクラップの発生量が大幅に削減し、材料歩留りの大幅な向上を達成できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るシリンダブロックの半溶融成形装置の一つの実施形態を示したものである。同図において、1は金型、20は、金型1下に配設された射出装置である。金型1は、固定ベース2上に配置固定された下型3と、図示を略す型締機構に吊下支持され、下型3に対して接近離間する上型4と、下型3上に放射状に複数(ここでは、4つ)配置され、対応するシリンダ5により進退動して、相互に型閉じおよび型開きされるスライド型6とから概略構成されている。この金型1においては、複数のスライド型6を型閉じした後、上型4を下動させて各スライド型6の上面を押える(型締めする)ことで、これら各型の相互間に成形空間としてのキャビティCが画成される。
本実施形態において、下型3は、下主型7とこの下主型7に形成した円錐状の孔7aに脱着可能に嵌合固定されたブッシュ入子8とからなっている。ブッシュ入子8は、その中心位置に上記キャビティCに直通する開口(装入口)9を有すると共に、その上面にウォータジャケット形成用の筒状中子10を有している。一方、上型4は、上主型11とこの上主型11に形成した凹部11aに脱着可能に嵌合固定された上型入子12とからなっている。上型入子12は、前記下型3のブッシュ入子8の装入口9に対向する部位に錐体形状の分流子13を有すると共に、該分流子13の周りに、スカート形成用の環状突起14を有している。
上型4にはまた、複数の押出ピン15を有する押出板16が配設されている。押出板16は、前記上主型11と上型入子12との間の空所S内に配置され、押出ピン15は、上型入子12に形成したピン孔12aに挿入されている。押出板16は、図示を略す押出機構から上主型11を貫通して延ばした作動ロッド17に連結されており、押出ピン15は、前記押出機構によって押出板16が昇降駆動されることで、前記キャビティ7内に進退出するようになる。なお、下型3の上面および上型4の下面には、スライド型6の移動を円滑にするためのスライド板18,19が配設されている。
射出装置20は、下型3を支持する固定ベース2に先端部(上端部)が連結された縦型の射出スリーブ21と、この射出スリーブ21に摺動可能に内装された段付きピストン22と、この段付きピストン22にロッド23を連結させて、該ロッド23を介して段付きピストン22を進退動させる駆動手段(図示略)とを備えている。本実施形態において、射出スリーブ21の内径は、下型3を構成するブッシュ入子8の装入口9の口径と同じ大きさに設定されている。射出スリーブ21は、前記装入口9と同軸をなすようにその先端をブッシュ入子8に当接させて位置固定されており、これにより射出スリーブ21の内面は段差を生じることなく装入口9に連接されている。
射出スリーブ21内の段付きピストン22は、基端側の大径部24と先端側の小径部25とを段差面26を介して連接してなっており、その大径部24が射出スリーブ21内を摺動するようになっている。この段付きピストン22の先端側の小径部25は、成形すべきシリンダブロックのボア径とほぼ同径に設定されており、したがって、この小径部25には、シリンダブロックに一体成形されるシリンダライナ28が嵌合できるようになっている。また、この小径部25の先端には断熱板27が接合されており、この断熱板27を含む小径部25の全長は、シリンダライナ28の長さと同じに設定されている。したがって、小径部25にシリンダライナ28を、その一端が前記段差面26に着座するまで嵌合させると、断熱板27の端面とシリンダライナ28の端面とがほぼ面一に位置決めされるようになる。
上記のように構成した半溶融成形装置により半溶融成形を行うには、別途シリンダライナ28を用意すると共に、所定の大きさのビレット29を用意する。ビレット29は、下型3を構成するブッシュ入子8の装入口9の口径よりもわずか小径となるようにその外径が設定されている。したがって、ビレット9は、図1に示されるように、ブッシュ入子8の装入口9を通して射出スリーブ21内の段付きピストン22の上端に載置可能となる。半溶融成形に際しては、このビレット29を加熱して半溶融状態とし、所定の固相率の半溶融金属とする。この場合、ビレット29の加熱方式は任意であり、炉内加熱しても、誘導加熱してもよい。
以下、上記構成の半溶融成形装置により行う半溶融成形方法を、図2および図3も参照して説明する。
半溶融成形の開始に際しては、上型4を上昇させると共に各スライド型6を後退させて型開き状態とし、この状態のもと、先ずシリンダライナ28を、下型3の上方からブッシュ入子8の装入口9を通して射出スリーブ21内に直立姿勢で投入し、段付きピストン22の先端側の小径部25に嵌合させると共に、その一端を段差面26に着座させる。次に、別途半溶融状態に加熱したビレット29を、シリンダライナ28と同様にブッシュ入子8の装入口9に投入し、段付きピストン22の先端に載置する。この時、段付きピストン22の先端は、ブッシュ入子8の装入口9の内部に位置決めされており、これによりビレット29は、射出スリーブ21の内面に接触せず、したがってその温度低下が抑制される。
