JP4540881B2 - 電線保護用チューブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等に配索される電線等を収容して保護するためのコルゲート状の電線保護用チューブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コルゲートチューブは、周壁に多数の突部と溝部とを螺旋状又は環状に形成した屈曲自在の可撓性のチューブであり、地中に埋設される電力ケーブルや自動車に配索されるワイヤハーネス等の保護カバーとして利用されている。
【0003】
図5は、実開昭62−16888号公報に記載された電力ケーブル等の管体を保護するコルゲートチューブ(管体保護カバー)31を示すものであり、本願の電線保護用チューブに関連する技術の一例である。
【0004】
コルゲートチューブは31、耐衝撃性樹脂材料により略円筒状に形成された長尺状のものであって、周壁32が軸方向全長に亘って屈曲自在の蛇腹状に形成されるとともに、軸方向全長にわたってスリット(割れ目)34が形成されている。
【0005】
このようなコルゲートチューブ31は、樹脂材料を筒状に押し出すとともに周面が波形の2つのローラの間を通過させて周壁32を蛇腹状に形成し、周壁32の一部を軸方向全長に亘って切り取り、スリット34を形成することにより製造される。
【0006】
周壁32の蛇腹は、螺旋状に連続して形成されていてもよく、また軸方向に直角な複数の環から形成されていてもよい。この蛇腹のピッチおよび蛇腹の波の高さは、周壁32の厚みとコルゲートチューブ31の太さに応じ、湾曲させ易くしかもスリット34が開き易い寸法に適宜決定される。
【0007】
周壁32の厚みは、十分な耐衝撃性を発揮し、かつ湾曲させ易い厚みに設定されている。厚みは、0.1mm〜1.0mmであるが、特に好ましくは0.13mm〜0.45mmに設定されている。
【0008】
スリット34は、装着時に管体をコルゲートチューブ31内に通過させるもので、このスリット34の間隙は、コルゲートチューブ31を管体に容易に装着することができ、装着後管体から外れないように設定されている。
【0009】
管体への装着は、コルゲートチューブ31のスリット34を広げて、順次その間から管体をコルゲートチューブ31内に入り込ませることで行われる。
【0010】
このように構成することによって、電力ケーブル等の管体はコルゲートチューブ31に収納されて、掘削工事等における損傷事故から保護される。しかも、周壁32は蛇腹状に形成されているから、管体の湾曲部分も保護することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のコルゲートチューブでは、解決すべき以下の問題点がある。
【0012】
スリット34入りのコルゲートチューブ31は、屈曲させるとスリット34が開口して、内部に挿通された管体や電線等が露出し、有効に保護されないという問題がある。すなわち、電線等はスリット34の間隙から押し込まれてコルゲートチューブ31の内部に挿通されるものであるゆえ、スリット34は所定の間隙を有している。しかし、スリット34入りのコルゲートチューブ31を屈曲させると、このスリット34が口開き状態となり、間隙から押し込まれた電線等が外部に飛び出すことがある。
【0013】
電線等の飛び出しを防止するには、チューブ本体の周壁32をテープ巻き等する必要があり、余計な手間をかけなければならず、電線等の挿通作業が効率的に行われないという問題がある。
【0014】
また、スリット34の間隙から電線等を押し込む際に、スリット34の両端のエッジ35に電線等が接触したり、噛み込んだりして、電線等が損傷するという心配もある。このような問題を解決したものとして、特開2000−287331号公報に開示されたものが知られており、該公報には一端側と他端側のエッジのそれぞれに弾力のある緩衝帯を設ける旨記載されている。このような緩衝帯を設ければ、電線等の損傷を防止できるだけでなく、両端のエッジの擦れ合いによる異音の発生も防止することができる旨も記載されている。
【0015】
しかしながら、コルゲートチューブが太くなるとスリットを容易に口開きすることができなくなり、電線の挿通作業性が悪くなるだけでなく、このような状態で電線等を無理に押し込むと、電線等が損傷する心配もある。
【0016】
断面が円形状のコルゲートチューブ31は、車両ボディの狭いスペースに配設された場合に車両ボディ等と干渉して潰れたりするという問題もある。そこで、干渉の防止を図るために平形の電線(フラットハーネス)が適用されつつあるが、それだけでは十分でなく、このような平形の電線を外部との干渉等から二重に保護するために、電線形状に対応する平形のコルゲートチューブが求められている。
