JP5607884B2 - 含水物質の処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、含水物質の処理方法に関し、詳しくは常温常圧の条件下で気体である物質の気体の液化−気化現象を利用して含水物質を効率よく処理し再利用を実現することのできる処理方法、および前記方法の実施に好適な処理装置に関する。
従来様々な含水物質が知られているが、その再利用や品質向上の観点から、含水物質の処理方法が種々開発されている。
例えば、下水道から発生する下水汚泥の処理方法としては、焼却して焼却灰を埋立て処分するのが一般的であった。しかし、焼却に当たっては下水汚泥中の多量の水分を濃縮処理、脱水処理、乾燥処理を適宜組み合わせた前処理を行う必要があり、処理が困難であった。また、下水汚泥は大量に排出されるものであるのに対し、埋立地の確保には限界があることから、再利用のための技術も望まれていた。
一方、脱水技術の一つとして、油中改質法(例えば特開2000−290673号公報(特許文献1)参照)では、水分含有固体として石炭を想定し、油中スラリー化した水分含有固体を150℃以上で加熱処理することで水分含有固体水分を蒸発させる。操作温度では殆ど蒸発しない液体状の油を加熱媒体とすることで、水だけが選択的に蒸発するため、水蒸気が希釈されることはなく、水蒸気が有する蒸発潜熱の密度は低下しない。このため、油中改質法では、水蒸気が有する蒸発潜熱を効率的に回収可能だと思われる。とりわけ、石炭の脱水に関しては、既存の手法のうち、油中改質法の所要エネルギーが最も小さいと考えられている。しかしながら、油中改質法では、水よりも沸点が高い油を石炭と分離(脱油)するために、遠心分離や150℃を上回る温度での加熱操作が必要であるので、脱油工程での消費エネルギーが脱水工程での消費エネルギーを上回り、未だ本格的な商業運転は為されていない。
特開2000−290673号公報
本発明の目的は、含水物質を効率よく処理することができ、かつ、処理後資源として再利用を可能とするための手段を提供することにある。
本発明者らは上述の目的に鑑みて検討を重ねた結果、常温常圧の条件下で気体である物質が、その性質上、過酷な条件を設定せずとも容易に気化して液体(液化物)から気体へと変換させることができることに着目した。そして試行錯誤の結果、複数の工程に従って前記物質を下水汚泥に作用させることにより、下水汚泥中の様々な成分を抽出し分離することができること、分離された物質は資源として利用可能な程度まで単一成分化されていること、さらに、含水物質であれば下水汚泥に限定されず石炭など広く様々な種類の物質に適用できることを見出し、本発明に至った。
本発明は、以下の発明を提供するものである。
〔1〕 下記工程を含むことを特徴とする、含水物質の処理方法。
(A)常温常圧の条件下で気体である物質を液体として含水物質に接触させる接触工程
(B)液層を得る前記(A)工程後の処理物を固液分離する固液分離工程
(C)前記(B)工程により得られる液層から、前記常温常圧の条件下で気体である物質の少なくとも一部を気体として抽出する気化抽出工程
(D)前記(C)工程後の液層を液液分離し、下層を採取する液液分離工程
〔2〕 前記常温常圧の条件下で気体である物質は、25℃および1気圧において気体である物質であることを特徴とする〔1〕に記載の処理方法。
〔3〕 前記常温常圧の条件下で気体である物質は、ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ホルムアルデヒド、ケテン、アセトアルデヒド、ブタン、およびプロパンから選ばれる1種または2種以上の混合物であることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の処理方法。
〔4〕 さらに、(E)前記工程(D)の上層について、前記常温常圧の条件下で気体である物質の少なくとも一部を気体として抽出する気化抽出工程を含むことを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の処理方法。
〔5〕 さらに、(F)前記工程(C)において気化され分離された常温常圧の条件下で気体である物質の気体を回収し、該気体を液化させて液化物を得る液化工程を含むことを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の処理方法。
〔6〕 さらに、(F´)前記工程(C)および/または(E)において気化され分離された常温常圧の条件下で気体である物質の気体を回収し、該気体を液化させて液化物を得る液化工程を含むことを特徴とする〔4〕に記載の処理方法。
〔7〕 前記工程(A)において、常温常圧の条件下で気体である物質の液体と含水物質とを重量比233:1〜233:50で接触させることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の処理方法。
〔8〕 前記工程(A)において、400〜1000rpmの撹拌を行うことを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれか一項に記載の処理方法。
〔9〕 常温常圧の条件下で気体である物質を液体として含水物質に接触させる接触槽と、
