JP2007079022A - 画像表示媒体および画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成における消色工程の消色感度の大小を切り替えることが可能な画像表示媒体および画像形成方法、特に多色画像表示媒体及び多色画像形成方法を提供する。
【解決手段】フォトクロミック化合物、電子受容性化合物および赤外吸収色素を含む感光層を支持基板上に形成した画像表示媒体、またはフォトクロミック化合物および電子受容性化合物を含む感光層と、赤外吸収色素を含む発熱層とを支持基板上に形成した画像表示媒体であって、フォトクロミック化合物がその分子中に一般式(I)で示す構造を2つ以上有するフルギド系化合物であり、電子受容性化合物がルイス酸化合物であり、ルイス酸部位を除く長鎖構造部位の炭素数が12以上とする。
【選択図】なし
【解決手段】フォトクロミック化合物、電子受容性化合物および赤外吸収色素を含む感光層を支持基板上に形成した画像表示媒体、またはフォトクロミック化合物および電子受容性化合物を含む感光層と、赤外吸収色素を含む発熱層とを支持基板上に形成した画像表示媒体であって、フォトクロミック化合物がその分子中に一般式(I)で示す構造を2つ以上有するフルギド系化合物であり、電子受容性化合物がルイス酸化合物であり、ルイス酸部位を除く長鎖構造部位の炭素数が12以上とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、画像表示媒体および画像形成方法、特に多色画像表示媒体および多色画像形成方法に関し、詳しくは、光照射により画像を繰り返し形成することが可能な画像表示媒体および画像形成方法、特に多色画像表示媒体および多色画像形成方法に関する。
光照射により可逆的な色変化を示すフォトクロミック化合物を用いた書き換え型の表示媒体に関する提案は以前からなされてはいるが、カラー画像を何度も書き換えできる実用的な表示媒体および方法に関する提案は未だ見当たらない。
フォトクロミック化合物を用いてカラー画像を形成する方法としては、254nmの紫外光照射で黄橙色、313nmの紫外光照射で赤色、365nmの紫外光照射で青紫色に発色するフォトクロミック性ジアリールエテン化合物を3種類混合して、それぞれの波長の紫外光を照射する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。フルカラー画像を形成するためには3原色(青、緑、赤またはイエロー、マゼンタ、シアン)を発色する3種類以上のフォトクロミック化合物の消・発色を光で制御しなければならないが、上記の方法では3種類の紫外光波長域によって各材料の発色の有無が選択できることが必要であり、つまり紫外域での吸収帯に重なりがない3種類以上のフォトクロミック化合物が必要であり、さらにそれらの化合物が発色状態において上記3原色を示さなければならないが、そのような化合物の系は実際には見当たらない。また、実用化には発色特性だけではなく、繰り返し耐久性、熱・湿安定性なども考慮しなければならず、これらの全てを満たす材料を開発するのは大変困難である。
また、発色状態でイエロー、マゼンタ、シアンを示す3種類のフォトクロミック性フルギド化合物に対して、366nmの紫外光で全フォトクロミック化合物を発色させた後にカラーポジフィルム越しに白色光を照射することにより、各フォトクロミック性フルギド化合物を必要に応じて選択的に消色してカラー画像を得る方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法では、紫外光源が1種類だけで対応できるという利点があるものの、形成したい画像のカラーポジフィルムが必要であり、その都度これを準備するのは全く実際的でなく、近年のオフィスワークにおけるカラー画像出力に用いるには全く適切ではない。これらを含め、関連の提案、つまりフォトクロミック化合物を用いた書き換え型の表示媒体および方法に関する提案については、カラー画像を対象とした実用的なものは未だ見当たらない。
このような状況および問題を鑑みて、本発明者らは先に、発色状態における極大吸収波長が異なる複数のフォトクロミック化合物を含む感光層を支持基板上に形成した画像表示媒体に、高精細な多色画像を簡単に繰り返し形成する方法および装置に関するいくつかの提案をしてきており(例えば、特許文献3及び特許文献4参照)、それらの提案のなかには、画像を形成する時間と、形成後の画像の発色保持性に関するさらなる改善のための提案もあった。すなわち、画像形成においては、紫外光照射によって感光層に含有される全種類のフォトクロミック化合物を発色させた後、発色した各々のフォトクロミック化合物の極大吸収波長に対応した波長域の可視光をそれぞれ所定の領域に照射して各フォトクロミック化合物を選択的に消色することにより、多色画像を形成する方法がある。しかしこの方法では、可視光による消色工程に比較的多くの時間を要する場合が多く、この点からは消色感度が大きいフォトクロミック化合物を用いることが望まれるが、一方形成後の画像が照明下で観察される場合の発色保持性の点からは、消色感度が小さいフォトクロミック化合物を用いることが望まれることとなる。このように、画像形成時間の短縮と、形成画像の発色保持性確保という2つの課題は、フォトクロミック化合物の消色感度に関して相反する特性を要求するものであり、前記2つの課題を考慮したより好ましい改善のためには、画像を形成するときのみ一時的にフォトクロミック化合物の消色感度を増大させ、画像形成後は消色感度を減少させるという、消色感度の制御技術が必要となったのである。
特開平05−271649号公報
特開平07−199401号公報
特開2002−37944号公報
特開2002−117934号公報
したがって、本発明は上述に鑑みてなされたものであり、光照射による書き換え型の画像表示媒体に対する、高精細・高品質の画像形成、特にカラー(多色)画像形成において、画像形成時間の短縮と、形成画像の発色保持性確保を可能とするような画像表示媒体および画像形成方法、特に多色画像表示媒体及び多色画像形成方法を提供することを目的とするものであり、より具体的にはそのために画像形成における消色工程の消色感度の大小を切り替えることが可能な画像表示媒体および画像形成方法、特に多色画像表示媒体及び多色画像形成方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上述の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するにいたった。
即ち上記目的は、請求項1に記載されるがごとく、少なくともフォトクロミック化合物、電子受容性化合物および赤外吸収色素を含む感光層を支持基板上に形成した画像表示媒体であって、該フォトクロミック化合物がその分子中に以下の一般式(I)で示す構造を2つ以上有するフルギド系化合物であり、該電子受容性化合物がルイス酸化合物であり、ルイス酸部位を除く長鎖構造部位の炭素数が12以上であることを特徴とする画像表示媒体によって達成される。
請求項2にかかる発明は、少なくともフォトクロミック化合物および電子受容性化合物を含む感光層と、赤外吸収色素を含む発熱層とを支持基板上に形成した画像表示媒体であって、該フォトクロミック化合物がその分子中に上記一般式(I)で示す構造を2つ以上有するフルギド系化合物であり、該電子受容性化合物がルイス酸化合物であり、ルイス酸部位を除く長鎖構造部位の炭素数が12以上であることを特徴とする画像表示媒体によって達成される。
請求項2に記載の発明によれば、光照射処理のみで消色感度の可逆制御が可能な画像表示媒体が得られる。
請求項3にかかる発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記フルギド系化合物がフルギミド化合物であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、光照射処理のみで消色感度の可逆制御が可能な画像表示媒体が得られる。
請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発明において、前記電子受容性化合物として、下記一般式(II)で表されるホスホン酸化合物を用いることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、消色感度の可逆制御が可能な画像表示媒体に用いる構成要素として、電子受容性が異なるさまざまな化合物が得られ、感光層の材料設計自由度が大きくなる。
請求項5にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発明において、前記電子受容性化合物として、下記一般式(III)で表されるα−ヒドロキシ脂肪族カルボン酸化合物を用いることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、消色感度の可逆制御が可能な画像表示媒体に用いる構成要素として、電子受容性が異なるさまざまな化合物が得られ、感光層の材料設計自由度が大きくなる。
請求項6にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発明において、前記電子受容性化合物が、ハロゲン元素で置換された脂肪族基などを含む炭素数12以上の長鎖構造をもつカルボン酸化合物であって、その少なくともα位またはβ位の炭素にハロゲン元素を持つカルボン酸化合物であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、消色感度の可逆制御が可能な画像表示媒体に用いる構成要素として、電子受容性が異なるさまざまな化合物が得られ、感光層の材料設計自由度が大きくなる。
請求項7にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発明において、前記電子受容性化合物が、炭素鎖中にオキソ基を持つ脂肪族基などを含む炭素数12以上の長鎖構造をもつカルボン酸化合物であって、その少なくともα位、β位またはγ位の炭素がオキソ基となっているカルボン酸化合物であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、消色感度の可逆制御が可能な画像表示媒体に用いる構成要素として、電子受容性が異なるさまざまな化合物が得られ、感光層の材料設計自由度が大きくなる。
請求項8にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発明において、前記電子受容性化合物として、下記一般式(IV)で表わされる脂肪族カルボン酸化合物を用いることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、消色感度の可逆制御が可能な画像表示媒体に用いる構成要素として、電子受容性が異なるさまざまな化合物が得られ、感光層の材料設計自由度が大きくなる。
請求項9にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発明において、前記電子受容性化合物として、下記一般式(V)で表わされる脂肪族カルボン酸化合物を用いることを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、消色感度の可逆制御が可能な画像表示媒体に用いる構成要素として、電子受容性が異なるさまざまな化合物が得られ、感光層の材料設計自由度が大きくなる。
請求項10にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発明において、前記電子受容性化合物として、下記一般式(VI)で表わされる脂肪族カルボン酸化合物を用いることを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、消色感度の可逆制御が可能な画像表示媒体に用いる構成要素として、電子受容性が異なるさまざまな化合物が得られ、感光層の材料設計自由度が大きくなる。
請求項11にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発明において、前記電子受容性化合物として、下記一般式(VII)で表わされる脂肪族カルボン酸化合物を用いることを特徴とする。
請求項11に記載の発明によれば、消色感度の可逆制御が可能な画像表示媒体に用いる構成要素として、電子受容性が異なるさまざまな化合物が得られ、感光層の材料設計自由度が大きくなる。
請求項12にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の発明において、前記電子受容性化合物として、下記一般式(VIII)で表わされるフェノール化合物を用いることを特徴とする。
請求項12に記載の発明によれば、消色感度の可逆制御が可能な画像表示媒体に用いる構成要素として、電子受容性が異なるさまざまな化合物が得られ、感光層の材料設計自由度が大きくなる。
請求項13にかかる発明は、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の発明において、前記感光層にバインダー材を含有することを特徴とする。
請求項13に記載の発明によれば、物理的および化学的に、画像表示媒体としての耐久性が向上する。
請求項14にかかる発明は、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の発明において、前記感光層の表面に保護層を設けることを特徴とする。
請求項14に記載の発明によれば、物理的および化学的に、画像表示媒体としての耐久性が向上する。
請求項15にかかる発明は、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の画像表示媒体に対し、少なくとも紫外光照射によって感光層に含有されるフォトクロミック化合物を発色させる工程、赤外光を照射して電子受容性化合物の溶融温度以上の温度に加熱する工程、発色したフォトクロミック化合物の極大吸収波長に対応した波長域の可視光を所定の領域に照射して消色する工程、および赤外光を照射して電子受容性化合物の溶融温度以下の温度に加熱する工程を施すことを特徴とする画像形成方法によって達成される。
請求項15に記載の発明によれば、消色感度の可逆制御が可能となり、画像形成時間の短縮と、形成画像の発色保持性確保の両立が可能となる。
請求項16にかかる発明は、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の発明において、前記フォトクロミック化合物として発色状態における極大吸収波長が異なる2種類以上のフォトクロミック化合物を用いることを特徴とする。
請求項16に記載の発明によれば、多色表示が可能であり、かつ消色感度の可逆制御が可能な画像表示媒体が得られる。
請求項17にかかる発明は、請求項16に記載の発明において、発色状態における極大吸収波長が400nm以上500nm未満の範囲にあるフォトクロミック化合物(A)と、発色状態における極大吸収波長が500nm以上600nm未満の範囲にあるフォトクロミック化合物(B)と、発色状態における極大吸収波長が600nm以上700nm未満の範囲にあるフォトクロミック化合物(C)をすべて前記感光層中に含有することを特徴とする。
請求項17に記載の発明によれば、広い色相範囲での色表現が可能で、かつ消色感度の可逆制御が可能となり、画像形成時間の短縮と、形成画像の発色保持性確保の両立が可能となる。
請求項18にかかる発明は、請求項17に記載の発明において、前記感光層が、フォトクロミック化合物として上記(A)のみを含む感光層と、フォトクロミック化合物として上記(B)のみを含む感光層と、フォトクロミック化合物として上記(C)のみを含む感光層の積層構造からなることを特徴とする。
請求項18に記載の発明によれば、用いる各フルギド系化合物ごとに消色感度の変化程度の調整が可能になる。
請求項19にかかる発明は、請求項18に記載の発明において、フォトクロミック化合物として上記(A)のみを含む感光層と、フォトクロミック化合物として上記(B)のみを含む感光層と、フォトクロミック化合物として上記(C)のみを含む感光層による積層構造の各層間に中間層を設けたことを特徴とする。
請求項19に記載の発明によれば、各感光層間での材料の混合・にじみ等がない適正な積層構造が形成され、適正な消色感度可逆制御が可能となる。
請求項20にかかる発明は、請求項16乃至19のいずれか一項に記載の画像表示媒体に対し、少なくとも紫外光照射によって感光層に含有される全種類のフォトクロミック化合物を発色させる工程、赤外光を照射して電子受容性化合物の溶融温度以上の温度に加熱する工程、発色した各々のフォトクロミック化合物の極大吸収波長に対応した波長域の可視光をそれぞれ所定の領域に照射して各フォトクロミック化合物を選択的に消色する工程、および赤外光を照射して電子受容性化合物の溶融温度以下の温度に加熱する工程を施すことを特徴とする画像形成方法によって達成される。
請求項20に記載の発明によれば、多色表示が可能で、かつ消色感度の可逆制御が可能となり、画像形成時間の短縮と、形成画像の発色保持性確保の両立が可能となる。
本発明によると、消色感度を可逆的に変化させ、画像形成時間の短縮と、形成画像の発色保持性確保を可能とする光照射による書き換え型の画像表示媒体および画像形成方法、特に多色画像表示媒体及び多色画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明の感熱記録媒体の実施形態について説明する。
なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。
まず、本発明が関わるところの、フォトクロミック化合物を含む感光層を基板上に形成した画像表示媒体、およびそれに対して光照射によりカラー画像を形成する方法の基本的なメカニズムについて説明する。
ここで用いられる画像表示媒体は、発色状態における極大吸収波長が異なる、つまり発色状態において認識される色が異なる、2種類以上のフォトクロミック化合物を含む感光層を支持基板上に形成して作製される。これに、紫外光照射によって感光層に含有される全種類のフォトクロミック化合物を発色させた後、発色した各々のフォトクロミック化合物の可視域吸収帯に対応した波長域(極大吸収波長付近の波長域)の光をそれぞれ所定の領域に照射して対応する特定のフォトクロミック化合物を選択的に消色することにより、所望のカラー画像が得られる(図1参照)。
さらに詳しく説明すれば、発色状態における極大吸収波長が異なるということは、つまり認識される“色”が異なるということであり、この極大吸収波長は、表示に用いたい“色”に対応して設定されればよく、また該フォトクロミック化合物の種類も、表示に用いたい“色”の数に対応して設定されればよい。発色状態における極大吸収波長が400nm以上500nm未満の範囲にあるフォトクロミック化合物と、発色状態における極大吸収波長が500nm以上600nm未満の範囲にあるフォトクロミック化合物と、発色状態における極大吸収波長が600nm以上700nm未満の範囲にあるフォトクロミック化合物をすべて含有するもので感光層を構成すれば、発色状態において認識される“色”はそれぞれ、ほぼイエロー、マゼンタ、シアンに相当し、これらにより3原色が構成され、さらに、例えば可視光照射工程で各フォトクロミック化合物の消色の程度を調整することで、各フォトクロミック化合物により得られる“色”の濃度を制御することが可能なので、前述の画像表示方法により色再現範囲が広い多色表示が可能となる。
以上は、発色状態における極大吸収波長が異なる、2種類以上のフォトクロミック化合物を含む感光層からなる画像表示媒体に対して画像を形成する場合について述べた。1種類のフォトクロミック化合物のみを含む感光層からなる画像表示媒体を対象とする場合は、発色の色相は1つでその濃度が異なる、いわゆるモノクロ画像が形成されることになるが、その感光層に含まれるフォトクロミック化合物の発色の程度を制御して画像を形成するという基本的な方法については上述のカラー画像の形成の場合と同様である。
感光層に含有させるフォトクロミック化合物としては、熱不可逆型のフルギド系化合物、ジアリールエテン系化合物、熱可逆型のスピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合物等を始めとするフォトクロミック性を示す化合物があるが、発色状態の熱的安定性の点で、すなわち光を照射しなければ発色状態から消色状態には非常に変化しにくいという点で、熱不可逆型の化合物を用いることが好ましい。
本発明は、この内でも特にフルギド系化合物を用いるが、該フルギド系化合物は、その構造と消色感度の関係から、自体の構造あるいは他物質との相互作用により消色感度を変化させやすいという点で優れている。
感光層を構成する材料としては該フォトクロミック化合物のほかに、バインダー材料があるが、該フォトクロミック化合物のフォトクロミズム機能に悪影響を与えることがなく、また該フォトクロミック化合物と相溶性が良く、成膜可能であり、硬化後の透明性に優れる樹脂材料を用いることが好ましい。このような材料として、例えば、ポリスチレン、ポリエステル、ポリメタクリル酸メチル、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニルなどが挙げられる。
支持基板の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネートなどのような透明材料、および紙などの不透明材料が挙げられる。
感光層を形成する方法としては塗布法のほかに蒸着法も挙げられるが、塗布法が簡便であり、該フォトクロミック化合物とバインダー材料を共に溶媒に溶かして、印刷法、スピンコート法などの方法により塗布し、乾燥して成膜すればよい。感光層は、各“色”に発色するフォトクロミック化合物全てをバインダー材料とともに均一に混合して単一層としても良いし、各フォトクロミック化合物とバインダー材料とからなる層を積層して複数層としてもよい。
本発明は、以上に述べたフォトクロミック化合物を含む感光層を基板上に形成した画像表示媒体、およびそれに対して光照射により画像を形成する方法をもとに、上述の課題すなわち「画像形成時間の短縮」と「形成画像の発色保持性確保」の両立のための消色感度の制御について検討した結果得られたものである。
次に、本発明の構成をさらに詳細に説明する。
本発明の画像表示媒体は、<1>少なくともフォトクロミック化合物、電子受容性化合物および赤外吸収色素を含む感光層を支持基板上に形成した画像表示媒体であって、該フォトクロミック化合物がその分子中に以下の一般式(I)で示す構造を2つ以上有するフルギド系化合物であり、該電子受容性化合物がルイス酸化合物であり、ルイス酸部位を除く長鎖構造部位の炭素数が12以上である。
また、本発明の別の画像表示媒体は、<2>少なくともフォトクロミック化合物および電子受容性化合物を含む感光層と、赤外吸収色素を含む発熱層とを支持基板上に形成した画像表示媒体であって、該フォトクロミック化合物がその分子中に上記一般式(I)で示す構造を2つ以上有するフルギド系化合物であり、該電子受容性化合物がルイス酸化合物であり、ルイス酸部位を除く長鎖構造部位の炭素数が12以上である。
さらにまた、本発明の別の特徴として、<3>上述のような画像表示媒体<1>、<2>に対し、少なくとも紫外光照射によって感光層に含有されるフォトクロミック化合物を発色させる工程、赤外光を照射して電子受容性化合物の溶融温度以上の温度に加熱する工程、発色したフォトクロミック化合物の極大吸収波長に対応した波長域の可視光を所定の領域に照射して消色する工程、および赤外光を照射して電子受容性化合物の溶融温度以下の温度に加熱する工程を施すことである。
これにより、消色感度の制御、すなわち画像を形成するときのみ一時的にフォトクロミック化合物の消色感度を増大させ、画像形成後は消色感度を減少させることが可能となり、これは次のように説明される。
即ち、フォトクロミック化合物の消色感度は消色反応量子収率(φCE)に直接的に依存するものであり、消色感度の変化を扱うことはほぼφCEの変化を扱うことにほかならない。以下ではφCEの変化が消色感度の変化であるとして記述する。
一般にフルギド系化合物の消色感度は、後記一般式(IX)、(X)およびこれら一般式の説明で後述する芳香環部位の化学構造に基づく電子的性状(電子供与性・受容性)により大きく異なる。具体的には芳香環部位の電子供与性が大きいと消色感度は小さく、電子供与性が小さいと消色感度は大きい。そしてある特定の構造の化合物についても、その分子を取り囲む媒体の電子的性状によって消色感度は変化し得る。つまり媒体との相互作用により芳香環部位の電子的性状が見かけ上変化するということであり、媒体中の電子受容性部位とフルギド系化合物の芳香環部位との相互作用の程度が大きくなれば、芳香環部位の電子供与性が減少して消色感度は増大する。逆に前記相互作用の程度が小さくなれば、芳香環部位の電子供与性が増大して消色感度は減少する。したがって、前記相互作用の程度を制御すれば消色感度の制御が可能となる。これが<1>および<2>に記載した構造の画像表示媒体に対し、<3>に記載した工程を施すことで可能となる。
本発明者らは、媒体中の電子受容性部位とフルギド系化合物の芳香環部位との相互作用の程度の制御に関して鋭意研究した結果、フルギド系化合物がフルギミド化合物であり、その分子中に一般式(I)で示す構造を2つ以上有する場合に、前記電子的性状を特に大きく変化させることが可能となって、結果として有効な消色感度の制御が可能となることを見出して本発明に至ったものである。
前記画像表示媒体の感光層中のフルギド系化合物は紫外光照射によって発色する。その後、感光層を前記電子受容性化合物の溶融温度以上の温度(I)に一時的に加熱することにより、前記電子受容性化合物がある程度規則的に集合した状態が形成され、電子受容性化合物の酸性基部位がフルギド系化合物の芳香環部位と密に相互作用を持った状態で安定化する(以下ではこの状態を「状態A」と呼ぶ)。これは消色感度が大きい状態であり、この状態において可視光照射による消色工程を施すことにより、少ないエネルギーで、即ち短時間で消色工程が行なわれ、画像形成が終了する。さらにこの後、感光層を前記電子受容性化合物の溶融温度以下の温度(II)に一時的に加熱することにより(前記電子受容性化合物の溶融温度以上の温度に一時的に加熱して徐冷してもよい)、電子受容性化合物の酸性基部位どうしが密に集合し、フルギド系化合物の芳香環部位との相互作用が小さい状態で安定化する(以下ではこの状態を「状態B」と呼ぶ)。これは消色感度が小さい状態であり、したがって照明光などによる消色が起こりにくい、形成画像の発色保持性が高い状態となる。
前述の状態Aを得るべく電子受容性化合物の溶融温度以上の温度(I)に一時的に加熱する工程においては、フルギド系化合物の溶融温度が電子受容性化合物の溶融温度よりも高い場合は、フルギド系化合物の溶融温度以上の温度に加熱することが好ましいが、電子受容性化合物の溶融温度より高ければよい。加熱後は急冷することが好ましい。徐冷すると状態Bに変化する確率が増えてくる。これは状態Aを得るための加熱温度領域よりも低温の領域に状態Bを得るための加熱温度領域が存在するためである。したがって、状態Aにある感光層を特定の温度領域に加熱することにより状態Bを得ることができる。状態Aを得るために電子受容性化合物の溶融温度以上の温度(I)に一時的に加熱する工程、および状態Bを得るために電子受容性化合物の溶融温度以下の温度(II)に一時的に加熱する工程における加熱温度の設定は、用いるフルギド系化合物と電子受容性化合物およびバインダーの種類や組み合わせに応じて適切に設定されることになる。
前記状態Aを得るために電子受容性化合物の溶融温度以上の温度(I)に一時的に加熱する工程、および状態Bを得るために電子受容性化合物の溶融温度以下の温度(II)に一時的に加熱する工程は、赤外光を照射することにより、<1>の感光層に含まれる赤外吸収色素あるいは<2>の発熱層に含まれる赤外吸収色素が発熱することで可能となる。
赤外吸収色素としては700nm以上の赤外域に吸収を持つナフタロシアニン系色素、シアニン系色素、金属錯体系色素などを用いることができる。
赤外光を照射する光源としては、赤外ランプと不要な波長域の光をカットするための光学フィルターを組み合わせた構成の光源を用いてもよいし、LEDやLDなどの特定波長域の光を発する発光素子を用いてもよい。画像表示媒体全面を照射するような場合は照射サイズの大きな光源を用いたり、光源素子を並べてアレイ状に構成したり、あるいは適当な光学系を用いて所定の照射サイズに調整してもよいし、また画像表示媒体の微小な特定箇所を照射する場合は同様に適当な光学系を用いて所定の照射サイズに調整すればよい。
感光層の加熱温度は前記赤外光の照射強度や照射時間を調整することによって制御できる。
本発明において用いられるフルギド系化合物としては、下記一般式(IX)で示すフルギド化合物や、下記一般式(X)で示すフルギミド化合物を始めとして、これらの部位を構造中に含んでフォトクロミック性を示す化合物であり、それぞれR11乃至R14またはR15乃至R18中に一般式(I)で示す構造を少なくとも1つ有する化合物が挙げられる。
本発明において用いられる電子受容性化合物としては、基本的に分子内に、フルギド系化合物の芳香環部位と相互作用して芳香環部位の電子的性状に変化を与えうる構造と、分子間の凝集力をコントロールする長い脂肪族鎖状構造部分を合わせ持つ化合物であり、脂肪族基などを含む炭素数12以上の長鎖構造を有する、ホスホン酸化合物、脂肪族カルボン酸化合物あるいはフェノール化合物から選ばれる少なくとも一種の化合物である。脂肪族基は、直鎖状または分枝状のアルキル基、アルケニル基が包含され、ハロゲン、アルコキシ基、エステル基等の置換基を有していてもよい。
本発明におけるホスホン酸化合物としては、下記一般式(II)で表わされる化合物が用いられる。
ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン酸、ヘキサコシルホスホン酸、オクタコシルホスホン酸等。
また、本発明における脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一般式(III)で表わされるα−ヒドロキシ脂肪族カルボン酸化合物が用いられる。
α−ヒドロキシドデカン酸、α−ヒドロキシテトラデカン酸、α−ヒドロキシヘキサデカン酸、α−ヒドロキシオクタデカン酸、α−ヒドロキシペンタデカン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラコサン酸、α−ヒドロキシヘキサコサン酸、α−ヒドロキシオクタコサン酸等。
また、本発明における脂肪族カルボン酸化合物としては、ハロゲン元素で置換された脂肪族基などを含む炭素数12以上の長鎖構造をもつカルボン酸化合物で、その少なくともα位またはβ位の炭素にハロゲン元素を持つものが用いられる。このような化合物の具体例としては、たとえば以下のものを挙げることができる。
2−ブロモヘキサデカン酸、2−ブロモヘプタデカン酸、2−ブロモオクタデカン酸、2−ブロモエイコサン酸、2−ブロモドコサン酸、2−ブロモテトラコサン酸、3−ブロモオクタデカン酸、3−ブロモエイコサン酸、2,3−ジブロモオクタデカン酸、2−フルオロドデカン酸、2−フルオロテトラデカン酸、2−フルオロヘキサデカン酸、2−フルオロオクタデカン酸、2−フルオロエイコサン酸、2−フルオロドコサン酸、2−ヨードヘキサデカン酸、2−ヨードオクタデカン酸、3−ヨードヘキサデカン酸、3−ヨードオクタデカン酸、パーフルオロオクタデカン酸等。
また、本発明における脂肪族カルボン酸化合物としては、炭素鎖中にオキソ基を持つ脂肪族基などを含む炭素数12以上の長鎖構造をもつカルボン酸化合物で、その少なくともα位、β位またはγ位の炭素がオキソ基となっているものが用いられる。このような化合物の具体例としては、たとえば以下のものを挙げることができる。
2−オキソドデカン酸、2−オキソテトラデカン酸、2−オキソヘキサデカン酸、2−オキソオクタデカン酸、2−オキソエイコサン酸、2−オキソテトラコサン酸、3−オキソドデカン酸、3−オキソテトラデカン酸、3−オキソヘキサデカン酸、3−オキソオクタデカン酸、3−オキソエイコサン酸、3−オキソテトラコサン酸、4−オキソヘキサデカン酸、4−オキソオクタデカン酸、4−オキソドコサン酸等。
また、本発明における脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一般式(IV)で表わされる二塩基酸が用いられる。
一般式(IV)で表わされる二塩基酸の具体例としては、たとえば、以下のものが挙げられる。
2−(ドデシルオキシ)こはく酸、2−(テトラデシルオキシ)こはく酸、2−(ヘキサデシルオキシ)こはく酸、2−(オクタデシルオキシ)こはく酸、2−(エイコシルオキシ)こはく酸、2−(ドコシルオキシ)こはく酸、2−(テトラコシルオキシ)こはく酸、2−(ドデシルチオ)こはく酸、2−(テトラデシルチオ)こはく酸、2−(ヘキサデシルオキシ)こはく酸、2−(オクタデシルチオ)こはく酸、2−(エイコシルチオ)こはく酸、2−(ドコシルチオ)こはく酸、2−(テトラコシルチオ)こはく酸、2−(ドデシルジチオ)こはく酸、2−(テトラデシルジチオ)こはく酸、2−(ヘキサデシルジチオ)こはく酸、2−(オクタデシルジチオ)こはく酸、2−(エイコシルジチオ)こはく酸、2−(ドコシルジチオ)こはく酸、2−(テトラコシルジチオ)こはく酸等。
また、本発明における脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一般式(V)で表わされる二塩基酸が用いられる。
一般式(V)で表わされる二塩基酸の具体例としては、たとえば以下のものが挙げられる。
ドデシルこはく酸、トリデシルこはく酸、テトラデシルこはく酸、ペンタデシルこはく酸、オクタデシルこはく酸、エイコシルこはく酸、ドコシルこはく酸、2,3−ジヘキサデシルこはく酸、2,3−ジオクタデシルこはく酸、2−メチル−3−ドデシルこはく酸、2−メチル−3−テトラデシルこはく酸、2−メチル−3−ヘキサデシルこはく酸、2−メチル−3−ドデシルこはく酸、2−エチル−3−ドデシルこはく酸、2−プロピル−3−ドデシルこはく酸、2−オクチル−3−ヘキサデシルこはく酸、2−テトラデシル−3−オクタデシルこはく酸等。
また、本発明における脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一般式(VI)で表わされる二塩基酸が用いられる。
一般式(VI)で表わされる二塩基酸の具体例としては、たとえば以下のものが挙げられる。
ドデシルマロン酸、テトラデシルマロン酸、ヘキサデシルマロン酸、オクタデシルマロン酸、エイコシルマロン酸、ドコシルマロン酸、テトラコシルマロン酸、ジドデシルマロン酸、ジテトラデシルマロン酸、ジヘキサデシルマロン酸、ジオクタデシルマロン酸、ジエイコシルマロン酸、ジドコシルマロン酸、メチルオクタデシルマロン酸、メチルエイコシルマロン酸、メチルドコシルマロン酸、メチルテトラコシルマロン酸、エチルオクタデシルマロン酸、エチルエイコシルマロン酸、エチルドコシルマロン酸、エチルテトラコシルマロン酸等。
また、本発明における脂肪族カルボン酸化合物としては、下記一般式(VII)で表わされる二塩基酸が用いられる。
一般式(VII)で表わされる二塩基酸の具体例としては、たとえば以下のものが挙げられる。
2−ドデシルグルタル酸、2−ヘキサデシルグルタル酸、2−オクタデシルグルタル酸、2−エイコシルグルタル酸、2−ドコシルグルタル酸、2−ドデシルアジピン酸、2−ペンタデシルアジピン酸、2−オクタデシルアジピン酸、2−エイコシルアジピン酸、2−ドコシルアジピン酸等。
また、本発明におけるフェノール化合物としては、下記一般式(VIII)で表わされる化合物が用いられる。
一般式(VIII)で表わされるフェノール化合物の具体例としては、たとえば以下のものが挙げられる。
p−(ドデシルチオ)フェノール、p−(テトラデシルチオ)フェノール、p−(ヘキサデシルチオ)フェノール、p−(オクタデシルチオ)フェノール、p−(エイコシルチオ)フェノール、p−(ドコシルチオ)フェノール、p−(テトラコシルチオ)フェノール、p−(ドデシルオキシ)フェノール、p−(テトラデシルオキシ)フェノール、p−(ヘキサデシルオキシ)フェノール、p−(オクタデシルオキシ)フェノール、p−(エイコシルオキシ)フェノール、p−(ドコシルオキシ)フェノール、p−(テトラコシルオキシ)フェノール、p−ドデシルカルバモイルフェノール、p−テトラデシルカルバモイルフェノール、p−ヘキサデシルカルバモイルフェノール、p−オクタデシルカルバモイルフェノール、p−エイコシルカルバモイルフェノール、p−ドコシルカルバモイルフェノール、p−テトラコシルカルバモイルフェノール、没食子酸ヘキサデシルエステル、没食子酸オクタデシルエステル、没食子酸エイコシルエステル、没食子酸ドコシルエステル、没食子酸テトラコシルエステル等。
また、上記<1>に記載した構成の画像表示媒体においては、感光層を構成する材料としては前記フルギド系化合物および電子受容性化合物および赤外吸収色素のほかに、必要に応じてバインダー材料を用いてもよいが、前記フォトクロミック化合物のフォトクロミズム機能に悪影響を与えることがなく、また前記フォトクロミック化合物、電子受容性化合物および赤外吸収色素との相溶性が良く成膜可能であり、硬化後の透明性に優れる樹脂材料を用いることが好ましい。このような材料として、例えば、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニルなどが挙げられる。またこのほかに、フェノキシ樹脂、芳香族ポリエステル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を用いることもできる。
感光層の構成要素となるフォトクロミック化合物、電子受容性化合物、赤外吸収色素およひバインダー材料の混合比については、用いる各材料の組み合わせにより適切な混合比が異なる場合があり一概には言えないが、フォトクロミック化合物:5乃至30重量%、電子受容性化合物:20乃至80重量%、赤外吸収色素:5乃至30重量%、バインダー材料:20乃至50重量%の範囲で混合した場合に好ましい結果が得られることが多い。
また、上記<2>に記載した構成の画像表示媒体においても、同様に感光層を構成する材料として必要に応じてバインダー材料を用いてもよい。発熱層を構成する材料としては前記赤外吸収色素のほかに、必要に応じてバインダー材料を用いても良く、例えば、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニルなどが挙げられる。またこのほかに、フェノキシ樹脂、芳香族ポリエステル、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を用いることもできる。
感光層の構成要素となるフォトクロミック化合物、電子受容性化合物、バインダー材料の混合比については、用いる各材料の組み合わせにより適切な混合比が異なる場合があり一概には言えないが、フォトクロミック化合物:5乃至30重量%、電子受容性化合物:20乃至80重量%、バインダー材料:20乃至50重量%の範囲で混合した場合に好ましい結果が得られることが多い。
発熱層の構成要素となる赤外吸収色素およびバインダー材料の混合比についても、用いる各材料の組み合わせにより適切な混合比が異なる場合があり一概には言えないが、赤外吸収色素:20乃至80重量%、バインダー材料:20乃至80重量%の範囲で混合した場合に好ましい結果が得られることが多い。
支持基板の材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネートなどのような透明材料、およびこれらに白または他の色に着色した材料や紙などの不透明材料が挙げられる。
感光層および発熱層を形成する方法としては、印刷法、スピンコート法、ブレード法などの塗布法に類する方法のほかに蒸着法を用いることができる。感光層および発熱層の厚みについては、それぞれ0.5μm乃至10μm程度が好ましい。
紫外光を照射する光源としては、水銀ランプやキセノンランプなどに光学フィルターを組み合わせて所望の波長域の紫外光を取り出して用いてもよいし、LEDやLDなどの特定波長域の光を発する発光素子を用いてもよい。
可視光を照射する光源としては、白色光光源に光学フィルターを組み合わせた構成のランプ類を用いてもよいし、LEDやLDなどの特定波長域の光を発する発光素子を用いてもよい。所望の領域にのみ照射するような場合は、例えば微小な領域ごとに照射のオン/オフが制御できる発光面を連続して並べて形成した光源アレイと、感光層を支持基板上に形成した画像表示媒体とを相対的に移動させながら光源アレイの各発光面の照射のオン/オフを制御することによってもそれが可能となる。
また、本発明の別の特徴は、上述の画像表示媒体の感光層に用いるフォトクロミック化合物として、発色状態における極大吸収波長が異なる2種類以上のフルギド系化合物を用いることである。
そして、そのような画像表示媒体に対し、少なくとも紫外光照射によって感光層に含有される全種類のフルギド系化合物を発色させる工程、電子受容性化合物の溶融温度以上の温度に加熱する工程、発色した各々のフルギド系化合物の極大吸収波長に対応した波長域の可視光をそれぞれ所定の領域に照射して各フルギド系化合物を選択的に消色する工程、および電子受容性化合物の溶融温度以下の温度に加熱する工程を施すことも本発明の特徴の一つである。
フルギド系化合物および電子受容性化合物を含む感光層を支持基板上に形成した画像表示媒体に対して、消色感度を制御して画像を形成する、すなわち画像を形成するときのみ一時的にフルギド系化合物の消色感度を増大させ、画像形成後は消色感度を減少させる基本的な方法についてはすでに説明したが、発色状態における極大吸収波長が異なる2種類以上のフルギド系化合物を用いて感光層を形成し、上述の各工程を施すことで多色表示(カラー画像表示)を行なう場合にも、同様に消色感度を制御して画像を形成することが可能となる。
発色状態における極大吸収波長が異なるということは、つまり認識される“色”が異なるということであるが、この極大吸収波長は、表示に用いたい“色”に対応して設定されればよく、またフルギド系化合物の種類も、表示に用いたい“色”の数に対応して設定されればよい。
さらに本発明の別の特徴は、発色状態における極大吸収波長が400nm以上500nm未満の範囲にあるフォトクロミック化合物(A)と、発色状態における極大吸収波長が500nm以上600nm未満の範囲にあるフォトクロミック化合物(B)と、発色状態における極大吸収波長が600nm以上700nm未満の範囲にあるフォトクロミック化合物(C)をすべて感光層中に含有することである。
前記各フォトクロミック化合物の発色状態において認識される“色”はそれぞれ、ほぼイエロー、マゼンタ、シアンに相当し、これらにより3原色が構成され、さらに、例えば可視光照射工程で各フォトクロミック化合物の消色の程度を調整することで、各フォトクロミック化合物により得られる“色”の濃度を制御することが可能なので、前述の画像表示方法により色再現範囲が広い多色表示が可能となる。発色工程後、画像表示媒体の同一の領域に複数の波長域の可視光を照射する場合には、同時に照射してもよいし、順次別々に照射してもよい。また順次別々に照射する場合、照射する波長の順番はどのようでもよい。
フォトクロミック化合物(A)としては例えば、2−[1−(5−メチル−2−p−ジメチルアミノフェニル−4−オキサゾリル)−2−トリフルオロメチルエチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、2−[1−(5−メチル−3−p−ジメチルアミノフェニル−4−イソオキサゾリル)−2−トリフルオロメチルエチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、2−[1−(5−メチル−2−p−ジメチルアミノフェニル−4−チアゾリル)−2−トリフルオロメチルエチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、等が挙げられる。
フォトクロミック化合物(B)としては例えば、2−[1−(5−メチル−2−p−ジメチルアミノフェニル−4−オキサゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、2−[1−(5−メチル−2−p−ジメチルアミノフェニル−4−チアゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、2−[1−(5−メチル−2−p−ジメチルアミノスチリル−4−オキサゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、2−[1−(5−メチル−(4−p−ジメチルアミノフェニル)ブダジエン−1−イル)−4−オキサゾリル]エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、等が挙げられる。
フォトクロミック化合物(C)としては例えば、2−[1−(2、5−ジメチル−1−p−ジメチルアミノフェニル−3−ピロリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、2−[1−(5−メチル−2−p−ジメチルアミノフェニル−1−フェニル−3−ピロリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、2−[1−(1、2−ジメチル−5−ジメチルアミノ−3−インドリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、2−[2、6−ジメチル−3、5−ビス(p−ジメチルアミノスチリル)ベンジリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド、等が挙げられる。
また、本発明の別の特徴は、感光層が、フォトクロミック化合物として上記(A)のみを含む感光層と、フォトクロミック化合物として上記(B)のみを含む感光層と、フォトクロミック化合物として上記(C)のみを含む感光層の積層構造からなることである。
複数種類のフルギド系化合物を用いて、これまで述べてきたような感光層を形成する場合、同一感光層中に全種のフルギド系化合物と電子受容性化合物がほぼ均一な状態で存在する。その場合、電子受容性化合物の酸性基部位とフルギド系化合物の芳香環部位との相互作用に基づく消色感度の変化挙動は、各フルギド系化合物の芳香環部位の電子的性状により異なりうる。つまり、共通の電子受容性化合物を用いることになるので、各フルギド系化合物の芳香環部位の電子供与性が異なれば、各フルギド系化合物ごとに消色感度の変化程度は異なる場合がある。
これを避け、芳香環部位の電子的性状が異なる複数のフルギド系化合物を用いつつ、前述の消色感度の変化程度を同等に調整したい場合、あるいは各フルギド系化合物についての消色感度の変化程度を任意に設定したい場合、それぞれのフルギド系化合物ごとに適切な相互作用の程度が得られるように電子受容性化合物を選択し、また必要に応じてバインダーを用いて感光層を形成し、これらを積層して結果として全てのフルギド系化合物を含有する感光層を形成することにより可能となる。相互作用の程度を考慮したフルギド系化合物と電子受容性化合物の選択の目安の一つとして、フルギド系化合物の芳香環部位の電子供与性と電子受容性化合物の酸性基部位の電子受容性の大きさが挙げられる。両者がともに大きいほど消色感度の変化程度が大きくなり、両者がともに小さいほど消色感度の変化程度が小さくなるという傾向がある。
また、本発明の別の特徴は、上述のフォトクロミック化合物として上記(A)のみを含む感光層と、フォトクロミック化合物として上記(B)のみを含む感光層と、フォトクロミック化合物として上記(C)のみを含む感光層の積層構造の各層間に中間層を設けることである。前記各層を積層する過程で、積層膜の形成方法によっては各層の境界近傍を中心として、各層の構成要素が混合してしまう場合があるため、中間層を設けることによりこのような混合を防ぎ、結果として各層について設定した消色感度の変化を適切に維持した状態で感光層を形成することが可能となる。
前記中間層の材料としては、透明であるか、あるいは着色していてもその程度が小さく、感光層の形成に好適に用いられる塗布法で使用する有機溶媒に対しある程度の耐性を有するものが好ましく、シリコーン樹脂やPVA(ポリビニルアルコール)等を用いることができ、形成方法は感光層と同様であってどのような方法もいいが、塗布法が簡便である。
さらにまた、本発明の別の特徴は、感光層の表面に保護層を設けることである。
保護層の材料としては、透明性が高く、硬度が高い点でシリコーン樹脂またはアクリル樹脂またはPVA(ポリビニルアルコール)等が好適に用いられる。保護層を形成することにより感光層は水分や特定のガス等による、感光層を構成する化合物の、必要な機能の発現に関わる反応に対する悪影響を低減することが可能となり、また機械的損傷からも有効に保護されて耐久性が向上する。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これら実施例によって、本発明はなんら制限されるものではない。なお、以下における部及び%はいずれも重量基準である。
(実施例1)
フォトクロミック化合物として、2−[1−(5−メチル−2−p−ジメチルアミノフェニル−4−オキサゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド(以下PC2と呼ぶ)を用い、赤外吸収色素としてNi金属錯体(PA−1006、三井化学製)(以下D1と呼ぶ)を用い、電子受容性化合物としてドコシルホスホン酸を用い、バインダーとしてポリスチレンを用いた。1重量部のPC2に対し、D1を1重量部、ドコシルホスホン酸を9重量部、ポリスチレンを9重量部添加し、溶媒としてトルエンを用い塗布液を調製して石英基板上にキャスト膜を作成した。これに赤外光を照射して一時的に80℃に加熱処理し、吸収スペクトルを測定したところ、325nmに極大吸収波長をもつ、300nm乃至400nm弱の範囲に吸収帯が認められ、無色であった。これに高圧水銀ランプから取り出した366nmの紫外光を照射したところマゼンタに発色し、吸収スペクトルの極大吸収波長は521nmであった。これに赤外光を照射して一時的に170℃に加熱処理したところ、色相が赤みを帯びて変化し、吸収スペクトルの極大吸収波長は486nmであった。
フォトクロミック化合物として、2−[1−(5−メチル−2−p−ジメチルアミノフェニル−4−オキサゾリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド(以下PC2と呼ぶ)を用い、赤外吸収色素としてNi金属錯体(PA−1006、三井化学製)(以下D1と呼ぶ)を用い、電子受容性化合物としてドコシルホスホン酸を用い、バインダーとしてポリスチレンを用いた。1重量部のPC2に対し、D1を1重量部、ドコシルホスホン酸を9重量部、ポリスチレンを9重量部添加し、溶媒としてトルエンを用い塗布液を調製して石英基板上にキャスト膜を作成した。これに赤外光を照射して一時的に80℃に加熱処理し、吸収スペクトルを測定したところ、325nmに極大吸収波長をもつ、300nm乃至400nm弱の範囲に吸収帯が認められ、無色であった。これに高圧水銀ランプから取り出した366nmの紫外光を照射したところマゼンタに発色し、吸収スペクトルの極大吸収波長は521nmであった。これに赤外光を照射して一時的に170℃に加熱処理したところ、色相が赤みを帯びて変化し、吸収スペクトルの極大吸収波長は486nmであった。
これにまた赤外光を照射して一時的に80℃に加熱処理したところ、色相がマゼンタに戻り、吸収スペクトルの極大吸収波長は521nmであった。
上と同様の処方によるキャスト膜を白色PET(ポリエチレンテレフタレート)基板(188μm)上に形成し、さらに保護層としてPVA膜(2μm)を形成した。このようにして形成した感光層は無色であり、基板の色が白であるため、作製した画像表示媒体は観察者には白と認識された。
この画像表示媒体の感光層に赤外光を照射して一時的に80℃に加熱処理し、366nmの紫外光を照射して発色反応を飽和させた後、中心波長520nm、半値幅10nmの可視光を照度1mW/cm2で照射して、消色反応を飽和させる過程における、照射時間(つまりは照射エネルギー)による反射スペクトル変化を評価し(図2参照)、ボトム波長における反射率全変化量の90%の変化を得るのに要する照射エネルギーを求めたところ、約4810mJ/cm2であった(図3参照)。このようにして求めたエネルギーを消色エネルギーと定義し、消色感度の指標とした。
次に、この画像表示媒体の感光層に366nmの紫外光を再び照射して発色反応を飽和させた後、赤外光を照射して一時的に170℃に加熱処理した後、中心波長480nm、半値幅10nmの可視光を照度1mW/cm2で照射して同様にして消色エネルギーを求めたところ、26mJ/cm2であった。さらにまたこの画像表示媒体の感光層に366nmの紫外光を照射して発色反応を飽和させ、赤外光を照射して一時的に今度は80℃に加熱処理した後、中心波長520nm、半値幅10nmの可視光を照度1mW/cm2で照射して同様にして消色エネルギーを求めたところ、約4810mJ/cm2であった。
(実施例2)
実施例1と同様に画像表示媒体を作製した。ただし、本実施例では電子受容性化合物としてα−ヒドロキシテトラデカン酸を用いた。それ以外は実施例1と同様に画像表示媒体を作製し、また同様の処理を行なって消色エネルギーを求めた。一時的に80℃に加熱処理した後の消色エネルギーは実施例1と同様約4810mJ/cm2であったが、一時的に170℃に加熱処理した後の消色エネルギーは33mJ/cm2であった。
(実施例3)
実施例1と同様に画像表示媒体を作製した。ただし、本実施例では電子受容性化合物として2−フルオロオクタデカン酸を用いた。それ以外は実施例1と同様に画像表示媒体を作製し、また同様の処理を行なって消色エネルギーを求めた。一時的に80℃に加熱処理したあとの消色エネルギーは実施例1と同様約4810mJ/cm2であったが、一時的に170℃に加熱処理した後の消色エネルギーは35mJ/cm2であった。
(実施例4)
実施例1と同様に画像表示媒体を作製した。ただし、本実施例では電子受容性化合物として2−オキソオクタデカン酸を用いた。それ以外は実施例1と同様に画像表示媒体を作製し、また同様の処理を行なって消色エネルギーを求めた。一時的に80℃に加熱処理したあとの消色エネルギーは実施例1と同様約4810mJ/cm2であったが、一時的に170℃に加熱処理した後の消色エネルギーは35mJ/cm2であった。
(実施例5)
実施例1と同様に画像表示媒体を作製した。ただし、本実施例では電子受容性化合物として2−(オクタデシルチオ)こはく酸を用いた。それ以外は実施例1と同様に画像表示媒体を作製し、また同様の処理を行なって消色エネルギーを求めた。一時的に80℃に加熱処理したあとの消色エネルギーは実施例1と同様約4810mJ/cm2であったが、一時的に170℃に加熱処理した後の消色エネルギーは25mJ/cm2であった。
(実施例6)
実施例1と同様に画像表示媒体を作製した。ただし、本実施例では電子受容性化合物としてオクタデシルこはく酸を用いた。それ以外は実施例1と同様に画像表示媒体を作製し、また同様の処理を行なって消色エネルギーを求めた。一時的に80℃に加熱処理した後の消色エネルギーは実施例1と同様約4810mJ/cm2であったが、一時的に170℃に加熱処理した後の消色エネルギーは33mJ/cm2であった。
(実施例7)
実施例1と同様に画像表示媒体を作製した。ただし、本実施例では電子受容性化合物としてオクタデシルマロン酸を用いた。それ以外は実施例1と同様に画像表示媒体を作製し、また同様の処理を行なって消色エネルギーを求めた。一時的に80℃に加熱処理したあとの消色エネルギーは実施例1と同様約4810mJ/cm2であったが、一時的に170℃に加熱処理した後の消色エネルギーは28mJ/cm2であった。
(実施例8)
実施例1と同様に画像表示媒体を作製した。ただし、本実施例では電子受容性化合物として2−オクタデシルグルタル酸を用いた。それ以外は実施例1と同様に画像表示媒体を作製し、また同様の熱処理を行なって消色エネルギーを求めた。一時的に80℃に加熱処理した後の消色エネルギーは実施例1と同様約4810mJ/cm2であったが、一時的に170℃に加熱処理した後の消色エネルギーは30mJ/cm2であった。
(実施例9)
実施例1と同様に画像表示媒体を作製した。ただし、本実施例では電子受容性化合物としてp−(オクタデシルチオ)フェノールを用いた。それ以外は実施例1と同様に画像表示媒体を作製し、また同様の処理を行なって消色エネルギーを求めた。一時的に80℃に加熱処理したあとの消色エネルギーは実施例1と同様約4810mJ/cm2であったが、一時的に170℃に加熱処理した後の消色エネルギーは40mJ/cm2であった。
(実施例10)
フォトクロミック化合物として、2−[1−(5−メチル−2−p−ジメチルアミノフェニル−4−オキサゾリル)−2−トリフルオロメチルエチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸N−p−ジメチルアミノフェニルイミド(以下、「PC1」と記す。)、PC2、2−[1−(2、5−ジメチル−1−p−ジメチルアミノフェニル−3−ピロリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド(以下、「PC3」と記す。)を用い、赤外吸収色素としてD1を用い、電子受容性化合物としてドコシルホスホン酸を用い、バインダーとしてポリスチレンを用いた。
