JP4546883B2 - 水性樹脂分散体 - Google Patents

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Description

本発明は、速乾性および耐水性に優れた塗膜を形成する水性樹脂分散体に関する。
近年、自然や人間環境への負荷低減の面から、溶剤系塗料の水系化が強く望まれている。しかし、通常、水系塗料は溶剤系塗料に比べ、速乾性と耐水性に劣るという欠点があるため、使用用途にあった様々な改良手段が提案されている。例えば、路面標示用塗料、フロアーポリッシュ用バインダー及びグラビアインク用バインダーの場合、揮発性塩基を用い、pHが変化することによるアニオン性ポリマーとカチオン性ポリマーとのイオンコンプレックスを利用したものが、数多く提案されている(例えば、特許文献1〜3を参照)。また、飛石防止用固着材の場合、深夜での施工が一般的で、特に冬場は5℃以下の条件になることが多く、現在は水系バインダーを用いると乾燥時間が著しく長くなるばかりか、施工直後に降雨が発生したときには樹脂が白水となって流出する恐れがあり、水系では未だに満足する性能を有するバインダーが得られていない。そのため、湿気硬化型溶剤系ウレタン樹脂が多く使用されている。
カルボニル基含有共重合物にヒドラジン誘導体を添加した常温架橋性水性分散液は、得られる樹脂フィルムが強度、耐水性、耐薬品性に優れることから、数多くの提案がなされている。例えば、特許文献4および5では、通常の乳化重合によりカルボニル基含有共重合物を得た後、ヒドラジン誘導体を添加する方法が提案されている。また、例えば、特許文献6では、油溶性溶媒中で溶液重合を行った後、アルカリで中和してカルボニル基含有共重合物水性分散体を得た後、ヒドラジン誘導体を添加する方法が提案されている。
特開2002−309158号公報 特開2004−168998号公報 特開2001−329182号公報 特開昭54−110248号公報 特開昭57−3857号公報 特開平03−68669号公報
しかしながら、上記従来の常温架橋性水性分散液は、フィルムの強度、耐水性、耐薬品性には優れるものの、常温程度の使用条件下では速乾性に劣るという問題があった。
したがって、本発明は、常温以下の使用条件下であっても乾燥時間が短く、かつ耐水性に優れる水性樹脂分散体を提供することを目的とする。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の保護コロイドに用いて、エチレン性不飽和単量体を乳化重合することで得られる水性樹脂分散体に、pH7未満の条件下、特定のヒドラジド基含有化合物を添加して得られる水性樹脂分散体が、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、ジアセトンアクリルアミドおよびジアセトンメタクリルアミドからなる群から選択されるカルボニル基含有エチレン性不飽和単量体とアクリルアミドおよびメタクリルアミドからなる群から選択される単量体とのみを重合して得られる水溶性高分子(A)を保護コロイドに用いて、エチレン性不飽和単量体を乳化重合して得られる水性樹脂分散体(B)に、pH7未満の条件下、分子中に少なくとも2個のヒドラジド基を有するヒドラジド基含有化合物を添加して得られる水性樹脂分散体であって、水性樹脂分散体(B)に占める水溶性高分子(A)の固形分量が、5〜50重量%である水性樹脂分散体である。
水溶性高分子(A)に占めるカルボニル基含有エチレン性不飽和単量体の固形分量は、30〜100重量%であることが好ましい。水溶性高分子(A)の重量平均分子量は、10,000〜300,000であることが好ましい
また、ヒドラジド基含有化合物は、水性樹脂分散体(B)に含まれるカルボニル基1モルに対して、ヒドラジド基が0.1〜1.2モルとなるように添加することが好ましい。
本発明によれば、常温以下の使用条件下であっても乾燥時間が短く、かつ耐水性に優れる水性樹脂分散体を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明による水性樹脂分散体は、分子中に少なくとも1個のカルボニル基を有するカルボニル基含有エチレン性不飽和単量体を含む単量体組成物を重合して得られる水溶性高分子(A)を保護コロイドに用いて、エチレン性不飽和単量体を乳化重合して得られる水性樹脂分散体(B)に、pH7未満の条件下、分子中に少なくとも2個のヒドラジド基を有するヒドラジド基含有化合物を添加して得られるものである。
