JP4780296B2 - 半溶融成形装置 - Google Patents

半溶融成形装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4780296B2
JP4780296B2 JP2005378122A JP2005378122A JP4780296B2 JP 4780296 B2 JP4780296 B2 JP 4780296B2 JP 2005378122 A JP2005378122 A JP 2005378122A JP 2005378122 A JP2005378122 A JP 2005378122A JP 4780296 B2 JP4780296 B2 JP 4780296B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semi
sleeve
sub
plunger
molten metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005378122A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007125612A (ja
Inventor
憲広 天野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005378122A priority Critical patent/JP4780296B2/ja
Publication of JP2007125612A publication Critical patent/JP2007125612A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4780296B2 publication Critical patent/JP4780296B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Description

本発明は、半溶融状態に加熱した金属材料、いわゆる半溶融金属を金型のキャビティに加圧充填する半溶融成形方法および半溶融成形装置に関する。
半溶融成形は、ダイカスト鋳造に比べて、引け巣が少なく、機械的性質に優れた成形品が得られる利点を有しており、近年、特にアルミニウム系材料の成形技術としてその利用が注目されている。
ところで、半溶融成形を行うための従来の装置は、一般に射出スリーブ内に投入された半溶融金属をプランジャの前進により金型のキャビティに加圧充填する構造となっており、汎用のダイカスト鋳造装置と実質同じ構造となっている。しかるに、この種の半溶融成形では、半溶融状態とするための加熱によって材料(ビレット)表面に酸化膜が形成されることに加え、射出スリーブに装填した際の温度低下によって材料表面に凝固層が形成され、これら酸化膜や凝固層が金型のキャビティに持込まれて成形品内部に入り込み、成形品質を劣化させる、という問題があった。
そこで、例えば、特許文献1に記載のものでは、金型に内蔵したスライド型に、射出スリーブの出口を絞る絞り部(小径穴部)を設定し、該絞り部によりキャビティ内への酸化膜の侵入を阻止するようにしている。また、半凝固状態に冷却した半凝固金属を成形する、いわゆる半凝固成形の分野ではあるが、特許文献2に記載のものでは、一対のスライドコア(スライド型)に前記同様の絞り部を設定し、該絞り部によりキャビティ内への凝固層や酸化膜の侵入を阻止するようにしている。
特開平10−175054号公報 特開2004−209484号公報
しかしながら、上記した各特許文献に記載の対策によれば、金型にスライド型を組込まなければならないことに加え、該スライド型を駆動(開閉)する駆動手段(シリンダ)を金型に付設しなければならず、金型の構造が複雑になると共に金型周りが煩雑になる、という問題があった。
また、この種の半溶融成形では、半溶融金属との接触で、射出スリーブの内面にコーティングされた潤滑剤から油煙が発生し、この油煙が金型のキャビティに侵入して成形品質を劣化させる問題があるが、従来、この油煙に対処する有効な対策を見出せない状況にあった。さらに、射出スリーブに装填した際の半溶融金属の温度低下は、上記した凝固層の形成ばかりでなく、成形性の悪化を招いて成形の自由度を低下させる原因になるが、従来、この温度低下を抑制する有効な対策も見出せない状況にあった。
本発明は、上記した技術的背景に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、酸化膜や凝固層を捕捉するための特別の手段を金型に設ける必要がなく、しかも、潤滑剤からの油煙発生に起因する成形品質の悪化や半溶融金属の温度低下に起因する成形性の悪化にも確実に対処し得る半溶融成形装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1の半溶融成形装置に係る発明は、射出スリーブ内に装填された半溶融金属をプランジャの前進により金型のキャビティに加圧充填する半溶融成形装置において、金属ビレットを収容して誘導加熱されることにより半溶融状態とすることが可能であり、前記射出スリーブ内に摺動可能に装填されるサブスリーブと、前記射出スリーブ内に配設されて、前記プランジャと連動し前記サブスリーブを前進端に移動させるスライダーとを備えており、前記プランジャは、前記前進端に位置決めされたサブスリーブ内に嵌入して半溶融金属を金型の前記キャビティへ押出すものであることを特徴とする。