上記したシリンダライナ28および半溶融金属からなるビレット29のセットを終えたら、先ずスライド用シリンダ5の作動により各スライド型6を相互に前進させて型閉じし、続いて上型4を下動させて各スライド型6の上面に接触させて型締めする。これにより、図1に示したように各型の相互間に成形空間としてのキャビティCが画成され、ビレット29は、このキャビティC内に大きく突出して配置され、この状態でビレット29の先端が分流子13に近接する位置に位置決めされる。
次に、射出装置20の駆動手段の作動により射出スリーブ21内の段付きピストン22を上動(前進)させる。すると、ビレット29の先端が直ちに分流子13に衝突してせん断され、これによりビレット材である半溶融金属の流動性が高まり、半溶融金属が分流子13の周りからキャビティC内の周辺へ円滑に流動する。そして、遂には、図2に示されるようにキャビティCに半溶融金属Mが充填され、これと同時にシリンダライナ28が充填金属中に圧入される。この場合、上記したように射出スリーブ21との非接触でビレット29の温度低下が抑えれ、かつキャビティC内への直接的充填で半溶融金属の温度低下が抑えられていることから、キャビティC内における材料回りは十分となり、キャビティC内への半溶融金属Mの充填量は十分となる。また、段付きピストン22は、その段差面26がキャビティCを画成するブッシュ入子の上面と面一になる位置が前進端となっているので、シリンダライナ28は、余すところなくその全体が充填金属中に圧入される。
そして、上記充填完了後、図3に示されるように段付きピストン22を後退させる。すると、段付きピストン22の抜け跡がボア30として残り、一方、ボア内面を画定するシリンダライナ28がそのまま充填金属中に残る。その後は、先ずスライド用シリンダ5の作動により各スライド型6を後退させ、続いて上型4を上動させる。すると、成形体としてのシリンダブロックが上型4に張付いて下型3から脱型し、これによりウォータジャケット形成用中子10が成形体から抜けて、その抜け跡がウォータジャケットとして残る。その後は、押出板16が、図示を略す押出機構の駆動力を受けて下降し、これに応じて押出ピン15が成形体を上型4から払い出し、これにてシリンダブロックの半溶融成形は終了する。
このようにして得られたシリンダブロックは、キャビティC内における半溶融金属Mの充填量が十分であることから、形状精度に優れたものとなる。また、ビレット29の温度低下が抑えられることから、ビレット29の表面に形成される凝固層の形成もわずかとなり、凝固層がシリンダブロック内部に入り込んで品質を低下させることもない。さらに、ビレット29が射出スリーブ21の内面に接触しないので、通常必要とする、射出スリーブ内面に対する潤滑剤塗布は不要となり、その分、作業性が向上する。
なお、上記実施形態においては、1つの気筒を有する単気筒のシリンダブロックを例にとって説明したが、複数気筒を有するシリンダブロックを半溶融成形する場合は、上記した段付きピストン24を内装した射出スリーブ21を気筒数の数だけ用意し、各射出スリーブ21から同時に半溶融金属のビレット29を金型1のキャビティCに加圧充填し、これと同時に充填金属中にシリンダライナ28を圧入することになる。
また、上記実施形態においては、射出装置20の射出スリーブ21を下型3に固定したが、ダイカスト鋳造には、射出スリーブを昇降および傾動機構に支持させて、金型の下方で射出スリーブ内に溶湯を受ける方式もあるので、本発明は、この方式を応用して、金型1の下方で射出スリーブ21内にシリンダライナ28および半溶融状態のビレット29を受けるようにしてもよい。ただし、この場合は、ビレット29が射出スリーブ21内に納まって射出スリーブ21内から押出されることになるので、スリーブ内面への潤滑剤塗布が必要になる。
さらに、ダイカスト鋳造法には、横分割構造の金型と横型射出スリーブとを組合せて行う横方式もあるので、本発明は、図1に示した装置を横置きに配置し、横型射出スリーブにシリンダライナ28および半溶融状態のビレット29を装入して、横方向からキャビティC内にこれらを押込むようにしてもよい。
図4に示されるごとき、外径Dが約80mmの気筒部Waを1つだけ有する単気筒ブロックWを、図1に示した半溶融成形装置を用いて半溶融成形した。ここで、ブロックWに一体成形するシリンダライナ28として、内径aが50mm、外径bが60mm、長さcが80mmの大きさを有する鋳鉄ライナを用意し、また、ビレット29として、A357アルミニウム合金からなる、直径dが70mm、長さeが200mmの大きさを有するものを用意した。また、射出スリーブ21についてはその内径fを60.2mmに設定し、段付きピストン22についてはその小径部25の直径gを48.8mmに設定した。
そして、上記ビレット29を580℃まで誘導加熱して、固相率約50%の半溶融金属とした後、これを、図1に示した態様で、予めシリンダライナ28を小径部25に嵌合セットした段付きピストン22の先端に載置し、ビレット材である半溶融金属を、射出速度2m/sec、射出圧力40MPaの条件でキャビティCに加圧充填し、これと同時に充填金属中に前記シリンダライナ28を圧入し、上記単気筒ブロックWを成形した。そして、得られたブロックWについて、寸法形状を測定し、併せて表面性状および内部組織を観察した。この結果、寸法形状精度は十分満足する値が得られ、しかも、欠肉等の欠陥はもちろん、酸化物や凝固層の巻込みが全く認められず、本半溶融成形方法および装置が成形品質の向上に大きく寄与することを確認できた。
