JP2016532553A - 廃棄物処理システム - Google Patents

Abstract

人的、動物、野菜、及びプラント材料から水分を除去して、汚泥処理プラントに戻すことができる清浄な排出水を生じさせる装置及び方法。廃棄物によっては、肥料、及びエネルギー的に実用的な燃料源を生じさせることができるものもある。【選択図】 図１

Description

本発明は、廃棄物処理システムに関する。

[0001]都市の汚水廃棄物は、水及び空気の質を損なうことを含めて著しい環境費用及び処理費用を課している。この問題は、人口増加及び郊外化現象に伴って激しくなっている。水及び固形物を処理して、（ａ）清浄水を地表水へ戻すこと及び（ｂ）農業用途に適した固体又は液体材料にすることには、著しい時間及びエネルギーの投入が必要とされ得る。

[0002]標準的プロセスにおいて、廃水は、処理プラントに入り、一連の大きいプールを経て処理される。一次汚水プール内で、油脂が除去され、廃棄物中の水が蒸発し始める。二次プール内で、水がさらに撹拌されてエアレーションされる。これがプール内の活性を促進して、より多くの水を蒸発によって放出させ、廃棄物を空気に反応させる。最終プール内で、エアレーションが続き、処理が終わる。最終廃水生成物は、悪臭があるが、固形分は平均でわずか１．５％である。

[0003]地方によっては、市が廃水生成物を運び去り、次いでこれを肥料として畑に散布するよう手配しているところもある。この措置は、地表水及び地下水並びに空気の質に対するリスクゆえに、環境保護当局には不評である場合が多い。さらに、廃棄物は、ウイルス及び細菌又はその他の感染性微生物を含んでいる場合がある。都市廃棄物の露地散布は、環境被害が発生した場合に都市の責任問題をもたらすこともあり得る。

[0004]世界の幾つかの地域では、生のアブラヤシ果房の加工が、異なるタイプの残留物の発生をもたらしている。発生する廃棄物の中でもとりわけパームオイル搾油廃液（ＰＯＭＥ）は、未処理で排出された場合、環境にとって最も危険な廃棄物であると考えられる。ＰＯＭＥは、殺菌プロセス、粗オイル清澄化プロセス、及び分解混合物分離プロセスから排出される廃水である。これは、土壌の目詰まり及びウォーターロギングを引き起こし、接触した野菜を枯死させることになる。現在、最も適切で、かつ頻繁に用いられている処理方法は、湛水システムである。しかしながら湛水システムは、広大な土地を占有し、比較的長い水力学的滞留時間、及び悪臭を有し、並びに液体分配及びバイオガス回収を維持することが困難である。

[0005]バイオマス燃料の効率的な源にアクセスすることもまた重要な問題である。現在のバイオマスの競合相手としては、石炭、木質ペレット、天然ガス及びエネルギーを生成するための原子力プロセスが挙げられる。しかしながら、欧州を含む種々の市場は、炭素含有量（例えば石炭及び天然ガス中の）に基づく燃料税を課しており、又はバイオマスのようなクリーンエネルギー源を使用するよう義務付けている。木質繊維資源は、この需要を満たすには十分ではない。人的又は動物性廃棄生成物は、再生可能かつ豊富なバイオマス燃料源を提供することができるであろう。しかしながら、現在、かかる廃棄物を処理して燃料ペレットにする処理には、相当な時間、エネルギー、輸送燃料及び労力の投入及び負担が伴う。これらの燃料ペレットの使用は、正味のエネルギー損失をもたらす結果となる。輸送すると、重くかつ水分量が多い廃棄物を道路上で移動させることに伴うトラック燃料による大気汚染が加わるので、環境問題は、より一層複雑になる。

[0006]（ａ）人的廃物の空気への曝露及び廃棄物が地表水又は地下水中へ放出される機会を最少化する、及び（ｂ）清浄水並びに肥料及び／又は燃料ペレットの両方のための処理のエネルギーを削減する、システム及び方法が必要とされている。一般に、人的廃物から液体を効率的かつ迅速に除去し、清浄水、肥料及び／又は燃料にする処理の速度を速めるシステムが必要とされている。

[0007]本明細書において開示されるシステム及び方法は、人的、動物、野菜、及びプラント材料から著しい水分含有量を除去し、汚水処理プラントに戻すことができる清浄な排出水を生じさせる。廃棄物によっては、肥料、及びエネルギー的に実用的な（energy positive）燃料源を生じさせることができるものもある。

真空フィルタを有する例示的な廃棄物処理系列である。 例示的な燃料ペレット形状を示す。 例示的なドラムフィルタを示す。 現在の都市廃水処理プラントプロセスの例を示す。 開示される廃棄物処理システムの例を示す。

