JP4544219B2 - ポジ型感放射線性樹脂組成物、転写フィルムおよびメッキ造形物の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)20μm以上の均一な厚みの塗膜が形成できること。
(2)バンプの狭ピッチ化に対応するために解像性が高いこと。
(3)鋳型となるパターンの側壁が垂直に近く、パターンがマスク寸法に忠実であること。
(4)工程の生産効率を高めるために、高感度で現像性に優れていること。
(5)メッキ液に対する良好な濡れ性を有していること。
(6)メッキ時にレジストがメッキ液中に溶出してメッキ液を劣化させないこと。
(7)メッキ時にメッキ液が基板とレジストとの界面にしみ出さないように、基板に対して高い密着性を有すること。
(8)メッキ後は、剥離液により容易に剥離されること。
(9)鋳型となるパターンの形状が忠実に転写されていること、およびマスク寸法に忠実であること。
ト膜の膨潤と収縮により引き起こされる割れ(クラック)発生の抑制にも優れている。しかしながら、集積回路の微細化に伴い加工寸法が縮小したことにより、レジストのパターン寸法に対する広いプロセスマージンの要求が高まってきたため、上記アルカリ可溶性樹脂を含有する上記樹脂組成物よりもさらに形成されるパターンの露光量による寸法変化が小さい感放射線性樹脂組成物が求められるようになってきた。また、上記のような樹脂組成物では、露光後に環境中に存在するアミンに曝された場合に、形成されたパターンの断面形状が図1に示すようなT−top形状となりやすく、パターンの幅や間隔はパターン上面から計測されるため、計測されたパターンの幅や間隔は、実際のパターンの幅や間隔より大きく見積もられる傾向にあった。この点についても加工寸法の縮小により影響が大きくなってきたため改良が求められるようになってきている。また、上記アルカリ可溶性樹脂を含有する上記樹脂組成物は、パターン形成後の高温での金メッキ時に、パターン変形することが多く、得られる金メッキ形状もパターンサイズより大きい(押し込み)ことがあるという問題があった。
素数1〜4のアルキル基、炭素数4〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、または、これらの基において少なくとも一つの水素原子を炭素数6〜20の芳香族炭化水素基または炭化水素基以外の極性基に置換した置換炭化水素基である。R2
〜R4のいずれか2つがアルキル基もしくは置換アルキル基である場合は、そのアルキル
鎖が相互に結合して、炭素数4〜20の脂環式炭化水素基もしくは置換脂環式炭化水素基を形成していてもよい。
、炭素数1〜4のアルキル基であり、R5は単結合、メチレン基または炭素数2〜4のア
ルキレン基であり、R6は炭素数1〜4のアルキル基であり、nは0または1〜4の整数
である。
上記ポジ型感放射線性樹脂組成物は、好ましくはメッキ造形物の製造に用いられ、この
メッキ造形物はバンプであることが好ましい。
本発明に係るメッキ造形物の製造方法は、(1)バリアメタル層を有するウェハー上に、上記ポジ型感放射線性樹脂組成物を用いて樹脂膜を形成する工程、(2)上記樹脂膜を露光した後に現像してパターンを形成する工程、(3)上記パターンを鋳型として、電解メッキにより電極材料を析出させる工程、および(4)残存する樹脂膜を剥離した後、バリアメタル層をエッチングにより除去する工程を含むことを特徴とする。
〔ポジ型感放射線性樹脂組成物〕
本発明に係るポジ型感放射線性樹脂組成物は、(A)酸により解離して酸性官能基を生じる酸解離性官能基を有する構造単位とカルボキシル基を有する構造単位と架橋構造とを有する重合体、(B)感放射線性酸発生剤、(C)有機溶媒、および必要に応じてその他の成分を含有する。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物を構成する成分(A)は、酸により解離して酸性官能基を生じる酸解離性官能基を有する構造単位とカルボキシル基を有する構造単位と架橋構造とを有する重合体である。
で表されるものが挙げられる。
素数1〜4のアルキル基、炭素数4〜20の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、または、これらの基において少なくとも一つの水素原子を炭素数6〜20の芳香族炭化水素基または炭化水素基以外の極性基に置換した置換炭化水素基である。R2
〜R4のいずれか2つがアルキル基もしくは置換アルキル基である場合は、そのアルキル
鎖が相互に結合して、炭素数4〜20の脂環式炭化水素基もしくは置換脂環式炭化水素基を形成していてもよい。
上記炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基などが挙げられる。
たは有橋式炭化水素類に由来する基を、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル 基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基
等の炭素数1〜4の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基で置換した基などを挙げることができる。
レン基または炭素数2〜4のアルキレン基であり、R6は炭素数1〜4のアルキル基であ
り、nは0または1〜4の整数である。
