以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
以下に,本発明の第1の実施形態にかかるコンテンツ配信システム,コンテンツ配信方法,再生端末の処理方法,サーバ装置の処理方法,再生端末,サーバ装置およびプログラムについて詳細に説明する。
<概要>
まず,図1に基づいて,本実施形態にかかるコンテンツ配信システムの概要について説明する。なお,図1は,本実施形態にかかるコンテンツ配信システム1の概要を示す概念図である。
図1に示すように,本実施形態にかかるコンテンツ配信システム1は,各コンテンツ配信事業者(レーベルメーカ等)によって運営管理されるコンテンツ提供サーバ60から,購入端末10を用いて購入(無償での取得も含む。)されたコンテンツ(以下「購入コンテンツ」という。)を,当該コンテンツ提供サーバ60から,ユーザ所有の再生端末20にネットワーク配信して再生させるためのシステムである。
このコンテンツ配信システム1では,コンテンツ管理サーバ40が,ユーザ所有のICカード3に1:1対応する記憶領域であるフォルダ52を,ネットワーク上のコンテンツ管理データベース50内に作成し,複数の購入コンテンツのネットワーク上でのアドレス(以下「コンテンツアドレス」という。)等を含む購入コンテンツ情報を,上記ICカード3に対応するフォルダ52単位で管理する。そして,ユーザがICカード3を再生端末20に読み込ませると,当該ICカード3に対応するフォルダ52内に記憶されている購入コンテンツ情報に基づき,当該ICカード3に関連づけて購入されたコンテンツのリストである購入コンテンツリストが表示される。さらに,この購入コンテンツリストの中からユーザが再生を所望するコンテンツを選択すると,再生端末20は,コンテンツデータベース70内の対応するコンテンツアドレスにアクセスして,コンテンツ提供サーバ60から当該コンテンツの配信を受けて再生することができる。
より具体的に説明すると,上記コンテンツ配信システム1では,ネットワークコンテンツを購買するユーザに対して,1又2以上のICカード3を例えば販売,無料配布等して所有させる。このICカード3には,購入端末10及び再生端末20が具備するリーダ/ライタ7で読み出し可能な記憶領域に,ICカード3単位で固有に付与されるカードIDが記録されている。このICカード3は,携帯型の記憶媒体の一例であり,また,上記カードIDは,ユニークIDの一例である。ユニークID(カードID)は,携帯型の記憶媒体(ICカード3)単位で固有に付与される数字,番号などの識別子である。
なお,以下の説明では,携帯型の記憶媒体の一例として,リーダ/ライタ7を用いて非接触方式で読み書き可能な非接触型ICカード3の例を挙げて説明するが,本発明はかかる例に限定されない。携帯型の記憶媒体は,当該記憶媒体に固有のユニークIDを記憶可能な媒体であれば,例えば,接触方式で読み書き可能な各種のカード(ICカード,磁気カード等)や,光ディスク(例えば,DVD−R,DVD−RW,DVD−RAM,CD−R,CD−RW,光磁気ディスク等),磁気ディスク(フレキシブルディスク,ハードディスク等),半導体メモリ等の各種のリムーバブル記憶媒体であってもよいし,或いは,携帯電話等の携帯端末または時計などの装置に内蔵された記憶媒体,販売促進用の人形等のグッズ,アクセサリなどに装着された記憶媒体など,任意の記憶媒体で構成することも可能である。
ユーザは,購入端末10を利用してネットワークコンテンツを購入する際に,上記ICカード3を購入端末10のリーダ/ライタ7に対してかざす。すると,購入端末10は,ICカード3からカードIDを読み出してコンテンツ管理サーバ40に送信する。コンテンツ管理サーバ40は,上記購入端末10から受信したカードIDが新規なものである場合,コンテンツ管理データベース50内に,当該カードIDに1:1対応(即ち,ICカード3に1:1対応)するフォルダ52を生成する。ここでいうフォルダ52は,コンテンツ管理データベース50の記憶領域を区分した個々の記憶領域である。かかるフォルダ52をICカード3単位で生成することによって,購入コンテンツ情報をICカード3単位で区分して管理できるようになる。
さらに,コンテンツ管理サーバ40は,購入端末10とコンテンツ提供サーバ60との間でコンテンツの購入処理がなされると,当該購入コンテンツに関するコンテンツアドレス等を含む購入コンテンツ情報を,購入時に使用されたICカード3に対応するフォルダ52に記憶する。これにより,コンテンツ管理サーバ40は,1又は2以上のICカード3を所有するユーザが購入した購入コンテンツを,各ICカード3ごとにグループ化して管理でき,さらに,各ICカード3に関連づけられている購入コンテンツ情報をそれぞれ提示できるようになる。
一方,再生端末20を利用してネットワークコンテンツを再生する際には,ユーザは,自身の所有するICカード3のうちの1つを,再生端末20のリーダ/ライタ7に対してかざす。すると,再生端末20は,当該ICカード3からカードIDを読み出してコンテンツ管理サーバ40に送信する。コンテンツ管理サーバ40は,上記再生端末20から受信したカードIDに対応するフォルダ52を検索して,当該カードIDに関連づけられている購入コンテンツ情報を再生端末20に送信して購入コンテンツリストとして表示させる。さらに,ユーザによって,表示された購入コンテンツリストの中から,再生を所望する任意のコンテンツが選択されると,再生端末20は,当該再生対象のコンテンツのコンテンツアドレスにアクセスして,コンテンツ提供サーバ60から当該再生対象のコンテンツの配信を受けて再生する。
さらに,上記コンテンツに対するアクセス権限情報(再生権限情報)が,アクセス権限管理サーバ(図示せず。)により,上記カードIDごとに管理されており,再生端末20によりコンテンツに対してアクセスがあったとき,データベースに記憶されたアクセス権限情報を評価して,当該コンテンツへのアクセス制限(再生制限)がカードID単位で実行される。
以上のようなコンテンツ配信システム1により,ユーザは,ネットワークコンテンツを利用するために,ユーザIDやパスワードを管理・入力する必要がなく,ネットワークコンテンツを容易かつ迅速に購入及び再生できる。また,ジャンルやアーティストなどのコンテンツ属性やユーザの嗜好などに応じた複数のICカード3を使用して,各ICカード3にコンテンツを関連づけることで,ユーザは,自身の所有する膨大な数のコンテンツを容易に管理することができる。
なお,コンテンツは,例えば,音楽,講演,ラジオ番組等の音声(Audio)コンテンツや,映画,テレビジョン番組,ビデオプログラム,写真,絵画,図表等を構成する静止画若しくは動画からなる映像(Video)コンテンツ,電子図書(E−book),ゲーム,ソフトウェアなど,任意の種類のコンテンツであってよい。以下では,コンテンツとして,主に,コンテンツ提供サーバ60から配信された音楽コンテンツ,映画コンテンツ,ゲームコンテンツの例を挙げて説明するが,本発明のコンテンツはかかる例に限定されるものではない。
<システム構成>
次に,図2に基づいて,本実施形態にかかるコンテンツ配信システム1の全体構成について説明する。なお,図2は本実施形態にかかるコンテンツ配信システム1の全体構成を概略的に示すブロック図である。
図2に示すように,本実施形態にかかるコンテンツ配信システム1は,例えば,コンテンツを購入するための1又は2以上の購入端末10と,コンテンツを再生するための1又は2以上の再生端末20と,コンテンツを購入及び再生するための1又は2以上の購入・再生端末30と,コンテンツ管理データベース50を用いて複数のコンテンツを管理するコンテンツ管理サーバ40と,コンテンツデータベース70に保存されている複数のコンテンツを配信する複数のコンテンツ提供サーバ60と,アクセス権限データベース90を用いて,コンテンツのアクセス権限を管理するアクセス権限管理サーバ80と,これらの装置を相互に接続するネットワーク5と,から構成される。なお,本実施形態にかかるサーバ装置は,上記コンテンツ管理サーバ40,コンテンツ提供サーバ60及びアクセス権限管理サーバ80から構成されている。
まず,購入端末10について説明する。購入端末10は,コンテンツ提供サーバ60によって提供されるコンテンツを,ネットワーク5を介して購入するための端末装置である。この購入端末10は,例えば,ネットワーク通信機能を有するキオスク端末や,コンテンツ用の自動販売機(音楽CDショップ等に設置される視聴機の機能を拡張した装置)などの購入専用端末で構成することができる。この購入専用端末は,音楽CD,映画DVD,ゲームソフトウェア等の販売店や,レンタルビデオ/CD/DVD店,コンビニエンスストア等の各種の店舗や,パブリックスペースなどに設置され,かかる店舗等に来訪した不特定多数のユーザによって操作される。