[0013]種々の実施形態を、図面を参照して詳細に説明するが、図中、同様の符号は、幾つかの図面を通じて同様の部分及び組立体を示す。種々の実施形態に対する言及は、本明細書に添付の特許請求の範囲を限定するものではない。さらに、本明細書において記述されるいずれの例も、限定することを意図したものではなく、単に添付の特許請求の範囲についての多くの可能な実施形態のうちの幾つかについて述べたに過ぎない。種々の省略及び均等物の置換は、状況がそれを示唆する又は好都合にするときに企図されるが、これらは、添付の特許請求の範囲の精神又は範囲から逸脱することなく、用途又は実施形態を包含することが意図されたものであることが理解される。また、本明細書で用いられる語法及び用語は、説明を目的としたものであり、限定とみなされるべきではないことも理解されたい。

[0014]概して、本明細書で説明されるシステム及び方法は、可燃性濾過助剤を用いて、清浄水、肥料濃縮物及び燃えやすいエネルギーペレットを生成する、廃棄物処理システムを例証する。

[0015]「廃棄物」という用語は、該システムにおいて清浄水、肥料又は燃料ペレットを生成するために用いることができる、任意のタイプの人的、動物性又は植物性廃棄物を指す。人的材料の例としては、人的廃物、食品廃棄物、油、石鹸及び化学物質が含まれた廃水が挙げられるがそれらに限定されない。動物性材料としては、清澄器汚泥（clarifier sludge）及び動物性堆肥として知られる屠殺場の副産物が挙げられるがそれらに限定されない。清澄器汚泥は、動物の骨以外の部分、例えば、血液、堆肥、及び他の脂肪部分などを含む。植物性材料としては、野菜の加工及び包装出荷工場から出る植物の部分、例えば、割れた、損傷した、又は傷んだ不良品の野菜断片、並びに加工されるときに捨てられたペースト状の廃棄生成物が挙げられるが、それらに限定されない。このタイプの植物性廃棄物としては、サトウダイコン、もみ殻、かんな屑、又は通常は動物性廃棄物に混ぜられる敷きわらを挙げることができる。植物性廃棄材料としては、パームオイル搾油廃液（ＰＯＭＥ）もまた挙げることができる。

[0016]「可燃性濾過助剤」という用語は、燃えやすい濾過助剤を指す。一例は、セルロース濾過助剤である。濾過助剤は、後述のプロセスを用いて生成されるエネルギーペレット内に含めることができる。濾過助剤を含むエネルギーペレットは、燃やすことができ、石炭、木質ペレット、天然ガス、又は原子力プロセスなどの他のエネルギー源の代用として用いることができる。例示的な燃料ペレットの形状を図２に示す。

[0017]「スラリ」という用語は、本明細書で説明されるプロセスにおいて液化された、追加の水を含む廃棄物を指す。スラリは、ときには、都市汚泥、食品包装出荷工場の清澄器の汚泥、又は野菜加工工場の液化廃棄物を指すこともある。

[0018]「マイクロ波照射（microwaving）テクノロジ」という用語は、未処理のペレットを、ペレット内の残留液体二酸化水素分子を気体状態に変換し、次いでこの分子をペレットの周りの領域から送風機を用いて一掃することによりさらに乾燥するための、マイクロ波の使用を指す。マイクロ波照射は、病原体を死滅させて公衆衛生リスクの可能性を低減することができる。１つの実施形態において、マイクロ波は、１０００ワット最小マイクロ波単位とすることができる。

[0019]図４は、バイオガス、濾過からの排出、及び汚泥槽生成物をもたらす、典型的な都市廃水処理プロセスを示す。バイオガス及び濾過生成物は再使用可能であるが、汚泥槽生成物は、典型的には埋立地に捨てられるか又は肥料として用いられる。より詳細には、未処理廃液は、スクリーン、油脂分離器、及び均等化（equalization）槽を通って進み、その後、一次沈降槽又は一次清澄器に送られる。一次清澄器から、生成物は、嫌気性消化装置又は汚泥槽のどちらかに進むことができる。汚泥槽からの生成物は、典型的には次に埋立地に輸送されるか又は肥料として用いられる。嫌気性消化装置からの生成物は、エアレーションプロセスを通過することもあり、汚泥槽へ送られることもあり、又はバイオガスである。エアレーションプロセスから、生成物は次に二次清澄器を通過する。この時点で、生成物は、汚泥槽へ送られるか、排出されるか、又は限外濾過を通過する。限外濾過の後、限外濾過で排除されたものは、汚泥槽へ送られる。その他の生成物は、排出されるか又は逆浸透プロセスを通過するか、いずれかとすることができる。逆浸透で排除されたものは、汚泥槽へ送られる。その他の生成物は、リサイクルされて粉砕機へ戻される。