上記炭素数2〜4のアルキレン基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、たとえば、エチレン基、n−プロピレン基、i−プロピレン基、n−ブチレン基、2−メチルプロピレン基、1−メチルプロピレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基などが挙げられる。
上記カルボキシル基を有する構造単位としては、アクリル酸、メタクリル酸およびクロトン酸などのモノカルボン酸から誘導される構造単位;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸などのジカルボン酸から誘導される構造単位;2−マレイノロイルオキシエチルメタクリレート、2−サクシノロイルオキシエチルメタクリレート、2−ヘキサヒドロフタロイルエチルメタアクリレートなどのカルボキシル基含有(メタ)アクリル酸誘導体から誘導される構造単位などが挙げられる。
未露光部でもカルボキシル基を有する構造単位を含有する重合体の作用により、僅かにアルカリ可溶性を示すため、現像時にT−top形状部分を溶解(膜減り)させることができ、T−topを解消できる。
以上のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体(以下「単量体(I)」という)とを共重合することによって得られる。この2個以上のエチレン性不飽和二重結合が共重合に寄与することによって重合体(A)中に架橋構造が形成される。
共重合可能なその他の単量体(以下「単量体(II)」という)を共重合させてもよい。
このような単量体(II)としては、たとえば、
o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−イソ
プロペニルフェノール、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンなどの芳香族ビニル化合物;
N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタムなどのヘテロ原子含有脂環式ビニル化合物;
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ基含有ビニル化合物;
1.3−ブタジエン、イソプレンなどの共役ジオレフィン類;
アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド基含有ビニル化合物;
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類;
p−ヒドロキシフェニルアクリルアミド、p−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド、o−ヒドロキシフェニルアクリルアミド、o−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド、m−ヒドロキシフェニルアクリルアミド、m−ヒドロキシフェニルメタクリルアミド、p−ヒドロキシベンジルアクリルアミド、p−ヒドロキシベンジルメタクリルアミド、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジルアクリルアミド、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジルメタクリルアミド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルアクリルアミド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメタクリルアミド、o−ヒドロキシベンジルアクリルアミド、o−ヒドロキシベンジルメタクリルアミドなどの水酸基含有アミド基含有ビニル化合物;
p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、o−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、m−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、p−ヒドロキシベンジル(メタ)アクリレート、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンジル(メタ)アクリレート、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル(メタ)アクリレート、o−ヒドロキシベンジル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート類;フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどのフェノキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート類;
などが挙げられる。
に忠実なパターンを安定して形成することができる。
要に応じて単量体(II)とを、直接共重合する方法によって製造することができる。重合はラジカル重合によって行うことができ、重合開始剤としては、有機過酸化物などの通常のラジカル重合開始剤を用いることができる。また、重合方法としては、たとえば、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法などが挙げられるが、特に溶液重合法が好ましい。
