JP4543473B2 - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエンジンの排気浄化装置に関し、特にNOx(窒素酸化物)の排出を抑制するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジンの排気ガスを浄化するための触媒としては、略理論空燃比付近で排気ガス中のHC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)及び前記NOxを同時にかつ極めて有効に浄化できる三元触媒が知られている。しかし、ディーゼルエンジンはかなりリーンな空燃比(例えばA/F≧18,酸素濃度が4%以上)で運転されるので、前記三元触媒では排気ガス中のNOxを還元することができず、また、空燃比がリーンな状態では排気ガス中の酸素濃度がかなり高くなるので、NOx浄化用触媒(例えばゼオライトに触媒金属としてのPtを担持させた触媒)であってもNOxを十分に還元浄化することが難しい。この点は空燃比がリーンの運転領域を有するガソリンエンジンにおいても同じである。
【0003】
これに対し、特開平9−317524号公報には、エンジンの排気通路の上流側に低温域でNOxを還元浄化するに適した第1触媒装置を配置し、その下流側に高温域でNOxを還元浄化するに適した第2触媒装置を配置し、圧縮行程上死点付近で機関出力発生のための主燃料噴射を行なうとともに、膨張行程又は排気行程において触媒に対する炭化水素供給量を増大させるための後燃料噴射を行なうようにし、その後燃料噴射量を触媒温度に応じて制御することにより、NOx浄化を効果的に行なうことが記載されている。
【0004】
すなわち、後燃料噴射によって排気ガス中のHC量が増大すると触媒でのHC酸化反応熱によって触媒温度が上昇することに鑑み、第1及び第2の各触媒装置に対してNOx浄化活性がピークとなる温度より低温時には後燃料噴射量を多くしてピーク温度付近でNOx浄化が行なわれるようにし、ピーク温度より高温時には後燃料噴射量を少なくして触媒の温度上昇を抑え、できるだけピーク温度付近でNOxの浄化を行なおうとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く触媒温度に基づいてNOx浄化に有効な還元剤の増量度合を制御することは触媒を活性ピークの温度付近に維持する上で有効である。しかし、排気通路に複数の触媒を直列的に配置した場合、上流側の触媒が排気ガス中の還元剤を酸化消費するものであれば、還元剤の増量度合を所定の基準に基づいて制御しても、下流側の触媒には還元剤が期待通りには供給されない。例えば、上流側に低温域でNOx浄化活性がピークになるNOx触媒を配置し、下流側に高温域で活性がピークになるNOx触媒を配置した場合、上流側触媒が活性ピークの温度になるまでは還元剤の増量によりその触媒の早期活性が図れ、また、ピーク温度でのNOx浄化率も高くなる。しかし、上流側触媒の温度がピーク温度より高くなってNOx浄化率が低下しても、この上流側触媒による還元剤の消費率は下がらないため、下流側触媒には還元剤が思うように供給されず、還元剤増量の効果が下流側触媒のNOx浄化に反映されない。
【0006】
これに対して、上流側触媒における触媒金属の担持量を少なくすれば、排気ガス中の還元剤が上流側触媒で酸化消費される量が少なくなるため、下流側触媒により多くの還元剤が供給されるが、上流側触媒が熱劣化し易くなるという問題がある。すなわち、触媒金属の担持量が多い場合は、高温に晒されたときにシンタリングしてサポート材上での分散度が低下するものの、ある程度シンタリングが進行すれば、それ以上には進まなくなるから、触媒活性が大きく低下することはないが、担持量が少ない場合には当初はサポート材に高分散に担持されていても、シンタリングしたときの分散度の低下が大きくなり、あるいはサポート材に埋没し、触媒活性が大きく低下する。
【0007】
そこで、本発明は、排気通路の上流側に還元剤を酸化消費する触媒が配置され、その下流側に還元剤と反応する(還元剤の存在下で触媒反応を起こす)触媒が配置されている場合に、上流側触媒の触媒金属担持量を減らさずとも、増量された還元剤が上流側触媒を通過して下流側触媒にも比較的多く供給されるようにして、下流側触媒での還元剤との反応性を効果的なものにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような課題に対して、上流側の触媒及び下流側触媒をハニカム状のモノリス触媒とし、且つ上流側触媒を排気ガスが通過し易い形態にしたものである。
【0009】
すなわち、本発明は、エンジン本体と、
前記エンジン本体の排気通路に配置され排気ガス中の還元剤と反応する触媒、例えば排気ガス中のNOxを還元剤との反応によって浄化させる触媒がハニカム状モノリス担体にコーティングされてなる下流側触媒と、
前記還元剤量を増大させる還元剤増量手段と、
前記排気通路の前記下流側触媒よりも上流側の部位に、前記還元剤を酸化させる触媒がハニカム状モノリス担体にコーティングされてなる上流側触媒が配置されていて、
