JP5452068B2 - スタンプ成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成形型内に収容された半凝固スラリーとワークとを互いに接合して接合成形品を得るスタンプ成形方法に関する。
組成が互いに相違する金属材同士を接合して接合成形品を得る手法の1つとして、半凝固スラリーを用いた射出成形が開示されている。すなわち、成形型内にワークを収容し、型締めを行った後に半凝固スラリーを注入して該半凝固スラリーをキャビティの形状に対応する形状に成形するとともに、該半凝固スラリーを前記ワークに接合する手法である(例えば、特許文献1参照)。ここで、「半凝固スラリー」とは、特許文献1にも記載されている通り、固液共存状態の溶湯を指称する。なお、一般的に、半凝固スラリーは、加圧された際にはじめて流動性を示す程度に軟質である。
別の手法としては、鋳ぐるみ部材を接合する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。この手法は、ワーク(被鋳ぐるみ材)を収容した成形型内に金属溶湯を充填して固化するものである。金属溶湯は成形型のキャビティの形状に従って固化し、この際にワークに接合する。
しかしながら、いずれにおいても、ワークと半凝固スラリー、換言すれば、金属材同士の強度や接合品質が安定した金属接合を得ることは容易ではない。そこで、特許文献2記載の従来技術においては、Al合金からなる半凝固スラリーを成形する際の加圧力を200〜2000kgf/cm2とすることにより、該半凝固スラリーのワークに対する濡れ密着性を向上させることを試みている。
特開2001−58253号公報 特開平10−99961号公報
しかしながら、特許文献2記載の従来技術では、溶湯状態で金型に注入し、半凝固状態まで冷却させるので、溶湯の温度のバラツキ幅が大きく、このために半凝固スラリーの固相率にムラが生じる。
そこで、半凝固スラリー及びワークを金型に予め収容して成形を行うことが想起されるが、この場合、半凝固スラリーの固化物とワークとの接合強度を確保することが容易ではないという問題が指摘されている。この観点から、半凝固スラリーの固化物とワークとの接合強度を一層向上することが希求されている。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、半凝固スラリーの固化物とワークとの接合強度が大きな接合成形品を効率よく得ることが可能なスタンプ成形方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、成形型内に収容された半凝固スラリーとワークとを互いに接合することで接合成形品を得るスタンプ成形方法であって、
前記ワークを前記成形型に収容する前又は収容した後に、該ワークを、該ワークと前記半凝固スラリーとを拡散接合することが可能な温度に到達させる工程と、
前記ワークとともに前記成形型に収容された前記半凝固スラリーを成形するとともに、前記ワークの少なくとも一端面上において前記半凝固スラリーを摺動させることで、ワークに存在する酸化膜、及び半凝固スラリーの表面に存在する酸化膜の双方を破壊して金属面同士を露呈させ、露呈した金属面同士を拡散接合する工程と、
を有し、
前記ワーク及び前記半凝固スラリーとして、互いに合金種が相違するアルミニウム合金を用いることを特徴とする。
この場合、ワークにおける半凝固スラリーが摺動した端面では、10nm程度の薄い酸化膜が破壊される。その一方で、半凝固スラリーがワークの端面に沿って摺動する最中、該半凝固スラリーの表面に存在する酸化膜も破壊される。すなわち、本発明においては、表面の酸化膜が破壊されることで金属面が露呈したワークが、表面から酸化膜が除去されることで金属面が露呈した半凝固スラリーに対向して接触する。
酸化膜が破壊された半凝固スラリーは、ワークにおける酸化膜が存在しない部位、すなわち、金属に対して良好な濡れ性を示す。従って、該ワークに対して半凝固スラリーが濡れ密着し、この状態で、半凝固スラリーが固化物となる。これに伴い、該固化物とワークとが堅牢に接合する。
