JP5811319B2 - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明はエンジンの排気浄化装置に係り、詳しくは排気通路にアンモニア選択還元型NOx触媒を配設したエンジンの排気浄化装置に関する。
近年、エンジンの排気通路にNOx浄化用のNOx触媒を配した車両が実用化されている。特に、ディーゼルエンジンでは、燃焼がリーン空燃比の下で実施されるため、排気中の酸素(O2)量が多く、ガソリンエンジンで実用化されている三元触媒は機能せず、種々のディーゼルエンジン用NOx触媒が開発されている。
その一つとして、最近では、定地式ディーゼルエンジンで実用化されている還元剤としてアンモニアを添加する構成のアンモニア選択還元型NOx触媒(以下、SCR触媒と称する)が車両用に開発されつつある。この種のSCR触媒では、触媒上に添加されたアンモニアによってNOxが窒素(N2)及びH2Oに還元されるように反応が進行する。
ところで、この種のSCR触媒が良好なNOx浄化性能を発揮するのは活性温度域に限られ、例えば車両の低速走行により排気温度が低いエンジン運転状態が継続することにより触媒温度が活性温度域の下限値(活性下限温度)を下回ると、たとえアンモニアを供給しても十分な浄化性能が望めなくなる。特にガソリンエンジンに比較して元々排気温度が低いディーゼルエンジンでは、通常の運転状態において触媒温度を活性温度域に保持し難い傾向があり、このために種々の対策が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
当該特許文献1の技術によれば、高温の第2温度域では、エンジンの排気通路内への尿素水の噴射によりアンモニアを生成して本来のSCR触媒によるNOx浄化を行う一方、より低温の第1温度域では、排気通路内にHC(炭化水素)を供給して前段酸化触媒で酸化反応させて排気昇温すると共に酸化触媒に吸着したNOxを浄化し、同時にSCR触媒上に排ガス中のNOxを一時的に吸着させ、これにより大気中へのNOxの排出を防止している。
特開2009−041454号公報
上記のように特許文献1では、SCR触媒の活性下限温度よりも低温域の第1温度域で、排気通路内へのHC供給によりSCR触媒の昇温を図ると共に、SCR触媒にNOxを吸着させることで大気中への排出を防止している。
しかしながら、SCR触媒に吸着可能なNOx量には限界があることから、例えば排気温度が低下する低速走行の継続により触媒温度が活性化下限温度を下回り続けた場合などには、SCR触媒が吸着限界を越えて大気中にNOxを排出させてしまう可能性がある。また、単なるHC供給による排気昇温では、SCR触媒を迅速に昇温できないという問題もある。よって、特許文献1の技術は抜本的な対策とは言い難かった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、SCR触媒の温度が活性下限温度を下回った場合に迅速に昇温してNOxの排出を未然に防止することができるエンジンの排気浄化装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、排気通路にアンモニア選択還元型NOx触媒を配設したエンジンの排気浄化装置において、エンジンの全気筒の内の複数の特定気筒にそれぞれ設けられて、特定気筒の圧縮上死点近傍において排気弁を一時的に強制開弁させて続く膨張行程で筒内に発生した負圧によりピストン下降を妨げて負の仕事量を発生させる排気強制開弁機構と、エンジンの各気筒の燃料噴射量を制御する燃料制御手段と、アンモニア選択還元型NOx触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、触媒温度検出手段により検出された触媒温度が予めアンモニア選択還元型NOx触媒の活性下限温度近傍に設定された昇温開始判定温度を下回ったときに排気強制開弁機構を作動させ、燃料制御手段に特定気筒に対する燃料噴射を中止させると共に、特定気筒による仕事量の損失を補うべく他気筒の燃料噴射量を増加補正させ、さらに、このときの排気強制開弁機構の作動及び燃料噴射の中止を行う特定気筒を触媒温度が低下するほど増加し、一方、排気強制開弁機構の作動により触媒温度が低下から上昇に転じて予め活性下限温度よりも高温側に設定された昇温終了判定温度を越えたとき、及び排気強制開弁機構の作動にも拘わらず触媒温度が低下し続けてエンジンの回転に支障をきたす可能性がある温度として予め設定された昇温禁止温度を下回ったときに、それぞれ排気強制開弁機構の作動を中止し燃料噴射を再開する昇温制御手段とを備えたものである。