また,この購入端末10は,後述するように,ユーザ個人が所有するユーザ端末,例えば,パーソナルコンピュータ(Presonal Computer;PC)等のコンピュータ装置や,携帯型オーディオ/ビデオプレーヤ,PDA(Personal Digital Assistant),携帯電話,携帯型ゲーム機器等の携帯端末(Portable Device;PD),或いは,テレビジョン受像器,DVD/HDD等のレコーダ/プレーヤ等の記録再生機器,カーオーディオ機器,ホームオーディオ機器,家庭用ゲーム機器等の各種情報家電などで構成することもできる。
この購入端末10は,ネットワーク通信機能を有しており,コンテンツ管理サーバ40及びコンテンツ提供サーバ60との間で,ネットワーク5を介して各種情報を送受信することができる。また,購入端末10は,携帯型の記憶媒体,例えば上記ICカード3に対してデータを読み書きするリーダ/ライタ7を備えている。これにより,購入端末10は,ICカード3に記憶されたカードIDを読み出して,コンテンツ提供サーバ60やコンテンツ管理サーバ40に送信することができる。また,購入端末10は,上記電子マネー機能付きのICカード3に対して,電子マネー情報を読み書きして,コンテンツの購入に伴う決済処理を行うことができる。
かかる購入端末10は,各コンテンツ提供サーバ60から,当該コンテンツ提供サーバ60が提供可能なコンテンツのリストである提供コンテンツリストを取得し,表示することができる。さらに,購入端末10は,上記表示された提供コンテンツリストの中から,ユーザ入力に基づき購入対象のコンテンツを選択して,コンテンツ提供サーバ60との間で購入処理を実行することができる。また,購入端末10は,ICカード3に記憶されたカードIDを読み出してコンテンツ管理サーバ40に送信することにより,コンテンツ管理サーバ40から,当該ICカード3に対応する購入コンテンツ情報を取得して,購入コンテンツリストとして表示することができる。さらに,購入端末10は,コンテンツ管理サーバ40又はコンテンツ提供サーバ60から要求があったとき,ICカード3から読み出したカードIDを通知することができる。
また,購入端末10は,コンテンツの購入処理時において,上記電子マネー機能付きのICカード3に対してデータを読み書きすることで,当該電子マネー機能付きのICカード3を用いて,コンテンツの購入代金を決済する機能を有する。なお,購入端末10は,例えば,現金やクレジットカードなどを利用して,コンテンツ購入代金を決済する機能を有するようにしてもよい。
次に,再生端末20について説明する。再生端末20は,コンテンツ提供サーバ60からネットワーク5を介して提供されたコンテンツを再生するための端末装置である。この再生端末20は,例えば,ユーザ個人が所有する再生専用端末または記録再生端末,例えば,パーソナルコンピュータ(PC)等のコンピュータ装置(ノート型,デスクトップ型を問わない。)や,携帯型オーディオ/ビデオプレーヤ,PDA,携帯電話,携帯型ゲーム機器等の携帯端末(PD),或いは,テレビジョン受像器,DVD/HDD等対応のレコーダ/プレーヤ等の記録再生機器,カーオーディオ機器,ホームオーディオ機器,家庭用ゲーム機器等の各種情報家電などで構成される。
また,再生端末20は,インターネットカフェ等の各種店舗,病院,学校などの施設や,航空機,列車等の交通手段などに設けられた,不特定多数のユーザが使用可能な再生端末で構成することもできる。また,再生端末20は,単一の装置のみならず,複数の装置を組み合わせて構成されてもよい。例えば,ネットワーク通信機能を有する通信装置とコンテンツを再生する再生装置とを相互接続して構成された装置(例えば,通信機能付きHDDレコーダとオーディオプレーヤとの組み合わせ,ホームネットワークサーバと携帯型プレーヤとの組み合わせ,カーナビゲーション機器とカーオーディオ機器との組み合わせなど)も再生端末20に含まれる。
この再生端末20は,ネットワーク通信機能を有しており,コンテンツ管理サーバ40及びコンテンツ提供サーバ60との間で,ネットワーク5を介して各種情報を送受信することができる。また,この再生端末20は,例えば,コンテンツ配信サービス用ソフトウェアなどの各種ソフトウェアをインストール可能である。これにより,再生端末20は,コンテンツ提供サーバ60からコンテンツの配信を受けることができ,ダウンロード形式で配信される場合には,配信コンテンツを記録媒体に記録することができる。
また,再生端末20は,携帯型の記憶媒体,例えば上記ICカード3に対してデータを読み書きするリーダ/ライタ7を備えている。これにより,再生端末20は,ICカード3に記憶されたカードIDを読み出して,コンテンツ提供サーバ60やコンテンツ管理サーバ40に送信することができる。また,購入端末10は,上記電子マネー機能付きのICカード3に対して,電子マネー情報を読み書きして,後述するコンテンツの継続購入に伴う決済処理を行うことができる。
かかる再生端末20は,ICカード3に記憶されたカードIDを読み出してコンテンツ管理サーバ40に送信することにより,コンテンツ管理サーバ40から,当該ICカード3に対応するフォルダ52に記憶されている購入コンテンツ情報を取得して,当該購入コンテンツ情報に基づいて生成された購入コンテンツリストを表示することができる。この購入コンテンツリストは,例えば,上記購入コンテンツ情報のうち,少なくともコンテンツ識別情報及びコンテンツアドレスを含む一部又は全部の情報で構成される。この購入コンテンツリストの表示により,再生端末20は,ユーザに対して,当該ICカード3に関連づけて購入されたコンテンツの一覧を閲覧させることができる・また,再生端末20は,上記表示された購入コンテンツリストの中から,ユーザ入力に基づき再生対象のコンテンツを選択する。さらに,再生端末20は,上記取得した購入コンテンツ情報に含まれるコンテンツアドレスに従い,当該再生対象のコンテンツを保存しているコンテンツ提供サーバ60のコンテンツデータベース70にアクセスし,当該再生対象のコンテンツの配信要求をすることができる。この結果,アクセス権限管理サーバ80によって,当該カードIDに関し当該再生対象のコンテンツのアクセス権限(つまり,再生権限)があると確認された場合,コンテンツ提供サーバ60から当該再生対象のコンテンツが,ダウンロード形式/ストリーミング形式で配信される。これにより,再生端末20は,コンテンツ提供サーバ60から配信された再生対象のコンテンツを再生することができる。
さらに,再生端末20は,コンテンツ管理サーバ40又はコンテンツ提供サーバ60から要求があったとき,ICカード3から読み出したカードIDを通知することができる。また,ICカードライタ機能を有する再生端末20は,アクセス権限が切れているコンテンツの継続購入処理を行うことも可能である。つまり,再生端末20は,コンテンツの継続購入処理時において,上記電子マネー機能付きのICカード3に対して電子マネー情報を読み書きすることで,当該電子マネー機能付きのICカード3を用いてコンテンツの継続購入代金を決済することができる。なお,この継続購入処理では,再生端末20は,例えば,クレジットカードなどを利用して,コンテンツの継続購入代金の決済処理を実行してもよい。また,インターネットカフェなどの管理できるエリアに設置される再生端末20では,現金によってコンテンツの継続購入代金の決済処理を実行できるようにすることも可能である。
購入・再生端末30は,上記購入端末10及び再生端末20の双方の機能を有する端末であり,例えば,パーソナルコンピュータ等のコンピュータ装置,携帯電話等の携帯端末などで構成される。かかる購入・再生端末30は,上記のようなコンテンツの購入処理と,再生処理の双方を実行可能である。なお,以下では,説明の便宜上,購入端末10と再生端末20の機能構成についてそれぞれ詳細に説明するが,当該説明は,双方の機能を兼備する購入・再生端末30にも該当するものである。
また,リーダ/ライタ7は,上記のような購入端末10,再生端末20及び購入・再生端末30にそれぞれ設けられている。このリーダ/ライタ7は,ICカード3に対して例えば非接触方式で各種情報(カードID,電子マネー情報等)を読み書き可能な装置である。かかるリーダ/ライタ7は,ICカード3に記憶されたカードIDを読み出す機能を有し,本実施形態におけるリーダ部として構成されている。このリーダ/ライタ7は,各端末10,20,30に内蔵されてもよいし,或いは,USB(Univarsal Serial Bus)ケーブル等の有線ケーブル,若しくは無線通信などを用いて,各端末10,20,30に外付けされてもよい。
次に,サーバ装置について説明する。本実施形態にかかるサーバ装置は,例えば,図2に示すように,コンテンツ管理サーバ40と,コンテンツ提供サーバ60と,アクセス権限管理サーバ80とから構成される。
