JP4542517B2 - 液化物を用いた含油物質の脱油方法 - Google Patents
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Description
一方、油は、その化学構造に起因する様々な特性を生かして重油、絶縁油、塗料、溶剤、潤滑油、燃料、石鹸、食品等の各種工業用、家庭用製品の原材料として用いられているが、これらの製品を廃棄する際にも、地球環境維持のためのリサイクルの観点から、油のみを効率よく抽出し分離回収する手段が嘱望されている。
〔1〕 常温常圧の条件下で気体である物質の液化物を含油物質に接触させ、該液化物に該含油物質中の油分を溶解させて油分高含有の液化物を得る工程(1)、および、該油分高含有の液化物中の常温常圧の条件下で気体である物質を気化させることにより気体として油分から分離する工程(2)を含むことを特徴とする液化物を用いた含油物質の脱油方法。
〔2〕 前記工程(2)において気化され分離された常温常圧の条件下で気体である物質の気体を回収し、該気体を液化させて液化物を得る工程(3)をさらに含み、該工程(3)で得られる液化物を前記工程(1)において再び使用することを特徴とする〔1〕に記載の脱油方法。
〔3〕 常温常圧の条件下で気体である物質は、25℃および1気圧において気体である物質であることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の脱油方法。
〔4〕 常温常圧の条件下で気体である物質は、ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ホルムアルデヒド、ケテン、アセトアルデヒド、プロパン、ブタン、およびLPGから選ばれる1種または2種以上の混合物であることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか一つに記載の脱油方法。
〔5〕 含油物質が、油吸収材、金属、硝子、セラミックス、紙又は土壌であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれか一つに記載の脱油方法。
〔6〕 前記工程(1)における接触は、前記液化物と前記含油物質とが向流接触させるようにして行うことを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれか一つに記載の脱油方法。
〔7〕 一連の脱油操作を、−10℃〜50℃の温度範囲で行うことを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれか一つに記載の脱油方法。
〔8〕 〔1〕〜〔7〕のいずれか一つに記載の脱油方法により得られる油分が除去された物質。
〔9〕 常温常圧の条件下で気体である物質の気体を加圧する圧縮機と、加圧された前記気体を凝縮して液化物とする凝縮器と、前記液化物を含油物質と接触させ該含油物質中の油分を溶解させ油分高含有の液化物とする脱油器と、該油分高含有の液化物中の常温常圧の条件下で気体である物質を気化させる蒸発器と、気化した前記物質の気体と油分とを分離する分離器とが、直列に連結して構成されることを特徴とする含油物質の脱油システム。
〔10〕 前記凝縮器と前記蒸発器とが、熱交換器で接続されて構成されることを特徴とする〔9〕に記載の脱油システム。
〔11〕 さらに、前記気化した常温常圧の条件下で気体である物質の気体を膨張させる膨張機が前記圧縮機に直列に連結して構成され、該膨張機の外界に行う仕事が回収され、該仕事が前記圧縮機の動力の一部として投入されるように構成されていることを特徴とする〔9〕または〔10〕に記載の脱油システム。
〔12〕 前記圧縮機、凝縮器、脱油器、蒸発器および膨張機は回路を形成し、該回路を、常温常圧の条件下で気体である物質が循環するように構成されることを特徴とする〔9〕〜〔11〕のいずれか一つに記載の脱油システム。
〔13〕 前記分離器で分離された常温常圧の条件下で気体である物質の気体を脱気し回収するための脱気塔が前記分離器に連結され、脱気された気体を回収し回路に戻されるように構成されていることを特徴とする〔9〕〜〔12〕のいずれか一つに記載の脱油システム。
〔14〕 前記脱油器は、前記液化物と前記含油物質とを向流接触させることを特徴とする〔9〕〜〔13〕のいずれか一つに記載の脱油システム。
本発明の脱油方法においては、油分除去の媒体として、常温常圧で気体である物質、すなわち、油分との相互溶解性が高く、かつ、大気圧下、外気温度に近い温度で気体である物質の液化物を用いるので、油分との接触および油分との分離に際し過酷な条件を必要とせず、従来の技術に比して、外気温度に近い操作温度で脱油ができる。また、油分と液化物の分離の際、油分側を蒸発させる必要がなく、油分の蒸発潜熱の回収が全く不要であり、省エネルギーでの油分除去が可能である。