本発明に用いられる酸発生剤(B)は、露光により酸を発生する化合物である。この発生する酸の作用により、重合体(A)中に存在する酸解離性官能基が解離して、たとえば
、カルボキシル基、フェノール性水酸基などの酸性官能基が生成する。その結果、ポジ型感放射線性樹脂組成物から形成された樹脂膜の露光部がアルカリ現像液に易溶性となり、ポジ型のパターンを形成することができる。
チルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−5,6−オキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−5,6−オキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−5,6−オキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.1.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)−5,6−オキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ナフチルイミド、N−(10−カンファ−スルホニルオキシ)ナフチルイミドなどが挙げられる。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物は、上記重合体(A)、酸発生剤(B)、ならびに必要に応じて配合される、後述の他のアルカリ可溶性樹脂(D)および添加剤を、均一に混合する目的で有機溶媒(C)を含有する。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物には、必要に応じて、上記成分(A)以外のアルカリ可溶性樹脂(以下「他のアルカリ可溶性樹脂(D)」という)を添加することができる。
上記重縮合系樹脂は、酸性官能基を有する縮合系繰返し単位のみから構成されていてもよく、生成した樹脂がアルカリ現像液に可溶である限り、他の縮合系繰返し単位をさらに含有してもよい。
これらの他のアルカリ可溶性樹脂(D)は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記他のアルカリ可溶性樹脂(D)の使用量は、重合体(A)100重量部に対して、通常200重量部以下である。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物には、酸発生剤(B)から発生する酸の樹脂膜中における拡散を制御し、未露光部における好ましくない化学反応を抑制するために、酸拡散制御剤(E)を配合することが好ましい。このような酸拡散制御剤(E)を使用することにより、組成物の貯蔵安定性が向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上するとともに、露光からPEBまでの引き置き時間の変動によるパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に極めて優れる。
上記含窒素有機化合物としては、たとえば、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、エチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,
4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジア
ミノジフェニルアミン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、8−オキシキノリン、アクリジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、2,4,6−トリ(2−ピリジル)−S−トリアジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、ピペラジン、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどが挙げられる。これらの中では、特に2,4,6−トリ(2−ピリジル)−s−トリアジン、t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミンが好ましい。上記酸拡散制御剤(E)は、1種単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン
上記酸拡散制御剤(E)の使用量は、重合体(A)100重量部に対して、通常、15重量部以下、好ましくは0.001〜10重量部、さらに好ましくは0.005〜5重量部である。酸拡散制御剤(E)の使用量が上記範囲内にあることにより、感度、現像性、パターン形状および寸法忠実度に優れたレジストが得られる。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物には、塗布性、現像性などを改良するために界面活性剤を添加してもよい。
本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物に配合可能な他の添加剤としては、たとえば、紫外線吸収剤、増感剤、分散剤、可塑剤、保存安定性を高めるための熱重合禁止剤、酸化防止剤などが挙げられる。中でも紫外線吸収剤は、露光時の散乱光の未露光部への回り込みによる光反応を阻止する作用があることから有用である。このような紫外線吸収剤としては、露光に使用される紫外線の波長域で、高い吸光係数を有する化合物が好ましい。また、有機顔料も同様の目的に使用することができる。