[0020]図１及び図５は、本システムの実施形態、及び、これがどのようにして汚泥槽からの生成物を用いてより有用な最終生成物を作製するかを示したものである。図１に示すような本明細書で説明する方法の１つの例示的な実施形態において、処理系列プロセスは、源１０２から供給される固形分６％以下の廃棄物を用いて開始する。廃棄物が固形分６％を超える場合、既に処理された廃水を用いてこれを希釈することができる。ポンプ１０４内に組み込まれた高圧インジェクタが、源１０２からポンプ１０４を通って処理槽１０６内へと進む廃棄物を液化する。処理槽１０６内には混合機が吊り下げられており、廃棄物を混合してスラリ材料にする。スラリが混合されている間に処理槽１０６内でｐＨ調整を行うことができる。処理槽１０６は、回転真空ドラムフィルタ１０８へ供給する。ドラムフィルタ１０８は、濾過助剤プレコートを用いて固体を液体から分離する。

[0021]濾過助剤は、珪藻土、パーライト、又は好ましい実施形態においてはセルロース材料を含む、種々の材料で作ることができ、これがドラムの外面にプレコーティングされる。プレコーティングは、濾過助剤スラリをドラムの外部の液溜めの中に入れ、ドラムの真空引きを始動し、濾過助剤ベースをドラムの外側に蓄積させることにより行われ、その間に濾過助剤スラリの残りがドラムの内側へと進んでいく。ドラムフィルタは、プレコートが所望の濾過助剤深さに達するまで、プレコートをドラム上へ真空引きする。ひとたびこの深さに達すると、ドラムは、処理のためにスラリ材料を受け入れる準備ができたことになる。珪藻土又はパーライトのような典型的な濾過助剤は、コンポスト化することはできるが燃やすことはできない。これは、典型的には処理後の固体材料を燃料ペレットとしては無用のものにすることになる。従って、セルロース材料のような可燃性濾過助剤の使用は、著しく有利である。

[0022]ドラムのプレコーティング及び廃棄物スラリを処理槽１０６から供給した後、ドラムフィルタ１０８の真空力を始動する。この力がスラリ材料をドラムの表面へと引き寄せ、固体材料は、濾過助剤によって捕捉され、固体を少しずつ剥ぎ取るインデキシングナイフの使用により分離されて固体槽１１０の中へ入る。液体は、濾過助剤を通過してドラムの内側に入る。液体は次に、再使用のために処理液体バルク槽１１２へポンプ輸送される。過剰の液体は処理液体バルク槽１１２から越流して、高付加価値肥料容器１１４へ入る。セルロース材料で濾過された乾燥固体は、エネルギーペレットとしての最終使用のために必要に応じてさらに処理することができる。液体は、濃縮肥料添加物に転換することができ、又は安全で清浄な地表水排出として評価されるように付加的な処理を受けることができる。

[0023]上記プロセスにより、初期スラリの水分含有量を２０〜２５％に減らすことができる。１つの実施形態において、液体をさらに濃縮してさらなる水を除去するために、廃棄材料の幾らかの部分を、図１に示す処理系列プロセスを通して２回処理することができる。

[0024]１つの実施形態において、二次乾燥プロセス５０２は、天然ガス炉内で天然ガス熱を用いて行われる。この乾燥プロセスは、蒸気、及び水分レベルが９〜１０％の乾燥ケークを作り出す。別の実施形態において、処理系列プロセスは、赤外線又はマイクロ波照射テクノロジに連結され、マイクロ波エネルギー源への曝露により、水分含有量をさらにもっと、潜在的には５％まで低下させることができる。これにより、より高級なエネルギーペレットが生成されることになり、また、スラリ又は処理後の固体若しくは液体材料の中に存在し得る病原体又は微生物を死滅させることもできる。

[0025]別の選択肢として、処理系列プロセスをマイクロ波照射テクノロジの代わりに高速パンチプレスに連結することができる。プレスは、シート形態のペレット材料を受け入れることができ、該シートを打ち抜くか又はハンマーで叩くことができ、材料の残留水分をプレス及び加熱により追い出すことにより、受け入れた材料からパック形ペレットを作り出す。生成物は、熱により自己溶融することができ、砕ける又は剥がれることはないであろう。

[0026]１つの実施形態において、処理系列プロセスは、汚水処理設備において現場で廃棄物から水を分離することができ、清浄な水は、汚水処理設備に戻されることができ、そこで市水システムをフラッシュするために用いることができる。

