JP5276631B2 - 底質の処理方法及び抽出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、底質の処理方法及び抽出装置に関し、詳しくは、残留性有機汚染物質を含有する底質の浄化を効率的に行うことのできる処理方法、並びに該方法の実施に好適に用いられる抽出装置に関する。
河川、湖沼、港湾等の底質には、産業廃棄物や、不法に投棄されるコンデンサーや変圧器など等の装置に由来する、ポリ塩化ビフェニル(PCB)やダイオキシン等の残留性有機汚染物質が混在していることがしばしばある。残留性有機汚染物質はヒトをはじめとして環境に有害な影響を及ぼしうるので、底質から速やかに除去される必要がある。
底質からの残留性有機汚染物質の除去技術として、本発明の発明者は、底質を詰めたカラムに、一定の線速度で、溶媒としての液体状態のジメチルエーテルを流し、底質中のPCBと水とを同時にジメチルエーテルに溶解させて除去する、流通式の方法を提案している(非特許文献1)。ジメチルエーテルは、液化及び気化を穏やかな圧力条件下で行うことができることから、該方法は、溶媒の回収、再利用が容易であるというメリットがある。
Chemosphere 78(2010)1148−1154
しかしPCBを最終的に安全化処理に供するためには、PCBを純度の高い状態にしておく必要がある。前記流通式の方法においては、底質中のPCBと共に水分が多量に抽出され、該安全化処理に先立ち、PCBから多量の水分を除去する必要があった。そのため、多量のエネルギー、時間及び手間が必要であり、短時間かつ簡便な装置での抽出が困難であった。
本発明の課題は、抽出溶媒として液体状態のジメチルエーテルを用いて、底質から残留性有機汚染物質を、高い効率で抽出でき、かつジメチルエーテルの回収効率も保ち得る技術を提供することにある。
本発明によれば、下記〔1〕〜〔8〕が提供される。
〔1〕以下の工程(A)及び(B)を含む、残留性有機汚染物質を含有する底質の処理方法。
(A)底質を、前記底質に対する重量比率が3mL/g以上である、液体状態のジメチルエーテルに浸漬して、前記残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの第1の層と、前記底質中の水分及び前記残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルと、前記底質中の残留性有機汚染物質及び水分以外の成分からなる沈殿物とからなる第2の層とを形成させる工程
(B)前記第2の層のうち、前記底質中の水分及び残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの、少なくとも一部と、前記第1の層の少なくとも一部とを、回収する工程
〔2〕前記工程(A)において、浸漬時間は10分以上である、上記〔1〕に記載の処理方法。
〔3〕前記工程(A)において、前記底質は、浸漬に先立ち、長径10mm以下の細粒に成型処理される、上記〔1〕または〔2〕に記載の処理方法。
〔4〕さらに、以下の工程(C)を含み、工程(C)を1回又は2回以上行う、上記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の処理方法。
(C)前記工程(A)における浸漬を、前記工程(B)における回収後の残部に、該残部中の底質に対する液体状態のジメチルエーテルの重量比率が3mL/g以上となるように、液体状態のジメチルエーテルを追加して行うほかは、工程(A)と同様に行い、続けて工程(B)を行う工程
〔5〕さらに、以下の工程(D)を含む、上記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の処理方法。
(D)前記工程(B)において回収された液体状態のジメチルエーテルを気化させる工程
〔6〕さらに、以下の工程(E)を含む、上記〔5〕に記載の処理方法。
(E)前記工程(D)において気化した、気体状態のジメチルエーテルを液化して、前記工程(A)において再利用可能とする工程
〔7〕以下の(a)〜(c)を備える、残留性有機汚染物質を含有する底質の処理装置。
(a)底質を、前記底質に対する重量比率が3mL/g以上である、液体状態のジメチルエーテルに浸漬して、前記残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの第1の層と、前記底質中の水分及び前記残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルと、前記底質中の残留性有機汚染物質及び水分以外の成分からなる沈殿物とからなる第2の層とを形成させる浸漬槽
(b)前記第2の層のうち、前記底質中の水分及び残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの、少なくとも一部と、前記第1の層の少なくとも一部とを収容する分離液貯留槽
(c)前記浸漬槽及び前記分離液貯留槽間を連通し、前記浸漬槽の下方部と接続する分離液用流路
〔8〕以下の工程(A)及び(B)を含む、底質から残留性有機汚染物質を抽出する方法。
(A)底質を、前記底質に対する重量比率が3mL/g以上である、液体状態のジメチルエーテルに浸漬して、前記残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの第1の層と、前記底質中の水分及び前記残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルと、前記底質中の残留性有機汚染物質及び水分以外の成分からなる沈殿物とからなる第2の層とを形成させる工程
(B)前記第2の層のうち、前記底質中の水分及び残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの、少なくとも一部と、前記第1の層の少なくとも一部とを、回収する工程
