以下、添付の図面に基づき本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の一実施例に係る遊技機全体を示す正面図、図2は同遊技機の裏側を示す図、図3は同遊技機の制御基板や装置等の接続を簡略に示すブロック図である。
図1に示す弾球遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であって、遊技盤2の縁に外レール3及び内レール4が略円形に配置され、前記外レール3及び内レール4によって区画された遊技領域6が前記遊技盤2上に設けられている。弾球遊技機1の前面側には、装飾ランプ35、払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿36、該上側球受け皿36の満杯時に遊技球を受けるための下側球受け皿37、効果音等を発するスピーカ38、遊技者の発射操作に応じて遊技球を前記遊技領域6へ向けて弾発発射するための発射装置64が設けられている。前記遊技領域6は遊技を行う領域である。
なお、符号F1は遊技機の外枠、F2は外枠F1に取り付けられた前枠、Gは前枠F2に開閉可能にヒンジで取り付けられたガラス枠である。また、前記遊技領域6には、前記遊技領域6に打ち込まれた遊技球を誘導する複数の釘(図示せず)が所要位置に立設されている。なお、この例の弾球遊技機1は、プリペイドカードユニット56が接続されている。以下、弾球遊技機1の主要な部分について説明する。
前記遊技領域6には、中心線上の上部から下部に向かって順に表示装置10、始動入賞口42、大入賞口45、アウト口49が配置されている。前記始動入賞口42及び前記大入賞口45の左右には左袖入賞口51、右袖入賞口52、左落とし入賞口53、右落とし入賞口54が配置されている。また、前記表示装置10の左右には普通図柄変動開始用ゲート55、56、その上方にはランプ風車74,75、下方には風車76,77が設けられている。
前記表示装置10は、文字又は図柄等の画像を変動表示可能なものであって、液晶,ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の表示装置からなり、この実施例では、液晶表示器(TFT−LCDモジュール)で構成され、左下に普通図柄表示部50が組み込まれ、その他の大部分が特別図柄表示部11となっている。
前記表示装置10は、当否判定の結果を表示するための判定図柄を変動表示可能な表示手段に相当する。本実施例の特別図柄表示部11は、横に並ぶ3つの判定図柄表示領域として左側表示領域、中央表示領域、右側表示領域を備え、左側表示領域では左特別図柄(左判定図柄)が、中央表示領域では中特別図柄(中判定図柄)が、右側表示領域では右特別図柄(右判定図柄)が、それぞれ変動表示し、所定時間変動表示した後、判定結果に基づき左確定特別図柄、中確定特別図柄、右確定特別図柄が確定判定図柄として停止表示される。また、前記特別図柄表示部11には、前記特別図柄(判定図柄)に加えて背景画像(キャラクタ,背景,文字等を含む。)が表示されることもあり、該背景画像が特別図柄の変動開始等の所定条件に起因して変動表示可能となっていてもよい。さらに、前記特別図柄表示部11の上部左右にはLED等からなる特別図柄変動保留数表示器43が設けられている。なお、この実施例における前記左側表示領域、中央表示領域、右側表示領域にそれぞれ変動および停止表示される特別図柄(判定図柄)は、『1,2,3,4,5,6,7,8』の8通りの図柄とされている。本実施例では、遊技者に有利な特典を付与する大当たりか否かの当否判定結果が大当たり(当たり)の場合には、前記特別図柄表示部11に大当たり確定特別図柄組合せ、この例では『1,1,1』(いわゆる‘1’のぞろ目)や『2,2,2』(いわゆる‘2’のぞろ目)等、同一数字の組合せ)で特別図柄(判定図柄)が停止表示され、遊技者に有利な特典を付与する大当たり遊技(特別遊技)に移行する。なお、遊技者に有利な特典は、本実施例では、遊技者による遊技球の獲得し易さ増大に設定されている。
前記普通図柄表示部50は、記号或いは絵(キャラクタ)等の小当たり判定用普通図柄を変動表示及び停止表示する。本実施例における普通図柄表示部50に変動及び停止表示される普通図柄は、『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9』の10通りの図柄とされている。前記普通図柄は、小当たり普通図柄、この例では奇数で停止すると、小当たりとなる。
前記表示装置10は前記普通図柄表示部50の右側が予告表示部13とされている。前記予告表示部13には、前記特別図柄(判定図柄)の変動開始から変動停止までの間に前記特別図柄(判定図柄)以外の文字あるいは演出図柄からなる予告表示が表示可能となっている。
前記始動入賞口42は、本発明において遊技球の入球可能な入賞口に相当し、表示装置10の真下に設けられ、2つの可動片42a,42bが背面の始動入賞口用ソレノイドによって略垂直で遊技球の入賞(入球)し難い狭小開放状態(通常状態)と略V字形(逆ハの字形)の入賞し易い拡開開放状態間を変化可能に制御されている。前記始動入賞口42の可動片42a,42b間が入賞(入球)領域に相当する。前記始動入賞口42の拡開開放は、前記普通図柄表示部50で普通図柄が変動した後特定の普通図柄(本実施例では奇数)で確定停止表示されて小当たり(普通図柄当たり)が成立した時に行われる。
また、前記遊技盤2の背面には、始動入賞口検出スイッチ(始動入賞口センサ)が入賞球用通路に設けられており、前記始動入賞口42への遊技球の入賞(入球)を検出するように構成されている。本実施例において前記始動入賞口(本発明における入賞口)42への遊技球の入賞(入球)が判定条件の成立に設定され、判定条件の成立、すなわち前記始動入賞口検出スイッチによる入賞球の検出が、前記特別図柄(判定図柄)の変動表示開始に対する起因に設定されている。また、前記特別図柄表示部11で特別図柄の変動表示中に、前記判定条件が成立(前記始動入賞口42に遊技球が入賞)しても、直ちに新たな特別図柄の変動表示を開始することができないため、判定条件成立回数記憶手段で前記判定条件の成立回数を記憶し、前記特別図柄表示部11における特別図柄の変動表示を一旦保留すると共に、前記判定条件の成立回数記憶値を前記特別図柄変動保留数表示器43に点灯表示し、前記特別図柄表示部11における前記特別図柄の変動開始によって、あるいは変動終了により当否判定の結果が表示されることによって、前記判定条件の成立回数記憶値を減算すると共に特別図柄変動保留数表示器43の表示個数を減らすようにしている。なお、本実施例では、前記判定条件の成立回数記憶値の上限、すなわち特別図柄変動保留数の上限値は4個に設定されている。
なお、前記判定条件の成立回数(前記始動入賞口検出スイッチによる遊技球検出数)が設定上限数まで記憶されている(すなわち最大記憶数となっている)時には、前記始動入賞口検出スイッチがそれ以上入賞遊技球を検出しても、判定条件の成立回数としては記憶されない無効球とされ、その無効球については変動及び当否判定を行うことなく、入賞に対する賞球遊技球が所定数払い出される。
前記普通図柄変動開始用ゲート55,56は、前記遊技盤2の背面に設けられた普通図柄変動開始スイッチで普通図柄変動開始用ゲート55,56を通過する遊技球を検出することによって前記普通図柄表示部50で普通図柄の変動を開始させるようになっている。また、前記普通図柄の変動表示中に、前記普通図柄変動開始用ゲート55,56を遊技球が通過することによって発生する普通図柄の変動を、最高4回普通図柄用保留球数として記憶すると共に、前記遊技領域6の右下位置に設けられた普通図柄変動保留数表示器49で普通図柄用保留球数値を点灯表示し、普通図柄の変動開始により普通図柄用保留球数を減らし、普通図柄変動保留数表示器49における表示個数を減らすようになっている。さらにまた、前記左袖入賞口51と右袖入賞口52の入賞球を検出する左袖入賞口用検出スイッチと右袖入賞口用検出スイッチ、前記左落とし入賞口53と右落とし入賞口54の入賞球を検出する左落とし入賞口用検出スイッチと右落とし入賞口用検出スイッチが、それぞれ対応する遊技盤背面に設けられている。
前記大入賞口45は、前記遊技盤2の背面に設けられた大入賞口開放用ソレノイドによって開閉する開閉板46を備えている。この大入賞口45は、通常は開閉板46が閉じた状態とされ、当該大入賞口45内の一部には、該大入賞口45が開いた際に開口して入賞可能にする特定領域入賞口47を有する。さらに、該特定領域入賞口47には、所定条件時に特定領域開放用ソレノイドにより開閉される開閉扉が設けられている。また、前記特定領域入賞口47には特定入賞球を検出する特定入賞球検出スイッチ(特定領域センサ)が設けられ、該入賞球の検出により大入賞口45を再度開ける継続権利が成立し、本実施例では最高15ラウンド繰り返し可能にされている。また、前記大入賞口45内の略中央には、大入賞口45に入賞し、かつ前記特定領域入賞口47に入賞しなかった入賞球を検出する入賞球数カウントスイッチ(カウントセンサ)が設けられている。
