JP4541508B2 - 歯ブラシハンドルの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッド部、首部および握り部を備えた硬質合成樹脂製の一次ハンドルの握り部全周面を軟質合成樹脂で被覆した歯ブラシハンドルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平7−327737号には、歯ブラシハンドルの曲げに対する強度・剛性を高めるために、握り部の先端近傍と後端近傍に合成ゴムの滑止め部を形成した歯ブラシが示されている。しかし、この歯ブラシの場合、握り部の先端近傍と後端近傍だけに合成ゴムの滑止め部を形成しているため、使用時の滑り止め効果が十分でなく、特に水に濡れた状態で使用する時に滑りやすくなるという問題があった。
【0003】
また、実開平2−143035号には、ヘッド部、首部および握り部のほぼ全体を軟質被覆層で覆った歯ブラシハンドルが示されている。しかしながら、この歯ブラシハンドルをどのようにして作るか、その製造方法については何ら述べられておらず、不明であった。通常、この種の歯ブラシ用ハンドルはコスト、大量生産の観点から射出成形によって製造するのが一般的であるが、この実開平2−143035号に示された構造の歯ブラシハンドルの場合、硬質樹脂からなる一次ハンドルのまわりに軟質合成樹脂を射出して軟質被覆層を形成する際、硬質樹脂からなる一次ハンドルを金型内で定位置に固定配置することができず、従来の射出成形法をそのまま利用して製造することは困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、硬質合成樹脂からなる一次ハンドルの握り部のまわりに軟質合成樹脂を射出成形する際に、一次ハンドルの握り部を金型内で定位置にしっかりと固定することができ、軟質合成樹脂を均一な厚さで被覆することができる歯ブラシハンドルの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る歯ブラシハンドルの製造方法は、ヘッド部、首部および握り部を備えた一次ハンドルを硬質合成樹脂を用いて射出成形によって製造した後、該硬質合成樹脂製の一次ハンドルを軟質合成樹脂用の金型内に設置し、該硬質合成樹脂製の一次ハンドルの握り部外周部に軟質合成樹脂を射出成形し、握り部の全周面が軟質合成樹脂で覆われた歯ブラシハンドルを製造する方法において、前記一次ハンドルの射出成形時に、一次ハンドルの握り部の首部側先端近傍の背面側、握り部の後端側近傍の植毛面側および背面側の3個所に、前記軟質合成樹脂用の金型のキャビティ内面に当接する突起部を一体成形し、前記握り部の後端側近傍の植毛面側および背面側に形成された2つの突起部のうち、少なくともいずれか一方の突起部にはその先端面に所定深さからなる凹部または所定高さからなる凸部を形成するとともに、金型のキャビティ内面には前記突起部先端面の凹部と嵌合する凸部または前記突起部先端面の凸部と嵌合する凹部を形成し、前記突起部先端面の凹部とキャビティ内面の凸部または前記突起部先端面の凸部とキャビティ内面の凹部とを嵌合させた状態で一次ハンドルを軟質合成樹脂用の金型内に設置した後、握り部の後端部付近の植毛面側または背面側から軟質合成樹脂を金型内に射出することを特徴とするものである。
【0006】
