JP4542002B2 - メモリ素子 - Google Patents
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以下に一般式(I)で示す構造を記す。
請求項7に記載の発明は、前記電子受容性化合物として、下記一般式(III)で表されるα−ヒドロキシ脂肪族カルボン酸化合物を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のメモリ素子である。
請求項8に記載の発明は、前記電子受容性化合物が、ハロゲン元素で置換された脂肪族基などを含む炭素数12以上の長鎖構造をもつカルボン酸化合物であって、その少なくともα位またはβ位の炭素にハロゲン元素を持つカルボン酸化合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のメモリ素子である。
請求項11に記載の発明は、前記電子受容性化合物として、下記一般式(V)で表わされる脂肪族カルボン酸化合物を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のメモリ素子である。
請求項12に記載の発明は、前記電子受容性化合物として、下記一般式(VI)で表わされる脂肪族カルボン酸化合物を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のメモリ素子である。
請求項13に記載の発明は、前記電子受容性化合物として、下記一般式(VII)で表わされる脂肪族カルボン酸化合物を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のメモリ素子である。
請求項14に記載の発明は、前記電子受容性化合物として、下記一般式(VIII)で表わされるフェノール化合物を用いることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のメモリ素子である。
請求項15に記載の発明は、前記記録層にバインダー材を含有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載のメモリ素子である。
本発明の更に別の特徴は、請求項17に記載のように、(2)上述のようなメモリ素子(1)に対し、少なくとも全面に紫外光を照射して記録層に含有されるフォトクロミック化合物を発色させる初期化工程、記録層の一部あるいは全面を電子受容性化合物の溶融温度以上の温度に一時的に加熱し、発色したフォトクロミック化合物の吸収帯に対応した波長域を含む可視光を所定の領域に照射して消色させた後、上述の加熱部を含む領域を電子受容性化合物の溶融温度未満の温度に一時的に加熱する記録工程、所定の領域に紫外光を照射してフォトクロミック化合物を発色させる消去工程を施すことによりメモリ素子の初期化、記録、消去を行なう画像処理方法を提供することである。
このようなフォトクロミック化合物としては、2−[1−(5−メチル−2−p−ジメチルアミノフェニル−4−オキサゾリル)−2−トリフルオロメチルエチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、2−[1−(5−メチル−3−p−ジメチルアミノフェニル−4−イソオキサゾリル)−2−トリフルオロメチルエチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、2−[1−(5−メチル−2−p−ジメチルアミノフェニル−4−チアゾリル)−2−トリフルオロメチルエチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、2−[1−(5−メチル−2−p−ジメチルアミノフェニル−4−オキサゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、2−[1−(5−メチル−2−p−ジメチルアミノフェニル−4−チアゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、2−[1−(5−メチル−2−p−ジメチルアミノスチリル−4−オキサゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