JP4547694B2 - 二元操作型視認支援装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
人間の視認行為を支援する為の技術分野に係ります。即ち写真機に代表される、影像の記録装置或いは監視装置等が利用されている分野全般に関わり、そのうち特に動体の視認、照準、記録に深く関係します。
ただし当該分野の中で周辺光景から定めた目標を含む所定の部分を装置内の像(実像或いは虚像)として切り出す技術を対象とします。写真機の例であれば、ファインダー、感光面上における目標像の配置を操作者の期待通りとする技術が対象であり、これを永続的に記録する技術分野及び映像の品質の細部に係る技術分野は本発明の範囲外とします
【0002】
【従来の技術】
人間固有の視認能力のみでは対応が困難である対象、例えば持続時間の短い情景、直接観察する事が不可能な場所の光景、網膜上の像の大きさ或いは明るさが不適切となる対象等には、夫々の性格に応じた支援装置が存在しています。これらは、像を何等かの媒体上に固定して後日の視認作業に供する類のものであったり、或いは像の大きさを視認に適するよう調節するものであったりします。本発明はこれら支援装置全般に係りますが、ここでは前者、即ち実体を有する世界の希望する部分に枠を仮想し、この枠内の実体に対応する像を所定の面上に結ばせる装置を採りあげ、その代表として、ここでは光により像の形成を行う装置の中から、手持ち型の一般の写真機を例にとって説明します。
写真機を用いた撮影行動によって、写真機周辺の光景の一部が、写真機内の像形成面(結像面)即ちファインダースクリーン或いは記録媒体(フィルム或いはCCD等)上に写し取られます。この写し取られた“部分光景”は、一般にその撮影の主目的である何かとそれ以外の部分とに分かれます。以後前者を目標或いは被写体、後者を周辺光景或いは背景と呼びます。
写真撮影を通じて経験的に得られた一つの事実として、人間の視認行為に於いては、二つの本質的条件が同時に満足される事が要求されているように思われます。その条件とは「自己の選んだ目標を他に優先して明確に認識する」事と、同時に、「その目標と周辺との係わり合いを的確に把握する」事であります。以後これを“視認基本条件”として参照します。これは特に動きを伴う情景に接した時、より強く意識されるのではないでしょうか。従って写真撮影を視認支援作業の一つであると考えれば、後日再生された画像がこの要求に適ったものである為には、撮影の段階で「自己が定めた被写体を確実に捉え、最良の状態で記録する為に必要な措置をとる」事と「その被写体及び被写体状況把握の観点から適切に選定された背景を記録する」事の二要求が同時に満たされる必要があります。これを以後“撮影基本条件”として参照します。
尚付言すれば、ここで言う視認行動或いは視認支援の出発点では、既に被写体は撮影視野内にあります。つまり記憶イメージ或いは目標の属性に関する知識に符合する対象を周囲全体の中から探し出し、これに写真機を向ける行動に関しては、本発明は関与していません。
【0003】
以上の思想を基に考察しますと、撮影行動の第一は「自己の定めた被写体を写真機の視野内で捕捉、これに焦点を合わせ、露光量を決定する」事であります。
ここで用いた“捕捉”と言う用語から連想される装置は銃或いはレーダーですが、銃の場合これは“狙いを定める”照準に相当します。この際の照準装置の一例は、銃本体と一体となっている部材の「照星」と「照門」であり、照準者の眼とこの両者とを結び遠方へ延長した線が照準のための光軸、即ち照準軸であると考えます。
非自動写真機の場合は照準装置或いは照準部と言う独立の機能部分を括り出す事は難しく、多くの場合照準軸は不定であると考えられます。即ち被写体は既に視野内にありますから、その中で被写体と定めた対象に意識を注いだ時が捕捉の始まりであり、この後ピントグラス上でその被写体像を鮮明化したり、ファインダー内の被写体部分の二重像を合致させたりして焦点を合わせ、露出計等により露光量を決定します。この被写体の、視野内での位置は任意であり、照準軸とは、この時点で写真機から被写体へ向かう軸線の事ですから、この型の写真機では照準軸を予め指定することが出来ず、結局不定であると言う事になります。
一方自動化された写真機の場合、被写体の測距、測光を実行する部分が照準部に該当すると考えられます。撮影者が被写体の捕捉及び以後の追尾の為に保持する部分を照準操作部と称するとしますと、撮影者は、照準操作部を保持して照準部を操作し、これを被写体に向けます。しかしこの照準部は写真機と一体となっていますから、被写体に向かう照準軸は写真機に固定されている事になり、捕捉中は写真機そのものが被写体に向けられます。結局写真機全体が照準装置或いは照準部として機能している事になります。
視野内における照準軸の位置は、ファインダー上に指示されるか、或いは視野中心等の特定位置にありますから、撮影者は自己の定めた被写体がファインダー中のこの位置に在る様操作していれば、先ず撮影基本要求の第一項は満たされる事になります。
次に撮影行動の第二は「自己の定めた被写体を含み、これと周辺との係わり合いを把握するのに最適と思われる構図即ち視野を選定する」事です。これは先の表現を構図或いは視野という語を用いて言い換えたものであります。この様に本発明中で用いられる構図と言う用語は極めて狭義の概念に対して用いられています。即ち、像形成面(記録媒体)上での被写体像の位置関係の事を指しています。尚ここで、構図可能領域と言う概念を提示しておきます。これは定められた被写体を含む領域(視野)の総和を意味します。これは、被写体を夫々、右下、右上、左下、左上の隅に配する視野を合わせたものに等しく、被写体を中央にして写真機固有視野の略4倍の拡がりを有します。
人間の視認行動における順序付けから“第二”となりましたが、従来の写真撮影ではこちらのほうが主体となっていたかもしれません。この条件は明快であり、物理法則で律し得ない問題と思われる構図の質に関する期待も合わせ、本質的には、被写体を見失わないような配慮と、構図可能領域を覆うファインダー視野とが装置に期待されていると考えます。