請求項2の半溶融成形装置に係る発明は、請求項1に記載の発明において、スライダーが筒状をなし、該スライダーの内面によりプランジャが摺動案内されることを特徴とする。
請求項3の半溶融成形装置に係る発明は、請求項1または2に記載の発明において、サブスリーブに嵌入されるプランジャの先端部が、先端に向かうに従って縮径するテーパ部となっていることを特徴とする。
請求項4の半溶融成形装置に係る発明は、請求項2乃至4の何れか1項に記載の発明において、サブスリーブが、非導電性を有する硬質のセラミックスからなることを特徴とする
請求項1の発明においては、サブスリーブ内で誘導加熱することで、半溶融金属の酸化が抑制され、また、サブスリーブと一緒に半溶融金属を射出スリーブに装填することで、半溶融金属の冷却に起因する凝固層の形成が抑制され、結果として酸化膜や凝固層を除去するための特別の手段を金型に設ける必要がなくなる。また、半溶融金属が射出スリーブ内面に直接接触することがないので、射出スリーブ内面の潤滑剤からの油煙発生が防止され、その上、半溶融金属の冷却が抑制されることで、所望の成形性が確保される。
本発明に係る半溶融成形装置によれば、射出スリーブにスライダーを組込むだけでよいので、金型構造の複雑化を招くことなく、酸化膜や凝固層を捕捉するための特別の手段を金型に設ける必要がなく、金型構造の簡略化および金型周りのシンプル化を達成できる
かも、潤滑剤からの油煙発生に起因する成形品質の悪化や半溶融金属の温度低下に起因する成形性の悪化にも確実に対処し得る
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る半溶融成形装置の第1の実施形態を示したものである。本半溶融成形装置の基本構造は、横型のダイカスト鋳造装置と実質同じであり、金型1と射出機構10とから概略構成されている。金型1は、固定型2と可動型3とからなっており、固定型2に対して可動型3を合せた状態すなわち型閉じ状態で、両者の間には鋳造空間としてのキャビティ4と、湯道部5とビスケット形成部6とが画成されるようになっている。また、固定型2には、前記ビスケット形成部6と対向する配置で湯口部7が形成されている。一方、射出機構10は、先端部が固定型2に結合され、上面側に材料投入口11を有する射出スリーブ12と、図示を略す射出シリンダから延ばしたロッド13に連結され、該射出シリンダの作動に応じて射出スリーブ12内を進退動するプランジャ14とを備えている。
本第1の実施形態においては、別途金網からなる有底筒状のカゴ15が用意され、半溶融状態に加熱された半溶融金属Mが、このカゴ15に収納された状態で前記材料投入口11を通して射出スリーブ12内に装填される。カゴ15は、射出スリーブ12の内径よりわずか小さな外径を有しており、また、その長さは、半溶融金属M(ビレット)よりも十分長く設定されている。カゴ15の開口端部には、内側に折曲げた折返し部15aが設けられており、半溶融金属Mは、この折返し部15aを撓ませながらカゴ15内に装入される。ここで、射出スリーブ12およびプランジャ14は、耐熱性に優れた材料、例えばSKD61等の熱間ダイス鋼から形成されるが、所望により前記SKD61にさらに窒化処理を施してもよい。また、カゴ15を形成する金網としては、一例として、線径0.8mm程度で目の大きさが8メッシュ程度の鋼製金網が用いられる。
本第1の実施形態において半溶融成形の実施に際しては、予め射出スリーブ12の内面に、潤滑剤好ましくは窒化ボロン(BN)のような固体潤滑剤が塗布される。本半溶融成形装置には誘導加熱装置(図示略)が併設されており、成形すべき金属のビレットがこの誘導加熱装置内で半溶融状態となるまで誘導加熱される。この加熱終了後、図1に示されるように、カゴ15内に半溶融金属Mが装入され、この後、半溶融金属Mを納めたカゴ15が、適宜のハンドリング手段を用いて材料投入口11を通して射出スリーブ12内に装填される。この時、カゴ15の開口端部には折返し部15aが設けられているので、内部の半溶融金属Mが不用意にカゴ15から脱落することはない。
上記半溶融金属Mを納めたカゴ15の射出スリーブ12内への装填完了により、射出シリンダの作動でロッド13が伸長し、プランジャ14が前進する。すると、図2(1)に示されるように、半溶融金属Mを納めたカゴ15が、射出スリーブ12内を金型1側へ摺動する。しかして、この間、カゴ15の温度は半溶融金属Mの温度に比べて十分に低いので、射出スリーブ12の内面の潤滑剤から油煙が発生することはない。また、カゴ15の温度は、射出スリーブ12の温度に比べれば十分に高いので、その内部の半溶融金属Mの表面には凝固層がほとんど形成されず、形成されてもわずかとなる。
上記プランジャ14により金型1側へ押されたカゴ15(半溶融金属M)は、その先端が湯口部7を挿通してビスケット形成部6の入口付近に到達する段階で移動停止し、その後、プランジャ14のさらなる前進に応じて、図2(2)に示されるように、カゴ15とその内部の半溶融金属Mとが次第に押し潰される。この時、半溶融金属Mの周面側の材料がカゴ15の網目内に流入し、半溶融金属Mの表層部に存在する酸化膜(一部、凝固層を含む)が金網に捕捉される。なお、カゴ15は、その開口端部に内側への折返し部15aを有しているので、プランジャ14による押込みに際して、該開口端部がカゴ15と射出シリンダ12との間に入り込むことはなく、したがって射出スリーブ12の内面が金網によって傷付けられることもない。