、2−[1−(5−メチル−(4−p−ジメチルアミノフェニル)ブダジエン−1−イル)−4−オキサゾリル]エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、2−[1−(2、5−ジメチル−1−p−ジメチルアミノフェニル−3−ピロリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、2−[1−(5−メチル−2−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニル−3−ピロリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、2−[1−(1、2−ジメチル−5−ジメチルアミノ−3−インドリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、2−[2、6−ジメチル3、5−ビス(p−ジメチルアミノスチリル)ベンジリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、等が挙げられる。
一般式(II)で表わされる有機リン酸化合物の具体例としては、たとえば以下のものが挙げられる。ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン酸、ヘキサコシルホスホン酸、オクタコシルホスホン酸等。
一般式(III)で表わされるα−ヒドロキシ脂肪族カルボン酸化合物としては、たとえば以下のものが挙げられる。α−ヒドロキシドデカン酸、α−ヒドロキシテトラデカン酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒドロキシオクタデカン酸、α−ヒドロキシペンタデカン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラコサン酸、α−ヒドロキシヘキサコサン酸、α−ヒドロキシオクタコサン酸等。
一般式(IV)で表わされる二塩基酸の具体例としては、たとえば、以下のものが挙げられる。2−(ドデシルオキシ)こはく酸、2−(テトラデシルオキシ)こはく酸、2−(ヘキサデシルオキシ)こはく酸、2−(オクタデシルオキシ)こはく酸、2−(エイコシルオキシ)こはく酸、2−(ドコシルオキシ)こはく酸、2−(テトラコシルオキシ)こはく酸、2−(ドデシルチオ)こはく酸、2−(テトラデシルチオ)こはく酸、2−(ヘキサデシルオキシ)こはく酸、2−(オクタデシルチオ)こはく酸、2−(エイコシルチオ)こはく酸、2−(ドコシルチオ)こはく酸、2−(テトラコシルチオ)こはく酸、2−(ドデシルジチオ)こはく酸、2−(テトラデシルジチオ)こはく酸、2−(ヘキサデシルジチオ)こはく酸、2−(オクタデシルジチオ)こはく酸、2−(エイコシルジチオ)こはく酸、2−(ドコシルジチオ)こはく酸、2−(テトラコシルジチオ)こはく酸等。
一般式(V)で表わされる二塩基酸の具体例としては、たとえば以下のものが挙げられる。ドデシルこはく酸、トリデシルこはく酸、テトラデシルこはく酸、ペンタデシルこはく酸、オクタデシルこはく酸、エイコシルこはく酸、ドコシルこはく酸、2,3−ジヘキサデシルこはく酸、2,3−ジオクタデシルこはく酸、2−メチル−3−ドデシルこはく酸、2−メチル−3−テトラデシルこはく酸、2−メチル−3−ヘキサデシルこはく酸、2−メチル−3−ドデシルこはく酸、2−エチル−3−ドデシルこはく酸、2−プロピル−3−ドデシルこはく酸、2−オクチル−3−ヘキサデシルこはく酸、2−テトラデシル−3−オクタデシルこはく酸等。
一般式(VI)で表わされる二塩基酸の具体例としては、たとえば以下のものが挙げられる。ドデシルマロン酸、テトラデシルマロン酸、ヘキサデシルマロン酸、オクタデシルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロン酸、テトラコシルマロン酸、ジドデシルマロン酸、ジテトラデシルマロン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオクタデシルマロン酸、ジエイコシルマロン酸、ジドコシルマロン酸、メチルオクタデシルマロン酸、メチルエイコシルマロン酸、メチルドコシルマロン酸、メチルテトラコシルマロン酸、エチルオクタデシルマロン酸、エチルエイコシルマロン酸、エチルドコシルマロン酸、エチルテトラコシルマロン酸等。