そして、本発明における水溶性高分子(A)は、分子中に少なくとも1個のカルボニル基を有するカルボニル基含有エチレン性不飽和単量体を含む単量体組成物をラジカル重合して得られるものである。ラジカル重合反応は、好ましくは60〜130℃、より好ましくは70〜90℃の温度で行われる。この重合で得られる水溶性高分子(A)の重量平均分子量は、次工程の乳化重合においてより安定な水性樹脂分散体(B)を得る観点から、10,000〜300,000であることが好ましく、30,000〜200,000であることがさらに好ましい。水溶性高分子(A)の分子量を調整する際は、連鎖移動剤を用いてもかまわない。このような連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、2−エチルヘキシルチオグリコレート、β−メルカプトプロピオン酸等が挙げられる。
水溶性高分子(A)の重合に使用するカルボニル基含有エチレン性不飽和単量体としては、他のエチレン性不飽和単量体との反応性に富み、さらに架橋剤であるヒドラジド基との反応性も良好であるジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミドを用いる。
ここで、最終的に得られる水性樹脂分散体の架橋速度および耐水性をより向上させる観点から、水溶性高分子(A)に占めるカルボニル基含有エチレン性不飽和単量体の固形分量は、30〜100重量%であることが好ましく、40〜80重量%であることがさらに好ましい。
また、上記水溶性高分子(A)を重合する際、アクリルアミド、メタクリルアミドをカルボニル基含有エチレン性不飽和単量体と併用することで、速乾性をより向上させることができる。
また、ラジカル重合時の媒体としては、水単独、水溶性溶媒もしくは親水性溶剤と水との混合物、または水溶性溶剤もしくは親水性溶剤単独等が挙げられる。水溶性溶剤または親水性溶剤を多く用いる場合は、溶液重合終了後、官能基を中和することで水溶性高分子(A)が得られる。水溶性または親水性溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられ、これらを1種単独でまたは2種以上の混合物として用いることができる。重合開始剤としては、過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウムに代表される過硫酸塩系開始剤、アゾ系開始剤、有機過酸化物類、過酸化水素等の公知の水溶性触媒、または2,2−アゾビス−イソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド等の油溶性触媒を用いて行われる。なお、必要に応じて還元剤を使用してもよい。
次に、本発明における水性樹脂分散体(B)は、上記水溶性高分子(A)を保護コロイドに用いて、エチレン性不飽和単量体を乳化重合することで得られる。乳化重合反応は、好ましくは50〜90℃、より好ましくは60〜85℃の温度で行われる。なお、水性樹脂分散体(B)を乳化重合する際、必要に応じて連鎖移動剤を使用してもよい。このような連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、2−エチルヘキシルチオグリコレ―ト、β−メルカプトプロピオン酸等が挙げられる。
水性樹脂分散体(B)の乳化重合に使用するエチレン性不飽和単量体としては、少なくとも1個の重合可能なビニル基を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル鎖を有する(メタ)アクリル酸エステル類、芳香族ビニル化合物(スチレン、α−メチルスチレン、エチルビニルベンゼン等)、複素環式ビニル化合物(ビニルピロリドン等)、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリコールジ(メタ)アクリレート、アルキルアミノ(メタ)アクリレート、ビニルエステル類(蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