前記接触槽において接触させた、前記物質の液体と含水物質との混合物を固液分離させる固液分離槽と、
分離後の液層から前記常温常圧の条件下で気体である物質の少なくとも一部を気体として抽出する濃縮器と、
前記固液分離後の液層を液液分離する液液分離器とを少なくとも備えることを特徴とする含水物質の処理装置。
〔10〕 さらに、前記液液分離器において分離された液層中の前記常温常圧の条件下で気体である物質の少なくとも一部を気体として抽出する蒸発器を備えること特徴とする〔9〕に記載の処理装置。
〔11〕 さらに、常温常圧の条件下で気体である物質の気体を加圧する圧縮機を備えること特徴とする〔9〕または〔10〕に記載の処理装置。
本発明によれば、含水物質を効率よく処理することができ、かつ、処理後資源としての再利用を可能とするための手段が提供される。特に、本発明によれば、下水汚泥中の汚泥成分を、常温常圧の条件下で気体である物質を利用して温和な条件で効率よく処理することができる。処理後には清浄な水を得ることができ、必要に応じて更に精製処理を行った後で、飲料水、工業用水、農業用水等の各種用途に再利用することができる。また、処理後の脱水汚泥は、水分を除去した分減量され運搬が容易となるほか、廃棄の際の焼却の際の前処理を省略または簡易化することができるので、廃棄の際の労力およびコストの削減を図ることができると共に資源保護の点で好ましいものとなる。更に、本発明は広く様々な種類の、様々な水分含量の含水物質に一律に適用することができ、例えば石炭の脱水に応用すれば、高品質の石炭を効率よく得ることができる。
図1は、本発明の処理装置の例である脱水装置1を概念的に示した図である。 図2は、本発明の処理装置の例である脱水装置2を概念的に示した図である。 図3は、本発明の処理装置の例である脱水装置3を概念的に示した図である。 図4は、本発明の処理装置の具体例を模式的に示す図である。
符号の説明
11 接触槽
12 固液分離槽
13 濃縮器
14 液液分離器
15 蒸発器
16、16A、16B、16C 圧縮機
17A、17B、17C 熱交換器
18 減圧弁
21 バッファタンク
22 圧搾機
23 ジメチルエーテル(DME)除去器
31 液化DME供給部
32 液化DME
33 下水汚泥供給部
34 下水汚泥
35 処理物
36 固層
37 液層
38 気体
39 液体
40 下層
41 上層
42 気体
43 液体
44 液化DME
本発明の含水物質の処理方法は、下記の工程(A)、(B)、(C)および(D)を含むことを特徴とする。
(A)接触工程では、常温常圧の条件下で気体である物質を液体として含水物質に接触させる。
常温常圧の条件下で気体である物質とは、常温かつ常圧の範囲内に含まれる任意の温度および圧力条件下において少なくとも気体状態で存在する物質を意味する。すなわち、常温かつ常圧の範囲内に含まれる温度Aおよび圧力Bの条件下において気体状態を示す物質であれば、常温常圧の条件下で含まれる温度A以外の温度および圧力B以外の圧力においては気体状態を示さないものであっても良い。
ここで常温とは外気温に近い温度を意味し、一般には−10〜50℃、特に0〜40℃の範囲を意味する。また、常圧とは外気圧に近い圧力を意味し、一般に1気圧前後の範囲を意味する。
常温常圧の条件下で気体である物質としては、具体的には、25℃および1気圧の条件下で気体である物質、0℃および1気圧の条件下で気体である物質が好ましく、特に、25℃および1気圧の条件下で気体状態であり、かつ0℃および1気圧の条件下でも気体である物質がもっとも好ましい。
常温常圧の条件下で気体である物質は、少ない所要エネルギーでの脱水を可能とする観点から、沸点が常温付近またはそれ以下である物質であることが好ましい。特に沸点が25℃以下、中でも10℃以下、さらに−5℃以下が好ましい。沸点が常温を超える物質であると、後述の工程(C)において該物質を気化させるために高温のエネルギー源が必要となり、脱水に要するエネルギーが増大することが予想されるので、好ましくない。
常温常圧の条件下で気体である物質として、具体的には、ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ホルムアルデヒド、ケテン、アセトアルデヒド、ブタン、プロパンなどが挙げられる。これらは1種で用いても、または2種以上混合して用いてもよい。中でも好ましいのは、ジメチルエーテル単独、およびジメチルエーテルと具体例として上述した他の物質との混合物である。
ジメチルエーテルは、1気圧における沸点が−24.8℃であり、−10℃〜50℃の大気圧において気体である。高効率なジメチルエーテルの製造方法および製造装置は、例えば特開平11−130714号公報、特開平10−195009号公報、特開平10−195008号公報、特開平10−182527号〜特開平10−182535号の各公報、特開平09−309850号〜特開平09−309852号の各公報、特開平09−286754号公報、特開平09−173863号公報、特開平09−173848号公報、特開平09−173845号公報などに開示されており、これらに開示された技術に従い容易に得ることができる。