上記末端変性ビニルアルキルエーテル樹脂としては、下記式(3)で表される重合体またはオリゴマーが挙げられる。
上記末端変性ポリエーテル樹脂としては、下記式(4a)および/または(4b)で表される重合体またはオリゴマーが挙げられる。
樹脂を用いることにより、末端が変性されていないポリエーテル樹脂を用いた場合と比較して、現像液に対する溶解性をある程度抑制することで、解像性を維持することができる。
本発明に係る転写フィルムは、支持フィルムと、この支持フィルム上に上記ポジ型感放射線性樹脂組成物から形成された樹脂膜とを有する。このような転写フィルムは、支持フィルム上に上記組成物を塗布して乾燥することにより作製することができる。
本発明に係るメッキ造形物の製造方法は、
(1)バリアメタル層を有するウェハー上に、上記ポジ型感放射線性樹脂組成物を用いて樹脂膜を形成する工程、
(2)上記樹脂膜を露光した後に現像してパターンを形成する工程、
(3)上記パターンを鋳型として、電解メッキにより電極材料を析出させる工程、および(4)残存する樹脂膜を剥離した後、バリアメタル層をエッチングにより除去する工程
を含む。
上記ポジ型感放射線性樹脂組成物を所定の基材、特に電子部品の基板に塗布し、乾燥(加熱または減圧などにより溶媒を除去)することによって、膜厚5〜60μm、好ましくは10〜30μmの感放射線性樹脂膜(レジスト膜)を形成する。レジスト膜の膜厚が上記範囲よりも小さいと、メッキ後に形成されるバンプの厚さが不足する場合があり、上記範囲を超えると均質な樹脂膜を形成することが難しくなる傾向にある。なお、予め本発明のポジ型感放射線性樹脂組成物から形成したドライフィルム状のレジスト膜を有する上記転写フィルム用いて、転写等により基板上にレジスト膜を形成してもよい。この方法により製造工程を簡略化することができる。
とができる。上記のようにしてポジ型感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布して形成された塗膜を乾燥(プレベーク)する際の条件は、組成物中の各成分の種類、配合割合、塗膜の厚みなどによって異なるが、通常は70〜140℃、好ましくは100〜130℃で5〜60分間程度である。プレベーク時間が短すぎると、現像時の密着状態が悪くなり、また、長すぎると現像時、露光部の溶解性が悪くなり、解像度の低下を招く傾向にある。
得られたレジスト膜に所定のパターンのマスクを介して、波長が300〜500nmの紫外線または可視光線を照射することにより、バンプを形成するパターン部分のみ露光させる。これらの放射線の線源として、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、アルゴンガスレーザーなどを用いることができる。ここで放射線とは、紫外線、可視光線、遠紫外線、X線、電子線などを意味する。放射線照射量は、組成物中の各成分の種類、配合量、塗膜の膜厚などによって異なるが、たとえば、超高圧水銀灯使用の場合、100〜3,000mJ/cm2である。
放射線照射後、上記レジスト膜中の酸解離性官能基の酸による分解反応を促すため、基板を加熱処理(PEB)する。加熱する際の条件は、組成物中の各成分の種類、配合割合、塗膜の厚みなどによって異なるが、通常は80〜140℃、好ましくは90〜120℃で5〜60分間程度である。
上記PEB後、現像液としてアルカリ性水溶液を用いて現像することにより、放射線を照射した部分を溶解して除去し、放射線未照射部分のみ残存させて所望のレジストパターンを形成する。現像方法としては、特に限定されず、たとえば、液盛り法、ディッピング法、パドル法、スプレー法などが挙げられる。
現像時間は、組成物各成分の種類、配合割合、組成物の乾燥膜厚によって異なるが、通常1〜30分間である。現像後は、たとえば、流水洗浄を30〜90秒間行ない、エアーガンなどを用いて風乾、あるいは、オーブン中またはスピンドライで乾燥させることが好ましい。
現像によりパターニングした基板を、電解メッキ用の各種メッキ液を用いて、メッキ推奨条件と同じ温度と時間で浸漬して電解メッキを行い、上記レジストパターンを鋳型とするメッキパターンを形成させる。上記メッキ液は金メッキ液、半田メッキ液、銅メッキ液、銀メッキ液などのいずれのメッキ液でもよい。
電解メッキ後、基板を、室温〜80℃にて攪拌中の剥離液に1〜10分間浸漬することによって、基板上に残存するレジストパターン(未露光部分)を剥離することができる。これにより、突起状となったメッキパターン(バンプ)が得られる。
<リフロー工程>
バンプが半田バンプの場合は、さらにリフロー工程を経て、球状のバンプを形成する。具体的には、レジスト剥離後、基板を、室温〜500℃のリフロー炉内に1〜60分間流すことによって、基板上に形成した半田バンプを過熱溶融し、球状となった半田メッキパターン(バンプ)が得られる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、この実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下において、「部」および「%」は、特記しない限り重量基準である。
[合成例1]