前記上流側触媒及び下流側触媒の各々は触媒金属としてゼオライトに担持されたPtを有し、前記上流側触媒の担体1L当たりのPt担持量が、前記下流側触媒の担体1L当たりのPt担持量よりも多く、
前記上流側触媒は前記下流側触媒よりも排気ガスとの接触時間が短くなるように形成されていることを特徴とする。
【0010】
ここに、上流側触媒の担体1L当たりのPt担持量は下流側触媒の担体1L当たりのPt担持量よりも多いから、触媒活性がピークになる温度は上流側触媒では下流側触媒よりも低温側に現れ、上流側触媒は低温型触媒であり、下流側触媒は高温型触媒であるということができる。また、排気ガスとの接触時間が短いということは、排気ガス中の還元剤が上流側触媒で酸化されずに下流側触媒へ流れる言わば吹き抜けを生じ易いということである。
【0011】
そうして、エンジンが低回転・低負荷の運転状態にあり、排気ガス温度が低いときは、排気ガス流量も少なく空間速度が小さい(低い)ため、排気ガスとの接触時間に関して上述の如き構成を採用していても、還元剤増量手段による還元剤の増量によって上流側触媒の活性化を促進し該上流側触媒によって排気ガスの浄化が図れる。
【0012】
エンジン負荷が高くなると、排気ガス温度が高くなるが、このときは排気ガス流量が多くなって空間速度が大きく(高く)なるため、上流側触媒で上述の吹き抜けを生じ易くなる。従って、還元剤増量手段によって排気ガス中の還元剤量を増大させたときに、その還元剤が下流側触媒により多く到達するようになり、この下流側触媒を排気ガスの浄化に有効に利用することができる。
【0013】
しかも、上流側触媒による還元剤の酸化消費を抑えるために触媒金属の担持量を減らす必要がないから、つまり、上流側触媒のPt担持量を多くすることができるから、この上流側触媒の熱劣化の問題も避けることができる。
【0014】
前記上流側触媒を前記下流側触媒よりも排気ガスとの接触時間が短くなるように形成するには、例えば前記上流側触媒の方が前記下流側触媒よりも通路断面積(セル開口面積の総和)が大きく且つ排気ガスとの接触面積が小さくなるようにすればよい。また、触媒の通路断面積及びセル数を同じにして、例えば触媒の断面形状を同じにして、上流側触媒の長さを下流側触媒の長さよりも短くするようにしてもよい。
【0015】
前記還元剤増量手段としては、例えば、燃料をエンジン本体の気筒内燃焼室に直接噴射する燃料噴射弁を設けているときは、要求出力を得るための燃料を噴射する主噴射の後に膨張行程又は排気行程において燃料を噴射する後噴射を行なうことにより、排気ガス中の還元剤としてのHCを増量するというものを採用することができる。
【0016】
或いは、要求出力を得るための燃料を圧縮行程上死点付近で噴射休止間隔(前の噴射終了から次の噴射開始までの時間)を50〜1000μs程度として複数回に分割して噴射する分割噴射をする場合には、その分割回数が増えるように、あるいは噴射休止間隔が長くなるように噴射形態を変更することによって排気ガス中のHC量を増大させるという還元剤増量手段を採用することもできる。
【0017】
或いは、要求出力を得るための燃料を噴射する時期を例えば10゜CA〜20゜CA程度リタードさせることにより、排気ガス中のHC量を増大させるという還元剤増量手段を採用することができる。その場合、主噴射前のパイロット噴射を実行するようにしてもよい。このパイロット噴射は、要求出力を得るための燃料噴射量の1/20〜1/10程度の燃料を主噴射の直前に、具体的には圧縮行程上死点前に噴射するというものであり、これにより、ピストンの上昇による燃焼室内の圧力上昇によって主噴射の前に燃焼室内に火種が形成されるとともに燃焼室内の温度が相当に高くなる(予混合燃焼)。このため、主噴射時期を例えば圧縮行程上死点後になるように遅らせても、主噴射燃料の着火を損なうことなく、良好な拡散燃焼を生起せしめることができる。また、ガソリンエンジンにおいては、点火時期をリタードさせることによって排気ガス中のHC量を増大させる還元剤増量手段を採用することができる。
【0018】
また、本発明は、上述の如きエンジンの排気浄化装置において、前記上流側触媒は、排気ガス中のNOxを還元剤との反応によって浄化させる触媒がハニカム状モノリス担体にコーティングされたNOx触媒であることを特徴とする。
【0019】
上流側触媒としては、所謂三元触媒であっても、酸化触媒であってもよいが、これをNOx触媒とすると、NOxの浄化に有利になる。そうして、下流側触媒としてNOx触媒を採用する一方、上流側NOx触媒として、そのNOx浄化に関する触媒活性がピークになる温度が下流側NOx触媒のNOx浄化に関する触媒活性がピークになる温度よりも低いものを採用すると、つまり、上流側を低温型NOx触媒とし、下流側を高温型NOx触媒とすると、この上流側及び下流側両触媒を有効に利用してNOxの浄化を行なう上で有利になる。
【0020】