アルカン酸ビニル等)、モノオレフィン類(エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等)、共役ジオレフィン類(ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等)、α,β−不飽和モノあるいはジカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸等)、カルボキシル基含有ビニル化合物、シアン化ビニル化合物(アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、アミド基もしくは置換アミド基含有α,β−エチレン性不飽和化合物((メタ)アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等)、スルホン酸基含有α,β−エチレン性不飽和化合物(スルホン酸アリル、p−スチレンスルホン酸ナトリウム等)が挙げられ、これらを1種単独でまたは2種以上の混合物として用いることができる。より具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、スチレンが挙げられる。これらの中でも、乳化重合時の重合安定性、最終的に得られる水性樹脂分散体の速乾性をより向上させる観点から、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートを用いることが好ましい。
ここで、乳化重合時の安定性、得られる水性樹脂分散体(B)の安定性、最終的に得られる水性樹脂分散体の耐水性および架橋速度(速乾性)等を考慮すると、水溶性樹脂分散体(B)に占める水溶性高分子(A)の固形分量は、5〜50重量%であ、10〜30重量%であることが好ましい。
また、水性樹脂分散体(B)を乳化重合する際、重合安定性等の問題が生じた場合には、本発明の効果を損なわない範囲で、市販のアニオン性、カチオン性、ノニオン性、反応性乳化剤を併用してもよい。また、必要に応じて、架橋性エチレン性不飽和単量体を用いてもよい。このような架橋性エチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリート等のエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の加水分解性アルコキシシリル基含有エチレン性不飽和単量体、ジビニルベンゼンやジアリルフタレート等の多官能ビニル化合物等が挙げられる。
乳化重合する際に用いる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド等の水溶性アゾ系開始剤、クメンヒドロパーオキシド等の有機過酸化物類、過酸化水素等が挙げられ、これらを1種単独でまたは2種以上の混合物として用いることができる。また、必要に応じて、還元剤を使用することもできる。このような還元剤としては、アスコルビン酸、酒石酸、クエン酸、ホルムアルデヒドスルホキシラート金属塩等の還元性有機化合物、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム等の還元性無機化合物等が挙げられる。
次に、得られた水性樹脂分散体(B)に、pH7未満の条件下で、分子中に少なくとも2個のヒドラジド基を有するヒドラジド基含有化合物を添加することが必要である。カルボニル基とヒドラジド基の架橋反応は、pHが酸性サイドで容易に進行するが、pHが7以上、特にpHが8以上では架橋反応速度が急激に低下するため、十分な速乾性が得られない。最終的に得られる水性樹脂分散体の速乾性とポットライフとのバランスを考慮すると、分子中に少なくとも2個のヒドラジド基を有するヒドラジド基含有化合物は、pH2〜6の条件下で添加されることが好ましい。水性樹脂分散体(B)のpH調整は、酸または塩基を添加することで行うことができる。ここで使用する酸としては、酢酸、乳酸、塩酸、燐酸、硫酸等が挙げられ、塩基としては、トリエチルアミン、アンモニア、ジエタノールアミン等のアミン化合物、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物が挙げられる。最終的に得られる水溶性樹脂分散体の耐水性を考慮すると、酸、塩基ともに揮発性のものが好ましい。さらに、必要に応じて、増粘剤、消泡剤、顔料、分散剤、防腐剤、可塑剤、成膜助剤等を添加することができる。