また、熱交換器を接続することにより、蒸発潜熱を回収し有効利用することができる。さらに、膨張機において、膨張による仕事を回収することにより、さらなる省エネルギーが達成できる。
ここで「油」とは、難水溶性の有機化合物を意味する。油の性質は、油の種類により相違するが、通常は水に溶けず可燃性を示す。本発明においては、油を構成する元素組成は限定されず、また、天然物由来か合成物由来かも問わず、更に工業、家庭用等の用途や、単一組成油、混合組成油の区別も特に問わない。常温で液体のものと固体のものとあるが、本発明においては常温で液体のものが好ましい。また、油に揮発性の物質などの油以外の物質が混入していても構わない。
「含有する」とは、含油物質中における油分の存在態様を特定するものではなく、外表面に付着するものの他、内部に油分を結合、包接するもの、固体粒子間、場合によっては固体粒子の内側にある細孔に存在するものであっても良い。そして、含油物質中における油分の含有割合についても限定されない。
A.本発明の脱油方法
本発明の液化物を用いた含油物質の脱油方法は、常温常圧の条件下で気体である物質の液化物を含油物質に接触させて、該液化物に該含油物質中の油分を溶解させて油分高含有の液化物を得る工程(1)、および、該油分高含有の液化物中の常温常圧の条件下で気体である物質を気化させることにより気体として油分から分離する工程(2)を含むことを特徴とする。以下、工程(1)および(2)について説明する。
常温常圧の条件下で気体である物質としては、具体的には、25℃および1気圧の条件下で気体である物質、0℃および1気圧の条件下で気体である物質が好ましく、特に、25℃および1気圧の条件下で気体状態であり、かつ0℃および1気圧の条件下でも気体である物質がもっとも好ましい。
ジメチルエーテルは、1気圧における沸点が−24.8℃であり、−10℃〜50℃の大気圧において気体である。高効率なジメチルエーテルの製造方法および製造装置は、例えば特開平11−130714号公報、特開平10−195009号公報、特開平10−195008号公報、特開平10−182535号〜特開平10−182527号の各公報、特開平09−309850号〜特開平09−309852号の各公報、特開平09−286754号公報、特開平09−173863号公報、特開平09−173848号公報、特開平09−173845号公報などに開示されており、これらに開示された技術に従い容易に得ることができる。
一方、本発明において、液化物とは、後述する液化により気体から得られる液体を意味する。すなわち、本発明においては、上述した常温常圧の条件下で気体である物質を液体状態にて利用する。
すなわち、常温常圧の条件下で気体である物質の液化物を含油物質に含まれる油分、すなわち、含油物質の外表面や内部に存在する油分に接触させることにより、含油物質中の油分を液化物に溶解させ、油分を高濃度で含有する液化物とさせる。
ここで、常温常圧の条件下で気体である物質の液化物を、含油物質に接触させるには、該物質を液体状態のまま維持する必要がある。液化状態のまま維持するための方法は、特に限定されないが、液化物を飽和蒸気圧で維持することが望ましい。特に、工程(1)の温度条件は、−10℃〜50℃、中でも0〜40℃の範囲で適宜設定することが望ましい。
接触方式は、含油物質を液化物に浸漬する、含油物質に液化物を流通させるなど通常の脱油法で採られるどのような方法でもよいが、向流接触とすることが望ましい。すなわち、含油物質に対し、常温常圧の条件下で気体である物質の液化物を向流的に接触させることが好ましい。また、向流接触後、含油物質を液化物に浸漬してから、再び向流接触を行なうなど、向流接触を他の接触方式と適宜組み合わせて実施することも可能である。
また、浸漬接触の場合の一般的な条件を示すと、含油物質85gに対し、液化物10Lを1〜3時間接触させることができる。
温度条件を上げる場合は、常温常圧の条件下で気体である物質の沸点を超える温度まで上昇させることが好ましいが、本発明では、常温常圧の条件下で気体である物質を利用するので、通常は、常温付近、すなわち外気温に近い温度条件で気化することができる。つまり、加熱よりむしろ工程(1)の冷却状態から常温状態に戻すだけで気化することが可能である。気化の温度条件としては、使用する液化物や圧力条件にもよるが、常温状態、−10℃〜50℃、特に0〜40℃とすることが好ましい。工程(2)において圧力条件を低下させる場合、その条件は飽和蒸気圧未満であり、温度条件に応じて適宜定めることができる。