しかも、この場合、半凝固スラリーの構成元素、例えば、Siがワークの内部に拡散する。上記から諒解されるように、ワークの温度が、半凝固スラリーに含まれる金属元素が該ワークに拡散することが可能な温度に到達しているからである。同時に、ワークの構成元素、例えば、Mgが半凝固スラリーないしその固化成形体に拡散する。
すなわち、本発明によれば、ワークと半凝固スラリーの固化物とが拡散接合を介して接合する。このため、接合強度が優れた接合部を有する接合成形品を得ることができる。
なお、Siを主な添加元素として含有するアルミニウム合金からなる半凝固スラリーを用いた場合には、ワークの温度を395℃以上に設定すればよい。これにより、半凝固スラリーに含まれるSiをワークの内部に十分に拡散させることが可能となる。
半凝固スラリーの摺動距離は、10mm以上であることが好ましい。10mm未満であると、ワークの表面の酸化膜が十分に破壊されないことがあるからである。
ワークの温度を上昇させるためには、例えば、該ワークを半凝固スラリーに接触させて待機すればよい。すなわち、この場合、半凝固スラリーからの熱伝達によってワークの温度が上昇する。
又は、成形型からワークに熱を伝達するようにしてもよい。この場合、スタンプ成形を実施する前に成形型を十分に予熱すればよい。さらにまた、成形型外でワークの予熱を行い、その後、成形型内にワークを収容するようにしてもよい。
本発明においては、温度が十分に上昇したワークの端面に沿って半凝固スラリーを摺動させることで該半凝固スラリー及びワークの表面から酸化膜を破壊し、この半凝固スラリーの材質である金属が露呈した部位を、金属面が露呈したワークに対向して接触させるようしている。このため、半凝固スラリーがワークに濡れ密着した状態で固化して固化物となる。
しかも、この場合、半凝固スラリーの金属元素がワークに拡散する一方、ワークの金属元素が半凝固スラリーに拡散するので、ワークと前記固化物との間で拡散接合が形成される。これにより、両者を互いに堅牢に接合することができる。
すなわち、本発明によれば、接合強度が優れた接合部を有する接合成形品を得ることができる。
本実施の形態に係るスタンプ成形方法によって得られた接合成形品としての自動車乗員室用ドアの全体概略縦断面図である。 図1のII−II線矢視断面図である。 前記自動車乗員室用ドアにおいて、連結部材に含まれるSi元素が第2ドア用フレーム部材に拡散して拡散接合が形成された状態を示すSEM写真である。 図1に示す自動車乗員室用ドアを製造するための金型装置の要部概略縦断面図である。 図4に示す金型装置によってワークを第2ドア用フレーム部材に成形した状態を示す要部概略縦断面図である。 図5に続き、半凝固スラリーの流動を開始させた状態を示す要部概略縦断面図である。 図7A、図7Bは、流動の進行の度合いと、半凝固スラリーと第2ドア用フレーム部材の端部との位置関係を示す要部拡大縦断面図である。 半凝固スラリーが第1連結部材の形状に成形された状態を示す前記金型装置の要部概略縦断面図である。 型開きがなされて自動車乗員室用ドアが露呈した状態を示す前記金型装置の要部概略縦断面図である。 半凝固スラリーの温度及びワーク(第2ドア用フレーム部材)の温度を種々変更しながらスタンプ成形を行った場合の接合の度合いを示すグラフである。 スタンプ成形時におけるワーク(第2ドア用フレーム部材)の温度と、継手効率との関係を示すグラフである。 別の金型装置に収容されたワークの上端面に半凝固スラリーを載置した状態を示す要部概略縦断面図である。 図12に続いて前記半凝固スラリーを成形した状態を示す要部概略縦断面図である。
以下、本発明に係るスタンプ成形方法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
先ず、図1を参照し、本実施の形態に係るスタンプ成形方法によって得られた接合成形品としての自動車乗員室用ドア10について説明する。なお、図1は、自動車乗員室用ドア10の全体概略縦断面図である。