このうち,コンテンツ提供サーバ60及びアクセス権限管理サーバ80は,例えば,コンテンツ配信サービスごと(コンテンツ配信サービスを運営する事業者(コンテンツメーカ)ごと)或いは,配信されるコンテンツの種類ごとに,複数組設置される。図2には,コンテンツ配信サービスAとコンテンツ配信サービスBに対応する二組のコンテンツ提供サーバ60及びアクセス権限管理サーバ80が設置された例が示されている。一方,コンテンツ管理サーバ40は,例えば,上記複数組のコンテンツ提供サーバ60及びアクセス権限管理サーバ80に対応して例えば1つだけ設置されるが,かかる例に限定されず,上記サービス等に応じて複数のコンテンツ管理サーバ40が設置されてもよい。
コンテンツ管理サーバ40は,コンテンツ管理データベース50を利用して,上記購入端末10によって購入された複数の購入コンテンツを,ICカード3単位で管理する。具体的には,コンテンツ管理サーバ40は,購入端末10から新規のカードIDを受信すると,受信した新規のカードIDに1対1対応するフォルダ52をコンテンツ管理データベース50内に生成する。このため,例えば3つのICカードA〜Cにそれぞれ対応する3つのフォルダ52がそれぞれ生成される。さらに,コンテンツ管理サーバ40は,購入端末10とコンテンツ提供サーバ60との間でコンテンツが購入されると,購入コンテンツに関する購入コンテンツ情報(購入コンテンツのコンテンツID及びコンテンツアドレス等を含む。図7(a)参照)を,購入端末10から受信したカードIDに対応するフォルダ52に保存する。これによって,コンテンツ管理サーバ40は,各購入端末10によって購入された複数の購入コンテンツを,購入時に使用されたICカード3に関連づけて,ICカード3単位(即ち,カードID単位)でグループ化して管理できる。ただし,コンテンツ管理データベース50には,購入コンテンツのコンテンツデータ自体は保存されず,購入コンテンツに関する購入コンテンツ情報(コンテンツアドレス,コンテンツ識別情報(コンテンツID,コンテンツ名称等),コンテンツ属性情報(コンテンツのタイプ,ジャンル,歌手名等)などを含む。)が保存されるのみである。
さらに,コンテンツ管理サーバ40は,購入端末10からカードIDの指定と共に購入コンテンツ情報の要求があった際に,コンテンツ管理データベース50から,指定されたカードIDに対応するフォルダ52内に保存されている購入コンテンツ情報を,購入端末10に転送する。また,コンテンツ管理サーバ40は,コンテンツ提供サーバ60から,各フォルダ52内の購入コンテンツ情報の更新要求を受けた際には,コンテンツ管理データベース50の該当データを更新する。
コンテンツ管理データベース50は,上記購入コンテンツに関する購入コンテンツ情報(図7(a)参照)を,上記カードIDに1:1対応するフォルダに区分して記憶している。このコンテンツ管理データベース50は,コンテンツ管理サーバ40からカードIDの指定とともに検索要求を受けたときに,指定されたカードIDに対応する購入コンテンツ情報を提供できるようになっている。また,コンテンツ管理データベース50は,コンテンツ管理サーバ40からの更新要求に応じて,購入コンテンツ情報を更新して記憶できるようになっている。
コンテンツ提供サーバ60は,購入端末10との間でコンテンツの購入処理を行い,コンテンツデータベース70に保存されている複数のコンテンツを,ネットワーク5を介して再生端末20に配信する。また,アクセス権限管理サーバ80は,アクセス権限データベース90を利用して,再生端末20による購入コンテンツに対するアクセス権限(即ち,再生端末20によるコンテンツの再生権限)を表すアクセス権限情報を含むアクセス情報(図7(b)参照)を,カードID単位で管理している。これらのコンテンツ提供サーバ60及びアクセス権限管理サーバ80は,コンテンツ配信サービス,例えば,電子音楽配信(EMD;Electronic Music Distribution)サービスを提供する事業者によって運営・管理される。
コンテンツ提供サーバ60及びアクセス権限管理サーバ80は,上記コンテンツ配信サービスを提供するためのサーバ装置であり,ユーザが所有する再生端末20からの配信要求に応じて,当該再生端末20にネットワーク5を介してコンテンツを配信する。
より詳細には,コンテンツ提供サーバ60は,購入端末10からコンテンツリスト要求があった際に,当該コンテンツ提供サーバ60が提供可能なコンテンツを表す提供コンテンツリストを送信し,購入端末10との間でコンテンツ購入処理を実行する。また,コンテンツ提供サーバ60は,コンテンツが購入された際には,コンテンツ管理サーバ40に対して,当該購入コンテンツに関する購入コンテンツ情報をコンテンツ管理データベース50に書き込むよう要求するとともに,アクセス権限管理サーバ80に対して,当該購入コンテンツに関するアクセス権限情報を,アクセス権限データベース90に書き込むよう要求する。
また,コンテンツ提供サーバ60は,再生端末20から,カードIDの指定とともに購入コンテンツの配信要求を受けた際に,アクセス権限管理サーバ80に指示して,配信要求を受けた購入コンテンツに関しカードIDに対応するアクセス権限情報を評価させ,アクセス制限を制御する。
この結果,正当なアクセス権限を有する場合には,コンテンツ提供サーバ60は,アクセスを許可し,当該配信要求を受けた購入コンテンツを,ダウンロード形式/ストリーミング形式で再生端末20に配信する。この際,コンテンツ提供サーバ60は,配信対象が例えば音楽コンテンツである場合,当該音楽コンテンツを例えばATRAC3(Advanced Transform Acoustic Coding)方式またはMP3(MPEG Audio Layer−3)方式などの圧縮符号化方式で圧縮符号化して,再生端末20に配信する。これにより,データの伝送効率を向上できる。
一方,アクセス権限がない場合や失効している場合には,コンテンツ提供サーバ60は,アクセスを禁止して,当該配信要求を受けた購入コンテンツを配信しない。この際,コンテンツ提供サーバ60は,アクセス権限が失効した状態のコンテンツの配信要求を受けた場合には,当該コンテンツの継続購入処理を再生端末20との間で実施することもできる。
また,ネットワーク5は,上記各端末10,20,30およびサーバ装置40,60,80を,双方向通信可能に接続する通信回線網である。このネットワーク5は,例えば,インターネット,電話回線網,衛星通信網等の公衆回線網や,WAN,LAN,IP−VPN等の専用回線網などで構成されており,有線/無線を問わない。また,このネットワーク5は,私的ネットワークを含むものである。かかる私的ネットワークの具体例としては,例えば,同一のユーザによって使用される複数の端末10,20,30を接続するネットワークや,同一の家庭内で使用される複数の端末10,20,30を接続するホームネットワーク,小規模の限られたグループ(会社,友人等)内で使用される複数の端末10,20,30を接続するLANなどが挙げられる。
以上のような各装置からなるコンテンツ配信システム1では,複数のコンテンツ提供サーバ60から提供される多種多様で膨大な数のコンテンツを,ICカード3単位で分類して管理できる。以下にその手順の概略について説明する。
まず,コンテンツの取得方法(購入,無償の取得等)について説明する。ユーザは,上記カードIDが記憶されたICカード3を,例えば購入するなどして予め取得しておく。コンテンツを購入する際には,購入端末10は,コンテンツ提供サーバ60から受信した提供コンテンツリストを表示し,この提供コンテンツリストの中から,ユーザ入力に基づき1又は2以上の購入対象のコンテンツを選択して,コンテンツ提供サーバ60との間で購入処理を行う。この購入処理時の決済手段は,ユーザによって選択可能であり,例えば,上記電子マネー付きのICカード3を利用して決済しても良いし,クレジットカードや現金を利用して決済してもよい。
かかる購入時には,ユーザは,購入コンテンツの登録先を指定するために,購入端末10に対して,自身の所有するいずれかのICカード3を読み込ませる。これにより,購入コンテンツが当該ICカード3に関連づけて登録される。つまり,コンテンツ管理サーバ40によって,コンテンツ管理データベース50内の当該ICカード3に対応するフォルダ52内に,上記購入コンテンツに関する購入コンテンツ情報が記憶され,さらに,アクセス権限管理サーバ80によって,アクセス権限データベース90内に,上記購入コンテンツのアクセス権限情報が当該ICカード3に関連づけて記憶される。かかる購入処理において,複数のICカード3にそれぞれ異なるコンテンツを登録することで,複数の購入コンテンツをICカード3ごとに分類して管理できる。
また,このようにコンテンツを個々に購入するのではなく,例えば,コンテンツ配信サービスの事業者が,1又は2以上のコンテンツが予め登録され当該コンテンツに対するアクセス権限が与えられたICカード3を,ユーザに対して販売してもよい。これにより,ユーザは,音楽CDや映画DVDを購入する場合と同様な感覚で,ICカード3に登録された1又は2以上のコンテンツを購入することができる。