本発明によれば、従来の連続式の方法による底質の処理と比較して、底質に含まれる水分の抽出量を最低限にとどめながらも、同様に効率的な残留性有機汚染物質の抽出が可能である。よって本発明は、底質の浄化を短時間で、大規模な装置を必要とせずに、効率よく実施するための技術として有用である。
図1は、本発明の方法を実施しうる本発明の抽出装置の一例を概略的に示す構成図である。 図2は、実施例における液固比と水分抽出率との関係をプロットしたグラフである。 図3は、実施例における液固比とPCB抽出率との関係をプロットしたグラフである。 図4は、比較例1及び2の実施に用いた、従来の流通型装置の一例を概略的に示す構成図である。
(a) 浸漬槽
(b1)、(b2)、(b3) 分離液貯留槽
(c) 分離液用流路
(d) ジメチルエーテル貯留槽
(e) 精製部
(g) ガス貯留槽
10、11、13、21、23 管
12、22、27 開口部
14 底質
15 液体状態のジメチルエーテル
16、17、24 残留性有機汚染物質を含む液体状態のジメチルエーテル
18、26 カラム
19 バルブ
〔底質、有機化合物及びジメチルエーテルについて〕
本発明の対象は、残留性有機汚染物質を含む底質である。
底質とは、河川、湖沼、港湾、海洋、水路等水域の水底の表層を意味する。底質は、生物の遺骸、不溶性塩、化学物質、砂泥、表層土類、岩盤類等の成分を含むほか、乾燥等の脱水処理を施さない限りは、水分を含む。該水不溶性成分は、侵食による運搬作用、不法投棄や廃棄により、前記水域の表層に蓄積する。上記水底からの底質の採取方法は特には限定されないが、採泥機等を用いて採取可能である。
残留性有機汚染物質(POPs)は、難分解性、高蓄積性、長距離移動性、有害性(人の健康・生態系)を持つ物質である。底質に含まれる残留性有機汚染物質は、通常、塩素原子及び/又は芳香環を含有する。残留性有機汚染物質の具体例として、ポリ塩化ビフェニル(PCB);ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF、トリ塩化ジベンゾフランTCDF)等)、ダイオキシン様ポリ塩化ビフェニル(DL−PCB)等のダイオキシン類;ベンズ[a]アントラセン、クリセン、ベンゾ[b]フルオランテン、ベンゾ[j]フルオランテン、ベンゾ[k]フルオランテン、ベンゾ[a]ピレン、ベンゾ[ghi]ペリレン、コロネン、ジベンズ[a,h]アントラセン、インデノ[1,2,3−cd]ピレン、オバレン等の多環芳香族炭化水素(PAH);ジクロロジフェニルトリクロロエタン(DDT);ヘキサクロロベンゼン(HCB);ヘキサクロロヘキサン(HCH);アルドリン、クロルデン、ディルドリン、エンドリン、ヘプタクロル、マイレックス、トキサフェン;農薬成分が挙げられる。これらの残留性有機汚染物質が含まれる底質は、通常、都市部、工業地帯等の、河川や港湾付近に多く存在する。
PCBは一般式C12(10−n)Cln(nは1〜10の整数である)で表される化学構造を有する物質の総称である。置換塩素の数によりモノクロロビフェニルからデカクロロビフェニルまでの10種類があり、置換塩素の位置によって多くの異性体が存在する。
前述したように底質は、乾燥などの脱水処理を施さない限り水分を含み、本発明においては、その目的から、水分を含む状態の底質を対象とすることが好ましい。底質の含水量(本発明に供する直前の段階における、底質全量に対する水分の割合)は、通常は25質量%以上である。また、底質に含まれる残留性有機汚染物質の含有割合は、一律に特定することは困難であるが、通常は1.0重量%以下であることが多く、ごく微量の場合もある。本発明は、底質であれば、その、含水量、残留性有機汚染物質の含有量、含有する残留性有機汚染物質の種類、その他の性状にかかわらず対象とし得る。なお、底質には残留性有機汚染物質がほとんど含まれない場合もあるが、本発明は、残留性有機汚染物質が含まれている疑いのある底質に適用され得るのであり、結果的に残留性有機汚染物質がほとんど含まれていなかったとしても差し支えない。
本発明においては、抽出溶媒としてジメチルエーテルが用いられる。ジメチルエーテルは、常温(25℃前後)及び常圧(1気圧前後)の条件下で気体状態の物質である。比重が0.67g/mLであり、水(比重1.00g/mL)よりも軽い。また毒性が低く、環境調和性も高い等、環境に配慮した抽出溶媒として優れた性質を有する。
また、ジメチルエーテルは6気圧〜7気圧の圧力で容易に液化され、水分を液化ジメチルエーテル100gあたり7g〜8g溶解する性質を有するとともに、残留性有機汚染物質もある程度溶解する性質を持つ。
ジメチルエーテルの製造方法及び製造装置は、例えば特開平11−130714号公報、特開平10−195009号公報、特開平10−195008号公報、特開平10−182535号公報から特開平10−182527号公報、特開平09−309852号から特開平09−309850号公報、特開平09−286754号公報、特開平09−173863号公報、特開平09−173848号公報、特開平09−173845号公報などに開示されている。
〔底質の処理方法について〕
本発明の処理方法は、以下の工程(A)及び(B)を含む。通常はこの順に行われる。
(A)底質を、前記底質に対する重量比率が3mL/g以上である、液体状態のジメチルエーテルに浸漬して、残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの第1の層と、前記底質中の水分及び前記残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルと、底質中の残留性有機汚染物質及び水分以外の成分からなる沈殿物とからなる第2の層とを形成させる工程
(B)前記第2の層のうち、前記底質中の水分及び残留性有機汚染物質水分を溶解している液体状態のジメチルエーテルの、少なくとも一部と、前記第1の層の少なくとも一部とを、回収する工程
工程(A)では、底質を液体状態のジメチルエーテルに浸漬して、2つの層を形成させる。
工程(A)において、底質を液体状態のジメチルエーテルに浸漬させる際の配合比は、液体状態のジメチルエーテル/底質(重量比率)として、3mL/g以上であり、好ましくは16mL/g以上であり、より好ましくは40mL/g以上である。前記配合とすることにより、浸漬により2つの層を形成させることが容易である。上限は特に限定されないが、通常は100mL/g以下である。