そして、プランジャ14のさらなる前進により、半溶融金属Mがカゴ15の底の網目を通って前方へ押出され、遂には、図2(3)に示されるように、半溶融金属Mが金型1内のビスケット形成部6および湯道5を経てキャビティ4に加圧充填される。この最終段階では、図示のようにカゴ15が大きく押し潰された状態となり、そのままビスケット部に残留する。この場合、カゴ15に捕捉された酸化膜もそのままビスケット部に残留し、したがって清浄な材料がキャビティ4に充填される。なお、成形品は、その後、固定型2に対して可動型3を型開きすることで固定型2から脱型され、この時、カゴ15もビスケット部と一体に脱型され、これにて一連の半溶融成形は完了する。
このように行う半溶融成形においては、キャビティ4内への酸化膜や凝固層の持込みが防止されることはもちろん、潤滑剤からの油煙発生が防止されるので、品質的に優れた成形品が得られるようになる。また、射出スリーブ12内での半溶融金属Mの冷却も抑制されるので、良好な成形性が維持され、成形の自由度も高まるようになる。本1の実施形態においては特に、単純なカゴ15を用いるだけで所期の目的を達成できるので、コスト負担が増大することもない。なお、このカゴ15の材種は任意であり、半溶融金属Mの温度に対して耐熱性があり、半溶融金属Mの加圧充填に際して、その圧力を受けて金網と同様に移動変形できる材質であればよい。
図3は、本発明に係る半溶融成形装置の第2の実施形態を示したものである。なお、ここで用いる金型1は、上記第1の実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。本第2の実施形態において、射出機構20は、先端部が固定型2に結合され、上面側に材料投入口21を有する射出スリーブ22と、図示を略す射出シリンダから延ばしたロッド23に連結され、該射出シリンダの作動に応じて射出スリーブ22内を進退動するプランジャ24と、射出スリーブ22に摺動可能に配設され、プランジャ24と連動して射出スリーブ22内を進退動するスライダー25とを備えている。
上記射出スリーブ22は、ここでは前記材料投入口21を有するスリーブ本体26と底部に材料吐出口27aを有するカップ部材27とを連接してなっている。射出スリーブ22は、そのスリーブ本体26の一部とカップ部材27とを含む先端部を固定型2に設けた嵌合穴2aに嵌入させることにより該固定型2に結合され、この状態で、前記材料吐出口27aが金型1の湯口部7に整合するようになっている。本実施形態において、射出スリーブ22側の材料吐出口27aと金型1側の湯口部7とは、連続したテーパ穴28を形成するように前記ビスケット形成部6側へ向けて次第に絞られている。また、射出スリーブ22のカップ部材27の内部には、円筒内面から前記テーパ穴28に続くテーパ形状の段差面29が設定され、一方、固定型2の湯口部7の、ビスケット形成部6側の開口端部には、前記テーパ穴28から続くわずかの幅のストレート部31が設定されている。なお、射出スリーブ22を構成するスリーブ本体26およびカップ部材27は、耐熱性に優れた材料、例えばSKD61等の熱間ダイス鋼から形成されるが、所望により前記SKD61にさらに窒化処理を施してもよい。
本第2の実施形態においては、別途サブスリーブ31が用意され、成形すべき金属のビレットがこのサブスリーブ31に収納された状態で該サブスリーブ31と一緒に半溶融状態まで誘導加熱され、半溶融金属Mが、このサブスリーブ31に収納された状態で前記材料投入口21を通して射出スリーブ22内に装填される。サブスリーブ31は、半溶融金属Mよりも十分長くなるように(一例として、半溶溶融金属Mの長さの1.5倍長)その長さが設定されている。サブスリーブ31の先端には、上記カップ部材27内のテーパ形状の段差面29に整合するテーパ面31aが形成されており、射出スリーブ31内に装填されたサブスリーブ31は、そのテーパ面31aを前記カップ部材27の段差面29に当接させる位置が前進端となっている。
本第2の実施形態においては、前記したようにビレットをサブスリーブ31内で誘導加熱することにより半溶融金属Mを得ることから、サブスリーブ31としては非導電性材料が選択される。また、このサブスリーブ31は、高温の半溶融金属Mを保持し、かつ射出スリーブ22内を摺動することから、耐熱性および耐摩耗性に優れていることが要求される。これら諸々の特性を満足する材料としては、窒化ケイ素(Si34)、アルミナ(Al23)等のセラミックスがあり、本実施形態においてはこれらセラミックスによりサブスリーブ31を形成する。
上記スライダー25は有底筒状をなしており、その底部には後方の付勢手段(図示略)から延ばした作動ロッド32が連結されている。前記付勢手段は、前記射出シリンダから延ばしたロッド23の途中に支持され、該ロッド23と一体的に移動するようになっており、これによりスライダー25はプランジャ24と連動して射出シリンダ22内を前進し、サブスリーブ31を前記段差面29に当接する前進端に位置決めする。一方、射出スリーブ22の後端側の内面には環状のストッパ33が突設されおり、スライダー25は、このストッパ33に当接する位置が後退端となっている。また、このスライダー25の内径と前記サブスリーブ31の内径とは同一大きさに設定されており、プランジャ24は、スライダー25の内面により摺動案内されて、そのままサブスリーブ31内に嵌入可能となっている。