この場合、自動車乗員室用ドア10は、ドア本体部12を有する。このドア本体部12は、横長の第1ドア用フレーム部材16と、該第1ドア用フレーム部材16の各端部に配置されて該第1ドア用フレーム部材16の長手方向に対して略直交する方向に延在する第2ドア用フレーム部材18及び第3ドア用フレーム部材20と、これら第1ドア用フレーム部材16、第2ドア用フレーム部材18及び第3ドア用フレーム部材20とともに略長方形をなす窓用フレーム部材22で構成される。
第1ドア用フレーム部材16の一端部と第2ドア用フレーム部材18の一端部は第1連結部材26を介して連結され、第2ドア用フレーム部材18の他端部と窓用フレーム部材22の一端部は、第2連結部材28を介して連結されている。また、窓用フレーム部材22の残余の他端部は第3連結部材30を介して第3ドア用フレーム部材20の一端部と連結され、該第3ドア用フレーム部材20の他端部は第4連結部材32を介して第1ドア用フレーム部材16の他端部と連結されている。
本実施の形態において、第1ドア用フレーム部材16、第2ドア用フレーム部材18、第3ドア用フレーム部材20及び窓用フレーム部材22は同種のアルミニウム合金材であり、第1連結部材26、第2連結部材28、第3連結部材30及び第4連結部材32は、互いに同種であって且つ第1ドア用フレーム部材16、第2ドア用フレーム部材18、第3ドア用フレーム部材20及び窓用フレーム部材22とは合金種が異なるアルミニウム合金材である。第1ドア用フレーム部材16、第2ドア用フレーム部材18、第3ドア用フレーム部材20及び窓用フレーム部材22の材質と、第1連結部材26、第2連結部材28、第3連結部材30及び第4連結部材32の材質の一例としては、それぞれ、A5182、AC4CH(ともにJIS)が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
ここで、図1のII−II線矢視断面の一部を拡大して図2に示す。この図2から諒解されるように、第2ドア用フレーム部材18の端部は第1連結部材26の内部に埋入して該第1連結部材26に接合している。埋入された端部の長さD1は、およそ15mmである。なお、図1から諒解されるように、第1連結部材26の内部には、第1ドア用フレーム部材16の一端部も埋入されて該第1連結部材26に接合している。
図2に示すように、第1連結部材26の表面には酸化膜34が存在しており、第2ドア用フレーム部材18は、この酸化膜34を押し破るようにして第1連結部材26の内部に埋入している。すなわち、第2ドア用フレーム部材18は、第1連結部材26の内部における酸化膜34が存在しない箇所、換言すれば、第1連結部材26の材質であるアルミニウム合金等が露呈した箇所で、該第1連結部材26と接合している。
一方、第2ドア用フレーム部材18において、第1連結部材26から露呈した部位の表面にも酸化膜36が存在している。なお、第1連結部材26に埋入した部位には酸化膜36は存在しない。後述するように、第1連結部材26となる半凝固スラリーが第2ドア用フレーム部材18の表面を摺動する際、この摺動によって酸化膜36が破壊されるからである。
この接合部位においては、図3に示されるように、第1連結部材26の金属元素であるAlが第2ドア用フレーム部材18に融合している。すなわち、第2ドア用フレーム部材18と第1連結部材26とは、拡散接合を介して互いに接合している。
図示は省略するが、第2ドア用フレーム部材18の残余の端部も窓用フレーム部材22の一端部とともに第2連結部材28に鋳ぐるまれており、同様に、窓用フレーム部材22の他端部は第3ドア用フレーム部材20の一端部とともに第3連結部材30に鋳ぐるまれている。さらに、第3ドア用フレーム部材20の他端部及び第1ドア用フレーム部材16の他端部は、第4連結部材32に鋳ぐるまれている。