本発明では、構図即ち視野を定め、その視野の像を形成させる部分を独立した機能単位、視野設定部として取り扱います。従ってこれを操作するために保持する部分を視野設定操作部と呼び、この視野設定操作部を操作して、ファインダーに結ばれた撮影視野の像が求める構図のものとなる様に視野設定部の方向を定めます。しかし、写真機は一体物ですから、視野設定時は写真機全体が視野設定部として機能している事になり、ボディ、グリップ等が視野設定操作部に該当します。尚ズームレンズ使用時は焦点距離の変更も視野設定に関係しますから、レンズ胴部が視野設定操作部と見なされる事もあります。
撮影基本条件への対応の問題を考察しますと、通常ファインダー視野は撮影視野と一致するように設計されていますので、その4倍の広さの構図可能領域を一望出来るのは、等倍ファインダーの場合に両眼を用いて撮影する時(測距を伴わないものにはフレームファインダーもあります)に限られます。又構図を選ぶと言う事は、撮影視野の中で被写体の位置を自由に動かす事でもありますが、この被写体位置を常に示す指標は特には用意されていません。従って構図選定に際して、肝心の被写体を視野外に出さぬ努力が撮影者に課されている事になります。
【0004】
写真機が視認支援装置として完全に機能する為には前述の二つの撮影基本条件を同時に満足する必要があります。
照準軸が特定出来ない型の写真機では、先ず視野を定めつつ、その方向に写真機を固定したまま照準操作を実行します。この場合撮影基本条件は同時に満たされているかに見えますが、手動操作ゆえに動きを伴う被写体に臨むには可也の熟練を必要としましょう。スタジオTVカメラによる放送画面にピント外しが散見されるように職業カメラマンにとっても決して容易なことではないと思います。
一方特定の照準軸を有する写真機の場合は、照準時に写真機は全体として照準装置として機能していると見なされます。写真機は照準軸上に被写体を捉える方向に向けられ、同時にその時の視野像をファインダー上に映しています。若しこのファインダー像の示す構図が適当であれば、撮影基本条件は同時に満足された事になりますが、この様な状況は特殊な事例であると考えるべきでありましょう。一般には、適当な構図を得る為に写真機の向きを変え視野を移す必要があります。つまり照準時と、視野設定時とでは写真機の向きが異なります。
従って被写体を捕捉する為の照準軸が設定されている型の写真機では、照準時の写真機の向きと視野が確定したときの写真機の向きとは異なるものであるとしてその特質を論ずる必要があります。つまり二つの撮影基本条件を同時に満足させることは不可能であり、時分割で個別に対応せざるを得ない訳であります。実際に一旦捕捉して被写体情報を取得固定し、その後改めて構図の設定を行う操作例が定常化して来た訳であります。しかし動体に対してはこの交互操作を頻繁に繰り返さねばならず、被写体の視野内での移動速度が大になるほど追随は困難となって来ます。実際はある種の妥協をし、つまり被写体が照準軸上にある構図で撮影してしまうとか、予測位置に焦点を合わせておくとか、視認行動の質の低下と言う代償を払い、とりあえず記録を得ているのが実状ではないかと推測します。
尚、特開平6−230453(被写体追尾機能を有するカメラ)は、複数の照準軸(焦点検出領域)を備え、その一つにおける被写体の捕捉を出発点として、以後の視野内での捕捉を自動的に維持し、何れかの照準軸に重なった時に再測距する技術を記述しています。これは動体の撮影に際して、第一の撮影基本条件をより満たそうとする一つの努力であると思いますが、第二の条件に関しては明示されていません。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術に於いて明らかに未解決であると見なされる課題は、(0002)で述べた二つの撮影基本条件を同時に満足させる事であります。
(0004)で触れましたように、一般には視野の中心軸である視野軸と被写体への向きである照準軸の向きとは一致していませんし、その差は選定された構図次第であります。一方写真機側は、この両軸が常に同一の目標を指向する様造られています。このため本質的に、装置を指向させる方向を異にするはずの「照準」、「視野設定」の二動作を同時に実行することが出来ません。
本発明が解決しようとしている課題は、この二動作を同時並行させ、二つの撮影基本条件を満たす事、これにより二つの視認基本条件を同時に満たし、結果的に視認行為の質を向上させる事であります。
【0006】
以下に、前述の二動作を同時に実行出来ないが故に、視認支援を全うすることが困難な問題の例を挙げます。
1.何等かの手段により被写体の捕捉が約束されている好条件下にある場合、任意の構図を取りたい時にもその好条件が活かされるべきである事:
例えば、
1A)自動経緯儀に取り付けられ、特定の目標天体を捕捉しつつ、随時、任意の周辺天体を同時観測したい時。
目標天体のみを観測するのであれば、これをファインダー中心に据えた構図をとれば良い事になります。一旦捕捉した後は、この捕捉状態は自動的に維持されます。しかし同時に観測したい他の天体がこのままでは視野に入らぬ場合は、目標天体を中心から外し、両者が視野に入る構図を選ばなければなりません。ここで目標天体に対する捕捉が失われた事になります。つまり目標天体は自動的な捕捉が約束されている照準軸上にないことになります。観測される事が保証されているのは照準軸上にあるもののみであり、特定の天体を必ず含むような構図を取り続ける事は、不可能ではないものの決して容易とは思えません。
1B)売場等において、重要拠点を中心に広い範囲を自動監視する時。
本来照準軸は重要拠点に対して固定してよいにもかかわらず、視野軸を振る時に同時に照準軸も振れてしまうため、重要拠点を必ず監視しておくためには、そのための特別の操作を必要とします。
2.自動焦点、自動露光機能を利用し、移動する被写体を、任意の構図で撮影する事:
この問題は、「捕捉」、「視野設定」の夫々の動作が途切れる事無く、同時並行して継続する事を求めている典型的な例です。ここに要望されている動作の実行を妨げているのは、捕捉機構と視野設定機構とが一体化しているその基本構造にあります。従ってこの基本構造に抜本的な改革を試みない限り真の解決は得られないと判断しています。
従来技術に於いても、この問題の解決は部分的には試みられていますが、前述の基本構造に手を加えない方法による限り、任意目標に対する任意構図の問題は解決困難であると考えます。