[0027]本明細書で説明される処理系列プロセスは、可搬式又は据置き式とすることができ、汚水処理設備からの廃棄物、集中動物飼養作業（ＣＡＦＯ）からの廃棄物、野菜廃棄物、又はプラント廃棄物を、廃棄物が回収される現場で処理することができる。この可搬性は、独自の利点を提供し、通常であればドラム濾過へのアクセスを有していないような設備の範囲を広げ、そしてまた都市廃棄物の場合には、処理後の水を現場で水プラントへ戻す能力をも提供する。これは、著しい環境的及びプロセス的向上である。

[0028]１つの実施形態において、処理後エネルギーペレットを他のバイオマスと組み合わせて英国熱量単位（ＢＴＵ）値を高めることができる。あるいは、他のバイオマスを処理系列プロセスの間に添加して、直接に高められたＢＴＵ値を有するエネルギーペレットを作製することができる。

[0029]１つの実施形態において、酸又はポリマーを、処理系列プロセスの一部又は全部の間にプロセス槽１０６内の廃棄物に添加することができる。処理系列プロセスの開始時点で酸又はポリマーを使用することにより、液体部分と固体部分とがドラムフィルタ１０８内で分離するときに金属及び腐食性物質が液体部分の中に集まるようにさせることができる。金属及び腐食性物質が液体部分の中に集まれば、液体を操作してｐＨを下げて、金属を抽出することができる。これは、水のみを残すことになるので、所望であればこの水を汚水処理設備に戻すことができる。

[0030]開示されたシステムは、土地の使用面積及び費用を削減し、運転費用及び滞留時間を減らし、悪臭を軽減し、消化装置の変動する負荷率を緩和し、清浄水及びバイオ汚泥ペレットの形態の再生可能燃料の回収をもたらし、廃熱利用の可能性をもたらす。

Claims (16)

1. 廃棄物を処理する方法であって、
   廃棄材料を液化するステップと、
   液化した前記廃棄材料を処理槽内へ送るステップと、
   液化した前記廃棄材料を前記処理槽内で混合してスラリ材料を作製するステップと、
   濾過助剤プレコートを回転真空ドラムフィルタの外面上に適用するステップと、
   前記スラリ材料を、前記回転真空ドラムフィルタを収容した液溜めの中へ送るステップと、
   前記回転真空ドラムフィルタを動作させるステップであって、液化した前記廃棄物が固体材料と液体とに分離し、前記固体材料が前記濾過助剤プレコート内に捕捉される、ステップと、
   前記濾過助剤プレコート及び前記固体材料を、前記回転真空ドラムフィルタの外側からインデキシングナイフを用いて剥ぎ取ることにより除去するステップと、
   前記液体を処理液体バルク槽にポンプ輸送するステップと、
   過剰の液体を高付加価値肥料容器へ導くステップと、
   を含む、方法。
2. 前記濾過助剤プレコートが可燃性材料である、請求項１に記載の方法。
3. 可燃性の前記濾過助剤プレコートがセルロース材料である、請求項２に記載の方法。
4. 天然ガス熱を用いる二次乾燥プロセスで前記固体材料を処理することにより、前記固体材料からさらなる水分を除去するステップをさらに含む、請求項１に記載の方法。
5. マイクロ波エネルギー源への曝露により、前記固体材料からさらなる水分を除去するステップをさらに含む、請求項１に記載の方法。
6. 高速パンチプレスを通して前記固体材料を処理することにより、前記固体材料からさらなる水分を除去するステップをさらに含む、請求項１に記載の方法。
7. 前記処理が繰り返されて水分含有量がさらに削減される、請求項１に記載の方法。
8. 前記固体材料及び前記濾過助剤プレコートをさらに処理してペレット形態にする、請求項１に記載の方法。
9. 前記ペレットが他のバイオマスと組み合わされる、請求項８に記載の方法。
10. 前記廃棄材料にバイオマスが添加される、請求項１に記載の方法。
11. 複数の高圧インジェクタと、
    少なくとも１つのポンプと、
    処理槽と、
    混合機と、
    回転真空ドラムフィルタと
    濾過助剤と、
    固体槽と、
    インデキシングナイフと、
    処理液体バルク槽と、
    高付加価値肥料容器と、
    を備えた、廃棄物処理装置。
12. 天然ガス熱を用いる二次乾燥機をさらに備えた、請求項１１に記載の廃棄物処理装置。
13. 前記装置がマイクロ波照射テクノロジに連結された、請求項１１に記載の廃棄物処理装置。
14. 高速パンチプレスをさらに備えた、請求項１１に記載の廃棄物処理装置。
15. 前記装置が可搬式である、請求項１１に記載の廃棄物処理装置。
16. 前記装置が据置き式である、請求項１１に記載の廃棄物処理装置。

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