図1は、本発明における携帯型の情報端末の基本的なハードウェア構成を示す。情報端末200は、第1メインユニット20、第2メインユニット50、I/Oバス80、クロックユニット82、I/Oユニット88、拡張バス90、セキュリティ処理ユニット92、オーディオインタフェース118、通信ユニット110および操作ユニット116を備える。ここではCPUを2個備える情報端末を例示する。なお、本発明は当然ながらCPUが1個の構成でも実現できる。
第1メインユニット20は、第1メインバス22、第1メインメモリ24、描画処理ユニット26、第1DMAC(Dynamic Memory Access Controller)28、第1メインCPU(Central Processing Unit)30、ベクトル演算回路36、FPU(Floating point number Processing Unit)38を有する。第1メインバス22は、第1メインユニット20内の各部に接続され、各部間を高速にデータ転送する。第1メインメモリ24には、第1の主目的のプログラム、例えばゲームのプログラムが格納されるとともに、そのプログラムの実行に必要なデータがさらに格納される。第1メインメモリ24に格納されたプログラムは第1メインCPU30により実行される。第1メインCPU30は、データキャッシュ32および命令キャッシュ34を含む。第1メインCPU30は、特に必要性の高い命令を命令キャッシュ34へ格納する。第1メインCPU30は、特に必要性の高いデータをデータキャッシュ32に格納する。
ベクトル演算回路36は、第1メインCPU30の指示にしたがい、透視変換などのジオメトリ演算を処理する。FPU38は、浮動小数点演算を処理する。描画処理ユニット26は、第1メインCPU30から受け取る描画命令を元にポリゴン描画を処理する。描画処理ユニット26は、ビデオメモリとしてのVRAM(Video Random Access Memory)27を含む。第1DMAC28は、第1メインバス22と接続された入出力ポートとI/Oバス80に接続された入出力ポートを含み、第1メインバス22とI/Oバス80の間でデータを転送する。第1DMAC28は、第2メインバス52と接続された入出力ポートをさらに含む。第1DMAC28は、第1メインバス22と第2メインバス52の間で双方向バッファとして機能する。
第2メインユニット50は、第2メインバス52、第2DMAC54、MPEG(Moving Picture Experts Group)デコーダ56、音声処理ユニット58、第2メインCPU60、第2メインメモリ66を有する。第2メインバス52は、第2メインユニット50内の各部に接続されて各部間を高速にデータ転送する。第2メインメモリ66には、第2の主目的のプログラム、例えば動画再生のプログラムが格納されるとともに、そのプログラムの実行に必要なデータがさらに格納される。第2メインメモリ66に格納されたプログラムは第2メインCPU60により実行される。第2メインCPU60は、データキャッシュ62および命令キャッシュ64を含む。第2メインCPU60は、特に必要性の高い命令を命令キャッシュ64へ格納する。第2メインCPU60は、特に必要性の高いデータをデータキャッシュ62に格納する。
MPEGデコーダ56は、第2メインCPU60の指示にしたがい、MPEG形式で符号化された画像データを復号する。音声処理ユニット58は、音声データを復号処理する。第2DMAC54は、第2メインバス52と接続された入出力ポートとI/Oバス80に接続された入出力ポートを含み、第2メインバス52とI/Oバス80の間でデータを転送する。第2DMAC54は、第1メインバス22と接続された入出力ポートをさらに含む。第2DMAC54は、第2メインバス52と第1メインバス22の間で双方向バッファとして機能する。
I/Oバス80は、第1DMAC28または第2DMAC54と、クロックユニット82、I/Oユニット88、拡張バス90、オーディオインタフェース118、通信ユニット110、操作ユニット116またはセキュリティ処理ユニット92との間で、データを転送するバスである。クロックユニット82は、時間を計測するタイマ84と実時間を刻む実時間クロック86とを含む。I/Oユニット88は、複数の汎用I/Oインタフェースを含む。拡張バス90は、拡張用デバイスを追加するためのバスである。
セキュリティ処理ユニット92は、光ディスクなどの外部記録媒体との間でデータを読込または書込するドライブ装置と接続される。セキュリティ処理ユニット92は、暗号処理部94、シリアルI/O96を含む。暗号処理部94は、データの暗号化および復号を処理する。シリアルI/O96は、暗号処理部94で暗号化したデータを外部記録媒体のドライブ装置へ転送する。また、シリアルI/O96は、そのドライブ装置が外部記録媒体から読み込んだデータを暗号処理部94へ転送する。このように、外部記録媒体との間で読込または書込するデータをその読込または書込の際にすべてハードウェア的に暗号化または復号することにより、データの安全性を高めることができる。
通信ユニット110は、USB(Universal Serial Bus)をはじめとするシリアル通信回路、赤外線通信回路、IEEE802.11Xをはじめとする無線モジュール、GPS(Global Positioning System)モジュール、ユーザの服その他に貼付された微小無線チップからのデータを受信するモジュールなどを総括したもので、これら各種通信機能ブロックまたはそのためのインタフェースをひとつまたは複数備える。操作ユニット116は、後述のアナログスティックやメインボタン等を含み、ユーザの操作を取得する。オーディオインタフェース118はスピーカやヘッドホンへの出力回路である。
これらの他に図示しないが装備する構成として、LCD(Liquid Crystal Display)とそのためのインタフェース、電池およびAC/DCアダプタのための電源回路、プログラムから起動および停止される震動モータその他の力学的フィードバックユニットがある。オプショナルな構成としてさらに、汎用のI/Oスロットを設けて各種汎用アドオンカードを実装可能にしたり、チューナモジュールを実装して放送波を受信再生可能としたり、非接触型のカード、例えばプリペイドカードのリーダを設けて課金その他の処理を実現することができる。なお、いずれの場合も、各種機能の本体回路は情報端末に内蔵してもよいし、インタフェースのみを設けて本体回路は外付けとしてもよい。
図2は情報端末200の外観図である。情報端末200は横長の携帯型で、ユーザは片手または両手で情報端末200の両端(以下、「ホールド部」とよぶ)をもって操作する。センサ群114や電池はホールド部付近に内蔵され、それぞれパラメータの取得、電池交換の容易に配慮している。
情報端末200はLCD202、アナログスティック204、メインボタン206、スタートセレクトボタン208、左右のスピーカ210、ディスクを着脱するスロット212、ヘッドホン端子口214を備える。アナログスティック204は、ジョイスティックの機能をコンパクトに実現するもので、360度任意の方向への可倒性を有するとともに、その倒れ具合を入力の強度としてアナログ的に取得する。メインボタン206はそれぞれが特定の機能割り付けをもつ三角、丸、バツ、四角のボタンである。スタートセレクトボタン208は特定の処理を開始または選択等するボタンである。これらが操作ユニット116の機構系を構成する。以下、情報端末200にて実現される各種の情報処理装置について実施例を分けて説明する。
第1の実施例:
第1の実施例として、情報端末200にてゲームのソフトウェアを実行する態様を示す。
図3は、この第1の実施例において情報端末200が外部装置と接続するためのインタフェースを説明するための図である。同図では、情報端末200aを中心として説明する。記録媒体224は可搬性を有する読み書き可能な記録媒体である。情報端末200aは、セキュリティ処理ユニット92を介して記録媒体224に記録されたデータを読み出す。また、情報端末200aは、セキュリティ処理ユニット92を介して記録媒体224に各種のデータを記録する。
記録媒体220は可搬性を有する読出し専用の記録媒体である。情報端末200aは、セキュリティ処理ユニット92を介して記録媒体220に記録されたデータを読み出す。記録媒体220には複数のゲームのソフトウェアのデータが予めパッケージとして記録されている。記録媒体224と記録媒体220は共に情報端末200aに対して着脱可能な記録媒体である。
情報端末200aは、通信ユニット110を介してインターネット222に接続する。情報端末200aは、IEEE802.11などの無線LAN(Local Area Network)の規格に則ってインターネット222に接続する。情報端末200aは、同じくインターネット222に接続されたゲームサーバ230から、記録媒体220に記録されたゲームのソフトウェアの鍵情報をはじめとする各種の情報を取得する。
情報端末200aは、無線やUSBケーブルなどの通信手段により他の情報端末200bと通信する。他の情報端末200bと通信することにより、複数のユーザが同じゲームを同時に楽しむことができる。特に、複数のユーザが通信を介して同時に楽しむ場合のゲームを指すときには、以下、「臨機ゲーム」とよぶ。また、情報端末200aは、臨機ゲームを実行するに際して、他の情報端末200bと鍵情報を交換できる。本実施例におけるゲーム実行装置260は、主として情報端末200a、記録媒体224および記録媒体220により実現される。
情報端末200において実行されるゲームのソフトウェアは大きく2種類に分けられる。一つは記録媒体220に予め記録されたゲームのソフトウェアである。このゲームのこと言うときには、以下、「キー(Key)ゲーム」とよぶ。キーゲームは、記録媒体220に解錠または施錠のいずれかの状態で記録される。もう一つの種類は、記録媒体224に記録されたゲームのソフトウェアである。このゲームのことを言うときには、以下、「リブ(Lib)ゲーム」とよぶ。「リブ」は「ライブラリ(Library)」に由来する。本実施例ではキーゲームのみを臨機ゲームの対象として説明するが、リブゲームについても臨機ゲームとして楽しむことは可能である。
