JP2003164954A - ダイカスト装置及びダイカスト方法 - Google Patents
ダイカスト装置及びダイカスト方法Info
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Abstract
っても、溶湯凝固が進行する前に、金型キャビティ内に
短時間で溶湯を充填完了させ、安定した射出動作を行わ
せる。 【解決手段】 溶湯炉15内の溶湯を、金型キャビティ
5に連通する複数の射出スリーブ7a,7b,7cに真
空吸引によりそれぞれ導入する。各射出スリーブ7a,
7b,7cに導入されたそれぞれの溶湯は、各射出スリ
ーブ7a,7b,7c内に移動可能に収容される射出ピ
ストン19a,19b,19cを、単一の射出シリンダ
により駆動することで金型キャビティ5に射出供給され
る。
Description
を、真空吸引して金型キャビティに連通する射出スリー
ブに導入するダイカスト装置及びダイカスト方法に関す
る。
を大量に生産する鋳造法として知られているが、そのた
めの要素技術として、溶湯の凝固が進行する前に、金型
キャビティ内に短時間で溶湯を充填完了させることが要
求され、高速・高圧での溶湯充填が必要とされている。
数個取りのように、充填すべき溶湯重量が大容量となる
場合、充填すべきキャビティ容積は大きくなるが、溶湯
凝固が進行する前に、金型キャビティ内に短時間で溶湯
を充填完了させるという要求特性は、溶湯熱容量と金型
の熱伝達率との関係上、不変なので、射出スリーブ及び
射出ピストンの径を大きく設定し、射出速度を速くして
要件を満足する必要がある。
式で算出される。図6は、次式に対応する金型キャビテ
ィの模式図である。
T[sec]との関係を示している。
うに、射出ピストン径が大きくなると、温度上昇に伴う
ピストンの膨張代が大きくなり、射出スリーブとの間の
クリアランスを大きく設定する必要が生じてくる。表1
は、ピストン径とピストン温度との相関における射出ピ
ストン(SKD61)の膨張代(mm)を示している。
すく、安定した射出動作を妨げるために、一般的には冷
間で0.2mm程度のクリアランスが限界とされている。
したがって、一般的なダイカスト法における射出スリー
ブ径の最大サイズは、表1からφ150〜200mmとの
間とされている。
る場合には、射出ピストンのクリアランスからのリーク
を抑制するために、クリアランス設定を冷間で0.1m
m以下にすることが要求されるので、射出スリーブ径の
最大サイズは、φ100mm程度が上限と考えられる。
ル材を採用して真空度を安定化させようとする試みは多
数の例があるが、耐熱性、耐アルミ濡れ性、そしてシー
ル性に優れた適切な素材がないために、適切なシールパ
ッキンを設定することはできない。
イカスト法の技術限界であり、この速度水準以上に設定
すると大量の鋳バリが発生して自動サイクリックな稼働
を著しく妨げる原因となる。
は、射出ピストン径がφ150〜200mmで、溶湯の充
填流量速度が3〜4m/sの条件が上限とされ、また高真
空ダイカスト法の場合には、射出ピストン径がφ100
mmで、溶湯の充填流量速度が3〜4m/sの条件が上限と
されている。
る充填重量によって決定され、この充填時間が、前記し
た式及び図7によって示した熱力学的に要求される時間
よりも長くなれば、溶湯は、高い流動速度にも拘わら
ず、金型キャビティ表面と接することによって冷却され
て多数の個々の滴形にされ、充填完了時に加圧されて
も、個々の滴形が互いに溶融できずに、脆く壊れやすい
組織を形成することになる。
ャビティ容積が大きくなっても、溶湯凝固が進行する前
に金型キャビティ内に短時間で溶湯を充填完了させ、安
定した射出動作を行わせることを目的としている。
に、請求項1の発明は、溶湯炉内の溶湯を、真空吸引し
て金型キャビティに連通する射出スリーブに導入するダ
イカスト装置において、前記金型キャビティに連通する
複数の射出スリーブを設けるとともに、この各射出スリ
ーブ内に、前記溶湯炉から導入した射出スリーブ内の溶
湯を前記金型キャビティに射出供給する射出ピストンを
それぞれ設け、この各射出ピストンを同時に駆動する単
一の射出シリンダを設けた構成としてある。
において、前記複数の射出スリーブに対して個別の溶湯