アクリル酸4g(9mol%)、p−イソプロペニルフェノール31g(39mol%)、イソボロニルアクリレート28g(23mol%)、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート26g(19mol%)、2−ベンジルイソプロピルアクリレート9.5g(8mol%)、および1,6−ヘキサンジオールジアクリレート1、5g(2mol%)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート120gと混合して攪拌し、均一な溶液を調製した。この溶液を30分間窒素ガスによりバブリングした後、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1gとジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(V−601)1.5gとを添加し、連鎖移動剤としてt−ドデシルメルカプタン0.2gを添加した後、窒素ガスによるバブリングを継続しながら、反応温度を70℃に維持して3時間重合した。その後、さらにAIBNを1gおよびV−601を1.5g添加して3時間反応した後、80℃まで昇温して2時間重合し、さらに100℃で1時間反応した。重合終了後、反応溶液を多量のヘキサンと混合し、生成した重合体を凝固さ
せた。次いで、重合体をテトラヒドロフランに再溶解した後、再度ヘキサンにより凝固させる操作を数回繰り返して未反応モノマーを除去し、減圧下50℃で乾燥して重量平均分子量100,000の重合体(A1)を得た。なお、重量平均分子量は、東ソー(株)製GPCカラム(G2000HXL2本、G3000HXL1本、G4000HXL1本を直列に接続)を用い、流量:1.0ミリリットル/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
化合物の種類と量を表1に記載の組成に変更した以外は合成例1と同様にして、酸解離性官能基、カルボキシル基および架橋構造を有する重合体(A2)、ならびにカルボキシル基を含まない重合体(a1)をそれぞれ合成した。
重合体(A1):100重量部、酸発生剤(B)として4,7−ジ−n−ブトキシナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート:5重量部、酸拡散制御剤(E)としてt−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン:0.15重量部および2,4,6−トリ(2−ピリジル)−s−トリアジン:0.04重量部、ならびに界面活性剤としてネオス社製NBX−15:0.2重量部、その他の添加剤(F1)として日本油脂(株)製「MM−1000」:3重量部を、有機溶媒(C)であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:150重量部に溶解した後、孔径3μmのテフロン(登録商標)製メンブレンフィルターでろ過して樹脂組成物を調製した。なお、2,4
,6−トリ(2−ピリジル)−s−トリアジンは1重量%の乳酸エチル溶液として添加した。なお、日本油脂(株)製「MM−1000」は上記式(4a)で表される末端変性ポリエーテル樹脂である。
直径4インチのシリコンウェハー基板上に、クロムを厚さが約500Åとなるようにスパッタリングした後、その上に金を厚さが1,000Åとなるようにスパッタリングして、導電層を形成した。以下、この伝導層を形成した基板を「金スパッタ基板」という。
上記金スパッタ基板に、スピンコーターを用いて上記樹脂組成物を塗布した後、ホットプレート上にて、130℃で5分間加熱して、厚さ25μmの樹脂膜を形成した。次いで、パターンマスクを介して超高圧水銀灯(OSRAM社製「HBO」、出力1,000W)を用いて、50〜1500mJ/cm2の紫外光を照射した(以下、この基板を「露光
後基板」という。)。露光量は、照度計((株)オーク製作所製「UV−M10」(照度計)にプローブ「UV−35」(受光器)をつないだもの)により確認した。上記露光後基板をホットプレート上にて100℃で5分間PEBを行った。次いで、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、室温で1分間浸漬して現像した後、流水洗浄し、窒素ブローしてパターンを形成した。以下、このパターンを形成した基板を「パターニング基板」という。
上記パターニング基板に対して、電解メッキの前処理として、酸素プラズマによるアッシング処理(出力100W、酸素流量100ミリリットル/分、処理時間1分)を行い、親水化処理を行った。次いで、この基板を非シアン金メッキ液(日本エレクトロプレイティングエンジニヤース(株)製、商品名「MirrofabAu660」)1リットル中に浸漬し、メッキ浴温度65℃、電流密度0.8A/dm2に設定して、約30分間電解
メッキを行い、厚さ15〜18μmのバンプ用メッキ造形物を形成した。次いで、流水洗浄し、窒素ガスにてブローして乾燥した後、室温にて、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中に10分間浸漬して、樹脂膜を剥離し、メッキ造形物を有する基板を得た。以下、このメッキ造形物を有する基板を「メッキ基板」という。
(1)感度
上記金スパッタ基板に、マスク設計寸法で40μmピッチのパターン(30μm幅抜きパターン/10μm幅残し、長さ90μmパターン)を形成したとき、抜きパターンに全く現像残渣等が見られずに解像する露光量を最適露光量とし、この最適露光量により評価した。結果を表3に示す。
