JP4540615B2 - テレケリック型アイオノマーを用いたゴルフボール - Google Patents

テレケリック型アイオノマーを用いたゴルフボール Download PDF

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    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/44Preparation of metal salts or ammonium salts

Description

本発明は、ゴルフボールのカバーや中間層を作製するのに好適に用いることのできる新規なゴルフボール用アイオノマー組成物およびこれを用いたゴルフボールに関する。
従来のゴルフボールとしては、バラタカバーを有する糸巻きゴルフボールやアイオノマーカバーを有するツーピースゴルフボールやスリーピースゴルフボールなどが知られている。バラタカバーを有する糸巻きゴルフボールは、打球感やコントロール性に優れるが、製造工程が複雑なため高価になり、また、耐久性や耐擦過傷性に劣るという問題がある。アイオノマーカバーを有するゴルフボールは、比較的硬質なために反発性、耐擦過傷性、加工性等に優れているが、打球感やコントロール性が低いという問題がある。
そこで、例えば、特許文献1〜6には、アイオノマーカバーの打球感やコントロール性を改良することが提案されている。特許文献1には、例えば、硬質アイオノマーと軟質アイオノマーをブレンドする技術が開示されている。特許文献2には、比較的低いモジュラス値を有する2またはそれ以上のアイオノマー樹脂を使用する技術が開示されている。特許文献3には、アイオノマー樹脂とα―オレフィンと不飽和カルボン酸エステルと不飽和カルボン酸との三元共重合体樹脂とグリシジル基含有α−オレフィン性共重合樹脂との加熱混合物をカバーの基材樹脂として使用することが開示されている。特許文献4には、アイオノマー樹脂と無水マレイン酸変性オレフィン性共重合体とJIS−A硬度が30〜90のグリシジル基変性スチレンベースブロック共重合体との3種類の加熱混合物をカバーの基材樹脂として使用することが開示されている。特許文献5には、ゴルフボールカバー用組成物を製造する方法であって、2〜8個の炭素原子を有するオレフィンモノマーを含む第一のモノマー成分と不飽和カルボン酸に基づく4〜22個の炭素原子を有するアクリレート類エステルを含む第2のモノマー成分と一酸化炭素、二酸化イオウ、無水物モノマー、不飽和モノカルボン酸、2〜8個の炭素原子を有するオレフィン及びビニルエステルまたは4〜21個の炭素原子を有するアルキル酸のビニルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーを含む任意の第3のモノマー成分を含むポリマーを無機金属塩基によって約1〜50%の鹸化度を得るように鹸化したポリマー塩を製造する方法が開示されている。特許文献6には、エチレン−メタクリル酸等の酸コポリマーまたはアイオノマーとアジピン酸成分を含む組成物が開示されている。
特開平1−308577号公報 特開平5−277208号公報 特開平7−132152号公報 特開平8−182777号公報 特表平11−500776号公報 特表2001−515529号公報
上記のような改良技術によれば、アイオノマーカバーの打球感をある程度向上するものの、耐擦過傷性や反発性が低くなる傾向があり、反発性、耐擦過傷性、打球感のバランスの良いゴルフボールを一層高いレベルで実現することが望まれている。
上記課題を解決することのできた本発明のゴルフボール用テレケリック型アイオノマー組成物とは、炭素数が2〜8個のオレフィンモノマーと酸性官能基を有する不飽和モノマーとを共重合してなる二元共重合体、および/または、炭素数が2〜8個のオレフィンモノマーと酸性官能基を有する不飽和モノマーと不飽和カルボン酸エステルとを共重合してなる三元共重合体の両末端に官能基が導入されていることを特徴とする。すなわち、本発明の要旨は、ゴルフボール用組成物として使用するアイオノマーとして、両末端に官能基が導入されたテレケリック型アイオノマーを使用することによって、これらの官能基が分子間あるいは分子内で作用して、軟質でありながら、反発性能と耐擦過傷性とを向上させることができたという点にある。
本発明によれば、反発性、耐擦過傷性、打球感のバランスに優れるゴルフボールが得られる。
(1)本発明のゴルフボール用テレケリック型アイオノマー組成物について
本発明のゴルフボール用テレケリック型アイオノマー組成物は、炭素数が2〜8個のオレフィンモノマーと酸性官能基を有する不飽和モノマーとを共重合してなる二元共重合体、および/または、炭素数が2〜8個のオレフィンモノマーと酸性官能基を有する不飽和モノマーと不飽和カルボン酸エステルとを共重合してなる三元共重合体の両末端に官能基が導入されていることを特徴とする。
まず、炭素数が2〜8個のオレフィンモノマーと酸性官能基を有する不飽和モノマーとを共重合してなる二元共重合体、および、炭素数が2〜8個のオレフィンモノマーと酸性官能基を有する不飽和モノマーと不飽和カルボン酸エステルとを共重合してなる三元共重合体について説明する。
前記炭素数が2〜8個のオレフィンモノマーとは、分子内に二重結合を1つもつ脂肪族不飽和炭化水素であり、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、へプテン、オクテンなどを挙げることができ、これらの中でもエチレン、プロピレンが好ましく、より好ましくはエチレンである。前記オレフィンモノマーは、単独であるいは2つ以上を組み合わせて使用することができる。