工程(A)における浸漬の態様は、特に限定されず、液体状態のジメチルエーテルと底質とを容器に投入し浸漬させる態様が挙げられる。浸漬は通常、液体状態のジメチルエーテルと底質とを容器に投入した容器を静置して行う。また、浸漬時にジメチルエーテルを適宜追加することも差し支えない。
工程(A)は、通常、加圧された環境下で行う。加圧された環境下で行うことにより、ジメチルエーテルの液体状態を維持することができる。加圧された環境の例としては、気密状態の容器内での実施が挙げられる。
浸漬時間は、適宜設定でき、10分以上とすることが好ましく、20分以上とすることがより好ましく、40分以上とすることが更に好ましい。
浸漬の際の温度条件は、通常0℃〜60℃である。気圧条件は、ジメチルエーテルの大部分が液体状態を維持できる気圧であることが好ましく、通常は大気圧よりも高い気圧条件であり、例えば0.25〜1.45MPaであり、好ましくは0.44〜1.14MPaである。
工程(A)においては必要に応じて、底質にあらかじめ(浸漬前に)前処理を施してもよい。前処理を行うことにより、ハンドリングを向上させることができる。前処理としては、成型処理、脱水(機械圧搾、遠心分離等)処理等が挙げられ、成型処理が好ましい。成型処理における、成型後に得られる細粒の長径は、10mm以下であることが好ましく、6mm以下であることがより好ましく、4.5mm以下であることがさらに好ましい。該長径とは成型物の径のうちもっとも長い径の、処理される底質の成型物の平均値を意味する。なお、底質の粒径は細かいので、ジメチルエーテルと底質との接触効率を高める観点からは、上記成型処理は行わないことが望ましい場合もある。
工程(A)において、底質を液体状態のジメチルエーテルに浸漬する際には、ジメチルエーテル以外の他の成分を併用してもよい。他の成分としては、例えば、常温及び常圧の条件下(例えば、25℃1気圧の条件下)で気体状態である成分が挙げられ、具体的には、エチルメチルエーテル、ホルムアルデヒド、ケテン、アセトアルデヒド、ブタン及びプロパンが例示される。これらの中でも特に、入手の容易さ(安価さ)、毒性の低さ、取り扱いにおける危険の少なさにおいて、ブタン又はプロパンが好ましい。
工程(A)において形成される2つの層のうち、第1の層には、底質中に含まれていた残留性有機汚染物質が溶解している、液体状態のジメチルエーテルが含まれる。第1の層には、水分は実質的に含まれていない。また、前記した、常温及び常圧の条件下で気体状態である成分を併用する場合には、残留性有機汚染物質を溶解している該成分も、第1の層に含まれる。
第2の層には、底質中に含まれていた水分が溶解している、液体状態のジメチルエーテルが含まれる。第2の層には、水分と残留性有機汚染物質が、液体状態のジメチルエーテルに溶解した状態で含まれている。第2の層における、水分の、液体状態のジメチルエーテルへの溶解濃度は、実質的に飽和濃度(7〜8%)付近であり、通常、6%以上8%以下である。なお、前記した、ジメチルエーテル以外の常温及び常圧の条件下で気体状態である成分を併用する場合には、前記水分及び残留性有機汚染物質を溶解している該成分も、第2の層に含まれる。
第2の層の、通常は下層には、底質中に含まれていた、残留性有機汚染物質及び水分以外の成分(液体状態のジメチルエーテル及び水分に不溶性の成分)の沈殿物が堆積する。該沈殿物は第2の層の一部である。ここで残留性有機汚染物質及び水分以外の成分としては、例えば、生物の遺骸、不溶性塩、有機化合物以外の化学物質、砂泥、表層土類、岩盤類等)が挙げられる。
第1の層及び第2の層は、通常は、液体状態のジメチルエーテル及び底質を浸漬させた容器の鉛直上方からこの順に堆積する。第1の層及び第2の層の容積比、及び第2の層の容積に占める沈殿物の容積比は、底質の成分、底質及びジメチルエーテルの容器への充填方法などの要因により左右され、一義的には特定できないが、例を示すと以下の通りである。第2の層の第1の層に対する容積比は、抽出効率の観点からは大きいほうが望ましいが、装置の規模の観点からは、通常は1/2以下であり、好ましくは1/5以下である。第2の層の容積に占める沈殿物の容積比は、抽出効率の観点からは大きいほうが望ましく、通常は1/10以上であり、好ましくは7/10以上である。上記の容積比は、例えば容器(円筒状又は筒状の容器)内における、各層及び沈殿物が占める高さを測定して算出が可能である。
工程(A)における2つの層の形成の作用は、通常は以下の通りである。底質とジメチルエーテルとを接触させると、残留性有機汚染物質と水分とがジメチルエーテルに溶解する。残留性有機汚染物質はジメチルエーテル全体に実質的に均一に溶解する。水分は、底質の周囲により近いジメチルエーテルに溶解し、その結果該ジメチルエーテルの水分含有濃度が飽和濃度(7〜8重量%)に達し、それ以上は底質からは水分が溶け出さなくなる(第2の層が形成される)。第1の層に水分が移行しない理由は、水分を含有するジメチルエーテルは、水分を含有していないジメチルエーテルと比較して重いため、下方に蓄積するためである。
工程(B)では、前記工程(A)で得られる第2の層のうち、底質中の水分及び残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの、少なくとも一部と、前記第1の層の少なくとも一部とを回収する。言い換えると、工程(B)では、工程(A)において得られる、水分及び残留性有機汚染物質を溶解している、液体状態のジメチルエーテルの少なくとも一部を回収する。さらに言い換えると、工程(B)では、工程(A)における沈殿物以外の成分の少なくとも一部を回収する。
効率的な処理の観点からは、好ましくは、第2の層のうち前記沈殿物以外の実質的に全部と第1の層の実質的に全部を回収する。前記沈殿物が回収されてもよいが、その回収量は少量であることが好ましい。