以上説明したように請求項1の発明のエンジンの排気浄化装置によれば、触媒温度が活性下限温度近傍の昇温開始判定温度を下回ったときに、特定気筒の燃料噴射を中止して排気強制開弁機構を作動させることにより負の仕事を発生させると共に、特定気筒の仕事量の損失を補うべく他気筒の燃料噴射量を増加補正させるようにした。このため、エンジンの排気温度を上昇させてアンモニア選択還元型NOx触媒を活性温度域まで迅速に昇温でき、結果としてNOx触媒は活性温度域に保持されて本来の良好なNOx浄化性能を発揮するため、NOxの排出を確実に防止することができる。
また、触媒温度が低下するほど排気強制開弁機構の作動及び燃料噴射の中止を行う特定気筒を増加するようにしたため、より確実に触媒温度の低下を抑制することができる。
さらに、触媒温度が活性下限温度よりも高温側の昇温終了温度を越えたときに、排気強制開弁機構の作動を中止し燃料噴射を再開するようにした。従って、触媒温度が活性下限温度よりも十分に高温になるまで排気昇温が継続されるため、より確実に触媒温度を活性下限温度以上に保持することができる。
一方、触媒温度がエンジンの回転に支障をきたす昇温禁止温度を下回ったときに、排気強制開弁機構の作動を中止し燃料噴射を再開するようにした。従って、エンジン回転が不安定になって車両のドライバビリティが悪化する事態を未然に防止することができる。
実施形態のエンジンの排気浄化装置を示す全体構成図である。 触媒温度からパワータード気筒数を設定するためのマップを示す図である。 触媒温度の低下時のパワータードの制御状態を示すタイムチャートである。 通常運転時とパワータード作動時とのエンジンの仕事量をp-v線図上で比較した説明図である。
以下、本発明を車両用エンジンの排気浄化装置に具体化した一実施形態を説明する。
図1は本実施形態のエンジンの排気浄化装置を示す全体構成図であり、エンジン1は直列6気筒ディーゼル機関として構成され、例えばトラックやバスなどに搭載されている。エンジン1の各気筒に形成された燃焼室2には燃料噴射弁3が備えられ、各燃焼室2に形成された吸気ポートは吸気弁4により開閉され、同じく各燃焼室2に形成された排気ポートは排気弁5により開閉される。各吸気ポートは吸気マニホールド6を介して共通の吸気通路7と接続され、図示しないエアクリーナから吸気通路7内に導入された吸入空気が吸気マニホールド6により各気筒に分配され、各気筒の吸気行程において吸気弁4の開弁に伴って燃焼室2内に導入される。
各排気ポートは排気マニホールド8を介して共通の排気通路9と接続され、排気通路9は車両の床下で前方から後方に延設され、排気通路9の後端部には排気浄化装置10が接続されている。従って、各気筒の燃焼室2内で燃焼後の排ガスは排気行程において排気弁5の開弁に伴って排気マニホールド8に排出され、排気マニホールド8内で集合して排気通路9内を案内された後に排気浄化装置10に導入される。
図示はしないが、吸気通路7と排気通路9とは排ガス環流用のEGR通路を介して接続され、EGR通路にはEGR弁及びEGRクーラが介装されている。EGR弁の開度に応じて排気通路内の排ガスがEGRガスとして吸気通路に環流され、環流されたEGRガスは筒内での燃焼温度を抑制してNOx生成量を低減する作用を奏する。