露光量が上記(1)で決定した最適露光量のパターニング基板〔マスク設計寸法で40μmピッチのパターン(30μm幅抜きパターン/10μm幅残しパターン)〕と、その2.0倍の露光量のパターニング基板〔マスク設計寸法で40μmピッチのパターン(30μm幅抜きパターン/10μm幅残しパターン)〕のそれぞれについて、10μm幅残しパターンの下部のパターン幅を走査型電子顕微鏡で測定し、最適露光量に対するその2.0倍の露光量で形成したパターンの寸法変化率を算出して、下記の基準で評価した。結果を表3に示す。
○:寸法変化率が150%以下(露光量変化に対する寸法変化が小さい)
×:寸法変化率が150%以上(露光量変化に対する寸法変化が大きい)
(3)塩基耐性
超純水で1000倍に希釈したピリジン水溶液を1cc滴下した1L密閉容器中に上記露光後基板を入れ、室温で30分静置した(以下、「アミン処理」という)。その後、PEB、次いで現像処理してパターニング基板〔マスク設計寸法で40μmピッチのパターン(30μm幅抜きパターン/10μm幅残しパターン)〕を形成した。一方、アミン処理を施さずに上記パターンの形成に従い、パターニング基板〔マスク設計寸法で40μmピッチのパターン(30μm幅抜きパターン/10μm幅残しパターン)〕を形成した。これらのパターニング基板のパターントップの形状を走査型電子顕微鏡で観察し、下記の基準で評価した。結果を表3に示す。
○:アミン処理の有無によるパターントップ形状に差は見られない。
×:アミン処理を施すとパターントップがT−top形状となる。
マスク寸法で40μmピッチのパターン(30μm幅抜きパターン/10μm幅残しパターン)を形成したパターニング基板にメッキ造形物を形成したメッキ基板を、光学顕微鏡と走査型電子顕微鏡にて観察し、下記の基準で評価した。結果を表3に示す。
○:メッキ造形物の底部は樹脂膜から形成されたパターン形状が忠実に転写されたもの
であり、パターン底部にメッキが染み出した形跡も認められず、また、メッキの変
形等の異常も認められない。
×:メッキ造形物の底部は樹脂膜から形成されたパターン形状が忠実に転写されておら
ず、パターン底部にメッキが染み出した形跡が認められる、あるいは、メッキの変
形等の異常が認められる。
樹脂組成物を表2に記載の組成で調製した以外は、実施例1と同様にして、パターンの形成、メッキ造形物の形成を行い、評価した。結果を表3に示す。
樹脂組成物を表2に記載の組成で調製した以外は、実施例1と同様にして、パターンの形成、メッキ造形物の形成を行い、評価した。結果を表3に示す。
2 パターン
Claims (10)
- (A)酸により解離して酸性官能基を生じる酸解離性官能基を有する構造単位とカルボキシル基を有する構造単位とフェノキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートに由来する構造単位と架橋構造とを有する重合体、(B)感放射線性酸発生剤、および(C)有機溶媒を含有し、該重合体(A)を構成する全構造単位のうち、架橋構造を含む構造単位以外の構造単位の合計100モル%に対して、 前記酸解離性官能基を有する構造単位が1〜35モル%であることを特徴とするポジ型感放射線性樹脂組成物。
- 前記酸解離性官能基を有する構造単位が下記式(1)で表されることを特徴とする請求項1に記載のポジ型感放射線性樹脂組成物。
- 前記重合体(A)が、少なくとも、酸解離性官能基を有する構造単位を誘導する単量体とカルボキシル基とフェノキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレートに由来する構造単位とを有する構造単位を誘導する単量体と2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体とを反応させてなる共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポジ型感放射線性樹脂組成物。
- 酸拡散制御剤(E)をさらに含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型感放射線性樹脂組成物。
- メッキ造形物の製造に用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポジ型感放射線性樹脂組成物。
- 上記メッキ造形物がバンプであることを特徴とする請求項6に記載のポジ型感放射線性樹脂組成物。
- 支持フィルムと、該支持フィルム上に請求項1〜5のいずれかに記載のポジ型感放射線性樹脂組成物を用いて形成した樹脂膜とを有することを特徴とする転写フィルム。
- (1)バリアメタル層を有するウェハー上に、請求項1〜5のいずれかに記載のポジ型感放射線性樹脂組成物を用いて樹脂膜を形成する工程、
(2)上記樹脂膜を露光した後に現像してパターンを形成する工程、
(3)上記パターンを鋳型として、電解メッキにより電極材料を析出させる工程、および
(4)残存する樹脂膜を剥離した後、バリアメタル層をエッチングにより除去する工程を含むことを特徴とするメッキ造形物の製造方法。 - 上記工程(1)における樹脂膜が、請求項8に記載の転写フィルムの樹脂膜をウェハー上に転写することにより形成されることを特徴とする請求項9に記載のメッキ造形物の製造方法。
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