また、1気圧での沸点が0℃を超える物質を用いる場合は、沸点以上での冷却により液化を行うことが好ましい。これは、標準沸点以下では物質の飽和蒸気圧が1気圧未満であり、これが原因で装置の内部圧力が1気圧未満となるため、装置の製造コストの増大や、ハンドリングが困難になるためである。
加圧の条件については、一般化することは困難であるが、加圧下の沸点が常温、すなわち外気温の範囲、例えば−10〜50℃、特に0〜40℃の範囲で設定することが好ましい。冷却と併用する場合には冷却温度に応じて、定めることができる。
これに対し、本発明の脱油方法のように、脱油の媒体として液体を用いると、油分を蒸発させることなく除去可能となり、蒸発潜熱の回収自体が全く不要となる。また、液体として、常温常圧、すなわち、外気条件で気体の物質の液化物を用いるので、外気条件、すなわち、−10℃〜50℃位の温度範囲で、必要に応じて1気圧前後で調整することにより一連の脱油操作をすることができ、省エネルギーでの脱油が可能である。
また、例えば、油汚染された油吸収剤、土壌、砂、紙、木片、硝子、セラミックス等に適用することにより、これらの素材としての再利用が容易となり、一方、除去した分減量され廃棄が容易となることから資源保護の点で好ましい。更に、PCBを含む変圧器、コンデンサー用油の処理への応用が期待される。
本発明は、液化物を用いた脱油システムをも提供するものである。
本発明の脱油システムは、常温常圧の条件下で気体である物質の気体を加圧する圧縮機と、加圧された前記気体を凝縮して液化物とする凝縮器と、前記液化物を含油物質と接触させ該含油物質中の油分を溶解させ油分高含有の液化物とする脱油器と、該油分高含有の液化物中の常温常圧の条件下で気体である物質を気化させる蒸発器と、気化した前記物質の気体と油分とを分離する分離器とが、直列に連結して構成されることを特徴とする。
このような本発明の脱油システムは、上記(A)にて説明した本発明の脱油方法を実践するのに適しており、本システムを利用することにより、上記本発明の脱油方法を効率よく進めることができる。
本例では、常温常圧の条件下で気体である物質としてジメチルエーテルを用いた場合を想定しているが、本発明のシステムはこれに限定されるものではない。ジメチルエーテルは、前記(A)にて説明したように、1気圧における沸点がおよそ−25℃であり、0℃〜50℃の大気圧において気体であることから、液体状態のジメチルエーテル(ジメチルエーテルの液化物)を常温にて得るためには、加圧下での操作が必要である。
また、冷却器4’およびは減圧弁4”が、脱油器3に隣接して直列に連結されている。これらは、液化ジメチルエーテルを気化させる際の温度、圧力を調整するものであり、蒸発器1の一部と位置づけられ得る。
脱気塔8は、前記の回路に連結されており、塔内で脱気され回収されたジメチルエーテルは、図示していない配管により再び回路に戻される。
なお、脱気塔8の下部には、油分を加熱するための加熱缶8aを設けることにより、油分からのジメチルエーテルの分離を促進し、ジメチルエーテルの回収率を向上させることもできる。
また、凝縮器2と蒸発器4は熱交換器5で接続されているので、液化ジメチルエーテルの蒸発潜熱が回収され有効利用されている。
一方、第2圧縮機1’は、電動機9により動力を供給されており、外部から仕事の投入はこの第2圧縮機1’に対してのみ行われることとなる。
まず、含油物質は、図1中に点線で示されている通り、脱油器3に充填され、液化ジメチルエーテルと接触することにより脱油された後、容器から取り出されて処理を終了する。
油分は、含油物質に含有される油分として、脱油器3からシステムに供給される。まず、脱油器3で含油物質から液化ジメチルエーテル中に溶出した後、液化ジメチルエーテル中に溶存する形態で蒸発器4に到達する。蒸発器4で大部分の液化ジメチルエーテルが気化し、液化ジメチルエーテル中に溶存していた油分が分離され、気液分離器6に到達する。さらに、気液分離器6において、ジメチルエーテル蒸気と油分に分けられ、油分は排油として残る。
続いて、油分は脱気塔8に導入される。脱気塔8に油分が導入されると、入口の保圧弁8’により脱気塔8の内部の圧力が低下し、ジメチルエーテルが回収され、気液分離器6で分離された油分をそのまま排出することによる環境への負荷並びにジメチルエーテルの損失を最小限にすることができる。なお、脱気塔8の下部に設けた加熱缶8aで油分を加熱することにより、ジメチルエーテルの回収率を向上させることもできる。
脱気された油分は、缶出液として排出されるが、この排油から気液分離機6において分離されたジメチルエーテル蒸気は、再び、脱油システムの回路内に戻し使用することができる。