排気浄化装置10のケーシング11は円筒状をなし、その内部の上流側にはSCR触媒(アンモニア選択還元型NOx触媒)12が収容され、下流側には後段酸化触媒13が収容されている。ケーシング11の直上流側において排気通路9内には尿素水噴射用の噴射ノズル14が配設され、噴射ノズル14の先端は排気通路9内の中心に位置し、噴射ノズル14の基端は排気通路9の外周に設置された電磁弁14aに接続されている。電磁弁14aには図示しない尿素タンクから所定圧の尿素水が供給されており、電磁弁14aの開閉に応じて噴射ノズル14の先端から尿素水が放射状に噴射される。
各気筒からの排ガスは排気通路9を流通する過程で噴射ノズル14から噴射された尿素水と混合し、排気熱及び排ガス中の水蒸気により尿素水は加水分解されてアンモニア(NH3)を生成する。そして、生成されたアンモニアによりSCR触媒12上で排ガス中のNOxが無害な窒素(N2)に還元されてNOxの浄化が行われる一方、このときの余剰アンモニアが後段酸化触媒13によりNOに酸化されて処理され、これによりNOxの大気中への排出が防止される。
上記のように各気筒の吸気弁4及び排気弁5は、図示しないクランク軸の回転に同期することで吸気行程や排気行程で開弁される。各吸気弁4及び排気弁5にはカム軸及びロッカアームからなる一般的な動弁機構が付設されており、クランク軸に同期して回転するカム軸によりロッカアームを介して開閉駆動されることにより、各気筒の吸気弁4は吸気工程で開弁し、各気筒の排気弁5は排気行程で開弁する。加えて、排気弁5については、#2,#4,#6気筒と#1,#3,#5気筒との2グルーブに分別されており、#1,#3,#5気筒(特定気筒)の排気弁5は、上記した動弁機構による開閉駆動に加えて、所謂パワータードの排気強制開弁機構15によっても開閉駆動されるようになっている。
周知のようにパワータードとは、気筒の圧縮上死点の直前で排気弁5を一時的に強制開弁することにより圧縮空気を排出すると共に、当該気筒への燃料噴射を中止し、これにより続く膨張行程において筒内に発生した負圧によりピストン下降を妨げてエンジンブレーキ作用を増大させるシステムである。後述するように本実施形態では、このパワータードを排気温度の上昇にも利用しており、そのために#1,#3,#5気筒の排気弁5にはパワータードの排気強制開弁機構15がそれぞれ付設されている。
具体的な排気強制開弁機構15の構成は種々の文献で開示されているため詳細はしないが、例えば特開2007−247628号公報に記載のものを応用することができる。応用例の概略を述べると、カム軸上の#1,#3,#5気筒の排気用カムにそれぞれパワータード用カムが併設され、各気筒の圧宿上死点直前で各パワータード用カムにより油圧ピストンが押圧作動されるようになっている。油圧ピストンは油圧配管を介して排気弁5の直上に配設されたスレーブピストンと接続され、スレーブピストンは排気弁を上方から押圧することで排気弁5を強制開弁し得るようになっている。油圧配管にはソレノイド16が介装され、ソレノイド16のオン・オフに応じて油圧ピストンにより発生した油圧が油圧配管を介してスレーブピストン側に伝達或いは遮断される。
従って、ソレノイド16のオフ時には油圧が遮断され、排気弁5は上記動弁機構により排気行程で開弁されるだけであり、これに対してソレノイド16のオン時には油圧伝達が行われ、油圧ピストンからの油圧を受けてスレーブピストンが作動して排気弁5を圧縮上死点直前で一時的に強制開弁する。ソレノイド16は#1,#3,#5気筒に個別に設けられているため、ソレノイド16の作動を選択することで任意の気筒の排気強制開弁機構15を作動可能となっている。なお、図1では#1,#3,#5に付設されたソレノイド15と共に、排気強制開弁機構15の概略を図示している。
ここで、説明の便宜上、通常の筒内で燃焼している気筒をファイヤリング気筒と称し、パワータードが作動している気筒をパワータード気筒と称して区別することにする。排気強制開弁機構15は#1,#3,#5気筒に付設されているため、パワータード気筒は0〜3気筒の4段階で増減し、それに応じてファイヤリング気筒が6〜3の間で増減することになる。