勿論、これらの連結箇所においても、図2と同様に、各部材18、20、22が各連結部材26、28、30、32の表面の酸化膜34を押し破るようにして内部に埋入している。各々の埋入された端部の寸法は、第1連結部材26に対する第2ドア用フレーム部材18と同様に、略15mmである。また、連結部材26、28、30、32における酸化膜34が存在しない内部では、各連結部材26、28、30、32(AC4CH)の主要添加元素であるSiが各部材18、20、22の内部に拡散する一方、各部材18、20、22(A5182)の主要添加元素であるMgが各連結部材26、28、30、32の内部に拡散することにより、拡散接合が形成された状態となっている。
この自動車乗員室用ドア10(接合成形品)は、その要部概略縦断面が図4に示される金型装置40によって作製される。ここで、図4は、図1のII−II線矢視断面に対応する部位を成形する部位を示している。
金型装置40は、第2ドア用フレーム部材18となるワーク42を成形する成形型としての第1ダイ44及び第1パンチ46と、第1連結部材26となる半凝固スラリー48に対してスタンプ成形を施すための第2ダイ50及び第2パンチ52とを有する。この中、第1ダイ44及び第2ダイ50は固定盤54上に設けられ、一方、第1パンチ46及び第2パンチ52は、前記固定盤54に対して接近又は離間可能に設けられた可動盤56における前記固定盤54に臨む側の面に設けられる。
第1ダイ44は、図示しない複数個のシリンダの各ロッド同士によって構成される第1ロッド列58の先端に支持されている。このため、第1ダイ44は、前記シリンダが同期して動作することによって第1ロッド列58が同時に前進動作・後退動作することに追従し、鉛直方向に沿って変位する。
一方の第1パンチ46は、図示しない複数個のシリンダの各ロッド同士によって構成される第2ロッド列60の先端に支持されている。従って、第パンチ46もまた、前記シリンダが同期して動作することによって第2ロッド列60が同時に前進動作・後退動作することに追従し、鉛直方向に沿って変位することが可能である。
第2ダイ50は、固定盤54上において、第1ダイ44に隣接するように設置される。前記半凝固スラリー48は、この第2ダイ50の幅広な上端面に載置される。
なお、上端面、及び図4における右端部上面のそれぞれには、第1ノックアウトピン62及び第2ノックアウトピン64(図9参照)が突出・埋没自在に埋設されている。これら第1ノックアウトピン62及び第2ノックアウトピン64が前記上端面及び前記右端部上面から突出することに伴い、接合成形品が離型される。
第2パンチ52は、半凝固スラリー48を押圧するための型である。すなわち、半凝固スラリー48は、第2パンチ52から押圧されることによって圧潰されるとともに流動する。
以上の構成において、可動盤56は、図示しない昇降機構の作用下に固定盤54に対して接近又は離間する。可動盤56が固定盤54に対して接近したときに型締めがなされ、一方、可動盤56が固定盤54から離間したときに型開きがなされる。
本実施の形態に係るスタンプ成形方法は、上記のように構成された金型装置40において、以下のようにして実施される。
はじめに、図4に示すように、第1ダイ44と第1パンチ46の間にワーク42が挿入される。その一方で、第2ダイ50の上端面に半凝固スラリー48が載置される。半凝固スラリー48は、第1ダイ44に対して所定間隔、好ましくは10mm以上離間した位置に配置される。また、ワーク42の端部は、半凝固スラリーの高さ方向下端部と上端部の間に配置される(図5参照)。
上記したように、ワーク42の材料としては、例えば、アルミニウム合金であるA5182を選定すればよく、半凝固スラリー48の材料としては、例えば、A5182とは合金種の異なるアルミニウム合金であるAC4CHを選定すればよい。なお、半凝固スラリー48及びワーク42の表面には、該表面が大気中の酸素によって酸化されて生成した、いわゆる不動態としての酸化膜34、36(図2及び図7参照)がそれぞれ存在する。