ユーザがキーゲームを楽しむためには、まず、所望のキーゲームが記録された記録媒体220を購入する。記録媒体220に記録されるキーゲームのいくつかは、施錠状態で記録されている。施錠状態は、まったくそのソフトウェアの実行ができない状態としてもよい。または、起動から30分以内のみ実行可能というように時間的な実行制限がかけられた状態でもよい。あるいは、キーゲームが用意するいくつかのゲームモードのうち、実行できるゲームモードを1つのみに制限するというように内容的な実行制限がかけられた状態でもよい。
施錠されているキーゲームを解錠するために、ユーザはゲームサーバ230から鍵情報を取得する。鍵情報の要求時において、情報端末200はゲームサーバ230に対して、情報端末200、記録媒体220およびキーゲームを識別するための識別情報をゲームサーバ230に併せて送信する。ユーザがこの鍵情報に対して対価を支払うと、ゲームサーバ230は鍵情報を情報端末200に送信する。
情報端末200は、ゲームサーバ230から鍵情報を受信する。そして、対象となるキーゲームを解錠する。情報端末200は、キーゲームの解錠状態に応じて実行可否や実行内容を決定する。セキュリティを確保するため、ゲームサーバ230と情報端末200は鍵情報を暗号化して送受する。キーゲームを実行するための概略は以上の通りであるが、更に詳しくは後述する。
ユーザはリブゲームを楽しむためには、ゲームサーバ230からリブゲームのデータをダウンロードする。ゲームサーバ230はリブゲームのデータを格納する。リブゲームはキーゲームに比べて、通常はデータ量が小さいゲームである。情報端末200はゲームサーバ230に対して、情報端末200、記録媒体220およびリブゲームを識別するための識別情報をゲームサーバ230に送信し、該当するリブゲームのデータを要求する。ユーザがこのリブゲームに対して対価を支払うと、ゲームサーバ230はリブゲームのデータを情報端末200に送信する。情報端末200は、ゲームサーバ230からリブゲームのデータを受信し記録媒体224に記録する。以降、情報端末200においては、その受信したリブゲームの実行が可能となる。セキュリティを確保するため、ゲームサーバ230と情報端末200はリブゲームのデータを暗号化して送受する。リブゲームを実行するための概略は以上の通りであるが、更に詳しくは後述する。
図4は、記録媒体220が記録するデータの模式図である。記録媒体220が記録するデータ領域は大きく2種類に分けることができる。そのうちの一つはキーゲーム領域240である。もう一つはライブラリ領域250である。同図ではキーゲーム領域240に、キーゲーム242、キーゲーム244、キーゲーム246およびキーゲーム248の4種類のキーゲームのデータが含まれる。記録媒体220の初期状態においては、これら4種類のゲームのうちの一つだけが解錠状態に設定されている。残りの3つのゲームは、施錠状態に設定されている。いずれのキーゲームを施錠して記録するかは、記録媒体220の提供者が任意に設定することができ、どのキーゲームを解錠状態にしておくかで複数種類の記録媒体220を用意することができる。ユーザは、記録媒体220を購入するときに所望のキーゲームが解錠状態で記録されている記録媒体220を選択する。記録媒体220の提供者にとっては、この4種類のゲームのいずれが解錠状態であっても、その記録されるデータとしては共通化できる。そのため、記録媒体220の作成や管理の負担が軽減される。
ライブラリ領域250には、キーゲームやリブゲームにおいて汎用的に使用されるライブラリデータが記録される。このライブラリデータは、たとえば、DLL(Dynamic Link Library)などの形式により、ソフトウェアの機能を抽出してコンポーネント化したものである。ゲームのグラフィックスや、サウンドなどについては、ゲームの種類に関わらず共通に使用される機能も多い。ライブラリ領域250は、このような汎用性の高い機能についてのライブラリ化したデータを記録する領域である。これにより、キーゲーム領域240に記録される各キーゲームは、それぞれが重複してライブラリデータを有する必要がない。
記録媒体224にダウンロードされたリブゲームは、ライブラリ領域250に記録されるライブラリデータを利用して実行される。そのため、情報端末200がゲームサーバ230からダウンロードするリブゲームのデータ量を抑制できる。また、記録媒体224に記録されるデータ量も抑制できる。このように、記録媒体220は、キーゲームを提供すると共に、各種のゲームを実行するために必要とされるライブラリを提供する。
図5は情報端末200において実現されるゲーム実行装置260の機能ブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的には、コンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
ゲーム実行装置260は、ユーザインタフェース処理部270、ゲーム実行部290、通信部300、鍵制御部320およびデータ格納部322を備える。ユーザインタフェース処理部270は、ユーザとゲーム実行装置260との各種ユーザインタフェースに関する処理を担当する。ゲーム実行部290はユーザインタフェース処理部270からの指示により、選択されたゲームのソフトウェアを実行させる。ゲーム実行部290はゲームモードの選択に関する処理も行う。臨機ゲームを実行する場合には、ゲーム実行部290は通信部300を介して外部のゲーム実行装置260とデータを送受しながらゲームのソフトウェアを実行する。
通信部300は、ゲームサーバ230や他のゲーム実行装置260との通信を行う。通信部300は、ゲームサーバ230や他のゲーム実行装置260から鍵情報を受信すると鍵制御部320に送る。鍵制御部320は、通信部300からの指示に基づいてキーゲームの解錠と施錠に関する処理を担当する。鍵制御部320は、記録媒体220が格納する鍵情報と通信部300がゲームサーバ230から受信した鍵情報を照合し、これらが一致すれば対象となるキーゲームを解錠する。鍵制御部320は、この解錠状態に関する設定情報を解錠情報格納部328に格納する。後に詳述するように、キーゲームは外部のゲーム実行装置260から送信される鍵情報によって一時的に解錠される場合もある。
データ格納部322は、各種のデータを格納する。データ格納部322の機能は主として、記録媒体224や記録媒体220によって実現される。データ格納部322は、キーゲームデータ格納部324、リブゲームデータ格納部326、解錠情報格納部328、ライブラリデータ格納部330、ID格納部332およびゲーム記録格納部334を含む。
キーゲームデータ格納部324は、キーゲームのプログラムデータを格納する。記録媒体220のキーゲーム領域240に対応する。リブゲームデータ格納部326は、リブゲームのプログラムデータを格納する。記録媒体224に対応する。解錠情報格納部328は、キーゲームの解錠状態に関する情報(以下、単に「解錠情報」とよぶ)を格納する。解錠情報格納部328のデータ構造については、図8に関連して後述する。解錠情報格納部328は記録媒体224に対応する。ゲーム記録格納部334は、キーゲームやリブゲームの実行状況(以下、単に「実行状態情報」とよぶ)について各種のデータを格納する。ゲーム記録格納部334は記録媒体224に対応する。
ライブラリデータ格納部330は、キーゲームやリブゲームが利用するライブラリデータを格納する。主として記録媒体220のライブラリ領域250が対応する。情報端末200は外部から受信したライブラリデータを記録媒体224に格納してもよい。ID格納部332は、情報端末200や記録媒体220を識別するためのID番号を格納する。情報端末200や記録媒体220は、その個体を識別するためにそれぞれユニークな番号が予め付与されている。以下、情報端末200を識別するID番号を「装置ID」、記録媒体220を識別するID番号を「媒体ID」とよぶ。ゲーム実行装置260は、通信部300を介してゲームサーバ230に鍵情報やリブゲームのデータを要求するときにはこれらのID番号も送信する。
ゲームサーバ230は、これらのID番号に基づいて、どの情報端末200のどの記録媒体220に対して鍵情報を送信したかを管理する。また、記録媒体220のID番号により、ゲームサーバ230はゲーム実行装置260が現在どのようなライブラリデータを使用可能か判断する。
記録媒体220が必要なライブラリデータを持っていなければ、ゲーム実行装置260はゲームサーバ230からダウンロードしたリブゲームを実行できない可能性もある。このような事態を回避するために、ゲームサーバ230はゲーム実行装置260から受信した記録媒体220の媒体IDに基づいて、ゲーム実行装置260に対して実行可能なリブゲームのリストを表示する。ユーザはこのリストからダウンロードすべきリブゲームを選択する。これにより、ユーザは安心してリブゲームをダウンロードできる。あるいは、ゲーム実行装置260が、記録媒体220が持たないライブラリデータを必要とするリブゲームをダウンロードする場合には、ゲームサーバ230からそのライブラリデータをあわせてダウンロードしてもよい。この場合には、ダウンロードされたライブラリデータは記録媒体224に記録される。このような仕組みにより、ユーザは記録媒体220が必要なライブラリデータを保有しているか否かを気にすることなく安心してリブゲームをゲームサーバ230からダウンロードできる。
図6は、ユーザインタフェース処理部270を更に詳細に示す機能ブロック図である。ユーザインタフェース処理部270は、操作入力部340、表示部342、音声処理部344およびゲーム選択部346を含む。操作入力部340は、ユーザからの操作入力を受け付ける。操作入力部340が受け付けた操作入力が外部との通信を要求するものであれば、通信部300に処理の指示する。表示部342は主としてLCD202を介して画面表示を行う。音声処理部344は、主として210を介して音声処理を行う。通信部300が受信した情報は、表示部342や音声処理部344を介してユーザに通知される。
ゲーム選択部346は、操作入力部340が受け付けた操作入力に応じてゲームを選択する。ゲーム選択部346は更に実行可否判定部348を含む。実行可否判定部348は、キーゲームの実行可否を判定する。実行可否判定部348は、解錠情報格納部328が格納する解錠情報を参照することにより、選択されたキーゲームが正常に実行可能であるか否かを判断する。選択されたキーゲームが、正常に実行可能に設定されていれば、ゲーム選択部346はゲーム実行部290にそのキーゲームの実行を指示する。選択されたキーゲームが正常実行可能に設定されていなければ、ゲーム選択部346はゲーム実行部290にキーゲームに対して制約を設けた上で実行を指示する。