例えば前述の従来技術、特開平6−230453(被写体追尾機能を有するカメラ)に於いては、一旦手動による合焦操作によって被写体領域を設定し、以後この領域の明るさの分布パターンを基準とし、次にこれに類似したパターンの領域を近傍に見出す操作の繰り返しで追尾、即ち捕捉の継続を行っていますが、これには被写体像がその大きさを急激に変化させず、複数目標に分離せず、又回転等によって形状、輝度分布を急速に変化させない事を前提とするものと考えます。
そもそも撮影者による被写体の選択、指定は全く当人の恣意的行動であり、選ばれる被写体の物理的性質に枠を嵌めることは出来ません。即ち、被写体の追尾行動には元々物理法則の及び得ない領域が含まれて居ると解釈します。それ故に、移動し、見た目に変化するあらゆる種類の被写体を、そのイメージ等の物理的状態から同定する統一されたアルゴリズムが得られると言う事は極めて考え難いのであります。やはり本質的には、先ず被写体を選んだ撮影者本人が、直接的行動で捕捉・追尾を行うのが自然な対処法であると思います。前述の従来技術に代表されるパターン認識的手法は、操作者の恣意的選択の結果である被写体の捕捉を継続すると言う課題には本質的に整合し得ないと判断します。やはり、この種類の手法は、より直接的な手段が得られた後の補助手段として利用されるべきものと考えます。
又従来技術に手を加え、合焦、露光調節用のセンサー位置を外部操作で自由に移動出来るように改良すれば、撮影者は自分の選んだ被写体を直接的手段で追跡する事が出来ます。しかし、この追跡は、その時点の視野を基準としています。即ちここで実現された機能は、視野軸と照準軸の偏差の制御であり、照準(捕捉)操作と視野設定操作が独立していません。従って、写真機を振り背景を変えつつある状況で被写体を捕捉し続けるのには、被写体自身は停止している場合を含めて、それ相応の熟練を要するものと考えられ、容易に現実的な案が得られるとは思えません。
【0007】
【課題を解決するための手段】
課題を解決する為の手段の基本は、「照準」、「視野設定」の二操作を同時に、独立して、実行できる装置構成法を得る事であります。そもそもこの二操作を独立に実行できない理由は、照準軸と視野軸(撮影軸)を独立に制御出来ない事でありましたから、解決の基本はこの両制御部の独立であると言う事になります。
引き続き手持ち型の、一般の写真機を例として説明しますが、従来技術に関して記しました様に、通常の撮影操作は、第一の操作である被写体の捕捉と、第二の操作である視野或いは構図の設定から形成されています。被写体の捕捉とは、視野内の特定目標を特に意識し、これが撮影上最も優遇されるよう措置する事であり、視野設定とは被写体を含む光景の取り出し方を指している事である、と考えられますが、このどちらを先に実行するかは、各時点での撮影者の勝手であります。仮にこの二つの操作間における被写体の動きが無視出来る程度のものであれば、被写体の捕捉を先行させ、その後に構図を定めたとしても、或いは操作の順序を逆にして、先ず視野を定め次にその中で被写体を捕捉しても結果としての構図は同じになる筈であります。この様に本来Aの操作にBの操作を加えても、又Bの操作にAの操作を加えても結果が同じになるのであれば、この二つの操作は独立であるべきであり、そのためには2番目の操作の時、最初の操作の結果が崩されないことが必要であると結論付けられます。
【0008】
以上より、課題を解決する方策の基本は、本来独立の操作であるべき被写体の捕捉と視野の設定とが互いに影響し合う事の無いように、これらを独立機能として分化することであります。
幸い人間には2本の手があります。従って、最も技術色の希薄な手持撮影を想定したとしても、独立機能即ち独立操作の数が二までであれば充分に対応可能であると考えてよいでしょう。即ち、一方の手による第一の独立操作が被写体の捕捉であり、他方の手による第二の独立操作が視野の設定(結果的には構図の設定)となります。もしこの様な写真機を手にしたとすれば、捕捉側の手で写真機を動かして移動中の被写体を追う時、視野設定側の手を遊ばせれば構図は変わらず視野が被写体の動きに応じて変化します。又この視野設定側の手を動かぬ様保持していれば視野固定で被写体を追尾する事が出来ます。一方被写体への方向が変わらぬ時、捕捉側の手を固定し、視野設定側の手を動かして構図を定めます。動体の自由構図撮影は、この総ての組み合わせであり、捕捉側の手は常に被写体を捕らえる様写真機の照準方向の制御に専念し、この間他方の手は専ら視野の設定即ち構図の設定にあたります。
【0009】
装置の構成をこれに対応させるには、従来の写真機構成を、第一の機能を司る照準部と、第二の機能を司る視野設定部とに明確に分離させ、両者を可動機構で結合します。この結合部分の状態が最終的な構図を定めている事になりますのでこれを構図設定部と名付け第三の機能単位とします。
照準部では、目標捕捉系(光学系)により固有の方向が規定され、その方向に一本の軸(照準軸)が仮想されます。そうしてこの軸上に目標、被写体が来るように操作されます。観方を変えれば、この軸上一番手前に見えるものが被写体であり、測距、測光はこの被写体に対して行われると言う事になります。この関係は他の要素(視野設定部、構図設定部)の状態に影響されないようにします。つまり他の要素を操作した時つられて動くことの無いようにすると言うことです。
視野設定部は従来技術での写真機本体そのもと観てよく、その向けられた空間の光景の像をその中に結ばせます。これも先の照準部と同じく、他の要素が操作された時つられて動くことの無いようにします。但し視野は必ず被写体をその中に含んでいると言う本発明としての大前提があります。従って、照準部の操作の結果、被写体が視野を外れてしまいそうな時は、視野設定部は一転、つられて動かなければなりません。
これは、手持ち写真機の場合、操作の拮抗に対して装置側に対処法がない事を意味します。従って、視野設定部側が照準部側を引きずる事はあり得ます。この場合それまでの被写体の捕捉は失われる事になり、新たな捕捉が必要となります。但し以上は原則論であり、実際上は随時この条件を外す事を可能とし、装置の多用性を求めることがあってもよいと考えます。