また,コンテンツが予め登録され当該コンテンツに対するアクセス権限が与えられたICカード3を,ユーザに対して無償で配布したり,或いは,音楽CD等といった主商品の付随品として提供したりしてもよい。これにより,例えば,新規リリースされたコンテンツの販売促進などを目的として,ユーザに対して,当該コンテンツやコンテンツ配信サービスの存在を広告宣伝することができる。
なお,上記のように,販売若しくは無償配布される携帯型の記憶媒体としては,上記ICカード3の例に限られず,例えば,人形,雑誌,チラシ,ポスター,アクセサリ,衣類,グッズ,携帯型ティッシュペーパーなどに対して,固有のユニークIDを記憶する記憶媒体が付加されものであってもよい。
以上のようにして取得したコンテンツを再生する場合,まず,ユーザは,再生端末20に対して,自身の所有するICカード3のうち1のICカード3を読み込ませる。これにより,再生端末20からコンテンツ管理サーバ40に当該ICカード3のカードIDが送信され,この応答として,コンテンツ管理サーバ40から再生端末20に,当該ICカード3に関して登録された購入コンテンツ(無償で取得したコンテンツも含む。)に関する購入コンテンツ情報が送信され,再生端末20に購入コンテンツリストとして表示される。ユーザが,この購入コンテンツリストの中から再生を所望する1又は2以上の再生対象のコンテンツを選択すると,再生端末20は,コンテンツデータベース70内における当該再生対象のコンテンツのアドレスにアクセスして,当該再生対象のコンテンツの配信要求をコンテンツ提供サーバ60に対して行う。これに対し,コンテンツ提供サーバ60は,アクセス権限管理サーバ80に依頼して,アクセス権限データベース90に保存されている上記ICカード3に対応する当該再生対象のコンテンツのアクセス権限を確認させる。この結果,アクセス権限がある場合には,コンテンツ提供サーバ60は,再生端末20に対して,再生対象のコンテンツを配信し,再生端末20は当該配信されたコンテンツを再生して出力し,ユーザに視聴させる。
このように再生処理することで,ユーザは,自身の所有する複数のコンテンツが分類されて登録された複数のICカード3中から,1つのICカード3を選択し,当該選択されたICカード3に登録されている購入コンテンツの再生を指示することができる。よって,ICカード3単位で分類,管理された複数の購入コンテンツの中から,再生を所望するコンテンツを容易に選択して再生指示することができるので,ユーザの利便性が向上する。
以上,本実施形態にかかるコンテンツ配信システム1の全体構成について説明した。なお,図2においては,コンテンツ管理サーバ40とコンテンツ管理データベース50,コンテンツ提供サーバ60とコンテンツデータベース70,並びにアクセス権限管理サーバ80とアクセス権限データベース90とが,それぞれ直列に接続されているように図示されているが,本発明はかかる例に限定されず,それぞれがネットワーク5上に並列に接続されていてもよい。また,コンテンツ管理サーバ40,コンテンツ管理データベース50,コンテンツ提供サーバ60,コンテンツデータベース70,アクセス権限管理サーバ80およびアクセス権限データベース90は,これらの一部又は全部が,同一のコンピュータ(サーバ装置)上で実現されてもよい。また,購入端末10と再生端末20とは,同一の端末上で実現されて上記購入・再生端末30として構成されてもよい。
<リーダ/ライタとICカードの構成>
次に,図3に基づいて,本実施形態にかかるリーダ/ライタ7とICカード3の回路構成について説明する。なお,図3は,本実施形態にかかるリーダ/ライタ7とICカード3の回路構成を示すブロック図である。
まず,リーダ/ライタ7の構成について説明する。図3に示すように,リーダ/ライタ7は,制御部71と,変調回路72と,復調回路73と,発信器74と,メモリ部75と,アンテナ76とを備える。
制御部71は,例えば,各種のプロセッサと,ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)等のメモリとを備えたICで構成される。この制御部71は,フラッシュメモリ等で構成されたメモリ部75を利用して,リーダ/ライタ7内の各部を制御する。また,制御部71は,ICカード3に送信するデータを処理(例えば,BPSK(BiPhase Shift Keying)変調処理など)して,変調回路73に出力する。さらに,制御部71は,ICカード3から送信されたデータを復調回路72から受け取って処理する。また,制御部71は,上記購入端末10,再生端末20等との通信処理を行う。さらに,制御部71は,ICカード3との通信時に,リーダ/ライタ7とICカード3との間の認証処理を実行し,この認証結果を端末10,20等に送信する。
変調回路72は,発信器74から供給される所定の周波数の搬送波を,制御部71からから供給されたデータで,例えばASK(Amplitude Shift Keying)変調し,当該変調波をアンテナ76を介して,電磁波としてICカード3に出力する。一方,復調回路73は,アンテナ76を介してICカード3から受信した変調波(例えばASK変調波)を復調し,当該復調したデータを制御部71に出力する。
次に,ICカード3の構成について説明する。図3に示すように,ICカード3は,アンテナ31と,コンデンサ32と,IC33とで構成され,IC33がアンテナ31を介して,リーダ/ライタ7との間で変調波を送受信するようになっている。なお,コンデンサ32は,アンテナ31と共にLC回路を構成し,所定のキャリア周波数の電磁波に同調(共振)するようになっている。
IC33は,インタフェース部34と,変調回路35と,復調回路36と,演算部37と,メモリ部38とを備える。
インタフェース部34は,アンテナ31を介して受信した変調波(例えばASK変調波)を検波して復調し,復調後のデータを復調回路35に出力する。また,インタフェース部34は,図示しない電圧レギュレータで上記検波した信号を安定化し,各回路に直流電源として供給する。インタフェース部34は,図示しないPLL(Phase Locked Loop)回路により,上記復調後のデータに同期するクロック信号を生成し,変調回路35と,復調回路36に出力する。さらに,インタフェース部34は,演算部37から変調回路36を介して供給されるデータに対応して,アンテナ31の負荷を変動させることにより,アンテナ31を介して受信している変調波をASK変調し,その変調成分をアンテナ31を介してリーダ/ライタ7に送信する。
復調回路35は,上記インタフェース部34によってASK復調されたデータが,BPSK変調されている場合,上記クロック信号に従って,当該データをBPSK復調し,復調したデータを演算部37に出力する。また,変調回路36は,上記クロック信号に従って,演算部37から入力されたデータをBPSK変調し,変調後のデータをインタフェース部34に出力する。
演算部37は,復調回路から入力されたデータが表すコマンドに対応して所定の処理,例えば,メモリ部38に対するデータの読み書きや,演算部37に対して入出力されるデータの演算処理を行う。また,演算部37は,メモリ部38に記憶されているデータの管理を行う。さらに,演算部37は,上記所定の処理に対応する応答データを,リーダ/ライタ7に送信するために,変調回路36に出力する。また,演算部37は,復調回路35から入力されたデータの暗号解読化,および変調回路36に出力するデータの暗号化を行うこともできる。
メモリ部38は,例えば,ROM,RAM,EEPROM(Electrically Erasable and Programmable RAM)などで構成されており,各種のデータを格納および一時記憶する。例えば,メモリ部38は,EEPROMに,ICカード3に固有のカードIDや,ICカード3にチャージされた電子マネーの金額を表す電子マネー情報などを記憶している。かかる情報は,ICカード3とリーダ/ライタ7との通信が終了して電力供給が停止した後も,メモリ部38に記憶され続ける。
以上のような構成により,リーダ/ライタ7とICカード3との間で,非接触方式でデータを送受信可能であり,このため,リーダ/ライタ7によってICカード3に記憶されている情報を読み書き可能となる。例えば,リーダ/ライタ7によって,ICカード3に記憶されているカードIDを読み出したり,或いは,電子マネー情報を読み出して更新(金額変更)したりすることができるようになる。この際,非接触方式でデータをやりとりするので,ユーザは,自己の所有するICカード3をリーダ/ライタ7に対して所定の距離以内に接近させるだけで,迅速かつ容易に当該ICカード3内のデータを読み書きさせることができる。
なお,本実施形態にかかるリード部であるリーダ/ライタ7は,上記のように,ICカード3に対するリード機能とライト機能の双方を有していたが,本発明はかかる例に限定されない。リード部は,Cカード3からカードIDを読み出すリーダ機能を有していれば十分であり,必ずしもライタ機能を有さなくてもよい。また,上記リーダ/ライタ7等のリーダ部は,図3のように購入端末10又は再生端末20に外付けされてもよいし,購入端末10又は再生端末20に内蔵されてもよい。