一般式(VII)で表わされる二塩基酸の具体例としては、たとえば以下のものが挙げられる。2−ドデシルグルタル酸、2−ヘキサデシルグルタル酸、2−オクタデシルグルタル酸、2−エイコシルグルタル酸、2−ドコシルグルタル酸、2−ドデシルアジピン酸、2−ペンタデシルアジピン酸、2−オクタデシルアジピン酸、2−エイコシルアジピン酸、2−ドコシルアジピン酸等。
(実施例1)
フォトクロミック化合物として、2−[1−(1、2−ジメチル−5−ジメチルアミノ−3−インドリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド(以下PC1と呼ぶ)を用い、電子受容性化合物としてドコシルホスホン酸を用い、バインダーとしてポリスチレンを用いた。1重量部のPC1に対し、ドコシルホスホン酸(融点98℃)を10重量部、ポリスチレンを9重量部添加し、溶媒としてジヒドロピランを用い塗布液を調製してPES(ポリエーテルサルフォン)基板上にキャストして2μmの記録層を形成したあと、PVAによる2μmの保護層およびアルミニウムによる0.15μm反射膜を形成し、光メモリ素子を作製した。
この記録層全面に基板側から紫外光を照射したところ、照射部のPC1が発色してシアン色を呈した。
次に、記録層が一時的に110℃に達する条件で全面を反射層側からヒートローラーで加熱処理したところ、記録層は青色を呈した。この状態の記録層の一部に発光波長650nmの半導体レーザーを照射したところ、照射部のPC1が消色し、ほぼ無色に変化した。次に記録層が一時的に80℃に達する条件で全面をヒートローラーで加熱処理したところ、前記半導体レーザー照射部は薄黄色を呈し、それ以外の部分はシアン色を呈した。
両部分に前記半導体レーザーをそれぞれ照射したところ、反射光の強度には両者で著しい差異が認められた。引き続き両部分にレーザー光を長時間照射したが、両部分とも全く変化は見られなかった。
次に、両部分に紫外光を照射したところ、薄黄色を呈していた部分がシアン色に変化したため、全体が一様にシアン色を呈した状態になった。
実施例1と同様に光メモリ素子を作製した。
この素子に対し、記録層が一時的に110℃に達する条件で全面を反射層側からヒートローラーで加熱処理し、赤色のランプ光源を用いて全面を基板側から照射したところ、PC1が消色してほぼ無色になった。
次に、この状態の記録層の一部に紫外光を照射したところ、照射部のPC1が発色して青色を呈した。さらに前記照射部を含む領域の記録層が一時的に80℃に達する条件で全面をヒートローラーで加熱処理したところ、前記照射部はシアン色に、それ以外の部分は薄黄色に変化した。
両部分に前記半導体レーザーをそれぞれ照射したところ、反射光の強度には両者で著しい差異が認められた。引き続き両部分にレーザー光を長時間照射したが、両部分とも全く変化は見られなかった。
記録層が一時的に110℃に達する条件で全面を反射層側からヒートローラーで加熱処理したところ、シアン色だった部分は青色に、薄黄色だった部分はほぼ無色に変化した。次に両部分に発光波長650nmの半導体レーザーを照射したところ、ほぼ無色だった部分は変化がなく、青色を呈していた部分がほぼ無色に変化したため、両部分が同様の状態になった。さらに記録層が一時的に80℃に達する条件で全面を反射層側からヒートローラーで加熱処理したところ、前記ほぼ無色の部分は薄黄色を呈した。
フォトクロミック化合物として2−[1−(2、5−ジメチル−1−p−ジメチルアミノフェニル−3−ピロリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド(以下PC2と呼ぶ)を用いたこと外はすべて実施例1と同様にして、光メモリ素子を作製した。
この記録層全面に基板側から紫外光を照射したところ、照射部のPC2が発色して青色を呈した。
次に、記録層が一時的に110℃に達する条件で全面を反射層側からヒートローラーで加熱処理したところ、記録層は紫色を呈した。この状態の記録層の一部に発光波長650nmの半導体レーザーを照射したところ、照射部のPC2が消色し、ほぼ無色に変化した。次に記録層が一時的に80℃に達する条件で全面をヒートローラーで加熱処理したところ、前記半導体レーザー照射部は無色のまま変わらず、それ以外の部分は青色を呈した。