次に、図5に示すように、前記昇降機構の作用下に可動盤56ごと第1パンチ46及び第2パンチ52を下降させる。この下降に伴って、先ず、第1ダイ44と第パンチ46によって第1キャビティ66が形成されるとともに、ワーク42が該第1キャビティ66の形状に対応する形状、すなわち、第2ドア用フレーム部材18に対応する形状に成形される。第2ドア用フレーム部材18の端部は、半凝固スラリー48側に向かって延在するように、第1キャビティ66から突出する。
なお、この時点では、半凝固スラリー48が圧潰されることはない。
次に、図6に示すように、前記昇降機構の作用下に可動盤56をさらに降下させる。これにより第2パンチ52が半凝固スラリー48を押圧しはじめ、その結果、該半凝固スラリー48が圧潰されて流動を開始する。なお、第2ロッド列60は同期して後退動作し、このため、第1キャビティ66及び第2ドア用フレーム部材18の位置が保持される。
半凝固スラリー48中、第1ダイ44及び第1パンチ46側に流動した分は、当初は図7Aに示すように第2ドア用フレーム部材18の端部から離間しているものの、流動の進行に伴って端部に当接する。流動がさらに進行すると、図7Bに示すように、端部が前記半凝固スラリー48を押圧するようになり、せん断力によって酸化膜34を破く。
この時点での端部の埋入量は、約5mmである。この状態が、図6に示される状態に対応する。
本実施の形態では、この状態で所定時間待機される。第2ドア用フレーム部材18の端部が半凝固スラリー48に埋入した状態であるので、第2ドア用フレーム部材18に対し、半凝固スラリー48から熱が伝達される。このため、第2ドア用フレーム部材18の温度が上昇する。
最終的に、第2ドア用フレーム部材18の温度が、半凝固スラリー48の金属元素(例えば、Si)が第2ドア用フレーム部材18に拡散可能となり、且つ第2ドア用フレーム部材18の金属元素(例えば、Mg)が半凝固スラリー48に拡散可能となった時点、半凝固スラリー48がAC4CHであり、且つ第2ドア用フレーム部材18がA5182である場合には395℃に到達した時点で、半凝固スラリー48の成形が行われる。すなわち、図8に示すように、可動盤56がさらに下降される。
これにより、半凝固スラリー48がさらに圧潰されて第2ドア用フレーム部材18の下端面及び上端面の双方に沿っておよそ10mm程度摺動する。この摺動によって主に第2ドア用フレーム部材18の表面の酸化膜34が破壊されるとともに、第2ドア用フレーム部材18の端部が先端から約15mm程度まで半凝固スラリー48に埋入される。なお、半凝固スラリー48の表面に存在する酸化膜36もまた、前記の摺動に伴って破壊される。
摺動ないし流動した半凝固スラリー48は、第1ダイ44及び第1パンチ46、及び第2パンチ52のシール部68によって堰止される。すなわち、半凝固スラリー48は、第1ダイ44、第1パンチ46、第2ダイ50及び第2パンチ52によって形成される第2キャビティ70に対応する形状に成形される。なお、この際、第1ロッド列58が若干後退動作して第1ダイ44を下降させ、可動盤56が容易に下降することができるようにする。
酸化膜36は、第2ドア用フレーム部材18の表面にのみ存在し、内部には存在しない。また、上記したように、半凝固スラリー48の表面の酸化膜34も破壊される。従って、第2ドア用フレーム部材18に対する半凝固スラリー48の濡れ性が良好である。このように濡れ性が良好な半凝固スラリー48に囲繞された第2ドア用フレーム部材18の端部は、該半凝固スラリー48の内部により濡れ密着される(図6参照)。しかも、第2ドア用フレーム部材18の温度が、例えば、395℃以上と十分に上昇しているので、濡れ密着性がさらに良好となり、このために半凝固スラリー48と第2ドア用フレーム部材18とが互いに良好になじむようになるので、両者の間に間隙がない状態となる。
そして、第2ドア用フレーム部材18の酸化膜34が破壊され、表面にのみ存在し、内部には存在しない。また、上記したように、半凝固スラリー48の表面の酸化膜が除去されている。この状態で半凝固スラリー48が第2ドア用フレーム部材18に濡れ密着するので、半凝固スラリー48に含まれる元素、例えば、Siが第2ドア用フレーム部材18に拡散する。本実施の形態においては、この拡散の進行と同時に、第2ドア用フレーム部材18に含まれる元素、例えば、Mgの半凝固スラリー48への拡散も進行する。