構図設定部は、可動機構であり、照準部と視野設定部とを結合します。ここで一方を固定したとき他方が所定の範囲内であれば自由に動き回れるように構成することにより、一方の動きに他方がつられる或いはつられないと言った関係を実現することが出来ます。つまり相対的な回転運動の範囲に限界を設定すると言う事です。
尚実用上、可動部のロック及びその解除を随意に行うと言う機能を加え利便性を増す事が出来ます。特に照準軸と視野軸が合致した個所でロックする機構は、従来技術型の写真機と同一の状態を実現している事となり、本発明型と従来型との使用感の連続性を得ることに資すると思います。
【0010】
照準部の構成要素は、従来技術の写真機の中に存在していると考えます。問題はそのどの部分を取り出して独立の機能体として纏めるかであります。
撮影者は一方の手で照準操作部を即ち照準部を持ち、目標に向けてその方向を定めます。この照準部には、これと特定の位置関係にある(或いは一体であるように設定された)目標捕捉系があり、これにより規定される一つの軸即ち照準軸があります。この照準軸は照準部を一端として空間に延長して存在し、この軸上に目標、被写体がある時、“被写体が捕捉されている。”事になります。「照星」、「照門」型の目標捕捉系を備える照準部では、照準部本体と一体であるこれら二つの部材を結ぶ線が照準軸であり、軸上の目標は撮影者の眼をこの線上に置く事で認識され、捕捉されます。
又、望遠鏡を照準部に組み込む場合はその望遠鏡が目標捕捉系であり、その光軸が照準軸になります。被写体の像はこの光軸上で確認出来ますし、軸上に自動撮影用センサーを置けば、捕捉被写体の情報を常時取得し続ける事が出来ます。これは従来技術に於ける独立ファインダー系及び/又は独立型の測距、測光系を一括して取り出したことに該当します。
この他に、照準軸が撮影視野用の光学系の一部を利用する一眼レフの場合があります。ここではサブミラーから測距、測光センサーに到る系の部品が照準部に所属することになり、これらの向きを照準操作部による操作に応じて変化させます。
次にファインダーに関してでありますが、本発明におけるその定義を“撮影者が、視野全体の像を撮影操作と並行して同時に確認する為のもの”としますと、本発明の及ぶ範囲の中にはこれを必要としない事例もあり得ます。しかし説明中の手持ち写真機では必須でありますので以下に説明します。尚、ここでは撮影者は片方の目で観る事を想定します。
本発明による装置を操作する場合、眼は被写体像が照準軸上に在る事の確認と視野全体の確認の二役を担います。従って片方の眼で観ると言う条件の場合、ファインダー視野内の撮影視野全体像の上に照準軸の位置を重ねて表示する必要があります。
「照星」「照門」型では、撮影視野に対応する枠を照星付近に置く事によりフレームファインダーを構成することが出来ます。本発明では照準軸と視野軸とは固定関係ではありません。枠の中心と照星との偏差は、視野軸が属する視野設定部と、照準軸が属する照準部との方向差に対応させます。つまり方向差を両者の中間にある構図設定部で検知しこれに基づいて枠を移動させます。
望遠鏡型目標捕捉系にファインダー機能を与える事は、この視野を撮影可能領域(撮影視野の略4倍)にまで拡大することであります。但しその視野内に置く中心マークは固定で照準軸に対応させ、撮影視野枠の方は、先のフレームファインダーと同様の機構により可動となります。
ファインダー像の視覚化部分が視野設定部等、他の部分に在る場合は、この上に照準軸の位置を示すマークを重畳させます。このマークの撮影視野中心からの変位は、上下方向については照準軸、視野軸の俯仰角差に対応し、左右方向については方位角(旋回角)差に対応します。このマーク位置は照準軸と一定の関係を保つ訳でありますから、結局照準部に属すると見なす事が出来ます。
一眼レフの場合、照準軸(の一部)は視野設定部内に同居しています。この場合照準軸は視野設定部内でその位置を変えます。つまり構図設定部が検知した照準部(照準操作部)の変位に基づいて視野設定部内の照準軸と関連している部材(自動撮影用センサーへのミラー、ファインダー面に投影する被写体位置マーク等)を変位させ、先の変位に対応した位置を取らせます。尚、被写体測距、測光用のセンサーは目標情報の取得部として、この目標を常に捕らえている事を義務付けられた照準部に属し、照準軸の末端に位置して取得した目標情報を像形成面が属する視野設定部に送り、結像特性の設定に反映させます。
【0011】
次に撮影者は他方の手(照準部を持っていない方の手)で視野設定部の視野操作部を持ち、ファインダー上の像を見ながら希望する視野を得る様その向きを定めます。照準部を持つ手がこの動きに逆らわない限り、或いは構図設定部がロックされている場合、この操作は従来技術における手持型写真機の視野設定操作と殆ど変わる所はありません。これは先に述べましたように、従来技術では一般に照準操作と視野設定操作が独立に同時実行出来ず、元々視野設定操作は照準操作を伴わない単独の操作であったという事実、そうして本発明での視野設定操作も又単独操作と定めてあり、結局両者の実態に差がないと言う事に他なりません。
その構造を大局的に見ると、従来技術の(手持型)写真機の保持部の約半分(片手分)と被写体を確認しその情報を取得する為の部分を取り除き、照準部として独立させた残りの部分と見なす事が出来ます。但しTTL測距、測光ではそれを構成する部材がこの視野設定部に残されますが、先に照準部で説明しましたように、新たに照準部の構成要員となったものが同居している訳であり、この視野設定部がこれらを制御することはありません。自動焦点、自動露光の場合は照準部で取得された被写体情報を受け取る部分、即ち結像特性の設定部以降が視野設定部に属し、光学系の結像特性を制御します。
【0012】
以上の二機能部は従来技術の写真機を新しい機能区分の概念に従って分割し独立させたものでありますが、第三の機能部である構図設定部は本発明の固有の機能概念を実現する部分であります。
この構図設定部は、照準部と視野設定部を可動的に結合します。つまり両者の軸の向きをある範囲内であれば自由に設定出来る構造とします。ある範囲とは、照準部で捕らえた被写体の像が視野設定部の像形成面の定められた有効範囲に収まっている場合を指し、その限界では両者は一体物と同様の固定の位置関係を継続させます。つまり視野設定部を基準に考えて、照準部が撮影視野の縦(俯仰方向)、横(旋回方向)の夫々を見込む角度相当分の中は自由に動けるようにします。尚この角度はレンズの焦点距離によって変化しますから、ズームレンズ使用時はこの制限角度を焦点距離によって変化させる事になります。