ジメチルエーテルガスは圧縮機1、1’で加圧されて過熱ガスになった後、凝縮器2で過冷却液になる。液化ジメチルエーテルの過冷却液は脱油器3に供給されて含油物質と接触し、その油分を溶解し、蒸発器4へと向かう。蒸発器4で液化ジメチルエーテルは油分と分離され再び過熱ガスとなる。この際、凝縮器2と蒸発器4は熱交換器5で連結されているので、液化ジメチルエーテルの蒸発潜熱が回収され有効利用される。蒸発器4を出たジメチルエーテルの過熱ガスは膨張機7にて仕事をし、圧縮機動力の一部として回収される。膨張機7を出たジメチルエーテルガスは再び圧縮機1へと送られ、システム内を循環する。
まず、2つの圧縮機1,1’が必要とする仕事の合計は(2つの圧縮機1,1’が要する理論仕事)÷0.8である。一方、膨張機7が回収し、第1圧縮機1の動力として投入される仕事は、(膨張が行う理論仕事)×0.8である。従って、第2圧縮機1’に要する仕事は、(2つの圧縮機1,1’が要する理論仕事)÷0.8−膨張が行う理論仕事)×0.8である。更に、この仕事は動力の形で導入する必要があるので、その変換効率を0.35とすると、第2圧縮機1’が必要とする仕事)÷0.35が第2圧縮機1’が必要とする総エネルギーとなる。なお、この変換率は、油中改質法の動力推算で用いられた、水蒸気の潜熱回収のための圧縮動力の変換効率と同じ値である。
この推算結果から、本発明の脱油システムによれば、少ない所要エネルギーで脱油が達成できることを理論的に確認できた。
オイルソーベント(スリーエムヘルスケア社製、主成分ポリプロピレン・ポリエステル、1枚あたり乾燥重量85g)4枚、計340gを使用して、真空ポンプオイル(マコトフックス社製、品名レノリンDTA100)を1枚あたり650g、計2600g染み込ませ、これを1バッチとして試験に供した。
すなわち、含油状態のオイルソーベントを、図1の脱油器3に相当する容器に充填し、容器込みの重量の重量をバッチごとの合計として測定し、オイルソーベント自体の重量を算出した。図1の凝縮器2と脱油器3の間に位置に設けたステンレス容器に飽和蒸気圧の液化DMEを充填し、これを送液ポンプを用いて、脱油器3(容器)に流通させた。そして、脱油器3と冷却器4’の間に配置した液化DMEを溜める空の密閉容器で液化DMEを回収した。
なお、試作機は、試験物10Lを1回のバッチ処理にて液体除去する処理能力を有し、その際の脱油時間は、確実性の観点から15分〜1時間の範囲で設定可能である。
脱油処理終了後、オイルソーベントの脱油前重量および脱油後重量、脱油処理前後で減少した分の重量(減少量重量)、並びに排油の重量を測定した。表1及び表2に、結果を示す。
また、処理後のオイルソーベント4枚に、再び真空ポンプオイルを1枚あたり650g、計2600g染み込ませたところ、油を含む能力を保持していることが確認できた。
このことから、本発明によれば、油を含んだ状態のオイルソーベントから、短時間に、外気温に近い条件で容易に多量の油を除去できることが確認できた。
ステンレス片(重量17.3259g)1個に、絶縁油を0.0239g付着させて試験に供した。
脱油処理の条件は、オイルソーベントの代わりにステンレス片を用い、かつ、流通速度100L/時間、脱油時間1時間とした他は、実施例1と同様に行った。
その結果、ステンレス片の重量を、0.0224g減少させることができ、当初付着させた量の大部分が脱油されたことが分かった。
このことから、本発明によれば、油が付着した状態のステンレス片から、短時間で容易に、油を効率よく除去できることが確認できた。
200cc硝子製ビーカー(重量107.8837g)1個に、絶縁油を0.1538g付着させて試験に供した。
脱油処理の条件は、オイルソーベントの代わりに硝子製ビーカーを用い、かつ、流通速度100L/時間、脱油時間1時間とした他は、実施例1と同様に行った。
その結果、ステンレス片の重量を、0.1566g減少させることができ、当初付着させた量の大部分が脱油されたことが分かった。
このことから、本発明によれば、油が付着した状態の硝子から、短時間で容易に、油を効率よく除去できることが確認できた。
A6サイズのコピー用再生紙20枚(総重量21.7010g)に、絶縁油を計6.2222g染み込ませて試験に供した。
脱油処理の条件は、オイルソーベントの代わりに再生紙を用い、かつ、流通速度100L/時間、脱油時間1時間とした他は、実施例1と同様に行った。
その結果、再生紙の重量を、6.6936g減少させることができ、当初染み込ませた量の大部分が脱油されたことが分かった。
このことから、本発明によれば、油が染み込んだ状態の紙から、短時間で容易に、油を効率よく除去できることが確認できた。
木片(重量8.2142g)に、絶縁油を6.5310g染み込ませて試験に供した。
脱油処理の条件は、オイルソーベントの代わりに木片を用い、かつ、流通速度100L/時間、脱油時間1時間とした他は、実施例1と同様に行った。