工程(B)における回収においては、第2の層のうち、底質中の水分及び残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの、少なくとも一部と、前記第1の層の少なくとも一部とが、通常はこの順序に回収される。回収方法は、特に限定されない。例えば、工程(A)終了後の容器内部にガスを圧入して各層を順次押し出す方法、及び、該容器に接続された(常設でも取り外し可能な接続でもよい)管からポンプ等で流出させる方法を挙げ得る。回収の際には、第2の層中の沈殿物が同時に回収されることを防ぐため、フィルター等を利用してもよい。
工程(B)において回収された、回収物は、工程(A)を行った容器とは別の任意の容器(例えば分離液貯留槽)に格納され得る。第2の層由来の回収物(第2の層のうち底質中の水分及び残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの少なくとも一部)と、第1の層由来の回収物(第1の層の少なくとも一部)とを区別して格納(例えば2つの分離液貯留槽を用意し、それぞれに格納する)されてもよいし、区別されずに保管(例えば共通の分離液貯留槽に順次格納する)されてもよい。
工程(B)においては、回収の間、ジメチルエーテルを液体状態に維持することが、底質からの残留性有機汚染物質の抽出を効率よく行う観点から、好ましい。
本発明においては上記工程(A)及び(B)を少なくとも1回行うが、2回以上繰り返し行ってもよい。すなわち、工程(C):工程(A)における浸漬を、前記工程(B)における回収後の残部に、該残部中の底質に対する液体状態のジメチルエーテルの重量比率が3mL/g以上となるように、液体状態のジメチルエーテルを追加して行うほかは、工程(A)と同様に行う工程、を行うことが好ましい。工程(C)は、少なくとも1回又は2回以上行われ得るが、2回以上行うと、浸漬時間が短時間でも十分な浄化が可能となるので、好ましい。
本発明においては、さらに工程(D)を行ってもよい。工程(D)では、工程(B)において回収された液体状態のジメチルエーテルを気化させる。
工程(D)における気化は、工程(B)において回収される、第2の層に由来する回収物中の液体状態のジメチルエーテル、及び第1の層に由来する回収物中の液体状態のジメチルエーテルの、それぞれについて別個に行ってもよいし、区別せずに行ってもよい。前者の場合には、第1の層に由来する回収物からは、残留性有機汚染物質を、水が実質的に含まれない状態で回収され得る。
なお、工程(A)と(B)とを2回以上繰り返して行う(工程(C)を行う)場合の、工程(D)の態様は、各工程(B)で得られる回収物中の液体状態のジメチルエーテルについて、その都度行う態様、或いは、各工程(B)で得られる回収物中の液体状態のジメチルエーテルを集めて、ある程度の量を一度に行う態様、のいずれであってもよい。
気化の具体的操作は特に限定されないが、例えば、工程(2)において第1の層を収容する容器として気密状態の容器を用い、該容器の上部から排気し、圧力を解放して大気圧まで減圧する操作が挙げられる。
気化後に得られる気体状態のジメチルエーテルは、更に精製されてもよい。精製は、カラム等を用いて行われ得る。
ジメチルエーテルを気化させる際に、気体により系外になされる仕事を膨張機等により回収し、エネルギーとして他の操作に活用してもよい。他の操作としては例えば、例えば工程(A)や工程(B)において、ジメチルエーテルを液体状態に保つためのエネルギーが挙げられる。
工程(D)を行うことにより残留性有機汚染物質及び水分が分離される。分離される水分の量は、従来の連続式の方法と比較して少量である。残留性有機汚染物質は、少量である水の除去を行った後、或いは水の除去を省略して直接、公知の処理法等により容易に分解される。公知の処理法としては、例えば残留性有機汚染物質がPCBの場合には、脱塩素化分解法、水熱酸化分解法、還元熱化学分解法、光分解法及びプラズマ分解法が例示される。
工程(D)を行う場合には、工程(E)を行ってもよい。工程(E)では、工程(D)において気化した、気体状態のジメチルエーテルを液化して、前記工程(A)において再利用可能とする。
工程(E)を含むことにより、ジメチルエーテルまたはジメチルエーテルを含む混合物の再利用が可能であり、抽出を極めて効率に行うことができると共に、廃棄物を減らし環境への配慮も図ることができる。
工程(E)のジメチルエーテルの液化においては、工程(D)において回収されたエネルギーを利用できる。これにより、本発明の方法をさらにより高効率で行うことができるので好ましい。
本発明の処理方法を実施することにより、残留性有機汚染物質を含む底質に含まれる水分の抽出量を最小限に留めることができるので、残留性有機汚染物質の効率的な廃棄を行うことができる。よって本発明の除去方法は、底質の処理、底質中の有害物質の処理にも用いることができる。
(抽出装置)
本発明の抽出装置は、以下の(a)〜(c)を備える。
(a)底質を、前記底質に対する重量比率が3mL/g以上である、液体状態のジメチルエーテルに浸漬して、残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの第1の層と、前記底質中の水分及び前記残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルと、底質中の残留性有機汚染物質及び水分以外の成分からなる沈殿物とからなる第2の層と、を形成させる浸漬槽
(b)前記第2の層のうち、前記底質中の水分及び残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの、少なくとも一部と、前記第1の層の少なくとも一部とを収容する分離液貯留槽
(c)前記浸漬槽及び前記分離液貯留槽間を連通し、前記浸漬槽の下方部と接続する分離液用流路