前記酸性官能基を有する不飽和モノマーとしては、前記オレフィンモノマーと共重合可能な不飽和結合と酸性官能基とを有するモノマーであれば特に限定されるものではなく、例えば、不飽和カルボン酸、不飽和スルホン酸、不飽和ホスホン酸などを挙げることができる。
前記不飽和カルボン酸とは、炭素数が2〜18個の分子内に少なくとも1つ以上のエチレン性不飽和二重結合とカルボキシル基とを有するものであり、より好ましくは炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸である。前記炭素数が2〜18個の不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸(trans−2−ブテン酸)、イソクロトン酸(cis−2−ブテン酸)、ソルビン酸、シトラコン酸、メサコン酸等が挙げられ、特に、アクリル酸、メタクリル酸等が好ましい。
前記不飽和スルホン酸としては、スチレンスルホン酸を挙げることができ、前記不飽和ホスホン酸としては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート(共栄社化学製ライトエステルP−1M)を挙げることができる。前記酸性官能基を有する不飽和モノマーは、共重合体中で斯かる酸性官能基が中和されることによって、共重合体にイオン中心を形成するものである。
前記不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸(trans−2−ブテン酸)、イソクロトン酸(cis−2−ブテン酸)、ソルビン酸、シトラコン酸、メサコン酸などのメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチルエステル等を挙げることができ、特に、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルが好ましい。
前記二元共重合体として、特に好ましいのは、エチレンと(メタ)アクリル酸とを共重合してなる二元共重合体であり、前記三元共重合体として特に好ましいのは、エチレンと(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとを共重合してなる三元共重合体である。
前記二元共重合体中のオレフィンモノマーの含有率は、1質量%以上、より好ましくは、5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、さらに一層好ましくは50質量%以上であって、99質量%以下、より好ましくは95質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下であることが望ましい。オレフィンモノマーの含有率が上記範囲外であると、得られるアイオノマー組成物の反発弾性が不十分になる場合があるからである。
前記三元共重合体中のオレフィンモノマーの含有率は、1質量%以上、より好ましくは、5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であって、99質量%以下、より好ましくは95質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下であることが望ましい。オレフィンモノマーの含有率が上記範囲外であると、得られるアイオノマー組成物の反発弾性が不十分になる場合があるからである。
前記三元共重合体中の酸性官能基を有する不飽和モノマーの含有率は、1質量%以上、より好ましくは、5質量%以上、さらに好ましくは8質量%以上であって、50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下であることが望ましい。酸性官能基を有する不飽和モノマーの含有率が上記範囲外であると、得られるアイオノマー組成物の反発弾性が不十分になる場合があるからである。
本発明のゴルフボール用テレケリック型アイオノマー組成物は、前記二元共重合体または前記三元共重合体の両末端に官能基が導入されている。ここで、両末端に導入する官能基は、酸性官能基を有する不飽和モノマーに由来するものではなく、後述する別な方法により共重合体の末端に導入されるものである。なお、両末端に導入される官能基としては、前記酸性官能基と同種の官能基であってもよい。
前記末端の官能基としては、例えば、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネート基、ハロゲン、ニトロ基、チオール基、または、エポキシ基を挙げることができ、好ましくは、ヒドロキシル基、アミノ基、または、イソシアネート基である。また、二元共重合体および三元共重合体の両末端の官能基は、異なっていても同一であってもよいが、同一であることが好ましい。
二元共重合体または三元共重合体の両末端に官能基を導入する方法としては、例えば、共重合する際に、官能基を有する開始剤や連鎖移動剤を使用する方法を挙げることができる。例えば、ヒドロキシル基を導入できる開始剤として、過酸化水素、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド(和光純薬工業製VA−60)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド](和光純薬工業製VA−086)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}(和光純薬製工業製VA−080)などを挙げることができ、カルボキシル基を導入できる開始剤としては、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(和光純薬工業製VA−057)、アミノ基を導入できる開始剤としては、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド(和光純薬工業製V−50)などを挙げることができる。また、アリル基を導入できる開始剤2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド](和光純薬工業製VF−096)を用いて、一旦アリル基を導入してから、さらに付加反応や酸化反応を行うことにより、エポキシ基などの所望の官能基に変性しても良い。さらに、様々な官能基を有するアルコキシアミン型開始剤を挙げることができる。