ここで、上記サブスリーブ31に嵌入されるプランジャ24の先端部は、先端に向かうに従って次第に縮径するテーパ部24aとなっている。このテーパ部24aの長さは、前記射出スリーブ22側の材料吐出口21と金型1側の湯口部7とで形成されるテーパ穴28の長さとほぼ同じに設定されている。また、このテーパ部24aの傾斜角度は数度のオーダー(一例として、5度程度)に設定されている。なお、プランジャ24は、耐熱性に優れた材料、例えば、前記したSKD61等の熱間ダイス鋼から形成されるが、所望により前記SKD61にさらに窒化処理を施すようにしてもよい。
本第2の実施形態において半溶融成形の実施に際しては、予め射出スリーブ17の内面であってサブスリーブ31の摺動範囲に、潤滑剤好ましくは窒化ボロン(BN)のような固体潤滑剤が塗布される。本半溶融成形装置には誘導加熱装置(図示略)が併設されており、成形すべき金属のビレットを納めたサブスリーブ31がこの誘導加熱装置に投入され、誘導加熱される。この誘導加熱によりサブスリーブ31内のビレットが半溶融状態(半溶融金属M)となり、この加熱終了後、図3に示されるように、半溶融金属Mを納めたサブスリーブ31が、適宜のハンドリング手段を用いて材料投入口21を通して射出スリーブ22内に装填される。前記誘導加熱および装填に際しては、半溶融金属Mの周りがサブスリーブ31により覆われているので、半溶融金属Mの周面には酸化膜がほとんど形成されず、形成されてもわずかとなる。
上記半溶融金属Mを納めたサブスリーブ31の射出スリーブ22内への装填完了により、射出シリンダの作動でロッド23が伸長し、プランジャ24とスライダー25とが一体的に前進する。すると、図4(1)に示されるように、半溶融金属Mを納めたサブスリーブ31が、その先端のテーパ面32aをカップ部材27の内面の段差面29に当接させて移動停止される。しかして、この間、サブスリーブ31の温度は半溶融金属Mの温度に比べて十分に低いので、射出スリーブ22の内面の潤滑剤から油煙が発生することはない。また、サブスリーブ31の温度は、射出スリーブ22の温度に比べれば十分に高いので、その内部の半溶融金属Mの表面には凝固層がほとんど形成されず、形成されてもわずかとなる。一方、ロッド23は、スライダー25用の付勢手段を撓ませて伸長を続け、これにより、プランジャ24は、スライダー25に摺動案内されながら前進を続け、同じく図4(1)に示されるように、その先端側のテーパ部14aがサブスリーブ31内に進入して半溶融金属Mの背面を押圧する。
その後、プランジャ24のさらなる前進により、図4(2)に示されるように、サブスリーブ31内の半溶融金属Mがカップ部材27の材料吐出口21と固定型2の湯口部7とで形成されるテーパ穴28内に押出される。この押出しの間、プランジャ24のテーパ部24aとサブスリーブ31との隙に半溶融金属Mの表層部の材料が流入し、これにより、半溶融金属Mの表面に存在するわずかの酸化膜や凝固層が捕捉される。続いて、プランジャ24のさらなる前進により、図4(3)に示されるように、半溶融金属Mは、金型1内のビスケット形成部6および湯道5を経てキャビティ4に加圧充填され、これにて材料射出は終了する。
上記した材料射出終了後、ロッド23が短縮してプランジャ24が後退する。すると、プランジャ24とサブスリーブ31との間に酸化膜や凝固層が介在することから、図4(4)に示されるように、プランジャ24に追従してサブスリーブ31およびスライダー25も後退する。そして、スライダー25はストッパ33に当接して後退が停止され、一方、プランジャ24は後退を続け、これにより、同じく図4(4)に示されるように、プランジャ24がサブスリーブ31から抜けてスライダー25内に引込まれる。その後は、適宜のハンドリング治具によりサブスリーブ31が材料投入口21から取出され、この時、サブスリーブ31に残留していた酸化膜や凝固層も一緒に取出される。一方、前記材料射出完了により、可動型3が固定型2に対して型開きされ、成形品が固定型2から脱型される。この時、湯口部7の開口端部がストレート部31(図3)となっているので、ビスケット形成部6内で固まったビスケットも円滑に脱型され、これにて一連の半溶融成形は完了する。
このように行う半溶融成形においては、第1の実施形態におけると同様に、キャビティ4内への酸化膜や凝固層の持込みが防止されることはもちろん、潤滑剤からの油煙発生が防止されるので、品質的に優れた成形品が得られるようになる。また、射出スリーブ22内での半溶融金属Mの冷却も抑制されるので、良好な成形性が維持され、成形の自由度も高まるようになる。本実施形態においては特に、プランジャ24のテーパ部24aとサブスリーブ31との隙に半溶融金属Mの表層部の材料が流入するので、たとえ、半溶融金属Mの表面に酸化膜や凝固層が形成されることがあっても、前記隙に酸化膜や凝固層が捕捉され、成形品の品質はより一層向上するようになる。また、プランジャ24が筒状をなすスライダー25により摺動案内されるので、その移動は安定し、サブスリーブ31内から半溶融金属Mを金型1へ確実に押出すことができる。