すなわち、エンジンが低回転・低負荷の運転状態にあるときは排気ガス温度が低くなるが、このときは排気ガス流量も少なく空間速度が小さく(低く)なるため、排気ガスとの接触時間に関して上述の如き構成を採用していても、上流側NOx触媒において排気ガス中の還元剤によりNOxが比較的効率良く還元される。そうして、エンジン負荷が高くなると、排気ガス温度が高くなるが、このときは排気ガス流量が多くなって空間速度が大きく(高く)なるため、上流側NOx触媒で上述の吹き抜けを生じ易くなり、その結果、排気ガス中の還元剤が酸化されずに下流側NOx触媒に流れる量が多くなり、この下流側NOx触媒でNOxが効率良く還元されるようになる。
【0021】
また、本発明は、上述の如きエンジンの排気浄化装置において、
前記還元剤増量手段は、前記エンジン本体の燃焼室に噴口を臨ませた燃料噴射弁から後燃えを生ずるように燃料を膨張行程又は排気行程において噴射することによって排気ガス中の還元剤を増量するものであることを特徴とする。
【0022】
すなわち、ここでいう後燃えは後噴射された燃料の一部が既燃の高温ガスと混合されて熱分解ないしは酸化することを意味し、それによって排気ガスのボリュームが増大する。よって、上流側触媒に対する空間速度が増大して下流側触媒へ吹き抜け易くなり、この下流側触媒で上述の増量された還元剤を有効に利用して触媒反応を生起せしめることができるようになる。
【0023】
従って、例えば上流側に低温型NOx触媒を採用し、下流側に高温型NOx触媒を採用し、下流側の高温型NOx触媒が上流側の低温型NOx触媒よりも高い触媒活性を呈する所定温度以上になったときに上述の後噴射を実行するようにすれば、若しくは後噴射量を増大させるようにすることが好ましい。
【0024】
すなわち、後噴射をしない又は後噴射量が少ない低温時には、後燃えによる排気ガスボリュームの増大がないか若しくは少ないから、上流側触媒に対する空間速度は大きくならず、上流側の低温型NOx触媒において排気ガス中の還元剤を利用してNOxを効率良く還元することができる。そうして、高温時には後噴射の実行又は後噴射量の増大によって後燃えが顕著になり、その結果、排気ガスのボリュームが増大し、還元剤が上流側の低温型NOx触媒を吹き抜けて下流側の高温型NOx触媒に多く到達するようになり、この活性の高い下流側のNOx触媒を有効に利用してNOxの還元を行なうことができるようになる。
【0025】
前記エンジン本体がディーゼルエンジンであるときは、前記燃料噴射弁から圧縮行程上死点付近で要求出力に見合う量の燃料を噴射する主噴射後の膨張行程前半において燃料を噴射する後噴射を行なうことにより、排気ガス中の還元剤を増量するようにすればよい。これにより、燃焼室内において後燃えを生じ、排気ガスボリュームの増大を図ることができる。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、上流側触媒及び下流側触媒をハニカム状のモノリス触媒とし、上流側触媒及び下流側触媒の各々は触媒金属としてゼオライトに担持されたPtを有し、上流側触媒の担体1L当たりのPt担持量を下流側触媒の担体1L当たりのPt担持量よりも多くし、且つ上流側触媒は下流側触媒よりも排気ガスとの接触時間が短くなるように形成し、かかる構成に還元剤増量手段を組み合わせたから、エンジンが低回転・低負荷の運転状態にあり排気ガス温度が低いときは、還元剤増量手段による還元剤の増量によって上流側触媒の活性化を促進し該上流側触媒によって排気ガスの浄化が図れ、エンジン負荷が高くなり排気ガス温度が高くなったときは、排気ガス流量が多くなって空間速度が大きく(高く)なるため、排気ガス中の還元剤が上流側触媒で酸化されずに下流側触媒へ流れる言わば吹き抜けを生じ易くなり、還元剤増量手段によって排気ガス中の還元剤量を増大させたときに、その還元剤を下流側触媒に吹き抜けさせて排気ガス浄化を図ることができ、しかも、上流側触媒による還元剤の酸化消費を抑えるためにPt担持量を減らす必要がないから、上流側触媒の熱劣化の問題も避けることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
図1は本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの排気浄化装置Aの全体構成を示し、1は車両に搭載された多気筒ディーゼルエンジンのエンジン本体である。このエンジン本体1は複数の気筒2(1つのみ図示する)を有し、その各気筒2内にピストン3が往復動可能に嵌挿されていて、この気筒2とピストン3によって各気筒2内に燃焼室4が形成されている。また、燃焼室4の上面の略中央部には、インジェクタ(燃料噴射弁)5が先端部の噴孔を燃焼室4に臨ませて配設され、各気筒毎に所定の噴射タイミングで噴孔が開閉作動されて、燃焼室4に燃料を直接噴射するようになっている。
【0029】
前記各インジェクタ5は高圧の燃料を蓄える共通のコモンレール(蓄圧室)6に接続されていて、そのコモンレール6にはクランク軸7により駆動される高圧供給ポンプ8が接続されている。この高圧供給ポンプ8は、圧力センサ6aによって検出されるコモンレール6内の燃圧が所定値以上に保持されるように作動する。また、クランク軸7の回転角度を検出するクランク角センサ9が設けられており、このクランク角センサ9は、クランク軸7の端部に設けた被検出用プレート(図示省略)と、その外周に相対向するように配置され電磁ピックアップとからなり、その電磁ピックアップが被検出用プレートの外周部全周に所定角度おきに形成された突起部の通過に対応してパルス信号を出力するようになっている。
【0030】
10はエンジン本体1の燃焼室4に対しエアクリーナ(図示省略)で濾過した吸気(空気)を供給する吸気通路であり、この吸気通路10の下流端部には、図示しないがサージタンクが設けられ、このサージタンクから分岐した各通路が吸気ポートにより各気筒2の燃焼室4に接続されている。また、サージタンクには各気筒2に供給される過給圧力を検出する吸気圧センサ10aが設けられている。前記吸気通路10には上流側から下流側に向かって順に、エンジン本体1に吸入される吸気流量を検出するホットフィルム式エアフローセンサ11と、後述のタービン21により駆動されて吸気を圧縮するブロワ12と、このブロワ12により圧縮した吸気を冷却するインタークーラ13と、吸気通路10の断面積を絞る吸気絞り弁(吸気量調節手段)14とがそれぞれ設けられている。この吸気絞り弁14は、全閉状態でも吸気が流通可能なように切り欠きが設けられたバタフライバルブからなり、後述のEGR弁24と同様、ダイヤフラム15に作用する負圧の大きさが負圧制御用の電磁弁16により調節されることで、弁の開度が制御されるようになっている。また、前記吸気絞り弁14にはその開度を検出するセンサ(図示省略)が設けられている。
【0031】
20は各気筒2の燃焼室4から排気ガスを排出する排気通路で、排気マニホールドを介して各気筒2の燃焼室4に接続されている。この排気通路20には、上流側から下流側に向かって順に、排気ガス中の酸素濃度を検出するO2センサ17と、排気流により回転されるタービン21と、排気ガス中のHC、CO及びNOxを浄化可能な触媒コンバータ22とが配設されている。また、触媒コンバータ22の入口及び出口には排気ガス温度を検出するセンサ18,19が設けられている。
【0032】
前記触媒コンバータ22は、図2に示すように2個のNOx触媒22a,22bを排気ガス流れ方向における上流側と下流側に直列的に並べたものであり、これらはいずれも、軸方向に平行に延びる多数のセル(貫通孔)を有するハニカム構造のコージェライト製モノリス担体の各セル壁面に触媒層を形成したものである。
【0033】
前記NOx触媒22a,22bのモノリス担体は、全体としてはその断面積、長さ及び各セルを構成する壁厚が同じであるが、上流側NOx触媒22aのセル33aを図3(a)に示し、下流側NOx触媒22bのセル33bを図3(b)に示すように、前者のセル33aの方が後者のセル33bよりも大径である。なお、符号34aはNOx触媒22aの触媒層、34bはNOx触媒22bの触媒層である。
【0034】
すなわち、NOx触媒22a,22bは、モノリス担体の断面積が同じあるのに、単位断面積当たりのセル開口面積は、前者の方が後者のそれよりも大きいから、通路断面積は前者の方が後者よりも大きいものになり、従って、排気ガスが流れるときの通路抵抗は前者の方が後者よりも小さい。さらに、上述の如く両者のモノリス担体の長さは同じであるから、前者の方が後者よりも排気ガスとの接触面積は小さいということになる。従って、排気ガス流量が同じときの該排気ガスとの接触時間は前者の方が後者よりも短くなる。
【0035】
上流側NOx触媒22aのモノリス担体としては、面積6.45cm当たりのセル数が200〜300のものを用い、下流側NOx触媒22bのモノリス担体としては、面積6.45cm当たりのセル数が略400程度のものを用いればよい。
【0036】
また、前記NOx触媒22a,22bの触媒層はいずれもゼオライトにPtをスプレードライ法によって乾固担持させてなる触媒粉をバインダによって前記担体に担持させることによって形成されているが、担体1L当たりのPt担持量は前者が4gで後者の0.35gよりも多い。このため、この両NOx触媒22a,22bは、各々を単独で排気通路に配置した場合のNOx浄化の温度特性を図4に符号22a,22bで示すように触媒活性がピークになる温度が相違し、NOx触媒22aではそれが相対的に低温側に現れ、NOx触媒22bではそれが高温側に現れている。従って、前者のNOx触媒22aを低温型、後者のNOx触媒22bを高温型ということができる。
【0037】
図4は酸素濃度10%の模擬排気ガスでNOx浄化特性を調べたものであり、同図から明らかなようにこれらの触媒22a,22bは空燃比A/Fが理論空燃比よりもリーンのとき(例えばA/F≧18)で燃焼した排気ガスのNOxを還元浄化するNOx還元触媒としての機能を有するとともに、理論空燃比付近では三元触媒としても働く。
【0038】
前記排気通路20のタービン21よりも上流側の部位からは、排気ガスの一部を吸気側に還流させる排気還流通路(以下EGR通路という)23が分岐し、このEGR通路23の下流端は吸気絞り弁14よりも下流側の吸気通路10に接続されている。EGR通路23の途中の下流端寄りには、開度調節可能な排気還流量調節弁(排気還流量調節手段:以下EGR弁という)24が配置されていて、排気通路20の排気ガスの一部をEGR弁24により流量調節しながら吸気通路10に還流させるようになっている。
【0039】
前記EGR弁24は、負圧応動式のものであって、その弁箱の負圧室に負圧通路27が接続されている。この負圧通路27は、負圧制御用の電磁弁28を介してバキュームポンプ(負圧源)29に接続されており、電磁弁28が後述のECU35からの制御信号(電流)によって負圧通路27を連通・遮断することによって、負圧室のEGR弁駆動負圧が調節され、それによって、EGR通路23の開度がリニアに調節されるようになっている。
【0040】
前記ターボ過給機25は、VGT(バリアブルジオメトリーターボ)であって、これにはダイヤフラム30が取り付けられていて、負圧制御用の電磁弁31によりダイヤフラム30に作用する負圧が調節されることで、排気ガス流路の断面積が調節されるようになっている。
【0041】
前記各インジェクタ5、高圧供給ポンプ8、吸気絞り弁14、EGR弁24、ターボ過給機25等はコントロールユニット(Engine Contorol Unit:以下ECUという)35からの制御信号によって作動するように構成されている。一方、このECU35には、前記圧力センサ6aからの出力信号と、クランク角センサ9からの出力信号と、圧力センサ10aからの出力信号と、エアフローセンサ11からの出力信号と、O2センサ17からの出力信号と、温度センサ18,19からの出力信号と、EGR弁24のリフトセンサ26からの出力信号と、車両の運転者による図示しないアクセルペダルの操作量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ32からの出力信号とが少なくとも入力されている。
【0042】
そして、インジェクタ5による燃料噴射量及び燃料噴射時期がエンジン本体1の運転状態及びNOx触媒22a,22bの状態に応じて制御されるとともに、高圧供給ポンプ8の作動によるコモンレール圧力、即ち燃量噴射圧の制御が行なわれ、これに加えて、吸気絞り弁14の作動による吸入空気量の制御と、EGR弁24の作動による排気還流量の制御と、ターボ過給機25の作動制御(VGT制御)とが行なわれるようになっている。
【0043】
(燃料噴射制御)
前記ECU35には、エンジン本体1の目標トルク及び回転数の変化に応じて実験的に決定した最適な燃料噴射量Qbを記録した燃料噴射量マップが、メモリ上に電子的に格納して備えられている。そして、アクセル開度センサ32からの出力信号に基づいて求めた目標トルクとクランク角センサ9からの出力信号に基づいて求めたエンジン回転数とに基づいて、前記燃料噴射量マップから主噴射量Qbが読み込まれ、この主噴射量Qbと圧力センサ6aにより検出されたコモンレール圧力とに基づいて、各インジェクタ5の励磁時間(開弁時間)が決定されるようになっている。この主燃料噴射制御によって、エンジン本体1の目標トルクに対応する分量の燃料が供給され、エンジン本体1は燃焼室4における平均的空燃比がかなりリーンな状態(A/F≧18)で運転される。
【0044】
また、定常運転時(アクセル開度の変化が小さい時)には、触媒コンバータ22のNOx触媒22a,22bにNOxの還元浄化を促進するための還元剤成分を供給すべく、主噴射時期のリタード、並びに主噴射(主燃料噴射)後の膨張行程又は排気行程において燃料を少量(例えば主燃料噴射量の数%以下)噴射する後噴射がNOx触媒22a,22bの温度に応じて適宜行なわれる。
【0045】
すなわち、図5に定常運転時の燃料噴射制御を模式的に示すように、触媒温度(触媒コンバータ22内の温度)Tが温度T1(T1は上流側NOx触媒22aの活性がピークになる温度)になるまではパイロット噴射と主噴射時期のリタードとを行ない、温度T1〜T3(T3は下流側NOx触媒22bのNOx浄化率がピークを越えて所定量低下する温度)では後噴射を行なう。
【0046】
後噴射量は、温度T1〜T2(T2は下流側NOx触媒22bに充分な還元剤が供給されたときにこの下流側NOx触媒22bの方が上流側NOx触媒22aよりもNOx浄化率が高くなる温度)間の後半では触媒温度Tが高くなるに従って減少するように、温度T2〜T3間の後半でも触媒温度Tが高くなるに従って減少するように、温度T3では後噴射量が零になるようになされる。温度T1の時よりも温度T2の方の後噴射量が多いのは、上流側の低温型NOx触媒22aでHCが酸化消費されるため、それを見越して下流側の高温型NOx触媒22bにできるだけ多くのHCを供給するためである。
【0047】
以下、図6に示す制御フローに基づいて制御内容を具体的に説明する。尚、この制御は所定クランク角毎に実行される。
【0048】
まず、スタート後のステップS1において、クランク角信号、エアフローセンサ出力、アクセル開度、温度センサ出力等を読み込む。続くステップS2において、アクセル開度から求めた目標トルクとクランク角信号から求めたエンジン回転数とに基づいて燃料噴射量マップから主噴射量Qbを読み込む。燃料噴射量マップは、アクセル開度及びエンジン回転数の変化に応じて実験的に決定した最適な噴射量Qbを記録したものであり、主噴射量Qbは、アクセル開度が大きいほど、またエンジン回転数が高いほど、多くなるように設定されている。
【0049】
主噴射時期Ibは圧縮行程上死点付近に設定され、例えばBTDC5°CA(クランク角度)を基準として、噴射量Qbが多いほど進角され、反対に噴射量Qbが少ないほど遅角される。また、エンジン水温に基づいて、該水温が低いときには主噴射時期Ibが所定量リタードされて暖機運転される。
【0050】
続くステップS3では触媒温度Tをその入口側と出口側の温度センサ18,19の出力に基づいて推定する。すなわち、両温度センサ18,19によって検出される排気ガス温度の平均値を触媒温度Tと推定する。なお、触媒温度Tは現在のエンジンの運転状態及び運転履歴に基づいて推定するようにしてもよく、また、この運転状態及び運転履歴と、入口側の排気ガス温度又は出口側の排気ガス温度とに基づいて推定するようにしてもよく、さらにはコンバータ22の内部に温度センサを設けて触媒温度Tを検出するようにしてもよい。
【0051】
続くステップS4において触媒温度Tが前記温度T1よりも低いか否かを判別し、低いときにはステップS5に進んでパイロット噴射量Qe及びその噴射時期Ieを設定するとともに、主噴射時期Ibを所定量dだけリタードする。ステップS4において触媒温度Tが温度T1以上であることが判別されると、ステップS6に進み触媒温度Tに基づいて後噴射量Qp及びその噴射時期Ipを設定する。後噴射量Qpは図5に示す特性に対応したテーブルを予め作成しメモリ上に電子的に格納しておいて、そのテーブルから読み込む。すなわち、後噴射量Qpは温度T1〜T2間の後半では触媒温度Tが高くなるに従って減少するように、温度T2〜T3間の後半でも触媒温度Tが高くなるに従って減少するように、温度T3では零になるように設定する。後噴射時期Ipは例えば圧縮行程上死点から90゜CAとする。
【0052】
以上の触媒温度Tに基づくパイロット噴射又は後噴射の設定を行なった後、ステップS7に進み、パイロット噴射量Qeが設定されていれば、パイロット噴射時期Ieに至った時にパイロット噴射を行ない(ステップS8,S9)、主噴射時期Ibに至った時に主噴射を行なう(ステップS10,S11)。そうして、後噴射が設定されているときは、後噴射を実行すべき気筒について、主噴射が行なわれた後、後噴射時期Ipに至った時に後噴射を行なう(ステップS12〜S14)。
【0053】
後噴射については、全ての気筒について主噴射のたびに行なってもよいが、主噴射が各気筒に対して所定の順番で行なわれていくとき、例えば主噴射5回に1回後噴射を行なうというように間引いて行なうようにしてもよい。例えばA,B,C,Dの4気筒があってこの順番で主噴射行なっていく場合、最初にA気筒について後噴射を行なうと、続くB,C,D,Aの各気筒に対しては後噴射を行なわず(間引き)、その次のB気筒に対して後噴射を行なうというものである。
【0054】
従って、上述の如き燃料噴射制御であれば、温度T1に至るまで、すなわち、上流側の低温型NOx触媒22aのNOx浄化活性がピークになるまでは、主噴射時期Ibのリタードにより排気ガス中の還元剤としてのHC量が増える。この場合は、主噴射時期IbのリタードによるHCの増量であるから、排気ガスボリュームの大きな増大はない。従って、上流側の低温型NOx触媒22aでは空間速度がそれほど大きくないから、この低温型NOx触媒22aを吹き抜けるHC量は少ない。よって、この低温型NOx触媒22aにおいてHCによるNOxの還元浄化が進み易く、そのことによって該NOx触媒22aの早期活性化が図れ、未浄化NOxが大気中に排出される量が少なくなる。
【0055】
温度T1からT2に至る間、すなわち、前記ピーク温度T1を越えても上流側の低温型NOx触媒22aのNOx浄化活性の方が下流側の高温型NOx触媒22bよりも高いときは、後噴射により排気ガス中のHC量が増える。この場合もHCの増量度合は低いから、後燃えによる排気ガスボリュームの大きな増大はない。従って、低温型NOx触媒22aにおいて増量されたHCによるNOxの還元浄化が効率良く進み、未浄化NOxが大気中に排出される量が少なくなる。また、この場合、触媒温度Tが高くなるに従って後噴射量が減少するから、低温型NOx触媒22aの温度がHCの酸化反応熱で高くなってその活性が急激に低下することが避けられる。
【0056】
温度T2を越えると、すなわち、上流側の低温型NOx触媒22aよりも下流側の高温型NOx触媒22bのNOx浄化活性が高くなると、後噴射量が増えるから、後燃えによって排気ガスのボリューム増大量が大きくなる。しかも、上流側の低温型NOx触媒22aは排気ガスの流れるときの通路抵抗が小さい。従って、排気ガス中のHCは上流側のNOx触媒22aで酸化消費されずに吹き抜けて下流側の高温型NOx触媒22bに流れ易くなる。これにより、この高温型NOx触媒22bでのNOx浄化が効率良く進み、未浄化NOxが大気中に排出される量が少なくなる。また、触媒温度が高温型NOx触媒22bの活性ピーク温度を越えてさらに高くなってくると後噴射量が減少していくから、高温型NOx触媒22bの温度がHCの酸化反応熱で高くなり過ぎてその活性が急激に低下することが避けられる。
【0057】
前記実施形態では還元剤を増量する手段として主噴射時期のリタード及び後噴射を採用したが、主噴射として多段噴射(分割噴射)を採用して、その噴射回数及びその噴射時期の少なくとも一方を変更するようにしてもよい。
【0058】
ここでいう多段噴射は、図7に例示するように主噴射燃料を圧縮行程上死点付近において燃焼室での燃料の燃焼が継続するように複数回に分割して噴射するというものである。各回の噴射の開弁時間は800μ秒以下、噴射休止時間(インジェクタ5の噴孔が閉じてから次に開くまでの時間)Δtは50〜1000μ秒とすることが好ましい。2回目の噴射は圧縮行程上死点以降に行なうことが好ましい。この分割噴射の基本的作用は次の通りである。
【0059】
インジェクタ5の噴孔から噴出した燃料は全体として円錐形状の噴霧を形成しながら燃焼室4に広がるとともに、空気との摩擦により分裂を繰り返して微小な油滴になり、それらの油滴の表面から燃料が蒸発して燃料蒸気が生成される。その際、燃料が分割して噴射されることで、最初に噴射された燃料による予混合燃焼の割合は相対的に少なくなり、燃焼初期に燃焼圧や燃焼温度が過度に上昇することがなくなるので、NOxの生成が低減する。
【0060】
噴射休止時間Δtが50μ秒以上に設定されているので、先に噴射された燃料油滴に後から噴射された燃料油滴が追いつくことは殆どない。特に、2回目の噴射を圧縮行程上死点以降に行なえば、この2回目の噴射燃料が直ちに燃焼し、燃焼室4の圧力が大きく上昇して圧縮空気の粘性が高くなるので、3回目の噴射燃料の油滴は直ちに減速され、先に噴射された燃料の油滴に追いつくことはない。各回の開弁時間が略800μ秒以下に設定されているので、各回の燃料噴射量が少なく、その燃料噴霧中での油滴同士の再結合も最小限に抑制されるので、例えば燃圧を高めて燃料の噴出速度を大きくすることにより、燃料の微粒化ひいては気化霧化を十分に促進して、燃料蒸気と空気との混合状態を大幅に改善することができる。噴射休止時間Δtが1000μ秒以下に設定されているので、先に噴射された燃料の燃焼が終了する前に次の噴射燃料が燃焼し始めるというように、各噴射による燃料が途切れることなく良好に燃焼される。
【0061】
要するに、主噴射を分割して行うことにより、噴射された燃料の燃焼状態を極めて良好なものにして、燃費改善とスモーク生成の抑制とを実現できる。また、噴射終了時期は相対的に遅くなるものの、その間に断続的に噴射される燃料は上述の如く良好に気化霧化されて拡散燃焼するので、燃料噴射時期を遅角補正した場合のように燃焼状態が悪くなることはなく、むしろ、燃焼室4の圧力が相対的に長い間、高い状態に維持されて、燃焼ガスの膨張力が極めて有効にピストン3に伝達されるようになり、機械効率の向上によっても燃費の改善が図られる。
【0062】
そうして、前記多段噴射の場合は、燃料を一括噴射した場合に比べて分割回数が多くなるほど排気ガス中のHC量が増大し、また、噴射休止時間Δtが長くなるほど排気ガス中のHC量が増大する。
【0063】
図8は主噴射の分割回数及び噴射休止時間Δtが排気ガス中のHC量に及ぼす影響について調べた結果を示している。これは、エンジン1の目標トルクに対応する分量の燃料を略圧縮行程上死点から一括して噴射した場合(以下、一括噴射という)、2回に等分割して噴射した場合(以下、2分割噴射という)、3回に等分割して噴射した場合(以下、3分割噴射という)の各々について、噴射休止時間Δtを変更し、これに伴い変化する噴射終了時のクランク角度と、排気ガス中のHC量との関係を調べたものである。2分割噴射では、Δt=350,400,700,900μsecについて調べ、3分割噴射では、Δt=400,550,700,900μsecについて調べた。
【0064】
同図によれば、一括噴射の方が分割噴射よりも排気ガス中のHC量が多く、分割噴射では、2分割噴射よりも3分割噴射の方が排気ガス中のHC量が多くなり、また、2分割噴射及び3分割噴射では、噴射休止時間Δtを長くした方が排気ガス中のHC量が多くなっている。
【0065】
従って、触媒温度TがT1未満のときには例えばΔtを400μsecとした2分割噴射を行ない、触媒温度TがT1〜T2になったときに、分割回数の増大及びΔtの増大の少なくとも一方によってHC量が増大する分割噴射を行ない、触媒温度TがT2以上に上昇したときに最終段の分割噴射量を増大させるようにしてもよい。これにより、後燃えを顕著にして排気ガスボリュームの増大を図って下流側のNOx触媒22bに多量のHCを流すことができ、その触媒をNOx浄化に有効に利用することができる。
【0066】
なお、前記実施形態では前記触媒温度Tを上流側のNOx触媒22aの温度及び下流側のNOx触媒22bの温度として与えて燃料噴射制御を行なうようにしたが、上流側のNOx触媒22a及び下流側のNOx触媒22bの各々の温度を別個に検出ないしは推定し制御を行なうようにしてもよい。
【0067】
また、触媒温度Tが上昇しているときは前記T1、T2よりも少し高めの温度を閾値として制御状態の切換を行ない、触媒温度Tが下降しているときは前記T1、T2よりも少し低めの温度を閾値として制御状態の切換を行なうようにすることが制御のハンチングを防止する上で好ましい。
【0068】
なお、前記実施形態では下流側触媒として、酸素過剰雰囲気でNOxを浄化するNOx還元触媒を採用したが、酸素過剰雰囲気でNOxを吸収し、すなわち、エンジンが空燃比リーンで運転されたときに排気ガス中のNOxを吸収し、雰囲気の酸素濃度が低下すると、例えば理論空燃比付近で運転されるとNOxを放出し、上流側触媒を通過する還元剤によって当該NOxを還元浄化するNOx吸収触媒を下流側触媒としてもよい。
【0069】
また、下流側触媒の下流側に温度センサを配置し、この下流側触媒に還元剤が供給されたときに酸化反応(触媒反応)が起きて当該触媒温度が予定通りに上昇するか否かを監視することによって、この下流側触媒の酸化触媒としての機能が劣化しているか否かを診断するようにしたものにおいて、その診断時に上述の実施形態のようにして、還元剤を、上流側触媒を通過させて下流側触媒に供給するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの排気浄化装置の全体構成を示す図。
【図2】 触媒コンバータの構成を示す図。
【図3】 上流側NOx触媒及び下流側NOx触媒のセル構造を示す断面図。
【図4】 低温型NOx触媒及び高温型NOx触媒の排気ガス温度とNOx浄化率との関係を示すグラフ図。
【図5】 触媒温度と還元剤増量制御との関係を示すグラフ図。
【図6】 燃料噴射制御の処理手順を示すフローチャート図。
【図7】 燃料の一括噴射及び多段噴射の噴射時期を示すタイムチャート図。
【図8】 主噴射の分割回数及び噴射休止時間Δtが排気ガス中のHC量に及ぼす影響を示すグラフ図。
【符号の説明】
A 排気浄化装置
1 ディーゼルエンジン
2 気筒
4 燃焼室
5 インジェクタ(燃料噴射弁)
20 排気通路
22 触媒コンバータ
22a 上流側NOx触媒
22b 下流側NOx触媒
34a 上流側NOx触媒の触媒層
34b 下流側NOx触媒の触媒層
35 ECU(コントロールユニット)

Claims (5)

  1. エンジン本体と、
    前記エンジン本体の排気通路に配置され排気ガス中の還元剤と反応する触媒がハニカム状モノリス担体にコーティングされてなる下流側触媒と、
    前記還元剤量を増大させる還元剤増量手段と、
    前記排気通路の前記下流側触媒よりも上流側の部位に、前記還元剤を酸化させる触媒がハニカム状モノリス担体にコーティングされてなる上流側触媒が配置されていて、
    前記上流側触媒及び下流側触媒の各々は触媒金属としてゼオライトに担持されたPtを有し、前記上流側触媒の担体1L当たりのPt担持量が、前記下流側触媒の担体1L当たりのPt担持量よりも多く、
    前記上流側触媒は前記下流側触媒よりも排気ガスとの接触時間が短くなるように形成されていることを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの排気浄化装置において、
    前記上流側触媒の方が前記下流側触媒よりも通路断面積が大きく且つ排気ガスとの接触面積が小さいことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  3. 請求項1に記載のエンジンの排気浄化装置において、
    前記上流側触媒は、排気ガス中のNOxを還元剤との反応によって浄化させる触媒がハニカム状モノリス担体にコーティングされたものであることを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載のエンジンの排気浄化装置において、
    前記還元剤増量手段は、前記エンジン本体の燃焼室に噴口を臨ませた燃料噴射弁から後燃えを生ずるように燃料を膨張行程又は排気行程において噴射することによって排気ガス中の還元剤を増量するものであることを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  5. 請求項4に記載のエンジンの排気浄化装置において、
    前記エンジン本体はディーゼルエンジンであり、
    前記還元剤増量手段は、前記燃料噴射弁から圧縮行程上死点付近で要求出力に見合う量の燃料が噴射された後の膨張行程前半において燃料を噴射することによって排気ガス中の還元剤を増量するものであることを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
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