前記発射装置64は、操作レバー65の操作により駆動する発射モータを裏側に有し、該発射モータの駆動により遊技球を弾発発射するようになっている。前記発射装置64により発射された発射球は、前記遊技盤面に立設された内側誘導レール4と外側誘導レール3間で構成される発射球誘導路を介して遊技領域6に誘導される。前記遊技領域6に誘導された遊技球は、転動しつつ下方へ落下し、前記各装置及び各入賞口に入賞するか、或いは何処にも入賞しなければ前記アウト口49から遊技盤2の裏側へ排出される。
また、前記弾球遊技機1の裏側には、図2に示すように、遊技を制御するための複数の制御基板や装置等が設けられている。制御基板の主なものとして、主制御基板200、サブ制御基板205、表示制御基板210、音声制御基板220、払出制御基板240、電源制御基板250、発射制御基板260等がある。符号265は外部端子、281は賞球払出装置(賞球払出装置と貸球払出装置)、283は球無しスイッチ基板(賞球・球貸し兼用)、285はカードインターフェース接続部、289は球貯留タンク、291は球誘導樋である。なお各制御基板には制御回路が設けられている。また、各制御基板は、単独でまたは複数まとめてケースに収納された状態で弾球遊技機1の裏側に配置されている。主な制御基板を、図3のブロック図を用いて簡略に示す。
主制御基板200は、主制御手段として機能するものであり、CPU,RAM,ROM,複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータとサブ制御基板205及び普通図柄表示部50を結ぶ入出力回路と、前記マイクロコンピュータと中継端子板(中継端子板には大入賞口45等が接続される。)及び払出制御基板240等を結ぶ入出力回路を備え、遊技に関わる主制御を行う。前記CPUは、制御部,演算部,各種カウンタ,各種レジスタ,各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、大当たりや小当たり(始動入賞口42の拡開開放を行う小当たり)に関する乱数等も生成し、また制御信号をサブ制御基板205等へ出力(送信)可能に構成されている。前記RAMは、前記始動入賞口42に入球したことによる判定条件の成立回数、すなわち前記始動入賞口検出スイッチで検出された前記特別図柄用保留球数及び普通図柄変動開始スイッチで検出された普通図柄用保留球数の記憶領域、CPUで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPUの作業領域を備え、判定条件成立回数記憶手段としても機能する。前記ROMには、遊技上の制御プログラムや制御データ、前記特別図柄表示部11での変動表示に関する変動パターンや図柄データ等が書き込まれている他、大当たり及び小当たりの判定値等が書き込まれている。前記主制御基板200は、電源制御基板250から電源供給を受けて作動する。
なお、前記主制御基板200は、遊技の大当たり判定を行う大当たりの当否判定手段や小当たりの判定を行う小当たり当否判定手段としても機能する。前記主制御基板200から出力される制御信号(コマンド)には、大当たり判定結果に基づく態様で前記特別図柄表示部11で特別図柄を変動表示させるための図柄変動データ、前記特別図柄表示部11で表示する大当たり判定結果データ、前記特別図柄表示部11に表示させるための大当たり判定結果データと、小当たり判定結果に基づく態様で前記普通図柄表示部50に表示させるための小当たり判定結果データが少なくとも含まれる。前記主制御基板200から出力される制御信号には、その他、電源投入時、異常時、大当たりラウンド時等のデータを挙げることができる。
サブ制御基板205は、本実施例ではランプ制御基板を兼ねており、前記主制御基板200から出力された制御信号を受信し、受信した制御信号に基づいて、ランプ中継基板や表示制御基板210へ制御信号を出力している。前記主制御基板200からの制御信号には、前記特別図柄表示部11に対する変動データや、前記予告表示部13に対する表示データ、前記装飾ランプ35に対する制御信号等が含まれ、その制御信号の内容に合わせて遊技の制御を行っている。また、前記サブ制御基板205は、CPU、ROM、RAM、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、前記マイクロコンピュータと主制御基板200を結ぶ入出力回路と、表示制御基板210やランプ中継基板を結ぶ入出回路を備えている。前記ROMは制御用のプログラムやデータ、前記予告表示部13で表示する予告表示データ、定数等が記憶され、また前記RAMは各種データの記憶領域とCPUによる作業領域を有している。前記サブ制御基板205は、従制御手段に相当する。前記ランプ中継基板には装飾ランプ35が接続され、前記サブ制御基板205からランプ中継基板に送信された制御信号によって、装飾ランプ35の作動を制御する。前記サブ制御基板205は電源制御基板250から電源供給を受けて作動する。
表示制御基板210は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータと、前記マイクロコンピュータと前記サブ制御基板205を結ぶ入力回路と、音声制御基板220および前記表示装置10を結ぶ出力回路等で構成され、前記サブ制御基板205から出力される制御信号に基づいて、前記特別図柄表示部11における表示、前記予告表示部13における表示、およびスピーカ38における音声の制御を行う。前記表示制御基板210は、前記サブ制御基板205からの制御信号に基づきCPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画像のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて特別図柄表示部11に出力される。また、前記CPUは、前記サブ制御基板205からの制御信号に基づいて、前記スピーカ38から発生されるBGMや演出時の音声の選択を行い、スピーカ38からの音声を制御する。具体的には、ROMから必要な音声データを読み出し、音声制御基板220に出力する。
音声制御基板220は、前記表示制御基板210から出力される信号により音声信号を合成し、アンプに出力する。アンプは音声信号を増幅してスピーカ38に出力する。
払出制御基板240は、前記主制御基板200から出力される制御信号を受信して賞球払出装置を制御する。
また、発射制御基板260は、前記発射装置64における発射モータの制御を行う。
ここで前記弾球遊技機1における遊技について簡略に説明する。前記弾球遊技機1においては、前記遊技領域6へ向けて前記発射装置64により発射された遊技球が、前記種々の入賞口に入賞すると入賞口に応じた所定数の遊技球が賞球として上側球受け皿36に払い出される。また、前記普通図柄変動開始用ゲート55,56を遊技球が通過すると、普通図柄当たり判定・普通図柄決定用乱数値が取得され、その取得乱数値に基づいて普通図柄の当たり(小当たり)判定が行われ、前記普通図柄表示部50で普通図柄が変動を開始し、所定時間変動後に停止する。その際、前記普通図柄の当たり判定結果が小当たりの場合には、小当たり普通図柄、この例では奇数で停止し、前記始動入賞口42の2つの可動片42a,42bが背面の始動入賞口用ソレノイドによって略垂直で入賞し難い狭小開放状態(通常状態)から略V字形(逆ハの字形)の入賞し易い拡開開放状態に変化し、遊技球が入賞し易くなる。そして、前記始動入賞口42に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。
また、前記始動入賞口42に遊技球が入賞(判定条件が成立)すると、後述の大当たり判定用乱数値及び大当たり図柄乱数値等が取得され、前記取得された大当たり判定用乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われ、当否判定後に前記特別図柄表示部11で特別図柄(判定図柄)が変動を開始し、所定時間変動後にそれぞれ停止表示される。
前記大当たりの当否判定結果が当たりの場合には、前記特別図柄表示部11に大当たり図柄(大当たり判定図柄)、この例では『1,1,1』(いわゆる‘1’のぞろ目)や『2,2,2』(いわゆる‘2’のぞろ目)等、同一数字の組合せ)で停止表示され、遊技者に有利な特典(本実施例では、遊技者による遊技球の獲得し易さ増大)を付与する大当たり遊技(特別遊技)に移行する。前記特別遊技状態になると、前記大入賞口45の開閉板46が開いて遊技領域6の表面を落下してくる遊技球を受け止め易くして、大入賞口45へ入賞可能にし、該大入賞口45への入賞があると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。前記開閉板46は、所定時間(例えば29.5秒)経過後、或いは入賞球数が所定個数(例えば10個)となった時点で閉じるようにされている。また、前記大入賞口45の開放中又は大入賞口45が閉じてから約2秒以内に、大入賞口内の特定領域入賞口47への入賞球が検出されると、前記大当たりを再度繰り返す継続権利が発生し、所定最高ラウンド数(例えば最高15ラウンド)、前記開閉板46の開放を繰り返すようになっている。
前記大当たりには通常大当たりと確変大当たり(特別大当たり)とがある。通常大当たりの場合には、特別遊技の終了後、次の大当たりの確率が低確率(本実施例では1/315)とされるのに対して、確変大当たり(特別大当たり)の場合には、特別遊技の終了後に次の大当たりの確率が高確率(本実施例では5/315)に設定される。前記通常大当たりの場合には、前記特別図柄表示部11に『2,2,2』等、偶数のぞろ目からなる通常大当たり図柄(通常大当たり判定図柄)が表示され、一方、確変大当たりの場合には、前記特別図柄表示部11に『1,1,1』等、奇数のぞろ目からなる確変大当たり図柄(特別大当たり判定図柄)が表示される。
また、前記当否判定後、前記特別図柄表示部11における前記特別図柄(判定図柄)の変動開始から変動停止までの間に、前記表示装置10の予告表示部13で前記特別図柄以外の文字あるいは演出図柄からなる予告が表示される。本実施例では、大当たりの当否判定結果が当たりの場合には、表1に示す大当たり選択テーブルの予告表示内容欄に示す複数類の文字あるいは演出図柄のうち1つが選択されて、前記予告表示部13で表示され、一方、大当たりの当否判定結果がはずれの場合には、表2に示すはずれ選択テーブルの予告表示内容欄に示す複数種類の文字あるいは演出図柄のうち1つが選択されて、前記予告表示部13で表示される。前記予告表示部13において表示される予告表示は、前記大当たりの当否判定結果が当たりの場合と、はずれの場合とで異ならせてあり、前記特別図柄表示部11において停止特別図柄で当否判定結果が表示される以前に、前記予告表示部13で表示される予告表示の種類(内容)によって、遊技者に当否判定結果の予測を可能にしている。例えば、前記大当たりの当否判定結果が当たりの場合には、「大当りです」や「期待大!」などの文字、あるいは、はずれ時の演出図柄とは異なる赤い鳥の演出図柄などを表示して大当たりを予測させ、一方、前記大当たりの当否判定結果が外れの場合には、「期待できるかな?」や「ごめんね!」などの文字、あるいは、当たり時とは異なる青い鳥の演出図柄などを表示して外れを予測させるようにしている。なお、前記予告表示部13で表示される予告表示内容の選択は、後述する遊技用乱数値を用いて行われる。
次に、前記弾球遊技機1の制御処理に関して説明する。前記主制御基板200に設けられる乱数用カウンタとして、大当たり判定乱数用カウンタ、大当たり図柄乱数用カウンタ、リーチ乱数用カウンタ、特別図柄データ乱数用カウンタ、演出乱数用カウンタ、普通図柄乱数用カウンタ等がある。
大当たり判定乱数用カウンタは、大当たりの当否判定手段において大当たりの判定に用いられ、‘0’〜‘629’の乱数からなる。前記大当たり判定乱数用カウンタにおける大当たり判定乱数値は、遊技機の電源投入時‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1加算され、‘629’に至ると次には‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。大当たり判定乱数値は前記始動入賞口42への入賞(判定条件の成立)に起因して取得され、その取得値が前記低確率状態時には大当たり成立数値として設定されている‘3’,‘397’の何れかと一致すれば大当たりとなり、一方高確率状態時には、大当たり成立数値として設定されている‘3’,‘53’,‘113’,‘173’,‘227’,‘281’,‘337’,‘397’,‘449’,‘503’の何れかと一致すれば大当たりとなる。
大当たり図柄乱数用カウンタは、前記当否判定結果が当たりの場合に、前記特別図柄表示部11に確定停止して揃う大当たり図柄組合せを決定するものであり、‘0’〜‘7’の乱数からなる。この大当たり図柄乱数値は、電源投入時に‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1加算され、‘7’に至ると次には‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。大当たり図柄乱数は前記始動入賞口42への入賞(判定条件の成立)に起因して取得される。前記大当たり図柄乱数には、大当たりの当否判定結果が当たりの場合に、前記特別図柄表示部で停止表示される大当たり図柄組合せが割り当てられている。本実施例では、‘0’の場合には大当たり図柄組合せが‘1,1,1’となる1のぞろ目(全図柄同一)、‘1’の場合には‘2,2,2’となる2のぞろ目、‘2’の場合には‘3,3,3’となる3のぞろ目、‘3’の場合には‘4,4,4’となる4のぞろ目、‘4’の場合には‘5,5,5’となる5のぞろ目、‘5’の場合には‘6,6,6’となる6のぞろ目、‘6’の場合には‘7,7,7’となる7のぞろ目、‘7’の場合には‘8,8,8’となる8のぞろ目からなる大当たり図柄組合せが割り当てられている。
リーチ乱数用カウンタは、前記大当たり判定乱数値による大当たりの当否判定結果が外れとなる場合において、リーチ状態を経るか否かを決めるリーチ有無決定用のものであり、‘0’〜‘126’の乱数からなる。本実施例におけるリーチ状態は、前記特別図柄表示部11で変動停止表示される左特別図柄、中特別図柄及び右特別図柄のうち、最後に停止表示される特別図柄(例えば中特別図柄)を除いて他の特別図柄(例えば左特別図柄と右特別図柄)が同一となる状態(最終停止図柄を除いて大当たりの特別図柄組合せと等しくなる状態であり、最終的に大当たりの特別図柄組合せとなる場合と外れの特別図柄組合せとなる場合が含まれる状態)をいう。このリーチ乱数は、弾球遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1ずつ加算され、数値が‘126’に至ると、次に‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。リーチ乱数は、前記始動入賞口42への入賞(判定条件の成立)に起因して取得され、当否判定結果が外れの場合に、その数値が予め決定されているリーチ成立数値と対比されてリーチ有無が判断される。本実施例ではリーチ成立数値は、‘5’,‘17’,‘28’,‘40’,‘51’,‘63’,‘74’,‘86’,‘97’,‘109’,‘120’に設定されている。
特別図柄データ乱数用カウンタは、前記大当たり判定乱数値による大当たり判定結果が外れとなる場合において、前記特別図柄表示部11に停止表示する外れの特別図柄組合せの決定に用いられるものであり、前記特別図柄表示部11に停止表示する左特別図柄を決定する特別図柄データ1の乱数用カウンタと、中特別図柄を決定する特別図柄データ2の乱数用カウンタと、右特別図柄を決定する特別図柄データ3の乱数用カウンタとより構成され、各特別図柄データ乱数用カウンタは、‘0’〜‘7’の乱数からなる。
前記特別図柄データ1の乱数は、電源投入時に‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに‘1’ずつ加算され、‘7’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。また、前記特別図柄データ2の乱数は、電源投入時に‘0’から始まって、前記特別図柄データ1の乱数が‘0’に書き換えられる際に‘1’ずつ加算され、‘7’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。さらに、前記特別図柄データ3の乱数は、電源投入時に‘0’から始まって、前記特別図柄データ2の乱数が‘0’に書き換えられる際に‘1’ずつ加算され、‘7’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。これによって、特別図柄データ1〜3の乱数範囲が同一であっても、当該特別図柄データ1〜3の乱数が同期(同一の組合せで加算)するのを避けることができる。
前記特別図柄データ1〜3の各乱数は‘0’の場合には1、‘1’の場合には2、‘2’の場合には3というように、当否判定結果の外れ時に前記特別図柄表示部11に停止表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄からなる判定図柄が割り当てられている。前記特別図柄データ1〜3の乱数は、前記始動入賞口42への入賞(判定条件の成立)に起因して取得され、取得した特別図柄データ1〜3の乱数の組合せによって、外れ時に前記特別図柄表示部42に表示される左特別図柄、中特別図柄、右特別図柄からなる判定図柄が定まる
演出乱数用カウンタは、第1、第2変動パターンテーブルから変動パターンを選択する際に用いられるものであり、‘0’〜‘198’の演出乱数値を備える。この演出乱数値は、弾球遊技機1の電源投入時、‘0’から始まり、後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに1ずつ加算され、数値が‘198’に至ると、次に‘0’にされて再び前記加算を繰り返すようになっている。演出乱数値は、前記始動入賞口42への入賞(判定条件の成立)に起因して取得される。
前記第1,第2変動パターンテーブルには、表3、表4に示すように複数の変動パターンが設けられている。各変動パターンには、演出乱数値の範囲、特別図柄の変動時間、テーブル内での出現率が設定されている。前記演出乱数値の範囲は、各テーブルにおいて変動パターンが選択されることとなる演出乱数の値である。例えば、大当たりの当否判定結果が当たりの場合に、演出乱数値が‘0’〜‘194’であれば変動パターン1が選択され、演出乱数値が‘195’〜‘198’であれば変動パターン2が選択され、一方、大当たりの当否判定結果が外れの場合に、演出乱数値が‘0’であれば変動パターン1が選択され、演出乱数値が‘1’〜‘18’であれば変動パターン2が選択され、演出乱数値が‘19’〜‘198’であれば変動パターン3が選択される。また、前記テーブル内での出現率は、各変動パターンの出現率であり、前記演出乱数の範囲から計算された値である。
取得された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、特別図柄データ乱数値、演出乱数値については、それぞれ最大4個、前記主制御基板200のRAMにおける該当領域に、前記保留球数と対応させて格納され、順次使用される。
普通図柄乱数用カウンタは、小当たりを判定するもので、弾球遊技機1の電源投入時、‘0’から始まって後述の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理ごとに
‘1’ずつ加算され、‘9’に至ると、次に‘0’に書き換えられて再び前記加算が繰り返される。この普通図柄乱数は、前記普通図柄変動開始用ゲート55,56を通過した遊技球を前記普通図柄変動開始スイッチで検出するごとに取得され、最大4個まで前記主制御基板200のRAMの普通図柄乱数値記憶領域に格納される。
また、前記普通図柄乱数値には、普通図柄が割り当てられている。前記普通図柄乱数値‘0’には普通図柄の‘0’、‘1’には‘1’、‘2’には‘2’等のように割り当てられている。本実施例では、小当たりの当たり確率は1/2となっており、具体的には、前記普通図柄乱数の取得乱数値が奇数である場合、小当たりになり、前記始動入賞口42の拡開開放を行うようになっている。また、前記普通図柄乱数の取得乱数値がその他の場合には小当たりとならず、前記始動入賞口42が前記入賞し難い狭小開放状態のままとされる。
前記主制御基板(主制御回路)200に設けられる主なフラグとして、この実施例では大当たりフラグ、大当たり終了フラグ、確変フラグ等が挙げられる。これらのフラグは、初期設定時には全てOFF(セットされていない状態)にされる。
前記主制御基板(主制御回路)200では、前記ROMに記憶されている各プログラムに従い前記CPUがメイン処理Mを行う。図4はメイン処理Mのフローチャートである。
メイン処理Mでは、初期設定処理(S10)、割り込み禁止処理(S20)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S30)、割り込み許可処理(S40)、割り込み処理(S100)が行われる。
初期設定処理(S10)では、スタックの設定、割り込み時間の設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTCの設定等が行われる。このメイン処理Mは割り込み時間ごとに繰り返し行われるが、初期設定処理(S10)については、電源投入時のみに必要な処理であり、最初の1巡目のみに実行され、その後は実行されないが、周知であるので詳細は省略する。割り込み禁止処理(S20)では、4msecごとに割り込み処理(S100)が入ってきても、割り込み許可となるまで、割り込みを禁止する。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S30)では、種々の乱数が普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S30)ごとに1加算され、前記のように各乱数の設定上限値に至ると次に‘0’に戻って再び加算が行われる。更新された乱数は前記主制御基板200のRAMに記憶される。割り込み許可処理(S40)では、4msecごとに入ってくる割り込み処理(S100)に対して許可をする。
割り込み処理(S100)では、図5に示すように、まず出力処理(S110)が行われる。出力処理(S110)では、各処理により前記主制御基板200の出力バッファに記憶されたコマンド(制御信号)が、対応する制御基板等へ出力される。続く入力処理(S120)では、弾球遊技機1に設けられている種々のセンサ(各入賞口の検出スイッチ等)が検知した場合の信号入力が行われる。また、次の普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S130)では、前記メイン処理Mにおけるループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S30)と同様の処理が行われる。
始動入賞口スイッチ検出処理(S140)では、図6に示すように、まず前記始動入賞口42に遊技球が入賞したか否か(判定条件が成立したか否か)、すなわち始動入賞口42に遊技球の入球があって前記始動入賞口検出スイッチで遊技球が検出されたか否か判断され(S140−1)、前記始動入賞口42に入賞していなければ、この始動入賞口スイッチ検出処理(S140)を終了する。一方、前記始動入賞口42に入賞している(判定条件が成立している)場合には、更新切替制御信号が出力バッファにセットされる(S140−2)。前記更新切替制御信号は、前記出力処理(S110)でサブ制御基板205へ送信される。前記更新切替制御信号は、入賞口に遊技球が入球したことに起因して従制御手段に送信される入球に関わる制御信号(コマンド)に相当する。また、前記更新切替制御信号は、保留球数が4個未満の場合のみにサブ制御基板(従制御手段)205へ送信するように構成してもよい。次に前記主制御基板200のRAMに記憶されている前記特別図柄用保留球数(判定条件の成立回数)が設定数の4以上か確認される(S140−3)。前記特別図柄用保留球数(判定条件の成立回数)が4以上であれば、この始動入賞口スイッチ検出処理(S140)を終了し、それに対して4未満であれば、前記特別図柄用保留球数(判定条件の成立回数)に前記始動入賞口スイッチで検出された遊技球検出数1が加算される(S140−4)。続いて、特別図柄関係乱数取得処理(S140−4)が行われ、その後にこの始動入賞口スイッチ検出処理(S140)が終了する。前記特別図柄関係乱数取得処理(S140−5)では、前記RAMに記憶されている特別図柄関係の更新乱数が取得され、現在の特別図柄用保留球数と対応するRAMアドレスに取得乱数がセーブ(記憶)される。ここで取得される乱数値は、大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値、リーチ乱数値、特別図柄データ乱数値、演出乱数値である。なお、現在の特別図柄用保留球数(判定条件の成立回数)と対応するRAMアドレスに取得乱数値がセーブされるとは、例えば現在の特別図柄用保留球数(判定条件の成立回数)が1の場合には特別図柄用保留球数(判定条件の成立回数)1と対応するRAMアドレスに取得乱数値がセーブされ、特別図柄用保留球数(判定条件の成立回数)が2の場合には特別図柄用保留球数(判定条件の成立回数)2と対応するRAMアドレスに取得乱数値がセーブされることを意味する。
普通動作処理(S150)では、前記更新されてRAMに記憶されている普通図柄乱数値が取得されて、小当たりの判定や普通図柄表示部50での普通図柄の停止表示、始動入賞口42の開閉等、小当たりに関する処理が行われるが、本発明を理解する上で重要ではないため、詳細な説明を省略する。
特別動作処理(S160)では、図7に示すように、まず特別外れ図柄作成処理(S160−1)が行われる。特別外れ図柄作成処理(S160−1)では、図8に示すように、前記始動入賞口スイッチ検出処理(S140)において取得されてRAMに記憶されている特別図柄データ1のアドレス値が格納元アドレス値にセットされ(S160−1−1)、続いて、前記始動入賞口スイッチ検出処理(S140)において取得されて前記RAMに記憶されている特別図柄データ3が判定値としてロードされ(S160−1−2)、前記判定値としての特別図柄データ3の乱数値と前記格納元アドレス値に記憶されている特別図柄データ1の乱数値が一致するか否か判断される(S160−1−3)。一致すればこの特別外れ図柄作成処理(S160−1)が終了して特別外れ図柄データが更新されず、一致しない場合には、前記RAMにおける特別外れ図柄のデータ格納先アドレス値と、特別外れ図柄として転送される特別図柄データ1〜3のアドレス値がセットされ(S160−1−4)、続いて前記特別図柄データ1〜3の乱数値に割り当てられている特別図柄が、前記特別外れ図柄のデータ格納先に転送されて特別外れ図柄1〜3として格納されることにより特別外れ図柄データが更新され(S160−1−5)、その後にこの特別外れ図柄作成処理(S160−1)が終了する。なお、特別外れ図柄1は大当たり判定結果が外れ時に前記特別図柄表示部11で停止表示される左特別図柄、特別外れ図柄2は大当たり判定結果が外れ時に前記特別図柄表示部11で停止表示される中特別図柄、特別外れ図柄3は大当たり判定結果が外れ時に前記特別図柄表示部11で停止表示される右特別図柄に対応する。
図7に示すように、前記特別動作処理(S160)では、前記特別外れ図柄作成処理(S160−1)の後に特別動作ステータスが1〜4の何れであるか判断される(S160−2〜160−4)。前記特別動作ステータスが1の場合には特別図柄待機処理(S160−5)が行われ、それに対して前記特別動作ステータスが2の場合には特別図柄変動処理(S160−6)が行われ、前記特別動作ステータスが3の場合には特別図柄確定処理(S160−7)が行われ、前記特別動作ステータスが4の場合には特別電動役物処理(S160−8)が行われる。
前記特別図柄待機処理(S160−5)では、図9に示すように、前記特別図柄用保留球数(判定条件の成立回数)が0か否か判断され(S160−5−1)、特別図柄用保留球数(判定条件の成立回数)が0の場合には前記特別図柄表示部11が特別図柄の変動中ではない待機画面中か否か判断され(S160−5−7)、待機画面中であれば、この特別図柄待機処理(S160−5)が終了し、一方、待機画面中ではない場合には前記特別図柄表示部11を待機画面にする設定処理が行われ(S160−5−8)、その後にこの特別図柄待機処理(S160−5)が終了する。
それに対して前記S160−5−1で特別図柄用保留球数(判定条件の成立回数)が0ではないと判断された場合には、特別図柄大当たり判定処理(S160−5−2)が行われる。特別図柄大当たり判定処理(S160−5−2)では、図10に示すように、まず、前記主制御基板200のRAMに記憶されている前記更新大当たり判定乱数値が判定値としてロードされる(160−5−2−1)と共に、前記高確率時及び低確率時における大当たり成立数値を定めた大当たり判定値テーブルが格納されているRAMのアドレスがセットされる(S160−5−2−2)。続いて現在確変中(高確率状態中)か否かが判断される(S160−5−2−3)。前記確変中か否かは、前記主制御基板200に設けられている確変フラグがON(高確率状態)かOFF(低確率状態)かによって判断される。前記確変中の場合には、高確率状態時における大当たり成立数値と前記ロードされた大当たり判定乱数値が一致するか否かにより大当たりか否か判断され(S160−5−2−4)、一方、確変中ではない、すなわち低確率状態時には、低確率状態時における大当たり成立数値と前記ロードされた大当たり判定乱数値が一致するか否かにより大当たりか否か判断され(S160−5−2−5)、一致すれば大当たりと判断されて、前記主制御基板200に設けられている大当たりフラグがONにセットされる(S160−5−2−6)。その後、この特別図柄大当たり判定処理(S160−5−2)が終了する。なお、前記S160−5−2−4あるいはS160−5−2−5で大当たりではないと判断されると、大当たりフラグをONにすることなく、この特別図柄大当たり判定処理(S160−5−2)が終了する。
前記特別図柄大当たり判定処理(S160−5−2)の後、特別図柄選択処理(S160−5−3)が行われる。特別図柄選択処理(S160−5−3)では、図11に示すように、前記大当たりフラグがON(大当たり)か否か判断され(S160−5−3−1)、大当たりフラグがON(大当たり)の場合には、前記大当たり図柄乱数値に基づく図柄が、前記特別図柄表示部11で停止表示する大当たり図柄としてセットされ(S160−5−3−2)、その後にこの特別図柄選択処理(S160−5−3)が終了する。
一方、大当たりフラグがOFF(外れ)の場合には、前記始動入賞口スイッチ検出処理(S140)で取得されて前記主制御基板200のRAMに記憶されているリーチ乱数値がロードされて、前記リーチ成立数値と一致するか否か確認され(S160−5−3−4)、一致すればリーチ有りとなり、前記始動入賞口スイッチ検出処理(S140)で取得されて前記主制御基板200のRAMに記憶されている特別図柄データ1が前記特別図柄表示部11で停止表示される左右の特別図柄としてセットされ(S160−5−3−5)、続いて特別図柄データ1に1が加算され(S160−5−3−6)、加算後のものが前記特別図柄表示部11で停止表示される中特別図柄としてセットされる(S160−5−3−7)。その後、この特別図柄選択処理(S160−5−3)が終了する。
それに対して前記ロードされたリーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しない場合、すなわちリーチ無しと判断された場合には、前記特別外れ図柄作成処理(S160−1)において作成された特別外れ図柄1〜3のセット(格納)されているアドレス値が、格納元アドレス値としてセットされ(S160−5−3−8)、続いて格納先アドレス値として特別停止図柄1〜3のアドレスがセットされ(S160−5−3−9)、それぞれの格納元アドレスから対応する格納先アドレスにデータが転送され(S160−5−3−10)、その後にこの特別図柄選択処理(S160−5−3)が終了する。なお、特別停止図柄1は前記特別図柄表示部11で停止表示される左特別図柄、特別停止図柄2は前記特別図柄表示部11で停止表示される中特別図柄、特別停止図柄3は前記特別図柄表示部11で停止表示される右特別図柄に対応する。
前記特別図柄選択処理(S160−5−3)の次に行われる特別図柄変動パターン作成処理(S160−5−4)では、図12に示すように、まず大当たりフラグがONにセットされているか確認され(S160−5−4−1)、大当たりフラグがONの場合は前記第1変動パターンテーブルによる変動パターンが選択され(S160−5−4−2)、一方、大当たりフラグがOFFの場合は第2変動パターンテーブルによる変動パターンが選択され(S160−5−4−3)、その後にその他の処理(S160−5−4−4)が行われ、この特別図柄変動パターン選択処理(S160−5−4)が終了する。前記第1及び第2変動パターンテーブルには、表3、表4のように、変動時間が異なる複数の変動パターンがそれぞれ設けられ、また前記複数の変動パターンにはそれぞれ所定範囲の演出乱数値が設定されている。前記第1変動パターンテーブル及び第2変動パターンテーブルからの変動パターンの選択は、前記演出乱数用カウンタから取得された演出乱数値と、前記各変動パターンに設定されている演出乱数値と対比して、一致する変動パターンが選択される。なお、選択された変動パターンに設定されている変動時間等は出力バッファにセットされ、前記出力処理(S110)において、サブ制御基板205へコマンド(制御信号)として出力される。
前記特別図柄変動パターン作成処理(S160−5−4)に次いで、特別図柄乱数シフト処理(S160−5−5)が行われる。この特別図柄乱数シフト処理(S160−5−5)では、前記RAMの特別図柄用保留球数(判定条件の成立回数)のデータ記憶領域において、ロード(読み出し)順位一位のアドレスの記憶領域に記憶されていた特別図柄用保留球数(判定条件の成立回数)のデータが、先の処理によりロードされて空席となることに起因して、ロード順位が二位以降のアドレスに記憶されている特別図柄用保留球数(判定条件の成立回数)のデータについて、ロード順位を一つずつ繰り上げるアドレスのシフトが行われる。具体的には、図13に示すように、まず、前記主制御基板200のRAMに記憶されている前記特別図柄用保留球数(判定条件の成立回数)から1減算(例えば保留球数2のものは1にされ、3のものは2にされる等)され(S160−5−5−1)、次に各保留球数に対応するデータが各保留球数から1減算した保留球数のRAMアドレスにシフトされ(S160−5−5−2)、続いて最上位(ロード順位が最後、本実施例では4個目)の特別図柄用保留球数(判定条件の成立回数)に対応するRAMアドレスに0がセットされる(S160−5−5−3)。
前記特別図柄乱数シフト処理(S160−5−5)に次いで、特別図柄変動開始処理(S160−5−6)が行われる。特別図柄変動開始処理(S160−5−6)では、特別動作ステータスが2に設定されると共にその他特別図柄の変動開始に必要な処理が行われる。前記特別図柄変動開始処理(S160−5−6)の後に、前記特別図柄待機処理(S160−5)が終了する。なお、前記特別図柄表示部11にける特別図柄の(判定図柄)の変動は、大当たりの当否判定結果を含むコマンド(制御信号)及び、変動パターンコマンド(制御信号)が前記主制御基板200から送信されてサブ制御基板205で受信されることに起因して開始されるように設定されている。
前記特別動作ステータスが2の場合に行われる特別図柄変動処理(S160−6)では図14に示すように、まず特別図柄の変動時間が終了したか否か判断され(S160−6−1)、変動時間が終了していなければこの特別図柄変動処理(S160−6)が終了する。一方、変動時間が終了していれば変動停止図柄用のテーブルがセットされる(S160−6−2)と共に、変動停止図柄のデータが格納され(SS160−6−3)、続いて特別動作ステータスが3にセットされ(S160−6−4)、その他必要な処理(S160−6−5)が行われた後に、この特別図柄変動処理(S160−6)が終了する。
前記特別動作ステータスが3の場合に行われる特別図柄確定処理(S160−7)では図15に示すように、まず大当たりフラグがONか否か、すなわち大当たりか否か判断される(S160−7−1)。大当たりフラグがON、すなわち大当たりの場合には、ラウンドカウンタがセットされ(S160−7−2)、特別動作ステータスが4にセットされた(S160−7−3)後、この特別図柄確定処理(S160−7)が終了する。一方、大当たりフラグがOFF、すなわち外れの場合には、特別動作ステータスが1にセットされた(S160−7−4)後、この特別図柄確定処理(S160−7)が終了する。
前記特別動作ステータスが4の場合に行われる特別電動役物処理(S160−8)では、図16及び図17に示すように、まず確変フラグがOFFにリセットされた(S160−8−1)後に、大当たり終了フラグがON(大当たり遊技終了)か否か判断される(S160−8−2)。そして、大当たり終了フラグがONではない、すなわち大当たり遊技終了ではない場合には現在大入賞口15が開放中か否か判断され(S160−8−3)、開放中ではなく閉鎖中の場合には大入賞口15の開放時間か否か判断される(SS160−8−4)。大入賞口15の開放時間の場合には大入賞口の開放処理が行われて(S160−8−5)、その後にこの特別電動役物処理(S160−8)が終了する。それに対して大入賞口15の開放時間となっていないときには、この特別電動役物処理(S160−8)が終了する。
一方、前記S160−8−3で大入賞口15が開放中と判断されると、大入賞口15に10個遊技球が入賞(S160−8−6)、若しくはラウンド終了時間(本実施例では30秒)経過(S160−8−7)の何れかであるか否か判断され、何れでもない場合にはそのままこの特別電動役物処理(S160−8)が終了し、それに対して大入賞口15に10個遊技球が入賞、若しくはラウンド終了時間経過の何れかである場合には、大入賞口閉鎖処理(S160−8−8)とラウンドカウンタの値から1減算する処理(S160−8−9)が行われる。なお、前記大入賞口閉鎖処理(S160−8−8)では、大入賞口閉鎖のコマンドが出力バッファにセットされる。続いて、ラウンドカウンタが0か否か判断され(S160−8−10)、ラウンドカウンタが0ではない場合には、そのままこの特別電動役物処理(S160−8)が終了し、それに対してラウンドカウンタが0の場合には、大当たり終了処理(S160−8−11)が行われ、前記RAMの特別図柄用保留球数記憶領域に記憶されている大当たり乱数データが、大当たり終了コマンドと共に前記サブ制御基板205へ送信されるように出力バッファにセットされる。その後、大当たり終了フラグがONにされ(S160−8−12)、この特別電動役物処理(S160−8)が終了する。
それに対し、前記S160−8−2で大当たり終了フラグがON、すなわち大当たり終了と判断されると、大当たり終了フラグをOFFにセットする処理(S160−8−13)と、大当たりフラグをOFFにする処理(S160−8−14)が行われ、その後に停止図柄が確変図柄(本実施例では奇数のぞろ目)であるか判断される(S160−8−15)。そして、確変図柄の場合には、確変フラグがONにされる(S160−8−16)と共に、特別動作ステータスが1にセットされ(S160−8−17)、一方、確変図柄とは異なる場合には前記確変フラグをONにする処理(S160−8−16)をジャンプして特別動作ステータスが1にセットされる(S160−8−17)。その後、この特別電動役物処理(S160−8)が終了する。
保留球数処理(S170)では、図18に示すように保留球数がロードされ(S170−1)、保留球数が出力バッファにセットされる(S170−2)。
その他の処理(S180)では、遊技に必要なその他の様々な処理が行われるが、本発明で特に関わりのない処理についての説明は省略する。
前記サブ制御基板(サブ制御回路)205が行うサブ処理Jでは、図19に示すように、弾球遊技機1の電源投入時にサブ制御基板205においてCPU初期化処理が行われる(S201)。前記CPU初期化処理(S201)では、スタックの設定、CPUの設定、SIO、CTCの設定等が行われる。次に、電源断信号がONでRAM内容が正常か判断される(S202)。電源断信号がONでかつRAMの内容が正常であれば、前記サブ制御基板205に設けられている乱数取得フラグがONか判断され(S204)、そうでなければRAMの初期化(S203)が行われた後に乱数取得フラグがONか判断される(S204)。
前記乱数取得フラグがOFFであれば、次に算出用乱数値更新処理(S205)が行われ、一方、前記乱数取得フラグがONの場合には算出用乱数値更新処理(S205)が行われることなくループ処理が繰り返され、無限のループ状の待機状態となる。前記乱数取得フラグは、電源投入時OFFに設定され、後述の10msタイマ割り込み処理(S500)においてONまたはOFFに設定される。前記算出用乱数値更新処理(S205)は、本発明において算出用乱数値を更新する乱数更新手段の処理に相当する。
算出用乱数値更新処理(S205)では、前記サブ制御基板205に設けられている算出用乱数用カウンタにおいて算出用乱数値の更新処理(1加算)が行われる。前記算出用乱数値は‘0’〜‘65535’の数値からなり、更新処理(1加算)によって‘65535’に至ると次に‘0’に戻り、再び更新処理(1加算)が行われる。前記のように乱数取得フラグがONの場合、算出用乱数値は更新されず、前回の更新値で停止した状態で維持され、前記乱数取得フラグがOFFとなったときに、前回の更新値から更新が開始される。前記乱数取得フラグがONの場合の処理は、本発明における乱数更新停止処理に相当し、一方、前記乱数取得フラグがOFFの場合の処理は、本発明における乱数更新停止解除処理に相当する。
前記算出用乱数値更新処理(S205)の後、ループ処理が行われ、このループ処理が行なわれている間に、前記主制御基板200からのコマンド(制御信号)受信時にINT割り込み処理(S300)が行われ、また、2ms毎に2msタイマ割り込み処理(S400)、10ms毎に10msタイマ割り込み処理(S500)がそれぞれ行われる。
INT割り込み処理(S300)では、前記サブ制御基板205におけるCPUのINT入力部に、前記主制御基板200からのストローブ信号を入力するようにしておき、ストローブ信号が入力されると強制的にINT割り込み処理(S300)が実行される。INT割り込み処理(S300)は、ハード構成的な割り込み処理であり、2msタイマ割り込み処理(S400)や10msタイマ割り込み処理(S500)よりも優先して実行される。なお、電源投入時やリセット時には、前記主制御基板200よりも前記サブ制御基板205の方が早く立ち上がるように設計されており、前記サブ制御基板205のCPU初期化処理(S201)等の最中にINT割り込み処理(S300)が行われない構成となっている。
前記INT割り込み処理(S300)では、図20に示すように、ストローブ(STB)信号がONか確認され(S301)、ストローブ信号がON、すなわちINT入力部にストローブ信号が入力されていると、前記主制御基板200から出力されたコマンド(制御信号)の受信およびRAMへの格納が行われる(S302)。ここで主制御基板200から受信するコマンド(制御信号)には、変動パターン、大当たり図柄データ、大当たり判定データ、外れ図柄データ、更新切替制御信号等が含まれる。なお、後で述べる処理にて予め変動パターンに設定されている変動時間等が設定されることになる。それに対し、ストローブ信号がONになっていなければ、その時点でこのINT割り込み処理(S300)が終了する。
2msタイマ割り込み処理(S400)は、2ms毎に行われる処理であって、10ms割り込み処理よりも優先して実行され、2ms割り込み処理(S400)の実行中に10ms割り込み処理(S500)が実行されない構成となっている。2msタイマ割り込み処理(S400)では、図21に示すように、ランプデータ出力処理(S401)が実行される。
ランプデータ出力処理(S401)では、後述の10ms割り込み処理(S500)で設定成されたランプデータを装飾ランプ35へ出力する。
10msタイマ割り込み処理(S400)は、10ms毎に行われる割り込み処理であり、図22に示すように、コマンド監視処理(S501)、ランプ処理(S502)、コマンド送信処理(S503)が順に行われる。
コマンド監視処理(S501)では、図23に示すように、まず、前記INT割り込み処理(S300)で受信したコマンド(制御信号)の解析処理およびその他の制御基板へのコマンド(制御信号)の格納、その他の動作の設定が行われる(S501−1)。
次に前記主制御基板200から受信したコマンド(制御信号)が更新切替制御信号か判断され(S501−2)、更新切替制御信号の場合には、算出用乱数更新切替処理(S501−3)が行われる。まず、本発明の実施例とは異なる参考例の算出用乱数更新切替処理について説明する。
参考例の算出用乱数更新切替処理(S501−3)では、図24に示すように、乱数取得フラグがONか判断される(S501−3−1)。前記乱数取得フラグがONではない、すなわちOFFと判断されると、算出用乱数値が取得され、取得した算出用乱数値を用いて遊技用乱数値が算出され、遊技用乱数値が格納される(S501−3−2)。その後に乱数取得フラグがONに設定される(S501−3−3)。前記S501−3−2は乱数値演算手段に相当する。
S501−3−2における乱数値演算手段による遊技用乱数値の算出は、第1演算処理と第2演算処理によって行われる。第1演算処理は取得した算出用乱数値を用いて算出途中数値を得る演算処理であり、取得算出乱数値に一定値を掛けて一定数値を足す処理とされている。
・算出途中数値=(取得算出用乱数値)×A+B
Aを12345、Bを12345、取得した算出用乱数値を100とした場合、算出途中数値は、100×12345+12345=1246845となる。
また、一定値Aに代えて、前記主制御基板200から送信された変動パターンの変動時間(秒数)の値A’を用い、算出途中数値=(取得算出用乱数値)×A’+B、としてもよい。例えば、A’を表3の当たり変動パターン1における変動時間65000msの値65000、Bを12345、取得した算出用乱数値を100とした場合、算出途中数値は、100×65000+12345=6512345となる。
前記第2演算処理は、算出途中数値を用いて遊技用乱数値を得る演算処理であり、算出途中数値を遊技用乱数値の個数Cで除して得た余りが遊技用乱数値とされる。本実施例における遊技用乱数値の個数Cは11である。例えば、算出途中数値が1246845の場合、遊技用乱数値は次のように計算され、余り6が遊技用乱数値となる。
1246845/11=11349余り6
また、前記A’を当たり変動パターン1における変動時間65000msの値65000として得られた算出途中数値6512345を用いる場合、遊技用乱数値は次のように計算され、余り4が遊技用乱数値となる。
6512345/11=592031余り4
一方、S501−3−1で乱数取得フラグがONと判断されると、前回取得した算出用乱数値あるいは前回の算出途中数値を用い、第3演算処理と第4演算処理によって遊技用乱数値が計算され(S501−3―4)、その後に乱数取得フラグがOFFに設定される(S501−3―5)。前記S501−3−4は乱数値演算手段に相当する。
第3演算処理は、前回取得した算出用乱数値あるいは前回の算出途中数値を用いて算出途中数値を得る演算処理であり、前回取得した算出用乱数値あるいは前回の算出途中数値に一定値を掛けて一定数値を足す処理とされている。
・算出途中数値=(前回取得した算出用乱数値あるいは前回の算出途中数値)×D+E
D,Eは、前記第1演算処理のA,Bと同一の値、あるいは異なる値としてもよい。例えば、前回の算出途中数値1246845を用い、DをAの値12345、EをBの値12345とする場合、今回の算出途中数値は、1246845×12345+12345=15392313870となる。
さらに、Dは前記主制御基板200から送信された変動パターンの変動時間(秒数)の値としてもよい。例えばDを当たり変動パターン1における変動時間65000msの値65000とし、EをBの値12345とし、前回の算出途中数値6512345(変動パターン1の変動時間65000を用いて得られた値)を用いる場合、今回の算出途中数値は、6512345×65000+12345=423302437345となる。また、例えば、前回取得した算出用乱数値100を用い、Dを当たり変動パターン2における変動時間18000msの値18000とし、EをBの値12345とした場合は、今回の算出途中数値は、100×18000+12345=1812345となる。このように、前記主制御基板200から送信された変動パターンの変動時間(秒数)の値をDの値とする場合は、前回取得した算出用乱数値を用いても、得られる算出途中数値を選択される変動パターンによって変化させることが可能であり、遊技用乱数値の偏りを防止することが可能である。
前記第4演算処理は、算出途中数値を用いて遊技用乱数値を得る演算処理であり、第2演算処理と同一の処理とされている。すなわち、前記第3演算処理で得られた算出途中数値を遊技用乱数値の個数Cで除して得た余りが遊技用乱数値とされる。本実施例における遊技用乱数値の個数Cは11である。例えば、第3演算処理において前回の算出途中数値1246845を用い、DをAの値12345、EをBの値12345として得た今回の算出途中数値が15392313870の場合、遊技用乱数値は次のように計算され、余り10が遊技用乱数値となる。
15392313870/11=1399301260余り10
一方、Dを当たり変動パターン1における変動時間65000msの値65000とし、EをBの値12345、第3演算処理において前回の算出途中数値6512345(変動パターン1の変動時間65000を用いて得られた算出途中数値)を用いて得られた今回の算出途中数値が423302437345の場合、遊技用乱数値は次のように計算され、余り7が遊技用乱数値となる。
423302437345/11=38482039758余り7
また、Dを当たり変動パターン2における変動時間18000msの値18000とし、EをBの値12345、第3演算処理において前回の取得算出乱数値100を用いて得られた今回の算出途中数値が1812345の場合、遊技用乱数値は次のように計算され、余り7が遊技用乱数値となる。
1812345/11=164758余り7
前記S501−2において前記主制御基板200から受信したコマンドが更新切替制御信号ではないと判断された場合には、次に変動パターンに関するコマンドか判断される(S501−4)。変動パターンに関するコマンドの場合には当たり変動パターンか判断され(S501−5)、当たり変動パターンの場合には、前記算出用乱数更新切替処理(S501−3)におけるS501−3−2またはS501−3−4で算出された遊技用乱数値に基づいて表1の大当たり選択テーブルから予告表示内容が選択されると共に、表3の第1変動パターンテーブルにおける変動パターンより変動時間等の各コマンドがセットされる(S501−6)。
一方、S501−5で当たり変動パターンではない、すなわち外れ変動パターンと判断された場合には、前記算出用乱数更新切替処理(S501−3)におけるS501−3−2またはS501−3−4で算出された遊技用乱数値に基づいて表2のはずれ選択テーブルから予告表示内容が選択されると共に、表4の第2変動パターンテーブルにおける変動パターンより変動時間等の各コマンドがセットされる(S501−7)。
それに対して、S501−4で変動パターンに関するコマンドではないと判断された場合には、各コマンドに応じた処理が実行される(S501−8)。
ランプ処理(S502)では、前記装飾ランプ35の制御に関するランプデータの設定が行われる。また、次のコマンド送信処理(S503)では、各コマンドが対応する装置へ送信される。例えば、前記表示制御基板210へ送信されるコマンドにより、前記特別図柄表示部11で特別図柄(判定図柄)の変動および変動停止による当否判定結果の表示が行われたり、前記予告表示部13で予告表示が行われたり、スピーカ38から音声が発生されたりする。
このように、上記の参考例の算出用乱数更新切替処理では、電源投入後の最初の始動入賞口(入賞口)42への遊技球の入球により算出用乱数値の更新が停止され、その後における始動入賞口(入賞口)42への入球によって算出用乱数値の更新停止解除と更新停止が交互に行われ、また始動入賞口(入賞口)42への遊技球の入球に起因して遊技用乱数値が算出される。従って、算出用乱数値の更新停止状態時、前記始動入賞口(入賞口)42に遊技球が入球するというランダムに発生する契機に基づいて算出用乱数値の更新停止が解除されて遊技用乱数値の算出の基となる算出用乱数値が新たに取得されることになるため、遊技用乱数値の算出の基となる算出用乱数値をランダムな契機で異ならせることができ、算出される遊技用乱数値の偏りを防いで、遊技用乱数値を用いる予告表示において内容の偏りを防止し、遊技の演出性を向上させ、遊技の単調化を防止することが可能である。
なお、上記の参考例では、算出用乱数値が取得される所定の契機は、前記遊技機1の電源投入後に始動入賞口(入賞口)42へ最初に遊技球が入球(最初の判定条件成立)したときであり、その後においては更新停止状態において始動入賞口(入賞口)42に遊技球が入球(判定条件成立)したときである。
また、上記の参考例では、始動入賞口(入賞口)42への遊技球の入球によって算出用乱数値の更新停止解除と更新停止の切替が行われているが、次に示す本発明の実施例の算出用乱数更新切替処理では、算出用乱数値の取得に起因して更新停止切替乱数値を作成し、この作成した更新停止切替乱数値が停止乱数値のときに算出用乱数値の更新停止処理を行い、一方、算出用乱数値の更新停止処理が実行されている場合には、始動入賞口(入賞口)42へ遊技球が入球したことに起因して更新停止切替乱数値を作成し、この作成した更新停止切替乱数値が停止解除乱数値のときに算出用乱数値の更新停止解除処理を行うようにすると共に、始動入賞口(入賞口)42への遊技球の入球に起因して遊技用乱数値を算出している。以下に本発明の実施例の算出用乱数更新切替処理について図25を用いて説明する。
図25には、前記算出用乱数更新切替処理(S501−3)において、前記更新停止切替乱数値を利用する実施例についてフローを示す。なお、算出用乱数更新切替処理(S501−3)以外の処理は、図1〜図23における処理と同様である。
図25に示す実施例の算出用乱数更新切替処理では、前記乱数取得フラグがONか判断される(S501−3−1A)。乱数取得フラグは、遊技機1の電源投入時OFFに設定される。前記乱数取得フラグがONではない、すなわちOFFと判断されると、算出用乱数値を取得し、遊技用乱数値が算出されて格納され(S501−3−2A)、その後に更新停止切替乱数値が作成される(S501−3−3A)。S501−3−3Aの処理は本発明において更新停止切替乱数値作成手段の処理に相当する。
S501−3−2Aにおける遊技用乱数値の算出は、前記S501−3−2で説明した第1演算処理と第2演算処理によって行われる。詳細は前記S501−3−2と重複するため省略する。
S501−3−3Aにおける更新停止切替乱数値の作成は、本実施例では、S501−3−2Aにおいて遊技用乱数値の算出に利用した今回の算出途中数値(第1の演算処理で得られた値)を2で除して得た余りが更新停止切替乱数値とされる。
・(算出途中数値)/2=商、余り(=更新停止切替乱数値)
例えば、前記Aを12345、Bを12345とし、取得した算出用乱数値が100の場合の算出途中数値1246845を用いる場合、1246845/2=623422、余り1となり、余りの1が更新停止切替乱数値である。
また、前記主制御基板200から送信された当たり変動パターン1の変動時間6500msの値65000を値A’、Bを12345、取得した算出用乱数値が100の場合の算出途中数値6512345を用いる場合、6512345/2=3256172、余り1となり、余りの1が更新停止切替乱数値である。
次に、前記のS501−3−3Aで作成された更新停止切替乱数値が停止乱数値か判断される(S501−3−4A)。停止乱数値は‘1’、停止解除乱数値は‘0’に設定されている。作成された更新停止切替乱数値が停止乱数値の場合には前記乱数取得フラグがONにされ、一方、前記更新停止切替乱数値が停止乱数値とは異なる場合、すなわち停止解除乱数値の場合には、前記乱数取得フラグのOFFが維持される(S501−3−5A)。
それに対し、S501−3−1Aで乱数取得フラグがONと判断された場合、前回取得した算出用乱数値又は算出途中数値に基づいて遊技用乱数値が算出されて格納され(S501−3−6A)、その後に更新停止切替乱数値が作成される(S501−3−7A)。S501−3−7Aの処理は本発明において更新停止切替乱数値作成手段の処理に相当する。
S501−3−6Aにおける遊技用乱数値の算出は、前記S501−3−4で説明した第3演算処理と第4演算処理によって行われる。詳細は前記S501−3−4と重複するため省略する。
S501−3−7Aにおける前記更新停止切替乱数値の作成は、本実施例では、S501−3−6Aにおいて遊技用乱数値の算出に利用した前回の算出途中数値を2で除して得た余りが更新停止切替乱数値とされる。
・(算出途中数値)/2=商、余り(=更新停止切替乱数値)
例えば、S501−3−7Aにおいて使用した前回の算出途中数値が1246845の場合、1246845/2=623422、余り1となり、余りの1が更新停止切替乱数値である。
また、S501−3−7Aにおいて使用した前回の算出途中数値が1812345の場合、1812345/2=906172、余り1となり、余りの1が更新停止切替乱数値である。
次に、前記のS501−3−7Aで作成された更新停止切替乱数値が停止解除乱数値か判断される(S501−3−8A)。停止解除乱数値は‘0’、停止乱数値は‘1’に設定されている。作成された前記更新停止切替乱数値が停止解除乱数値の場合には前記乱数取得フラグがOFFにされ、一方、前記更新停止切替乱数値が停止解除乱数値とは異なる場合、すなわち停止乱数値の場合には、前記乱数取得フラグのONが維持される(S501−3−9A)。
前記のように更新停止切替乱数値を用いて算出用乱数値の更新停止と更新停止解除を行うことにより、取得算出用乱数値を用いて算出される遊技用乱数値の偏りを、より確実に防止することができる。従って、遊技用乱数値を用いる予告表示において内容の偏りを効果的に防止することができ、遊技の単調化を防止して演出性を一層向上させることが可能である。また、算出用乱数値は遊技用乱数値に比べて大きい値(数値範囲)となっており、短い周期で算出用乱数値が同一の値で取得されたり、短い周期で選択される算出用乱数値に規則性が発生したりしてしまうのを防ぐように構成している。
なお、上記の更新停止切替乱数値を用いる例において、算出用乱数値が取得される所定の契機は、前記遊技機1の電源投入後において始動入賞口(入賞口)42へ最初に遊技球が入球(最初の判定条件成立)したときであり、その後においては、更新停止状態において始動入賞口(入賞口)42へ入球(判定条件成立)し、更新切替乱数値が停止解除乱数値となったときである。
本発明は、前記の実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、前記実施例では、従制御手段(サブ制御基板)をランプ制御基板としたが、他の制御基板であってもよい。さらに、遊技用乱数値を算出するための演算処理は前記の実施例に限られるものではない。また、更新停止切替乱数値の作成は、遊技用乱数値を算出する際に得られた算出途中数値を用いて算出するものに限られず、他の方法で作成してもよい。さらにまた、遊技用乱数値の用途は予告表示内容の選択に限られず、他の演出等のために用いてもよい。