官能基を導入できる連鎖移動剤としては、例えば、ハロゲンを導入できる連鎖移動剤として、四塩化炭素、四臭素化炭素などを挙げることができ、ハロゲンを一旦導入してから、これをニトロ基、チオール基、アミノ基、ヒドロキシル基などに置換することも好ましい態様である。ヒドロキシル基を導入できる連鎖移動剤としては、メルカプトエタノールを挙げることができる。また、CH=C(CHX)Y、X=BrやSOArなどの構造の付加開裂型連鎖移動剤を用いることによって、末端に官能基Xを導入することもできる。二元共重合体および三元共重合体の両末端に同一の官能基を導入する場合には、前記開始剤および連鎖移動剤として同一の官能基を導入できるものを採用することが好ましい。
また、末端にイソシアネート基を導入する方法としては、例えば、一旦共重合体の末端にヒドロキシル基を導入し、次いでポリイソシアネートと反応させる方法や、一旦アミノ基を導入してから、次いでホスゲンと反応させてイソシアネート基に変性する方法を挙げることができる。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PPDI)等の芳香族ポリイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(HXDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)等の脂環式ポリイソシアネート又は脂肪族ポリイソシアネート等のうちの1種、または、2種以上の混合物などを挙げることができる。
上記のように二元共重合体および三元共重合体の両末端に官能基を導入して、本発明のゴルフボール用テレケリック型アイオノマー組成物を作製することができる。尚、末端官能基は、官能基の定量分析と平均分子量を測定するとともに、例えば、NMR、IRなどを用いて同定することができる。例えば、イソシアネート基の定量分析としては、ジブチルアミン逆滴定法を挙げることができる。
本発明のテレケリック型アイオノマー組成物の酸性官能基は、少なくとも10モル%以上が無機金属で中和されていることが好ましい。前記テレケリック型アイオノマーの酸性官能基の中和度は、10モル%以上、より好ましくは20モル%以上であり、さらに好ましくは30モル%以上である。酸性官能基の中和度が10モル%未満であると、アイオノマー化の効果が小さくなり、耐擦過傷性および反発性が不十分になる。一方、アイオノマー化の効果が飽和するので、酸性官能基の中和度は、95モル%以下が好ましく、90モル%以下がより好ましく、80モル%以下がさらに好ましい。尚、前記酸性官能基の中和度は、前記共重合体が含有する酸性官能基の総モル数に対する中和されている酸性官能基のモル数の割合である。
前記中和度は、原料仕込量から算出されるものであるが、例えば、前記テレケリック型アイオノマー組成物をテトラヒドロフランに熱時融解し、加熱状態で規定濃度の水酸化カリウムで滴定することにより求めたテレケリック型アイオノマー組成物中の不飽和カルボン酸の未中和カルボキシル基([COOH])のモル数と、金属分析によって算出した中和カルボキシル基([COOM])のモル数から、下記式によって算出することも可能である。
中和度(モル%)=[COOM]/([COOH]+[COOM])×100
金属分析としては、例えば、ナトリウムなどの1価金属については、日立製作所社製偏光ゼーマン原子吸光分光光度計180−80型などにより行うことができ、亜鉛などの2価金属については、例えば、セイコー電子工業社製シーケンシャル型ICP発光分光分析計SPS1100型を用いて行うことができる。
酸性官能基を中和する金属(イオン)としては、周期律表の1族から17族、ランタノイド、および、アクチノイドの中から選ばれる1つの金属のいずれであっても良い。
前記金属として好ましいのは、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウムなどの2価の金属;アルミニウム、ネオジムなどの3価の金属;錫、ジルコニウムなどのその他の金属を挙げることができ、より好ましくは、ナトリウム、リチウム、亜鉛、マグネシウムである。前記金属は、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記テレケリック型アイオノマー組成物のスラブ硬度は、ショアD硬度で、20以上、より好ましくは30以上、さらに好ましくは40以上であって、70以下、より好ましくは65以下、さらに好ましくは60以下であることが望ましい。スラブ硬度が20未満では、カバーに用いる際に、柔らか過ぎて耐擦過傷性や反発性が低くなる場合がある。一方、スラブ硬度がショアD硬度で70を超えると、硬すぎてクラブで打撃する際の衝撃で割れが生じる場合がある。
本発明のテレケリック型アイオノマー組成物の製造は、公知の方法を採用することができ、例えば、高圧ポリエチレンを製造するのと同様の撹拌機を持った槽型リアクターで、反応圧力約100〜300KPa、反応温度約150℃から350℃の条件の下、ラジカル開始剤を重合触媒として合成することができる。この際に、上述した官能基を導入できる開始剤もしくは連鎖移動剤を用いれば、得られる共重合体の両末端に官能基を導入することができる。また、得られた二元共重合体若しくは三元共重合体の酸性官能基の中和は、例えば、前記共重合体を溶融させ、溶融した前記共重合体に、所定量の無機金属化合物を添加し、混練することにより行うことができ、具体的には、前記共重合体と前記無機金属化合物とを押出成形機を用いて、150〜300℃で溶融混練することによって行うことができる。