この状態で半凝固スラリー48を冷却固化させて第1連結部材26とすれば、第2ドア用フレーム部材18の端部と半凝固スラリー48との間に新たな酸化膜が生成することを回避しながら、第1連結部材26に対して該端部を連結することができる。
以上から諒解されるように、第1連結部材26と第2ドア用フレーム部材18とは拡散接合によって接合される。上記した通り、半凝固スラリー48の成形時、該半凝固スラリー48のSi元素が第2ドア用フレーム部材18に拡散しているからである。
同様にして、金型装置40の別の箇所で第1ドア用フレーム部材16、第3ドア用フレーム部材20が成形され、且つ、窓用フレーム部材22とともに第1連結部材26、第2連結部材28、第3連結部材30又は第4連結部材32中の所定の連結部材に鋳ぐるまれる。以上により、部材16、18、20、22の端部同士が連結部材26、28、30、32を介して接合された接合成形品としての自動車乗員室用ドア10が得られる。
最後に、図9に示すように、前記昇降機構の作用下に可動盤56が上昇することに伴って第1ダイ44、第2ダイ50から第1パンチ46、第2パンチ52が離間し、これにより型開きがなされる。そして、第1ノックアウトピン62及び第2ノックアウトピン64が第2ダイ50から突出し、自動車乗員室用ドア10が離型される。
このようにして得られた自動車乗員室用ドア10(接合成形品)においては、部材16、18、20、22の端部と連結部材26、28、30、32のいずれかとの接合強度が大きい。上記から諒解されるように、部材16、18、20、22の端部と連結部材26、28、30、32との間に酸化膜34、36が介在することが回避されるとともに、各端部と連結部材26、28、30、32とが拡散接合を介して接合しているからである。
ここで、半凝固スラリー48の温度及び第2ドア用フレーム部材18の温度を種々変更しながらスタンプ成形を行い、第1連結部材26と第2ドア用フレーム部材18の接合の度合いを調べた結果をグラフとして図10に示す。なお、図10中のTS、TLは、それぞれ、半凝固スラリー48としてAC4CHを用いたときの固相線温度、液相線温度である。すなわち、TS−TL間の温度では、半凝固スラリー48は固液共存状態である。なお、本実施の形態で使用する半凝固スラリー48の固相率は、概ね30〜70%である。また、この場合、第2ドア用フレーム部材18の材料はA5182である。
図10中、黒丸(●)は良好に接合した温度、白丸(○)は接合が不十分であった温度を示す。この結果から、第2ドア用フレーム部材18の温度が395℃であると、接合結果が良好であることが分かる。
さらに、スタンプ成形時における第2ドア用フレーム部材18の温度と、継手効率との関係をグラフにして図11に示す。この図11から、395℃を境に継手効率が急激に向上していることが諒解される。
このように、半凝固スラリー48がAC4CHであるとき、ワークである第2ドア用フレーム部材18の温度が395℃以上となると接合結果が著しく向上する理由は、上記したように、半凝固スラリー48のSi元素が第2ドア用フレーム部材18に拡散するとともに、第2ドア用フレーム部材18のMg元素が半凝固スラリー48に拡散することで第1連結部材26と第2ドア用フレーム部材18と拡散接合を介して接合するからであると考えられる。
なお、上記した実施の形態では、半凝固スラリー48としてAC4CHを用いるとともに、ワークである第2ドア用フレーム部材18(A5182)の温度を395℃以上に設定するようにしているが、半凝固スラリー48や第2ドア用フレーム部材18の材質が相違する場合、該材質に応じて第2ドア用フレーム部材18の温度を設定すればよい。なお、半凝固スラリー48とワークとの温度差は、これらの材質に関わらず、200℃以下であることが好ましい。
また、この実施の形態では、ワーク42に対してプレス成形を施すことで第2ドア用フレーム部材18に成形する場合を例示して説明しているが、ワーク42に対するプレス成形を行うことなく、半凝固スラリー48に対するスタンプ成形のみを行うようにしてもよい。