一方、以上のように構成されたエンジン1は、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタなどを備えたECU(電子制御ユニット)21により制御される。ECU21の入力側には、上記ケーシング11内の最上流部に設置された排気温センサ22、及び図示しないエンジン回転速度Neを検出する回転速度センサやアクセル操作量Accを検出するアクセルセンサなどの各種センサ類が接続されている。
排気温センサ22により検出される排気温度TexはSCR触媒12に導入される直前の値であるため、SCR触媒12の温度Tcatとの間に相関関係が成立する。そこで、予め試験を実施して排気温度TexとSCR触媒の温度Tcatとの関係を割り出しマップ化し、エンジン1の運転中にはマップに基づきECU21により排気温度Texから触媒温度Tcatが逐次算出され(触媒温度検出手段)、算出した値に基づき後述する尿素噴射や#1,#3,#5気筒でのパワータードの作動が行われる。
また、ECU21の出力側には各気筒の燃料噴射弁3、#1,#3,#5気筒のソレノイド16、及び噴射ノズル14の電磁弁14aなどの各種デバイス類が接続されている。
例えばECU21は、エンジン回転速度Neやアクセル操作量Accから所定のマップに従って燃料噴射量Qを設定すると共に、この燃料噴射量Q及びエンジン回転速度Neから所定のマップに従って燃料噴射時期ITを設定する。そして、これらの燃料噴射量Q及び燃料噴射時期ITに基づき燃料噴射弁3を駆動制御し、各気筒の筒内に燃料を噴射してエンジン1を運転する(燃料制御手段)。
また、ECU21は、燃料噴射量Q及びエンジン回転速度Neから所定のマップに従ってEGRの実行域と非実行域とを判別すると共に、EGR実行域ではマップから設定した目標EGR量に基づきEGR弁の開度を制御する。これによりEGR実行域では排ガスをEGRガスとして吸気側に環流させることで筒内の燃焼温度を抑制してNOx生成の低減を達成する。
また、ECU21は、排気温度センサ22の検出値Texから逐次算出した触媒温度Tcatに基づき、噴射ノズル14の尿素水噴射量を制御する。周知のようにSCR触媒12は活性下限温度を下回ると、たとえアンモニアを供給しても十分な浄化性能を望めなくなるため、尿素水の噴射は活性下限温度、例えば180℃以上で実行し、それ未満の温度域では中止する。このため、活性下限温度未満ではSCR触媒12によるNOx浄化作用が得られなくなるが、[発明が解決しようとする課題]でも述べたように、このような状況で排気通路9内にHCを供給する特許文献1の対策では、迅速に触媒昇温できずに十分なNOx排出防止を望めないという問題がある。
そこで、本実施形態ではパワータードを利用してSCR触媒12の昇温を行っており、以下、ECU21により実行される当該制御について詳述する。
図2は触媒温度Tcatからパワータード気筒数を設定するためのマップを示しており、当該マップに基づき#1,#3,#5気筒でのパワータードの作動状態が制御される。マップから導き出されるパワータード気筒数に対応して、パワータードを作動させるべき気筒は予め決められている。例えば、パワータード気筒数が1気筒のときには#1気筒のパワータードを作動させ、パワータード気筒数が2気筒のときには#1及び#3気筒のパワータードを作動させ、パワータード気筒数が3気筒のときには#1,#3及び#5気筒のパワータードを作動させる。
但し、パワータードを設けた気筒は#1,#3,#5気筒に限ることはなく任意に変更或いは増減可能であり、またパワータード気筒数に対応して作動させる気筒についても上記例示に限ることはなく任意に変更可能である。
図に示すように、全体として触媒温度Tcatが低下するほどパワータード気筒数を増加させているが、触媒温度Tcatが低下してパワータードを開始するときの温度(昇温開始判定温度であり、図中にPT開始で示す)と、触媒温度Tcatが上昇してパワータードを終了するときの温度(昇温終了判定温度であり、図中にPT終了で示す)とを相違させている。