水性樹脂分散体(B)に添加されるヒドラジド基含有化合物としては、ポリヒドラジド化合物、ポリセミカルバジド化合物等が挙げられる。より具体的には、蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、グルタン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等の飽和脂肪酸カルボン酸ジヒドラジド、イタコン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸ジヒドラジド類、クエン酸トリヒドラジド等のトリカルボン酸トリヒドラジド類等が挙げられる。これらの中でも、架橋体の耐水性をより向上させる観点から、アジピン酸ジヒドラジドが好ましい。このヒドラジド基含有化合物は、最終的に得られる水性樹脂分散体速乾性および耐水性をより向上させる観点から、水性樹脂分散体(B)に含まれるカルボニル基1モルに対して、ヒドラジド基が0.1〜1.2モルとなるように添加することが好ましく、0.6〜1.0モルとなるように添加することがさらに好ましい。
本発明の水性樹脂分散体は、常温以下の使用条件下であっても乾燥時間が短く、かつ耐水性に優れるため、建築物、鉄鋼、建材、モルタル、プラスチック、紙等に対する塗料や接着剤として有用である。より具体的には、飛石防止用固着材、路面標示用塗料、床用塗料、木工塗料、流炭防止剤、防塵剤、寒冷地で施工される外装用塗料等への応用が可能である。
以下、実施例および比較例により本発明の詳細を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、「重量部」および「重量%」をそれぞれ示す。
実施例および比較例における各種物性等の測定は、下記の方法で実施した。
(重量平均分子量)
重量平均分子量は、ゲルパーミィテーションクロマトグラフィー(昭和電工株式会社製 Shodex GPC−101、カラム;昭和電工株式会社製 OH Pak SB−806M HQ、標準試料;プルラン(昭和電工株式会社製 P−82)、)を用いて、0.1M硝酸ナトリウム水溶液をキャリアとし、サンプル濃度:0.1%、測定時の流量:1mL/分で測定した。
(速乾性の評価)
ガラス板上に厚さ0.5mmの膜厚でサンプルを塗布し、23℃または5℃で塗膜が乾燥(ゲル化)するまでの時間を測定した。乾燥時間が1時間より速いものを○、1時間以上3時間未満のものを△、3時間以上のものを×とした。
(耐水性の評価)
ガラス板上に厚さ0.5mmの膜厚でサンプルを塗布し、23℃で24時間放置し、透明な膜を形成させた後、23℃の水道水に24時間浸漬し、塗膜の膨潤状態や白化状態を観察した。塗膜の白化や膨潤がほとんど見られないものを○、多少の白化はあるが、23℃で1時間以内に元に戻るものを△、白化および膨潤が著しいものを×とした。
[水溶性高分子(A)の調製]
(調製例A−1)
攪拌装置、温度計、還流冷却器を備えた四つ口フラスコにイオン交換水90部、イソプロピルアルコール20部を仕込み、75℃に昇温した。モノマー混合物として、ジアセトンアクリルアミド150部をイオン交換水(温水)413.5部に溶解した後、50%アクリルアミド300部を加え、攪拌したものを準備した。重合開始剤として、過硫酸アンモニウム0.5部を加え、同時にモノマー混合物の滴下を開始した。過硫酸アンモニウム1.0部をイオン交換水25部に溶解したものおよびモノマー混合物を2時間かけて滴下した。なお、反応装置内の温度は80℃に保った。滴下終了後、80℃で1時間30分保持し、冷却した後、反応装置から内容物を取り出した。得られた水溶性高分子(A−1)は、不揮発分31.5%、23℃における粘度900mPa・s、pH4.0、重量平均分子量57,900であった。また、水溶性高分子(A−1)に占めるカルボニル基含有エチレン性不飽和単量体の固形分量は50重量%(理論値)である。
(調製例A−2)