(2)本発明のゴルフボールについて
本発明のゴルフボールの構造は、コア層と前記コア層を被覆するカバー層とを有するものであれば、特に限定されない。本発明のゴルフボールの具体例としては、
(A)コアと前記コアを被覆するカバーとを有するツーピースゴルフボールであって、
前記カバーを構成する樹脂成分として、前記ゴルフボール用テレケリック型アイオノマー組成物を用いることを特徴とするツーピースゴルフボール;
(B)コアと前記コアを被覆する中間層と前記中間層を被覆するカバーとを有するスリーピースゴルフボールにおいて、中間層、および、カバーの少なくとも一つを構成する樹脂成分として、前記ゴルフボール用テレケリック型アイオノマー組成物を用いることを特徴とするスリーピースゴルフボール、より好ましくは最外層のカバーを構成する樹脂成分として、前記ゴルフボール用テレケリック型アイオノマー組成物を用いることを特徴とするスリーピースゴルフボール;
(C)少なくとも4層以上のマルチピースゴルフボールにおいて、コアを除く少なくとも一層を構成する樹脂成分として、前記テレケリック型アイオノマー組成物を用いることを特徴とするマルチピースゴルフボール、より好ましくは、最外層のカバーを構成する樹脂成分として、前記テレケリック型アイオノマー組成物を用いることを特徴とするマルチピースゴルフボール;および
(D)糸巻きコアと前記糸巻きコアを被覆するカバーとを有する糸巻きゴルフボールにおいて、前記カバーを構成する樹脂成分として、前記テレケリック型アイオノマー組成物を用いることを特徴とする糸巻きゴルフボールを挙げることができる。
以下、本発明のテレケリック型アイオノマー組成物を、カバーまたは中間層を構成する樹脂成分として使用する態様について説明するが、本発明は斯かる態様に限定されるものではない。本発明のテレケリック型アイオノマー組成物を用いて、カバーまたは中間層を形成する場合、カバーまたは中間層を形成する組成物(以下、単に『カバー(中間層)用組成物』と称する場合がある)として、前記テレケリック型アイオノマー組成物を樹脂成分として含有するものを使用すればよい。前記カバー(中間層)用組成物の樹脂成分における前記テレケリック型アイオノマー組成物の含有量は、樹脂成分100質量部中、50質量部以上が好ましく、60質量部以上がより好ましく、70質量部以上が更に好ましい。また、カバー(中間層)用組成物の樹脂成分として、前記テレケリック型アイオノマー組成物のみを使用することも好ましい態様である。
また、カバー(中間層)用組成物の樹脂成分として、本発明の効果を損なわない範囲で併用できる他の樹脂成分としては、従来公知のアイオノマー樹脂の外、アルケマ(株)から商品名「ペバックス(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミドエラストマー、東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー、BASFジャパン(株)から商品名「エラストラン(例えば、「エラストランXNY97A」)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマー、三菱化学(株)から商品名「ラバロン」で市販されている熱可塑性ポリスチレンエラストマー等が挙げられる。前記アイオノマー樹脂としては、特にエチレンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸の共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したアイオノマー樹脂、エチレンと炭素数3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したもの、又は、これらの混合物を挙げることができる。
前記アイオノマー樹脂の具体例を商品名で例示すると、三井デュポンポリケミカル(株)から市販されているハイミラン(Himilan)1555(Na)、ハイミラン1557(Zn)、ハイミラン1605(Na)、ハイミラン1706(Zn)、ハイミラン1707(Na)、ハイミランAM7311(Mg)等が挙げられ、三元共重合体アイオノマー樹脂としては、ハイミラン1856(Na)、ハイミラン1855(Zn)等が挙げられる。
さらにデュポン社から市販されているアイオノマー樹脂としては、サーリン(Surlyn)8945(Na)、サーリン9945(Zn)、サーリン8140(Na)、サーリン8150(Na)、サーリン9120(Zn)、サーリン9150(Zn)、サーリン6910(Mg)、サーリン6120(Mg)、サーリン7930(Li)、サーリン7940(Li)、サーリンAD8546(Li)等が挙げられ、三元共重合体アイオノマー樹脂としては、サーリン8120(Na)、サーリン8320(Na)、サーリン9320(Zn)、サーリン6320(Mg)等が挙げられる。
またエクソンモービル化学(株)から市販されているアイオノマー樹脂としては、アイオテック(Iotek)8000(Na)、アイオテック8030(Na)、アイオテック7010(Zn)、アイオテック7030(Zn)等が挙げられ、三元共重合体アイオノマー樹脂としては、アイオテック7510(Zn)、アイオテック7520(Zn)等が挙げられる。