また、請求項2に係る歯ブラシハンドルの製造方法は、ヘッド部、首部および握り部を備えた一次ハンドルを硬質合成樹脂を用いて射出成形によって製造した後、該硬質合成樹脂製の一次ハンドルを軟質合成樹脂用の金型内に設置し、該硬質合成樹脂製の一次ハンドルの握り部外周部に軟質合成樹脂を射出成形することにより、握り部の全周面が軟質合成樹脂で覆われた歯ブラシハンドルを製造する方法において、前記一次ハンドルの射出成形時に、一次ハンドルの握り部の首部側先端近傍の背面側、握り部の後端部付近の植毛面側および背面側、握り部の中央部付近の植毛面側の4個所に、前記軟質合成樹脂用の金型のキャビティ内面に当接する突起部を一体成形し、前記握り部の後端部付近の植毛面側および背面側に形成された2つの突起部のうち、少なくともいずれか一方の突起部にはその先端面に所定深さからなる凹部または所定高さからなる凸部を形成するとともに、金型のキャビティ内面には前記突起部先端面の凹部と嵌合する凸部または前記突起部先端面の凸部と嵌合する凹部を形成し、前記突起部先端面の凹部とキャビティ内面の凸部または前記突起部先端面の凸部とキャビティ内面の凹部とを嵌合させた状態で一次ハンドルを軟質合成樹脂用の金型内に設置した後、握り部の中央部付近の背面側から軟質合成樹脂を金型内に射出することを特徴とするものである。
【0007】
硬質合成樹脂製の一次ハンドルの握り部全周面を軟質合成樹脂で被覆した歯ブラシハンドルを製造する場合、硬質合成樹脂製の一次ハンドルを軟質合成樹脂用の金型内で定位置にしっかり固定しないと、軟質合成樹脂の射出圧力によって一次ハンドルの握り部が上下・左右方向にぶれてしまい、軟質合成樹脂を均一な厚さで被覆することができない。
【0008】
軟質合成樹脂の射出成形時、一次ハンドルの握り部が軟質合成樹脂の射出圧力でぶれることを防止するには、一次ハンドルの握り部の部分に、軟質合成樹脂用の金型のキャビティ内面に当接する突起部を設けることで解決できる。しかし、突起部を何個所も設けてしまうと、握り部を覆う軟質合成樹脂の表面積が減少してしまい、十分な滑り止め効果を持たせることができなくなってしまう。
【0009】
そこで、本発明者らは、上記ぶれを防止できる必要最小限の突起部の数とその位置を種々検討し、実験を行なったところ、一次ハンドルの握り部の首部側先端近傍の背面側、握り部の後端側近傍の植毛面側および背面側の計3個所、あるいは、一次ハンドルの握り部の首部側先端近傍の背面側、握り部の後端部付近の植毛面側および背面側、握り部の中央部付近の植毛面側の計4個所に突起部を形成すると、軟質合成樹脂の射出成形時に発生するぶれを防止できることを掴んだ。
【0010】
通常、軟質合成樹脂を射出するゲートは、握り部の後端側近傍の背面側か、あるいは中央部付近の背面側に設けられるのが一般的である。これらの位置から軟質合成樹脂を射出すると、硬質合成樹脂製の一次ハンドルの握り部の後端側は射出圧力によって上下方向と左右方向にぶれるが、一次ハンドルの握り部の後端側近傍の植毛面側と背面側に突起部を設けることにより、上下方向のぶれをなくすことができる。通常の大きさの歯ブラシハンドルの場合、この突起部の大きさは、約4mm×4mmの四角形突起、あるいは直径約4mmの円形突起で十分である。
【0011】
さらに、被覆される軟質合成樹脂の表面との間に段差ができるように前記突起部の先端面に凹部または凸部を設け、軟質合成樹脂用の金型のキャビティ内面にも、前記凹部または凸部と対応する位置に凸部または凹部を設け、お互いの凹凸部が嵌まり合うように構成しているので、歯ブラシハンドルをさらに確実に定位置に固定することができ、一次ハンドルの握り部の左右方向のぶれをさらに確実になくすことができる。この凹部または凸部の大きさは、直径約2.5mm程度の略円形で、その立上がり高さまたはへこみ深さは約0.5mm程度で十分である。
【0012】
また、前記突起部の握り部長手方向と直交する向きの長さをその位置の一次ハンドルの握り部の幅とほぼ同じにすると、軟質合成樹脂の表面の角の丸みと突起部の丸みが一致させてあるので、突起部が金型内面と当接して突起部の左右方向の動きが規制され、これによっても握り部の後端側の左右方向のぶれを防止することができる。この方法によれば、前記凹部または凸部を設ける必要なしに、左右方向のぶれをなくすことができる。例えば、突起部位置の一次ハンドルの握り部幅が8mmであるとしたら、長さ8mm×幅2mm程度の長方形状をした突起部形状とすればよい。