浸漬槽(a)は、底質を、前記底質に対する重量比率が3mL/g以上である、液体状態のジメチルエーテルに浸漬して、残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの第1の層と、前記底質中の水分及び前記残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルと底質中の残留性有機汚染物質及び水分以外の成分からなる沈殿物とからなる第2の層と、を形成させる槽である。すなわち、浸漬槽(a)では前述の処理方法における工程(A)が実施される。浸漬槽(a)は、液体を収容できる容器であればよいが、ジメチルエーテルの液体状態を維持できる容器であることが好ましく、容器内部の圧力条件を高圧条件に保持できる容器であることがさらに好ましい。例えば、バルブやポンプを備える管を備える密閉容器が挙げられる。浸漬槽(a)には、後述する分離液用流路(c)のほかにも1又は2以上の流路が接続されていてもよい。係る流路としては、槽内にジメチルエーテルや底質を供給するための流路(流路の形状ではなく開口部の形状であってもよい)が挙げられる。
分離液貯留槽(b)は、第2の層のうち、前記底質中の水分及び残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの、少なくとも一部と、前記第1の層の少なくとも一部とを収容する槽である。すなわち、工程(B)において回収された回収物が収容される槽である。分離液貯留槽(b)は、槽内の圧力制御の可能な槽であることが好ましい。分離液貯留槽(b)としては、例えば、バルブ、ポンプ、管を備える密閉容器が挙げられる。
分離液貯留槽(c)には、後述する分離液用流路(c)のほかにも1又は2以上の流路が接続されていてもよい。係る流路としては、分離液貯留槽(c)からジメチルエーテルを排出するための流路(流路の形状ではなく開口部の形状であってもよい)が挙げられる。分離液貯留槽(c)は1個であってもよいし、2個以上であってもよい。2個以上であることにより、浸漬槽(a)から回収された回収物を、第1の層由来の回収物と第2の層由来の回収物とに分離することができるほか、浸漬槽(a)において浸漬を2回以上繰り返した場合に、それぞれの浸漬の結果回収される回収物を個別に収容することができる。
分離液用流路(c)は、浸漬槽(a)及び分離液貯留槽(b)間を連通する流路である。分離液用流路(c)は、前述の処理方法における工程(A)終了後に、第1の層のうち、底質中の水分及び残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの、少なくとも一部と、第2の層の少なくとも一部とを、分離液貯留槽(b)へ流出させるための流路である。分離液用流路(c)の浸漬槽(a)との接続部は、浸漬槽(a)の下方部であることにより、浸漬槽(a)における水分の抽出量を最低限に抑え効率的に行われ得る。下方部とは、鉛直方向を基準として下方を意味し、通常は、槽の底面及び底面付近の側面(例えば側面のうち、底面から2〜3cmの間の領域)を意味し、底面であることが好ましい。分離液用流路(c)は、管内の流通を制御するためのバルブやポンプを備え得る。
本発明の装置は、上記(a)〜(c)以外の構成要素を含んでいてもよい。係る構成要素としては、浸漬槽(a)に供給される液体状態のジメチルエーテルを貯留するジメチルエーテル貯留槽(d)、気化されたジメチルエーテルを精製する精製部(フィルター、カラム等)(e)、各槽や精製部を接続する管、管に備えられるバルブやポンプ、ガス(例えば窒素ガス等)貯留槽、バルブ、圧力計ならびに、各槽の圧力及び温度を制御する制御部等が例示される。
本発明の抽出装置の実施形態を、図1を参照して示す。
図1は、抽出装置の一例を概略的に示す構成図である。図1に示す装置は、浸漬槽(a)、分離液貯留槽(b1)及び(b2)、並びに分離液用流路(c)を有する。図1に示す装置は、さらに液体状態のジメチルエーテル貯留槽(d)、精製部(e)、ガス貯留槽(g)、管、バルブ及び圧力計も備える。
図1に示す装置を用いて抽出を行う際の手順の第1の例を説明すると以下の通りである。本例は、浸漬槽(a)での浸漬の結果得られる回収物をまとめて分離液貯留槽(b1)に回収する例である。
底質14が、浸漬槽(a)に導入される。次に、バルブ19a、19b及び19cが開かれ、ガス貯留槽(g)から窒素ガス(N2ガス)による圧力がジメチルエーテル貯留槽(d)にかかり、液体状態のジメチルエーテル貯留槽(d)中の液体状態のジメチルエーテルが押し出され(約0.7MPa程度)、管11を介して浸漬槽(a)に流入する。バルブ19a、19b及び19cが閉じられ、浸漬槽(a)内で、底質14の液体状態のジメチルエーテル15への浸漬が行われ、2層が形成される。この際バルブ19dは閉じられている。
続いてバルブ19c、19d及び19eが開かれて、ガス貯留槽(g)から窒素ガスが管10を介して系内に供給され、浸漬槽(a)内に形成された2つの層のうちの第1の層中、前記底質中の水分及び残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの、少なくとも一部と、前記第2の層の少なくとも一部とが、浸漬槽(a)底部の開口部12から分離液用流路(c)を介して分離液貯留槽(b1)に送液される。浸漬槽(a)中の液体状態のジメチルエーテルの実質的に全量が、分離液貯留槽(b1)へ送液された後、バルブ19c、19d及び19eが閉じられて浸漬槽(a)へのガス供給が停止し、液体の移動が停止する。この際、少なくともバルブ19f、19g、19h、19i及び19jは閉じられている。次に、分離液貯留槽(b1)内を、バルブ19f、19h、19i及び19jが開かれて減圧し大気圧に近づける(例えば0.6MPaから0.1MPaへの減圧)ことにより、分離液貯留槽(b1)内のジメチルエーテル16が気化し、気体状態のジメチルエーテルは管13を介して精製部(e)へ送出され、精製部に充填されたカラム18内を通過することにより、純度の高い気体状態のジメチルエーテルが得られる。
図1に示す装置を用いて抽出を行う際の手順の、第2の例を説明する。本例は、浸漬槽(a)での浸漬の結果得られる回収物を、2層のそれぞれに由来する回収物ごとに、それぞれ分離液貯留槽(b1)及び(b2)に回収する例である。浸漬槽(a)内で2層が形成されるまでは上記第1の例と同様であるので省略し、その後の手順を以下説明する。