尚、前記アイオノマー樹脂の商品名の後の括弧内に記載したNa、Zn、K、Li、Mgなどは、これらの中和金属イオンの金属種を示している。本発明のゴルフボールのカバー(中間層)用組成物は、前記テレケリック型アイオノマー組成物の外、酸化チタン、青色顔料などの顔料成分、炭酸カルシウムや硫酸バリウムなどの比重調整剤、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光材料または蛍光増白剤などを、所望の性能を損なわない範囲で含有してもよい。
また、本発明のテレケリック型アイオノマー組成物を用いたカバーおよび中間層の厚みは、0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上、更に好ましくは0.5mm以上であって、2.0mm以下が好ましく、1.5mm以下がより好ましく、1.2mm以下がさらに好ましい。0.1mm未満では、カバーや中間層の成形が困難になる虞があるからである。2.0mm超では、カバーや中間層が厚くなりすぎて、得られるゴルフボールの反発性が、却って低下する場合があるからである。
カバーまたは中間層を形成する方法としては、例えば、コアをカバー(中間層)用組成物で被覆してカバーまたは中間層を成形する。カバーまたは中間層を成形する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、カバー(中間層)用組成物を予め半球殻状のハーフシェルに成形し、それを2枚用いてコアを包み、130〜170℃で1〜5分間加圧成形するか、またはカバー(中間層)用組成物を直接コア上に射出成形してコアを包み込む方法が用いられる。
また、カバーを成形してゴルフボール本体を作製する際には、通常、表面にディンプルと呼ばれるくぼみが形成される。カバー成形後、ペイント仕上げ、スタンプ等も必要に応じて施し得る。さらに、ゴルフボール本体表面は、必要に応じて、マークや塗膜との密着性を向上するために、サンドブラスト処理のような研磨処理がなされてもよい。
尚、本発明のゴルフボールは、中間層およびカバーの少なくとも一層に前記テレケリック型アイオノマー組成物を用いるものであれば良く、前記テレケリック型アイオノマー組成物を用いない層は、上述した従来公知の樹脂組成物を用いることができる。
本発明のゴルフボールのコアとしては、例えば、基材ゴム、共架橋剤、架橋開始剤、充填剤を含むコア用ゴム組成物を加熱プレスして成形したもの(ゴム製コア)であることが好ましい。前記基材ゴムとしては、天然ゴムおよび/または合成ゴムを使用することができ、例えば、ポリブタジエンゴム、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレンポリブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などを使用できる。これらの中でも、特に、反発に有利なシス結合が40%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上のハイシスポリブタジエンを用いることが好ましい。
前記架橋開始剤としては、有機過酸化物を好適に使用できる。前記有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t―ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられ、これらのうちジクミルパーオキサイドが好ましく用いられる。有機過酸化物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.3質量部以上、より好ましくは0.4質量部以上であって、5質量部以下、より好ましくは3質量部以下であることが望ましい。0.3質量部未満では、コアが柔らかくなりすぎて、反発性が低下する傾向があり、5質量部を超えると、硬くなりすぎて、打球感が低下するからである。
前記共架橋剤としては、炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸またはその金属塩を使用できる。前記金属塩を構成する金属としては、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ナトリウムを挙げることができ、反発性が高くなるということから、亜鉛を使用することが好ましい。前記α,β−不飽和カルボン酸またはその金属塩として好ましいのは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛である。
前記共架橋剤の使用量は、基材ゴム100質量部に対して、10質量部以上、より好ましくは15質量部以上、さらに好ましくは20質量部以上であって、55質量部以下、より好ましくは50質量部以下、さらに好ましくは48質量部以下であることが望ましい。共架橋剤の使用量が10質量部未満では、適当な硬さとするために有機過酸化物の使用量を増加しなければならず、反発性が低下する傾向がある。一方、共架橋剤の使用量が55質量部を超えると、コアが硬くなりすぎて、打球感が低下する虞がある。
前記充填材は、ゴルフボールのコアに通常配合されるものであればよく、無機塩(具体的には、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等)、高比重金属粉末(例えば、タングステン粉末、モリブデン粉末等)およびそれらの混合物が挙げられる。前記充填剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.5質量部以上、好ましくは1質量部以上であって、30質量部以下、好ましくは20質量部以下であることが望ましい。0.5質量部未満では、比重調整が困難になり適正な重量が得られなくなり、30質量部を超えるとコア全体に占めるゴム分率が小さくなって反発性が低下するからである。
前記コア用ゴム組成物には、基材ゴム、共架橋剤、有機過酸化物、及び、充填剤に加えて、さらに、有機硫黄化合物、老化防止剤、または、しゃく解剤等を適宜配合することができる。
前記有機硫黄化合物としては、例えば、ジフェニルジスルフィド、ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヨードフェニル)ジスルフィド,ビス(4−シアノフェニル)ジスルフィド等のモノ置換体;ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド等のジ置換体;ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2−シアノ−4−クロロ−6−ブロモフェニル)ジスルフィド等のトリ置換体;ビス(2,3,5,6−テトラクロロフェニル)ジスルフィド等のテトラ置換体;ビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル)ジスルフィド等のペンタ置換体等が挙げられる。これらのジフェニルジスルフィド類はゴム加硫体の加硫状態に何らかの影響を与えて、反発性を高めることができる。これらの中でも、特に高反発性のゴルフボールが得られるという点から、ジフェニルジスルフィド、ビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィドを用いることが好ましい。
前記老化防止剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上、1質量部以下であることが好ましい。また、しゃく解剤は、基材ゴム100質量部に対して、0.1質量部以上、5質量部以下であることが好ましい。
前記コアは、前述のコア用ゴム組成物を混合、混練し、金型内で成形することにより得ることができる。この際の条件は、特に限定されないが、通常は130〜180℃、圧力2.9〜11.8MPaで10〜40分間で行われる。
前記コアの直径は、30mm以上、より好ましくは32mm以上であって、41mm以下、より好ましくは40.5mm以下であることが望ましい。前記コアの直径が30mmよりも小さいと、中間層またはカバー層を所望の厚さより厚くする必要があり、その結果反発性が低下する場合がある。一方、コアの直径が41mmを超える場合は、中間層またはカバー層を所望の厚さより薄くする必要があり、中間層またはカバー層の機能が十分発揮されない。
前記コアは、直径30mm〜41mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にゴルフボールが縮む量)が、2.5mm以上、より好ましくは3.0mm以上であって、5mm以下、より好ましくは4.5mm以下であることが望ましい。前記圧縮変形量が、2,5mm未満では打球感が硬くて悪くなり、5mmを超えると、反発性が低下する場合がある。
本発明のゴルフボールは、直径42.60mm〜42.90mmの場合、初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮変形量(圧縮方向にゴルフボールが縮む量)が、2.0mm以上、より好ましくは2.1mm以上、さらに好ましくは2.2mm以上であって、4.5mm以下、より好ましくは4.0mm以下、さらに好ましくは3.5mm以下であることが望ましい。前記圧縮変形量が、2.0mm未満では打球感が硬くて悪いものとなり、4.5mmを超えると反発性が低下する場合がある。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
[評価方法]
(1)スラブ硬度(ショアD硬度)
テレケリック型アイオノマー組成物またはカバー(中間層)用組成物を用いて、熱プレス成形により、厚み約2mmのシートを作製し、23℃で2週間保存した。このシートを、測定基板等の影響が出ないように、3枚以上重ねた状態で、ASTM−D2240に規定するスプリング式硬度計ショアD型を備えた高分子計器社製自動ゴム硬度計P1型を用いて測定した。
(2)耐擦過傷性
ゴルフラボラトリー社製のスイングロボットに市販のピッチングウエッジを取り付け、ヘッドスピード36m/秒でボールの2箇所を各1回打撃し、打撃部を観察して、3段階で評価した。
評価基準
○:ゴルフボール表面に傷がわずかに残るがほとんど気にならない。
△:ゴルフボール表面に傷がくっきり残り若干毛羽立ちが見られる。
×:ゴルフボール表面がかなり削れ、毛羽立ちが目立つ。
(3)圧縮変形量(mm)
ゴルフボールまたはコアに初期荷重98Nを負荷した状態から終荷重1275Nを負荷したときまでの圧縮方向の変形量(圧縮方向にゴルフボールが縮む量)を測定した。
(4)ゴルフボール反発係数
各ゴルフボールに200gのアルミニウム製円筒物を45m/秒の速度で衝突させ、衝突前後の前記円筒物およびゴルフボールの速度を測定し、それぞれの速度および質量から各ゴルフボールの反発係数を算出した。測定は各ゴルフボールについて5回ずつ行って、その平均値をそのゴルフボールの反発係数とした。尚、反発係数は、ゴルフボールNo.2の値を100として指数化した値を示した。指数値が大きいほど、反発性が良いことを意味する。
(5)打球感
ゴルファー10人(プロ2人、ハンデキャップ5以下の上級アマ8人)により、メタルヘッド製W#1ドライバーを用いて実打テストを行って、打撃時の衝撃の反発感を下記基準に基づいて評価を行い、最も多い評価結果をそのゴルフボールの打球感とした。
○:反発感があって良い
△:普通
×:重い感じで反発感が弱くて悪い
[テレケリックアイオノマー組成物の合成]
(1)内容積1.5リットルの撹拌式オートクレーブ型連続反応器に、エチレンとメタクリル酸の単量体混合物(メタクリル酸含有率12質量%)と、ラジカル重合開始剤として、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド](和光純薬工業製VA−086)とを前記単量体混合物に対して4質量ppmになるように供給し、反応器内の圧力を1600kg/cmに保ちながら160℃で反応を行った。得られた共重合体と未反応のモノマーを調節弁を通して分離容器に取り出し、共重合体を分離して両末端にヒドロキシル基を導入した共重合体を得た。
得られたヒドロキシル基末端エチレン−メタクリル酸共重合体100質量部に対して、水酸化ナトリウムが4.8質量部になるように配合した後、二軸混練押出機を用いて140℃で押出ししてカルボキシル基を中和し、さらにイソシアネートとして4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)0.1質量部を加えて、二軸混練押出機を用いて140℃で反応させて、両末端にイソシアネート基が導入されたエチレン−メタクリル酸共重合体からなるテレケリック型アイオノマー1を得た。
(2)水酸化ナトリウムの代わりに、水酸化亜鉛7.2質量部を用いたこと以外は、テレケリック型アイオノマー1と同様の方法によりイソシアネート基両末端テレケリック型アイオノマー2を作製した。
(3)メタクリル酸の含有率が8質量%となるようにするとともに水酸化ナトリムの量を3.2質量部に変更した以外は、テレケリック型アイオノマー1と同様の方法によりイソシアネート基両末端テレケリック型アイオノマーを作製した。
(4)メタクリル酸の含有率が8質量%となるようにするとともに水酸化亜鉛の量を4.8質量部に変更した以外は、テレケリック型アイオノマー2と同様の方法によりイソシアネート基両末端テレケリック型アイオノマーを作製した。
(5)エチレンとメタクリル酸とアクリル酸エステルの単量体混合物(メタクリル酸含有率5質量%)を用いるとともに、水酸化ナトリムの量を2質量部に変更したこと以外は、テレケリック型アイオノマー1と同様の方法によりイソシアネート基両末端テレケリック型アイオノマー5を作製した。
(6)エチレンとメタクリル酸とアクリル酸エステルの単量体混合物(メタクリル酸含有率5質量%)を用いるとともに、水酸化亜鉛の量を3質量部に変更したこと以外は、テレケリック型アイオノマー2と同様の方法によりイソシアネート基両末端テレケリック型アイオノマー6を作製した。
(7)内容積1.5リットルの撹拌式オートクレーブ型連続反応器に、エチレンとメタクリル酸の単量体混合物(メタクリル酸含有率8質量%)と、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド(和光純薬工業製V−50)を、単量体混合物に対して4質量ppmになるように供給し、反応器内の圧力を1600kg/cmに保ちながら160℃で反応を行った。得られた共重合体と未反応のモノマーを調節弁を通して分離容器に取り出し、共重合体を分離して両末端にアミノ基を導入した共重合体を得た。得られたアミノ基末端エチレン−メタクリル酸共重合体100質量部に対して水酸化ナトリウムが4.8質量部になるように配合した後、二軸混練押出機で押出しして、両末端にアミノ基が導入されたエチレン−メタクリル酸共重合体からなるテレケリック型アイオノマー7を得た。
(8)水酸化ナトリウムの代わりに、水酸化亜鉛を4.8質量部用いたこと以外は、テレケリック型アイオノマー7と同様の方法によりアミノ基両末端テレケリック型アイオノマー8を作製した。
(9)単量体混合物に対して、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド(和光純薬工業製V−50)と2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(和光純薬工業製V−057)とをそれぞれ2質量ppmになるように供給した以外は、テレケリック型アイオノマー7と同様の方法によりアミノ基およびカルボキシル基末端テレケリック型アイオノマー9を作製した。
(10)単量体混合物に対して、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド(和光純薬工業製V−50)と2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(和光純薬工業製V−057)とをそれぞれ2質量ppmになるように供給した以外は、テレケリック型アイオノマー8と同様の方法によりアミノ基およびカルボキシル基末端テレケリック型アイオノマー10を作製した。
(11)ラジカル重合開始剤として、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(和光純薬工業製V−057)を使用した以外は、テレケリック型アイオノマー7と同様の方法によりカルボキシル基両末端テレケリック型アイオノマー11を作製した。
(12)ラジカル重合開始剤として、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(和光純薬工業製V−057)を使用した以外は、テレケリック型アイオノマー8と同様の方法によりカルボキシル基両末端テレケリック型アイオノマー12を作製した。
[ゴルフボールの作製]
(1)コアの作製
表1に示す配合のコア用ゴム組成物を混練し、半球状キャビティを有する上下金型内で170℃で20分間加熱プレスすることにより球状コアを得た。
Figure 0004540615
ポリブタジエンゴム:JSR(株)製のBR−18(ハイシスポリブタジエン)
アクリル酸亜鉛:日本蒸留製のZNDA−90S
酸化亜鉛:東邦亜鉛製の銀嶺R
硫酸バリウム:堺化学製硫酸バリウムBD
ジクミルパーオキサイド:日本油脂製のパークミルD
尚、硫酸バリウムは、得られるゴルフボールの質量が、45.4gとなるように適量加えた。
(2)カバー(中間層)用組成物の調製
表2に示した配合材料を用いて、表3に示したように二軸混練型押出機によりミキシングして、ペレット状のカバー(中間層)用組成物をそれぞれ調製した。押出条件は、スクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35であり、配合物は、押出機のダイの位置で160〜230℃に加熱された。
Figure 0004540615
Figure 0004540615
ハイミラン:三井デュポンポリケミカル(株)製アイオノマー樹脂
(3)ゴルフボール本体の作製
上記で得たカバー(中間層)用組成物を、前述のようにして得たコア上に射出成形することにより、前記コアを被覆する中間層および/またはカバーを形成した。成形用上下金型は、半球状キャビティを有し、ディンプル付きで、ディンプルの一部が進退可能なホールドピンを兼ねている。上記ホールドピンを突き出し、コアを投入後ホールドさせ、80トンの圧力で型締めした金型に210℃に加熱した樹脂を0.3秒で注入し、30秒間冷却して型開きしてゴルフボールを取り出した。得られたゴルフボール本体の表面をサンドブラスト処理をして、マーキングを施した後、クリアーペイントを塗布し、40℃のオーブンで塗料を乾燥させ、直径42.7mm、質量45.4gのゴルフボールを得た。尚、ゴルフボール表面には、表4及び図1〜図3に示したディンプルパターンを形成した。
得られたゴルフボールの構成、並びに、耐擦過傷性、飛距離、打球感などについて評価した結果を表5に示した。
Figure 0004540615
表4中のディンプルの「直径」は図4におけるDiを、「深さ」は接線Tと最深箇所Pとの距離であり、「容積」は、ディンプル10の輪郭を含む平面と仮想球14とに囲まれた部分の容積を意味する。
Figure 0004540615
表5中、ゴルフボールNo.1〜No.8およびNo.13〜No.15は、ゴルフボールのカバーとして、炭素数が2〜8個のオレフィンモノマーと酸性官能基を有する不飽和モノマーとを共重合してなる二元共重合体、および/または、炭素数が2〜8個のオレフィンモノマーと酸性官能基を有する不飽和モノマーと不飽和カルボン酸エステルとを共重合してなる三元共重合体の両末端に官能基が導入されていることを特徴とするゴルフボール用テレケリック型アイオノマー組成物をカバーに使用したゴルフボールである(No.4は、中間層にも使用)。
いずれのゴルフボールも、反発性、耐擦過傷性、打球感のバランスに優れるゴルフボールが得られていることが分かる。ゴルフボールNo.9〜No.12は、従来のアイオノマー樹脂の混合物を用いた場合であるが、耐擦過傷性がいずれも悪く、反発性も低くなる傾向があった。
本発明によれば、飛距離(反発性)、耐擦過傷性、打球感のバランスに優れるゴルフボールを提供できる。
ゴルフボール表面に形成したディンプルパターンの平面図である。 ゴルフボール表面に形成したディンプルパターンの正面図である。 ゴルフボール表面に形成したディンプルパターンの底面図である。 ゴルフボール表面に形成したディンプルの断面の拡大図である。
符号の説明
2:ゴルフボール、10:ディンプル、12:ランド、14:仮想球、A:ディンプルA、B:ディンプルB、C:ディンプルC、D:ディンプルD、E:ディンプルE、F:ディンプルF、G:ディンプルG、Ed:エッジ

Claims (6)

  1. コアと前記コアを被覆するカバーとを有するツーピースゴルフボール、コアと前記コアを被覆する中間層と前記中間層を被覆するカバーとを有するスリーピースゴルフボール、または、少なくとも4層以上のマルチピースゴルフボールにおいて、
    コアを除く少なくとも一層を構成する樹脂成分として、
    炭素数が2〜8個のオレフィンモノマーと酸性官能基を有する不飽和モノマーとを共重合してなる二元共重合体、および/または、炭素数が2〜8個のオレフィンモノマーと酸性官能基を有する不飽和モノマーと不飽和カルボン酸エステルとを共重合してなる三元共重合体の両末端に官能基が導入されているテレケリック型アイオノマーを用いることを特徴とするゴルフボール
  2. 前記テレケリック型アイオノマーの末端の官能基は、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネート基、ハロゲン、ニトロ基、チオール基、エポキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載のゴルフボール
  3. 前記テレケリック型アイオノマーを構成するオレフィンモノマーは、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテンよりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1または2に記載のゴルフボール
  4. 前記テレケリック型アイオノマー中の酸性官能基を有する不飽和モノマーの含有率が、1質量%〜50質量%である請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴルフボール
  5. 前記テレケリック型アイオノマーは、酸性官能基の少なくとも10モル%以上が中和されているものである請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴルフボール
  6. 前記テレケリック型アイオノマーは、1族〜17族、ランタノイド、および、アクチノイドの中から選ばれる少なくとも1種の金属で中和されているものである請求項1〜5のいずれかに記載のゴルフボール
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