JP2008038704A - 内燃機関の排気制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】始動時において有害物質の排出を抑制して迅速に触媒を暖機することができる内燃機関の排気制御装置を提供する。
【解決手段】燃焼室4から排気ガスを排出すると共に該排気ガスを浄化する触媒20を有する排気通路19と、排気通路19から分岐される分岐通路40と、排気ガスの排気通路19下流側への流れと分岐通路40側への流れとを調節する調節手段41と、分岐通路40に接続され排気ガスを二次空気として貯留可能な二次空気タンク42と、二次空気を排気通路19内の排気ガスの流れ方向に対して触媒20の上流側に供給可能な二次空気供給手段43と、内燃機関1の運転状態に応じて二次空気供給手段43及び調節手段41を制御する二次空気制御手段30を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気制御装置に関し、特に、排気通路に二次空気を供給する内燃機関の排気制御装置に関するものである。
一般に、内燃機関においては、排気ガス中の未燃焼炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)等の有害物質を酸化、還元させる三元触媒等からなる触媒コンバータが排気通路上に設けられている。この触媒コンバータは、理論空燃比付近で有害物質の十分な浄化効率を得られるものであり、また、所定の活性化温度以上になることで活性化するものである。
ここで、内燃機関の温度が低い条件において冷間時始動する場合、一般に吸入空気温度が低く燃料噴霧の微粒化も十分でないので、燃料噴射弁を通じて燃焼室内に供給する燃料の量を増量し、機関燃焼の安定化、暖機の促進を図るのが一般的である。ところが、燃料の噴射量を増量して混合気をリッチ化すれば、排気中の未燃燃料(HC、CO等)も増えることになる。その上、冷間時には触媒の温度が低く、十分に活性化していない。そのため、冷間始動時など、触媒温度が活性化温度に達していないときに混合気をリッチ化する場合には、二次空気制御を実施して、各燃焼室から排出された直後の排気、例えば、排気マニホルド内の排気に空気を混入させ、排気中に含まれる未燃燃料成分を再燃焼させる酸化反応、いわゆる、後燃えを促す。このようにして、触媒コンバータの上流において未燃燃料成分の浄化が促進されると共に、その反応熱によって触媒の活性化が早められる。
このような内燃機関の排気制御装置として、例えば、特許文献1に記載のエンジンの2次エア制御装置は、エンジン始動時においてエンジン水温が第1設定温度(例えば15℃)未満であることが検出された場合に、エンジン水温が第2設定温度(例えば50℃)に達するまで2次エア供給手段の作動を停止させて、燃料増量のみを行なうことで重質燃料が用いられた場合の触媒の熱劣化を防止しつつ、触媒の排気浄化能力の向上を図っている。また、例えば、特許文献2に記載の二次空気供給装置付き内燃機関は、内燃機関の始動から所定期間は、二次空気が供給される一部の排気ポートの排気弁を閉じて排気の流れを遮断し、始動時における排気の放熱による温度低下を抑制しつつ、排気枝管において他の排気ポートから流入した排気中に二次空気を供給して排気中の未燃成分を燃焼させ、排気浄化装置での浄化反応を促進させている。
特開平6−88519号公報 特開2004−124793号公報
ところで、内燃機関が始動してから完爆するまでの期間では、燃焼室から排気ガスを排出する排気ポートや排気マニホールドなどの排気通路の温度が低く、このため、ここで排気ガスに二次空気を供給しても排気通路内が酸化反応を起こす雰囲気になく、結果的に酸化反応が起こらないおそれがある。この場合、上述の増量分の燃料は、酸化反応が起こらないためそのまま未燃焼HCとして排出され、さらに、このとき反応熱による触媒暖気も行われないため触媒が活性化されず、結果的に、未燃焼HCの排出量が増加してしまうおそれがある。
そこで本発明は、始動時において有害物質の排出を抑制して迅速に触媒を暖機することができる内燃機関の排気制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明による内燃機関の排気制御装置は、燃焼室から排気ガスを排出すると共に該排気ガスを浄化する触媒を有する排気通路と、前記排気通路から分岐される分岐通路と、前記排気ガスの前記排気通路下流側への流れと前記分岐通路側への流れとを調節する調節手段と、前記分岐通路に接続され前記排気ガスを二次空気として貯留可能な二次空気タンクと、前記二次空気を前記排気通路内の前記排気ガスの流れ方向に対して前記触媒の上流側に供給可能な二次空気供給手段と、内燃機関の運転状態に応じて前記二次空気供給手段及び前記調節手段を制御する二次空気制御手段とを備えることを特徴とする。
請求項2に係る発明による内燃機関の排気制御装置では、前記調節手段は、前記排気通路における前記分岐通路の分岐部分より下流側を開閉可能な背圧制御弁と、前記分岐通路を開閉可能なタンク弁とを有することを特徴とする。
請求項3に係る発明による内燃機関の排気制御装置では、前記二次空気制御手段は、前記内燃機関の停止時に前記タンク弁を全閉に制御することを特徴とする。
請求項4に係る発明による内燃機関の排気制御装置では、前記二次空気制御手段は、前記内燃機関の始動時から完爆まで前記調節手段により前記排気通路を閉鎖し前記分岐通路を開放することを特徴とする。
請求項5に係る発明による内燃機関の排気制御装置では、前記二次空気制御手段は、前記内燃機関の急加速時に前記調節手段により前記排気通路を閉鎖し前記分岐通路を開放することを特徴とする。
請求項6に係る発明による内燃機関の排気制御装置では、前記二次空気制御手段は、前記内燃機関の始動暖機制御終了後に前記調節手段により前記排気通路を開放し前記二次空気供給手段により前記二次空気を供給することを特徴とする。
請求項7に係る発明による内燃機関の排気制御装置では、前記二次空気制御手段は、前記内燃機関のフューエルカット時に前記二次空気供給手段により前記二次空気を供給することを特徴とする。