攪拌装置、温度計、還流冷却器を備えた四つ口フラスコにイオン交換水110部、連鎖移動剤として2−エチルヘキシルチオグリコレート2.0部を仕込んだ以外は、調製例A−1と同様の方法で重合を行った。得られた水溶性高分子(A−2)は、不揮発分31.1%、23℃における粘度3,000mPa・s、pH3.7、重量平均分子量120,500であった。また、水溶性高分子(A−2)に占めるカルボニル基含有エチレン性不飽和単量体の固形分量は50重量%(理論値)である。
(調製例A−3)
モノマー混合物として、ジアセトンアクリルアミド210部をイオン交換水(温水)473.5部に溶解した後、50%アクリルアミド180部を加え、攪拌したものを準備した以外は、調製例A−1と同様の方法で重合を行った。得られた水溶性高分子(A−3)は、不揮発分31.0%、23℃における粘度700mPa・s、pH2.3、重量平均分子量48,000であった。また、水溶性高分子(A−3)に占めるカルボニル基含有エチレン性不飽和単量体の固形分量は70重量%(理論値)である。
[水性樹脂分散体(B)の調製]
(調製例B−1)
攪拌装置、温度計、還流冷却器を備えた四つ口フラスコにイオン交換水432部、水溶性高分子(A−1)233部を仕込み、75℃に昇温した。メチルメタクリレート107.6部、ブチルアクリレート172.4部を混合攪拌し、モノマー合計の5%を反応装置に仕込んだ。過硫酸アンモニウム1.0部を投入し、15分プレ反応を行った。その後、過硫酸アンモニウム0.5部をイオン交換水20部に溶解したものおよびモノマー混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃で1時間30分保持し、冷却後、反応装置から取り出した。得られた水性樹脂分散体(B−1)は、不揮発分37.1%、23℃における粘度4,680mPa・s、pH2.2であった。また、水性樹脂分散体(B−1)に占める水溶性高分子(A−1)の固形分量は20重量%(理論値)である。
(調製例B−2)
水溶性高分子(A−1)を(A−2)に変更した以外は、調製例B−1と同様の方法で重合を行った。得られた水性樹脂分散体(B−2)は、不揮発分37.2%、23℃における粘度30,680mPa・s、pH2.2であった。また、水性樹脂分散体(B−2)に占める水溶性高分子(A−2)の固形分量は20重量%(理論値)である。
(調製例B−3)
水溶性高分子(A−1)を(A−3)に変更した以外は、製造例B−1と同様の方法で重合を行った。得られた水性樹脂分散体(B−3)は、不揮発分37.2%、23℃における粘度4,000mPa・s、pH2.2であった。また、水性樹脂分散体(B−3)に占める水溶性高分子(A−3)の固形分量は20重量%(理論値)である。
(調製例B−4)
攪拌装置、温度計、還流冷却器を備えた四つ口フラスコにイオン交換水268部、水溶性高分子(A−1)467部を仕込み、75℃に昇温した。メチルメタクリレート80.7部、ブチルアクリレート129.3部を混合攪拌し、モノマー合計の5%を反応装置に仕込んだ以外は調製例B−1と同様の方法で重合を行った。得られた水性樹脂分散体(B−4)は、不揮発分36.5%、23℃における粘度8,200mPa・s、pH2.3であった。また、水性樹脂分散体(B−4)に占める水溶性高分子(A−1)の固形分量は40重量%(理論値)である。
[実施例1]
水性樹脂分散体(B−1)100部に、アジピン酸ジヒドラジド5%水溶液を37部(ヒドラジド基/カルボニル基=1.0)添加し、実施例1の水性樹脂分散体を得た。速乾性および耐水性の評価結果を表1に示した。
[実施例2]
水性樹脂分散体(B−1)100部に、アジピン酸ジヒドラジド5%水溶液を18.5部(ヒドラジド基/カルボニル基=0.5)添加し、実施例2の水性樹脂分散体を得た。速乾性および耐水性の評価結果を表1に示した。
[実施例3]
水性樹脂分散体(B−2)100部に、アジピン酸ジヒドラジド5%水溶液を37部(ヒドラジド基/カルボニル基=1.0)添加し、実施例3の水性樹脂分散体を得た。速乾性および耐水性の評価結果を表1に示した。
[実施例4]
水性樹脂分散体(B−3)100部に、アジピン酸ジヒドラジド5%水溶液を52部(ヒドラジド基/カルボニル基=1.0)添加し、実施例4の水性樹脂分散体を得た。速乾性および耐水性の評価結果を表1に示した。
[実施例5]