また,リード部によってICカード3等の携帯型の記憶媒体に対して情報を読み書きする方式は,上記図3のような非接触方式の例に限定されず,当該携帯型の記憶媒体の種類やリード部の構成などに応じて多様に設計変更可能であり,例えば,磁気方式,半導体方式又は光学方式等のドライブを用いた接触方式や,赤外線方式,バーコード読み取り方式などであってもよい。
<端末のハードウェア構成>
以下に,上記購入端末10及び再生端末20のハードウェア構成例について説明する。
まず,図4に基づいて,本実施形態にかかる購入端末10のハードウェア構成例について説明する。なお,図4は,本実施形態にかかる購入端末10のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図4に示すように,購入端末10は,例えば,CPU(Central Processing Unit)101と,ROM102と,RAM103と,ホストバス104と,ブリッジ105と,外部バス106と,インタフェース107と,入力装置108と,出力装置110と,ストレージ装置(HDD)111と,ドライブ112と,接続ポート114と,通信装置115とを備える。
CPU101は,演算処理装置および制御装置として機能し,各種プログラムに従って動作し,購入端末10内の各部を制御する。ROM102は,CPU101が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM103は,CPU101の実行において使用するプログラム(例えば,コンテンツ購入処理用のプログラムなど)や,その実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバスなどから構成されるホストバス104により相互に接続されている。
ホストバス104は,ブリッジ105を介して,PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス106に接続されている。
入力装置108は,例えば,マウス,キーボード,タッチパネル,ボタン,スイッチ,レバー等の操作手段と,入力信号を生成してCPU101に出力する入力制御回路などから構成されている。購入端末10を利用するユーザは,この入力装置108を操作することにより,購入端末10に対して各種のデータを入力したり,処理動作を指示したりすることができる。
出力装置110は,例えば,CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置,液晶ディスプレイ(LCD)装置,ランプ等の表示装置と,スピーカ等の音声出力装置などで構成される。この出力装置110は,例えば,購入可能なコンテンツのリストや,コンテンツの購入手順,購入金額などといった各種情報を表示出力する。
ストレージ装置111は,本実施形態にかかる購入端末10の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置であり,例えば,HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置111は,ハードディスクを駆動し,CPU101が実行するプログラムや各種データを格納する。
ドライブ112は,リムーバブル記憶媒体用のリーダ/ライタであり,購入端末10に内蔵,或いは外付けされる。このドライブ112は,購入端末10にローディングされた磁気ディスク,光ディスクまたは半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体に対して,コンテンツ,プログラムなどの各種データを記録/再生する。このドライブ112は,上記リーダ/ライタ7の代替であるリーダ部として機能することも可能である。
接続ポート114は,例えば,上記リーダ/ライタ7等の外部周辺機器を接続するポートであり,USB,IEEE1394等の接続端子を有する。この接続ポート114は,インタフェース107,および外部バス106,ブリッジ105,ホストバス104等を介してCPU101等に接続されている。かかる接続ポート114によって,購入端末10は,リーダ/ライタ7との間で,ICカード3に記憶されたカードIDや電子マネー情報等の各種のデータを通信可能となる。
通信装置115は,例えば,ネットワーク5に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。この通信装置115は,上記コンテンツ提供サーバ60,コンテンツ管理サーバ40等との間で,ネットワーク5を介して,コンテンツの購入処理に関する情報,制御信号などの各種データを送受信する。
次に,図5に基づいて,本実施形態にかかる再生端末20のハードウェア構成例について説明する。なお,図5は,本実施形態にかかる再生端末20の一例である携帯型のオーディオプレーヤ(PD)のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図5に示すように,再生端末20は,例えば,制御装置201と,フラッシュメモリ202と,RAM203と,バス204と,入力装置206と,表示装置207と,ドライブ209と,接続ポート210と,音声出力装置211(オーディオ出力回路212,リモートコントローラ213,ヘッドフォン214)と,通信装置215とを備える。
制御装置201は,マイクロコントローラなどで構成され,再生端末20内の各部を制御する。また,制御装置201は,コンテンツ提供サーバ60から配信されたコンテンツをデコードして,再生することが可能である。フラッシュメモリ202は,例えば,制御装置201の動作を制御するプログラム(コンテンツ配信,再生用のプログラム等)や,各種のデータを記憶する。また,RAM203は,例えばSDRAM(Synchronous DRAM)等で構成され,制御装置201の処理に関する各種データを一次記憶する。
バス204は,制御装置201,フラッシュメモリ202,RAM203,入力装置206,表示装置207,ドライブ209,接続ポート210およびオーディオ出力回路212などを接続するデータ線である。
入力装置206とリモートコントローラ213は,例えば,タッチパネル,ボタン,スイッチ,レバー等の操作手段と,入力信号を生成して制御装置201に出力する入力制御回路などから構成されている。再生端末20を利用するユーザは,この入力装置206を操作することにより,再生端末20に対して各種のデータを入力したり,処理動作を指示したりすることができる。
表示装置207は,例えばLCDパネルおよびLCD制御回路などで構成されている。この表示装置207は,制御装置201の制御に応じて,例えば,再生可能な購入済みのコンテンツのリスト(購入コンテンツ情報)や,再生中のコンテンツのタイトル情報,再生時間,再生端末20の動作内容などといった各種情報を,テキストまたはイメージで表示出力する。
ドライブ209は,リムーバブル記憶媒体用のリーダ/ライタである。このドライブ209は,再生端末20にローディングされた磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク,または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体に対して,コンテンツ,プログラムなどの各種データを記録/再生する。再生端末20は,このドライブ209を備えることにより,リムーバブル記憶媒体に記憶されているコンテンツを読み出して再生したり,コンテンツ提供サーバ60からダウンロード形式で配信されたコンテンツをリムーバブル記憶媒体に記録したりすることが可能となる。しかし,再生端末20は,かかるドライブ209を必ずしも具備しなくてもよい。また,このドライブ209は,上記リーダ/ライタ7の代替であるリーダ部として機能することも可能である。
接続ポート210は,上記リーダ/ライタ7などの外部装置に対して,再生端末20を接続するための接続部であり,例えば,USBコントローラ等の通信コントローラと,USB端子等の接続端子などで構成される。この接続ポート210によって,再生端末20は,リーダ/ライタ7との間で,ICカード3に記憶されたカードIDや電子マネー情報等の各種のデータを通信可能となる。
音声出力装置211は,再生された音声コンテンツ(音楽コンテンツ等)を音声出力する装置である。この音声出力装置211は,図示のように,例えば,オーディオ出力回路212と,リモートコントローラ213と,ヘッドフォン214とから構成される。
オーディオ出力回路212は,デコーダ(図示せず。)により復号され,CPUによってデジタルアナログ変換されたアナログ音声データを増幅して,リモートコントローラ213に出力する。このアナログ音声データは,リモートコントローラ213からヘッドフォン214に出力され,ヘッドフォン214に内蔵されたスピーカから音声出力されて,ユーザにより鑑賞される。