両部分に前記半導体レーザーをそれぞれ照射したところ、反射光の強度には両者で著しい差異が認められた。引き続き両部分にレーザー光を長時間照射したが、両部分とも全く変化は見られなかった。
次に、両部分に紫外光を照射したところ、無色の部分が青色に変化したため、全体が一様に青色を呈した状態になった。
実施例1とほぼ同様に光メモリ素子を作製した。ただし記録層の構成要素から電子受容性化合物であるドコシルホスホン酸を除き、1重量部のPC1に対しポリスチレンを19重量部用いて記録層を形成した。
この記録層全面に基板側から紫外光を照射したところ、照射部のPC1が発色してシアン色を呈した。
次に、記録層が一時的に110℃に達する条件で全面を反射層側からヒートローラーで加熱処理したが記録層は変化を示さなかった。この状態の記録層の一部に発光波長650nmの半導体レーザーを照射したが、照射部のPC1はほとんど消色しないためか変化が見られず、記録工程が実施できなかった。
電子受容性化合物としてα−ヒドロキシテトラデカン酸を用いた以外はすべて実施例1と同様にして、光メモリ素子を作製した。実施例1と同様に初期化工程、記録工程、再生工程、消去工程を実施したところ、記録工程における半導体レーザー照射部のPC1の消色に実施例1の場合よりも若干多くの時間を要した以外は実施例1とほぼ同様の結果が得られた。
電子受容性化合物として2−フルオロオクタデカン酸を用いた以外はすべて実施例1と同様にして、光メモリ素子を作製した。実施例1と同様に初期化工程、記録工程、再生工程、消去工程を実施したところ、記録工程における半導体レーザー照射部のPC1の消色に実施例1の場合の2倍弱の時間を要した以外は実施例1とほぼ同様の結果が得られた。
電子受容性化合物として2−オキソオクタデカン酸を用いた以外はすべて実施例1と同様にして、光メモリ素子を作製した。実施例1と同様に初期化工程、記録工程、再生工程、消去工程を実施したところ、記録工程における半導体レーザー照射部のPC1の消色に実施例1の場合の2倍弱程度の時間を要した以外は実施例1とほぼ同様の結果が得られた。
電子受容性化合物として2−(オクタデシルチオ)こはく酸を用いた以外はすべて実施例1と同様にして、光メモリ素子を作製した。実施例1と同様に初期化工程、記録工程、再生工程、消去工程を実施したところ、実施例1とほぼ同様の結果が得られた。
電子受容性化合物としてオクタデシルこはく酸を用いた以外はすべて実施例1と同様にして、光メモリ素子を作製した。実施例1と同様に初期化工程、記録工程、再生工程、消去工程を実施したところ、記録工程における半導体レーザー照射部のPC1の消色に実施例1の場合よりも若干多くの時間を要した以外は実施例1とほぼ同様の結果が得られた実施例1とほぼ同様の結果が得られた。
電子受容性化合物としてオクタデシルマロン酸を用いた以外はすべて実施例1と同様にして、光メモリ素子を作製した。実施例1と同様に初期化工程、記録工程、再生工程、消去工程を実施したところ、実施例1とほぼ同様の結果が得られた。
電子受容性化合物として2−オクタデシルグルタル酸を用いた以外はすべて実施例1と同様にして、光メモリ素子を作製した。実施例1と同様に初期化工程、記録工程、再生工程、消去工程を実施したところ、実施例1とほぼ同様の結果が得られた。
電子受容性化合物としてp−(オクタデシルチオ)フェノールを用いた以外はすべて実施例1と同様にして、光メモリ素子を作製した。実施例1と同様に初期化工程、記録工程、再生工程、消去工程を実施したところ、記録工程における半導体レーザー照射部のPC1の消色に実施例1の場合の2倍程度の時間を要した以外は実施例1とほぼ同様の結果が得られた。
(実施例12)
フォトクロミック化合物として、PC1を用い、赤外吸収剤としてNi金属錯体系色素(PA−1006、三井化学製)を用い、電子受容性化合物としてドコシルホスホン酸を用い、バインダーとしてポリスチレンを用いた。1重量部のPC1に対し、D1を1重量部、ドコシルホスホン酸(融点98℃)を9重量部、ポリスチレンを9重量部添加し、溶媒としてジヒドロピランを用い塗布液を調製してPES(ポリエーテルサルフォン)基板上にキャストして記録層(2μm)を形成したあと、PVAによる保護層(2μm)およびアルミニウムによる反射膜(1000Å)を形成し、光メモリ素子を作製した。
この記録層全面に基板側から紫外光を照射したところ、照射部のPC1が発色してシアン色を呈した。
次に、記録層に発光波長825nmの半導体レーザーを50W/mm2の照度で1msec照射したところ、記録層が一時的に110℃に達し、記録層は青色を呈した。この状態の記録層の一部に発光波長650nmの半導体レーザーを照射したところ、照射部のPC1が消色し、ほぼ無色に変化した。次に記録層に発光波長825nmの半導体レーザーを0.5W/mm2の照度で20msec照射したところ、記録層が一時的に80℃に達し、前記消色部は薄黄色を呈し、それ以外の部分はシアン色を呈した。
両部分に発光波長650nmの半導体レーザーをそれぞれ照射したところ、反射光の強度には両者で著しい差異が認められた。引き続き両部分に発光波長650nmのレーザー光を長時間照射したが、両部分とも全く変化は見られなかった。
次に、両部分に紫外光を照射したところ、薄黄色を呈していた部分がシアン色に変化したため、全体が一様にシアン色を呈した状態になった。
実施例12の記録層の構成要素のうち、D1を用いないこと以外は実施例12と同様にしてPES(ポリエーテルサルフォン)基板上にキャストして記録層(2μm)を形成したあと、その上にD1とポリカーボネートを同重量部含む発熱層(2μm)を形成し、さらにPVAによる保護層(2μm)およびアルミニウムによる反射膜(1000Å)を形成し、光メモリ素子を作製した。
実施例12と同様に光メモリ素子を作製した。
この素子に対し、基板側から全面に発光波長825nmの半導体レーザーを50W/mm2の照度で1msec照射し、続いて赤色のランプ光源を用いて照射したところ、PC1が消色してほぼ無色になった。
次に、この状態の記録層の一部に紫外光を照射したところ、照射部のPC1が発色して青色を呈した。さらに前記照射部を含む領域の記録層に発光波長825nmの半導体レーザーを0.5W/mm2の照度で20msec照射したところ、前記照射部はシアン色に、それ以外の部分は薄黄色に変化した。
両部分に発光波長650nmの半導体レーザーをそれぞれ照射したところ、反射光の強度には両者で著しい差異が認められた。引き続き両部分に発光波長650nmのレーザー光を長時間照射したが、両部分とも全く変化は見られなかった。
素子全面に発光波長825nmの半導体レーザーを50W/mm2の照度で1msec照射したところ、シアン色だった部分は青色に、薄黄色だった部分はほぼ無色に変化した。次に両部分に発光波長650nmの半導体レーザーを照射したところ、ほぼ無色だった部分は変化がなく、青色を呈していた部分がほぼ無色に変化したため、両部分が同様の状態になった。さらに発光波長825nmの半導体レーザーを0.5W/mm2の照度で20msec照射したところ、前記ほぼ無色の部分は薄黄色を呈した。
実施例12とほぼ同様に光メモリ素子を作製した。ただし記録層の構成要素から電子受容性化合物であるドコシルホスホン酸を除き、1重量部のPC1に対しポリスチレンを18重量部用いて記録層を形成した。
この記録層全面に基板側から紫外光を照射したところ、照射部のPC1が発色してシアン色を呈した。
次に、記録層に発光波長825nmの半導体レーザーを50W/mm2の照度で1msec照射したが記録層は変化を示さなかった。この状態の記録層の一部に発光波長650nmの半導体レーザーを照射したが、照射部のPC1はほとんど消色しないためか変化が見られず、記録工程が実施できなかった。
実施例12とほぼ同様に光メモリ素子を作製した。ただし記録層の構成要素から赤外吸収剤D1を除いて記録層を形成した。
この記録層全面に基板側から紫外光を照射したところ、照射部のPC1が発色してシアン色を呈した。
発光波長825nmの半導体レーザー照射では変化が見られなかったが、その後、実施例1と同様に記録、再生、消去の各工程を行なったところ、該工程が繰り返し実施できた。
電子受容性化合物としてα−ヒドロキシテトラデカン酸を用いた以外はすべて実施例12と同様にして、光メモリ素子を作製した。実施例12と同様に初期化工程、記録工程、再生工程、消去工程を実施したところ、記録工程における発光波長650nmの半導体レーザー照射部のPC1の消色に実施例12の場合よりも若干多くの時間を要した以外は実施例1とほぼ同様の結果が得られた実施例12とほぼ同様の結果が得られた。
電子受容性化合物として2−フルオロオクタデカン酸を用いた以外はすべて実施例12と同様にして、光メモリ素子を作製した。実施例12と同様に初期化工程、記録工程、再生工程、消去工程を実施したところ、記録工程における発光波長650nmの半導体レーザー照射部のPC1の消色に実施例12の場合の2倍弱の時間を要した以外は実施例12とほぼ同様の結果が得られた。
電子受容性化合物として2−オキソオクタデカン酸を用いた以外はすべて実施例12と同様にして、光メモリ素子を作製した。実施例12と同様に初期化工程、記録工程、再生工程、消去工程を実施したところ、記録工程における発光波長650nmの半導体レーザー照射部のPC1の消色に実施例12の場合の2倍弱程度の時間を要した以外は実施例12とほぼ同様の結果が得られた。
電子受容性化合物として2−(オクタデシルチオ)こはく酸を用いた以外はすべて実施例12と同様にして、光メモリ素子を作製した。実施例12と同様に初期化工程、記録工程、再生工程、消去工程を実施したところ、実施例12とほぼ同様の結果が得られた。
電子受容性化合物としてオクタデシルこはく酸を用いた以外はすべて実施例12と同様にして、光メモリ素子を作製した。実施例12と同様に初期化工程、記録工程、再生工程、消去工程を実施したところ、記録工程における発光波長650nmの半導体レーザー照射部のPC1の消色に実施例12の場合よりも若干多くの時間を要した以外は実施例12とほぼ同様の結果が得られた。
電子受容性化合物としてオクタデシルマロン酸を用いた以外はすべて実施例12と同様にして、光メモリ素子を作製した。実施例12と同様に初期化工程、記録工程、再生工程、消去工程を実施したところ、実施例12とほぼ同様の結果が得られた。
電子受容性化合物として2−オクタデシルグルタル酸を用いた以外はすべて実施例12と同様にして、光メモリ素子を作製した。実施例12と同様に初期化工程、記録工程、再生工程、消去工程を実施したところ、実施例12とほぼ同様の結果が得られた。
電子受容性化合物としてp−(オクタデシルチオ)フェノールを用いた以外はすべて実施例12と同様にして、光メモリ素子を作製した。実施例12と同様に初期化工程、記録工程、再生工程、消去工程を実施したところ、記録工程における発光波長650nmの半導体レーザー照射部のPC1の消色に実施例12の場合の2倍程度の時間を要した以外は実施例12とほぼ同様の結果が得られた。
Claims (20)
- 少なくともフォトクロミック化合物および電子受容性化合物を含む記録層を支持基板上に形成したメモリ素子であって、
該フォトクロミック化合物が2−[1−(1,2−ジメチル−5−ジメチルアミノ−3−インドリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミドであり、
該電子受容性化合物がルイス酸化合物であり、ルイス酸部位を除く長鎖構造部位の炭素数が12以上であることを特徴とするメモリ素子。 - 前記記録層は更に赤外吸収剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のメモリ素子。
- 赤外吸収剤を含む発熱層を前記支持基板上に設けたことを特徴とする請求項1に記載のメモリ素子。
- 前記支持基板上に反射層を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のメモリ素子。
- 前記電子受容性化合物としてのルイス酸化合物が、ホスホン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物、及び/又はフェノール化合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のメモリ素子。
- 前記電子受容性化合物が、ハロゲン元素で置換された脂肪族基を含む炭素数12以上の長鎖構造をもつカルボン酸化合物であって、その少なくともα位またはβ位の炭素にハロゲン元素を持つカルボン酸化合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のメモリ素子。
- 前記電子受容性化合物が、炭素鎖中にオキソ基を持つ脂肪族基を含む炭素数12以上の長鎖構造をもつカルボン酸化合物であって、その少なくともα位、β位またはγ位の炭素がオキソ基となっているカルボン酸化合物であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のメモリ素子。
- 前記記録層にバインダー材を含有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載のメモリ素子。
- 前記メモリ素子の表面、あるいは記録層よりも表面の近くに設けられた反射層、発熱層の界面に保護層を設けたことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載のメモリ素子。
- 請求項1乃至16のいずれか一項に記載のメモリ素子に対し、少なくとも全面に紫外光を照射して記録層に含有されるフォトクロミック化合物を発色させる初期化工程、記録層の一部あるいは全面を電子受容性化合物の溶融温度以上の温度に一時的に加熱し、発色したフォトクロミック化合物の吸収帯に対応した波長域を含む可視光を所定の領域に照射して消色させた後、前記加熱部を含む領域を電子受容性化合物の溶融温度未満の温度に一時的に加熱する記録工程、所定の領域に紫外光を照射してフォトクロミック化合物を発色させる消去工程を施すことを特徴とするメモリ素子の初期化、記録、消去方法。
- 請求項1乃至16のいずれか一項に記載のメモリ素子に対し、少なくとも、記録層全面を電子受容性化合物の溶融温度以上の温度に一時的に加熱し、記録層に含有されるフォトクロミック化合物の吸収帯に対応した波長域を含む可視光を全面に照射して記録層に含有されるフォトクロミック化合物を消色させる初期化工程、所定の領域に紫外光を照射してフォトクロミック化合物を発色させた後、前記紫外光照射部分を含む領域を電子受容性化合物の溶融温度未満の温度に一時的に加熱する記録工程、記録層の一部あるいは全面を電子受容性化合物の溶融温度以上の温度に一時的に加熱し、発色したフォトクロミック化合物の吸収帯に対応した波長域を含む可視光を所定の領域に照射して消色させた後、少なくとも上述の加熱部を含む領域を電子受容性化合物の溶融温度未満の温度に一時的に加熱する消去工程を施すことを特徴とするメモリ素子の初期化、記録、消去方法。
- 請求項2乃至16のいずれか一項に記載のメモリ素子に対し、少なくとも全面に紫外光を照射して記録層に含有されるフォトクロミック化合物を発色させる初期化工程、赤外光を照射して記録層の一部あるいは全面を電子受容性化合物の溶融温度以上の温度に一時的に加熱し、発色したフォトクロミック化合物の吸収帯に対応した波長域を含む可視光を所定の領域に照射して消色させた後、赤外光を照射して上述の加熱部を含む領域を電子受容性化合物の溶融温度未満の温度に一時的に加熱する記録工程、所定の領域に紫外光を照射してフォトクロミック化合物を発色させる消去工程を施すことを特徴とするメモリ素子の初期化、記録、消去方法。
- 請求項2乃至16のいずれか一項に記載のメモリ素子に対し、少なくとも、赤外光を照射して記録層全面を電子受容性化合物の溶融温度以上の温度に一時的に加熱し、記録層に含有されるフォトクロミック化合物の吸収帯に対応した波長域を含む可視光を全面に照射して記録層に含有されるフォトクロミック化合物を消色させる初期化工程、所定の領域に紫外光を照射してフォトクロミック化合物を発色させた後、赤外光を照射して前記紫外光照射部分を含む領域を電子受容性化合物の溶融温度未満の温度に一時的に加熱する記録工程、赤外光を照射して記録層の一部あるいは全面を電子受容性化合物の溶融温度以上の温度に一時的に加熱し、発色したフォトクロミック化合物の吸収帯に対応した波長域を含む可視光を所定の領域に照射して消色させた後、赤外光を照射して少なくとも上述の加熱部を含む領域を電子受容性化合物の溶融温度未満の温度に一時的に加熱する消去工程を施すことを特徴とするメモリ素子の初期化、記録、消去方法
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