【0013】
さらに、ゲートから軟質合成樹脂を射出すると、一次ハンドルの握り部の首部側先端近傍は軟質合成樹脂の射出圧力によって背面側(植毛面と反対側)に反って変位してしまう。したがって、一次ハンドルの握り部の首部側先端近傍の背面側に突起部を設けることによって、この反りを防止することができる。なお、一次ハンドルのヘッド部、首部の全体は、軟質合成樹脂用の金型によって定位置に固定されているので、首部側先端近傍では上下方向のぶれに対してのみ対策をとるだけで十分である。
【0014】
一方、軟質合成樹脂射出用のゲートを握り部の中央部付近の背面側に設け、中央部付近から軟質合成樹脂を金型内に射出した場合、一次ハンドルの握り部の中央部付近は軟質合成樹脂の射出圧力によって上側(植毛面側)に反って変位してしまう。したがって、ゲートを握り部の中央部付近の背面側に設ける場合には、一次ハンドルの握り部の中央部付近の植毛面側にも、反りを防止するための突起部を設ける必要がある。
【0015】
なお、一次ハンドルのヘッド部と首部の全体は、軟質合成樹脂用の金型によって定位置に固定されており、さらに握り部の後端側近傍は前記した突起部によって固定されているので、握り部の中央部付近では上下方向のぶれに対してのみ対策をとれば十分である。
【0016】
前記握り部の中央部付近の植毛面側に形成する突起部としては、四角形、長方形、円形、長円形などの任意の形状からなる単なる突起でもよいが、歯ブラシの商品名を示す文字やロゴマークなどの文様表象を兼ねた突起部とすればより好ましいものとなる。
【0017】
一般的な歯ブラシハンドルの場合、硬質合成樹脂製の一次ハンドルの握り部の厚さと幅は、握り部の弾力感、持ちやすさなどの点から、厚さ約5〜6mm、幅10〜12mmがよい。この握り部のまわりに被覆される軟質合成樹脂の厚さは、使用時の弾力感、しっとり感、手へのなじみと成形時の流動性の点から、1mm前後がよい。軟質合成樹脂を被覆した後の握り部全体の厚さと幅は、厚さ7〜8mm、幅12〜14mm程度がよく、握り部全体の長さは100〜110mm程度がよい。
【0018】
一次ハンドルを構成する硬質合成樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリアリレートなどの射出成形可能な樹脂を用いることができる。また、軟質合成樹脂としては、射出成形可能で、滑りにくく、弾力感、しっとり感があり、手へのなじみのよい、ポリオレフィン系TPE(TPE:熱可塑性エラストマー)、ポリスチレン系TPE、ポリウレタン系TPE、天然ゴム系TPE、フッ素系TPEなど、さまざまなTPEを用いることができる。
【0019】
歯ブラシハンドルとして求められる物性や価格、硬質合成樹脂と軟質合成樹脂の相溶性などを考慮すると、硬質合成樹脂としてはポリプロピレンが、また軟質合成樹脂としてはポリオレフィン系TPEがもっとも好ましい。
【0020】
なお、最終製品としての歯ブラシを得るには、前記のようにして作られた歯ブラシハンドルのヘッド部の植毛面に刷毛または刷毛束を植毛する必要があるが、平線式植毛法、インモールド式植毛法(特開昭61−268208号、特表平9−512724号)、熱融着法(特開昭60−241404号)など、従来公知の植毛方法を利用して植毛すればよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1に本発明に係る歯ブラシハンドルの製造方法の第1の実施の形態を示す。図1(a)は硬質合成樹脂製の一次ハンドルの握り部のまわりに軟質合成樹脂を射出成形するための軟質合成樹脂用の金型とその内部に固定された一次ハンドルの略示断面図、図1(b)は図1(a)中のP部分の拡大断面図である。
【0022】
この第1の実施の形態は、軟質合成樹脂用の金型50のゲート51を、硬質合成樹脂製の一次ハンドル10の握り部11の後端側近傍の背面側に設けた場合の一例を示すものである。
【0023】
軟質合成樹脂用の金型50内にセットされる硬質合成樹脂製の一次ハンドル10は、予め、図示しない1次ハンドル用の金型を用いて硬質合成樹脂を射出成形することにより作成しておく。その際、この1次ハンドル10の握り部11の首部12側の先端近傍の背面側、握り部11の後端側近傍の植毛面側および背面側の3個所に、前記軟質合成樹脂用の金型50のキャビティ内面52に当接する例えば高さ1mmの突起部13,14,15をそれぞれ一体成形する。さらに、握り部11の後端側近傍の背面側に形成した突起部15の先端面には、例えば深さ0.5mmの凹部16を形成しておく。
【0024】
そして、上記形状に射出成形された硬質合成樹脂製の一次ハンドル10を、図1に示すような軟質合成樹脂用の金型50内にセットする。金型50のキャビティ内面52は、一次ハンドル10の握り部11の全周面にわたって例えば1mmの間隙ができるように、そのキャビティ形状が設定されている。したがって、一次ハンドル10の握り部11に形成した前記3個の突起部13,14,15は、金型50内にセットされた時点で、それぞれキャビティ内面52に当接した状態となり、後述する軟質合成樹脂の射出時に発生する握り部11の反りを防止するように作用する。
【0025】
さらに、前記金型50のキャビティ内面52には、前記一次ハンドル10の握り部11の後端側近傍の背面側の突起部15の先端面に形成した凹部16と対向する位置に、該凹部16の嵌まり合う例えば0.5mm弱の高さの凸部(符号なし)が形成されており、一次ハンドル10を金型50内にセットしたとき、突起部15の凹部16と、金型の凸部とが嵌まり合うことにより、握り部11の後端側が左右方向に位置ずれを起こすことがないようにしている。
【0026】
上記のような状態で一次ハンドル10を金型50内にセットした後、ゲート51から軟質合成樹脂を所定の圧力で射出する。射出された軟質合成樹脂は、キャビティ内面52と握り部11との間の隙間に流れ込み、前記3個所の突起部13,14,15を除いた握り部11の全外周面を軟質合成樹脂によって被覆する。
【0027】
この射出成形時、軟質合成樹脂の射出圧力によって、握り部11の後端側は上下・左右方向にぶれようとするが、握り部11の後端側近傍の植毛面側と背面側に形成した突起部14,15と、突起部15の先端面に形成した凹部16によってその位置を規制され、上下・左右方向のぶれが防止される。
【0028】
一方、一次ハンドル10の握り部11の首部12側の先端近傍は流れ込んでくる軟質合成樹脂の射出圧力によって下側に押され、背面側に反ろうとするが、握り部11の首部12側の先端近傍の背面側に形成した突起部13によってその位置が規制され、その反りが防止される。
【0029】
このようにして、握り部11が3点においてその位置を規制される結果、握り部11は射出圧力によって上下・左右方向にぶれることがなくなり、握り部11のまわりには均一の厚さで軟質合成樹脂が被覆される。
【0030】
そして、前記射出した軟質合成樹脂が冷却・固化した後、金型50から取り出することにより、完成品としての歯ブラシハンドルが得られる。なお、図中、符号17は歯ブラシハンドルのヘッド部、18はヘッド部に形成された植毛穴である。
【0031】
図2〜図5に、上記第1の実施の形態の製造方法によって作られた歯ブラシハンドルを示す。図示するように、完成後の歯ブラシハンドル19は、一次ハンドル10の握り部11の回りに均一厚さの軟質合成樹脂20が被覆されたものとなる。しかも、位置規制のために形成される突起部13,14,15は、一次ハンドル10の握り部11の首部12側の先端近傍の背面側、握り部11の後端側近傍の植毛面側および背面側の3個所だけであり、握り部11の回りに被覆された軟質合成樹脂20の全表面積のごく僅かな面積を占めるだけであり、歯ブラシハンドル完成後に軟質合成樹脂20の表面積を必要以上に狭めることがない。したがって、使用時、特に水に濡れた状態で使用する際に、確実に滑り止め効果を持たせることができ、弾力感、しっとり感、手へのなじみに優れた歯ブラシハンドルとなる。
【0032】
図6に本発明に係る歯ブラシハンドルの製造方法の第2の実施の形態を示す。図6は硬質合成樹脂製の一次ハンドルの握り部のまわりに軟質合成樹脂を射出成形するための軟質合成樹脂用の金型とその内部に固定された一次ハンドルの略示断面図である。なお、前記第1の実施の形態と同一もしくは相当部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0033】
この第2の実施の形態は、軟質合成樹脂用の金型50のゲート51を、硬質合成樹脂製の一次ハンドル10の握り部11の中央部付近の背面側に設けるとともに、これに対応して中央部付近の植毛面側に第4の突起部21を形成し、さらに、後端側近傍の植毛面側と背面側の突起部14,15の握り部長手方向と直交する向きの長さをその位置の一次ハンドル10の握り部11の幅とほぼ同じにすることにより、握り部11の後端側近傍の背面側の突起部15の先端面に形成していた凹部16(図1参照)を省略したものである。
【0034】
なお、前述したように、前記握り部11の中央部付近の植毛面側に形成した突起部21は、四角形、長方形、円形、長円形などの任意の形状からなる単なる突起でもよいが、歯ブラシの商品名を示す文字やロゴマークなどの文様表象を兼ねた突起部とするのが意匠上望ましい。
【0035】
この第2の実施の形態の製造方法の場合、握り部11の中央部付近に設けたゲート51から軟質合成樹脂が射出されるため、一次ハンドル10の握り部11の中央部付近は軟質合成樹脂の射出圧力によって上側に反って変位しようとするが、握り部11の中央部付近に設けた突起部21によってその変位が規制され、上方への反りが防止される。
【0036】
また、後端側近傍の植毛面側と背面側の突起部14,15の握り部長手方向と直交する向きの長さをその位置の一次ハンドル10の握り部11の幅とほぼ同じにしているので、この突起部14,15がキャビティ内面52に当接し、握り部後端側の左右方向の動きが規制される。この結果、前記第1の実施の形態のように背面側の突起部15の先端面の凹部16(図1参照)を省略しても、握り部11の後端側の左右方向のぶれを防止することができる。
【0037】
このようにして、握り部11の位置が4個の突起部13,14,15,21によって規制される結果、握り部11が軟質合成樹脂の射出圧力によって上下・左右方向にぶれることがなくなり、握り部11のまわりには均一の厚さで軟質合成樹脂が被覆される。
【0038】
そして、前記射出した軟質合成樹脂が冷却・固化した後、金型50から取り出することにより、完成品としての歯ブラシハンドルが得られる。
【0039】

図7〜図10に、上記第2の実施の形態の製造方法によって作られた歯ブラシハンドルを示す。図示するように、完成後の歯ブラシハンドル19は、一次ハンドル10の握り部11の回りに均一厚さの軟質合成樹脂20が被覆されたものとなる。しかも、位置規制のために形成される突起部13,14,15,21は、一次ハンドル10の握り部11の首部12側の先端近傍の背面側、握り部11の後端側近傍の植毛面側および背面側、握り部11の中央部付近の植毛面側の4個所だけであり、握り部11の回りに被覆された軟質合成樹脂20の全表面積のごく僅かな面積を占めるだけであり、歯ブラシハンドル完成後に軟質合成樹脂20の表面積を必要以上に狭めることがない。したがって、前記第1の実施の形態の場合と同様に、使用時、特に水に濡れた状態で使用する際に、確実に滑り止め効果を持たせることができ、弾力感、しっとり感、手へのなじみに優れた歯ブラシハンドルとなる。
【0040】
また、この図7〜図10の歯ブラシハンドル19の場合、握り部11の中央部付近の植毛面側に形成した突起部21を、歯ブラシの商品名を示す「Between」という文字を兼ねた突起部としているので、意匠的にも極めて優れたものとなる。なお、前記第1の実施の形態の場合、握り部の中央付近には反り防止のための突起部が不要のため、前記文字を兼ねた突起部21はあえて形成しなかったが、前記第1の実施の形態においても、意匠上あるいは強度上の観点から、必要に応じて文字を兼ねた突起部を握り部11の中央部付近の植毛面側に形成してもよいものである。
【0041】
【実施例】
前記図7〜図10の歯ブラシハンドルを用いて作った歯ブラシ(本発明品という)と、従来からある握り部の一部だけにエラストマーを被覆した歯ブラシハンドルを用いて作った歯ブラシ(比較品という)の使用テストを被験者を変えて2回実施した。
【0042】
第1回目の使用テストは、被験者数24名(男女半数ずつ)で、7段階絶対評価でアンケート調査を行なった。その結果を表1に示す。なお、評価点が7に近いほど、評価が高いことを示す。
【0043】
【表1】
Figure 0004541508
【0044】
2回目の使用テストは、被験者数40名(男女半数ずつ)で、7段階相対評価でアンケート調査を行なった。その結果を表2に示す。なお、評価点が7点に近いほど、本発明品の評価が高いことを示す。評価点が4点の場合は、本発明品と比較品の評価が同一であることを示す。
【0045】
【表2】
Figure 0004541508
【0046】
上記2つのテスト結果から明らかなように、本発明品は比較品(従来品)よりも持ちやすく、滑りにくさ、手へのなじみやすさの点で、その操作性と使用感が格段に向上し、非常によい握り部を備えた歯ブラシであることが確認された。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の歯ブラシハンドルの製造方法によれば、軟質合成樹脂を射出成形する金型内で必要最小限の突起部によって硬質合成樹脂製の一次ハンドルを定位置にしっかり固定できるので、一次ハンドルの握り部が金型内でぶれることなく軟質合成樹脂を射出成形することができ、硬質合成樹脂製の一次ハンドルの全周面に均一な厚さで軟質合成樹脂を被覆することができる。
【0048】
さらに、突起部の先端面に凹部または凸部を設けるとともに、軟質合成樹脂用の金型のキャビティ内面には前記凹部または凸部と対応する位置に凸部または凹部を設け、お互いの凹凸部が嵌まり合うように構成したので、一次ハンドルの握り部の左右方向のぶれを確実になくして歯ブラシハンドルをさらに確実に定位置に固定することができ、握り部のまわりに均一の厚さで軟質合成樹脂を被覆することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る歯ブラシハンドルの製造方法の第1の実施の形態を示すもので、(a)は硬質合成樹脂製の一次ハンドルの握り部のまわりに軟質合成樹脂を射出成形するための軟質合成樹脂用の金型とその内部に固定された一次ハンドルの略示断面図、(b)は(a)中のP部分の拡大断面図である。
【図2】 第1の実施の形態の製造方法によって作られた歯ブラシハンドルの縦断面図である。
【図3】 第1の実施の形態の製造方法によって作られた歯ブラシハンドルを示すもので、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
【図4】 図3(b)中のIV−IV線位置における拡大断面図である。
【図5】 図3(b)中のV−V線位置における拡大断面図である。
【図6】 本発明に係る歯ブラシハンドルの製造方法の第2の実施の形態を示すもので、硬質合成樹脂製の一次ハンドルの握り部のまわりに軟質合成樹脂を射出成形するための軟質合成樹脂用の金型とその内部に固定された一次ハンドルの略示断面図である。
【図7】 第2の実施の形態の製造方法によって作られた歯ブラシハンドルの縦断面図である。
【図8】 第2の実施の形態の製造方法によって作られた歯ブラシハンドルを示すもので、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
【図9】 図8(b)中のIX−IX線位置における拡大断面図である。
【図10】 図8(b)中のX−X線位置における拡大断面図である。
【符号の説明】
10 硬質合成樹脂製の一次ハンドル
11 握り部
12 首部
13 突起部
14 突起部
15 突起部
16 凹部
17 ヘッド部
18 植毛穴
19 歯ブラシハンドル
20 軟質樹脂
21 突起部
50 軟質合成樹脂用の金型
51 ゲート
52 キャビティ内面

Claims (2)

  1. ヘッド部、首部および握り部を備えた一次ハンドルを硬質合成樹脂を用いて射出成形によって製造した後、該硬質合成樹脂製の一次ハンドルを軟質合成樹脂用の金型内に設置し、該硬質合成樹脂製の一次ハンドルの握り部外周部に軟質合成樹脂を射出成形し、握り部の全周面が軟質合成樹脂で覆われた歯ブラシハンドルを製造する方法において、
    前記一次ハンドルの射出成形時に、一次ハンドルの握り部の首部側先端近傍の背面側、握り部の後端側近傍の植毛面側および背面側の3個所に、前記軟質合成樹脂用の金型のキャビティ内面に当接する突起部を一体成形し、
    前記握り部の後端側近傍の植毛面側および背面側に形成された2つの突起部のうち、少なくともいずれか一方の突起部にはその先端面に所定深さからなる凹部または所定高さからなる凸部を形成するとともに、金型のキャビティ内面には前記突起部先端面の凹部と嵌合する凸部または前記突起部先端面の凸部と嵌合する凹部を形成し、
    前記突起部先端面の凹部とキャビティ内面の凸部または前記突起部先端面の凸部とキャビティ内面の凹部とを嵌合させた状態で一次ハンドルを軟質合成樹脂用の金型内に設置した後、
    握り部の後端部付近の植毛面側または背面側から軟質合成樹脂を金型内に射出することを特徴とする歯ブラシハンドルの製造方法。
  2. ヘッド部、首部および握り部を備えた一次ハンドルを硬質合成樹脂を用いて射出成形によって製造した後、該硬質合成樹脂製の一次ハンドルを軟質合成樹脂用の金型内に設置し、該硬質合成樹脂製の一次ハンドルの握り部外周部に軟質合成樹脂を射出成形することにより、握り部の全周面が軟質合成樹脂で覆われた歯ブラシハンドルを製造する方法において、
    前記一次ハンドルの射出成形時に、一次ハンドルの握り部の首部側先端近傍の背面側、握り部の後端部付近の植毛面側および背面側、握り部の中央部付近の植毛面側の4個所に、前記軟質合成樹脂用の金型のキャビティ内面に当接する突起部を一体成形し、
    前記握り部の後端部付近の植毛面側および背面側に形成された2つの突起部のうち、少なくともいずれか一方の突起部にはその先端面に所定深さからなる凹部または所定高さからなる凸部を形成するとともに、金型のキャビティ内面には前記突起部先端面の凹部と嵌合する凸部または前記突起部先端面の凸部と嵌合する凹部を形成し、
    前記突起部先端面の凹部とキャビティ内面の凸部または前記突起部先端面の凸部とキャビティ内面の凹部とを嵌合させた状態で一次ハンドルを軟質合成樹脂用の金型内に設置した後、
    握り部の中央部付近の背面側から軟質合成樹脂を金型内に射出することを特徴とする歯ブラシハンドルの製造方法。
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