図7は、通信部300を更に詳細に示す機能ブロック図である。通信部300は、実行情報通信部360、鍵情報通信部362、リブゲーム通信部364、通信制御部366、サービス情報通信部368および探索通信部370を含む。通信制御部366は、通信部300の各ブロックを統合的に制御する。通信制御部366は、ユーザインタフェース処理部270からの指示に応じて、通信部300の各ブロックを制御する。また、外部のゲームサーバ230やゲーム実行装置260から受信した情報に応じて、通信部300の各ブロックを制御する。
実行情報通信部360は、臨機ゲームの実行状態情報について送受する。実行情報通信部360は、ゲーム実行装置260のユーザによる実行状態情報を相手のゲーム実行装置260に送信する。また、同様に、実行情報通信部360は、一緒にゲームを楽しんでいる相手のユーザのゲーム実行装置260からそのユーザの実行状態情報を受信する。このように実行情報通信部360を介して、実行状態情報を交換することにより複数のユーザが同じゲームを同時に楽しむことができる。実行情報通信部360が受信した他のユーザの実行状態情報は、ゲーム実行部290に通知される。ゲーム実行部290は他のユーザの実行状態情報を反映させながらゲームを実行する。
鍵情報通信部362は、鍵情報を送受する。ユーザが鍵情報を要求すると、鍵情報通信部362はゲームサーバ230に対してその旨を送信する。このとき、鍵情報通信部362は、ID格納部332が格納する装置IDや媒体IDも送信する。鍵情報通信部362は、ゲームサーバ230から鍵情報を受信すると鍵制御部320に通知する。
鍵情報通信部362は、ユーザからの指示に応じて、解錠情報格納部328が格納する鍵情報を他のゲーム実行装置260に送信する。相手のゲーム実行装置260において臨機ゲームの対象となるキーゲームが施錠されている場合、鍵情報通信部362は相手のゲーム実行装置260に、そのキーゲームを一時的に解錠させるための鍵情報を送信する。また、ゲーム実行装置260は臨機ゲームを実行するときに、相手のゲーム実行装置260から、その臨機ゲームの対象となるキーゲームを一時的に解錠するための鍵情報を受信する。臨機ゲーム実行時において送受される鍵情報は、たとえば、複数のゲームモードのうち、対戦モードに限定されてもよい。このように鍵情報は、キーゲームの一部のゲームモードのみを解錠するためのものであってもよい。
リブゲーム通信部364は、リブゲームのデータをゲームサーバ230から取得する。ユーザがリブゲームを要求すると、リブゲーム通信部364はゲームサーバ230に対してその旨を送信する。このとき、リブゲーム通信部364は、ID格納部332が格納する装置IDや媒体IDも送信する。ゲームサーバ230は、これらの識別情報をもとにゲーム実行装置260が使用可能なライブラリーデータを検出する。この使用可能なライブラリーデータをもとに、リブゲーム通信部364はゲームサーバ230から実行可能なリブゲームのリストを受信する。このリストは表示部342により画面表示される。ユーザから指示に応じて、リブゲーム通信部364はリブゲームのデータを受信する。通信制御部366は取得したリブゲームのデータをリブゲームデータ格納部326に格納する。
サービス情報通信部368は、ゲームサーバ230が提供する各種のサービス情報を受信する。ここでいうサービス情報とは、ゲームサーバ230が情報端末200に対して提供するゲームに関する情報である。このサービス情報には、鍵情報やリブゲームのダウンロードランキング、新作ゲーム情報、あるいは、ゲームの体験版ソフトウェアが含まれる。ユーザは、これらのサービス情報を取得することにより、ゲームサーバ230が提供するゲームに関する情報を適宜取得できる。サービス情報通信部368は、ユーザのゲームに対する感想を含むアンケート情報をゲームサーバ230に送信してもよい。これにより、ゲームを提供する側も、ユーザからのニーズや反応を適宜取得できるメリットがある。ゲーム製作者に対してダイレクトに意見を述べるチャネルが確保されることにより、ユーザにとってもゲーム制作に対する情報発信が可能となる。
探索通信部370は、外部のゲーム実行装置260と臨機ゲームを実行するための交渉を行う。探索通信部370は、臨機ゲームの相手となる外部のゲーム実行装置260を探索するための信号を無線送信する。以下、この信号のことを「探索信号」とよぶ。探索信号は自装置からみて、リアルタイムに臨機ゲームを実行できる程度の範囲に他のゲーム実行装置260が存在するか否かを探索する。
探索通信部370は他のゲーム実行装置260から送信される探索信号を受信する。探索通信部370は、探索信号を受信したときには、その相手に対して探索信号を受信した旨を送信する。以下、このときに送信される信号のことを「確認信号」とよぶ。探索信号の送信に対する確認信号の受信により、複数のゲーム実行装置260はお互いが臨機ゲームを実行可能な状態にあることを認識する。以下、臨機ゲームを実行可能な相手のゲーム実行装置260を「隣接ゲーム実行装置260」とよぶ。ゲーム実行装置260は、探索通信部370を介して隣接ゲーム実行装置260のリストを取得する。探索通信部370は無線通信に限らず、USBケーブルなどの有線通信により隣接ゲーム実行装置260を検出してもよい。
ユーザは、この隣接ゲーム実行装置260のリストを元に、臨機ゲームを同時に楽しむべき相手を決定する。ユーザがこの隣接ゲーム実行装置260のリストから隣接ゲーム実行装置260のいずれかを選択して、臨機ゲームを実行するよう指示すると、探索通信部370はその隣接ゲーム実行装置260に対して「勧誘信号」を送信する。探索通信部370は、勧誘信号を受信したときには、その勧誘信号を送信したゲーム実行装置260の中から、臨機ゲームを実行する対象となる隣接ゲーム実行装置260を選択する。選択した隣接ゲーム実行装置260に対して、探索通信部370は合意信号を送信する。
探索通信部370が、その隣接ゲーム実行装置260から勧誘信号に対する「合意信号」を受信すると、臨機ゲームを実行するための交渉が成立する。勧誘信号に対する合意信号の受信により、複数の隣接ゲーム実行装置260が臨機ゲームを実行可能となる。以下、臨機ゲームの対象となる相手のゲーム実行装置260を「参加ゲーム実行装置260」とよぶ。
図8は、解錠情報格納部328のデータ構造を示す図である。鍵ID欄380は、各キーゲームに対応する鍵の識別番号(以下、「鍵ID」とよぶ)を示す。鍵情報は、鍵IDを含んだ情報であってもよいが、鍵IDをそのまま鍵情報として使用してもよい。記録媒体220が記録する各キーゲームには予め鍵IDがユーザが読出し不可能な状態で記録されている。また、ゲームサーバ230は、媒体IDに対応して、その記録媒体220に記録されているキーゲームごとの鍵IDを保有する。
媒体ID欄382は、媒体IDを示す。情報端末200が複数の記録媒体220とアクセス可能であるときには、この媒体IDによって記録媒体220を識別する。ゲームID欄384は、キーゲームを識別するID番号(以下、「ゲームID」とよぶ)を示す。キーゲームデータ格納部324が格納するキーゲームのデータと、解錠情報格納部328が格納する各キーゲームの解錠情報は、このゲームIDによって対応付けがなされる。ゲームIDは、情報端末200や記録媒体220に関わらず、ゲームごとにユニークなID番号である。解錠状態欄386は、各キーゲームの解錠状態を示す。たとえば、実行可否判定部348はキーゲームの実行に際して、まずゲーム実行装置260がアクセスの対象としている記録媒体220に記録されている媒体IDを読み出す。実行可否判定部348は読み出した媒体IDと解錠情報格納部328における媒体ID欄の媒体IDとを照合する。次に、実行可否判定部348はアクセス対象の記録媒体220におけるキーゲームの解錠状態を検索する。これによって実行の対象となるキーゲームの解錠状態を特定した上で、キーゲームの実行可否を判定する。臨機ゲームとしてキーゲームを実行する場合には、ゲームIDを鍵情報として、参加ゲーム実行装置260に送信してもよい。
同図において、ゲームID「01212」のキーゲームの解錠状態は「解錠」となっている。このような場合、ユーザはこのキーゲームのすべての機能を制限されることなく正常に実行できる。ゲームID「41212」のキーゲームの解錠状態は「施錠」となっている。このような場合、このキーゲームを実行するためにはなんらかの実行制限がかかるか、もしくはまったく実行できない設定となっている。
ゲームID「11264」のキーゲームの解錠状態は「一時解錠」となっている。このような場合、このキーゲームは臨機ゲームとして一時的に解錠された状態となっている。このキーゲームは通常は施錠されているが、参加ゲーム実行装置260から鍵情報通信部362が鍵情報を受信することにより、鍵制御部320により一時的に解錠されている。このため、ユーザはこのキーゲームを臨機ゲームとして楽しむ限りは正常に実行できる。
ゲーム実行装置260と隣接ゲーム実行装置260の距離が離れすぎると、探索通信部370はこれを検出する。ゲーム実行装置260と隣接ゲーム実行装置260が有線により通信している場合であって、その接続が解除された場合にも探索通信部370はこれを検出する。このとき、通信制御部366はゲーム実行部290に指示して臨機ゲームの実行を終了させる。また、鍵制御部320に接続の解除を通知する。鍵制御部320は、このとき解錠状態欄386の状態を「一時解錠」から「施錠」に変更する。
図9は、ゲーム実行装置260における起動時からの処理を模式的に示す図である。ゲーム実行装置260が起動されると、後の図13に示すゲーム起動画面390が表示される。ユーザにはここで大きく3つの選択肢が与えられる。ここでいう3つの選択肢とはキーゲームについての処理、リブゲームについての処理およびゲームのオプション設定である。キーゲームに関する処理については、図10および図11に関連して更に詳述する。リブゲームに関する処理については、図12に関連して後に詳述する。オプション設定においては、ユーザはゲーム環境に関する各種の設定を行うことができる。オプション設定において、ユーザは臨機ゲームを行うときのハンドル名を設定できる。通信部300は、ユーザインタフェース処理部270を介して入力されたハンドル名をゲームサーバ230に送信する。ゲームサーバ230は、ユーザごとにハンドル名を登録する。また、オプション設定においてはゲーム実行装置260の起動時に必要とされるパスワードの設定や、画面の明るさ、サウンドの音量などの各種の設定を行う。
図10は、解錠されているキーゲームを実行する過程を示すフローチャートである。ユーザは、ゲーム選択部346を介してキーゲームデータ格納部324が格納するキーゲームのうち実行の対象となるキーゲームを選択する。ユーザが選択したキーゲームを一人で遊ぶよう操作入力を行った場合には(S10のY)、ユーザは操作入力部340を介してそのキーゲームの実行すべきゲームモードを選択する(S18)。ゲーム実行部290はユーザインタフェース処理部270の指示を受けて、選択されたキーゲームを選択されたゲームモードにて実行する(S16)。
S10において、ユーザがキーゲームを一人で楽しむのではなく、臨機ゲームとして楽しむよう選択した場合には(S10のN)、通信制御部366は、隣接ゲーム実行装置260よる勧誘信号を探索通信部370が受信しているか否かを検出する。探索通信部370が隣接ゲーム実行装置260から勧誘信号を受信していれば(S12のY)、ユーザはそれらの隣接ゲーム実行装置260の中から臨機ゲームを一緒に楽しむ相手を選択する(S14)。探索通信部370は、選択した相手に合意信号を送信し、臨機ゲームとして選択したキーゲームを実行する(S16)。
S12において、探索通信部370が隣接ゲーム実行装置260から臨機ゲームの相手を探索するための探索信号や勧誘信号を受信していなければ(S12のN)、探索通信部370は探索信号や勧誘信号を自ら送信することにより相手を探す(S20)。勧誘信号は、相手を特定することなくすべての隣接ゲーム実行装置260に対して一斉送信されてもよい。隣接ゲーム実行装置260と臨機ゲームの実行に関する交渉が成立すると(S22のY)、鍵情報通信部362は、隣接ゲーム実行装置260に対して鍵情報を送信する(S24)。ゲーム実行部290は臨機ゲームとして選択したキーゲームを実行する(S16)。交渉が成立しなければ(S22のN)、処理は終了する。
図11は、施錠されているキーゲームを実行する過程を示すフローチャートである。ユーザが選択したキーゲームが施錠されている場合には、ユーザはそのキーゲームを解錠するための鍵情報をサーバから取得するか否かを判断する(S20)。鍵情報をサーバから取得するためには、ユーザは対価を支払う必要がある。ユーザが鍵情報を購入する場合には(S20のY)、ゲーム実行装置260はゲームサーバ230に接続する(S22)。ユーザは鍵情報の対価の支払い方法を決定する(S24)。支払い方法としては、たとえば、クレジットカード、ウェブマネー(登録商標)などのいくつかの選択肢がゲームサーバ230により提示される。
ゲームサーバ230は、対象となる鍵情報をユーザが購入可能か否かを判断する(S26)。ユーザが、購入代金を用意できていない場合やその他の購入制限によって購入不可能であれば(S26のN)、処理は終了する。購入可能であれば(S26のY)、鍵情報通信部362はゲームサーバ230から鍵情報を受信する(S28)。鍵制御部320は、解錠情報格納部328に記録された鍵情報と受信した鍵情報を照合して、キーゲームの解錠処理を行う(S30)。鍵制御部320は、解錠情報格納部328の解錠状態欄386に示した解錠状態を変更する。これにより、選択されたキーゲームの解錠が完了する。
S20において、ユーザが鍵情報の購入を指示しない場合には(S20のN)、通信制御部366は、探索通信部370が隣接ゲーム実行装置260からの勧誘信号を受信しているか否かを検出する(S32)。勧誘信号の受信を検出すれば(S32のY)、ユーザは勧誘信号を送信する隣接ゲーム実行装置260の中から臨機ゲームの相手を選択する(S34)。このとき、隣接ゲーム実行装置260から、臨機ゲームの対象となるキーゲームを一時解錠するために鍵情報を送信してもらう。隣接ゲーム実行装置260はキーゲームのゲームIDと、個体IDおよび一時解錠のための送信である旨を含む情報を鍵情報として送信する。探索通信部370は鍵情報を受信すると、鍵制御部320はキーゲームを一時解錠する(S36)。一時解錠されると、ゲーム実行部290は臨機ゲームとしてキーゲームを実行する(S38)。この場合、ゲーム実行装置260は受信した個体IDを有する隣接ゲーム実行装置260と臨機ゲームをしている限りは、そのキーゲームの解錠状態は継続する。
S32において、隣接ゲーム実行装置260から勧誘信号を受信していなければ(S32のN)、鍵制御部320はその選択された施錠中のキーゲームを体験版として実行する(S40)。体験版とは、ゲームの起動から終了までの時間制限や、ゲームモードの選択制限など、キーゲームの実行に対する何らかの制約がかかった状態での実行されるソフトウェアをいう。勧誘信号を受信していなくても、臨機ゲームとしてキーゲームを解錠してくれる隣接ゲーム実行装置260を探してもよい。
図12は、リブゲームを実行する過程を示すフローチャートである。ユーザが、リブゲームデータ格納部326に格納されるリブゲームのいずれかを実行させる場合には(S50のY)、ゲーム実行部290はユーザに選択されたリブゲームを実行させる(S52)。
S50において、ユーザがゲームサーバ230から新たにリブゲームを取得するよう指示した場合には(S50のN)、ゲーム実行装置260はゲームサーバ230と接続する(S54)。このとき、リブゲーム通信部364は装置IDと媒体IDを含めて、リブゲームの受信を要求する旨をゲームサーバ230に送信する。ゲームサーバ230は、この媒体IDをもとに、ゲーム実行装置260が使用可能なライブラリデータを認識する。ゲームサーバ230は、ゲーム実行装置260にて実行可能なリブゲームのリストを送信し、リブゲーム通信部364はこれを受信する(S56)。ユーザは、このリストから取得対象のリブゲームを選択する(S58)。次に、ユーザはこのリブゲームの対価の支払い方法を決定する(S60)。支払い方法としては、図11のS24で示したのと同様に、クレジットカード、ウェブマネー(登録商標)などのいくつかの選択肢がゲームサーバ230により提示される。
ゲームサーバ230は、対象となるリブゲームをユーザが購入可能か否かを判断する(S62)。ユーザが、購入代金を用意できていない場合やその他の制限によって購入不可能であれば(S62のN)、処理は終了する。購入可能であれば(S62のY)、リブゲーム通信部364はゲームサーバ230からリブゲームのデータを受信する(S64)。これにより、選択されたリブゲームのダウンロードが完了する。以上は、リブゲームのデータを取得する過程であるが、同様の方法で、さまざまなライブラリデータやサービス情報も取得されてもよい。なお、リブゲームにて臨機ゲームを実行できてもよい。リブゲームによる臨機ゲームを実行する場合の処理過程は、図10におけるS24に相当する処理を有しないフローチャートにより表現される。このときのフローチャートは、図12のS52の処理に対応する。
次にユーザインタフェースとなる画面について説明する。
図13は、ゲーム実行装置260の起動時におけるゲーム起動画面390を示す図である。キーゲーム選択領域402は、キーゲームデータ格納部324が格納するキーゲームを示す。同図では、図4に示すキーゲーム242、キーゲーム244、キーゲーム246およびキーゲーム248の4つのキーゲームが表示されている。このうち、キーゲーム246を示す箱だけが開封して表示されている。これは、キーゲーム246が解錠されているキーゲームであることを示す。また、残りの密閉されて表示されている箱に対応するキーゲームは施錠されている。ユーザはキーゲームに関する処理を実行する場合には、キーゲーム選択領域402から操作の対象となるキーゲームを選択する。
同図においては、解錠されているキーゲーム246が選択されている。タイトル表示領域394は選択されたキーゲームをタイトル表示する。キーゲームの内容を説明する画像を表示してもよい。ユーザは操作選択領域396において、選択したゲームの実行内容を決定する。キーゲーム246を実行する場合には、ユーザは「PLAY」を選択する。「PLAY」が選択されると、ユーザは更にゲームモードを選択する。この選択は、図10のS18に対応する。
キーゲーム246を臨機ゲームとして実行する場合には、ユーザが「Adhoc VS」を選択する。「Adhoc VS」が選択されると、通信制御部366の指示を受けて探索通信部370は探索信号を外部に送信する。そして、臨機ゲームを実行可能な隣接ゲーム実行装置260を探し、臨機ゲームを実行するための交渉を開始する。この処理は、図10のS20からS24に対応する。ゲームサーバ230との接続を要求する場合には、ユーザは「ACCESS」を選択する。ゲーム実行装置260は、ゲームサーバ230と接続してリブゲームのデータの他、各種のサービス情報を取得する。
キーゲーム選択領域402において、施錠されているキーゲームが選択された場合の操作選択領域396と、解錠されているキーゲームが選択された場合における操作選択領域396は表示内容が異なる。施錠されているキーゲームが選択された場合には、ゲームサーバ230に対して操作選択領域396は鍵情報を購入するために接続する選択肢や、体験版としてキーゲームを実行するための選択肢が表示される。これらは図11のS22やS40に対応する。
オプション設定領域398が選択されると、図9に関連して説明した各種のオプション設定をするための画面が表示される。ユーザはこの図示しない画面において各種のオプション設定を行う。リブゲーム選択領域400は、リブゲームデータ格納部326が格納するリブゲームを示す。ユーザはリブゲームを実行する場合には、リブゲーム選択領域400から実行対象となるリブゲームを選択する。
図14は、隣接ゲーム実行装置260から勧誘信号を受けているときの勧誘信号受信画面410を示す図である。隣接ゲーム実行装置260から探索通信部370が勧誘信号を受信すると、キーゲーム選択領域402にはその旨が表示される。解錠されているキーゲームであるキーゲーム246には、「Samiさんから通信です」という表示がなされている。これは、ハンドル名「Sami」という名前のユーザが、キーゲーム246を臨機ゲームとして勧誘信号を送信していることを示す。図11のS32のYに対応する。このとき、操作選択領域396においては、「JOIN」という選択肢が追加される。ここでユーザが「JOIN」を選択すると、キーゲーム246を臨機ゲームとして「Sami」とキーゲーム246と同時に楽しむことができる。
キーゲーム242に関しては、「Haru」と「Kita」の二人のユーザから勧誘信号を受信している。ユーザがキーゲーム242について「JOIN」を選択するときには、ユーザはこの二人のいずれかを臨機ゲームの相手として選択する。あるいは、臨機ゲームを二人以上で楽しめてもよい。図11では、施錠されたキーゲームについて、鍵情報を購入しない場合であるS32において、探索通信部370が勧誘信号の有無を判断する態様を示した。しかし、同図に示すようにキーゲーム選択領域402において、常に勧誘信号の受信状態を表示させてもよい。キーゲーム242について「JOIN」が選択されると、勧誘信号を送信する隣接ゲーム実行装置260からキーゲーム242の鍵情報を送信してもらい、鍵制御部320は一時解錠処理を行う。
図15は、臨機ゲームの実行態様について模式的に示す図である。同図ではゲーム実行装置260aとゲーム実行装置260bがキーゲームであるキーゲーム246を臨機ゲームとして同時に楽しんでいる。ゲーム実行装置260aにおいては、キーゲーム242とキーゲーム244は施錠されており、キーゲーム246とキーゲーム248は解錠されている。ゲーム実行装置260bにおいては、キーゲーム242、キーゲーム244およびキーゲーム246は施錠されており、キーゲーム248が解錠されている。したがって、ゲーム実行装置260bはゲーム実行装置260aによりキーゲーム246を一時的に解錠してもらう必要がある。
ゲーム実行装置260aとゲーム実行装置260bの間でキーゲーム246を臨機ゲームとして実行するための交渉が成立すると、ゲーム実行装置260aはゲーム実行装置260bに対してキーゲーム246の鍵情報を送信する。ゲーム実行装置260bは、ゲーム実行装置260aが送信した264のゲームIDを受信し、一時解錠処理を行う。この処理は図11のS36に対応する。ユーザ416が操作するゲームキャラクタ412と、ユーザ418が操作するゲームキャラクタ414が同一画面内で動作する。ゲーム実行装置260aとゲーム実行装置260bのそれぞれの実行情報通信部360が実行状態情報を相互に送受することにより、臨機ゲームが実行される。
なお、変形例として、臨機ゲーム実行時においては、隣接するゲーム実行装置260間でゲームデータそのものを送信してもよい。たとえば、ユーザ416とユーザ418が臨機ゲームを実行する場合には、ゲーム実行装置260aがキーゲーム246のプログラムデータをゲーム実行装置260bに送信してもよい。ゲーム実行装置260bは、臨機ゲームを実行する際において、キーゲーム246のデータを一時的に記録媒体224に記録する。これにより、ゲーム実行装置260bがキーゲーム246の記録された記録媒体220を有していなくても、キーゲーム246を臨機ゲームとして実行できる。これにより、ゲーム実行装置260bを保有するユーザ418は、キーゲーム246が記録された記録媒体220の購入意欲を喚起されやすくなる。
図16は、キーゲームの実行時に、他のキーゲームに依存した特別のモードを実行する態様を示す図である。同図では、ゲーム実行装置260はキーゲームであるキーゲーム244を実行している。同図において、キーゲーム242とキーゲーム248は施錠されいる。また、キーゲーム244とキーゲーム246は解錠されている。ゲームキャラクタ420は、キーゲーム246において操作されるキャラクタである。キーゲーム246が解錠状態にあるため、ユーザはキーゲーム244を実行時に、キーゲーム246のゲームキャラクタ420を利用してゲームを楽しむことができる。ゲーム実行部290は、解錠情報格納部328に格納されるキーゲームの解錠情報を参照して、ゲームを実行する際の特別モードを決定する。記録媒体220が複数のキーゲームのデータを記録することで、ゲームの楽しみ方が更に広がる。また、ユーザは、さまざまな特別モードを楽しむことを目的として、施錠されているキーゲームを解錠する意欲が喚起される。
以上に示す第1の実施例によれば、一つの記録媒体220で複数のキーゲームを提供できる。そして、ゲームサーバ230から鍵情報を受信することによりこれらのキーゲームを解錠する。正常に実行できないキーゲームを保有させることにより、ユーザが鍵情報を取得しようとする意欲が喚起されることになる。
第1の実施例では、キーゲームを解錠するために、キーゲームごとに鍵情報を購入する場合を示したが、一つのキーゲームに対して複数の鍵情報が設定されてもよい。ある鍵情報を購入すると、特別に用意されたゲームモードが実行できてもよい。あるいは、記録媒体220はキーゲームを攻略するためのヒントとなる攻略情報を施錠状態で記録してもよい。ユーザは、その攻略情報を見るために、専用の鍵情報を購入する。ユーザは、ゲームの攻略本を買いに行かなくても、攻略情報を簡単に取得できる。キーゲームとその攻略情報を提供することにより、ゲームのソフトウェアに商品的な付加価値と利便性が加わる。
この攻略情報は、たとえば、レースゲームにおける上級者のプレイデータを再生する情報であってもよい。これにより、ユーザは、上級者のテクニックを自分の情報端末200にて体験できる。攻略情報は、ユーザがゲームをクリアするために積極的に助けるためのソフトウェアであってもよい。たとえば、ゲーム実行時において、ユーザが操作するキャラクタを助けるための支援キャラクタが登場してもよい。この支援キャラクタは、適宜、ユーザに対して道案内などのアドバイスをする。あるいは、支援キャラクタはユーザが操作するキャラクタが敵キャラクタと戦うときに援護してもよい。
この攻略情報は一定の条件下で自動的に解錠されてもよい。たとえば、記録媒体220の発売後に所定の期間が経過した後に、攻略情報が自動的に解錠されてもよい。あるいは、キーゲームを一定時間以上実行すると、攻略情報が自動的に解錠されてもよい。この場合、鍵制御部320は時間の計測を行い、予め設定された時間条件が満たされると対象となるキーゲームを解錠する。攻略情報そのものをリブゲームと同じようにゲームサーバ230から記録媒体224にダウンロードしてもよい。この場合には、攻略情報の内容をゲームサーバ230で一元的に管理できる。
あるキーゲームを早くクリアすると、その他のキーゲームの鍵情報を安価に購入できてもよい。これにより、ユーザのゲームに対する攻略意欲を喚起しやすくなる。同様に、年齢や購入履歴などのユーザ属性に応じて、鍵情報やリブゲームの購入価格を変更してもよい。これにより、ゲームに関心を持たないユーザ層に対して鍵情報やリブゲームの販売を促進できる。鍵情報をゲームサーバ230が提供を開始する時期を制限してもよい。これにより、鍵情報の提供開始時期をゲームサーバ230にて統一的にコントロールできる。更に、鍵情報やリブゲームを購入する際に、ユーザの属性情報に応じて特典を設けてもよい。たとえば、ゲームサーバ230は、リブゲームを10個以上購入しているユーザに対して、鍵情報を一つ無料で取得する権利を付与してもよい。あるいは、ゲームサーバ230は、鍵情報を購入するほど鍵情報が安価になるよう鍵情報の購入価格を設定してもよい。
記録媒体220は、たとえば、パズルゲームや、カードゲーム、シューティングゲームなどのゲームジャンルごとに、複数のキーゲームをパッケージしてもよい。また、ゲームサーバ230は、キーゲームやリブゲームに対して追加シナリオ、追加ステージなどの付加情報を提供してもよい。ユーザはリブゲームのダウンロードと同等の方法により、これらの付加情報を購入する。また、パズルゲームやカードゲームなど、それぞれのゲームジャンルに適したライブラリを、それぞれのパッケージに搭載してもよい。
リブゲームとしては、一般のゲームプログラマーが作成するゲームのうち、優秀なゲームのソフトウェアを提供してもよい。多くのユーザに対して自作のゲームを提供する機会を設けることにより、ゲームプログラマーの裾野を拡げることができる。
第2の実施例:
第2の実施例として、情報端末200にてカラオケのソフトウェアを実行する態様を示す。
図17は、この第2の実施例において情報端末200が外部装置と接続するためのインタフェースを説明するための図である。記録媒体224は可搬性を有する読み書き可能な記録媒体である。情報端末200は、セキュリティ処理ユニット92を介して記録媒体224に記録されたデータを読み出す。また、情報端末200は、セキュリティ処理ユニット92を介して記録媒体224に各種のデータを記録する。
記録媒体220は可搬性を有する読出し専用の記録媒体である。情報端末200は、セキュリティ処理ユニット92を介して記録媒体220に記録されたデータを読み出す。記録媒体220には複数のカラオケの演奏データが予めパッケージとして記録されている。これらのカラオケ演奏データのうちのいくつかは、施錠された状態で記録媒体220に記録されている。記録媒体224と記録媒体220は共に情報端末200に対して着脱可能な記録媒体である。カラオケ演奏データは、音声データと画像データにより構成される。
情報端末200は、通信ユニット110を介してインターネット222に接続する。情報端末200は、IEEE802.11などの無線LAN(Local Area Network)の規格に則ってインターネット222に接続する。情報端末200は、同じくインターネット222に接続された音楽データサーバ430から、記録媒体220に記録されたカラオケデータの鍵情報をはじめとする各種の情報を取得する。本実施例におけるカラオケ実行装置440は、主として情報端末200、記録媒体224および記録媒体220により実現される。
記録媒体220が記録するカラオケ演奏データは情報端末200において読み出されて演奏される。ユーザはこのカラオケ演奏を、スピーカ210を介して聴くことができる。また、情報端末200にヘッドフォン432やスピーカ434を接続してカラオケ演奏を聴くこともできる。ユーザは、ヘッドフォン432により、一人でカラオケ演奏を楽しむこともできる。スピーカ434により複数のユーザでカラオケ演奏を楽しむこともできる。情報端末200にマイク436を接続できる。ユーザは、マイク436を介してカラオケ演奏にあわせて歌う。本実施例では、カラオケの演奏について説明するが、広く楽曲の演奏に対して応用可能である。
情報端末200において演奏されるカラオケ演奏データは記録媒体220に予め記録されたデータである。このカラオケ演奏データはATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Coding)などの圧縮された波形状態にて記録媒体220に記録される。この記録媒体220に記録されるカラオケ演奏データのこと言うときには、以下、「キー(Key)演奏データ」とよぶ。キー演奏データは、記録媒体220に解錠または施錠のいずれかの状態で記録される。情報端末200は、音楽データサーバ430から、キー演奏データを解錠するための鍵情報を取得する。記録媒体224は取得された鍵情報を記憶する。なお、記録媒体224もカラオケ演奏データを記憶してもよい。この場合、情報端末200は、音楽データサーバ430からカラオケ演奏データそのものをダウンロードして記録媒体224に記録する。この記録媒体224に記録されるカラオケ演奏データのことを言うときには、以下、「簡易演奏データ」とよぶ。簡易演奏データは、MIDI(Musical Instruments Digital Interface)形式によって記録されるカラオケの演奏データであり、キー演奏データよりもデータ量が少ない。キー演奏データはカラオケの演奏に合わせて表示させるべき画像情報を含むが、簡易演奏データは画像情報を含まなくてもよい。
ユーザがキー演奏データに基づくカラオケ演奏を実行させるためには、まず、所望の楽曲のキー演奏データが記録された記録媒体220を購入する。記録媒体220に記録されるキー演奏データのいくつかは、施錠された状態で記録されている。施錠された状態では、まったくカラオケ演奏の実行ができない状態として設定されてもよい。または、起動から30秒以内のみ実行可能というように時間的な実行制限がかけられた状態として設定でもよい。本実施例では、時間的な実行制限がかけられた状態の場合について説明する。
キー演奏データを解錠するために、ユーザは音楽データサーバ430から鍵情報を取得する。この場合、情報端末200は音楽データサーバ430に対して、情報端末200、記録媒体220およびキー演奏データを識別するための識別情報を音楽データサーバ430に送信して該当する鍵情報を要求する。ユーザがこの鍵情報に対して対価を支払うと、音楽データサーバ430は鍵情報を情報端末200に送信する。
情報端末200は、音楽データサーバ430から鍵情報を受信し、対象となるキー演奏データを解錠する。情報端末200はキー演奏データに基づいて演奏を開始するときに、キー演奏データの解錠状態に応じて実行可否や実行内容を決定する。セキュリティを確保するため、音楽データサーバ430と情報端末200は鍵情報を暗号化して送受する。キー演奏データに基づく演奏を実行するための概略は以上の通りであるが、更に詳しくは後述する。
ユーザは簡易演奏データに基づく演奏を実行させるためには、音楽データサーバ430から簡易演奏データをダウンロードする。記録媒体224は簡易演奏データを格納する。情報端末200は音楽データサーバ430に対して、情報端末200、記録媒体220および簡易演奏データを識別するための識別情報を音楽データサーバ430に送信し、該当する簡易演奏データを要求する。ユーザがこの簡易演奏データに対して対価を支払うと、音楽データサーバ430は簡易演奏データを情報端末200に送信する。情報端末200は、音楽データサーバ430から簡易演奏データを受信し記録媒体224に記録する。以降、情報端末200においては、その受信した簡易演奏データに基づく演奏実行が可能となる。セキュリティを確保するため、音楽データサーバ430と情報端末200は簡易演奏データを暗号化して送受する。簡易演奏データに基づく演奏を実行するための概略は以上の通りであるが、更に詳しくは後述する。
記録媒体220が記録するデータ領域は大きく2種類に分けることができる。そのうちの一つはキー演奏データを記録する領域である。もう一つはMIDI音源データを記録する領域である。この記録媒体220における複数のキー演奏データはすべて施錠状態で記録される。音楽データサーバ430は、各記録媒体220におけるキー演奏データのうち20個までを無償で解錠する権利をユーザに与える。音楽データサーバ430は各記録媒体220に記録される各キー演奏データの解錠状態情報を格納する。ユーザが鍵情報を音楽データサーバ430に要求するとき、情報端末200は記録媒体220の媒体IDをあわせて送信する。ユーザは記録媒体220に記録されているキー演奏データのうち、任意の20個を解錠対象として選択する。音楽データサーバ430は、受信した媒体IDに基づいて記録媒体220に記録されるキー演奏データのうちのいくつが、あるいは、どれが解錠されているかを格納する解錠状態情報を参照して検出する。その記録媒体220における解錠されたキー演奏データの数が20個よりも少なければ、ユーザは無償で任意のキー演奏データを解錠するための鍵情報を取得できる。20個以上であれば、ユーザは対価を払って鍵情報を取得する。
あるいは、ユーザはこの記録媒体220を購入したときには、記録媒体220に記録される複数のキー演奏データのうちのいくつかを解錠するための鍵情報を予め付与されてもよい。このとき付与される鍵情報は、記録媒体220に記録される複数のキー演奏データのうちのいずれをも解錠し得る鍵情報である。以下、このような鍵情報のことを「汎用型鍵情報」とよぶ。ただし、汎用型鍵情報は、たとえば20個まで解錠可能というように、解錠できるキー演奏データの個数に数的な制限がある。ユーザは、この購入時に付与される汎用型鍵情報を用いて、記録媒体220に記録される複数のキー演奏データのうち、所望のキー演奏データをその制限された個数分解錠する。汎用型鍵情報は、記録媒体220を購入したユーザに対して、音楽データサーバ430が付与してもよい。あるいは、記録媒体220と併せて汎用型鍵情報が記録された記録媒体224が配布されてもよい。
本実施例において、記録媒体220の初期状態では、500種類のキー演奏データはすべて施錠状態に設定されている。ユーザは、音楽データサーバ430にアクセスすることにより無償で20個の鍵情報を取得できる。記録媒体220の提供者は、500種類のキー演奏データのいずれか解錠されるにしても、記録されるデータとしては共通化できる。そのため、記録媒体220の作成や管理の負担が軽減されるメリットがある。
記録媒体220には、簡易演奏データにおいて汎用的に使用されるMIDI音源データが記録される。これにより、記録媒体224にダウンロードされた簡易演奏データは、記録媒体220に記録されるMIDI音源データを利用して実行される。そのため、カラオケ実行装置440が音楽データサーバ430からダウンロードする簡易演奏データのデータ量を抑制できる。また、記録媒体224の記録されるデータ量を抑制できる。このように、記録媒体220は、キー演奏データを提供すると共に、各種の簡易演奏データに基づく演奏を実行するために必要とされるMIDI音源データを提供する。
図18は情報端末200において実現されるカラオケ実行装置440の機能ブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的には、コンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
カラオケ実行装置440は、ユーザインタフェース処理部442、演奏実行部444、通信部446、鍵制御部448およびデータ格納部450を備える。ユーザインタフェース処理部442は、ユーザとカラオケ実行装置440との各種ユーザインタフェースに関する処理を担当する。演奏実行部444はユーザインタフェース処理部442からの指示により、選択された楽曲のカラオケ演奏を実行させる。演奏実行部444はユーザインタフェース処理部442からの指示により演奏モードを選択して、演出処理を実行する。
通信部446は、音楽データサーバ430との通信を行う。通信部446は、音楽データサーバ430から鍵情報を受信すると鍵制御部448に送る。鍵制御部448は、通信部446からの指示に基づいてキー演奏データの解錠と施錠に関する処理を担当する。鍵制御部448は、記録媒体220が格納する鍵情報と通信部446が音楽データサーバ430から受信した鍵情報を照合し、これらが一致すれば対象となるキー演奏データを解錠する。鍵制御部448は、この解錠状態に関する設定情報を解錠情報格納部456に格納する。
データ格納部450は、各種のデータを格納する。データ格納部450の機能は主として、記録媒体224や記録媒体220によって実現される。データ格納部450は、キー演奏データ格納部452、簡易演奏データ格納部454、解錠情報格納部456、カラオケシステムデータ格納部458、ID格納部460および録音データ格納部462を含む。キー演奏データ格納部452は、キー演奏データを格納する。記録媒体220に対応する。簡易演奏データ格納部454は、簡易演奏データを格納する。記録媒体224に対応する。解錠情報格納部456は、キー演奏データの解錠状態に関する情報である解錠情報を格納する。解錠情報格納部456のデータ構造については、図21に関連して後述する。解錠情報格納部456は記録媒体224に対応する。録音データ格納部462はカラオケの録音情報(以下、単に「録音情報」とよぶ)を格納する。録音データ格納部462は記録媒体224に対応する。
カラオケシステムデータ格納部458は、カラオケの演出に関する情報(以下、単に「演出情報」とよぶ)を格納する。主として記録媒体220が対応する。ここでいう演出情報とは、たとえば、コンサートホールやスタジアムなど各種のシチュエーションにおける音場に関する情報であってもよい。あるいは、カラオケの音程、テンポ、ハモリなどの演出であってもよい。また、カラオケの採点機能、歓声や拍手を含んでもよい。カラオケ実行装置440は外部から受信した演出情報を記録媒体224に格納してもよい。
ID格納部460は、情報端末200や記録媒体220を識別するためのID番号を格納する。カラオケ実行装置440は、通信部446を介して音楽データサーバ430に鍵情報や簡易演奏データを要求するときにはこれらのID番号も送信する。音楽データサーバ430は、これらのID番号に基づいて、どの情報端末200のどの記録媒体220に対して鍵情報を送信したかを管理する。また、媒体IDにより、音楽データサーバ430はカラオケ実行装置440が現在どのようなMIDI音源データを使用可能か判断する。
記録媒体220が必要なMIDI音源データを持っていなければ、カラオケ実行装置440は音楽データサーバ430からダウンロードした簡易演奏データに基づいて演奏を実行できない可能性もある。このような事態を回避するために、音楽データサーバ430はカラオケ実行装置440から受信した記録媒体220の媒体IDに基づいて、カラオケ実行装置440に対して演奏可能な簡易演奏データのリストを表示する。ユーザはこのリストからダウンロードすべき簡易演奏データを選択する。これにより、ユーザは安心して簡易演奏データをダウンロードできる。カラオケ実行装置440が、記録媒体220が持たないMIDI音源データを必要とする簡易演奏データをダウンロードする場合には、記録媒体220は、音楽データサーバ430からそのMIDI音源データをあわせてダウンロードしてもよい。このような仕組みにより、ユーザは記録媒体220が必要なMIDI音源を保有しているか否かを気にすることなく安心して簡易演奏データを音楽データサーバ430からダウンロードできる。
図19は、ユーザインタフェース処理部442を更に詳細に示す機能ブロック図である。ユーザインタフェース処理部442は、操作入力部470、表示部472、曲選択部474および音声処理部478を含む。操作入力部470は、ユーザからの操作入力を受け付ける。操作入力部470が受け付けた操作入力が外部との通信を要求するものであれば、通信部446に処理の指示する。表示部472は主としてLCD202を介して画面表示を行う。表示部472は、演奏実行部444が実行するカラオケ演奏について画像を表示する。音声処理部478は、主として210や、マイク436、ヘッドフォン432、スピーカ434を介して音声処理を行う。音声処理部478は、再生部480と録音部482を含む。再生部480は演奏実行部444が実行するカラオケ演奏について音声を再生する。録音部482は、ユーザの歌声を録音する。録音部482は、録音情報を生成し、録音データ格納部462に格納する。通信部446が受信した情報は、操作入力部470や表示部472を介してユーザに通知される。
曲選択部474は、操作入力部470が受け付けた操作入力に応じてカラオケの楽曲を選択する。曲選択部474は更に実行可否判断部476を含む。実行可否判断部476は、キー演奏データに基づく演奏の実行可否を判定する。実行可否判断部476は、解錠情報格納部456が格納する解錠情報を参照することにより、選択されたキー演奏データに基づくカラオケ演奏が正常に実行可能であるか否かを判断する。選択されたキー演奏データに基づくカラオケ演奏が、正常に実行可能に設定されていれば、実行可否判断部476は演奏実行部444にそのキーゲームの実行を指示する。選択されたキー演奏データに基づくカラオケ演奏を正常に実行可能に設定されていなければ、曲選択部474は演奏実行部444にキー演奏データに基づくカラオケ演奏のすべてを実行させないように実行制限した上での実行を指示する。
ユーザが購入した記録媒体220を情報端末200を挿入したときには、表示部472はキー演奏データ格納部452から、その記録媒体220に施錠状態で記録されているキー演奏データのタイトルを一覧表示させる。ユーザは、購入時に付与された汎用型鍵情報を用いて解錠すべきキー演奏データのタイトルを20個分、操作入力部470を介して選択する。鍵制御部448は、指定されたキー演奏データについて解錠する。
図20は、通信部446を更に詳細に示す機能ブロック図である。通信部446は、鍵情報通信部490、通信制御部492、簡易演奏データ通信部494およびサービス情報通信部496を含む。サービス情報通信部496は、ユーザインタフェース処理部442の各ブロックを統合的に制御する。サービス情報通信部496は、ユーザインタフェース処理部442からの指示に応じて、通信部446の各ブロックを制御する。
鍵情報通信部490は、鍵情報を送受する。ユーザが鍵情報を要求すると、鍵情報通信部490は音楽データサーバ430に対してその旨を送信する。このとき、鍵情報通信部490は、ID格納部460が格納する装置IDや媒体IDも送信する。鍵情報通信部490は、音楽データサーバ430から鍵情報を受信すると鍵制御部448に通知する。
簡易演奏データ通信部494は、簡易演奏データをゲームサーバ230から取得する。ユーザが簡易演奏データを要求すると、簡易演奏データ通信部494は音楽データサーバ430に対してその旨を送信する。このとき、簡易演奏データ通信部494は、ID格納部460が格納する装置IDや媒体IDも送信する。音楽データサーバ430は、これらの識別情報をもとにカラオケ実行装置440が使用可能なMIDI音源データを検出する。この使用可能なMIDI音源データをもとに、簡易演奏データ通信部494は音楽データサーバ430から演奏実行可能な簡易演奏データのリストを受信する。このリストは表示部472により画面表示される。ユーザから指示に応じて、簡易演奏データ通信部494は簡易演奏データを受信する。通信制御部492は取得した簡易演奏データを簡易演奏データ格納部454に格納する。
サービス情報通信部496は、音楽データサーバ430が提供する各種のサービス情報を受信する。ここでいうサービス情報とは、音楽データサーバ430がカラオケ実行装置440に対して提供するカラオケの楽曲に関する情報である。このサービス情報には、鍵情報や簡易演奏データのダウンロードランキング、新譜情報、あるいは、カラオケの試聴用データが含まれる。ユーザは、これらのサービス情報を取得することにより、音楽データサーバ430が提供するカラオケに関する情報を適宜取得できる。また、サービス情報通信部496は、ユーザのカラオケに対する感想を含むアンケート情報を音楽データサーバ430に送信してもよい。これにより、カラオケ演奏データを提供する側も、ユーザからの情報を適宜取得できるメリットがある。これによりカラオケ演奏データの提供者は、ユーザの嗜好やニーズを簡易に把握できる。カラオケ演奏データの提供者に対してダイレクトに意見を述べるチャネルが確保されることにより、ユーザにとっても楽曲に対する情報発信が可能となる。
図21は、解錠情報格納部456のデータ構造を示す図である。鍵ID欄500は、各キー演奏データに対応する鍵の識別番号である鍵IDを示す。鍵情報は、鍵IDを含んだ情報であってもよいが、鍵IDをそのまま鍵情報として使用してもよい。記録媒体220が記録する各キー演奏データには予め鍵IDが読出し不可能な状態で記録されている。また、音楽データサーバ430は、媒体IDに対応して、その記録媒体220に記録されているキー演奏データごとの鍵IDを保有する。鍵情報通信部490が音楽データサーバ430から鍵IDを受信したときには、鍵制御部448は、この受信した鍵IDと、鍵ID欄500に示す鍵IDを照合し、これらが一致すると解錠処理を行う。
媒体ID欄502は、媒体IDを示す。情報端末200が複数の記録媒体220とアクセス可能であるときには、この媒体IDによって記録媒体220を識別する。曲ID欄504は、キー演奏データを識別するID番号(以下、「曲ID」とよぶ)を示す。キー演奏データ格納部452が格納するキー演奏データと、解錠情報格納部456が格納する各キー演奏データの解錠情報は、この曲IDによって対応付けがなされる。曲IDは、情報端末200や記録媒体220に関わらず、曲ごとにユニークなID番号である。解錠状態欄506は、各キー演奏データの解錠状態を示す。
同図において、曲ID「01621」のキー演奏データの解錠状態は「解錠」となっている。このような場合、ユーザはこのキー演奏データに基づくカラオケ演奏を制限されることなく正常に実行できる。曲ID「38321」のキー演奏データの解錠状態は「施錠」となっている。このような場合、このキー演奏データに基づくカラオケ演奏を実行するためにはなんらかの実行制限がかかるか、もしくはまったく実行できない設定となっている。
インターネット222に接続可能な携帯電話やパーソナルコンピュータなどの情報機器から情報端末200のための鍵情報を購入することもできる。この場合、これらの情報機器は、媒体ID、曲IDおよび装置IDを音楽データサーバ430に送信して、購入を要求する。音楽データサーバ430は、対象となるキー演奏データを解錠するための鍵IDをこの情報機器に対して返信する。ユーザは、この鍵IDを手動でカラオケ実行装置440に入力する。ユーザインタフェース処理部442により受け付けられたこの鍵IDに基づいて、鍵制御部448は解錠処理を実行する。
図22は、キー演奏データに基づくカラオケ演奏を実行する過程を示すフローチャートである。ユーザは、操作入力部470を介してキー演奏データ格納部452が格納するキー演奏データのうち実行の対象となる曲を選択する(S70)。実行可否判断部476は、解錠情報格納部456の解錠情報を参照して選択したキー演奏データに基づくカラオケ演奏が実行可能か否かを判断する(S72)。解錠状態であれば(S72のY)、演奏実行部444はユーザインタフェース処理部442からの指示に応じて演出内容を決定する(S74)。演奏実行部444は、決定された演出内容に応じて、選択されたキー演奏データに基づいてカラオケ演奏を実行する(S76)。S76においては、録音部482はユーザの歌声を録音し、その録音情報を録音データ格納部462に格納してもよい。
S72において、選択されたキー演奏データが施錠状態であるときには(S72のN)、ユーザはそのキー演奏データを解錠するための鍵情報を取得するか否かを判断する(S78)。鍵情報を取得するためには、ユーザは対価を支払う必要がある。ユーザが鍵情報を購入する場合には(S78のY)、カラオケ実行装置440は音楽データサーバ430に接続する(S80)。ユーザは鍵情報の対価の支払い方法を決定する(S82)。支払い方法としては、たとえば、クレジットカード、ウェブマネー(登録商標)などのいくつかの選択肢が音楽データサーバ430により提示される。S78において、鍵情報の取得がなされない場合には(S78のN)、S80からS88までの処理はスキップされる。
音楽データサーバ430は、対象となる鍵情報をユーザが購入可能か否かを判断する(S84)。ユーザが、購入代金を用意できていない場合やその他の購入制限によって購入不可能であれば(S84のN)、S86とS88の処理はスキップされる。購入可能であれば(S84のY)、鍵情報通信部490は音楽データサーバ430から鍵情報を受信する(S86)。鍵制御部448は、記録媒体220に記録された鍵情報と受信した鍵情報を照合して、キー演奏データの解錠処理を行う(S88)。鍵制御部448は、解錠情報格納部456の解錠状態欄506に示した解錠状態を変更する。これにより、選択されたキー演奏データの解錠が完了する。
以上に示す第2の実施例によれば、一つの記録媒体220にて複数のキー演奏データを提供できる。たとえば、「1970年代のヒットソングシリーズ」のように時代を基準として分類した記録媒体220を提供してもよい。あるいは、特定の歌手の全曲集として分類した記録媒体220を提供してもよい。このように分類を工夫することにより、ユーザは記録媒体220を購入後にも、他のキー演奏データを解錠してみたいという意欲が喚起されやすくなる。録音部482が録音したユーザの歌を、再生部480はカラオケ演奏時に再生してもよい。これにより、複数の歌声を重ね合わせてカラオケ演奏を実行できる。
情報端末200は、電話や電子メールなどの通信機能を備えてもよい。カラオケ実行装置440は、通信時においてその着信を知らせるメロディー(以下、「着信時メロディー」とよぶ)として、キー演奏データや簡易演奏データに含まれる音声データから着信時メロディーとなる音声データ部分を抽出する音声抽出部を更に備えてもよい。音声抽出部は抽出した音声データを着信時メロディーとして設定する。キー演奏データや簡易演奏データには、あらかじめ着信時メロディーとして使用可能な音声データをあわせて記録し、音声抽出部はこの記録された音声データを着信時メロディーとして設定してもよい。一つの楽曲に対して、複数の着信時メロディーが用意されてもよい。
この抽出された音声データを加工する音声加工部を更に備えてもよい。音声加工部は、抽出された音声データの音程やテンポなどを変更できてもよい。音声抽出部は、録音部482により録音されたユーザの歌声の音声データから、着信時メロディーに設定するための音声データを抽出してもよい。なお、音声抽出部は、記録媒体220に格納される音声データや、ゲームサーバ230や音楽データサーバ430より受信する音声データなどの各種の音声データから、着信時メロディーとなる音声データ部分を抽出してもよい。
カラオケ実行装置440は、更に、キー演奏データや簡易演奏データに含まれる画像データから、着信の待ち受け画面となる画像データ部分を抽出する画像抽出部を備えてもよい。キー演奏データや簡易演奏データには、あらかじめ待ち受け画面として使用可能な画像データをあわせて記録し、画像抽出部はこの記録された画像データを待ち受け画面として設定してもよい。また、この抽出された画像データを加工する画像加工部を更に備えてもよい。画像加工部は、抽出された画像データの色調や明るさなどを変更できてもよい。なお、画像抽出部は、記録媒体220に格納される画像データや、ゲームサーバ230や音楽データサーバ430より受信する画像データなどの各種の画像データから、待ち受け画面となる画像データ部分を抽出してもよい。
第3の実施例:
第3の実施例として、情報端末200にて電子マネーを出納する態様を示す。
図23は、この第3の実施例において情報端末200が外部装置と接続するためのインタフェースを説明するための図である。電子マネーカード514は、電子マネーを記録するカードである。電子マネーカード514を電子マネー仲介装置512に挿入することにより、情報端末200は電子マネーカード514に記録される電子マネーにアクセスする。情報端末200は、電子マネー仲介装置512とUSBなどのインタフェースによって接続される。情報端末200は電子マネー仲介装置512の機能そのものを備えてもよい。電子マネーカード514を電子マネー入金装置516に挿入し、電子マネー入金装置516に対して入金すると、電子マネーカード514に記録される電子マネーが増加する。電子マネー入金装置516は、たとえば、コンビニエンスストアなどに設置される。
情報端末200は、通信ユニット110を介してインターネット222に接続する。情報端末200は、IEEE802.11などの無線LAN(Local Area Network)の規格に則ってインターネット222に接続する。情報端末200は、同じくインターネット222に接続された電子決済サーバ510に対して、電子マネー仲介装置512に挿入された電子マネーカード514に記録される電子マネーを送金する。第1の実施例や第2の実施例に示したゲームサーバ230や音楽データサーバ430が電子決済サーバ510の機能を有してもよい。この場合、電子決済サーバ510はゲームサーバ230や音楽データサーバ430の電子マネー決済機能を抽出した装置であるといえる。セキュリティを確保するため、電子決済サーバ510と情報端末200は電子マネー情報を暗号化して送受する。本実施例における電子マネー決済端末520は、主として情報端末200および電子マネー仲介装置512により実現される。
図24は情報端末200において実現される電子マネー決済端末520の機能ブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的には、コンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
電子マネー決済端末520は、ユーザインタフェース処理部530、通信部532、電子マネー管理部534および電子マネー取得部538を備える。ユーザインタフェース処理部530は、ユーザと電子マネー決済端末520との各種ユーザインタフェースに関する処理を担当する。電子マネー取得部538は、電子マネーカード514が記録する電子マネーにアクセスする。電子マネー取得部538の機能は主として電子マネー仲介装置512により実現される。
電子マネー管理部534は、電子マネー決済端末520の各ブロックをユーザインタフェース処理部530からの指示により統合的に制御する。通信部532は、電子決済サーバ510との通信を行う。ユーザはユーザインタフェース処理部530を介して電子決済サーバ510への電子マネー送金を指示する。電子マネー管理部534は、電子マネー取得部538が電子マネーカード514から読み出した電子マネーのうち、指示された金額を送信するよう通信部532に指示する。また、電子マネー取得部538は、その送金分の電子マネーの額を電子マネーカード514から減算する。通信部532は、指定の電子決済サーバ510へその電子マネーを送金する。電子決済サーバ510は、入金を確認することにより、第1の実施例や第2の実施例で示したような各種のサービスの提供を可能とする。また、通信部532は、電子決済サーバ510から電子マネーを取得できてもよい。
以上に示す第3の実施例によれば、ユーザは情報端末200により電子決済サーバ510への送金が簡単にできる。各種の情報コンテンツをサーバが配信するビジネスの場合、送金手続きの煩雑さが問題となることが多い。第3の実施例に示した方法によれば、ユーザは電子マネーカード514により情報端末200にて送金処理を実行できる。クレジットカードを持てない未成年ユーザや、ネットワークを通してのカード決済に不安があるユーザにとって、これによりオンライン決済に対する不安感が軽減される効果がある。
決済時において、電子決済サーバ510から各種のサービス情報を受信できてもよい。たとえば、第1の実施例に示したゲームサーバ230は、ユーザが鍵情報やリブゲームを購入した際に、関連するゲームのソフトウェアに関する情報を送信してもよい。第2の実施例に示した音楽データサーバ430は、ユーザが鍵情報や簡易演奏データを購入した際に、関連する楽曲についての情報を送信してもよい。更に、ユーザの購入履歴によってゲームサーバ230や音楽データサーバ430が提供する情報の内容を変更してもよい。これにより、ユーザが更に購入する確率が高いコンテンツについての情報を効果的に提供できる。
電子マネーカード514は、更にユーザの生年月日を記録してもよい。決済に際し、情報端末200は電子決済サーバ510に対してこの生年月日についての情報を送信する。これにより、ゲームサーバ230や音楽データサーバ430は年齢制限のかかったコンテンツを、制限すべき年齢層のユーザに販売しないよう制御できる。図11のS26、図12のS62、図22のS84において、この生年月日に基づき購入可否の判断がなされる。
電子マネー決済端末520は更に、ユーザの購入履歴を記録する購入履歴記録部を備えてもよい。これにより、情報端末200においてユーザはいつ、何をいくらで購入したかを簡単に把握できるため、ユーザが電子マネー決済端末520を使用する上での安心感が高まる。また、ソフトウェアの提供者にとっても、どのようなソフトウェアが人気が高いかを容易に判断できる効果がある。
電子マネー決済端末520は、このほかにも、宝くじや整理券、切符の予約や購入などの様々なペーパーレス決済に応用可能である。たとえば、時間を区切ってチケットを販売するときに、その時間内に購入申し込みをしたユーザの中から抽選を実行して、購入者を決定してもよい。先着順でチケット販売をする場合には、ユーザは行列に並ばなければならなかったり、電話回線がパンクしたりと様々な弊害があった。しかし、この方法によれば、チケットの購入希望者に対して機会を均等化できる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
200 情報端末、220 記録媒体、224 記録媒体、230 ゲームサーバ、260 ゲーム実行装置、270 ユーザインタフェース処理部、290 ゲーム実行部、300 通信部、320 鍵制御部、322 データ格納部、324 キーゲームデータ格納部、326 リブゲームデータ格納部、328 解錠情報格納部、330 ライブラリデータ格納部、332 ID格納部、348 実行可否判定部、362 鍵情報通信部、364 リブゲーム通信部、370 探索通信部、430 音楽データサーバ、440 カラオケ実行装置、442 ユーザインタフェース処理部、444 演奏実行部、446 通信部、448 鍵制御部、450 データ格納部、452 キー演奏データ格納部、454 簡易演奏データ格納部、456 解錠情報格納部、460 ID格納部、476 実行可否判断部、490 鍵情報通信部、494 簡易演奏データ通信部、510 電子決済サーバ、512 電子マネー仲介装置、514 電子マネーカード、516 電子マネー入金装置、520 電子マネー決済端末、530 ユーザインタフェース処理部、532 通信部、534 電子マネー管理部、538 電子マネー取得部。