水性樹脂分散体(B−4)100部に、アジピン酸ジヒドラジド5%水溶液を74部(ヒドラジド基/カルボニル基=1.0)添加し、実施例5の水性樹脂分散体を得た。速乾性および耐水性の評価結果を表1に示した。
[比較例1]
ヒドラジド基含有化合物を添加せず、水性樹脂分散体(B−1)をそのまま評価した。速乾性および耐水性の評価結果を表1に示した。
[比較例2]
水溶性高分子(A−1)100部に、アジピン酸ジヒドラジド5%水溶液を155部(ヒドラジド基/カルボニル基=1.0)添加し、比較例2の水性樹脂分散体を得た。速乾性および耐水性の評価結果を表1に示した。
[比較例3]
水性樹脂分散体(B−1)にアンモニア水を添加し、pHを8に調整した後、アジピン酸ジヒドラジド5%水溶液を37部(ヒドラジド基/カルボニル基=1.0)添加し、比較例3の水性樹脂分散体を得た。速乾性および耐水性の評価結果を表1に示した。
[比較例4]
攪拌装置、温度計、還流冷却器を備えた四つ口フラスコにイオン交換水222.5部、アニオン性乳化剤1部(第一工業製薬株式会社製ハイテノール08E)を仕込み、75℃に昇温した。メチルメタクリレート109部、ブチルアクリレート291部、ジアセトンアクリルアミド100部、アニオン性乳化剤5部(第一工業製薬株式会社製ハイテノール08E)、イオン交換水245部をホモミキサーで乳化し、モノマー乳化物の5%を反応装置に仕込んだ。過硫酸アンモニウム0.5部を投入し、15分プレ反応を行った。その後、過硫酸アンモニウム1.0部をイオン交換水20部に溶解したものおよびモノマー混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃で1時間30分保持し、冷却後、反応装置から取り出した。得られた水性樹脂分散体は、不揮発分50.2%、23℃における粘度150mPa・s、pH3.9であった。得られた水性樹脂分散体100部に、アジピン酸ジヒドラジド5%水溶液を103部(ヒドラジド基/カルボニル基=1.0)添加し、比較例4の水性樹脂分散体を得た。速乾性および耐水性の評価結果を表1に示した。
[比較例5]
エチレン−酢酸ビニル共重合エマルジョン(昭和高分子株式会社製 ポリゾールEVA AD−18不揮発分56%)をそのまま評価した。速乾性および耐水性の評価結果を表1に示した。
[比較例6]
(メタ)アクリル酸エステル共重合エマルジョン(昭和高分子株式会社製 ポリゾール AP−4690不揮発分35%)をそのまま評価した。速乾性および耐水性の評価結果を表1に示した。
Figure 0004546883
表1から明らかなように、実施例1〜5の水性樹脂分散体は、比較例1〜4の水性樹脂分散体ならびに比較例5および6の通常のエマルジョンと比較して、低温での乾燥時間が速く、かつ耐水性に優れることから、速乾性を有する用途に適している。また、実施例1〜5の水性樹脂分散体は、水系であることから、自然や人間環境への負荷低減という観点からも大変優れている。

Claims (4)

  1. ジアセトンアクリルアミドおよびジアセトンメタクリルアミドからなる群から選択されるカルボニル基含有エチレン性不飽和単量体とアクリルアミドおよびメタクリルアミドからなる群から選択される単量体とのみを重合して得られる水溶性高分子(A)を保護コロイドに用いて、エチレン性不飽和単量体を乳化重合して得られる水性樹脂分散体(B)に、pH7未満の条件下、分子中に少なくとも2個のヒドラジド基を有するヒドラジド基含有化合物を添加して得られる水性樹脂分散体であって、
    前記水性樹脂分散体(B)に占める前記水溶性高分子(A)の固形分量が、5〜50重量%である水性樹脂分散体
  2. 前記水溶性高分子(A)に占める前記カルボニル基含有エチレン性不飽和単量体の固形分量が、30〜100重量%である請求項1に記載の水性樹脂分散体。
  3. 前記水溶性高分子(A)の重量平均分子量が10,000〜300,000である請求項1または2に記載の水性樹脂分散体。
  4. 前記ヒドラジド基含有化合物は、前記水性樹脂分散体(B)に含まれるカルボニル基1モルに対して、ヒドラジド基が0.1〜1.2モルとなるように添加される請求項1〜のいずれか一項に記載の水性樹脂分散体。
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