炉をそれぞれ設置した構成としてある。
空吸引して金型キャビティに連通する複数の射出スリー
ブにそれぞれ導入し、この各射出スリーブ内に移動可能
に収容される各射出ピストンを、単一の射出シリンダに
より駆動して、前記複数の射出スリーブ内のそれぞれの
溶湯を前記金型キャビティに射出供給するダイカスト方
法としてある。
カスト方法において、前記複数の射出スリーブ相互間に
対応する金型キャビティ内にインサート材を装填し、前
記複数の射出スリーブに対して個別に設けた溶湯炉か
ら、前記インサート材で画成される各キャビティ空間に
溶湯をそれぞれ供給するものとしてある。
キャビティに複数の射出スリーブを連通させ、各射出ス
リーブ内のそれぞれの射出ピストンを、単一の射出シリ
ンダによって同時に駆動するようにしたので、金型キャ
ビティの容積が大きくなっても、溶湯を、凝固が進行す
る前に、短時間で確実に金型キャビティへ充填でき、安
定した射出動作を行うことができる。
ャビティ内に、各射出スリーブに対応するキャビティ空
間を形成するようインサート材を装填することで、各溶
湯炉から異種の材質の溶湯を各キャビティ空間にそれぞ
れ充填することができ、このため、例えば、高い剛性が
要求される部品と、高い延性が要求される部品とをイン
サート材を境にして一体成形することが可能となる。ま
た、高い強度が要求される部位と、高い延性が必要が部
位とを備えた製品を鋳造する際に、高強度に偏った材料
と高延性に偏った材料とを同時に使用するので、均一な
板厚での成形が可能となる。
面に基づき説明する。
イカスト装置の断面図で、図2は、その要部を示す斜視
図である。固定型1と可動型3との間には、金型キャビ
ティ5が形成されている。この金型キャビティ5は、図
1中で紙面に直交する方向に長く形成され、この延長方
向に沿って金型キャビティ5の下部に対応する位置の固
定型1には、複数(ここでは3つ)の射出スリーブ7
a,7b,7cがそれぞれ接続固定されている。これら
各射出スリーブ7a,7b,7cは、高さ位置が互いに
同一で水平配置され、固定型1の表面に装着された固定
型プレート9及び射出ブロック11をそれぞれ貫通し、
金型キャビティ5に内部が連通している。
1から突出した部位の下部には、給湯ストーク13a,
13b,13cの上端がそれぞれ連通接続され、給湯ス
トーク13a,13b,13cの下端は、給湯炉15の
底部付近に開口している。給湯ストーク13a,13
b,13cの下端開口には、オリフィス17a,17
b,17cが設けられている。
には、図2では省略してあるが、図3に示すように、射
出ピストン19a,19b,19cがそれぞれ移動可能
に収容されている。各射出ピストン19a,19b,1
9cは、ピストンロッド21a,21b,21cの一端
がそれぞれ接続され、ピストンロッド21a,21b,
21cの他端は、カップリング23a,23b,23c
を介して共通の射出シリンダヘッド部25に接続されて
いる。射出シリンダヘッド部25は、単一の射出シリン
ダ27のシリンダロッド29に接続されている。
給湯ストーク13a,13b,13cとの接続部には、
シール用のパッキン31a,31b,31cが介装され
るとともに、固定型1と可動型3との対向部周縁にも、
シール用のパッキン33が介装されている。また、金型
キャビティ5の上部は、ガス抜き弁35を介して真空タ
ンク及び真空ポンプを備えた真空装置37に接続されて
いる。これにより、上記したダイカスト装置は、高い気
密性が確保された真空ダイカスト法で鋳造作業がなされ
る。
35を開放させた状態で、真空装置37を作動させる
と、金型キャビティ5内が減圧され、大気との差圧によ
り給湯炉15内の溶湯が、図1に示すように、給湯スト
ーク13a,13b,13cを通して射出スリーブ7
a,7b,7cにそれぞれ吸引される。このときの給湯
量は、給湯ストーク13a,13b,13cの先端に設
けたオリフィス17a,17b,17cによって制御さ
れる。
れたそれぞれの溶湯は、図3に示してある単一の射出シ
リンダ27の駆動により、各射出ピストン19a,19
b,19cが同時に進出移動することで、金型キャビテ
ィ5に射出供給される。
射出スリーブ7a,7b,7cを連通して設けること
で、これら3つの射出スリーブ7a,7b,7cに対