【0017】
また、円形状のコルゲートチューブ31に平形の電線を挿通すれば、コルゲートチューブ31と電線との間に空きスペースが生じ、そのスペース内で電線が振れ回り、異音が生ずる心配もある。
【0018】
スリットを有しないコルゲートチューブにあっては、電線等の挿通作業性が悪いという問題がある。すなわち、コルゲートチューブの開口部が広くても、コルゲートチューブの全長が長い場合には、電線が腰折れ状態となり、コルゲートチューブの内面の凹凸に電線が引っかかることがある。
【0019】
また、電線の端末部に端子が接続されていたり、電線付きの端子がコネクタハウジングに接続されているような場合には、コルゲートチューブの開口部に端子やコネクタハウジングが引っかかり挿通できなくなることがある。
【0020】
本発明は、上記した点に鑑みなされたもので、電線等の飛び出しや損傷を防止でき、車両ボディ等と干渉することなく狭いスペース内に配索でき、また、電線の挿通作業性を向上することのできる電線保護用チューブを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、環状の突部と溝部とが軸方向に交互に連続して筒体が形成され、該筒体の内側に電線を収容して保護する電線保護用チューブにおいて、前記筒体の壁部には、軸方向の全長に亘って延在する弾性部が複数形成され、該筒体が径方向に膨張自在であることを特徴とする。
【0022】
上記構成のように、筒体の壁部に軸方向の全長に亘って延在する弾性部を複数形成すれば、筒体を径方向に膨張させることができるゆえ、電線又は電線付きコネクタを筒体の一側開口から差し入れ、筒体の他側開口から差し出すことができる。そして、電線等の挿通後は、筒体が径方向に収縮して元の形状に戻り、狭いスペース内において車両ボディ等との干渉が防止される。
【0023】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の電線保護用チューブにおいて、前記弾性部は、断面形状が平形状、すなわち長円状の前記筒体の軸心に対して対称の位置に設けられていることを特徴とする。
【0024】
上記構成のように、筋状の弾性部を断面形状が平形状、すなわち長円状の筒体の軸心に対して対称の位置に設けることにより、筒体を歪ませることなく、径方向に楽に膨張させることができる。
【0025】
また、請求項3記載の発明は、請求項2記載の電線保護用チューブにおいて、前記弾性部は、前記筒体の長径部及び短径部の各中央部に位置していることを特徴とする。
【0026】
上記構成のように、筒体の長径部及び短径部の各中央部に弾性部を配置すれば、筒体を長軸方向に縮径させ、短軸方向に拡径させることができ、筒体の内部に電線等の挿通空間を確保することができる。
【0027】
また、請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れかに記載の電線保護用チューブにおいて、前記壁部と前記弾性部は、二台の押出機と共有金型を備える押出しブロー成形機又は押出し真空成形機を使用して、二色成形法により同時に一体成形されていることを特徴とする。
【0028】
上記構成のように、壁部と弾性部とを同時に一体成形すれば、壁部と弾性部とが剥離することなく堅固に密着して、二種の樹脂材料が境界部から分離することを防止することができる。
【0029】
また、請求項5記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れかに記載の電線保護用チューブにおいて、前記壁部は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド又はポリエチレンテレフタレートで成形され、ロックウェル硬さがR60〜100であることを特徴とする。
【0030】
上記構成のように、筒体の壁部をロックウェル硬さがR60〜100の上記熱可塑性樹脂材料で成形すれば、耐衝撃性が良く、寸法安定性が高く、かつ軽量の筒体を成形することができる。
【0031】
また、請求項6記載の発明は、請求項5記載の電線保護用チューブにおいて、前記弾性部は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレンゴム又は熱可塑性エラストマーで成形され、ショア硬さがA50〜90であることを特徴とする。
【0032】
上記構成のように、弾性部をショア硬さがA50〜90の上記樹脂材料で成形すれば、筒体の壁部との親和性がよく、収縮率の違いに基づくストレスクラックの発生を回避できる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明に係る電線保護用チューブの一実施形態を示すものである。
【0034】
図1(b)に示すように、電線保護用チューブ10は、内部に電線挿通空間16を有するコルゲート状の筒体11であり、弧状の壁部12と筋状の弾性部20とを備えている。筒体11は、断面形状が円形状ではなく平形状(長円状)をなしている。筒体11の断面形状が平形状に成形されているのは、自動車の狭小な空きスペースに電線26とともに配設された際に、自動車ボディや他部品との干渉を防止するためである。
【0035】
壁部12は、長軸方向Xに対置する短径部19と短軸方向Yに対置する長径部18とからなっている。長径部18の寸法L1と短径部19の寸法L2の(L1/L2)比は、任意であるが、2〜5に設定されている。(L1/L2)比が5を越えると、成形困難になるからであり、(L1/L2)比が2より小さいと、断面形状が円形状に近くなり、狭小なスペースに配設することができなくなるからである。
【0036】
このような平形状の筒体11には、平形の電線、平形に配列された電線群、電線26付きの端子、電線26付きのコネクタ25(図3及び図4)等が挿通される。
【0037】
図1(a)に示すように、筒体11は、環状の突部13と環状の溝部14とが軸方向に交互に連続してコルゲート状に形成されている。突部13及び溝部14は、それぞれが断面視台形状(図2)に形成されており、筒体11が屈曲した際には、それぞれの台形状の傾斜面15が接するようになっている。
【0038】
筒体11をコルゲート状に形成することによって、筒体11を自在に屈曲させて、車両ボディの湾曲部に沿うように筒体11を配設することができるようになっている。
【0039】
突部13と溝部14の径方向の寸法差及び隣接する突部13と溝部14の間隔は、筒体11の可撓性(屈曲性)を規制するものであるゆえ、可撓性を損なわない寸法に設定されている。
【0040】
筒体11の壁部12は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド又はポリエチレンテレフタレートその他の合成樹脂材料にて成形されており、ロックウェル硬さ(Rスケール)がR60〜100に設定されている。かかる樹脂材料は、熱可塑性樹脂材料であるゆえ、高温における流動性及び成形性がよく、寸法安定性も高い。また、耐衝撃性にも優れるため、外部との干渉によって筒体11が損傷することを防止することもできる。さらに、密度が低く軽量であるゆえ、筒体11の取扱性も良好である。
【0041】
筒体11の壁部12には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレンゴム又は熱可塑性エラストマー等の合成樹脂材料にて成形された弾性部20が筋状に軸方向全長に亘って形成されている。弾性部20は、ショア硬さ(Aスケール)でA50〜90に設定されている。
【0042】
弾性部20を構成する樹脂材料と壁部12を構成する樹脂材料とは、異種の合成樹脂材料であるゆえ、成形後に冷却固化した際に、各樹脂材料の収縮率の相違によって、寸法差を生じてストレスクラック等を発生する心配があるが、本発明ではかかるストレスクラック等が生じないように、弾性部20の樹脂材料が選択されている。
【0043】
弾性部20は複数設けられ、筒体11の軸中心に対して対称になるように配置されている。このように配置すれば、周方向の引張力が各弾性部20に略等しく作用し、筒体11は歪むことなく膨張することができるからである。
【0044】
また、弾性部20は、長径部18及び短径部19の中間部に位置している。すなわち、長軸方向Xに対置する2箇所と短軸方向Yに対置する2箇所の計4箇所に配置されている。このように、配置することで、筒体11の強度バランスが損なわれることなく、しかも筒体11が歪むことなく、筒体11の内部に電線26等の挿通空間を確保することができる。
【0045】
なお、弾性部20を壁部12の2箇所に配置してもよく、この場合は、長径部18又は短径部19のどちらか一方に対置するように設けるようにすればよい。このようにすれば、筒体11の膨張性は4箇所の場合に較べて劣るものの、耐衝撃性は向上し、殊に、筒体11の軸方向に直交する方向の曲げに対する剛性が向上する。
【0046】
弾性部20は、筒体11と別体に成形されているのではなく、後述する二色成形法にて一体的に成形されている。従って、平形状の筒体11を膨張させ、電線挿通口17を大きく開口させても、弾性部20と壁部12とが境界部22から分離することはない。
【0047】
弾性部20の諸寸法(図1(b))は、電線保護用チューブ10の太さや厚さによって変わるものであるが、肉厚方向の高さ寸法Hは、壁部12の肉厚寸法に略等しい値に設定されている。任意ではあるが、高さ寸法Hは0.2mm〜2.5mmに設定されている。筒体11の周方向に沿う幅寸法Wは、筒体11の耐衝撃性を損なわない程度に設定されている。高さ寸法Hと同様に任意ではあるが、幅寸法Wは1mm〜10mmに設定されている。
【0048】
なお、高さ寸法H及び幅寸法Wは、筒体11の断面性能を大きく左右するものであるゆえ、寸法の設定に際しては、屈曲に対する耐久性も考慮されている。壁部12の樹脂材料は、弾性部20の樹脂材料に較べて、硬質であり縦弾性係数が大きいことから、耐衝撃性に優れていることは明らかである。しかし、弾性部20は軟質で縦弾性係数の低い樹脂材料で成形されているゆえ、耐衝撃性に劣り、筒体11を径方向に膨張させた際に、弾性部20から破損する心配がある。これは、弾性部20の樹脂材料を壁部12の樹脂材料に置き換えて得られる等価断面積が元の断面積より小さくなり(弾性部の肉厚が薄肉となることを意味する)、断面積の小さい箇所(薄肉の箇所)に応力が集中するからである。
【0049】
従って、この点を考慮すれば、弾性部20の高さ寸法Hを壁部12の厚さ寸法より大きく、言い換えると、弾性部20を壁部12の壁面の外側に突出させ肉盛り状とし、屈曲に対する耐久性を向上させることも有効である。
【0050】
次に、上述した電線保護用チューブ10の製造方法について説明する。電線保護用チューブ10は、押出し連続ブロー成形法又は押出し連続真空成形法により成形される。一例として、押出し連続ブロー成形法は、空気の吹き込みにより内部を中空とする成形法であり、熱可塑性樹脂を押出機(図示せず)で可塑化し、チューブ状に押し出し、冷却固化しないうちに金型(図示せず)にくわえこみ内部に空気を吹き込んで膨張させ、金型の内壁に押さえつけて冷却固化させる方法である。
【0051】
他方、押出し連続真空成形法は、押出し工程までは、押出し連続ブロー成形法と同様であるが、可塑化された熱可塑性樹脂に内部から空気を吹き込むかわりに、熱可塑性樹脂の外側から真空に引いて、金型の内壁形状を転写する成形方法である。
【0052】
上記成形法により、二種類の樹脂材料を同時に一体成形するには、二台の押出機を用いて行う。すなわち、壁部12を形成する樹脂材料と弾性部20を形成する樹脂材料は、各押出機に別々に導入され、そして同時に共有金型内に押し出されることで、異種の樹脂材料からなる電線保護用チューブ10を一体的に成形することができる。両樹脂材料には、収縮率の差が小さく親和性の良い樹脂材料が選ばれるため、成形後に剥離して、境界部22から分離する心配はない。
【0053】
上記方法で成形すれば、異なる材料物性を有する二種類の樹脂材料を同時に一体成形することができ、しかも二種類の樹脂材料は、可塑化状態で強固に密着して成形されるため耐剥離性に優れている。
【0054】
以上の構成により、本実施の形態の作用を図3及び図4を用いて説明する。図3は膨張前の電線保護用チューブ10を示す模式図であり、図4は膨張後の電線保護用チューブ10を示す模式図である。
【0055】
図3は、断面形状が平形状の筒体11を示しており、一側端部の電線挿通口17が狭いため、電線26付きのコネクタ25が入口に引っかかり、そのまま内部に差し入れることができないことを示している。しかし、筒体11の壁部12には、軸方向の全長に亘って延在する弾性部20が筋状に形成されているゆえ、図4に示すように、筒体11を長軸方向Xに縮ませ、短軸方向Yに膨張させ、端部の電線挿通口17を大きく開口させることで、電線26付きのコネクタ25を差し入れることができるようになっている。
【0056】
そして、筒体11の内部を挿通させて、他側端部の電線挿通口17から電線26付きのコネクタ25を差し出し、挿通操作が終了する。挿通後、膨張した筒体11は、収縮して元の形状に戻り、電線26の外側が保護されるようになっている。
【0057】
なお、筒体11は、軸方向にスライド自在であるゆえ、所望の保護対象位置に移動させることができるようになっている。そして、筒体11を固定する際には、筒体11の両端部を固定用のテープやクリップ等の別物品を利用して固定保持する。従来技術の欄で示したスリットを有する筒体(コルゲートチューブ31)の場合は、筒体の略全長に亘ってテープ巻きしなければならず、時間がかかり作業性が悪いという問題が指摘されていたが、本発明ではかかる問題点の解決も図られている。
【0058】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、スリットを有しない筒体は径方向に膨張自在であるから、筒体の電線挿通口に電線又は電線付きコネクタを引っかかりなく差し入れ、そして筒体の反対側の電線挿通口から差し出すことができる。従って、電線等の飛び出しを防止することができるとともに、電線等の挿通作業性を向上することができる。