通信装置215は,例えば,ネットワーク5に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。この通信装置215は,上記コンテンツ提供サーバ60,コンテンツ管理サーバ40等との間で,ネットワーク5を介して,コンテンツ,コンテンツの再生処理に関する情報,制御信号などの各種データを送受信する。
なお,再生端末20は,例えばHDD等で構成されたストレージ装置(図示せず。)を具備してもよい。これにより,再生端末20は,当該ストレージ装置に,コンテンツ提供サーバ60からダウンロードされたコンテンツや,制御装置201の上記プログラム等の各種のデータを格納することができる。
また,上記図5では,音声コンテンツを再生するオーディオプレーヤである再生端末20の例について説明したが,映像コンテンツやゲームコンテンツを再生する再生端末20の場合には,上記表示装置207に,再生されたコンテンツの映像を表示出力することが可能に構成される。
以上,購入端末10と再生端末20のハードウェア構成の例について説明したが,かかる例に限定されず,上記例示したような機器の種類に応じて多様なハードウェア構成を採用できる。また,コンテンツ管理サーバ40,コンテンツ提供サーバ60,アクセス権限管理サーバ80のハードウェア構成は,上記図4の購入端末10のハードウェア構成例と略同一とすることができるので,詳細説明は省略する。
<各装置の機能構成>
次に,図6に基づいて,本実施形態にかかる購入端末10,再生端末20,コンテンツ管理サーバ40,コンテンツ提供サーバ60,アクセス権限管理サーバ80の機能構成について説明する。なお,図6は,本実施形態にかかるこれら各装置の機能構成を概略的に示すブロック図である。
図6に示すように,購入端末10は,コンテンツリスト要求部12と,購入コンテンツ選択部14と,購入処理部16とを備える。また,再生端末20は,ID送信部21と,コンテンツ情報取得部22と,再生コンテンツ選択部23と,コンテンツ要求部24と,コンテンツ再生部25と,フォルダ更新指示部26と,継続購入部27とを備える。また,コンテンツ管理サーバ40は,フォルダ管理部42と,ID受信部44と,コンテンツ情報提供部46とを備える。また,コンテンツ提供サーバ60は,コンテンツリスト提供部62と,購入処理部64と,アクセス権限評価部66と,コンテンツ提供部68とを備える。また,アクセス権限管理サーバ80は,アクセス権限管理部82を備える。
まず,購入端末10の各部について説明する。
コンテンツリスト要求部12は,コンテンツ提供サーバ60のコンテンツリスト提供部62に対して,当該コンテンツ提供サーバ60が提供可能なコンテンツのリストである提供コンテンツリストを要求するリスト要求情報を送信する。また,コンテンツリスト要求部12は,このリスト要求に応じてコンテンツ提供サーバ60のコンテンツリスト提供部62から送信された提供コンテンツリストを受信して取得する。この提供コンテンツリストは,上記コンテンツ提供サーバ60が提供可能な1又は2以上のコンテンツに関し,コンテンツ識別情報(コンテンツID,コンテンツ名称等),コンテンツ属性情報などをリスト化した情報であり,コンテンツデータ自体は含まない。また,図2に示したように,コンテンツ提供サーバ60が複数存在する場合には,コンテンツリスト要求部12は,各コンテンツ提供サーバ60に対してリスト要求を行い,各コンテンツ提供サーバ60から複数の提供コンテンツリストを取得することもできる。コンテンツリスト要求部12は,上記のようにして受信した提供コンテンツリストを購入コンテンツ選択部14に出力する。
購入コンテンツ選択部14は,上記コンテンツリスト要求部12から入力された提供コンテンツリストを上記出力装置110に表示させる。これにより,ユーザは,提供コンテンツリストを閲覧して,このリスト内から購入を所望するコンテンツを選択することができる。さらに,購入コンテンツ選択部14は,ユーザの選択入力に応じて,上記提供コンテンツリスト内から選択された1又は2以上の購入対象のコンテンツを表すコンテンツ識別情報(例えばコンテンツID)を選択し,当該コンテンツ識別情報を,購入処理部16に出力する。なお,購入対象のコンテンツは,1つだけ選択されてもよいし,複数選択されてもよい。また,相異なるコンテンツ提供サーバ60が提供する複数のコンテンツを選択することもできる。
購入処理部16は,コンテンツ提供サーバ60の購入処理部64との間で,コンテンツの購入処理を実行する。具体的には,購入処理部16には,リーダ/ライタ7によってICカード3から読み出されたカードIDが入力されるとともに,上記購入コンテンツ選択部14から,購入対象コンテンツを表すコンテンツ識別情報(例えばコンテンツID)が入力される。購入処理部16は,ユーザにより購入実行指示が入力されると,上記購入対象コンテンツを表すコンテンツ識別情報と,上記ICカード3から読み出されたカードIDとを,コンテンツ提供サーバ60の購入処理部64に送信する。これにより,購入処理部16は,コンテンツ提供サーバ60に対し,当該購入対象コンテンツを当該カードIDに関連づけて購入するように購入要求することができる。また,購入処理部16は,重複購入を防止するため,コンテンツ管理サーバ40のコンテンツ情報提供部46から購入コンテンツ情報を取得して,既に購入済みのコンテンツのリストを出力装置110に表示させることもできる。
さらに,購入処理部16は,上記購入処理に伴う決済処理を実行する。具体的には,購入処理部16は,上記選択された購入コンテンツの購入代金の合計金額を計算して,表示装置110に表示させることができる。また,購入処理部16は,決済処理の方式(電子マネー機能付きICカード3,クレジットカード,現金など)を,ユーザ選択に基づき,或いは自動的に決定する。この結果,例えば,ICカード決済を行うと決定された場合には,購入処理部16は,ICカード3にチャージされている電子マネーの残金を確認し,購入対象コンテンツの代金を精算する。また,現金決済を行うと決定された場合には,購入処理部16は,購入端末10の現金読み取り部(図示せず。)に対するユーザの入金を確認し,購入対象コンテンツの代金を精算する。また,クレジットカード決済を行うと決定された場合には,クレジットカード決済に関する必要事項(パスワード,支払い回数等)の入力を確認し,購入対象コンテンツの代金を精算する。
次に,コンテンツ提供サーバ60の各部について説明する。
コンテンツリスト提供部62は,上記購入端末10のコンテンツリスト要求部12からリスト要求情報を受信し,このリスト要求情報に応じて,上記提供コンテンツリストをコンテンツリスト要求部12に送信する。このコンテンツリスト提供部62は,コンテンツデータベース70に保存されている複数のコンテンツを,コンテンツ属性情報(例えば,コンテンツのタイプ,ジャンル,歌手,リリース時期など)に応じて分類して多様な種類の提供コンテンツリストを生成して,購入端末10に提供することができる。これにより,ユーザは,購入端末10を用いて,例えばジャズに関する音楽コンテンツのみを含む提供コンテンツリストを要求・取得することなどができるので,所望のコンテンツを効率的かつ的確に検索して購入できる。
購入処理部64は,購入端末10の購入処理部16との間で,コンテンツの購入処理を実行する。具体的には,購入処理部64は,購入端末10の購入処理部16から,上記提供コンテンツリスト内から選択された1又2以上の購入対象コンテンツを表すコンテンツ識別情報と,上記ICカード3から読み出されたカードIDとを受信して,購入要求を受ける。かかる購入要求に応じて,購入処理部64は,当該購入対象コンテンツを当該カードIDに関連づけて購入処理する。例えば,購入処理部64は,購入端末10から入力されたユーザ所望のアクセス形態に基づいて,上記購入対象コンテンツに関するアクセス権限情報を設定し,この設定されたアクセス権限情報を上記カードIDに関連付けて記憶するように,アクセス権限管理サーバ80のアクセス権限管理部82に依頼する。さらに,購入処理部64は,コンテンツ管理サーバ40のフォルダ管理部42に対して,当該カードID及び当該購入対象コンテンツに関する購入コンテンツ情報(コンテンツ識別情報,コンテンツ属性情報,アクセス権限情報,コンテンツアドレスなど)を送信し,当該カードIDに対応するフォルダ52に記憶するように依頼する。また,購入処理部64は,上記購入端末10の購入処理部16により決定された決済処理の方式に従い,必要な課金処理などを行う。
さらに,購入処理部64は,再生端末20からの継続購入要求に応じて,継続購入処理を実行することもできる。この継続購入処理は,過去に購入されたことのあるコンテンツに関し,上記新規購入処理と同様にして,アクセス権限情報の更新,フォルダ52内の購入コンテンツ情報の更新,課金処理などを行うことによってなされる。