し、真空装置37の駆動により、ほぼ同量の溶湯が同時
に吸引導入され、さらに吸引された各溶湯は、単一の射
出シリンダ27によって各射出スリーブ7a,7b,7
c相互間で、同時かつ同一速度で金型キャビティ5内に
流入し、安定した射出動作がなされる。
くなっても、3つの射出スリーブ7a,7b,7cを使
用していることから、溶湯炉15内の溶湯を、凝固が進
行する前に、短時間で確実に金型キャビティ5へ充填す
ることができる。この際、射出スリーブ7a,7b,7
cの径を、射出ピストン19a,19b,19cとの隙
間からリークが発生するほど大径とする必要がなく、ま
た射出速度についても、大量の鋳バリが発生するほどの
高速とする必要もない。
リンダ27の位置からの充填距離及び、1つの射出スリ
ーブの充填割り当て面積が小さくなり、好適な条件でダ
イカスト鋳物を製造することが可能となる。
填容量及び製品の板厚との関係から決定される。
いる。この実施形態は、複数(ここでは2つ)の射出ス
リーブ7a,7bに対応して、溶湯炉15を隔壁39に
よって2つに分割し、各分割炉15a,15bと射出ス
リーブ7a,7bとを、給湯ストーク13a,13bで
それぞれ連通している。その他の構成は図1〜図3のも
のと同様である。
異種材料の溶湯を投入して鋳造することが可能である。
このため、例えば、図5に示すように、自動車の車体部
品41を一体成形する際に、インサート材43を間に挟
み、高い延性が必要な部位41aと、高い剛性が必要な
部位41bとの2つの異種材料を使用することが可能と
なる。なお、図5中で符号45a,45bは金型の鋳込
み口で、符号47a1,47a2,47a3及び47b1,
47b2,47b3は湯口ランナ部である。
ル毎に、金型キャビティ5内の前記した2つの射出スリ
ーブ7a,7bに対応するキャビティ空間相互間の位置
に装填し、この状態で、各分割炉15a,15bに投入
されている異種材料(高延性に偏った材料及び高剛性に
偏った材料)の溶湯を、前記インサート材43にて画成
された各キャビティ空間にそれぞれ射出供給する。
性を与えていた高延性部位41aを厚肉化でき、逆に厚
肉構造により剛性を与えていた高剛性部位41bを薄肉
化することができ、全体としてより均一な板厚での成形
が可能となる。
の断面図である。
ストン、射出ピストンを駆動する射出シリンダを示す平
面図である。
斜視図である。
の鋳造法を示す説明図である。
との相関図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 溶湯炉内の溶湯を、真空吸引して金型キ
ャビティに連通する射出スリーブに導入するダイカスト
装置において、前記金型キャビティに連通する複数の射
出スリーブを設けるとともに、この各射出スリーブ内
に、前記溶湯炉から導入した射出スリーブ内の溶湯を前
記金型キャビティに射出供給する射出ピストンをそれぞ
れ設け、この各射出ピストンを同時に駆動する単一の射
出シリンダを設けたことを特徴とするダイカスト装置。 - 【請求項2】 前記複数の射出スリーブに対して個別の
溶湯炉をそれぞれ設置したことを特徴とする請求項1記
載のダイカスト装置。 - 【請求項3】 溶湯炉内の溶湯を、真空吸引して金型キ
ャビティに連通する複数の射出スリーブにそれぞれ導入
し、この各射出スリーブ内に移動可能に収容される各射
出ピストンを、単一の射出シリンダにより駆動して、前
記複数の射出スリーブ内のそれぞれの溶湯を前記金型キ
ャビティに射出供給することを特徴とするダイカスト方
法。 - 【請求項4】 前記複数の射出スリーブ相互間に対応す
る金型キャビティ内にインサート材を装填し、前記複数
の射出スリーブに対して個別に設けた溶湯炉から、前記
インサート材で画成される各キャビティ空間に溶湯をそ
れぞれ供給することを特徴とする請求項3記載のダイカ
スト方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001365960A JP2003164954A (ja) | 2001-11-30 | 2001-11-30 | ダイカスト装置及びダイカスト方法 |
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