バルブ19c、19d及び19eが開かれて、ガス貯留槽(g)から窒素ガスが管10内に供給され、浸漬槽(a)内に形成された2つの層のうちの第2の層中、前記底質中の水分及び残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルが、浸漬槽(a)底部の開口部12から分離液用流路(c)を介して分離液貯留槽(b1)に送液される。浸漬槽(a)中の第2の層中の液体状態のジメチルエーテルの実質的に全量が、分離液貯留槽(b1)へ送液された後、バルブ19eが閉じられて浸漬槽(a)及び分離液貯液層(b1)へのガス供給が停止し、液体の移動が停止する。この際、少なくともバルブ19f、19g、19h、19i及び19jは閉じられている。
続いてバルブ19gが開かれると、再びガス供給が再開し、浸漬槽(a)内に形成された第1の層が、浸漬槽(a)底部の開口部12から分離液用流路(c)を介して分離液貯留槽(b2)に送液される。浸漬槽(a)中の第2の層中の液体状態のジメチルエーテルの実質的に全量が、分離液貯留槽(b2)へ送液された後、バルブ19c、19d及び19gが閉じられて浸漬槽(a)及び分離液貯液層(b2)へのガス供給が停止し、液体の移動が停止する。この際少なくともバルブ19k及び19lは閉じられている。
分離液貯留槽(b1)及び(b2)内を、バルブを開くことにより減圧して大気圧に近づける(例えば0.6MPaから0.1MPaへの減圧)ことにより、分離液貯留槽(b1)及び(b2)内のジメチルエーテル16及び17が気化する。分離液貯留槽(b1)内のジメチルエーテル16は、バルブ19f、19h、19i及び19jが開かれ、管13を介して精製部(e)へ送出される。精製部に充填されたカラム18内を通過することにより、純度の高い気体状態のジメチルエーテルとして得られる。分離液貯留槽(b2)内のジメチルエーテル17は、バルブ19k、19l、19i及び19jが開かれることにより管13を介して精製部(e)へ送出される。精製部に充填されたカラム18内を通過することにより、純度の高い気体状態のジメチルエーテルとして得られる。
図1に示す装置を用いて抽出を行う際の手順の、第3の例を説明する。本例は、浸漬槽(a)での浸漬を2回行う例(上述の処理方法において、工程(C)を行う例)である。(1回目の浸漬及び分離が行われるまでは上記第1の例と同様であるので省略し、2回目の浸漬及び分離の手順を以下説明する。)
バルブ19c、19d及び19gが開かれて、ガス貯留槽(g)から窒素ガスが管10を介して系内に供給され、浸漬槽(a)内に形成された2つの層のうちの第1の層中、前記底質中の水分及び残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの、少なくとも一部と、前記第2の層の少なくとも一部とが、浸漬槽(a)底部の開口部12から分離液用流路(c)を介して分離液貯留槽(b2)に送液される。浸漬槽(a)中の液体状態のジメチルエーテルの実質的に全量が、分離液貯留槽(b2)へ送液された後、バルブ19c、19d及び19gが閉じられて浸漬槽(a)及び分離液貯液層(b2)へのガス供給が停止し、液体の移動が停止する。分離液貯留槽(b2)内を、バルブの開閉により減圧(例えば0.6MPaから0.1MPaへの減圧)することにより、分離液貯留槽(b2)内のジメチルエーテル17が気化する。バルブ19k、19l、19i及び19jが開かれ、気体状態のジメチルエーテルは管13を介して精製部(e)へ送出され、精製部に充填されたカラム18内を通過することにより、純度の高い気体状態のジメチルエーテルが得られる。この際、少なくともバルブ19f及び19hは閉じられている。
なお、3回以上の抽出を行う場合には、奇数回目の抽出においては1回目と同様の手順を、偶数回目の抽出においては2回目と同様の手順を行えばよい。
なお図1に示す構成要素は特許請求の範囲及びその均等の範囲において適宜変更可能である。
以下において、実施例を参照して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1〜3
図1に概略的に示す抽出装置を用い、底質からの、残留性汚染物質のひとつであるPCBの抽出を行った。
図1中、液体状態のジメチルエーテル貯留槽(d)の容量は500mLであった。浸漬槽(a)は円筒状であり、サイズは底面直径26.5mm×高さ150mmであった。分離液貯留槽(b1)及び(b2)の容量はそれぞれ96mLであった。精製部(e)は直径11.6×190mmであり、カラムは塩化カルシウム(ナカライテスク製特級)5.0gと活性炭(武田薬品工業製、白鷺C2c、20〜48Mesh)1.0gを混合したものを備えていた。なお、試験中の温度条件は、20〜25℃(常温)であった。
サンプルである底質は、正連寺川(大阪府)の川床からボーリングマシンによって、コアサンプルとして採取した底質のうち深さ5mの部分に相当する。底質中のPCBs濃度は13.4mg/kg(底質の乾燥重量あたり)であった。底質は、ホモジナイズし、粒径6mmの細粒に成型した後、5.0g分を浸漬槽(a)に充填した。バルブ19a、19b及び19cが開けられ、ガス貯留槽(g)から窒素ガスによる圧が、液体状態のジメチルエーテル貯留槽(d)にかかり、液体状態のジメチルエーテル82mLが、管11を介して浸漬槽(a)に圧入(約0.7MPa程度)された。バルブ19a、19b及び19cが閉じられ、この状態で、10分間(実施例1−1)、20分間(実施例2−1)、40分間(実施例3−1)、浸漬を行った(1回目の抽出)。浸漬終了後、バルブ19c、19d及び19eが開けられ、ガス貯留槽(g)から、窒素ガスによる圧力が、管10を介して系内にかかり、液体状態のジメチルエーテル(第一の層、第二の層ともに)82mLが浸漬槽(a)から分離液用流路(c)を介して分離液貯留槽(b1)へ送られ、その後上記バルブは閉じられた。分離液貯留槽(b1)は、当初の圧力が0.6MPaに調整されていたが、バルブ19f、19h、19i及び19jが開かれ、液体状態のジメチルエーテル送入後60分間で0.1MPaまで減圧され、ジメチルエーテルが気化され、得られた気体状態のジメチルエーテルは、管を介して精製部(e)へ送出された。精製部(e)では気体のジメチルエーテルを塩化カルシウム(ナカライテスク製特級)5.0gと活性炭(武田薬品工業製、白鷺C2c、20〜48Mesh)1.0gの混合物を充填したカラムに通過させることで精製が行われた。精製部(e)から排出された気化ジメチルエーテルの純度は、ほぼ100%であった。