アクセス権限評価部66は,後述する再生端末20のコンテンツ要求部24からコンテンツ要求情報を受信すると,アクセス権限管理サーバ80のアクセス権限管理部82から,当該コンテンツ要求情報で指定された再生対象のコンテンツに関し,当該コンテンツ要求情報で指定されたカードIDに関連づけられたアクセス権限情報を受信し,このアクセス権限情報を評価して,当該再生対象のコンテンツに対するアクセス権限の有無,即ち,当該再生対象のコンテンツの再生の可否を判断する。この評価の結果,アクセス権限評価部66は,アクセス権限があると判断した場合には,コンテンツ提供部68に当該再生対象のコンテンツの配信を指示し,一方,アクセス権限がないと判断した場合には,当該再生対象のコンテンツの配信を拒否して,再生端末20に対しエラー通知を行う。なお,このアクセス権限(再生権限)は,アクセス有効期限,アクセス可能回数,無制限など,多様に設定可能である。
コンテンツ提供部68は,上記アクセス権限評価部66からの配信指示に基づき,上記再生端末20から受信したコンテンツ要求情報に応じて,当該コンテンツ要求情報で指定されたコンテンツデータベース70のコンテンツアドレスから,再生対象のコンテンツを読み出して,再生端末20に送信する。これによって,配信要求を受けた再生対象のコンテンツを,再生端末20に配信することができる。この際,コンテンツ提供部68は,再生対象のコンテンツをダウンロード形式で送信してもよいし,或いは,ストリーミング形式で送信してもよい。ここで,ダウンロード形式の送信とは,受け側の再生端末20がコンテンツデータを記憶媒体に記録可能な通信方式で送信することをいう。また,ストリーミング形式の送信とは,受け側の再生端末20がコンテンツデータをリアルタイムで再生可能であるが,記憶媒体に記録不能な通信方式で送信することをいう。
また,アクセス権限管理サーバ80のアクセス権限管理部82は,アクセス権限データベース90に保存されるアクセス権限情報を,カードID単位で管理する。例えば,アクセス権限管理部82は,上記コンテンツ提供サーバ60の購入処理部64からの指示に基づいて,購入コンテンツのアクセス権限情報を,カードIDに関連づけて書き込み/更新する。また,アクセス権限管理部82は,上記コンテンツ提供サーバ60のアクセス権限評価部66からの指示に基づいて,指定されたコンテンツ及びカードIDに対応するアクセス権限情報を読み出してアクセス権限評価部66に送信したり,当該アクセス権限情報を更新したりする。
次に,コンテンツ管理サーバ40の各部について説明する。
フォルダ管理部42は,コンテンツ管理データベース50のフォルダ52を管理する。具体的には,フォルダ管理部42は,上記コンテンツの購入処理に応じて,購入処理部64から受信した購入コンテンツ情報を,上記カードIDに関連づけて保存する。即ち,コンテンツの購入処理時には,上記購入処理部64は,購入端末10から購入コンテンツを表すコンテンツ識別情報とカードIDを受信し,当該コンテンツ識別情報および当該コンテンツ識別情報に対応する購入コンテンツのコンテンツアドレス等を含む購入コンテンツ情報と,上記受信したカードIDとを,フォルダ管理部42に送信する。フォルダ管理部42は,上記購入処理部64から受信したカードIDに対応するフォルダ52が未生成である場合には,当該カードIDに1:1対応するフォルダ52をコンテンツ管理データベース50内に生成する。さらに,フォルダ管理部42は,上記購入処理部64から受信した購入コンテンツ情報を,上記生成したフォルダ52内に保存する。加えて,同一のカードIDに対応して新たにコンテンツ購入処理が発生した場合には,フォルダ管理部42は,上記と同様にして,新たに購入されたコンテンツに関する購入コンテンツ情報を,当該カードIDに対応するフォルダ内に,追加して保存する。また,フォルダ管理部42は,上記購入処理部64によって設定されたアクセス権限情報を,購入コンテンツ情報の一部として,対応するフォルダ52内に記憶することもできる。
このようにして,フォルダ管理部42は,同一のICカード3を用いて購入されたコンテンツに関する購入コンテンツ情報を,購入端末10の異同に関わらず,コンテンツ管理データベース内の当該ICカード3に対応する同一のフォルダ内に書き込んで保存する。これによって,様々な購入端末10を用いて様々なタイミングで購入された複数のコンテンツを,カードID単位で分類して管理することができる。
さらに,フォルダ管理部42は,後述する再生端末20のフォルダ更新指示部26によって,複数のICカード3間における購入コンテンツのコピーやムーブ処理が指示された場合には,各ICカード3に対応するフォルダ52間で,購入コンテンツ情報をコピーまたはムーブさせることもできるが,詳細は後述する。
また,フォルダ管理部42は,後述する再生端末20の継続購入部27によって,コンテンツの継続購入処理がなされた場合には,上記新規購入の場合と同様にして,対応するフォルダ52内に記憶されるアクセス権限情報を更新する。
ID受信部44は,後述する再生端末20のID送信部21から,ICカード3から読み出されたカードIDを受信する。これによって,コンテンツ管理サーバ40は,再生端末20から購入コンテンツ情報の要求を受け取ったことになる。ID受信部44は,受信したカードIDをコンテンツ情報提供部46に出力する。
コンテンツ情報提供部46は,上記ID受信部44から入力されたカードIDに対応するフォルダ52に保存されている購入コンテンツ情報の一部又は全部(当該カードIDに関連づけて購入された1又は2以上のコンテンツに関するコンテンツ識別情報及びコンテンツアドレス等を含む。)を読み出して,再生端末20のコンテンツ情報取得部22に送信する。かかる購入コンテンツリストを再生端末20に送信することによって,再生端末20側で,上記ICカード3に関連づけて登録されたコンテンツの一覧(購入コンテンツリスト)を表示して,ユーザに対して,再生対象のコンテンツを選択させることができるようになる。なお,コンテンツ情報提供部46は,上記購入コンテンツ情報を送信する代わりに,当該購入コンテンツ情報に基づき予め購入コンテンツリストを生成して送信してもよい。
次に,再生端末20の各部について説明する。
ID送信部21は,リーダ/ライタ7によってICカード3から読み出されたカードIDを,上記コンテンツ管理サーバ40のID受信部44に送信する。かかるカードIDの送信により,再生端末20は,コンテンツ管理サーバ40に対して,当該カードIDに関連づけられて購入されたコンテンツに関する購入コンテンツ情報を送信するよう要求することができる。なお,ID送信部21は,このカードIDの送信処理を,例えば,ユーザがICカード3をリーダ/ライタ7に接近させ,リーダ/ライタ7によって読み取られたカードIDが入力された時に自動的に行ってもよいし,或いは,コンテンツの再生を希望するユーザが,購入コンテンツリストの取得指示を入力した時に行ってもよい。
コンテンツ情報取得部22は,コンテンツ管理サーバ40から,コンテンツ管理データベース50内において上記送信されたカードIDに対応するフォルダ52に保存されている,1又は2以上の購入コンテンツに関する購入コンテンツ情報の一部又は全部を受信する。この受信する購入コンテンツ情報には,少なくともコンテンツ識別情報とコンテンツアドレスが含まれる。
さらに,コンテンツ情報取得部22は,上記受信した購入コンテンツ情報に基づき,上述したような購入コンテンツリストを生成し,この購入コンテンツリストを再生コンテンツ選択部22に出力する。
このように本実施形態では,再生端末20のコンテンツ情報取得部22が,コンテンツ管理サーバ40から,フォルダ52内の購入コンテンツ情報の一部又は全部を受信し,再生端末20側で,当該受信した購入コンテンツ情報に基づいて購入コンテンツリストを作成する。しかし,かかる例に限定されず,コンテンツ情報取得部22が,コンテンツ管理サーバ40側で作成された購入コンテンツリストを受信することによって,上記カードIDに対応するフォルダ52内の購入コンテンツ情報に含まれるコンテンツ識別情報及びコンテンツアドレス等を取得するようにしてもよい。
再生コンテンツ選択部23は,上記コンテンツ情報取得部22から入力された購入コンテンツリストを上記出力装置110に表示させる。これにより,ユーザは,購入コンテンツリストを閲覧して,このリスト内から再生を所望するコンテンツを選択することができる。また,再生コンテンツ選択部23は,ユーザの選択入力に応じて,上記購入コンテンツリスト内から選択された1又は2以上の再生対象のコンテンツを表すコンテンツ識別情報(例えばコンテンツID)を選択し,当該コンテンツ識別情報を,コンテンツ要求部23に出力する。なお,再生対象のコンテンツは,1つだけ選択されてもよいし,複数選択されてもよい。また,相異なるコンテンツ提供サーバ60から提供される複数のコンテンツを選択することもできる。