【0059】
また、請求項2記載の発明によれば、弾性部が断面形状が平形状、すなわち長円状の筒体の軸心に対して対称の位置に設けられているから、筒体を膨張させた際に、周方向の引張力が各弾性部に略等しく作用する。従って、請求項1記載の発明の効果に加えて、電線保護用チューブの膨張時の破損を防止することができる。
【0060】
また、請求項3記載の発明によれば、筒体を長軸方向及び短軸方向にバランスよく膨張させることができるゆえ、電線等を挿通する空間を四方に広くとることができる。従って、請求項2記載の発明の効果が助長され、電線等の挿通作業性を一層容易に行うことができる。
【0061】
また、請求項4記載の発明によれば、筒体の壁部と弾性部とが剥離することなく堅固に密着した状態で同時に一体成形されるゆえ、筒体の膨張と収縮を繰り返し行っても、長期に亘り筒体の耐久性を維持することができる。従って、請求項1記載の効果に加えて、破損に対する信頼性の高い電線保護用チューブを提供することができる。
【0062】
また、請求項5記載の発明によれば、ロックウェル硬さがR60〜100の熱可塑性樹脂材料で筒体が成形されているから、成形性が良く耐衝撃性に優れる電線保護用チューブを提供することができる。
【0063】
また、請求項6記載の発明によれば、筒体の壁部と弾性部との収縮率の差が小さく、しかも親和性のよい材料で筒体が一体成形されているゆえ、壁部と弾性部の境界部から剥離して分離することが防止される。従って、筒体の膨張性が損なわれることなく、電線の挿通作業を容易に行うことができ、しかも筒体の耐久性の高い電線保護用チューブを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電線保護用チューブの一実施形態を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図2】図1(b)のA−A線に沿う断面図である。
【図3】電線保護用チューブの膨張前の状態を示す模式図である。
【図4】電線保護用チューブの膨張後の状態を示す模式図である。
【図5】従来のコルゲートチューブ(管体保護カバー)の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 電線保護用チューブ
11 筒体
12 壁部
13 突部
14 溝部
17 電線挿通口
18 長径部
19 短径部
20 弾性部
25 コネクタ
26 電線
X 長軸方向
Y 短軸方向
Claims (6)
- 環状の突部と溝部とが軸方向に交互に連続して筒体が形成され、該筒体の内側に電線を収容して保護する電線保護用チューブにおいて、
前記筒体の壁部には、軸方向の全長に亘って延在する弾性部が複数形成され、該筒体が膨張自在であることを特徴とする電線保護用チューブ。 - 前記弾性部は、断面形状が平形状、すなわち長円状の前記筒体の軸心に対して対称の位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の電線保護用チューブ。
- 前記弾性部は、前記筒体の長径部及び短径部の各中央部に位置していることを特徴とする請求項2記載の電線保護用チューブ。
- 前記壁部と前記弾性部は、二色成形法にて同時に一体成形されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の電線保護用チューブ。
- 前記壁部は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド又はポリエチレンテレフタレートで成形され、ロックウェル硬さがR60〜100であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の電線保護用チューブ。
- 前記弾性部は、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレンゴム又は熱可塑性エラストマーで成形され、ショア硬さがA50〜90であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載の電線保護用チューブ。
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JPS60161786U (ja) * | 1984-04-03 | 1985-10-26 | 豊田合成株式会社 | ホ−スプロテクタ |
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