詳述すると、触媒温度Tcatの低下時には、SCR触媒12の活性下限温度(尿素水の噴射中止温度でもある)に相当する180℃を下回った時点でパワータード気筒数を0から1に変更し、160℃を下回るとパワータード気筒数を2とし、さらに140℃を下回るとパワータード気筒数を3とする。そして、120℃未満の温度域でパワータード作動させるとエンジン回転に支障をきたして不安定になることを鑑みて、触媒温度Tcatが120℃(昇温禁止温度)を下回ると、触媒昇温よりもエンジン回転の安定化を優先してパワータード気筒数を0としている。
また、触媒温度Tcatの上昇時には、120℃を越えるとパワータード気筒数を0から3に変更し、140℃を越えるとパワータード気筒数を2とし、160℃を越えるとパワータード気筒数を1とし、活性下限温度の180℃よりも高温側の220℃を越えるとパワータード気筒数を0としている。
以上のような特性のマップに基づいてECU21により実行される#1,#3,#5気筒でのパワータードの制御状態を、図3のタイムチャートに従って説明する。
まず、SCR触媒12の温度Tcatが180℃を越えているときには、噴射ノズル14から尿素水の噴射が行われると共に、図2のマップからパワータード気筒数として0が設定されて#1,#3,#5気筒の全てでパワータードの作動が中止されている。このときのエンジン1の運転状態は通常時と相違なく、全気筒がファイヤリング気筒として作動して筒内で燃焼が行われると共に、尿素水の噴射によりSCR触媒12でNOxが浄化されている。
例えば車両の低速走行により排気温度が低いエンジン運転状態が継続したときには、触媒温度Tcatが次第に低下してSCR触媒12の活性下限温度である180℃を下回る。このときには尿素水の噴射が中止されると共に、パワータード気筒数として1が導き出されることを受けて、#1気筒の排気強制開弁機構15が作動し、且つ当該#1気筒に対する燃料噴射が中止される(以下、これらの処理をパワータードの作動と表現する)。これにより、#1気筒がファイヤリング気筒からパワータード気筒に切り換えられる(昇温制御手段)。
図4は通常運転時とパワータード作動時とのエンジン1の仕事量をp-v線図上で比較した説明図である。通常運転時にエンジン1が発生する仕事量は図中のハッチングで囲まれた領域に相当する。これに対して#1,#3,#5気筒の何れかがパワータード気筒として作動すると、当該パワータード気筒では、図中のクロスハッチングの領域で示すように負の仕事量を発生する。このとき発生した負の仕事量を補うべく、ECU21の制御によりファイヤリング気筒では燃料噴射量が増加補正され、図中のハッチングの領域で示すように仕事量が増加する(昇温制御手段)。
このように、パワータード気筒で発生した仕事量の損失をファイヤリング気筒が補う形で仕事量の収支が合わされることから、全体としてエンジン1は運転者のアクセル操作に応じたトルクを出力し続けるが、エンジン1が発生する熱量については上記した通常運転時とは大きく相違する。
即ち、このときファイヤリング気筒で発生する熱量は通常運転時に全気筒で発生する熱量よりも多く、さらにパワータード気筒でも圧縮上死点直前まで圧縮されて高温の空気を排出することで熱量を発生させているため、全体としてのエンジン1の発生熱量は通常運転時よりも格段に増加する。結果として熱量の増加は排気温度の上昇として現れ、その排ガスが内部を流通することによりSCR触媒12は迅速に昇温される。このときの排気熱量の関係は次式(1)で表すことができる。
Qusly<Qfig+Qptd ……(1)
ここに、Quslyは通常運転時のエンジン1の全気筒の発生熱量、Qfigはファイヤリング気筒の発生熱量、Qptdはパワータード気筒の発生熱量である。
当然であるが、ファイヤリング気筒及びパワータード気筒の発生熱量を合計した総発生熱量はパワータード気筒数に応じて相違し、パワータード気筒数が多いほど総発生熱量は増加し、迅速な触媒昇温が可能となる。