本発明の処理対象は、含水物質である。含水物質とは、水分を含む物質を意味する。「水分」とは、水又は水溶液を意味し、その組成、由来等は特に問わない。例えば、水、血液、体液、汚水を挙げることができる。「含有する」とは、上述の水分が何らかの物質に含まれていることを意味する。何らかの物質としてはサイズ、成分共に特に限定されないが、含水物質として固体やスラリー状の形態となることが好ましい。含水物質中における水分の存在態様についても特に限定されず、内部に包接されている水分や外表面に、固体粒子間、場合によっては固体粒子の内側にある細孔に存在するものであっても良い。そして、含水物質の含水率は特に限定されないが、通常は20〜98重量%、好ましくは35〜85重量%である。これらの含水物質は、水分を含むものであれば、予め他の脱水処理がなされた後のものであってもよい。
このような含水物質としては、具体的には例えば、下水汚泥を挙げることができる。ここで下水汚泥とは、家庭排水や工業排水等の排水を扱う下水処理場から排出される汚泥を意味し、脱水ケーキも含むものとする。脱水ケーキとは、下水汚泥を脱水して得られる固形の物質を意味する。下水汚泥から脱水ケーキを得るための方法は、例えばフィルター、スクリュー、遠心機、ロール等を備えた装置による濾過濃縮、固液分離、圧搾があるが、本発明で用いられる脱水ケーキは、これらの方法を適宜選択して得ることができ、濾過濃縮および圧搾を組み合わせてえられるものが好ましい。脱水ケーキを製造するための装置としては、ベルトプレス、遠心脱水機、スクリュープレスなどが挙げられる。下水汚泥中(脱水ケーキを含む。)の水分量は、一般に75〜85重量%(78重量%程度)とされる。また、含水物質のその他の例としては、石炭、高分子吸収体(使用済みの紙おむつ、生理用品など)、生物(雑草、花束、クラゲ等)、バイオマス原料(ウッドチップ、残飯、生ごみ、その他いわゆる廃棄物)、土壌等を挙げることができる。この中でも石炭への応用により、高品質の石炭を効率よく得ることができる。石炭とは、採掘後のものそのままであっても、また、その後何らかの脱水処理(例えば、油中改質法(特開2000−290673号公報参照)、乾燥不活性気体を用いた脱水手法(特開平10−338653号公報参照))がなされたものであっても、本発明の対象とすることができる。石炭の含水率は、通常20〜80重量%、好ましくは35〜67重量%である。石炭の種類としては、亜瀝青炭、褐炭、亜炭、泥炭を挙げることができる。
(A)接触工程では、常温常圧の条件下で気体である物質を液体として含水物質に接触させる。接触の方法は特に限定されず、常温常圧の条件下で気体である物質および含水物質を容器に収容して実施することができる。含水物質と液体の量の比率は、適宜定めることができるが、例えば含水物質が下水汚泥の場合、下水汚泥中の水分(通常78重量%前後)を溶解させて水分高含有の液化物を得るのに少なくとも必要とされる量以上であることが好ましい。すなわち、常温常圧の条件下で気体である物質の液体と含水物質とを重量比233:1〜233:50で接触させることが好ましい。また、例えば、常温常圧の条件下で気体である物質としてジメチルエーテルを用いる場合、20℃における液化DMEに対する水の飽和溶解度は7.2wt%であるから、上述の下水汚泥中の水分量で換算すると、ジメチルエーテルに対する下水汚泥の濃度が9重量%以上となる量で適宜定めることができる。また、ジメチルエーテルに対する下水汚泥の濃度の上限については特に規定はないが、下水汚泥の量が少なすぎてもジメチルエーテルの接触が困難となることがあるので、例えば20重量%以下とすることができる。
ここで、常温常圧の条件下で気体である物質の液化物を、含水物質に接触させるには、該物質を液体状態のまま維持する必要がある。液化状態のまま維持するための方法は、特に限定されないが、液化物を飽和蒸気圧で維持することが望ましい。特に、工程(A)の温度条件は、−10℃〜50℃、中でも0〜40℃の範囲で適宜設定することが望ましい。接触時間(脱水時間)は、含水物質や液化物の種類や量、接触方式等の条件に左右され、一義的に規定することは困難であるが、含水物質中の水分が液化物に十分に溶解する時間を適宜設定することができる。
含水物質に対する常温常圧の条件下で気体である物質の液化物の接触方式、液化物の接触量、接触時間等の温度及び圧力以外の条件は、含水物質中の水分が該液化物に溶解するような条件を適宜設定することができる。接触方式は、含水物質を液化物に浸漬する、含水物質に液化物を流通させるなど通常の脱水法で採られるどのような方法でもよい。また、向流接触後、含水物質を液化物に浸漬してから、再び向流接触を行なうなど、向流接触を他の接触方式と適宜組み合わせて実施することも可能である。特に、接触の効率を高める点から、含水物質の少なくとも一部を前記物質の液体に対し可溶化させながら行うことが望ましい。可溶化のための手段としては、撹拌、含水物質の小片化などが挙げられる。
撹拌の条件は、前記物質の液体と含水物質とが十分に可溶化する条件であれば特に限定されない。含水物質が下水汚泥の場合を例に挙げて説明すると、回転数は、装置のサイズにより定めることができ、通常は400rpm〜1000rpm、好ましくは600rpm〜800rpm、より好ましくは600rpm〜700rpmの範囲とすることができる。撹拌時間も装置のサイズにより定めることができるが、通常1分〜10分、好ましくは3分〜8分、より好ましくは4分〜6分の範囲とすることができる。
また、含水物質の小片化の条件も特に限定されないが、下水汚泥の場合、小片化後の小片のサイズは、短径1mm〜1cmの範囲となるような条件を適宜定めることができる。また小片の形状は、小片化操作の容易さから球状、麺状などが挙げられる。小片のサイズは、一定でなくともよい。小片化のための装置としてはエクストルーダー、押出機などが挙げられる。
これらの処理の中でも、可溶化と接触を同時に行うことができる点で撹拌処理が好ましい。
このようにして、工程(A)では、常温常圧の条件下で気体である物質の液体を含水物質に接触させることにより、前記液体に対し、例えば含水物質が下水汚泥の場合、下水汚泥中の主に水、油などの液状成分を溶解させ、それ以外の成分との分離を促し、後述の(B)工程における固液分離を促進するものと推測される。
(B)固液分離工程では、前記(A)工程後の処理物を固液分離し、液層を得る。
固液分離の手段としては静置による二層化、膜処理による分画等が挙げられる。このうち、静置による二層化によることが好ましい。静置時間は、例えば下水汚泥の場合汚泥の沈降速度から求めることができ、通常は1〜2mm/sで沈澱する。また、分離に求められる沈降深さも考慮して時間を決定することができる。固液分離の方法は特に限定されず、液層を容器に取り付けてある、或いは容器とは別のポンプなどで吸引して除くことができる。また、(B)工程は2回以上繰り返して行うこともできる。
上記時間以外の条件、例えば温度条件や圧力条件は、固液分離を効率よく行うことのできる条件下であればよい。特に、工程(A)において挙げたような常温常圧の条件下で気体である物質が液体である状態を保持できる条件であることが好ましく、特に(A)工程の実施条件と同条件とすることが好ましい。
このようにして工程(B)においては、前記工程(A)において生じた、常温常圧の条件下で気体である物質の液体に対し含水物質の液状成分の溶解現象をさらに進め、該溶解成分を液層とし、含水物質中の液状成分以外の成分(ゲル、固体など)を主とする固層から分離させるものと推測される。
(C)気化抽出工程では、前記(B)工程により得られる液層から、前記常温常圧の条件下で気体である物質の少なくとも一部を気体として抽出(気化抽出)する。
常温常圧の条件下で気体である物質の気化は、温度条件および/または圧力条件を、工程(A)における各条件よりも上昇させることにより行うことができる。
温度条件を上げる場合は、常温常圧の条件下で気体である物質の沸点を超える温度まで上昇させることが好ましいが、本発明では、常温常圧の条件下で気体である物質を利用するので、通常は、常温付近、すなわち外気温に近い温度条件で気化することができる。つまり、加熱よりむしろ工程(A)(B)の冷却状態から常温状態に戻すだけで気化することが可能である。気化の温度条件としては、使用する液化物や圧力条件にもよるが、常温状態、−10℃〜50℃、特に0〜40℃とすることが好ましい。工程(C)において圧力条件を低下させる場合、その条件は飽和蒸気圧未満であり、温度条件に応じて適宜定めることができる。
工程(C)における気化抽出は、常温常圧の条件下で気体である物質の少なくとも一部が抽出されればよく、全部を抽出してもよいが、ある程度の量が残存する程度に行うことが望ましい。これにより、続く工程(D)において液液分離を効率よく行うことができる。例えば、工程(C)における処理後の液層中に、常温常圧の条件下で気体である物質が、5378重量%程度残存させておくことが好ましい。
このようにして工程(C)においては、常温常圧の条件下で気体である物質の気体を液層から分離することにより、後述の工程(D)における分離を促進することができる。
(D)液液分離工程では、前記(C)工程後の液層を液液分離し、下層を採取する。
液液分離の条件については特に制限はなく、静置分離によることができる。ここで、下層を採取する際には、上層、すなわち常温常圧の条件下で気体である物質の液体と含水物質中の液状成分とからなる層が、下層と混合しないように採取することが望ましく、従って、下層のうち上層との境界部分は若干残すことが好ましい。吸い込み速度や吸い込み管径にもよるが、下層の深さが50cm〜2mとなるようにすることが好ましい。
このようにして工程(D)においては、前記工程(C)で得られる液層中に残存する、常温常圧の条件下で気体である物質の液体に溶解した状態の含水物質中の液状成分を豊富に含む層(上層)を取り除き、排水とされる層(下層)を採取することができる。このようにして得られる下層は、必要に応じて更に処理を行うことにより、飲料水、工業用水、農業用水としての再利用が可能となる。
また、前記工程(C)で気化抽出後に得られた液層には、前記常温常圧の条件下で気体である物質の気体が溶存する。よって、この液層はそのままでは環境への負荷が大きく再利用できない上に、前記物質の損失量を大きくする。そこで、水分に溶存する前記物質の気体を回収し、環境への負荷並びに前記物質の損失量を最小限にするものである。
以上説明したように、本発明の脱水方法では、上記工程(A)〜(D)により、含水物質から水分を除去し、脱水物を得ることができるが、さらに下記(E)気化抽出工程および/または(F)液化工程を含めることもできる。
(E)気化抽出工程では、工程(D)の上層について、前記常温常圧の条件下で気体である物質の少なくとも一部を気体として抽出する。工程(E)を行うことにより、含水物質の液状成分を豊富に含む排水を取り出し、前記常温常圧の条件下で気体である物質の資源利用をさらに進めることができる。
(F)、または(F´)液化工程は、工程(C)および/または工程(E)において気化され分離された常温常圧の条件下で気体である物質の気体を回収し、該気体を液化させて液化物を得る。
液化は、常温常圧の条件下で気体である物質の気体を液体に変換することを意味する。常温常圧の条件下で気体である物質の液化は、加圧および/または冷却、すなわち、加圧、または冷却、あるいは加圧と冷却との併用により行うことができ、具体的な実施条件は、使用する物質の標準沸点などを考慮して、適宜有利な条件を選択することができる。特に冷却を採用する場合は、冷却温度は、標準沸点に留めることが好ましく、また、脱水を簡便に行う観点から、常温、すなわち外気温の範囲、例えば−10〜50℃、特に0〜40℃の範囲で設定することが好ましい。
例えば、常温常圧の条件下で気体である物質として、1気圧での沸点が0℃の物質の液化は、0℃以下での冷却によることが好ましい。さらに加圧を組み合わせることが好ましい。加圧せず冷却のみで液化を行うと、液化物の温度が0℃以下となってしまい、脱水ができなくなるおそれがあるからである。
また、1気圧での沸点が0℃を超える物質を用いる場合は、沸点以上での冷却により液化を行うことが好ましい。これは、標準沸点以下では物質の飽和蒸気圧が1気圧未満であり、これが原因で装置の内部圧力が1気圧未満となるため、装置の製造コストの増大や、ハンドリングが困難になるためである。
加圧の条件については、一般化することは困難であるが、加圧下の沸点が常温、すなわち外気温の範囲、例えば−10〜50℃、特に0〜40℃の範囲で設定することが好ましい。冷却と併用する場合には冷却温度に応じて、定めることができる。
含水物質が下水汚泥の場合、本発明の上記工程(B)で液層から分離される下水汚泥中の液状成分以外の成分(無機性の成分、または食物残渣や菌体およびその死骸に代表される有機性の固体など)、工程()で分離される固層成分、工程(D)で除去される下層成分についても、常温常圧の条件下で気体である物質やその他の成分を除去する処理を行うことにより、再利用できる形態まで精製処理することができる。例えば、工程(B)で液層から分離される成分は、常温常圧の条件下で気体である物質の液体で膨張しているので、圧搾などにより含まれる液体の割合を低減させた上で、該物質を気体として除去し、脱水汚泥として得ることができる。
上述の本発明の処理方法は、例えば、下記のような含水物質の処理装置により効率よく実施することができる。
すなわち、本発明の含水物質の処理装置は、以下のような接触槽と、固液分離槽と、濃縮器と、液液分離器とを、少なくとも備えるものである。
接触槽は、常温常圧の条件下で気体である物質を液体として含水物質に接触させるものであり、上記本発明の処理方法において、(A)接触工程を実施するための手段である。
固液分離槽は、前記接触槽において接触させた、前記物質の液体と含水物質との混合物を固液分離させるものであり、上記本発明の処理方法における(B)固液分離工程を実施するための手段である。
接触槽および固液分離槽は、それぞれ、通常は水槽に、常温常圧の条件下で気体である物質を液体の状態で保持するための温度や圧力の調整手段、例えば熱交換器を適宜備えるものとして実現できる。また、それぞれが独立に存在してもよいし、これらのうちの2つ以上を共通の水槽として設けてもよい。
濃縮器は、分離後の液層から前記常温常圧の条件下で気体である物質の少なくとも一部を気体として抽出するものであり、上述の本発明の処理方法の(C)気化抽出工程を実施するための手段である。通常は水槽に、常温常圧の条件下で気体である物質を気化するための温度や圧力の調整手段、例えば熱交換器を適宜備えるものとして実現できる。
液液分離器は、前記気化抽出処理後の液層を液液分離するものであり、上述の本発明の処理方法の(D)液液分離工程を実施するための手段である。液液分離器は、通常は水槽に、常温常圧の条件下で気体である物質を液体の状態で保持するための温度や圧力の調整手段を適宜備えるものとして実現できる。
本発明の処理装置は、前記液液分離器において分離された液層中の前記常温常圧の条件下で気体である物質の少なくとも一部を気体として抽出する蒸発器を備えるものであってもよい。蒸発器は、上述の本発明の処理方法の工程(E)を実施するためのものであり、通常は水槽に、常温常圧の条件下で気体である物質を気化するための温度や圧力の調整手段、例えば熱交換器を適宜備えるものとして実現できる。
本発明の処理装置は、常温常圧の条件下で気体である物質の気体を加圧する圧縮機を更に備えるものであってもよい。圧縮機は、上述の本発明の処理方法の工程(F)や(F´)を実施するためのものである。すなわち工程(C)や工程(E)において気化させた前記物質の気体を回収し、液化させて再び液体とするものである。例えば、常温常圧の条件下で気体である物質としてジメチルエーテルを用いる場合、その液体を常温にて得るためには、加圧下での操作が必要となる。従って、圧縮機は、濃縮器および蒸発器と接続されていることが好ましい。圧縮機の個数に特に限定はなく、固液分離器と蒸発器それぞれに接続する形で一つの圧縮機を備えていてもよく、また、それぞれに接続する2つの圧縮機を備えていてもよい。
本発明の処理装置において、接触槽、固液分離槽、濃縮器、液液分離器、および必要に応じて備えることのできる蒸発器は、この順序で、必要に応じてポンプを備える配管にて直列に連結されることができる。
また、必要に応じて、常温常圧の条件下で気体である物質を系内に供給可能に格納するバッファタンク、固液分離槽の下層を圧搾するための圧搾機、前記圧搾機における処理物中の常温常圧の条件下で気体である物質を除去する除去器等を備えることができる。
本発明の処理装置の構成、及び該装置を用いた脱水処理のプロセスを、図1〜3を参照して説明する。図1〜3は本発明の処理装置の例である脱水装置1〜3を、それぞれ概念的に示した図である。図1〜図3では、処理装置を構成する各手段に共通の符号を付けて示している。以下、図1の脱水装置1について説明した後、図2の脱水装置2について脱水装置1と異なる箇所のみ説明し、更に図3の脱水装置3について、脱水装置1および脱水装置2と異なる箇所のみ説明する。
図1の脱水装置1は、常温常圧の条件下で気体である物質の一例である液化ジメチルエーテル(液化DME)を、含水物質の一例である下水汚泥に接触させる接触槽11と、接触槽11において接触させた、液体DMEと含水物質との混合物を固液分離させる固液分離槽12と、分離後の液層から前記常温常圧の条件下で気体である物質の少なくとも一部を気体として抽出する濃縮器13と、前記気化抽出処理後の液層を液液分離する液液分離器14とを備える。
図1に示す脱水装置1において、液化DME供給部31からは液化DME32が、下水汚泥供給部33からは下水汚泥34が、それぞれ接触槽11に供給される。接触槽11で接触した液化DMEと下水汚泥の混合物(処理物)35は、固液分離槽12に移され固層(主にゲル、固体よりなる脱水物)36と液層(液化DMEと下水汚泥中の液状成分)37とに分離され、固層36は最終処理物として得られる。液層37は濃縮器13に送られ、濃縮器13で気化抽出処理がなされ、気体(主に気化DME)38と液体39とに分離されると、液体39は液液分離器14に送液されて液液分離処理され、下層40と上層41とに分けられ、下層40は排水として得られる。
図2の脱水装置2には、上記脱水装置1と比較して、更に蒸発器15が設けられている点で相違する。蒸発器15に液液分離器14において分離された上層41が供給されると、気体(気化DME)42が蒸発し、排水として液体43を得る。
図3の脱水装置3には、上記脱水装置2と比較して、更に圧縮機16が設けられている点で相違する。圧縮機16には濃縮器13で気化抽出された気化DME38と蒸発器15から蒸発により分離された気化DME42が供給され、液化DMEが再生される。再生された液化DME44は接触槽11に再び供給される。脱水装置3においては、圧縮機16には濃縮器13から分離された気体(主に気化DME)38と蒸発器15から分離された気化DME42との両方が供給される形となっているが、どちらか一方が供給されるものであってもよい。また、脱水装置3においては、接触槽11に対し、液化DME供給部31からの液化DME32供給と再生された液化DME44供給の両方がなされているが、再生された液化DME44のみ供給されるものであってもよい。
本発明の処理装置の構成の一例の概略を、図4に示す。
本例では、含水物質として下水汚泥を対象とし、かつ常温常圧の条件下で気体である物質としてジメチルエーテルを用いた場合を想定しているが、本発明のシステムはこれに限定されるものではない。ジメチルエーテルは、前記(A)にて説明したように、1気圧における沸点がおよそ−25℃であり、0℃〜50℃の大気圧において気体であることから、液体状態のジメチルエーテル(ジメチルエーテルの液化物)を常温にて得るためには、加圧下での操作が必要である。
図4に示す処理装置は、接触槽11、固液分離槽12、濃縮器13、液液分離器14、蒸発器15が、この順序で配管により連結されたものである。このうち、濃縮器13と蒸発器15には、それぞれ圧縮機16A、16B、および熱交換器17A、17Bが接続されている。さらに、接触槽11にジメチルエーテルを供給するためのバッファタンク21が接続される。バッファタンク21には濃縮器13および蒸発器15が接続されており、システム全体で循環路を形成している。そして、固液分離槽12には圧搾機22とジメチルエーテル除去器23とがこの順で接続されている。ジメチルエーテル除去器23には、圧縮機16Cと熱交換器17Cが接続されている。また、固液分離槽12と濃縮器13の間の管に、減圧弁18が設けられている。
図4の処理装置においては、ジメチルエーテルが気体−液体の状態変化をしながら循環し、下水汚泥との分離及び接触を繰り返している。図4中、矢印付きの直線はDMEを供給する配管を示し、矢印はジメチルエーテル、下水汚泥、またはジメチルエーテルと下水汚泥との混合物が進む方向を示す。
図4の装置における下水汚泥の経路は次の通りである。下水汚泥は、接触槽11に充填され、液化ジメチルエーテルと接触された後、固液分離槽12にて液層と固層とに分離され、液層は濃縮器13に送られ、固層は排出される。濃縮器13では液層が気化抽出された後、液液分離器14に送液される。液液分離器14において得られる上層は蒸発器15に送られ、下層は液液分離器14底部のバルブより排水として排出される。蒸発器15において更に気化抽出が行われ、液層は蒸発器15底部のバルブより排水として排出される。また、固液分離槽12で分離される固層は、固液分離層12底部のバルブ(図示せず)より排出される。なお、排出された固層は、必要に応じて、圧搾機22に供給され圧搾された後、熱交換器17Cを経由してジメチルエーテル除去器23に供給されてもよい。ジメチルエーテル除去器23において、前記固層を、該固層中に残存していたDMEを気化DMEとして排出することができ、また、DMEをほとんど含まない脱水汚泥を排出することができる。また、ジメチルエーテル除去器23から排出された気化DMEは、圧縮機16Cに供給され液化された後、熱交換器17Cを経由してバッファタンク21に戻され、脱水用途に再び利用されてもよい。
図4におけるジメチルエーテルの経路は、以下の通りである。液化ジメチルエーテルの過冷却液はバッファタンク21に集められた後、接触槽11に供給されて下水汚泥と接触し、固液分離槽12、濃縮器13の順に送液される。濃縮器13で液化ジメチルエーテルは気化され、ジメチルエーテルガスとして蒸発し、圧縮機16A、16B、16Cで加圧されて過熱ガスになった後、熱交換器17A、17B、17Cで過冷却液になり、バッファタンク21に戻る。
参考例1
下水汚泥(脱水ケーキ:含水率78重量%)5.0gをカラム(耐圧硝子工業(株)製、ハイパーグラスシリンダーHPG10−5型、ガラス製、内径11mm)に密に充填した。充填した状態における汚泥の体積は約4.5ml(直径11mm・厚み43mm)であり、密度は1.11g/mlであった。硝子ビーズを、全長190mm、出入口絞り外径12.5mmの同カラムに充填された下水汚泥の前段側及び後段側の両方に密に充填した。下水汚泥を充填したカラムの両端に圧力計を設け、常温においてカラムの下側から液化DMEを0.42MPaG供給した。
カラムの両端の圧力を測定したところ、液化DME上流側の圧力は0.42MPaG(ほぼ飽和蒸気圧)であったのに対して、下流側の圧力は0.0MPaGであった。また下水汚泥層への液化DMEの浸食状態を液化DME供給開始から1時間後まで観察したが、液化DMEは全く浸食していない状態であった。この結果から、下水汚泥と液化DMEを効率よく接触させるための操作が必要なことが明らかになった。
参考例2
内容積96mlの容器を3つ用意し、それぞれに、下水汚泥(脱水ケーキ:含水率78重量%)を5.0g・1.0g・0.1g、液化DMEを30〜35ml(=20.0〜23.3g)入れた。各容器内は、撹拌子を用いて撹拌させ(回転数600〜700rpm)、容器内の状態を肉眼にて経時的に観察した。
下水汚泥5.0gを装填した容器においては、容器に液化DMEを入れた直後に、汚泥の体積が約38mlに膨潤した。撹拌により汚泥の体積が徐々に減少し、撹拌開始から1分後には下水汚泥の体積が約29mlに減容した。その後1時間撹拌を続けたが、下水汚泥の体積に変化は無かった。
下水汚泥1.0gを装填した容器においては、容器に液化DMEを入れて撹拌を開始すると、約5分後に下水汚泥中に液化DMEが分散し始め、約30分後には均一に分散した様子が確認できた。1時間撹拌した後に静置して下水汚泥を沈殿させたところ、沈降開始から5秒後は液化DMEと下水汚泥の境界ははっきりしなかったが、11秒後には18ml付近に液化DMEと下水汚泥の境界面が現れ、液化DMEと下水汚泥の分離を確認した。また、この11秒間で、下水汚泥の液面レベルが約30mlから約18mlへと減少したことから、下水汚泥の沈降速度は約2.0mm/sであった。
また、脱水前の下水汚泥の水分量を78重量%と仮定すると、本試験で用いた下水汚泥の乾燥重量は0.22gと算出された。一方、処理後に沈殿した下水汚泥の見かけ体積は約18mlで、下水汚泥の見かけ重量は約12gであった。ここで、この下水汚泥中には水分とゲル状、固体状の下水汚泥の含有量が少なく殆どが液化DMEであると仮定すると、上記結果から、沈殿した下水汚泥の汚泥濃度は、0.22÷12=1.8wt%であり、残りの98.2wt%は液化DMEであるものと推定される。
更に、下水汚泥0.1gを装填した容器において、液化DMEを入れて10分間撹拌しても、液化DMEは下水汚泥内を通過していくだけで、液化DME中に下水汚泥が分散されるのを確認できなかった。
本実施例の結果から、下水汚泥を液化DME中に分散させるには、液化DMEに対する下水汚泥の配合割合を調整する必要があるとの知見を得た。
実施例1
内容積96mlの「容器1」(ガラス製)に、下水汚泥(脱水ケーキ:含水率78重量%)を2.15g、液化DMEを35.0ml(=23.3g)を入れ、5分間撹拌した(回転数600〜700rpm)。
5分間の撹拌の後、10秒間以上静置して汚泥を沈降させた後、「容器1」の液化DMEの上澄み液15.76gを吸い出して、「容器2」に移した。
「容器2」から液化DMEを常温、大気圧の条件下で蒸発させて、DME層(上層)と水層(下層)に液液分離させた。DMEの蒸発量は13.00gであった。その後、水層(下層)を吸い出して「容器3」に移した。容器3に移した水層(下層)の重量は、0.87gであった。
「容器2」に残ったDMEリッチの液体と、「容器3」の水リッチの液体をそれぞれ減圧し、蒸発させ、それぞれの容器に残った水とグリースの重量を測定した。その結果、「容器2」に残った水分は0.424gであり、そのうちグリースは0.023g(濃度5.15wt%)であった。また、「容器2」からのDME蒸発量は、1.47gであった。一方、「容器3」に残った水分は0.419gであり、そのうち汚泥由来の液状成分以外の固形状、ジェル状の成分(以下、グリースという。)は0.006g(濃度1.41%)であった。また、「容器3」からのDMEの蒸発量は、0.45gであった。
その後、100℃で加熱して水分を蒸発させ、含まれていたグリース等の重量を測定した。
「容器1」において、5分間の撹拌にて液化DMEと下水汚泥はほぼ均一に混合され、液化DME中に下水汚泥の分散を確認した。尚、撹拌を5分以上行った場合でも、5分間の撹拌で得られた分散状態と同様であった。
なお、「容器2」からのDMEの蒸発量を12.00gとした場合には、「容器2」にグリースを含んだDME相が多く、残ったDMEを蒸発させた後に、水相のグリース濃度が高くなった。逆に、同蒸発量を14.00gにすると、DME相が少なく、グリース濃度が高くなりすぎて、水相が汚れる現象が生じた。

Claims (11)

  1. 下記工程を含むことを特徴とする、含水物質の処理方法。
    (A)常温常圧の条件下で気体である物質を液体として含水物質に接触させる接触工程
    (B)液層を得る前記(A)工程後の処理物を固液分離する固液分離工程
    (C)前記(B)工程により得られる液層から、前記常温常圧の条件下で気体である物質を、常温常圧の条件下で気体である物質の量が工程(C)における処理後の液層中5378重量%となるように、気体として抽出する気化抽出工程
    (D)前記(C)工程後の液層を液液分離し、下層を採取する液液分離工程
  2. 前記常温常圧の条件下で気体である物質は、25℃および1気圧において気体である物質であることを特徴とする請求項1に記載の処理方法。
  3. 前記常温常圧の条件下で気体である物質は、ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ホルムアルデヒド、ケテン、アセトアルデヒド、ブタン、およびプロパンから選ばれる1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載の処理方法。
  4. さらに、(E)前記工程(D)の上層について、前記常温常圧の条件下で気体である物質の少なくとも一部を気体として抽出する気化抽出工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の処理方法。
  5. さらに、(F)前記工程(C)において気化され分離された常温常圧の条件下で気体である物質の気体を回収し、該気体を液化させて液化物を得る液化工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の処理方法。
  6. さらに、(F´)前記工程(C)および/または(E)において気化され分離された常温常圧の条件下で気体である物質の気体を回収し、該気体を液化させて液化物を得る液化工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の処理方法。
  7. 前記工程(A)において、常温常圧の条件下で気体である物質の液体と含水物質とを重量比233:1〜233:50で接触させることを特徴とする請求項1に記載の処理方法。
  8. 前記工程(A)において、400〜1000rpmの撹拌を行うことを特徴とする請求項1に記載の処理方法。
  9. 常温常圧の条件下で気体である物質を液体として含水物質に接触させる接触槽と、
    前記接触槽において接触させた、前記物質の液体と含水物質との混合物を固液分離させる固液分離槽と、
    分離後の液層から、液層中に、前記常温常圧の条件下で気体である物質を、常温常圧の条件下で気体である物質の量が気体の抽出後の液層中5378重量%となるように、気体として抽出する濃縮器と、
    前記濃縮器における気体の抽出処理後の液層を液液分離する液液分離器とを少なくとも備えることを特徴とする、請求項1に記載の処理方法を実施するための、含水物質の処理装置。
  10. さらに、前記液液分離器において分離された液層中の前記常温常圧の条件下で気体である物質の少なくとも一部を気体として抽出する蒸発器を備えること特徴とする請求項9に記載の処理装置。
  11. さらに、前記濃縮器および/または前記蒸発器において分離された常温常圧の条件下で気体である物質の気体を加圧する圧縮機を備えること特徴とする請求項9又は10に記載の処理装置。
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