さらに浸漬槽(a)中に残っているサンプルに対し、上記1回目の抽出と同様に、液体状態のジメチルエーテル貯留槽(d)からジメチルエーテルを補充し、10分間(実施例1−2)、20分間(実施例2−2)、40分間(実施例3−2)、浸漬を行った(2回目の抽出)。浸漬終了後、バルブ19c、19d及び19gが開けられ、ガス貯留槽(g)から、窒素ガスによる圧力が、管10を介して系内にかかり、液体状態のジメチルエーテル(第一の層、第二の層ともに)82mLが浸漬槽(a)から分離液用流路(c)を介して分離液貯留槽(b2)へ送られ、その後上記バルブは閉じられた。分離液貯留槽(b2)は、当初の圧力が0.6MPaに調整されていたが、バルブ19k、19l、19i及び19jが開かれ、液体状態のジメチルエーテル送入後60分間で0.1MPaまで減圧され、ジメチルエーテルが気化され、得られた気体状態のジメチルエーテルは、管を介して精製部(e)へ送出された。精製部(e)では気体のジメチルエーテルを塩化カルシウム(ナカライテスク製特級)5.0gと活性炭(武田薬品工業製、白鷺C2c、20〜48Mesh)1.0gの混合物を充填したカラムに通過させることで精製が行われた。精製部(e)から排出された気化ジメチルエーテルの純度は、ほぼ100%であった。
さらに浸漬槽(a)中に残っているサンプルに対し、上記1回目の抽出と同様に、液体状態のジメチルエーテル貯留槽(d)からジメチルエーテルを補充し、10分間(実施例1−3)、20分間(実施例2−3)浸漬を行った。(3回目の抽出)浸漬終了後、バルブ19c、19d及び19eが開けられ、ガス貯留槽(g)から、窒素ガスによる圧力が、管10を介して系内にかかり、液体状態のジメチルエーテル(第一の層、第二の層ともに)82mLが浸漬槽(a)から分離液用流路(c)を介して分離液貯留槽(b1)へ送られ、その後上記バルブは閉じられた。分離液貯留槽(b1)は、当初の圧力が0.6MPaに調整されていたが、バルブ19f、19h、19i及び19jが開かれ、液体状態のジメチルエーテル送入後60分間で0.1MPaまで減圧され、ジメチルエーテルが気化され、得られた気体状態のジメチルエーテルは、管を介して精製部(e)へ送出された。精製部(e)では気体のジメチルエーテルを塩化カルシウム(ナカライテスク製特級)5.0gと活性炭(武田薬品工業製、白鷺C2c、20〜48Mesh)1.0gの混合物充填したカラムに通過させることで精製が行われた。精製部(e)から排出された気化ジメチルエーテルの純度は、ほぼ100%であった。
さらに浸漬槽(a)中に残っているサンプルに対し、上記1回目の抽出と同様に、液体状態のジメチルエーテル貯留槽(d)からジメチルエーテルを補充し、10分間(実施例1−4)浸漬を行った。(4回目の抽出)浸漬終了後、バルブ19c、19d及び19gが開けられ、ガス貯留槽(g)から、窒素ガスによる圧力が、管10を介して系内にかかり、液体状態のジメチルエーテル82mLが浸漬槽(a)から分離液用流路(c)を介して分離液貯留槽(b2)へ送られ、その後上記バルブは閉じられた。分離液貯留槽(b2)は、当初の圧力が0.6MPaに調整されていたが、バルブ19k、19l、19i及び19jが開かれ、液体状態のジメチルエーテル送入後60分間で0.1MPaまで減圧され、ジメチルエーテルが気化され、得られた気体状態のジメチルエーテルは、管を介して精製部(e)へ送出された。精製部(e)では気体のジメチルエーテルを塩化カルシウム(ナカライテスク製特級)5.0gと活性炭(武田薬品工業製、白鷺C2c、20〜48Mesh)1.0gの混合物を充填したカラムに通過させることで精製が行われた。精製部(e)から排出された気化ジメチルエーテルの純度は、ほぼ100%であった。
各実施例の、各回の抽出分について、水分抽出率、PCB抽出率と液固比を、以下のようにして測定した。
水分抽出率(%)の測定は、実験前の底質の含水率とジメチルエーテルによる処理後の底質の含水率から抽出された水分量を求め、実験前の底質の含水率から求めた最初底質中の水分量に対する抽出された水分量の割合として求めた。含水率の測定は、底質調査方法(環境省)の乾燥減量の方法に準じて行った。
PCB抽出率(%)の測定は、実験前の底質中PCB量とジメチルエーテルによる処理後の底質中PCB量から求めた。底質中PCBの測定は底質調査方法(環境庁、昭和63年環水管第127号)に準じて行った。
液固比(mL/g)の算出は、浸漬槽に充填した底質が5.00gであり、それに対して、実験を通じて、流通させた液化ジメチルエーテルの総量により求めた。液化ジメチルエーテルの総量は、実験後、貯留層に溜まった水+ジメチルエーテルの重さを測定すること、ジメチルエーテル貯留槽の実験前後での重量を測定し、その減少分を求めることの双方により求めた。なお、双方の値はほとんど一致した。
液固比と水分抽出率の関係を、図2に示した。また、液固比とPCB抽出率の関係を、図3に示した。なお、図2及び図3中の添字は、実施例1〜3(回分式)における抽出の繰り返し数mを示し、実施例1−mとして本文中に記載した。
比較例1