さらに、この実施の形態では、半凝固スラリー48に第2ドア用フレーム部材18の端部を挿入し、第2ドア用フレーム部材18の温度が上昇した時点で、半凝固スラリー48を第2ドア用フレーム部材18の下端面及び上端面の双方に摺動させ、鋳ぐるみを行うようにしているが、図12に示すように、下型80に収容されたワーク82の上端面に半凝固スラリー48を載置した後、図13に示すように、上型84を降下させてスタンプ成形を行い、半凝固スラリー48をワーク82の上端面に沿ってのみ摺動させるようにしてもよい。
この場合においても、ワーク82に対する摺動によって半凝固スラリー48の表面の酸化膜及びワーク82の表面の酸化膜34が破壊される。これにより両者の露呈した金属部分が互いに濡れ密着するとともに、上記のようにしてワーク82と半凝固スラリー48との間で拡散接合が形成されるので、接合強度が良好となる。なお、この場合、ワーク82の一端面に半凝固スラリー48の固化物が接合した接合成形品が得られる。
いずれの場合においても、半凝固スラリー48で各ワークの温度を上昇させることに代替し、成形型である金型を予熱することで該金型の熱を各ワークに伝達させ、これにより各ワークの温度を上昇させるようにしてもよい。又は、金型の外で各ワークを予熱して該ワークの各々の温度を上昇させた後、各ワークを金型内(キャビティ)に収容するようにしてもよい。
そして、接合成形品が自動車乗員室用ドア10に特に限定されるものでないことはいうまでもない。
10…自動車乗員室用ドア 16、18、20…ドア用フレーム部材
22…窓用フレーム部材 26、28、30、32…連結部材
34、36…酸化膜 40…金型装置
42…ワーク 44、50…ダイ
46、52…パンチ 48…半凝固スラリー
58、60…ロッド列 66、70…キャビティ
80…下型 82…ワーク
84…上型

Claims (6)

  1. 成形型内に収容された半凝固スラリーとワークとを互いに接合することで接合成形品を得るスタンプ成形方法であって、
    前記ワークを前記成形型に収容する前又は収容した後に、該ワークを、該ワークと前記半凝固スラリーとを拡散接合することが可能な温度に到達させる工程と、
    前記ワークとともに前記成形型に収容された前記半凝固スラリーを成形するとともに、前記ワークの少なくとも一端面上において前記半凝固スラリーを摺動させることで、ワークに存在する酸化膜、及び半凝固スラリーの表面に存在する酸化膜の双方を破壊して金属面同士を露呈させ、露呈した金属面同士を拡散接合する工程と、
    を有し、
    前記ワーク及び前記半凝固スラリーとして、互いに合金種が相違するアルミニウム合金を用いることを特徴とするスタンプ成形方法。
  2. 請求項記載の成形方法において、前記ワークの温度を395℃以上として前記半凝固スラリーを成形することを特徴とするスタンプ成形方法。
  3. 請求項1又は2記載の成形方法において、前記半凝固スラリーの摺動距離を10mm以上とすることを特徴とするスタンプ成形方法。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の成形方法において、前記半凝固スラリーからの熱伝達によって前記ワークの温度を上昇させることを特徴とするスタンプ成形方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の成形方法において、前記成形型を予熱することによって前記ワークの温度を上昇させることを特徴とするスタンプ成形方法。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の成形方法において、前記成形型外で前記ワークを予熱することによって該ワークの温度を上昇させた後、該ワークを成形型内に収容することを特徴とするスタンプ成形方法。
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