又視差の補正(補償)を必要とする場合も、これに関する機能部分はここに組み込まれるべきでありましょう。この場合の視差とは照準軸の向きと撮影系(視野系)或いはファインダー系内において被写体へ向かう軸の向きとの差であり、被写体への距離に応じて先の回転制限位置、ファインダー像上の被写体指示マーク位置等を補正する事になります。
本発明は各構成品の強度、剛性には関与しませんが、ここでの手持型における操作説明を明確にする為には、この結合部分には弾性部分を含まず、仮に片手で保持していても、変形する事は無いとしておきます。
以上のようにこの構図設定部は、従来技術写真機には存在しませんが、その構成要素は任意の従来技術によるストッパー付回転機構(二軸分)で実現することが出来ます。又照準部と視野設定部を離れた位置に置き、結果的に構図設定部が二分され互いを制御情報で結ぶ構成を採った場合も、両者の位置関係が固定であるか、計測可能であり、且つ夫々の側における操作結果から、照準部側と視野設定部側との間の総合変位量を得られる様構成するのであれば、視差の拡大を伴うものの原理的には同じ範疇に属するものと考えます。
【0013】
これまでの説明は手持型の写真機を例にしていましたが、要は、目標と定めた対象とその周辺の映像を得る装置で、従来技術における構成を、目標を捕らえる為の物(常に目標の方へ向けておく為の物)とその目標を含む視野全体を定める為の物とに仕分けして再構成し、その二つを二軸の制限付回転機構で結合したものであると考えられます。従って前述の二つの独立機能単位に分けることが可能なものであれば、写真機に留まらず、テレビカメラ、ビデオカメラ、照準装置、監視望遠鏡等についても説明すべき内容は同じであると言えましょう。
先に提示した天体観測、売り場監視の事例に於いても、本発明による装置を使用すれば容易に目的が達成出来ます。天体観測では照準部を照準操作部で経緯儀に固定し、視野設定部を手動又は自動で制御すればよく、又売り場監視では、やはり照準部が重要拠点を捕捉した状態で固定され、視野設定部をその可動範囲で制御すればよい事になります。
尚この2例の場合、照準軸と視野軸との合致ロック機構があれば、このロック状態で照準を決めた後は、目標をファインダー上で確認する必要はないため、ファインダー上の目標位置を動的に示す機能は、必ずしも必須ではない事となります。
【0014】
(0002)で述べた二つの視認基本条件は、一人の人間の行為に対するものであり、この二条件を二人に分割して適用する事は考えられません。しかし、であるからと言って視認行動の支援も、同様に一人で実行しなければならないと言う訳ではない筈です。
機械的支援を必要とする対象の一つに動きの速い目標があります。本発明の装置は二つの撮影基本条件の同時満足を実現させましたが、この装置を一人で操作する時、意識も同時に二つの操作に集中させる事は出来ないと言う事実があります。つまり操作体制(機械の状態)は2操作、夫々並行継続していますが、意識は時分割で交互に注がれていると思われます。
この意識の時分割対応では満足出来ない局面に於いては、二つの基本条件の一つを他人に委託する事があってよいと考えます。「捕捉」を他に委託するか、「視野設定」の方を委ねるかは、その時次第であり何れもあり得る事と考えます。
この様な状況では、視認支援装置の照準部と視野設定部とは別々の人によって操作されます。監視望遠鏡を例にとって説明しますが、若し目標の特徴を充分に伝える事が可能なら、捕捉操作を他に委ね、当人は目標とそれを囲む周辺の観察に没頭出来ます。又この逆もありますし、両操作とも他人に委託する事もあり得ます。
以上より判る事は、元々一人の操作を出発点とした本発明の思想を、複数人による操作に拡張する事により、視認支援の質を向上させ得ると言う事であります。
この問題に関連して機構上考慮すべき事項があります。それは回転範囲制限の適用・解除に関する制御の導入であります。つまり目標が視野を逸脱しようとしている時は、回転制限の為に二つの操作が拮抗している事になります。一人操作の時は何れの操作を優先させるかは当人に任されていましたが、二人操作で拮抗状態が発生した時は、操作を阻害しようとする力がある限度に達したら回転制限を開放し、再び元の制限域に入った時回転制限機能を復元させる等の機構を設けることになります。或いは操作者の意志で、この開放を行える事があってもよいと考えます。
この様な複数人による操作を前提にしますと、照準部と視野設定部が密着している必然性は薄れて来ます。つまり両者を離して置いた方が利便性を増すと言う事例が多くなってくる事です。
この新たな課題に対応する為に、若し本発明の構成要素に何かを追加しなければならないとすれば、それは前記両機能部を連結している構図設定部に対してでありましょう。しかし、本発明の骨子である「独立操作可能な照準部と、同じく独立操作可能な視野設定部とを制限付回転機構である構図設定部で結ぶ」と言う基本的構成法は、夫々の独立操作を別々の人で行うとか、両機能部間の距離を離す等の操作環境の変化に影響されないように思えます。であるならば、この新課題は従来技術による制限付二軸回転機構の構成法によって吸収出来る筈であります。
この制限付二軸回転機構では、ある軸廻りのトルクを一方から他方に伝達する際、その途中にある回転部で伝達中トルクのその軸廻りの成分が回転角を変化させる為消費され、残りのトルクが更に先に伝えられます。若し二軸共制限角範囲内であれば、伝達トルクは総てが二軸の角度変化として消費され他端では消滅します。又もし角度制限を受けているのであればトルクは残り、他端側の機能部の位置と方向を変える事に使われています。この制限付二軸回転機構は当初の説明から連想される純機械的伝達機構のみではなく、電気、電子技術も含めた広い分野の従来技術によって構築したとしても、本発明の掲げる構図設定部の趣旨に外れることはないと考えます。従って構図設定部が結合する二つの機能部間の距離を如何様に設定しようとも、従来技術の範囲内で対処可能と考えます。換言すれば、構図設定部に追加すべき構成要素は無い事になります。更に論を進めれば、この二つの機能部は互いに移動しつつあってもよい事になりましょう。