ここで、上記第2の実施形態においては、スライダー25を射出シリンダから延ばしたロッド23に付勢手段を介して作動連結して、プランジャ24と連動させるようにしたが、スライダー25をプランジャ24と連動させる機構は任意であり、たとえば、前記射出シリンダを二段シリンダとして構成して、プランジャ24用のロッド23とスライダー25用のロッド32とを該二段シリンダのピストンに連結するようにしても、あるいはスライダー25用ロッド32を射出シリンダとは独立の駆動手段に支持させて、両者を同期して作動させるようにしてもよい。また、上記実施形態においては、プランジャ24の先端側をテーパ部24aとしたが、本発明は、サブスリーブ31の使用で半溶融金属Mの表面での酸化膜および凝固層の形成が十分抑制されるので、このテーパ部24aは、省略してもよい。
なお、上記第1、第2の実施形態においては、横型として構成した装置例を示したが、本半溶融成形装置は、縦型として構成してもよいものである。図5は、サブスリーブ31を利用する第2の実施形態を縦型に構成した例を示したもので、この場合は、射出スリーブ22内にサブスリーブ31を投入した際、サブスリーブ31内の半溶融金属Mがプランジャ24の先端に載るので、プランジャ24の先端には、断熱材35を接合しておくのが望ましい。
図1に示した半溶融成形装置において、直径75mm、長さ100mmの大きさを有するA357(アルミニウム合金)のインゴットを用意し、該インゴットを580℃まで誘導加熱して、固相率約50%の半溶融金属Mとした後、これを、内径76mm、長さ150mmの大きさを有するカゴ15に装入した。そして、この半溶融金属Mを納めたカゴ15を射出スリーブ12内に装填し、この装填完了後、射出シリンダを作動させてプランジャ14を前進させて、成形を開始した。この成形に際してのプランジャ14の前進速度(射出速度)は、溶融金属M(カゴ15)が前進端に到達し、プランジャ14の先端がカゴ15内の半溶融金属Mを押圧するまで(図2(2)に示す状態まで)は0.2m/sec、この時点からキャビティ4内に半溶融金属Mが充填完了するまで(図2(3)に示す状態まで)は1.0m/secの大きさとし、また、充填完了時の最大成形圧力は40MPaとした。なお、射出スリーブ12の内面には、窒化ボロンからなる固体潤滑剤を予めコーティングし、金型1については250℃に予熱した。
半溶融成形は、板厚4mm、幅40mm、長さ250mmの大きさを有する板状体の7枚取りとし、上記した成形を5ショット繰返して、得られた35枚の板状体(成形品)について破断による破面検査を行った。この結果、各成形品には、酸化膜や凝固層の巻込みが全く見られないばかりか、潤滑剤の発煙の影響も見られず、本半溶融成形方法および装置が成形品質の向上に大きく寄与することを確認できた。
図3に示した半溶融成形装置において、サブスリーブ31として、内径76mm、外径115mm、長さ150mmの大きさを有する窒化ケイ素製のものを用意し、この中に、直径75mm、長さ100mmの大きさを有するA357(アルミニウム合金)のインゴットを納め、該インゴットをサブスリーブ31内で580℃まで誘導加熱して、固相率約50%の半溶融金属Mを得た。一方、プランジャ24については、そのテーパ部24aの長さを100mmに、その傾斜角度を5度にそれぞれ設定し、さらに、射出スリーブ22側の材料吐出口21と金型1側の湯口部7とで形成されるテーパ穴28については、その長さを前記プランジャ24のテーパ部24aと同じ100mmに、その傾斜角度を3度に設定した。また、射出スリーブ22内面の、サブスリーブ31の摺動範囲には、窒化ボロンからなる固体潤滑剤を予めコーティングし、金型1については250℃に予熱した。
そして、上記のように誘導加熱することにより半溶融状態とされた半溶融金属Mをサブスリーブ31と一緒に射出スリーブ22内に装填し、この装填完了後、射出シリンダを作動させてプランジャ24とスライダー25(サブスリーブ31)とを一体的に前進させて、成形を開始した。この成形に際してのプランジャ24の前進速度(射出速度)は、サブスリーブ31が前進端に到達し、プランジャ24の先端がサブスリーブ31内の半溶融金属Mを押圧するまで(図2(1)に示す状態まで)は0.05m/sec、サブスリーブ31内の半溶融金属Mが50mm押込まれるまでは0.1m/sec、この50mm押込み時点からキャビティ4内に充填完了するまでは0.5m/secの大きさとし、また、充填完了時の最大成形圧力は40MPaとした。
半溶融成形は、板厚4mm、幅40mm、長さ250mmの大きさを有する板状体の7枚取りとし、上記した成形を10ショット繰返して、得られた70枚の板状体(成形品)について破断による破面検査を行った。この結果、各成形品には、酸化膜や凝固層の巻込みが全く見られないばかりか、潤滑剤の発煙の影響も見られず、本半溶融成形方法および装置が成形品質の向上に大きく寄与することを確認できた。
本発明に係る半溶融成形装置の第1の実施形態を示す断面図である。 第1の実施形態の半溶融成形装置による半溶融成形過程を順を追って示す断面図である。 本発明に係る半溶融成形装置の第2の実施形態を示す断面図である。 第2の実施形態の半溶融成形装置による半溶融成形過程を順を追って示す断面図である。 本半溶融成形装置を縦型に構成した場合の実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1 金型
2 固定型
3 可動型
4 キャビティ
10,20 射出機構
12,22 射出スリーブ
14、24 プランジャ
14 カゴ
24a プランジャのテーパ部
25 スライダー
31 サブスリーブ
M 半溶融金属