(実施例2)
実施例1と同様に画像表示媒体を作製した。ただし、本実施例では電子受容性化合物としてα−ヒドロキシテトラデカン酸を用いた。それ以外は実施例1と同様に画像表示媒体を作製し、また同様の処理を行なって消色エネルギーを求めた。一時的に80℃に加熱処理した後の消色エネルギーは実施例1と同様約4810mJ/cm2であったが、一時的に170℃に加熱処理した後の消色エネルギーは33mJ/cm2であった。
(実施例3)
実施例1と同様に画像表示媒体を作製した。ただし、本実施例では電子受容性化合物として2−フルオロオクタデカン酸を用いた。それ以外は実施例1と同様に画像表示媒体を作製し、また同様の処理を行なって消色エネルギーを求めた。一時的に80℃に加熱処理したあとの消色エネルギーは実施例1と同様約4810mJ/cm2であったが、一時的に170℃に加熱処理した後の消色エネルギーは35mJ/cm2であった。
(実施例4)
実施例1と同様に画像表示媒体を作製した。ただし、本実施例では電子受容性化合物として2−オキソオクタデカン酸を用いた。それ以外は実施例1と同様に画像表示媒体を作製し、また同様の処理を行なって消色エネルギーを求めた。一時的に80℃に加熱処理したあとの消色エネルギーは実施例1と同様約4810mJ/cm2であったが、一時的に170℃に加熱処理した後の消色エネルギーは35mJ/cm2であった。
(実施例5)
実施例1と同様に画像表示媒体を作製した。ただし、本実施例では電子受容性化合物として2−(オクタデシルチオ)こはく酸を用いた。それ以外は実施例1と同様に画像表示媒体を作製し、また同様の処理を行なって消色エネルギーを求めた。一時的に80℃に加熱処理したあとの消色エネルギーは実施例1と同様約4810mJ/cm2であったが、一時的に170℃に加熱処理した後の消色エネルギーは25mJ/cm2であった。
(実施例6)
実施例1と同様に画像表示媒体を作製した。ただし、本実施例では電子受容性化合物としてオクタデシルこはく酸を用いた。それ以外は実施例1と同様に画像表示媒体を作製し、また同様の処理を行なって消色エネルギーを求めた。一時的に80℃に加熱処理した後の消色エネルギーは実施例1と同様約4810mJ/cm2であったが、一時的に170℃に加熱処理した後の消色エネルギーは33mJ/cm2であった。
(実施例7)
実施例1と同様に画像表示媒体を作製した。ただし、本実施例では電子受容性化合物としてオクタデシルマロン酸を用いた。それ以外は実施例1と同様に画像表示媒体を作製し、また同様の処理を行なって消色エネルギーを求めた。一時的に80℃に加熱処理したあとの消色エネルギーは実施例1と同様約4810mJ/cm2であったが、一時的に170℃に加熱処理した後の消色エネルギーは28mJ/cm2であった。
(実施例8)
実施例1と同様に画像表示媒体を作製した。ただし、本実施例では電子受容性化合物として2−オクタデシルグルタル酸を用いた。それ以外は実施例1と同様に画像表示媒体を作製し、また同様の熱処理を行なって消色エネルギーを求めた。一時的に80℃に加熱処理した後の消色エネルギーは実施例1と同様約4810mJ/cm2であったが、一時的に170℃に加熱処理した後の消色エネルギーは30mJ/cm2であった。
(実施例9)
実施例1と同様に画像表示媒体を作製した。ただし、本実施例では電子受容性化合物としてp−(オクタデシルチオ)フェノールを用いた。それ以外は実施例1と同様に画像表示媒体を作製し、また同様の処理を行なって消色エネルギーを求めた。一時的に80℃に加熱処理したあとの消色エネルギーは実施例1と同様約4810mJ/cm2であったが、一時的に170℃に加熱処理した後の消色エネルギーは40mJ/cm2であった。
(実施例10)
フォトクロミック化合物として、2−[1−(5−メチル−2−p−ジメチルアミノフェニル−4−オキサゾリル)−2−トリフルオロメチルエチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸N−p−ジメチルアミノフェニルイミド(以下、「PC1」と記す。)、PC2、2−[1−(2、5−ジメチル−1−p−ジメチルアミノフェニル−3−ピロリル)エチリデン]−3−イソプロピリデンコハク酸−N−p−ジメチルアミノフェニルイミド(以下、「PC3」と記す。)を用い、赤外吸収色素としてD1を用い、電子受容性化合物としてドコシルホスホン酸を用い、バインダーとしてポリスチレンを用いた。
1重量部のPC1に対し、D1を1重量部、ドコシルホスホン酸を9重量部、ポリスチレンを9重量部添加し、溶媒としてトルエンを用い塗布液を調製して石英基板上にキャスト膜を作成した。PC2、PC3についても同様に石英基板上にキャスト膜を作成した。これに赤外光を照射して一時的に80℃に加熱処理して吸収スペクトルを測定したところ、PC1、PC2、PC3を用いて作成したキャスト膜はそれぞれ338nm、325nm、357nmに極大吸収波長をもつ、300nm乃至400nm弱の範囲に吸収帯が認められ、いずれも無色であった。これらに高圧水銀ランプから取り出した366nmの紫外光を照射したところ、PC1、PC2、PC3を用いて作成したキャスト膜はそれぞれイエロー、マゼンタ、シアンに発色し、吸収スペクトルの極大吸収波長はそれぞれ458nm、521nm、663nmであった。これらに赤外光を照射して一時的に170℃に加熱処理したところ、全て色相が変化し、吸収スペクトルの極大吸収波長はそれぞれ427nm、486nm、623nmであった。これらに再び赤外光を照射して一時的に80℃に加熱処理したところ色相が元に戻り、吸収スペクトルの極大吸収波長はそれぞれ458nm、521nm、663nmであった。
PC1を1重量部、PC2を1重量部、PC3を1重量部、D1を1重量部、ドコシルホスホン酸を9重量部、ポリスチレンを9重量部添加し、溶媒としてトルエンを用い塗布液を調製してキャスト膜を白色PET(ポリエチレンテレフタレート)基板(188μm)上に形成し、さらに保護層としてPVA膜(2μm)を形成した。このようにして形成した感光層は無色であり、基板の色が白であるため、作製した画像表示媒体は観察者には白と認識された。
この画像表示媒体の感光層に赤外光を照射して一時的に80℃に加熱処理し、366nmの紫外光を照射するとPC1、PC2、PC3すべてが発色し、黒色を呈した。また、これに白色光を照射したところ、再び感光層は無色透明になったため、画像表示媒体は白色と認識された。この画像表示媒体に、再び366nmの紫外光を照射して発色させた後、その一部に中心波長450nm、半値幅10nmの可視光を照射したところ、PC1が選択的に消色され、照射部は青色を呈した。また別の一部に中心波長520nm、半値幅10nmの可視光を照射したところ、PC2が選択的に消色され、照射部は緑色を呈した。また別の一部に中心波長660nm、半値幅10nmの可視光を照射したところ、PC3が選択的に消色され、照射部は赤色を呈した。可視光未照射部において、前述の3つの波長分布の可視光を用い、実施例1と同様の要領でPC1、PC2、PC3の消色エネルギーを求めたところ、それぞれ3450mJ/cm2、4810mJ/cm2、4240mJ/cm2であった。
次に、この画像表示媒体の感光層に366nmの紫外光を再び照射して発色反応を飽和させた後、赤外光を照射して一時的に170℃に加熱処理した後、中心波長が420nm、480nm、620nmの可視光を用いて同様にしてPC1、PC2、PC3の消色エネルギーを求めたところ、それぞれ20mJ/cm2、26mJ/cm2、23mJ/cm2であった。さらにまたこの画像表示媒体の感光層に366nmの紫外光を照射して発色反応を飽和させ、赤外光を照射して今度は一時的に80℃に加熱処理した後、同様にして消色エネルギーを求めたところ、それぞれ3450mJ/cm2、4810mJ/cm2、4240mJ/cm2であった。
これにより、3種のフォトクロミック化合物を用いた感光層による画像表示媒体においても、各フォトクロミック化合物の消色エネルギーを赤外光照射処理により可逆的に著しく大きく変化させられることが確認された。
(実施例11)
1重量部のPC1に対し、D1を1重量部、p−(オクタデシルチオ)フェノールを9重量部、ポリスチレンを9重量部添加し、溶媒としてトルエンを用い塗布液を調製して白色PET(ポリエチレンテレフタレート)基板(188μm)上にキャスト膜を形成し、PVAによる中間層を介して、その上に、1重量部のPC2に対し、D1を1重量部、ドコシルホスホン酸を9重量部、ポリスチレンを9重量部添加し、溶媒としてトルエンを用いた塗布液によるキャスト膜を形成し、さらに、PVAによる中間層を介して、その上に、1重量部のPC3に対し、D1を1重量部、2−オクタデシルグルタル酸を1重量部、ポリスチレンを9重量部添加し、溶媒としてトルエンを用いた塗布液によるキャスト膜を形成し、さらに保護層としてPVA膜を形成して画像表示媒体を作製した。このようにして形成した感光層は無色であり、基板の色が白であるため、作製した画像表示媒体は観察者には白と認識された。
(実施例11)
1重量部のPC1に対し、D1を1重量部、p−(オクタデシルチオ)フェノールを9重量部、ポリスチレンを9重量部添加し、溶媒としてトルエンを用い塗布液を調製して白色PET(ポリエチレンテレフタレート)基板(188μm)上にキャスト膜を形成し、PVAによる中間層を介して、その上に、1重量部のPC2に対し、D1を1重量部、ドコシルホスホン酸を9重量部、ポリスチレンを9重量部添加し、溶媒としてトルエンを用いた塗布液によるキャスト膜を形成し、さらに、PVAによる中間層を介して、その上に、1重量部のPC3に対し、D1を1重量部、2−オクタデシルグルタル酸を1重量部、ポリスチレンを9重量部添加し、溶媒としてトルエンを用いた塗布液によるキャスト膜を形成し、さらに保護層としてPVA膜を形成して画像表示媒体を作製した。このようにして形成した感光層は無色であり、基板の色が白であるため、作製した画像表示媒体は観察者には白と認識された。