本発明の新規性は視認支援装置の構成思想にありまして、構成要素技術の細部は従来技術そのものであってよいとしています。照準軸と視野軸とが同位置にない(重なることがない)事に基づく視差とその補正の問題も同様に従来技術に全てを託しています。照準部と視野設定部を離す事によって視差は拡大することになりましょうが、先のトルク伝達機構同様、従来技術内で吸収される問題と考えます。
ここで以上の問題に関しての一例を挙げておきます。
先ず、俯仰・旋回可能な架台上に照準用のTVカメラを設置し、離れた位置に先の架台の動きに追随して俯仰・旋回する架台を置き、この上に構図設定部として必須の制限付二軸回転機構を介して放送用TVカメラを据付ます。二つの架台は方位盤−砲座・砲塔方式で結ばれます。前者が照準部であり、後者が視野設定部、両架台が構図設定部に該当します。両者の設置位置に関する定数は予め装置に入力され、初期設定としての位置合わせ(水平をとる、同一方向に向ける、同一目標に向ける、互いに向き合う等々)は済ませておきます。放送内容を自動車レースと想定しますと、照準用カメラは指定された特定の車を追い続ける事に専念します。これに伴い放送用架台は視差を補正しつつ目標の車を指向します。放送用カメラはこの方向を中心とした構図可能領域内で構図を選び放送用画面を送出します。
ここで測距・測光情報の処理方法は多様化の方向にあります。つまり目標に向かう照準軸は、照準部側にも、視野設定部側の架台上にも実現されますから、測距情報等を得る被写体情報取得部をどちらに置いてもよく、また両方に置いて切り替えて使用してもよい事になります。視野設定部側から被写体を見たとき、他の物体が間に入り込む危険性はありますが、被写体距離に関する座標変換処理が不要でありますし、視差が大きい場合、元々照準部からの測光情報の変換には無理があります。
この様なシステムに於いて、照準部、視野設定部を夫々複数台設置し、構図設定部も分割し、夫々に必要な部分を付属させた場合、各視野設定部は随時相手となるべき照準部を選択し、これと結合して運用することが可能です。先のTV放送の例であれば、複数の照準用カメラは夫々が指定された車を捕捉・追尾し、放送用カメラは状況に応じて被写体を切り替えて放送する事になります。
以上の、複数人による操作に関する何れの局面に於いても、ある時点で視認支援装置として機能している部分を抽出すれば、総て本発明の提示する構成、特性を示して居ます。
【0015】
以上を纏めますと、本発明は、視覚をもって認識したいと思うある目標とその周辺の実像或いは虚像を装置内の所定の場所に形成させる事を目的として、
装置の保持と目標に対する狙いを定めるための操作者の動きを伝える照準操作部、これと特定の位置関係にある目標を捕捉する為の系及びその構成部材で規定される照準軸から成り、目標を照準軸上に捕捉する様機能する照準部と、
装置の保持と視野を定めるための操作者の動きを伝える視野操作部、像形成面(像が結ばれる面−虚像が形成される面の場合を含む)、外界の像を導き入れる為の像形成系から成り、目標及びその周辺の像を像形成面に結ばせる様機能する視野設定部と、
以上の照準部と視野設定部とを可動機構で結合し、照準部で捕捉された目標の像が常に像形成面の有効範囲を逸脱しないようにする為の構図設定部とを備えて、目標の像を結ばせようとする時に、第一に、照準部は目標の像が像形成面の有効範囲内にある限りは、視野設定部の動きに影響される事なく、独立に照準操作部を操作して目標を捕捉する様構成し、
第二の独立な動作として、視野設定部は目標の像が像形成面の有効範囲内にある限りは、照準部の動きに影響される事なく、視野操作部を操作して、視野即ち構図を設定出来る様構成した、
即ち目標の捕捉と視野の設定が独立に操作出来る二元操作型の装置を実現させます。
更にこの装置では、照準部に照準軸上に捕捉されている目標の測距、測光の為の目標情報取得部を、視野設定部にはこの目標情報取得部からの情報により像形成系の焦点制御、露光量制御の為の結像特性設定部を備える事により、常時目標が捕捉されていると言う条件を前提として、目標の状態変化に即応した焦点、露光の制御が可能となります。
【0016】
【実施例】
これまで、本発明の適用される分野における代表例として手持ち型写真機を取り上げて来た関係上、ここでも手持ち型写真機に係わる実施例を提示します。
実施例1は本発明の原理の解説を主目的とした、所謂動作原理モデルであり、図1にこれを示します。ここでは仮想的に、従来技術による手持ち型写真機に改造を施して本発明型の写真機を得ると言う形態をとっています。図1に於いて改造の対象に充当されたのはCCDを感光部とした、LCDモニタ付自動測距・測光型写真機であります。
照準部1の外見上の主体を為すのは撮影者が保持する部分である照準操作部11であり、内部には改造充当機から取り除いた被写体の測距、測光関連の部品から構成した目標捕捉系12及び目標情報取得部14が組み込まれています。この目標捕捉系の光軸が照準軸13であります。
以上の処置を経た後の改造充当機の残りの部分がそのまま視野設定部2となります。CCD部分が像形成面22であり、光学系がそのまま像形成系23となり、その光軸が視野軸25であります。
従来型写真機の場合、視野設定操作は本体(或いは長焦点レンズの胴部)を保持して行っていますので、ここでも同様に視野設定部本体が視野操作部21となります。尚光学系の焦点調節、絞り調節機構が結像特性設定部24であり、先の目標情報取得部14と信号線(図示されていません)で結ばれます。
ファインダー像と同等の意味合いを持つLCDモニタが視野像表示部4であり、視野設定部(改造充当機本体)に取付けたままとしています。
構図設定部3は図1に於いて斜線を引かれた部分であります。この内旋回基板33と俯仰基板34とが照準部1と視野設定部2とを結合しています。視野設定部2は旋回基板33に固定され一体となっています。旋回基板33と俯仰基板34とは旋回軸31を介して結合され、この軸周りに旋回します。照準部1は俯仰軸32を介して俯仰基板34に結合され、この軸周りに俯仰します。