本発明に係るシリンダブロックの半溶融成形装置の一つの実施形態を示す断面図である。 本半溶融成形装置による半溶融成形方法の実施状況を示したもので、半溶融金属のキャビティ内への加圧充填完了時点の状態を示す断面図である。 本半溶融成形装置による半溶融成形方法の実施状況を示したもので、成形の最終段階の状態を示す断面図である。 本発明の実施例で成形する単気筒ブロックと、その成形に用いたビレット、シリンダライナ、射出スリーブ、段付きピストン等の寸法関係を示す説明図である。
符号の説明
1 金型、 3 下型
4 上型、 6 スライド型
8 ブッシュ入子
9 装入口
13 分流子
20 射出装置
21 射出スリーブ
22 段付きピストン
25 段付きピストンの小径部
28 シリンダライナ
29 半溶融金属からなるビレット
C キャビティ
M 半溶融金属

Claims (11)

  1. 射出スリーブに摺動可能に内装された段付きピストンの先端側の小径部にシリンダライナを外嵌すると共に、前記段付きピストンおよびシリンダライナの先端側に半溶融金属からなるビレットを供給し、次に、前記段付きピストンの前進により前記ビレット材の半溶融金属を前記キャビティに加圧充填し、これと同時に前記充填金属中に前記シリンダライナを圧入し、しかる後、前記ピストンを後退させて、前記シリンダライナをそのまま充填金属中に残すことを特徴とするシリンダブロックの半溶融成形方法。
  2. 半溶融金属をキャビティに加圧充填する際、射出シリンダ内の段付きピストンに対向してキャビティ内に設定した分流子により半溶融金属を分流することを特徴とする請求項1に記載のシリンダブロックの半溶融成形方法。
  3. 射出スリーブが、上下分割構造の金型の下型に接合して配置した縦型射出スリーブからなり、ビレットが、前記下型の上方から供給されて、該縦型射出スリーブの外でピストンの先端に載置されることを特徴とする請求項1または2に記載のシリンダブロックの半溶融成形方法。
  4. 射出スリーブを、必要とする気筒数の数だけ用意し、各射出スリーブから同時に半溶融金属を金型のキャビティに加圧充填し、これと同時に充填金属中にシリンダライナを圧入することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のシリンダブロックの半溶融成形方法。
  5. 半溶融金属がアルミニウム合金からなり、シリンダライナが鉄系材料からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のシリンダブロックの半溶融成形方法。
  6. キャビティ内のボア形成部位に直通する装入口を壁面に設けた金型と、ピストンを射出スリーブに摺動可能に内装してなる射出装置とを備え
    前記射出スリーブは、前記装入口と同心をなすように金型に接合され
    該射出スリーブ内のピストンは、基端側に配置され射出スリーブ内を摺動する大径部と、この大径部の先端側に配置され成形すべきシリンダブロックのボア径と同径に設定されてシリンダライナが嵌合される小径部と、大径部と小径部とを連接し小径部に嵌合されたシリンダライナの一端が着座する段差面とを有する段付きピストンとなっており、
    射出装置が、その小径部にシリンダライナを嵌合支持して段差面に一端面を着座させた状態で前進して、該シリンダライナと前記小径部の先端側に供給された半溶融金属からなるビレットとを前記装入口を通して金型のキャビティ内に一体的に押込み、前記ビレット材の半溶融金属を前記キャビティに加圧充填すると共に、前記充填金属中にシリンダライナを圧入するものであることを特徴とするシリンダブロックの半溶融成形装置。
  7. 金型のキャビティ内の、装入口に対向する部位に、射出シリンダ内の段付きピストンにより押込まれたビレット材の半溶融金属を分流させる分流子を配設したことを特徴とする請求項6に記載のシリンダブロックの半溶融成形装置。
  8. 射出スリーブが、上下分割構造の金型の下型に接合して配置された縦型射出スリーブからなり、該縦型射出スリーブ内の段付きピストンが、前記下型の上方から供給されたビレットを該射出スリーブの外でその先端に受けることを特徴とする請求項6または7に記載のシリンダブロックの半溶融成形装置。
  9. 金型の装入口を、成形するシリンダブロックの気筒の数に応じて設けると共に、各装入口に対して射出装置を配設したことを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載のシリンダブロックの半溶融成形装置。
  10. 半溶融金属がアルミニウム合金からなり、シリンダライナが鉄系材料からなることを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項に記載のシリンダブロックの半溶融成形装置。
  11. 金型の装入口を、金型本体に脱着可能に装着されたブッシュ入子に設定し、該ブッシュ入子に、ウォータジャケット形成用中子を持たせたことを特徴とする請求項6乃至10の何れか1項に記載のシリンダシリンダブロックの半溶融成形装置。

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