Claims (4)

  1. 射出スリーブ内に装填された半溶融金属をプランジャの前進により金型のキャビティに加圧充填する半溶融成形装置において、
    金属ビレットを収容して誘導加熱されることにより半溶融状態とすることが可能であり、前記射出スリーブ内に摺動可能に装填されるサブスリーブと、
    前記射出スリーブ内に配設されて、前記プランジャと連動し前記サブスリーブを前進端に移動させるスライダーとを備えており、
    前記プランジャは、前記前進端に位置決めされたサブスリーブ内に嵌入して半溶融金属を金型の前記キャビティへ押出すものであることを特徴とする半溶融成形装置。
  2. スライダーが筒状をなし、該スライダーの内面によりプランジャが摺動案内されることを特徴とする請求項に記載の半溶融成形装置。
  3. サブスリーブに嵌入されるプランジャの先端部が、先端に向かうに従って縮径するテーパ部となっていることを特徴とする請求項またはに記載の半溶融成形装置。
  4. サブスリーブが、非導電性を有する硬質のセラミックスからなることを特徴とする請求項乃至の何れか1項に記載の半溶融成形装置。
JP2005378122A 2005-10-03 2005-12-28 半溶融成形装置 Expired - Fee Related JP4780296B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005378122A JP4780296B2 (ja) 2005-10-03 2005-12-28 半溶融成形装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005290036 2005-10-03
JP2005290036 2005-10-03
JP2005378122A JP4780296B2 (ja) 2005-10-03 2005-12-28 半溶融成形装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007125612A JP2007125612A (ja) 2007-05-24
JP4780296B2 true JP4780296B2 (ja) 2011-09-28