流通式の装置(図4)を用いて、液体状態のジメチルエーテルを所定の液固比で、底質に、線速度0.396mm/秒で接触させたほかは、基本的に実施例1と同様に行った。図4の装置は、抽出槽(f)、ガス貯留槽(g)、分離液貯留槽(b3)、液体状態のジメチルエーテル貯留槽(d)及び精製部(e)を備える。図4の装置を用いて抽出を行う際の手順は以下の通りである。底質14が、抽出槽(f)にあらかじめ導入される。バルブ19m、19n、19o、19p、19qが開かれ、ガス貯留槽(g)から管10を介して窒素ガス(N2ガス)が系内に供給され、ガスの圧力により液体状態のジメチルエーテル貯留槽(d)から、液体状態のジメチルエーテル15が、管21を介して下部の開口部27より抽出槽(f)に上記線速度で連続的に送液される。抽出槽(f)を通過した液体状態のジメチルエーテルは、上部の開口部22に接続された管23を介して分離液貯留槽(b3)に送液される。上記バルブが閉じられ、分離液貯留槽(b3)内が、実施例1と同様に、バルブ19r、19s及び19tが開かれることで、減圧され、分離液貯留槽(b3)内の、水分や、残留性有機汚染物質を含む液体状態のジメチルエーテル24のうち、ほぼジメチルエーテルのみが気化する。気体状態のジメチルエーテルは管25を介して精製部(e)へ送出され、精製部に充填されたカラム26内を通過して、気体状態のジメチルエーテルを得る。
比較例1における水分抽出率の結果を図2に、PCB抽出率の結果を図3に示した。なお、図1の回分式の装置での、液体状態のジメチルエーテルの平均的な線速度を、浸漬時間、断面積、液固比及び底質充填量から便宜的に求めると0.062〜0.248mm/秒である。
比較例2
線速度0.132mm/秒としたほかは、基本的に比較例1と同様に行った場合の、水分抽出率の結果を図2に、PCB抽出率の結果を図3に示した。なお、図1の回分式の装置での、液体状態のジメチルエーテルの平均的な線速度を、浸漬時間、断面積、液固比及び底質充填量から便宜的に求めると0.062〜0.248mm/秒である。
図2及び図3から、本発明の処理方法によれば、流通式に比べて、底質から、水分の抽出を低くおさえつつ、PCBは流通式と同等に効率的に抽出して、PCBを除去できることが明らかであり、抽出されたPCBの水分中濃度を高く保つことができる。また、浸漬時間が長いほど、また抽出操作を繰り返すほど、抽出効率を上げることができることも明らかである。また、かかる処理方法は、本発明の抽出装置を用いることにより効率よく実施できることも明らかである。

Claims (8)

  1. 以下の工程(A)及び(B)を含む、残留性有機汚染物質を含有する底質の処理方法。
    (A)底質を、前記底質に対する重量比率が3mL/g以上である、液体状態のジメチルエーテルに浸漬して、前記残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの第1の層と、前記底質中の水分及び前記残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルと、前記底質中の残留性有機汚染物質及び水分以外の成分からなる沈殿物とからなる第2の層とを形成させる工程
    (B)前記第2の層のうち、前記底質中の水分及び残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの、少なくとも一部と、前記第1の層の少なくとも一部とを、回収する工程
  2. 前記工程(A)において、浸漬時間は10分以上である、請求項1に記載の処理方法。
  3. 前記工程(A)において、前記底質は、浸漬に先立ち、長径10mm以下の細粒に成型処理される、請求項1または2に記載の処理方法。
  4. さらに、以下の工程(C)を含み、工程(C)を1回又は2回以上行う、請求項1〜3のいずれか1項に記載の処理方法。
    (C)前記工程(A)における浸漬を、前記工程(B)における回収後の残部に、該残部中の底質に対する液体状態のジメチルエーテルの重量比率が3mL/g以上となるように、液体状態のジメチルエーテルを追加して行うほかは、工程(A)と同様に行い、続けて工程(B)を行う工程
  5. さらに、以下の工程(D)を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の処理方法。
    (D)前記工程(B)において回収された液体状態のジメチルエーテルを気化させる工程
  6. さらに、以下の工程(E)を含む、請求項5に記載の処理方法。
    (E)前記工程(D)において気化した、気体状態のジメチルエーテルを液化して、前記工程(A)において再利用可能とする工程
  7. 以下の(a)〜(c)を備える、残留性有機汚染物質を含有する底質の処理装置。
    (a)底質を、前記底質に対する重量比率が3mL/g以上である、液体状態のジメチルエーテルに浸漬して、前記残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの第1の層と、前記底質中の水分及び前記残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルと、前記底質中の残留性有機汚染物質及び水分以外の成分からなる沈殿物とからなる第2の層とを形成させる浸漬槽
    (b)前記第2の層のうち、前記底質中の水分及び残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの、少なくとも一部と、前記第1の層の少なくとも一部とを収容する分離液貯留槽
    (c)前記浸漬槽及び前記分離液貯留槽間を連通し、前記浸漬槽の下方部と接続する分離液用流路
  8. 以下の工程(A)及び(B)を含む、底質から残留性有機汚染物質を抽出する方法。
    (A)底質を、前記底質に対する重量比率が3mL/g以上である、液体状態のジメチルエーテルに浸漬して、前記残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの第1の層と、前記底質中の水分及び前記残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルと前記底質中の残留性有機汚染物質及び水分以外の成分からなる沈殿物とからなる第2の層とを形成させる工程
    (B)前記第2の層のうち、前記底質中の水分及び残留性有機汚染物質を溶解している液体状態のジメチルエーテルの、少なくとも一部と、前記第1の層の少なくとも一部とを、回収する工程
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