俯仰基板34の前後面には縦滑り溝341があり、これにコの字型の縦変移板36の俯仰基板34を挟む2面がこれと実矧(さねはぎ)状に嵌合し、縦方向に滑り変移します。俯仰ストッパー344は俯仰基板34に固定されています。従って図示の形状から縦変移板36の移動範囲はこの俯仰ストッパー344によって規定されます。俯仰腕111は照準操作部11と一体であり、先端部の突起が縦変移板36に彫られた横長の俯仰変移伝達溝(図示されていない。後述の旋回変移伝達溝351と同形状)に嵌っています。これにより照準部の俯仰によって俯仰腕111の先端が上下するのに伴い縦変移板36が上下する事になります。又縦変移板36が俯仰ストッパー344に当たる事により照準部の俯仰そのものが制限される事になります。
旋回基板33と横変移板35の関係は俯仰基板34と縦変移板36との関係に略同じであり、横滑り溝331における実矧状嵌合部で横方向(左上の側面図では紙面に垂直)に滑り変移します。この場合旋回腕343は俯仰基板34と一体であり先端突起は横変移板の旋回変移伝達溝351と嵌め合い俯仰基板の旋回に応じて横変移板を左右(図1左上の側面図では紙面に垂直方向)に動かします。
図1では俯仰基板34、縦変移板36、俯仰腕111の平面(断面)図が示されていませんが、同図の旋回基板33、横変移板35、旋回腕343の関係が略その状況を示して居ると考えます。又逆にこれらの平面関係は図示の俯仰基板34、縦変移板36、俯仰腕111によって概ね示されています。旋回ストッパーは図示されていませんが、俯仰ストッパー344に相当する位置に取付けられ、旋回範囲を制限しています。
視野像表示部4の視点(撮影者)側に位置する目標指示枠41と捕捉追随棒42は一体のものであり、横変移板35を貫通し上下方向のみ自由に動けます。下端側には横長の穴があり、これを縦変移板36に固定された俯仰追随棒361が貫通し、俯仰に伴う縦変移板36の上下の動きを捕捉追随棒42に伝えます。
尚俯仰角、旋回角共に0の時、即ち俯仰旋回範囲の中央にある時目標指示枠41の中心は視野像表示部4の中央にあります。図1はこの時の状態を示します。関連各所の寸法取りに関しては、限界俯角に於いて目標指示枠41が視野像表示部4の下縁にあり、限界仰角に於いて上縁にあり、旋回左右限界に於いて夫々左縁、右縁にあるようにします。
撮影に際しては、この写真機の照準操作部11を一方の手で、視野操作部21を他方の手で持ちます。旋回軸、俯仰軸回転部分に適度の摩擦を与え、片方の手のみを動かした時に、他方の手でその動きを妨げない限り、写真機全体が一体として動く様にしておきます。
旋回、俯仰の状態の如何に関わらず、照準軸13上の最も撮影者に近い位置にある実体が被写体であり、回転ストッパーにより被写体が視野を逸脱しない事が保証されていますので、この被写体の像は視野像表示部4の何処かに必ず位置し、目標指示枠41によって指示されます。又視野の中ではこの被写体の像が合焦状態にあります。
被写体が移動しつつある場合、目標指示枠41から被写体が外れぬ様、照準操作部を持った手で写真機全体を振り目標を追います。捕捉、追尾の観点のみからすれば、視野操作部を持った方の手は写真機の重量を支えるのみでよい事になりますが、若し被写体の画面内での位置を変えたい、つまり構図を変えたいのであれば、この手にも若干の力を加え視野設定部に照準部と異なる動きを与え構図を変えていきます。
視野を先に決める、或いは視野を固定した撮影の場合は、視野操作部を持ち、或いは三脚に取付け視野を定めた後これを固定します。この後、焦点、露光量決定の為の対象としての目標を視野像表示部4上で選択し、この上に目標指示枠41が来るよう照準操作部11を操作します。
被写体が先に選択されていて、それへの方向が変わらない場合、照準操作部の方を三脚に固定する事が出来ます。構図は視野操作部を操作して任意に設定する事が出来ます。
因みに、本例は写真機として説明されてきましたが、要はLCDモニタへ視野像データを供給出来る像形成面22を持つ (記録用像形成面が別にあってもよい) 方式のものであればよく、CCD感光面を有する機材に限定する必要はありません。又最終的な記録媒体を特定してもいません。従って、ここにおける説明に適合する構成を有するものであれば、CCD写真機以外の、例えば銀塩写真機、ビデオカメラ、TVカメラを本例に倣って改造することが可能であります。
【0017】
実施例2は、実施例1における構図設定部廻りの機構的部分を、他の従来技術要素と交換して得られた、LCDモニタ(及び/或いはLCDビューファインダー)付、AE、AF写真機の例であり、図2に示します。但し本例も先の実施例1同様、説明に登場する構成要素が同じであれば、ビデオカメラ、TVカメラ等にもそのまま適用可能であります。
図2を上面図とした場合、本例では右手側に照準部1があり、照準操作部11で保持します。この構成要素は先例と同じであります。左手側の視野設定部も先例同様の構成であります。図2の視野像表示部4はLCDモニタを想定して描かれていますが、これをLCDビューファインダーに置き換える構成、或いは併設する構成、何れも本実施例に含まれます。何れにしても像形成面22は視野像表示部4へ視野像データ403を出力する為に存在します。
照準部1と視野設定部2とを結合する方式も基本的に先例と同じであり、旋回基板33は視野設定部2に固定され、旋回軸31を介して俯仰基板34と結合され、この軸周りに旋回します。照準部1は俯仰軸32を介して俯仰基板34に結合され、この軸周りに俯仰します。旋回、俯仰のストッパーについては図に明示されてはいませんが、夫々先例同様の思想により、回転範囲について必要な制限処置を施し、視野設定部から被写体を望む軸が像形成面22の有効範囲から規定される視野立体角の範囲を逸脱しない事を保証する事としています。因みに図2における旋回範囲は、俯仰基板が旋回の或る位置で旋回基板にあたる事により制限されると言う方式で描かれています。
先例との基本的相違点は、視野像表示部4上で、照準部が捕捉している被写体を指示する手段に在ります。図2に於いて、旋回角発信器332は旋回基板33に取付けられ、俯仰基板34側に固定された旋回軸31の回転角を検出し旋回角信号400を出力し、俯仰角発信器342は俯仰基板34に取付けられ、照準部1側に固定された俯仰軸32の回転角を検出し俯仰角信号401を出力します。