その結果、木片の重量を、6.0370g減少させることができ、当初付着させた量の大部分が脱油されたことが分かった。
さらに、脱油処理を1回繰り返すと、木片の重量を、さらに0.4816g(通算6.5186g)減少させることができ、当初付着させた量の大部分が脱油されたことが分かった。
このことから、本発明によれば、油が付着した状態の木片から、短時間で容易に、油を効率よく除去できることが確認できた。
土(重量3.630kg)に、A重油を0.1150kg染み込ませて試験に供した。
脱油処理の条件は、オイルソーベントの代わりに土を用い、かつ、流通速度100L/時間、脱油時間1時間とした他は、実施例1と同様に行った。
その結果、土の重量を、0.1900kg減少させることができた。染み込ませたA重油の重量よりも、土の減量が大きいのは、A重油だけではなく、土の水分も除去されたためだと考えられる。
このことから、本発明によれば、油が付着した状態の土から、短時間で容易に、油を効率よく除去できることが確認できた。
従って、本発明は、様々な含油物質から油分を除去することにより軽量化を図り、廃棄物としての処理、再利用、バイオマスとしての資源利用、環境浄化等を容易にするものである。
2 凝縮器
3 脱油器
4 蒸発器
4’ 冷却器
4” 減圧弁
5 熱交換器
6 分離器
7 膨張機
8 脱気塔
8’ 保圧弁
8a 加熱缶
9 電動機
10 冷却器
Claims (12)
- ジメチルエーテルの液化物を含油物質に接触させ、該液化物に該含油物質中の油分を溶解させて油分高含有の液化物を得る工程(1)、および、該油分高含有の液化物中のジメチルエーテルを気化させることにより気体として油分から分離する工程(2)を含むことを特徴とする液化物を用いた含油物質の脱油方法。
- 前記工程(2)において気化され分離されたジメチルエーテルの気体を回収し、該気体を液化させて液化物を得る工程(3)をさらに含み、該工程(3)で得られる液化物を前記工程(1)において再び使用することを特徴とする請求項1に記載の脱油方法。
- 含油物質が、油吸収材、金属、硝子、セラミックス、紙又は土壌であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一つに記載の脱油方法。
- 前記工程(1)における接触は、前記液化物と前記含油物質とが向流接触させるようにして行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の脱油方法。
- 一連の脱油操作を、−10℃〜50℃の温度範囲で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の脱油方法。
- ジメチルエーテルの液化物を含油物質に接触させ、該液化物に該含油物質中の油分を溶解させて油分高含有の液化物を得る工程(1)、および、該油分高含有の液化物中のジメチルエーテルを気化させることにより気体として油分から分離する工程(2)を含む脱油方法により、含油物質から油分が除去された物質を得る方法。
- ジメチルエーテルの気体を加圧する圧縮機と、加圧された前記気体を凝縮して液化物とする凝縮器と、前記液化物を含油物質と接触させ該含油物質中の油分を溶解させ油分高含有の液化物とする脱油器と、該油分高含有の液化物中のジメチルエーテルを気化させる蒸発器と、気化した前記物質の気体と油分とを分離する分離器とが、直列に連結して構成されることを特徴とする含油物質の脱油システム。
- 前記凝縮器と前記蒸発器とが、熱交換器で接続されて構成されることを特徴とする請求項7に記載の脱油システム。
- さらに、前記気化したジメチルエーテルの気体を膨張させる膨張機が前記圧縮機に直列に連結して構成され、該膨張機の外界に行う仕事が回収され、該仕事が前記圧縮機の動力の一部として投入されるように構成されていることを特徴とする請求項7または8に記載の脱油システム。
- 前記圧縮機、凝縮器、脱油器、蒸発器および膨張機は回路を形成し、該回路を、ジメチルエーテルが循環するように構成されることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載の脱油システム。
- 前記分離器で分離されたジメチルエーテルの気体を脱気し回収するための脱気塔が前記分離器に連結され、脱気された気体を回収し回路に戻されるように構成されていることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一つに記載の脱油システム。
- 前記脱油器は、前記液化物と前記含油物質とを向流接触させることを特徴とする請求項7〜11のいずれか一つに記載の脱油システム。
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