このような排気温度の上昇によりSCR触媒12は昇温され、図3に一点鎖線で示すように触媒温度Tcatが上昇に転じて180℃を越えると、尿素水の噴射が再開されてSCR触媒12は再びNOxを浄化し始める。この温度域では#1気筒に対するパワータードは継続され、その後に触媒温度Tcatが220℃を越えると#1気筒の排気強制開弁機構15の作動が中止され、且つ当該#1気筒に対する燃料噴射が再開される(以下、これらの処理をパワータードの中止と表現する)。これにより、#1気筒がパワータード気筒からファイヤリング気筒に切り換えられる。
このように触媒温度TcatがSCR触媒12の活性下限温度である180℃を越えた時点で直ちにパワータードを中止せずに、より高温側の220℃を越えるまでパワータードによる排気昇温を継続している(昇温制御手段)。例えば触媒温度Tcatの低下要因になった車両の低速走行が未だ継続している場合、パワータードを中止すると触媒温度Tcatが再び低下に転じる可能性もあるが、パワータードの継続によりこのような事態を防止でき、もって触媒温度Tcatを活性下限温度以上により確実に保持することができる。
なお、パワータードを開始する触媒温度Tcatは必ずしも活性下限温度である180℃に一致させる必要はなく、活性下限温度近傍であれば、若干高温側に、或いは若干低温側に設定してもよい。
一方、このような#1気筒のパワータード作動により排気温度を上昇させても、図3に実線で示すように触媒温度Tcatが低下し続ける場合もある。このときには触媒温度Tcatが160℃を下回った時点で、#1気筒に加えて#3気筒のパワータードも作動し、さらに140℃を下回った時点で#5気筒のパワータードも作動する(昇温制御手段)。それに応じてエンジン1の発生熱量が段階的に増加すると共に排気温度も上昇することから、多くの場合には触媒温度Tcatが上昇に転じる。
触媒温度Tcatが140℃を越えると#5気筒のパワータードが中止され、160℃を越えると#3気筒のパワータードが中止され、180℃を越えると尿素水の噴射が再開され、220℃を越えると#1気筒のパワータードが中止されて全気筒がファイヤリング気筒に戻される。
このように触媒温度Tcatが低下するほどパワータード気筒数が増加され、エンジン発生熱量の増加が図られる。パワータード気筒の有無とは関係なく本来エンジン1の発生熱量には車両の走行状態が大きく関与し、例えば長い降板路が継続した場合などにはエンジン1の発生熱量が低すぎて、#1気筒のみのパワータード作動では触媒温度Tcatの低下を抑制不能なこともある。しかし、この場合には触媒温度Tcatの低下に応じてパワータード気筒数を順次増加させるため、より確実に触媒温度Tcatの低下を抑制して上昇に転じさせることができる。よって、より多くの車両運転状態においてSCR触媒12を活性温度域に保持でき、そのNOx浄化性能を最大限に発揮させることができる。
以上のSCR触媒12のNOx浄化性能の向上は、他のエミッション対策装備に対しても好影響を与える。例えば同様のNOx抑制を目的としたEGRの実行域を縮小したり、EGRクーラのサイズを小さくしたりすることが可能となる。また、エンジン1の全運転域でSCR触媒12の浄化作用のみでNOxを規制値に抑制可能であれば、EGRシステムを省略することも場合によっては実現できる。
さらに、NOx浄化性能の向上により、NOxとトレードオフの関係にあるスモーク抑制を優先してエンジン1をキャリブレーション可能になるため、エンジン1のスモーク排出量を低減できる。このため、スモーク対策としてSCR触媒12と共にDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)を装備している場合には、DPFのサイズを縮小できるし、さらにDPF上に堆積したパティキュレートを強制的に焼却除去する強制再生の実行頻度を低減できるため、強制再生時のポスト噴射に起因する燃料消費量の増加などの弊害を抑制することができる。さらにエンジン1の全運転域で筒内でのスモークの生成量を規制値に抑制可能であれば、DPFシステムを省略することも場合によっては実現できる。