この画像表示媒体の感光層に赤外光を照射して一時的に80℃に加熱処理し、366nmの紫外光を照射するとPC1、PC2、PC3すべてが発色し、黒色を呈した。また、これに白色光を照射したところ、再び感光層は無色透明になったため、画像表示媒体は白色と認識された。この画像表示媒体に、再び366nmの紫外光を照射して発色させた後、その一部に中心波長450nm、半値幅10nmの可視光を照射したところ、PC1が選択的に消色され、照射部は青色を呈した。また別の一部に中心波長520nm、半値幅10nmの可視光を照射したところ、PC2が選択的に消色され、照射部は緑色を呈した。また別の一部に中心波長660nm、半値幅10nmの可視光を照射したところ、PC3が選択的に消色され、照射部は赤色を呈した。可視光未照射部において、前述の3つの波長分布の可視光を用い、実施例1と同様の要領でPC1、PC2、PC3の消色エネルギーを求めたところ、それぞれ3450mJ/cm2、4810mJ/cm2、4240mJ/cm2であった。
次に、この画像表示媒体の感光層に366nmの紫外光を再び照射して発色反応を飽和させた後、赤外光を照射して一時的に170℃に加熱処理した後、中心波長が420nm、480nm、620nmの可視光を用いて同様にしてPC1、PC2、PC3の消色エネルギーを求めたところ、それぞれ24mJ/cm2、26mJ/cm2、25mJ/cm2であった。さらにまたこの画像表示媒体の感光層に366nmの紫外光を照射して発色反応を飽和させ、赤外光を照射して今度は一時的に80℃に加熱処理した後、同様にして消色エネルギーを求めたところ、それぞれ3450mJ/cm2、4810mJ/cm2、4240mJ/cm2であった。
これにより、3種のフォトクロミック化合物に対しそれぞれ異なる電子受容性化合物を用いて感光層を形成することにより、例えば本実施例のようにそれぞれの消色感度をほぼ同等にするなどの調整が可能となることが確認された。
(実施例12)
PC1を1重量部、PC2を1重量部、PC3を1重量部、テトラデシルホスホン酸を9重量部、ポリスチレンを9重量部添加し、溶媒としてトルエンを用い塗布液を調製してキャスト膜(2μm)を白色PET(ポリエチレンテレフタレート)基板(188μm)上に形成し、その上に、D1とポリカーボネートを同重量部含む発熱層(2μm)を形成し、さらに保護層としてPVA膜(2μm)を形成して画像表示媒体を作製した。このようにして形成した感光層は無色であり、基板の色が白であるため、作製した画像表示媒体は観察者には白と認識された。
(実施例12)
PC1を1重量部、PC2を1重量部、PC3を1重量部、テトラデシルホスホン酸を9重量部、ポリスチレンを9重量部添加し、溶媒としてトルエンを用い塗布液を調製してキャスト膜(2μm)を白色PET(ポリエチレンテレフタレート)基板(188μm)上に形成し、その上に、D1とポリカーボネートを同重量部含む発熱層(2μm)を形成し、さらに保護層としてPVA膜(2μm)を形成して画像表示媒体を作製した。このようにして形成した感光層は無色であり、基板の色が白であるため、作製した画像表示媒体は観察者には白と認識された。
この画像表示媒体の感光層に対して実施例10と同様の赤外光、可視光、紫外光の照射処理を行なったところ、実施例10と同様の結果が得られ、各フォトクロミック化合物の消色エネルギーを赤外光照射処理により可逆的に大きく変化させられることが確認された。
したがって、本発明は、請求項1乃至3の構成とすることにより、光照射処理のみで消色感度の可逆制御が可能な画像表示媒体が得られる。
本発明はまた、請求項4乃至12の構成とすることにより、消色感度の可逆制御が可能な画像表示媒体に用いる構成要素として、電子受容性が異なるさまざまな化合物が得られ、感光層の材料設計自由度が大きくなる。
本発明はまた、請求項13、14の構成とすることにより、物理的および化学的に、画像表示媒体としての耐久性が向上する。
さらに、本発明は、請求項15の構成とすることにより、消色感度の可逆制御が可能となり、画像形成時間の短縮と、形成画像の発色保持性確保の両立が可能となる。
また、本発明は、請求項16の構成とすることにより、多色表示が可能であり、かつ消色感度の可逆制御が可能な画像表示媒体が得られる。
本発明はまた、請求項17の構成とすることにより、広い色相範囲での色表現が可能で、かつ消色感度の可逆制御が可能となり、画像形成時間の短縮と、形成画像の発色保持性確保の両立が可能となる。
本発明はまた、請求項18の構成とすることにより、用いる各フルギド系化合物ごとに消色感度の変化程度の調整が可能になる。
さらに本発明は、請求項19の構成とすることにより、各感光層間での材料の混合・にじみ等がない適正な積層構造が形成され、適正な消色感度可逆制御が可能となる。
さらにまた、本発明は、請求項20の構成とすることにより、多色表示が可能で、かつ消色感度の可逆制御が可能となり、画像形成時間の短縮と、形成画像の発色保持性確保の両立が可能となる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
Claims (20)
- 少なくともフォトクロミック化合物および電子受容性化合物を含む感光層と、赤外吸収色素を含む発熱層とを支持基板上に形成した画像表示媒体であって、該フォトクロミック化合物がその分子中に上記一般式(I)で示す構造を2つ以上有するフルギド系化合物であり、該電子受容性化合物がルイス酸化合物であり、ルイス酸部位を除く長鎖構造部位の炭素数が12以上であることを特徴とする画像表示媒体。
- 前記フルギド系化合物がフルギミド化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像表示媒体。
- 前記電子受容性化合物が、ハロゲン元素で置換された脂肪族基などを含む炭素数12以上の長鎖構造をもつカルボン酸化合物であって、その少なくともα位またはβ位の炭素にハロゲン元素を持つカルボン酸化合物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像表示媒体。
- 前記電子受容性化合物が、炭素鎖中にオキソ基を持つ脂肪族基などを含む炭素数12以上の長鎖構造をもつカルボン酸化合物であって、その少なくともα位、β位またはγ位の炭素がオキソ基となっているカルボン酸化合物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像表示媒体。
- 前記感光層にバインダー材を含有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の画像表示媒体。
- 前記感光層の表面に保護層を設けることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の画像表示媒体。
- 請求項1乃至14のいずれか一項に記載の画像表示媒体に対し、少なくとも紫外光照射によって感光層に含有されるフォトクロミック化合物を発色させる工程、赤外光を照射して電子受容性化合物の溶融温度以上の温度に加熱する工程、発色したフォトクロミック化合物の極大吸収波長に対応した波長域の可視光を所定の領域に照射して消色する工程、および赤外光を照射して電子受容性化合物の溶融温度以下の温度に加熱する工程を施すことを特徴とする画像形成方法。
- 前記フォトクロミック化合物として発色状態における極大吸収波長が異なる2種類以上のフォトクロミック化合物を用いることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の画像表示媒体。
- 発色状態における極大吸収波長が400nm以上500nm未満の範囲にあるフォトクロミック化合物(A)と、発色状態における極大吸収波長が500nm以上600nm未満の範囲にあるフォトクロミック化合物(B)と、発色状態における極大吸収波長が600nm以上700nm未満の範囲にあるフォトクロミック化合物(C)をすべて前記感光層中に含有することを特徴とする請求項16に記載の画像表示媒体。
- 前記感光層が、フォトクロミック化合物として上記(A)のみを含む感光層と、フォトクロミック化合物として上記(B)のみを含む感光層と、フォトクロミック化合物として上記(C)のみを含む感光層の積層構造からなることを特徴とする請求項17に記載の画像表示媒体。
- フォトクロミック化合物として上記(A)のみを含む感光層と、フォトクロミック化合物として上記(B)のみを含む感光層と、フォトクロミック化合物として上記(C)のみを含む感光層による積層構造の各層間に中間層を設けたことを特徴とする請求項18に記載の画像表示媒体。
- 請求項16乃至19のいずれか一項に記載の画像表示媒体に対し、少なくとも紫外光照射によって感光層に含有される全種類のフォトクロミック化合物を発色させる工程、赤外光を照射して電子受容性化合物の溶融温度以上の温度に加熱する工程、発色した各々のフォトクロミック化合物の極大吸収波長に対応した波長域の可視光をそれぞれ所定の領域に照射して各フォトクロミック化合物を選択的に消色する工程、および赤外光を照射して電子受容性化合物の溶融温度以下の温度に加熱する工程を施すことを特徴とする画像形成方法。
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