JP4544725B2 - 柔軟性不織布 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟性に優れる不織布に関する。さらに詳しくは、複合繊維から構成されてなる柔軟性不織布に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、不織布は通気性、柔軟性を有するため各種用途に用いられ、またその用途が拡大されている。そのため、その用途に応じて各種の特性が求められるとともに、さらなる特性の向上が要求されている。
【0003】
使い捨ておむつなどの衛生材の分野において、不織布の柔軟性と耐毛羽立性(耐摩耗性)は、ともに要求されている特性である。耐毛羽立性を損なわずに柔軟性を向上させるため、従来試みられている方法としては、これまで用いられてきたポリプロピレン製のスパンボンド不織布を、プロピレン共重合体製のものに変える方法、構成繊維をポリエチレンとポリプロピレンとの複合繊維にする方法などがある。
【0004】
しかしながら、一般に柔軟性を向上させた不織布は、毛羽立ちやすいという問題があり、柔軟性と耐毛羽立性は相反した特性である。そのため、柔軟性と耐毛羽立性の両方の特性に満足でき、併せて紡糸性、伸長性、エンボス加工性にも優れた不織布の開発が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、十分な強度を有するとともに、柔軟性と耐毛羽立性が共に良好でそれらのバランスがとれ、併せて紡糸性、伸長性、エンボス加工性に優れた柔軟性不織布を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、
(1)プロピレンの単独重合体、または、エチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィンとのプロピレン系ランダム共重合体を50〜95重量%、
(2)(a) エチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィン単位含有量が10モル%以下、メルトフローレートが20〜200g/10分のポリプロピレン成分からなる、25℃ n-デカンに不溶な画分(I)が20〜70重量%であり、
(b) エチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィン単位含有量が20〜70モル%、極限粘度[η]が2.0dl/g以下のプロピレンとエチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィンとの共重合体ゴム成分からなる、25℃ n-デカンに可溶な画分(II)が80〜30重量%である、プロピレン系ブロック共重合体を50〜5重量%
の割合で含有し(成分(1)と成分(2)の合計が100重量%)、繊維表面の少なくとも一部分を長さ方向に連続して形成しているプロピレン系樹脂(A)と、繊維の他の部分を形成しているプロピレン系樹脂(B)とからなり、プロピレン系樹脂(A)とプロピレン系樹脂(B)との重量比〔(A)/(B)〕が、80/20〜20/80である複合繊維から構成されてなる柔軟性不織布が提供される。
【0007】
上記不織布において、前記プロピレン系樹脂(B)が、プロピレン単独重合体、またはエチレン構造単位が10モル%以下のプロピレン・エチレンランダム共重合体からなる態様は、本発明の好ましい態様である。
【0008】
また本発明において、前記複合繊維が、プロピレン系樹脂(A)からなる鞘部と、プロピレン系樹脂(B)からなる芯部とから形成される芯鞘型複合繊維から構成される不織布は、本発明の好ましい態様である。
【0009】
本発明によって、前記の柔軟性不織布からなる使い捨ておむつ部材が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る柔軟性不織布について詳細に説明する。
本発明に係る柔軟性不織布は、繊維表面の少なくとも一部分を形成するプロピレン系樹脂(A)と、繊維の他の部分を形成しているプロピレン系樹脂(B)とからなる複合繊維から構成されている。
【0011】
プロピレン系樹脂(A)
本発明で用いるプロピレン系樹脂(A)は、
(1)プロピレンの単独重合体、または、エチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィンとのプロピレン系ランダム共重合体を50〜95重量%、
(2)(a) エチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィン単位含有量が10モル%以下、メルトフローレート(MFR、ASTM D1238に準拠し荷重2.16kg温度230℃で測定)が20〜200g/10分のポリプロピレン成分からなる、25℃ n-デカンに不溶な画分(I)が20〜70重量%であり、
(b) エチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィン単位含有量が20〜70モル%、極限粘度[η]が2.0dl/g以下のプロピレンとエチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィンとの共重合体ゴム成分からなる、25℃ n-デカンに可溶な画分(II)が80〜30重量%である、プロピレン系ブロック共重合体を50〜5重量%
の割合で含有している(成分(1)と成分(2)の合計が100重量%)。
【0012】
成分(1)において、プロピレン単独重合体としては、例えばアイソタクティックインデックスが、好ましくは90を越える結晶性のホモポリプロピレンを用いることができる。プロピレン系ランダム共重合体の、エチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィン単位含有量は、10モル%以下が好ましく、さらには、0.05〜10モル%が好ましい。
【0013】
ここで使用される、炭素数4〜8のα−オレフィンとしては、直鎖状、または分岐状のα−オレフィンであり、好ましい例として、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテンがあげられる。これらのなかでは、特に1-ブテンが好ましい。
【0014】
プロピレンの単独重合体、または、エチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィンとのプロピレン系ランダム共重合体からなる成分(1)のMFR(ASTM D1238に準拠し荷重2.16kg温度230℃で測定)は20〜200g/10分が好ましく、さらには30〜150g/10分が好ましい。
【0015】
成分(2)のプロピレン系ブロック共重合体は、プロピレン系樹脂(A)中に5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%の割合で含有される。そのうち、画分(I)は、エチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィン単位含有量が10モル%以下であり、MFRが20〜200g/10分であるポリプロピレン成分からなる25℃ n-デカンに不溶解成分であって、プロピレン系ブロック共重合体中に20〜70重量%で含有される。
【0016】
これに対し、画分(II)は、エチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィン単位含有量が20〜70モル%、極限粘度[η]が2.0dl/g以下であり、プロピレンとエチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィンとの共重合体ゴム成分からなる25℃ n-デカンに可溶解成分であって、プロピレン系ブロック共重合体中に80〜30重量%で含有される。
【0017】
ここで、成分(2)で使用される、炭素数4〜8のα−オレフィンとしては、直鎖状、または分岐状のα−オレフィンであり、好ましい例として、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテンがあげられる。これらのなかでは、特に1-ブテンが好ましい。
【0018】
このプロピレン系ブロック共重合体は、前記、画分(I)と画分(II)とからなる。その製造方法は、両者を溶融した状態で、機械的に混合するか、あるいは、チーグラー・ナッタ触媒またはメタロセン系触媒等のオレフィン重合用触媒を用いて2工程で行われる逐次重合により製造することができる。
【0019】
上記の様なプロピレン系ブロック共重合体であれば、画分(I)と画分(II)とが分散性よく混合できるので、紡糸性が良好であるとともに、得られた繊維から構成される不織布の柔軟性にも優れている。
【0020】
プロピレン系樹脂(B)
プロピレン系樹脂(B)としては、プロピレンの単独重合体、またはプロピレンを主成分とし、これとエチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテン等の炭素数2ないし20、好ましくは2ないし8のα−オレフィンとの共重合体が用いられ、これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0021】
これらの中でも、紡糸性が良好で、生産性に優れ、良好な柔軟性を有する不織布が得られる点で、エチレン構造単位が10モル%以下のプロピレン・エチレンランダム共重合体からなるものが好ましい。本発明において、良好な紡糸性とは、紡糸ノズルからの吐き出しおよび延伸中に糸切れを生じず、フィラメントの融着が生じないことをいう。
プロピレン系樹脂(B)のMFR(ASTM D1238に準拠し荷重2.16kg温度230℃で測定)は、20〜200g/10分であることが好ましく、さらには30〜150g/10分であることが好ましい。
【0022】
さらに、このプロピレン系樹脂(B)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは、通常1.5〜5.0である。紡糸性が良好で、かつ繊維強度が特に優れる複合繊維が得られる点で、1.5〜3.0が好ましい。
本発明において、Mw/Mnは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって、通常の方法で測定されるものである。
【0023】
本発明の柔軟性不織布を構成する複合繊維は、上記のプロピレン系樹脂(A)とプロピレン系樹脂(B)とからなり、プロピレン系樹脂(A)が繊維表面の少なくとも一部分を長さ方向に連続して形成している。これにより、プロピレン系樹脂(A)樹脂の柔軟性、伸長性に加え、強度と紡糸性を向上させることができる。
【0024】
このような複合繊維としては、プロピレン系樹脂(B)を芯部とし、プロピレン系樹脂(A)を鞘部とする芯鞘型複合繊維、あるいはプロピレン系樹脂(A)部とプロピレン系樹脂(B)部とからなるサイドバイサイド型複合繊維が好ましい。特に、芯鞘型複合繊維が好ましい。本発明において、芯鞘型複合繊維とは、繊維断面において、円形状の芯部が,芯を同じくするドーナツ状の鞘部に包まれる同心型、芯部と鞘部の芯がずれかつ芯部が鞘部に包まれている偏心型、または、偏心した芯部が鞘部に完全に包まれていない並列型のいずれの形態であってもよい。
【0025】
複合繊維中のプロピレン系樹脂(A)とプロピレン系樹脂(B)との重量比〔(A)/(B)〕は、80/20〜20/80であり、柔軟性の点で好ましくは80/20〜50/50、強度と紡糸性の点で好ましくは50/50〜20/80である。
【0026】
本発明で使用する複合繊維には、前記プロピレン系重合体以外に、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて他の成分を含有していてもよい。
【0027】
この他の成分としては、例えば、従来公知の耐熱安定剤、耐候安定剤、各種安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス等が挙げられる。
【0028】
安定剤としては、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール(BHT)等の老化防止剤;テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2'-オキザミドビス[エチル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)]プロピオネート、Irganox 1010(ヒンダードフェノール系酸化防止剤:商品名)等のフェノール系酸化防止剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、1,2-ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩;グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート等の多価アルコール脂肪酸エステルなどを挙げることができる。また、これらを組み合わせて用いることもできる。
【0029】
また、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン等の充填剤を含有していてもよい。
【0030】
プロピレン系重合体と、他の必要に応じて用いられる任意成分とは、公知の方法を利用して混合することができる。
【0031】
本発明の上記プロピレン系重合体の複合繊維からなる不織布は、柔軟性と耐毛羽立性がともに優れている。
本発明の上記プロピレン系重合体の繊維からなる不織布を得る方法としては、種々の公知の方法が使用できる。本発明に係る不織布の製造法としては、乾式法、湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法などのいずれでも良いが、生産性が良く、高強度のものが得られる点で、スパンボンド法が好ましい。
【0032】
本発明の不織布において、プロピレン系重合体よりなる複合繊維の繊度は、通常5.0デニール以下であり、より柔軟性に優れた不織布が得られる点で、好ましくは3.0デニール以下である。
【0033】
本発明のプロピレン系重合体からなる複合繊維で構成される柔軟性不織布の目付量は、通常3〜100g/m2、好ましくは7〜30g/m2である。
【0034】
本発明のスパンボンド不織布の製造は、芯鞘型複合繊維からなる不織布を例にとり説明すると、芯鞘型複合繊維の芯を構成するプロピレン系重合体(B)と、鞘を構成するプロピレン系重合体(A)とを、それぞれ別個に押出機等で溶融し、各溶融物を所望の芯鞘構造を形成して吐出するように構成された複合紡糸ノズルを有する紡糸口金から吐出させて、芯鞘型の複合長繊維を紡出させる。紡出された複合長繊維を、冷却流体により冷却し、さらに延伸エアによって長繊維に張力を加えて所定の繊度とし、そのまま捕集ベルト上に捕集して所定の厚さに堆積させる。次いで、ニードルパンチ、ウオータージェット、超音波シール等の手段による交絡処理、あるいは熱エンボスロールによる熱融着等により行う。熱エンボスロールによる熱融着の場合、エンボスロールのエンボス面積率は、適宜決められるが、通常5〜30%が好ましい。
【0035】
上記の様にして得られる、本発明に係る不織布は、柔軟性、伸長性に優れるとともに、ヒートシール性、強度、紡糸性にも優れ、耐毛羽立性が良好な不織布である。この不織布は、医療用、衛生材用、包装材などの産業用途に好適に用いられ、特に使い捨ておむつの部材として好ましく用いられる。
【0036】
【実施例】
以下に本実施例における測定方法を示す。
(1)KOSHI値の測定(柔軟性の評価)
カトーテック(株)製のKES−FBシステムにより、引張、剪断、圧縮、表面摩擦、曲げ試験の測定を行ない、測定条件はニット高感度条件にて行った。上記結果をニットアンダーウェアー(サマー)条件にて計測を行ないKOSHI値とした。 KOSHI値はその数値が小さい程、柔軟性が良いことを示す。
【0037】
(2)毛羽立ち(ブラシ試験)の測定(耐摩耗性の評価)
JIS L1076に準拠して、流れ方向(MD)に25cm、横方向(CD)に20cmの不織布の試験片を3枚採取し、ブラシアンドスポンジ形試験機の試料ホルダーに取り付け、ブラシアンドスポンジの代わりにフェルトに押し付け、58min-1(rpm)の速さで200回摩擦する。評価結果は、摩擦後のサンプルの目視判定により、下記基準による評点で表した。数値が大きい程、毛羽立ちが少ないことを示す。
5:毛羽立ちなし、
4:ほとんど毛羽立ちなし、
3:やや毛羽立ちが見られる、
2:毛羽立ちがひどい、
1:毛羽立ちがひどく破れが見られる。
【0038】
(3)融点の測定
パーキンエルマー社製の示差走査熱量計(DSC)により、30℃から10℃/minの速度で200℃まで昇温し、融点を測定した。
(4)破断伸度の測定
不織布の流れ方向(MD)に25cm、横方向(CD)に2.5cmの不織布試験片を5枚採取し、チャック間100mm、引張速度100mm/minの条件でで引張試験を行い、試験片が破断(荷重ゼロ)したときの伸度(%)を5枚の試験片について測定し、それらの平均値を破断伸度とした。
(5)極限粘度[η]
135℃のデカリン中で測定した。
【0039】
(6)プロピレン系ブロック共重合体の分別
プロピレン系ブロック共重合体2gをn-デカン400mlにより、145℃、2時間溶解させる。次いで、一昼夜室温放置後、濾過し、n-デカン不溶の画分(I)とn-デカン可溶の画分(II)とに分離した。各々の画分からn-デカンを除去し、重量を測定してその割合を算出するとともに、分析を行った。
(7)α−オレフィン単位含有量
1H-NMRおよび13C-NMRによって測定した。
【0040】
(実施例1)
融点162℃、MFR=60g/10分のホモポリプロピレン(HPP)を芯部とし、プロピレン・エチレン共重合体ゴム成分(画分(II)、極限粘度[η]=1.59dl/g、エチレン単位含有量30モル%)が60重量%、ポリプロピレン成分(画分(I)、融点140℃、MFR=60g/10分、エチレン単位含有量4.0モル%)が40重量%からなるプロピレン系ブロック共重合体(BPP)の20重量部と、前記ホモポリプロピレン(HPP)の80重量部からなる混合物を鞘部とする複合溶融紡糸を行い、芯部と鞘部の重量比が20/80の同芯の芯鞘型複合繊維を捕集面上に堆積させ、次いで、これをエンボスロールで加熱加圧処理(エンボス面積率18%)して目付量が30g/m2、構成繊維の繊度3デニールのスパンボンド不織布を作製した。得られた不織布について毛羽立ち、KOSHI値、破断伸度を測定して評価した。結果を表1に示す。
【0041】
(実施例2)
実施例1において、プロピレン系ブロック共重合体(BPP)の30重量部と、ホモポリプロピレン(HPP)の70重量部からなる混合物を鞘部とした以外は、実施例1と同様にして不織布を作製した。得られた不織布について評価した結果を表1に示す。
【0042】
(実施例3)
芯部と鞘部の重量比を50/50にした以外は、実施例2と同様にして不織布を作製した。得られた不織布について評価した結果を表1に示す。
(実施例4)
芯部と鞘部の重量比を80/20にした以外は、実施例2と同様にして不織布を作製した。得られた不織布について評価した結果を表1に示す。
【0043】
(比較例1)
実施例1と同じホモポリプロピレン(HPP)のみを用いて溶融紡糸を行い、モノコンポーネントの繊維を捕集面上に堆積させ、次いで、これをエンボスロールで加熱加圧処理(エンボス面積率18%)して目付量が30g/m2、構成繊維の繊度3デニールのスパンボンド不織布を作製した。得られた不織布について毛羽立ち、 KOSHI値、破断伸度を測定して評価した。結果を表1に示す。
【0044】
(実施例5)
実施例1と同じホモプロピレン(HPP)を芯部とし、実施例1で用いたプロピレン系ブロック共重合体(BPP)の10重量部と、プロピレン・エチレンランダム共重合体(融点142℃、MFR=60g/10分、エチレン単位含有量4.0モル%;RPP1)の90重量部からなる混合物を鞘部とする複合溶融紡糸を行い、芯部と鞘部の重量比が20/80の同芯の芯鞘型複合繊維を捕集面上に堆積させ、次いで、これをエンボスロールで加熱加圧処理(エンボス面積率18%)して目付量が30g/m2、構成繊維の繊度3デニールのスパンボンド不織布を作製した。得られた不織布について毛羽立ち、 KOSHI値、破断伸度を測定して評価した。結果を表1に示す。
【0045】
(実施例6)
実施例5において、プロピレン系ブロック共重合体(BPP)の20重量部と、プロピレン・エチレンランダム共重合体(RPP1)の80重量部からなる混合物を鞘成分とした以外は、実施例5と同様にして不織布を作製した。得られた不織布について評価した結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例5において、プロピレン系ブロック共重合体(BPP)の30重量部と、プロピレン・エチレンランダム共重合体(RPP1)の70重量部からなる混合物を鞘部とした以外は、実施例5と同様にして不織布を作製した。得られた不織布について評価した結果を表1に示す。
【0046】
(比較例2)
実施例5と同じプロピレン・エチレンランダム共重合体(RPP1)のみを用いて溶融紡糸を行い、モノコンポーネントの繊維を捕集面上に堆積させ、次いで、これをエンボスロールで加熱加圧処理(エンボス面積率18%)して目付量が30g/m2、構成繊維の繊度3デニールのスパンボンド不織布を作製した。得られた不織布について毛羽立ち、 KOSHI値、破断伸度を測定して評価した。結果を表1に示す。
【0047】
(実施例8)
実施例1と同じホモプロピレン(HPP)を芯部とし、実施例1で用いたプロピレン系ブロック共重合体(BPP)の10重量部と、プロピレン・エチレンランダム共重合体(融点138℃、MFR=60g/10分、エチレン単位含有量5.0モル%;RPP2)の90重量部からなる混合物を鞘部とする複合溶融紡糸を行い、芯部と鞘部の重量比が20/80の同芯の芯鞘型複合繊維を捕集面上に堆積させ、次いで、これをエンボスロールで加熱加圧処理(エンボス面積率18%)して目付量が30g/m2、構成繊維の繊度3デニールのスパンボンド不織布を作製した。得られた不織布について毛羽立ち、 KOSHI値、破断伸度を測定して評価した。結果を表1に示す。
【0048】
(実施例9)
実施例8において、プロピレン系ブロック共重合体(BPP)の20重量部と、プロピレン・エチレンランダム共重合体(RPP2)の80重量部からなる混合物を鞘部とした以外は、実施例8と同様にして不織布を作製した。得られた不織布について評価した結果を表1に示す。
【0049】
(実施例10)
実施例8において、プロピレン系ブロック共重合体(BPP)の30重量部と、プロピレン・エチレンランダム共重合体(RPP2)の70重量部からなる混合物を鞘部とした以外は、実施例8と同様にして不織布を作製した。得られた不織布について評価した結果を表1に示す。
【0050】
(実施例11)
芯部と鞘部の重量比を50/50にした以外は、実施例10と同様にして不織布を作製した。得られた不織布について評価した結果を表1に示す。
(実施例12)
芯部と鞘部の重量比を80/20にした以外は、実施例10と同様にして不織布を作製した。得られた不織布について評価した結果を表1に示す。
【0051】
(実施例13)
実施例8において、ホモプロピレン(HPP)に代えて、実施例5で用いたプロピレン・エチレンランダム共重合体(RPP1)を芯部とした以外は、実施例8と同様にして不織布を作製した。得られた不織布について評価した結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】
本発明の、プロピレン系重合体からなる複合繊維で構成される柔軟性不織布は、強度、伸長性、紡糸性に優れ、かつ柔軟性と耐毛羽立性がともに良好でバランスがとれているので、医療用、衛生材用、包装材等の産業用途に好適に使用でき、特に使い捨ておむつの部材として好ましく用いられる。
Claims (6)
- (1)プロピレンの単独重合体、または、エチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィンとのプロピレン系ランダム共重合体を50〜95重量%、
(2)(a) エチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィン単位含有量が10モル%以下、メルトフローレートが20〜200g/10分のポリプロピレン成分からなる、25℃ n-デカンに不溶な画分(I)が20〜70重量%であり、
(b) エチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィン単位含有量が20〜70モル%、極限粘度[η]が2.0dl/g以下のプロピレンとエチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィンとの共重合体ゴム成分からなる、25℃ n-デカンに可溶な画分(II)が80〜30重量%である、プロピレン系ブロック共重合体を50〜5重量%
の割合で含有し(成分(1)と成分(2)の合計が100重量%)、繊維表面の少なくとも一部分を長さ方向に連続して形成しているプロピレン系樹脂(A)と、繊維の他の部分を形成しているプロピレン系樹脂(B)とからなり、プロピレン系樹脂(A)とプロピレン系樹脂(B)との重量比〔(A)/(B)〕が、80/20〜20/80である複合繊維から構成されてなる柔軟性不織布。 - 前記プロピレン系樹脂(A)に含有されるプロピレン系ランダム共重合体の、エチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィン単位含有量が10モル%以下である請求項1に記載の柔軟性不織布。
- 前記プロピレン系樹脂(B)が、プロピレン単独重合体、またはエチレン構造単位が10モル%以下のプロピレン・エチレンランダム共重合体からなる請求項1または2に記載の柔軟性不織布。
- 前記複合繊維が、プロピレン系樹脂(A)からなる鞘部と、プロピレン系樹脂(B)からなる芯部とから形成される芯鞘型複合繊維である請求項1〜3のいずれかに記載の柔軟性不織布。
- 不織布がスパンボンド不織布である請求項1〜4のいずれかに記載の柔軟性不織布。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の柔軟性不織布からなる使い捨ておむつ部材。
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