一方、図3では示していないが、#1,#3,#5気筒を全てパワータード気筒としても触媒温度Tcatの低下を抑制できない場合もあり得る。このようなときには触媒温度Tcatが120℃を下回った時点で図2のマップからパワータード気筒数として0が導き出されて、全気筒がファイヤリング気筒として作動する(昇温制御手段)。パワータードの作動はエンジン回転を不安定にする要因になり得るが、120℃未満でのパワータードの禁止処理によりこのような弊害を防止でき、もって車両のドライバビリティの悪化を未然に防止することができる。
以上のように本実施形態のエンジン1の排気浄化装置では、触媒温度Tcatが低下したときにパワータード気筒で発生した仕事量の損失を補う形でファイヤリング気筒を作動させている。これにより、ファイヤリング気筒及びパワータード気筒の総発生熱量を通常運転時に比較して増加させて排気温度を上昇させるため、結果としてSCR触媒12を迅速に昇温して活性温度域に保持可能となる。従って、特許文献1の技術のようにSCR触媒を活性下限温度よりも低温のまま一時的なNOx吸着に利用する場合と異なり、SCR触媒12を活性温度域に保持して本来の良好なNOx浄化性能を発揮させるため、NOxの排出を確実に防止することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、直列6気筒ディーゼル機関の排気浄化装置に具体化したが、エンジン形式などはこれに限ることはなく、例えばガソリン機関に適用したり、気筒数を変更したりしてもよい。
また、上記実施形態では、触媒昇温のために必要な#1,#3,#5気筒のみにパワータードの排気強制開弁機構15を設けたが、全気筒に排気強制開弁機構15を設けてもよい。この場合、触媒昇温を要するときには#1,#3,#5気筒でパワータードを作動させて排気温度を上昇させ、一方、車両減速時には全気筒でパワータードを作動させてエンジンブレーキ作用を増大させるようにすればよい。
1 エンジン
9 排気通路
12 SCR触媒(アンモニア選択還元型NOx触媒)
15 排気強制開弁機構
21 ECU(燃料制御手段、触媒温度検出手段、昇温制御手段)
22 排気温度センサ(触媒温度検出手段)

Claims (1)

  1. 排気通路にアンモニア選択還元型NOx触媒を配設したエンジンの排気浄化装置において、
    上記エンジンの全気筒の内の複数の特定気筒にそれぞれ設けられて、特定気筒の圧縮上死点近傍において排気弁を一時的に強制開弁させて続く膨張行程で筒内に発生した負圧によりピストン下降を妨げて負の仕事量を発生させる排気強制開弁機構と、
    上記エンジンの各気筒の燃料噴射量を制御する燃料制御手段と、
    上記アンモニア選択還元型NOx触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、
    上記触媒温度検出手段により検出された触媒温度が予め上記アンモニア選択還元型NOx触媒の活性下限温度近傍に設定された昇温開始判定温度を下回ったときに上記排気強制開弁機構を作動させ、上記燃料制御手段に上記特定気筒に対する燃料噴射を中止させると共に、該特定気筒による仕事量の損失を補うべく他気筒の燃料噴射量を増加補正させ、さらに、このときの上記排気強制開弁機構の作動及び燃料噴射の中止を行う特定気筒を上記触媒温度が低下するほど増加し、一方、上記排気強制開弁機構の作動により上記触媒温度が低下から上昇に転じて予め上記活性下限温度よりも高温側に設定された昇温終了判定温度を越えたとき、及び上記排気強制開弁機構の作動にも拘わらず上記触媒温度が低下し続けて上記エンジンの回転に支障をきたす可能性がある温度として予め設定された昇温禁止温度を下回ったときに、それぞれ上記排気強制開弁機構の作動を中止し燃料噴射を再開する昇温制御手段と
    を備えたことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
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