請求項8に係る発明による内燃機関の排気制御装置では、前記触媒を通過する前記排気ガスの酸素濃度を検出する酸素検出手段を備え、前記二次空気制御手段は、前記酸素濃度に応じて前記二次空気の供給量を設定することを特徴とする。
本発明に係る内燃機関の排気制御装置によれば、排気通路から分岐される分岐通路と、排気ガスの排気通路下流側への流れと分岐通路側への流れとを調節する調節手段と、分岐通路に接続され排気ガスを二次空気として貯留可能な二次空気タンクと、二次空気を排気通路内の排気ガスの流れ方向に対して触媒の上流側に供給可能な二次空気供給手段と、内燃機関の運転状態に応じて二次空気供給手段及び調節手段を制御する二次空気制御手段とを備えるので、始動時において有害物質の排出を抑制して迅速に触媒を暖機することができる。
以下に、本発明に係る内燃機関の排気制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本発明の実施例に係るエンジンの模式的断面図、図2は、本発明の実施例に係るエンジンの動作を説明するフローチャート、図3は、本発明の実施例に係るエンジンのタイムチャートである。
図1に示すように、本実施例では本発明に係る内燃機関の排気制御装置を図1に示す内燃機関としてエンジン1に適用して説明する。このエンジン1は、乗用車、トラックなどの車両に搭載されるエンジンであり、シリンダボア2に往復運動可能に設けられるピストン3が2往復する間に、吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程からなる一連の4行程を行う、いわゆる4サイクルエンジンである。
このエンジン1は、シリンダボア2を往復移動可能なピストン3と、空気と燃料との混合気が燃焼可能であると共にピストン3の移動方向の一方側に設けられる燃焼室4と、ピストン3の移動方向の他方側に設けられる複数のクランク室5を備える。ここで、ピストン3の移動方向は、円筒形状に形成されるシリンダボア2の軸線方向である。つまり、ピストン3を挟んでこのシリンダボア2の軸線方向の一方側に燃焼室4、他方側にクランク室5が設けられる。また、このエンジン1は、シリンダボア2、ピストン3、燃焼室4、クランク室5をそれぞれ複数備える。なお、以下の説明では、複数ある気筒のうちの1つについて説明する。
さらに、エンジン1は、燃焼室4に連通する吸気ポート6及び排気ポート7と、燃焼室4内に燃料を直接噴射することが可能なインジェクタ8と、燃焼室4の上方に位置して混合気に着火する点火プラグ9と、ピストン3の往復運動に連動して回転可能なクランクシャフト10を備える。さらに、エンジン1は、シリンダヘッド11、シリンダブロック12及びクランクケース13を備える。
シリンダヘッド11は、シリンダブロック12上に締結され、クランクケース13は、シリンダブロック12の下部に締結される。シリンダブロック12は、内部に上述した円筒形状のシリンダボア2が形成される。このシリンダブロック12は、複数のシリンダボア2を形成するボア壁面2aと、複数のクランク室5を形成するクランク室壁面5aを有し、このボア壁面2aとクランク室壁面5aとは、ボア壁面2aの下端部、クランク室壁面5aの上端部において連続している。
ピストン3は、このシリンダボア2に上下移動自在に嵌合する。クランク室5は、シリンダボア2に各々連通する。クランクケース13は、内部に潤滑油を貯留する。クランクシャフト10は、クランク室5内に回転自在に支持される。上述のピストン3は、それぞれコネクティングロッド14を介してこのクランクシャフト10に連結される。また、クランクシャフト10は、その軸周りにカウンタウェイト15を有する。各ピストン3の往復運動は、コネクティングロッド14を介してクランクシャフト10に伝えられ、ここで回転運動に変換されて、エンジン1の出力として取り出される。
燃焼室4は、ピストン3を挟んでクランク室5の反対側に設けられる。この燃焼室4は、複数のシリンダボア2に対応して複数形成され、シリンダヘッド11の下面11a、シリンダボア2のボア壁面2a及びピストン3の他方の端面である頂面3aにより画成される。
この燃焼室4の上部、つまり、シリンダヘッド11の下面11aに上述した吸気ポート6及び排気ポート7が各々2つずつ形成される。この吸気ポート6及び排気ポート7の開口には吸気弁16及び排気弁17が設けられる。この吸気弁16及び排気弁17は、吸気ポート6及び排気ポート7をそれぞれ開閉可能とし、吸気ポート6と燃焼室4、燃焼室4と排気ポート7とをそれぞれ連通することができる。吸気ポート6は、その吸気方向上流側に空気を導入する吸気通路(吸気管)18が接続され、排気ポート7は、燃焼室4から排気ガスを排出し、その排気方向下流側にこの燃焼室4内の排気ガスを排出する排気通路(排気管)19が接続される。
排気通路19は、その通路の途中に排気方向上流側から順に三元触媒20、三元触媒21が装着されている。所定の活性化温度以上になることで活性化する三元触媒20、三元触媒21は、排気ガス中に含まれるHC、CO、NOxなどの有害物質を酸化、還元させて浄化処理するものであり、理論空燃比付近で有害物質の十分な浄化効率を得られる。
インジェクタ8は、シリンダヘッド11の吸気ポート6側に装着される。また、インジェクタ8は、先端をシリンダボア2の中心線に向けて上下方向に対して所定角度傾斜して設けられる。このインジェクタ8は、ピストン3の頂面3aに向けて燃料噴霧を噴射する。点火プラグ9は、燃焼室4の天井部分、すなわち、シリンダヘッド11の下面11aの吸気ポート6と排気ポート7の間に装着される。
さらに、このエンジン1は、マイクロコンピュータを中心として構成され、エンジン1の各部を制御可能な電子制御ユニット(以下「ECU」という)30を備える。ECU30には、エンジン1の各部を駆動する不図示の駆動回路及び各種センサが接続されており、ECU30は、これらの駆動回路、センサ等との間で信号の入出力を行なう。吸気通路18の上流側には、エアフローセンサ31が装着され、計測した吸入空気量をECU30に出力している。また、ECU30にはアクセルポジションセンサ32が電気的に接続され、このアクセルポジションセンサ32は、現在のアクセル開度をECU30に出力している。
さらに、排気通路19には、三元触媒20の上流側に設けられるA/Fセンサ33と、下流側に設けられる酸素検出手段としての酸素センサ34が装着されている。A/Fセンサ33は、燃焼室4から排気ポート7に排気された排気ガスのうち、三元触媒20に導入される前の排気ガスの排気ガス空燃比を検出し、検出した空燃比をECU30に出力している。なお、このA/Fセンサ33により検出された空燃比(推定空燃比)は、吸入空気と燃料とからなる混合ガスの空燃比(理論空燃比)をフィードバック制御するために用いられる。すなわち、A/Fセンサ33は、排気ガス中の酸素濃度と未燃ガス濃度から排気空燃比をリッチ域からリーン域までの全域にわたり検出し、これをECU30にフィードバックすることにより燃料噴射量を補正し、燃焼室4での燃焼を運転状態に合わせた最適な燃焼状態に制御可能となる。酸素センサ34は、三元触媒20を通過した排気ガスの酸素濃度を検出し、検出した酸素濃度をECU30に出力している。
さらに、ECU30にはクランク角センサ35が電気的に接続され、このクランク角センサ35は、クランクシャフト10の回転角度であるクランク角度を検出し、検出した各気筒のクランク角度をECU30に出力し、このECU30は検出したクランク角度に基づいて各気筒における吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程を判別すると共に、エンジン回転数(rpm)を算出している。
このエンジン1では、ピストン3がシリンダボア2内を下降することで、吸気通路18および吸気ポート6を介して燃焼室4内に空気が吸入され(吸気行程)、この空気とインジェクタ8から燃焼室4内へ噴射される燃料とが混合して混合気を形成する。そして、このピストン3が吸気行程下死点を経てシリンダボア2内を上昇することで混合気が圧縮され(圧縮行程)、ピストン3が圧縮行程上死点付近に近づくと点火プラグ9により混合気に点火され、該混合気が燃焼し、その燃焼圧力によりピストン3を下降させる(膨張行程)。燃焼後の混合気は、ピストン3が膨張行程下死点を経て吸気行程上死点に向かって再び上昇することで排気ポート7、排気通路19を介して排気ガスとして放出される(排気行程)。このピストン3のシリンダボア2内での往復運動は、コネクティングロッド14を介してクランクシャフト10に伝えられ、ここで回転運動に変換され、出力として取り出されると共に、このピストン3は、カウンタウェイト15、クランクシャフト10が慣性力によりさらに回転することで、このクランクシャフト10の回転に伴ってシリンダボア2内を往復する。このクランクシャフト10が2回転することで、ピストン3はシリンダボア2を2往復し、この間に吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程からなる一連の4行程を行い、燃焼室4内で1回の爆発が行われる。
ところで、エンジン1の温度が低い条件において冷間時始動する場合、インジェクタ8を通じて燃焼室4内に供給する燃料の量を増量し、機関燃焼の安定化、暖機の促進を図っている。ここで、冷間始動時など、三元触媒20の温度が活性化温度に達していないときに混合気をリッチ化する場合には、各燃焼室4から排出された直後の排気に空気を混入させ、排気中に含まれる未燃燃料成分を再燃焼させる酸化反応、いわゆる、後燃えを促し、これにより、三元触媒20の上流において未燃燃料成分の浄化を促進すると共に、その反応熱によって三元触媒20の活性化を早める。ところが、エンジン1が始動してから完爆するまでの期間では、燃焼室4から排気ガスを排出する排気通路19の温度は低く、このため、ここで排気ガスに空気を供給しても排気通路19内が再燃焼する雰囲気になく、酸化反応が起こらないおそれがある。この場合、増量分の燃料は、酸化反応が起こらないためそのまま未燃焼HCとして排出され、さらに、このとき反応熱による触媒暖気も行われないため触媒が活性化されず、結果的に、未燃焼HCの排出量が増加してしまうおそれがある。
そこで、このエンジン1は、排気通路19から分岐される分岐通路40と、排気ガスの流れとを調節する調節手段としての調節部41と、分岐通路40に接続され二次空気を貯留可能な二次空気タンク42と、二次空気を排気通路19内に供給可能な二次空気供給手段としての二次空気噴射弁43とを備え、二次空気制御手段としてのECU30によりエンジン1の運転状態に応じて二次空気噴射弁43及び調節部41を制御することで、始動時における有害物質の排出の抑制と迅速な触媒の暖機を図っている。なお、ここで、本発明における二次空気は、一般的に二次空気として用いられるような新気な空気ではなく、燃焼室4から排出される排気ガスを二次空気タンク42に取り込んだものであり、すなわち、未燃焼炭化水素HCと排気ガス中の空気を含有した二次空気である。
分岐通路40は、三元触媒20の下流側、かつ、三元触媒21の上流側の分岐部分40aで排気通路19から分岐して設けられる。調節部41は、三元触媒20を通過した排気ガスの排気通路19下流側への流れと分岐通路40側への流れとを調節する。具体的には、調節部41は、排気通路19における分岐通路40の分岐部分40aより下流側を開閉可能な背圧制御弁44と、分岐通路40を開閉可能なタンク弁45とを有する。背圧制御弁44は、排気通路19内の分岐部分40aより下流側、かつ、三元触媒21の上流側に設けられる。すなわち、排気通路19には、上流側から順に三元触媒20、分岐部分40a、背圧制御弁44、三元触媒21が設けられる。分岐通路40の端部には、二次空気タンク42が接続され、タンク弁45はこの分岐通路40内の分岐部分40aと二次空気タンク42との間に設けられる。
背圧制御弁44及びタンク弁45は、それぞれECU30に電気的に接続されており、このECU30によりその開閉が制御されている。背圧制御弁44は、排気通路19を閉止することで排気ガスの流れを阻止し、タンク弁45は、分岐通路40を閉止することで排気ガスの流れを阻止する。また、背圧制御弁44及びタンク弁45は、それぞれ開度センサを有しており、各々現在の通路開度をECU30に出力している。
二次空気タンク42は、タンク弁45、分岐通路40を通過した排気ガスを二次空気として内部に貯留可能である。そして、この二次空気タンク42は、上記タンク弁45により分岐通路40が閉止され排気ガスの流入及び分岐通路40への逆流が阻止されることで内圧が保持され、内部に二次空気を滞留させる。また、この二次空気タンク42には、内圧センサ42aが設けられており、この内圧センサ42aは、計測した現在の二次空気タンク42の内圧をECU30に出力している。
二次空気噴射弁43は、二次空気タンク42に接続されると共に先端43aを排気通路19の内部に向けてこの排気通路19に装着される。また、二次空気噴射弁43の先端43aは、排気通路19内の三元触媒20上流側に位置する。この二次空気噴射弁43は、二次空気タンク42に貯留された二次空気を排気通路19内の排気ガスの流れ方向に対して三元触媒20の上流側に噴射可能である。また、二次空気噴射弁43は、ECU30に電気的に接続されており、ECU30により二次空気の噴射開始及び停止が制御されている。
そして、ECU30は、エンジン1の運転状態に応じて二次空気噴射弁43、背圧制御弁44及びタンク弁45を制御することで、排気通路19の暖機を完了してから二次空気の供給を開始する。
以下、図2のフローチャートを参照して、上記のように構成されるエンジン1のECU30による二次空気供給制御について詳細に説明する。以下の動作は、主としてECU30により実行される。まず、ECU30によりイグニッションがONであるか否かが判定される(S100)。イグニッションがONでないと判定された場合(S100:No)、イグニッションがONとなるまでこの判定を繰り返す。イグニッション(IG)をONとし、エンジン1が搭載されている車両の電源投入が行なわれ、イグニッションがONであると判定された場合(S100:Yes)、ECU30は、背圧制御弁44により排気通路19を全閉とし、タンク弁45により分岐通路40を全開放とする(S102)。
次に、ECU30は、背圧制御弁44の不図示の開度センサにより、背圧制御弁44が全閉となっているか否かを判定する(S104)。全閉となっていないと判定された場合(S104:No)、背圧制御弁44に閉鎖信号を送信しているにもかかわらず実際には全閉となっていないことから、背圧制御弁44の動作不良を判定し、不図示の警告手段により警告を発して(S120)、この制御を終了する。全閉となっていると判定された場合(S104:Yes)、ECU30は、クランキングによりエンジン1を始動し、インジェクタ8による燃料噴射量を増量すると共に完爆の判定を行う(S106)。
すなわち、ECU30は、エンジン1の温度が低い条件において冷間時始動する場合、インジェクタ8を制御し、燃焼室4内に供給する燃料の量を増量し、これにより、機関燃焼の安定化、暖機の促進を図る。そして、ECU30は、背圧制御弁44、タンク弁45を制御し、エンジン1の始動時から完爆まで背圧制御弁44により排気通路19を閉鎖し、タンク弁45により分岐通路40を開放する。したがって、エンジン1の始動から完爆まで、背圧制御弁44は、排気通路19を閉鎖することで排気ガスの通過を阻止し、外部への流出を防止し、この間、タンク弁45は、分岐通路40を開放することで、この排気ガスを二次空気タンク42方向に導き、タンク弁45、分岐通路40を通過した排気ガスは、二次空気タンク42に導入される。このとき、混合気をリッチ化していることから各燃焼室4から排出された直後の排気ガスには未燃焼HCが多く含まれている。つまり、始動から完爆までの間、燃焼室4から排出される排気ガスは空燃比がリッチ側に振れており、この結果、二次空気タンク42に貯留される二次空気には、始動時に増量している分の燃料に応じた未燃焼HCが含まれている。
ここで、エンジン1の始動時から完爆までの期間とは、クランキングからエンジン1が完全にかかるまでの期間である。具体的には、クランク角センサ35が検出したクランク角度に応じてECU30が算出するエンジン回転数NEが所定回転数(例えば、400rpm程度)になった際にECU30により完爆の判定が行われ、その後、ECU30は、タンク弁45を制御して分岐通路40を閉鎖することで、二次空気タンク42に導入された排気ガスは、圧力を保持しながら、この二次空気タンク42内部に二次空気として貯留される。なお、タンク弁45により分岐通路40を閉鎖するのは、エンジン1が完爆したと判定された直後に実行してもよいし若干のディレイをとって実行してもよい。
ECU30は、エンジン回転数NEが所定回転数になったか否かに基づいて完爆判定を行い、完爆していないと判定した場合(S106:No)、完爆となるまでこの完爆判定を繰り返し行う。完爆したと判定されると(S106:Yes)、ECU30は、上述のようにタンク弁45を制御して分岐通路40を閉鎖し、背圧制御弁44を制御して排気通路19を微小開度に閉鎖とする(S108)。すなわち、エンジン1の始動から完爆が判定されるまで、燃料噴射量の増量に応じて空燃比がリッチ化している排気ガスを二次空気タンク42内に二次空気として取り込み、完爆判定後にタンク弁45を閉とすることで二次空気タンク42内に二次空気を貯留する。
ECU30は、完爆を判定すると次に始動暖機制御を実行する。始動暖機制御は、点火プラグ9による点火時期を大幅に遅角させ(大幅遅角制御)、インジェクタ8による燃料噴射量を減量させる制御である。すなわち、点火プラグ9による点火時期をピストン3が上死点(TDC)位置に至った時点以降に遅角させることで、燃焼室4での混合気の燃焼を通常運転時よりも遅らせ、熱エネルギーを排気系に導出し、排気系の排気ポート7、排気通路19、三元触媒20を暖機する制御である。また、このとき、未だ活性化温度に達していない三元触媒20においては、空燃比がストイキである場合に比べて弱リーンである場合の方が浄化効率はよい。このため、ECU30は、インジェクタ8による燃料噴射量を減量させ、空燃比の弱リーン化を行う。
さらにこのとき、ECU30は、上述のようにS108においてタンク弁45を制御して分岐通路40を閉鎖する際、背圧制御弁44を制御し、排気通路19を微小開度に制御している。これにより、エンジン1の始動暖機制御時に、排気通路19がほぼ閉鎖されていることで排気通路19内に背圧が作用し、内部EGR(Exhaust Gas Recirculation)を燃焼室4に戻し、排気ガス中のHCを再燃焼させることでHC排出量を減少させることができる。また、背圧制御弁44に到る排気通路19内の圧力、即ち背圧が高くなることで、燃焼室4での燃料噴霧の微粒化が促進され、さらに、燃焼室4内から排気通路19に排出された排気ガスの温度も低下しにくくなることから、排気通路19内の暖機も促進される。
ECU30は、点火時期を遅角させ、燃料噴射量を減量させる始動暖機制御を実行した後、始動暖機制御が終了したか否かを判定する(S110)。始動暖機制御終了の判定は、エンジン1の始動からの吸入空気量に基づいて判定することができる。具体的には、ECU30は、エアフローセンサ31により検出される吸入空気量の始動開始からの積算吸入空気量(排気ポート7を通過した空気量)を求める。そして、ECU30は、この積算吸入空気量が予め定めた基準値より大きいと判断したときに、始動暖機制御終了と判定し(S110:Yes)、点火時期の大幅遅角、燃料噴射量の減量を終了する。ECU30により始動暖機制御が終了していないと判定された場合(S110:No)、終了が判定されるまで始動暖機制御終了の判定を繰り返す。なお、ECU30は、積算吸気量の代わりにエンジン1の始動時からの燃料噴射量の積算噴射量やエンジン1の冷却水温に基づいて始動暖機制御終了の判定をしてもよい。
ECU30により始動暖機制御が終了していると判定された場合(S110:Yes)、背圧制御弁44を制御して排気通路19を全開とし(S112)、二次空気タンク42に貯留された二次空気を二次空気噴射弁43により排気通路19内の排気ガスの流れ方向に対して三元触媒20の上流側に噴射する(S114)。すなわち、二次空気噴射弁43は、ECU30により始動暖機制御終了が判定された後に、二次空気タンク42に貯留されている二次空気の内圧を用いてこの二次空気を排気通路19内に噴射する。排気通路19の暖機が十分になされてから二次空気の供給を開始することで、排気通路19内が確実に再燃焼を起こす雰囲気になった後で二次空気を供給することができ、排気ガス中の未燃焼HC及び二次空気に含有されているHCを三元触媒20の上流側で確実に再燃焼させることができる。これにより、三元触媒20の上流において未燃燃料成分の浄化を促進すると共に、その反応熱によって三元触媒20の活性化を早める。
ここで、二次空気噴射弁43が供給する二次空気の供給量は、三元触媒20を通過する排気ガスの酸素濃度に基づいて設定される。始動暖機制御時では、上述したように燃料噴射量を減量させ空燃比の弱リーン化を行っていたが、通常運転時において三元触媒20により排気ガス中の一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、酸化窒素(NOx)を同時に効率よく浄化するには、理論空燃比の近傍でエンジン1を運転する必要がある。そこで、始動暖機制御時での空燃比の弱リーン化により酸素リッチとなっている三元触媒20に応じて、酸素リッチ状態を回復してストイキとなるように未燃焼HCを含有する二次空気を供給することで、三元触媒20の浄化効率を向上させる。ここでは、ECU30は、二次空気を実際に噴射する前に始動暖機制御時において空燃比がリーンである際、酸素センサ34により検出した酸素濃度に基づいて三元触媒20に含有される酸素量を推定し、この推定された酸素量に応じて二次空気噴射弁43の噴射期間を制御し、二次空気の供給量を制御する。ここで二次空気に含有されている未燃焼HC量は、エンジン1の始動開始での燃料噴射量の増量分が分かっている(記憶されている)ことから、この燃料の噴射量、始動時の冷却水温等に応じてどれぐらいの未燃焼HCが出るかを推定することができる。つまり、二次空気タンク42内の二次空気中のHC量も推定することができる。したがって、ECU30は、この推定される二次空気中のHC量及び三元触媒20に含有される酸素量に応じて、三元触媒20を通過する排気ガスの空燃比がストイキとなるように二次空気供給量を設定する。
ECU30は、S114において二次空気噴射弁43により二次空気を噴射した後、A/Fセンサ33により検出される排気ガスの空燃比が変化したか否かを判定する(S116)。二次空気噴射弁43により二次空気を噴射する制御をしたにもかかわらず、A/Fセンサ33により検出される空燃比が変化しない場合(S116:No)、二次空気噴射弁43が動作不良を起こしている可能性があることから、二次空気噴射弁43の故障を判定し(S118)、不図示の警告手段により警告を発して(S120)、この制御を終了する。A/Fセンサ33により検出される空燃比が変化した場合(S116:Yes)、二次空気噴射弁43による二次空気の噴射が正常に行われていると判定され、再び、ECU30によりイグニッションがONであるか否かが判定される(S122)。
イグニッションがOFFであると判定された場合(S122:No)、すなわち、エンジン1が停止され、イグニッションがOFFにされると、ECU30は、背圧制御弁44を微小開度に制御し(S124)、この制御を終了する。このとき、タンク弁45は全閉となっている。ECU30は、エンジン1の停止時にタンク弁45を全閉に制御することで、このエンジン1の停止状態において、前回の運転時から二次空気タンク42内に残留している残留二次空気が二次空気タンク42から排気通路19に流出することをタンク弁45により阻止する。また、ECU30は、エンジン1の停止時に背圧制御弁44を微小開度に制御することで、エンジン1の停止状態で、仮に背圧制御弁44が固着してしまい動作不良を起こした場合でも、エンジン1を再び始動し走行することが可能となる。
イグニッションがONであると判定された場合(S122:Yes)、すなわち、運転が継続されていると、ECU30は、現在の運転状態が急加速に伴う運転であるか否かを判断する(S126)。ECU30は、エンジン1の走行中にアクセルポジションセンサ32が検出するアクセル開度の変化量が所定値以上になったか否かに基づいて急加速判定を行う。急加速に伴う運転であると判定された場合(S126:Yes)、ECU30は、インジェクタ8による燃料噴射量を増量すると共に背圧制御弁44により排気通路19を微小開度とし、タンク弁45により分岐通路40を開放して(S128)、排気ガスを二次空気タンク42に二次空気として取り込む。
そして、ECU30は、内圧センサ42aが検出する二次空気タンク42の内圧が所定値以上か否かを判定し(S130)、所定値以上ではないと判定した場合(S130:No)、内圧が所定値以上になるまでこの判定を繰り返し実行し、所定値以上であると判定した場合(S130:Yes)、背圧制御弁44、タンク弁45を制御し、背圧制御弁44により排気通路19を開放し、タンク弁45により分岐通路40を閉鎖する(S132)。すなわち、急加速時においてインジェクタ8により噴射される燃料の噴射量が増量され、混合気がリッチ化され、排気ガスに未燃焼HCが多く含まれている際に、この排気ガスを二次空気タンク42に二次空気として取り込み、貯留する。その後、S122に戻って以降の処理を繰り返す。
急加速に伴う運転でないと判定された場合(S126:No)、ECU30は、現在の運転状態がフューエルカットに伴う運転であるか否かを判断する(S134)。ECU30は、エンジン1の走行中にアクセルポジションセンサ32が検出するアクセル開度が0になったか否か、又はエンジン回転数が所定以上になったか否かに基づいてフューエルカット判定を行う。ここで、フューエルカットとはインジェクタ8による燃料の噴射を停止する制御のことをいい、減速時(例えば、エンジンブレーキがかかった際)に燃料供給を停止したり、高回転時(例えば、エンジン回転数が許容回転数を越えた際)に燃料供給を停止したりすることで、燃料消費を抑える制御である。フューエルカットに伴う運転でないと判定された場合(S134:No)、S122に戻って以降の処理を繰り返す。
フューエルカットに伴う運転であると判定された場合(S134:Yes)、ECU30は、燃料の噴射を停止すると共に内圧センサ42aが検出する二次空気タンク42の内圧が所定値以上か否かを判定し(S136)、所定値以上ではないと判定した場合(S136:No)、すなわち、二次空気タンク42内に十分な二次空気が貯留されていないと判定した場合、S122に戻って以降の処理を繰り返す。所定値以上であると判定した場合(S136:Yes)、つまり、二次空気タンク42内に十分な二次空気が貯留されていると判定した場合、ECU30は、二次空気タンク42に貯留された二次空気を二次空気噴射弁43により三元触媒20の上流側に噴射する(S138)。すなわち、ECU30は、エンジン1のフューエルカット時に二次空気タンク42に貯留された二次空気を二次空気噴射弁43により排気通路19内の排気ガスの流れ方向に対して三元触媒20の上流側に供給し、これにより、二次空気中のHCにより三元触媒20中のNOxの還元反応を促し、NOxを低減する。その後、二次空気の噴射を終了し、S116に戻って以降の処理を繰り返す。
上記のように制御されるエンジン1では、図3のタイムチャートに示すように、時刻t1においてイグニッション(IG)をONとし、エンジン1が搭載されている車両の電源投入が行なわれると、背圧制御弁44により排気通路19を全閉とし、タンク弁45により分岐通路40を全開放とする。そして、クランキングによりエンジン1を始動し時刻t2において完爆するまでインジェクタ8による燃料噴射量を増量する。このとき、エンジン回転数NEが上昇すると共に、混合気がリッチ化されていることから各燃焼室4から排出された直後の排気ガスには未燃焼HCが多く含まれている。つまり、燃料が増量されてから完爆が判定される時刻t2までの間、燃焼室4から排出される排気ガスは空燃比がリッチ側に振れており、この排気ガスが二次空気タンク42に二次空気として貯留される。時刻t2において完爆が判定されると、タンク弁45により分岐通路40を閉鎖し、背圧制御弁44により排気通路19を微小開度とする。
そして、時刻t2において完爆が判定された後、火プラグ9による点火時期を大幅に遅角させ、インジェクタ8による燃料噴射量を減量する始動暖機制御を実行する。このとき、エンジン回転数NEが下降すると共に、空燃比が弱リーン側に振れる。そして時刻t3において始動暖機制御の終了が判定されるまでの間、三元触媒20を通過する排気ガスの空燃比が弱リーンとなっていることからこの三元触媒20に含有される酸素量が増加する。時刻t3において始動暖機制御の終了が判定されると、点火時期の大幅遅角、燃料噴射量の減量を終了すると共に背圧制御弁44により排気通路19を全開とし、十分に暖機された排気通路19内の三元触媒20上流側に二次空気を噴射する。ここでは、二次空気噴射弁43による二次空気の噴射は、その噴射量が三元触媒20に含有される酸素量に応じた量になる時刻t4まで続ける。すると、排気ガス中の未燃焼HC及び二次空気に含有されているHCが三元触媒20の上流側で確実に再燃焼し、三元触媒20の上流において未燃燃料成分の浄化が促進され、その反応熱によって三元触媒20の活性化が早くなると共に空燃比はストイキとなり、三元触媒20に含有される酸素量は減少し、エンジン回転数NEはアイドル回転数で安定する。
時刻t5において現在のエンジン1の運転が急加速に伴う運転であると判定されると、インジェクタ8による燃料噴射量を増量すると共にタンク弁45を制御して分岐通路40を開放し、背圧制御弁44を制御して排気通路19を微小開度とする。このとき、エンジン回転数NEが上昇すると共に、混合気がリッチ化されていることから各燃焼室4から排出された直後の排気ガスには未燃焼HCが多く含まれている。つまり、燃焼室4から排出される排気ガスは空燃比がリッチ側に振れており、この排気ガスが二次空気タンク42に二次空気として貯留される。時刻t6において二次空気タンク42の内圧が所定値以上になると、タンク弁45により分岐通路40を閉鎖し、背圧制御弁44により排気通路19を開放とする。
時刻t7において現在のエンジン1の運転がフューエルカットに伴う運転であると判定されると、燃料の噴射を停止すると共に二次空気噴射弁43により二次空気を時刻t8まで噴射する。このとき、エンジン回転数NEが下降すると共に燃焼室4から排出される排気ガスは空燃比がリーン側に振れており、この間、HCを含有する二次空気を三元触媒20の上流に供給することで三元触媒20中のNOxの還元反応を促し、NOxを低減する。その後、時刻t9においてエンジン1が停止され、時刻t10においてイグニッションがOFFにされると、背圧制御弁44を微小開度に制御し運転を終了する。このとき、タンク弁45は全閉となっているので、残留二次空気の流出は阻止され、背圧制御弁44は微小開度となっているので動作不良を起こした場合でも、エンジン1を再び始動し走行することが可能となる。
以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン1によれば、燃焼室4から排気ガスを排出すると共に該排気ガスを浄化する三元触媒20を有する排気通路19と、排気通路19から分岐される分岐通路40と、排気ガスの排気通路19下流側への流れと分岐通路40側への流れとを調節する調節部41と、分岐通路40に接続され排気ガスを二次空気として貯留可能な二次空気タンク42と、二次空気を排気通路19内の排気ガスの流れ方向に対して三元触媒20の上流側に供給可能な二次空気噴射弁43と、エンジン1の運転状態に応じて二次空気噴射弁43及び調節部41を制御するECU30を備える。
したがって、分岐通路40に接続され排気ガスを二次空気として貯留可能な二次空気タンク42を設けることで、エンジン1の始動時において排気通路19の温度が低く、この排気通路19内で未燃焼HCが再燃焼する雰囲気にないときに、燃焼の安定化、暖機の促進のために燃料噴射量を増量し、その結果、排気ガス中に未燃焼HCやCO等の有害物質が増加しても、この排気ガスを二次空気タンク42に貯留することができるので、始動時において有害物質の排出を抑制することができる。さらに、ECU30によりエンジン1の運転状態に応じて二次空気噴射弁43及び調節部41を制御することで、この二次空気タンク42に貯留される二次空気を排気通路19が十分に暖機されてから三元触媒20の上流側に供給することができるので、排気ガス中の未燃焼HC及び燃料噴の増量に応じて二次空気に含有されるHCを三元触媒20の上流側で確実に再燃焼させ、三元触媒20の上流において未燃燃料成分の浄化を促進することができると共に、その反応熱によって三元触媒20を迅速に暖機、活性化することができる。すなわち、始動時において有害物質の排出を抑制するだけでなく、この有害物質を含む排気ガスを貯留し、三元触媒20の上流側で確実に再燃焼させることで、三元触媒20の迅速な暖機、活性化に用いることができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン1によれば、調節部41は、排気通路19における分岐通路40の分岐部分40aより下流側を開閉可能な背圧制御弁44と、分岐通路40を開閉可能なタンク弁45とを有する。したがって、調節部41として排気通路19を開閉可能な背圧制御弁44と、分岐通路40を開閉可能なタンク弁45とを別々に設けることで、エンジン1の運転状態に応じて背圧制御弁44、タンク弁45とを個別に制御することが可能となり、運転状態に応じた複雑な制御に対応することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン1によれば、ECU30は、エンジン1の停止時にタンク弁45を全閉に制御する。したがって、エンジン1の停止時ではタンク弁45が全閉状態であることから、前回の運転時から二次空気タンク42内に残留している残留二次空気が二次空気タンク42から排気通路19に流出することが阻止され、この残留二次空気が外部に流出することを防止することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン1によれば、ECU30は、エンジン1の始動時から完爆まで背圧制御弁44により排気通路19を閉鎖し、タンク弁45により分岐通路40を開放する。したがって、エンジン1の始動時から完爆まで排気通路19を閉鎖し、分岐通路40を開放することから、背圧制御弁44は、始動時から完爆までの間、燃料噴射量を増量した結果、未燃焼HCを多く含む排気ガスが外部へ流出することを阻止し、この間、タンク弁45は、この排気ガスを二次空気タンク42方向に導き、二次空気として二次空気タンク42に確実に導入、貯留することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン1によれば、ECU30は、エンジン1の始動暖機制御終了後に背圧制御弁44により排気通路19を開放し、二次空気噴射弁43により二次空気を供給する。したがって、二次空気をエンジン1の始動暖機制御終了後に三元触媒20の上流側に供給することで、始動暖機制御により排気通路19が十分に暖機された後に、二次空気を供給することができ、未燃焼HC及び二次空気に含有されるHCが再燃焼されずに外部に流出してしまうことを確実に防止することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン1によれば、三元触媒20を通過する排気ガスの酸素濃度を検出する酸素センサ34を備え、ECU30は、酸素濃度に応じて三元触媒20に含有される酸素量を推定し、この酸素量に応じて二次空気の供給量を設定する。したがって、三元触媒20に含有される酸素量に応じて二次空気の供給量を設定することから、三元触媒20を通過する排気ガスの空燃比がストイキとなるように二次空気を供給することができ、三元触媒20の浄化効率を向上させることができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン1によれば、ECU30は、エンジン1の急加速時に背圧制御弁44により排気通路19を微小開度に閉鎖し、タンク弁45により分岐通路40を開放する。したがって、エンジン1の急加速時に排気通路19を閉鎖し、分岐通路40を開放することから、背圧制御弁44は、急加速の間、燃料噴射量を増量した結果、未燃焼HCを多く含む排気ガスが外部へ流出することを阻止し、この間、タンク弁45は、この排気ガスを二次空気タンク42方向に導き、二次空気として二次空気タンク42に確実に導入、貯留することができる。
さらに、以上で説明した本発明の実施例に係るエンジン1によれば、ECU30は、エンジン1のフューエルカット時に二次空気噴射弁43により二次空気を供給する。したがって、二次空気をエンジン1のフューエルカット時に三元触媒20の上流側に供給することで、二次空気中のHCにより三元触媒20中のNOxの還元反応が促され、NOxを低減することができる。
なお、上述した本発明の実施例に係るエンジン1は、上述した実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。以上の説明では、エンジン1は、直噴型エンジンとして説明したがポート噴射型のエンジンでもよい。以上の説明では、二次空気は排気通路19に供給するものとして説明したが、排気ポート7に供給してもよい。この場合、この排気ポート7を含む排気系全体が本発明の排気通路に相当する。
以上の説明では、分岐通路40の分岐部分40aは、三元触媒20と三元触媒21との間に位置するものとして説明したが、三元触媒20の上流側に位置するように設定してもよい。この場合、三元触媒20を通過する前の排気ガスを二次空気として二次空気タンク42に貯留することができるので、より多くのHCを含んだ排気ガスを二次空気とすることができる。また、以上の説明では、エンジン1の空燃比を検出する空燃比検出手段は、A/Fセンサ33であるものとして説明したが、排気系に設けたO2センサ等であってもよい。
以上の説明では、調節手段としての調節部41は、背圧制御弁44と、タンク弁45を有するものとして説明したが、1つの3方弁により構成するようにしてもよい。また、完爆判定(S106)、始動暖機制御終了判定(S110)、急加速判定(S126)、フューエルカット判定(S134)は、上記の判定方法に限らず、上述のパラメータとは異なるパラメータを用いて判定してもよい。
以上のように、本発明に係る内燃機関の排気制御装置は、始動時において有害物質の排出を抑制して迅速に触媒を暖機するものであり、種々の内燃機関に用いて好適である。
本発明の実施例に係るエンジンの模式的断面図である。 本発明の実施例に係るエンジンの動作を説明するフローチャートである。 本発明の実施例に係るエンジンのタイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
2 シリンダボア
3 ピストン
4 燃焼室
5 クランク室
6 吸気ポート
7 排気ポート
8 インジェクタ
9 点火プラグ
18 吸気通路
19 排気通路
20、21 三元触媒(触媒)
30 ECU(二次空気制御手段)
31 エアフローセンサ
32 アクセルポジションセンサ
33 A/Fセンサ
34 酸素センサ
35 クランク角センサ
40 分岐通路
40a 分岐部分
41 調節部(調節手段)
42a 内圧センサ
42 二次空気タンク
43 二次空気噴射弁(二次空気供給手段)
44 背圧制御弁(調節手段)
45 タンク弁(調節手段)

Claims (8)

  1. 燃焼室から排気ガスを排出すると共に該排気ガスを浄化する触媒を有する排気通路と、
    前記排気通路から分岐される分岐通路と、
    前記排気ガスの前記排気通路下流側への流れと前記分岐通路側への流れとを調節する調節手段と、
    前記分岐通路に接続され前記排気ガスを二次空気として貯留可能な二次空気タンクと、
    前記二次空気を前記排気通路内の前記排気ガスの流れ方向に対して前記触媒の上流側に供給可能な二次空気供給手段と、
    内燃機関の運転状態に応じて前記二次空気供給手段及び前記調節手段を制御する二次空気制御手段とを備えることを特徴とする、
    内燃機関の排気制御装置。
  2. 前記調節手段は、前記排気通路における前記分岐通路の分岐部分より下流側を開閉可能な背圧制御弁と、前記分岐通路を開閉可能なタンク弁とを有することを特徴とする、
    請求項1に記載の内燃機関の排気制御装置。
  3. 前記二次空気制御手段は、前記内燃機関の停止時に前記タンク弁を全閉に制御することを特徴とする、
    請求項2に記載の内燃機関の排気制御装置。
  4. 前記二次空気制御手段は、前記内燃機関の始動時から完爆まで前記調節手段により前記排気通路を閉鎖し前記分岐通路を開放することを特徴とする、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関の排気制御装置。
  5. 前記二次空気制御手段は、前記内燃機関の急加速時に前記調節手段により前記排気通路を閉鎖し前記分岐通路を開放することを特徴とする、
    請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気制御装置。
  6. 前記二次空気制御手段は、前記内燃機関の始動暖機制御終了後に前記調節手段により前記排気通路を開放し前記二次空気供給手段により前記二次空気を供給することを特徴とする、
    請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の内燃機関の排気制御装置。
  7. 前記二次空気制御手段は、前記内燃機関のフューエルカット時に前記二次空気供給手段により前記二次空気を供給することを特徴とする、
    請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の内燃機関の排気制御装置。
  8. 前記触媒を通過する前記排気ガスの酸素濃度を検出する酸素検出手段を備え、
    前記二次空気制御手段は、前記酸素濃度に応じて前記二次空気の供給量を設定することを特徴とする、
    請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の内燃機関の排気制御装置。
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