Family

ID=38148709

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005378122A Expired - Fee Related JP4780296B2 (ja) 2005-10-03 2005-12-28 半溶融成形装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4780296B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2028598A4 (en) 2006-05-26 2011-06-15 Nec Corp DEVICE, METHOD AND CLASSIFICATION OF INFORMATION PROGRAM
CN101875097B (zh) * 2010-03-22 2012-06-13 大连交通大学 半固态成形装置及成形工艺
TW201442803A (zh) 2013-05-06 2014-11-16 hui-long Li 壓鑄機之射出頭結構

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10244351A (ja) * 1997-03-04 1998-09-14 Toshiba Mach Co Ltd チクソダイカスト法
EP1110643A1 (de) * 1999-12-22 2001-06-27 Alusuisse Technology & Management AG Vorbehandlung eines thixotropen Metallbolzens
JP3924110B2 (ja) * 2000-03-29 2007-06-06 東芝機械株式会社 半凝固鋳造方法
JP3799470B2 (ja) * 2000-10-26 2006-07-19 株式会社豊田中央研究所 ダイカスト鋳造方法
JP2002307153A (ja) * 2001-04-09 2002-10-22 Honda Motor Co Ltd 半溶融金属材料を用いる鋳造方法および半溶融金属材料用金属缶

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007125612A (ja) 2007-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4379621B2 (ja) アルミニウム合金の成形方法
JP4548615B2 (ja) シリンダブロックの半溶融成形方法および半溶融成形装置
JP2005515897A5 (ja)
EP0225523B1 (en) Molding die for use in casting
JP4780296B2 (ja) 半溶融成形装置
CN106825488A (zh) 用于制造车辆部件壳体的压铸装置及使用压铸装置制造车辆部件壳体的方法
JPH10265865A (ja) 金属の半溶融射出成形方法及びその装置並びに上記方法により製造された成形品
JPS62161452A (ja) ダイカストマシン
JP5587615B2 (ja) 鋳造方法
JP2008284608A (ja) 鋳造方法
CN102601142B (zh) 镁合金挤锻成型工艺及其成型装置
JP4966354B2 (ja) 鋳造装置
WO2005018852A1 (ja) 鋳鉄のチクソキャスティング装置と方法
KR102359579B1 (ko) 용탕 직접가압식 박육부품 주조 장치 및 방법
JP4675932B2 (ja) 金型
JP2004322138A (ja) ダイカスト鋳造における新規低圧鋳造法
JPS5938058B2 (ja) フランジ付長尺管の直接鍛造装置
US8047258B1 (en) Die casting method for semi-solid billets
JP2004209484A (ja) 半溶融金属の成形用金型
JP2004202539A (ja) 金属鋳造品の穴加工法
JP2017164777A (ja) 真空ダイカスト装置
KR101556980B1 (ko) 고압주조 및 단조부재의 제조방법
JP2008068303A (ja) 成形装置および押出ピンならびに成形方法
JP2019177383A (ja) 鋳造整形方法および鋳造整形装置
JP4215237B2 (ja) 金属溶湯用ホットチャンバーダイカストマシン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080303

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101214

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101222

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110316

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110509

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110608

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110621

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140715

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees