JP4166724B2 - 湿潤感知シート - Google Patents

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Description

本発明は、濡れていることを直接触れることなく視認可能で、乳幼児用や介護用おむつ生地、尿取りパット、あるいはペット用シーツとして好適な、湿潤感知シートに関するものである。
従来、乳幼児や介護用おむつの使用者の中には、おむつの濡れに対する不快感を表すことができない者もあり、介護人が定期的に着用者のおむつの中に手を差し入れて、おむつの濡れを確認していた。そのため、濡れていることを直接触れることなく、効率よく視認できる技術の提供が期待されている。
このようなおむつなどの濡れを感知するセンサーとしては、これまで電気的特性を利用したものや、化学的特性を利用するものなど種々提案されている。例えば、特許文献1などでは、一対の電極により、おむつの濡れを検知し、報知する方法が提案されている。また、特許文献2などでは、おむつ内のガスを外部へ導出して排泄の有無を検知する方法が提案されている。
しかるに、これら電気的特性を利用したものや化学的特性を利用した方法では、おむつ内部にセンサー等の異物を挿入する必要があるため、着用者が不快感や異物感を感じるという問題があった。
そこで、上記の特性等を使用することなく濡れを感知するセンサーとして、物理的特性、つまり、視覚的変化でおむつなどの濡れを感知する方法が提案されている。例えば、特許文献3などでは、吸水すると透明化する白色の微粒子を、樹脂バインダーとともに紙などの親水性基材に固着させた素材が開示されている。この基材の裏面に印刷を施しておけば、水に濡れた際、表面の白色微粒子と基材が透明化し、裏面の印刷が透けて見える。これは、白色微粒子の屈折率が水に近く、水に濡れることで微粒子表面での光の乱反射が減少し透明化するという物理的特性を利用している。
しかしながら、基材として用いられることが多い紙は強度が低く、紙おむつなどの生産時に加わる応力などで破断することがあるために、その生産性を阻害する要因となる。また、製造コストが高いため、紙おむつの様な使い捨ての用途には好ましくない。さらに同上の理由などにより、表示面積を大きくできず、視認性に劣るという問題もある。
特開平6−178789号公報 特開平11−299830号公報 特開平9−299401号公報
そこで、本発明の課題は、湿潤により透明化し、裏面に施された着色が透けて見えるシートであって、より低コストで提供でき、高強度化された湿潤感知シートを提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、親水剤を含有する熱可塑性樹脂の繊維からなり、特定の平均繊維径と嵩密度を有する不織布を用いて形成したシートに、その少なくとも一方の表面にシートとは異なる色または色相の着色を施すことにより、上記目標を達成し得ることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の湿潤感知シートは、親水剤を含有する熱可塑性樹脂の繊維からなり、平均繊維径が1〜50μm、嵩密度が0.001〜0.4g/cm3メルトブロー不
織布とスパンボンド不織布との積層不織布を用いて形成されるシートであって、少なくとも一方の表面にシートとは異なる色または色相の着色が施されており、且つ、前記シートが湿潤により透明化し、裏面に施された着色が透けて見えることを特徴とする
上記湿潤感知シートは、湿潤時の全光線透過率と非湿潤時の全光線透過率の差が15%以上となるものであることが好ましい。
本発明により、製造コストが廉価で、高強度の、濡れていることが直接触れることなく視認可能な湿潤感知シートが得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の湿潤感知シートは、親水剤を含有する熱可塑性樹脂の繊維からなり、特定範囲の繊維径と嵩密度を有する不織布を用いて形成されるシートであって、少なくとも一方の表面に該シートとは異なる色または色相の着色が施されたシートからなる。
[熱可塑性樹脂]
本発明のシートに用いられる不織布の繊維の原料となる熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂などがあげられ、ポリエステル樹脂としては例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどがあり、ポリアミド樹脂としては例えば、ナイロン6、ナイロン66などを用いることができる。これらのなかでは柔軟性に優れる点でポリオレフィン樹脂が好ましい。
本発明に使用されるポリオレフィン樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン等のオレフィンや、酢酸ビニル等のビニルモノマーの重合体及びそれらの共重合体を主成分とするものが好ましく、具体的には低密度ポリエチレン、線型低密度ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂、ポリ4−メチルペンテン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ブテン共重合体及びこれらの混合物が挙げられる。これらのポリオレフィン樹脂は、ツィーグラー触媒を用いて製造された樹脂であっても、また、メタロセン触媒の如きシングルサイト触媒を用いて製造された樹脂であってもよい。
これらの内、ポリプロピレン系樹脂がより好ましく、プロピレンの単独重合体、またはプロピレンを主モノマー成分とし、少なくとも一種の他のα―オレフィンとの共重合体がさらに好ましい。他のα―オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜8のα―オレフィンを挙げることができる。これらのプロピレンの単独重合体または共重合体は、1種単独でもしくは2種以上を組み合わせても用いることができる。
本発明において用いることのできるプロピレン系重合体は、不織布が製造可能なものであれば特に限定されないが、スパンボンド不織布製造の場合、メルトフローレート(以下、MFRと記す。)が通常1.5〜1000g/10分、好ましくは10〜100g/10分、更に好ましくは30〜80g/10分のものであり、メルトブロー不織布製造の場合、MFRが通常30g〜10000g/10分、好ましくは100g〜5000g/10分で、更に好ましくは200g〜2000g/10分のものである。MFRの測定は、各樹脂に応じて規格に基づいて測定され、例えばプロピレン系重合体では、ASTM D1238に基づいて、230℃、荷重2.16kgで測定されるものである。
プロピレン系重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは、通常1.5〜8.0である。スパンボンド不織布製造の場合、紡糸性が良好で、かつ繊維強度が特に優れる繊維が得られる点で、Mw/Mnは1.5〜3.0が好ましい。本発明において、良好な紡糸性とは、紡糸ノズルからの吐出時および延伸中に糸切れを生じず、フィラメントの融着が生じないことをいう。Mw/Mnは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって、通常の方法で測定されるものである。
本発明で用いられる不織布の製造に使用する熱可塑性樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて他の成分を含有していてもよい。
他の成分としては、例えば他の機能を付与するために配合する添加剤などであり、用途に合わせて選択し、適宜配合することができる。具体例としては、従来公知の耐熱安定剤、耐候安定剤、各種安定剤、酸化防止剤、分散剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、充填剤等が挙げられる。
安定剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)等の老化防止剤;テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2’−オキザミドビス[エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート、Irganox1010(商品名、ヒンダードフェノール系酸化防止剤)等のフェノール系酸化防止剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、1,2−ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩;グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート等の多価アルコール脂肪酸エステルなどを挙げることができる。また、これらを組み合わせて用いることもできる。
また、充填剤としては、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン等の充填剤が挙げられる。
[親水剤]
本発明で使用する親水剤としては、マスターバッチ化可能な親水剤が好ましい。具体的には脂肪酸グリセライド、アルコキシ化アルキルフェノール、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、アルキルポリオキシエチレンアルコール、脂肪酸アミド等の非イオン界面活性剤の群、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、特殊アニオン等の界面活性剤の群、ポリエチレングリコール、ビニルアルコールとエチレンとの共重合体、及びポリエーテルブロックアミド共重合体のような化合物の群から適宜に選択したものがあげられる。これらは単独であるいは混合物で用いることが出来る。これらのなかでは、その他のイオン性含有物の影響を受けにくい点で、非イオン界面活性剤が好ましい。
なかでも以下の構造式を有するものが好ましい。
−(親水性オリゴマー)
上式中、Rは直鎖または分岐のアルキル基で、炭素数が22から40のものが好ましい。また親水性オリゴマーは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エチレングリコール、エピクロロヒドリン、アクリル酸、メタクリル酸、エチレンイミン、カプロラクトン、ビニルアルコール、酢酸ビニル由来の単一またはオリゴマー単位からなり、その単位が2〜10で構成されているものが好ましい。
より好ましくは、以下の構造式を有するものがあげられる。
(OCHCHOH
上式中、xは2〜10の数である。
更に具体的には、例えば、CHCH(CHCH13CHCH(OCHCH2.5OHがあげられる。ここで、エチレンオキサイドの付加数2.5は平均的な値である。
これらの構造の化合物は、2種類以上混合して用いることが出来る。
[不織布]
本発明の湿潤感知シートは、熱可塑性樹脂の繊維からなる不織布を用いて形成される。この不織布はメルトブロー不織布であることが好ましい。
メルトブロー不織布の製造方法は、親水剤を所定濃度となるように熱可塑性樹脂に加え溶融混練して作製した親水剤マスターバッチと、不織布の原料の熱可塑性樹脂とを所定割合で混合し、押出機等で溶融し、溶融物をメルトブロー紡糸口金から吐出して得られた繊維を、高温高速の気体によって極細繊維に牽引細化後、捕集装置により捕集して極細繊維ウェブとし、必要に応じてさらに熱融着処理することからなる。熱融着処理は熱エンボスロールによるのが好ましい。熱エンボスロールによる熱融着処理の場合、エンボスロールのエンボス面積率は、通常5〜30%が好ましい。
不織布の平均繊維径は非湿潤時と湿潤時の光線透過率の差に影響を及ぼす。繊維径が大きすぎると、不織布繊維間の空隙が大きくなり、非湿潤時の光線透過率が高くなりすぎてこのましくない。また、繊維径が小さすぎると、不織布の比表面積が大きくなり、十分湿潤するために必要な液量が多くなる。そのため、湿潤時の光線透過率が高くなりにくく好ましくない。かかる観点から、不織布の平均繊維径は、1〜50μmが好ましい。さらに好ましくは1〜30μmである。
不織布の嵩密度も非湿潤時と湿潤時の光線透過率の差に影響を及ぼす。嵩密度が高くなりすぎると、不織布繊維間の空隙が狭くなり、湿潤時の光線透過率が低くなり好ましくない。また、嵩密度が低すぎると、不織布繊維間の空隙が大きくなりすぎて、非湿潤時の光線透過率が高くなり好ましくない。かかる観点から、不織布の嵩密度は、0.001〜0.4g/cmが好ましい。さらに好ましくは0.01〜0.4g/cmであり、0.05〜0.3g/cmが最も好ましい。
不織布にメルトブローン不織布を用いる場合には、適度な強度が得られる点で、目付量は30g/m以上であることが好ましく、光線透過率と経済性の点から300g/m以下であることが好ましく、さらには200g/m以下であることが好ましい。
本発明の湿潤感知シートは、また、メルトブロー不織布とスパンボンド不織布とを積層した積層不織布を用いて形成されることが好ましい。積層不織布であっても前記の平均繊維径と嵩密度の範囲にあることが好ましいが、本発明の目的を達成できるものであれば、前記の平均繊維径と嵩密度の範囲から外れる不織布が積層されていることを妨げるものではない。
スパンボンド不織布の製造は、例えば次のようになる。不織布の原料の樹脂組成物を、押出機等で溶融し、紡糸ノズルを有する紡糸口金から吐出させて、長繊維を紡出させる。そして紡出された長繊維を、冷却流体により冷却し、さらに延伸エアによって長繊維に張力を加えて所定の繊度とし、そのまま捕集ベルト上に捕集して所定の厚さに堆積させる。次いで、ニードルパンチ、ウオータージェット、超音波シール等の手段による交絡処理、あるいは熱エンボスロールによる熱融着処理等を行う。熱エンボスロールによる熱融着処理の場合、エンボスロールのエンボス面積率は、通常5〜30%が好ましい。
スパンボンド不織布の繊維径は、本発明の湿潤感知シートが形成できるのであれば特に限定されないが、湿潤感知シートの光線透過率および強度を考慮すると、繊度として1〜10dtexが好ましい。また、目付量は5〜30g/mが好ましく、さらには10〜30g/mが好ましい。
メルトブロー不織布とスパンボンド不織布とを積層する方法には、例えば、スパンボンド不織布とメルトブロー不織布を重ね、熱エンボスロールによる熱融着処理等を行う方法、或いは、メルトブロー不織布の上に、所定の繊度にされた長繊維を直接堆積させ、次いで、ニードルパンチ、ウォータージェット、超音波シール等の手段による交絡処理、あるいは熱エンボスロールによる熱融着処理等を行う方法等が用いられる。
[着色]
本発明の湿潤感知シートは、上記の如くして製造されるシートの、少なくとも一方の表面に該シートとは異なる色もしくは色相の着色を施して製造される。着色の手段としては、本発明の目的が達成されるものであれば特に制限はないが、好ましくは着色による重量の増加が小さい印刷処理である。印刷は、フレキソ印刷やグラビア印刷など特に制限はなく、使用インキも油性、水性など制限はない。印刷柄にも特に制限はないが、ベタ印刷部は、その部分から湿潤感知シート内部の空孔に水が染み込みにくくなり、ウェット時の透明化に時間がかかる傾向にある。逆にドット印刷部は、比較的湿潤感知シート内部の空孔に水が染み込み易く、短時間で透明化する。用途に応じて、ベタ印刷部とドット印刷部を調整することが好ましい。また、用途に応じて両面印刷を施し、表面の印刷により非湿潤時の意匠性を向上させ、裏面の印刷により湿潤時の視認性を向上させるという機能差を付けることも可能である。
上記の如くして製造される本発明の湿潤感知シートは、非湿潤時の全光線透過率と湿潤時の全光線透過率の差が15%以上となるものが好ましい。非湿潤時の全光線透過率と湿潤時の全光線透過率の差が15%以上であれば、湿潤による視覚的な差異が知覚しやすく湿潤感知シートとして好ましい。より好ましくは、非湿潤時の全光線透過率と湿潤時の全光線透過率の差が20%以上となるものである。
本発明の湿潤感知シートの引張強度は10N/25mm以上とすることができ、適度な強度を有する。そのため、紙おむつなどの生産時に加わる応力などで破断することがなく、その生産性を阻害することがない。
かかる特性を有する湿潤感知シートは、非湿潤時の全光線透過率が低く、湿潤時の全光線透過率が高く、また、強度が高く、廉価であるので、使い捨て紙おむつなどの尿インジケータ等として好適に使用できる。
本発明について更に具体的に説明するため、以下に実施例を示す。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例に示したMFR、平均繊維径、繊度、目付量、嵩密度、非湿潤時の全光線透過率、湿潤時の全光線透過率、引張強度及び親水剤の移行は、下記方法により測定または評価した値である。
(1)MFR(g/10min)
ASTM D−1238に規定される方法により、温度230℃、荷重2160gの条件下で測定する。
(2)平均繊維径(μm)
不織布試料の100μm×80μmを350倍に拡大した電子顕微鏡写真を撮り、繊維径を任意に10点測定した平均値で示す。
(3)繊度(dtex)
JIS L1096に準拠して測定する。
(4)目付量(g/m
不織布試料〔縦方向:10cm、横方向:10cm〕を10枚採取し、質量計にて総量重を測定し、試料面積で除して各試料の目付量を算出し、これを10枚で平均して目付量とする。
(5)嵩密度(g/cm
嵩密度は、上記で求めた目付量を不織布厚みで割ることで求められる。不織布厚みは、不織布試料〔縦方向:10cm、横方向:10cm〕を10枚採取し、各サンプル5箇所で合計50箇所の測定点について、厚み測定機(PEACOCK社製、UPRIGHT DIAL GUAGE NO.25)を用いて厚みを測定し、その平均厚みから求めることができる。
(6)非湿潤時の全光線透過率(%)
JIS K7105に規定される方法に基づき、霞度計(日本電色工業製、型式:NDH−300A)を用いて測定する。湿潤感知シートの機械方向(以下、縦方向という。)50mm及び機械方向と直角方向(以下、横方向という。)100mmのサンプル1枚について2点測定し、合計10枚20点測定した平均値で示す。
(7)湿潤時の全光線透過率(%)
上記と同様にサンプルを採取し、純水に湿潤感知シートを1分間浸した後、引き上げ、表面に残る水滴をティッシュペーパーで拭き取って、霞度計を用いて2点測定する。各サンプルについて上記の操作を繰り返し、合計10枚20点測定し、平均値で示す。
(8)引張強度(N/25mm)
湿潤感知シートから縦方向試料〔縦方向:300mm、横方向:25mm〕を5枚と、横方向試料〔縦方向:25mm、横方向:300mm〕5枚を採取し、それぞれの試料について、JISL1906 L に規定される方法により、チャック間200mm、引張速度200m/minの条件下で測定する。
(9)親水剤の移行
線形低密度ポリエチレン(三井化学(株)製、商品名:ウルトゼックス2021L)40重量部に対し、炭酸カルシウム(同和カルファイン(株)製、商品名:SST−40)60重量部をタンブラーミキサーにて混合した後、タンデム型押出機を用いて200℃において均一に混練してペレット状に加工し、このペレットをTダイが装着された押出成形機を用いて、240℃において溶融製膜した後、70℃に加熱した予熱ロールと延伸ロールとの間で4.0倍の延伸倍率で機械方向に一軸延伸してなる厚さ25μmの多孔性フィルム(200mm角)、200mm角の本発明の湿潤感知シート、100mm角の濾紙2枚、をこの順番で重ね、インク色付けした水5mlを濾紙上に滴下する。その後、濾紙上に100mm角10Kgの重りを載せ、5分後に最底面(多孔性フィルム裏面)にインクが染み出しているか100mm角内で目視観察し以下の評価基準で判断する。
○:染み出しなし、
×:染み出しあり。
参考例1
ポリプロピレン樹脂PP1(Basell社製 HF461X、MFR:900g/10min)に、
親水剤A(Ciba社製 Irgasurf HL560)を樹脂100重量部に対して3重量部となるように添加した樹脂組成物を押出機で溶融し、メルトブロー法により紡糸し、繊維径3μm、目付量50g/m2のメルトブロー不織布を製造した。この不織布の片
面に油性インクにより直径1mmの青いドットを5mmピッチで描いた千鳥格子模様をつけ、湿潤感知シートを得た。得られた湿潤感知シートの非湿潤時の全光線透過率、湿潤時の全光線透過率、目付量、引張強度、および親水剤の移行を上記方法により測定、評価した。得られた結果を表1に示す。
参考例2〜7、比較例1]
繊維径、目付量を表1、表2に示すように変更した以外、参考例1と同様にして湿潤感知シートを製造した。得られた湿潤感知シートの各特性を参考例1と同様にして測定、評価し、得られた結果を表1、表2に示す。
[比較例2]
ポリプロピレン樹脂PP2(三井化学(株)製 S119、MFR:60g/10min)に、親水剤A(Ciba社製 Irgasurf HL560)を樹脂100重量部に対して3重量部となるように添加した樹脂組成物を押出機で溶融し、スパンボンド法により紡糸し、平均繊維径60μm、目付50g/mのスパンボンド不織布を製造した。この不織布の片面に油性インクにより直径1mmの青いドットを5mmピッチで描いた千鳥格子模様をつけ、湿潤感知シートを得た。得られた湿潤感知シートの非湿潤時の全光線透過率、湿潤時の全光線透過率、目付量、引張強度、および親水剤の移行を上記方法により測定、評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例
ポリプロピレン樹脂PP2(三井化学(株)製 S119、MFR:60g/10min
)に、親水剤A(Ciba社製 Irgasurf HL560)を樹脂100重量部に対して3重量部となるように添加した樹脂組成物を押出機で溶融し、スパンボンド法により紡糸し、繊度2.9dtex、目付20g/m2のスパンボンド不織布を製造した。この
不織布に、参考例1で得られたメルトブロー不織布をエンボス加工により熱融着し積層不織布を製造した。この積層不織布のメルトブロー不織布側に、油性インクにより直径1mmの青いドットを5mmピッチで描いた千鳥格子模様をつけ、湿潤感知シートを得た。得られた湿潤感知シートの非湿潤時の全光線透過率、湿潤時の全光線透過率、目付量、引張強度、および親水剤の移行を上記方法により測定、評価した。得られた結果を表3に示す。
[実施例2〜6、比較例3〜6]
スパンボンド不織布の親水剤の配合割合、繊度、目付量および積層不織布の着色面を表3、表4に示すように変更した以外、実施例と同様にして湿潤感知シートを製造した。得られた湿潤感知シートの各特性を参考例1と同様にして測定、評価し、得られた結果を表3、表4に示す。
Figure 0004166724
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Figure 0004166724
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従来のものに比べ強度が向上しており、しかも、より廉価で従来と同等の湿潤状態の表示機能を持つものである。そのため、衛生材料、医療用材料、衣料用材料、建築用材料、包装材料等の分野において好適に使用することができる。特に、使い捨てオムツ等の吸収体物品の尿インジケータとして好適に使用することができる。

Claims (2)

  1. 親水剤を含有する熱可塑性樹脂の繊維からなり、平均繊維径が1〜50μm、嵩密度が0.001〜0.4g/cm3メルトブロー不織布とスパンボンド不織布との積層不織
    布を用いて形成されるシートであって、少なくとも一方の表面にシートとは異なる色または色相の着色が施されており、且つ、前記シートが湿潤により透明化し、裏面に施された着色が透けて見えることを特徴とする湿潤感知シート。
  2. 前記シートが、湿潤時の全光線透過率と非湿潤時の全光線透過率の差(湿潤時の全光線透過率−非湿潤時の全光線透過率)が15%以上となるものである請求項1に記載の湿潤感知シート。
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