視野像データ403は、既に(像形成面22に於いて)視野像表示部4の座標系に整合された時系列データであるとします。つまり視野左側限界にある対象は、像形成面22の右有効範囲限界に結像しますが、これに基づく輝度信号は視野像表示部4の左端部に表示される様に作られます。右、上、下についても同様であります。
目標指示枠生成部43は撮影者に被写体位置を示す為の目標指示枠像データ402を、視野像データ403と同じ形態で且つ同期した形で生成します。尚、枠以外の部分の輝度値は0であるとしておきます。ここでこの指示枠が視野像表示部4上で表示される位置を旋回角信号400と俯仰角信号401で制御します。
被写体が視野中心にある場合即ち視野軸上にある場合、指示枠像の中心は視野像表示部4表示面の中央に位置しますが、被写体が視野左側限界線上にある場合(無限遠の場合は、旋回角が水平方向半視野角に等しい時)、表示される枠の中心が視野像表示部4の左端に位置する様にします。右、上、下についても同様であります。
目標指示枠重畳部44は、視野像データ403に、これと同期状態にある目標指示枠像データ402を重畳させ、合成されたモニタ表示データ404を視野像表示部4に向けて出力します。
本例による撮影の要領は、実施例1の場合と全く同じであります。
【0018】
以上の実施例がもたらしたものを敷衍すれば以下の如くでありましょう。
写真機、TVカメラ、ビデオカメラ、照準装置、監視望遠鏡等における基本機能は、総て空間の或る範囲を選択し、その部分に対応する像を装置内に得る事です。この像を得る過程において、その選択しようとする範囲内にあるであろう複数の対象に対する関心度が殆ど均一である人々にとって、つまり前述の視認基本条件を意識しない人々にとって、本発明は何らの優位性を示せず、むしろ機構を複雑化した改悪品であるかもしれません。
しかし、狙いを定めるべき目標が既に存在し、その目標を周辺との関連に於いて認識したいと望む人、或いは選定した空間中の特定対象を最も明瞭に認識したいと望む人にとって、本発明は直接的且つ完全な手段を提供しています。
つまり前者に対しては、常に如何なる種類の目標でもこれを捉え、明確に認識する為の操作手段を提供し、同時に且つ独立に、その周辺範囲を選択する為の視野設定操作手段には、可能な限りの自由度を約束します。
又同じ機構の装置は、一旦確定した視野の中に新たに狙うべき目標が得られた時、それに照準を合わせ、明瞭に認識するよう機能します。即ちこれは、後者に応えている事に他なりません。
【0019】
【発明の効果】
人間の視認行為を支援する事を目的として、空間の一部を選択し、その像を形成させる装置に於いて、これを専ら照準を司る部分と、専ら視野設定を司る部分とに機能分化することにより、視覚による空間認識行動に際して本質的に同時存在する、「特定目標を捕捉し、他に優先して明瞭に認識したい」と「特定目標とその周辺との係り方を認識したい」という独立した要求に個別に同時対応する事が可能となり、更にこの両要求にある「特定目標」の同一性は第三の機能単位である構図設定部を設けることによって保証し、総合的に総てを満たす事を実現させました。
以上により、操作者の希望する、任意の時点の任意の目標を、希望する任意の構図で視認する事を可能としました。
【図面の簡単な説明】
【図1】写真機、ビデオカメラ、TVカメラの実施方法を示します。(実施例1)
【図2】写真機、ビデオカメラ、TVカメラの実施方法を示します。(実施例2)
【符号の説明】
1 照準部
11 照準操作部
111 俯仰腕
12 目標捕捉系
13 照準軸
14 目標情報取得部
2 視野設定部
21 視野操作部
22 像形成面
23 像形成系
24 結像特性設定部
25 視野軸
3 構図設定部
31 旋回軸
32 俯仰軸
33 旋回基板
331 横滑り溝
332 旋回角発信器
34 俯仰基板
341 縦滑り溝
342 俯仰角発信器
343 旋回腕
344 俯仰ストッパー
35 横変移板
351 旋回変移伝達溝
36 縦変移板
361 俯仰追随棒
4 視野像表示部
400 旋回角信号
401 俯仰角信号
402 目標指示枠像データ
403 視野像データ
404 モニタ表示データ
41 目標指示枠
42 捕捉追随棒
43 目標指示枠生成部
44 目標指示枠重畳部
Claims (2)
- 目標に関する視覚認識及び前記目標の周辺と前記目標自体との係わり合いに関する視覚認識を得る事を目的とし、その前段階としての像を形成させるに際して、
保持及び/又は照準操作のための照準操作部および前記照準操作部と特定の位置関係にある照準軸の方向を規定する目標捕捉系より成り、前記照準操作部によって前記目標を前記照準軸上に捕捉する様機能する照準部、
保持及び/又は視野操作のための視野操作部、所定の有効範囲を有する像形成面、前記視野操作部と特定の位置関係にある視野軸の方向を規定し、前記目標及び前記周辺の像を前記像形成面上に導くための結像特性を有する像形成系より成り、前記視野操作部によって前記視野軸の方向を定める事により前記像形成面上の前記有効範囲に対応する前記目標周辺の範囲としての視野を設定する様機能する視野設定部、
前記視野設定部と前記照準部とを可動的に結合し、前記捕捉された目標の像が前記像形成面の前記有効範囲内に常に在るように機能する構図設定部
を備え、
第一の独立操作として、前記照準部は前記目標の像が前記像形成面の前記有効範囲内にある限り、前記視野設定部の状態に影響される事なく、前記照準操作部の操作により、前記目標を前記照準軸上で捕捉出来る事とし
第二の独立操作として、前記視野設定部は前記目標の像が前記像形成面の前記有効範囲内にある限り、前記照準部の状態に影響される事なく、前記視野操作部の操作により、前記視野の設定を可能とするよう構成し、
前記目標の捕捉と前記視野設定とを独立に操作出来る事を特徴とする二元操作型の視認支援装置。 - 前記照準部に前記目標までの距離及び/又は前記目標の明るさに関する情報を取得するための目標情報取得部、前記視野設定部に前記目標情報取得部よりの前記目標に関する情報に基づき前記像形成系の目標距離対応動作及び/又は目標明るさ対応動作を制御する結像特性設定部を備え、捕捉した前記目標の状態変化に追随して常に前記結像特性設定部を機能させる請求項1の視認支援装置。
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