コンテンツ要求部24は,当該選択された再生対象のコンテンツのコンテンツ識別情報に対応するコンテンツアドレスを,上記コンテンツ管理サーバ40から受信した購入コンテンツ情報に含まれるコンテンツアドレスに基づき特定する。上述したように,購入コンテンツ情報には,購入コンテンツのコンテンツ識別情報と,購入コンテンツのコンテンツアドレスとが関連づけられて含まれているので,購入コンテンツの中から再生対象のコンテンツが選択されれば,当該再生対象のコンテンツのコンテンツアドレスを特定できる。
さらに,コンテンツ要求部24は,上記再生対象のコンテンツを表すコンテンツ識別情報に対応するコンテンツアドレスに対して,コンテンツ要求情報を送信して,当該再生対象のコンテンツの配信を要求する。具体的には,コンテンツ要求部24は,上記再生対象のコンテンツのコンテンツアドレス先のコンテンツ提供サーバ60に対して,コンテンツ要求情報を送信する。このコンテンツ要求情報は,例えば,上記リーダ/ライタ7から入力されたカードIDと,上記再生対象のコンテンツのコンテンツIDと,コンテンツ要求コマンドと,再生端末20のネットワーク上のアドレスなどを含む。コンテンツ提供サーバ60は,かかるコンテンツ要求情報によって,再生対象のコンテンツを特定して,対応するカードIDのアクセス権限を評価し,再生コンテンツを配信できるようになる。
コンテンツ再生部25は,コンテンツ提供サーバ60のコンテンツ提供部68から,上記コンテンツ要求情報に応じて送信された再生対象のコンテンツを受信して再生する。例えば,コンテンツ提供サーバ60からダウンロード形式で再生対象のコンテンツが配信される場合には,コンテンツ再生部25は,当該再生対象のコンテンツを,コンテンツデータ保存用の記憶媒体(例えば,上記図5のフラッシュメモリ202,ドライブ209にローディングされたリムーバブル記憶媒体,図示しないHDDなど)に記録し,当該記録された再生対象のコンテンツを読み出して再生する。この場合には,配信時以外にも当該コンテンツを再生可能であり,また,同一のコンテンツを複数回再生可能となる。
また,コンテンツ提供サーバ60からストリーミング形式で再生対象のコンテンツが配信される場合には,コンテンツ再生部25は,当該再生対象のコンテンツデータを,リアルタイムで順次再生する。この場合には,配信時に1回のみコンテンツを再生可能である。
フォルダ更新指示部26は,複数のICカード3間における購入コンテンツのコピーやムーブ処理を実行するよう,コンテンツ管理サーバ40及びコンテンツ提供サーバ60に指示する。かかるコピーまたはムーブ処理の詳細は後述する。
継続購入部27は,コンテンツの継続購入処理を実行する。上記のように,アクセス権限(再生権限)がない,或いは失効した状態では,コンテンツの配信を受けて再生することができない。継続購入部27は,ユーザによる継続購入の確認に基づき,或いは自動継続購入設定に従って,当該コンテンツの継続購入処理を実行する。この継続購入処理は,上記新規購入処理と略同一であるので詳細説明は省略する。
以上,本実施形態にかかる購入端末10,再生端末20,コンテンツ管理サーバ40,コンテンツ提供サーバ60,アクセス権限管理サーバ80を構成する各部について説明した。なお,図6に示した購入端末10,再生端末20,コンテンツ管理サーバ40,コンテンツ提供サーバ60,アクセス権限管理サーバ80を構成する各部は,例えば,上記のような各処理を実行するハードウェアとして構成されてもよいし,或いは,上記のような各処理をコンピュータに実行させるプログラムを各装置10,20,40,60,80にインストールすることによって構成されてもよい。後者の場合,上記プログラムは,当該プログラムを記憶した記憶媒体を介して各装置10,20,40,60,80に提供され,インストールされてもよい。
<データベース構造>
次に,図7に基づいて,本実施形態にかかるコンテンツ管理データベース50およびアクセス権限データベース90のデータ構造例について説明する。なお,図7は,本実施形態にかかるコンテンツ管理データベース50およびアクセス権限データベース90のデータ構造例を示す説明図である。
図7(a)に示すように,コンテンツ管理データベース50の各フォルダ52には,ユニークIDの一例であるカードIDに関連づけて,購入コンテンツ情報が記憶されている。この購入コンテンツ情報は,例えば,カードIDと,コンテンツアドレスと,アクセス権限情報と,コンテンツ識別情報と,コンテンツ属性情報と,セーブデータ情報とを含んでいる。
カードIDは,上述したように,ICカード3に固有の識別子である。なお,ICカード3の代わりに他の携帯型の記憶媒体を用いた場合には,購入コンテンツ情報は,カードIDの代わりに他の種類のユニークID(携帯電話を識別するIDなど)を含んでもよい。
また,コンテンツアドレスは,コンテンツが保存されているネットワーク5上のアドレス(例えばURL)を示す情報であり,例えば,コンテンツ提供サーバ60のアドレス,又はコンテンツデータベース70のアドレスである。購入コンテンツ情報がこのコンテンツアドレスを含むことにより,購入コンテンツ情報を受信した再生端末20は,再生対象のコンテンツが存在するアドレスに容易にアクセスすることができるようになる。
アクセス権限情報は,再生端末20によるコンテンツに対するアクセス権限を示す情報であり,本実施形態にかかる再生権限情報に該当する。このアクセス権限情報は,例えば,アクセス制限の内容を示す「アクセスタイプ」情報と,コンテンツの購入日時を示す「購入日時」情報と,過去に再生端末20がコンテンツに対してアクセスした回数(配信回数)を示す「アクセス回数」が含まれる。かかるアクセス権限情報によって,再生端末20によるコンテンツに対するアクセス制限(再生制限)を実行することができる。このアクセス制限としては,例えば,アクセス回数制限や,アクセス有効期限制限などが挙げられる。
コンテンツ識別情報は,個々のコンテンツを識別するための情報であり,例えば,コンテンツに固有に付与された識別子である「コンテンツID」と,コンテンツの名称(例えば,音楽コンテンツの曲名,映画コンテンツの映画名,ゲーム名など)である「コンテンツ名称」を含む。このコンテンツIDは,コンテンツ配信システム1を構成する各装置によって各コンテンツを識別するために用いられる。また,購入コンテンツ情報が上記コンテンツ名称を含むことにより,当該購入コンテンツ情報に基づいて生成された提供コンテンツリストを閲覧したユーザは,コンテンツ名称に基づきコンテンツを識別して,再生対象コンテンツを選択できるようになる。
コンテンツ属性情報は,コンテンツの属性を表すための情報であり,例えば,コンテンツの種類を表す「コンテンツタイプ」と,コンテンツのジャンルを表す「ジャンル」などを含む。また,その他のコンテンツ属性情報として,例えば,コンテンツのアーティスト名(音楽コンテンツの歌手,作詞者,作曲者,編曲者等),BPM(Bit per minute;音楽コンテンツの曲のテンポ),リリース時期(リリースされた年度,リリースされた月),リリース場所(洋楽,邦楽等),リリース企業名(コンテンツを制作・販売する企業),コンテンツの再生時間などを含んでもよい。購入コンテンツ情報がこれらのコンテンツ属性情報を含むことにより,当該購入コンテンツ情報に基づいて生成された提供コンテンツリストを閲覧したユーザは,コンテンツ属性情報に基づきコンテンツの内容を識別して,自己の所望する再生対象コンテンツを的確に選択できるようになる。
セーブデータ情報は,ゲームコンテンツの再生に伴い生成されるセーブデータに関する情報である。セーブデータ情報は,例えば,セーブデータを保存するファイル名を表す「セーブデータファイル名」と,実際のセーブデータである「セーブデータ」とを含む。購入コンテンツ情報がこのセーブデータ情報を含むことにより,各再生端末20にセーブデータを保存しなくても,コンテンツ管理サーバ40からセーブデータを再生端末20にダウンロードして,ゲームを再開できる。この際,ネットワーク通信機能を有する任意の再生端末20を用いて任意の場所でゲームを再開できるので,ユーザの利便性が向上する。
また,図7(b)に示すように,アクセス権限データベースの各フォルダ92には,カードIDに関連づけて,アクセス情報が記憶されている。このアクセス情報は,例えば,上記カードIDと,上記コンテンツアドレスと,上記アクセス権限情報と,上記コンテンツ識別情報と,上記コンテンツ属性情報とを含んでいる。これら各情報の詳細は,上述した購入コンテンツ情報の場合と同様であるので,詳細説明は省略する。
アクセス権限データベース92に,アクセス権限情報及びコンテンツ識別情報をカードIDに関連づけて記憶することにより,各コンテンツのアクセス権限(再生権限)をカード単位で制御することが可能である。例えば,同一のコンテンツであっても,あるICカード3に関連づけて登録されたコンテンツは,再生可能であるが,他のICカード3に関連づけて登録されたコンテンツは,再生不能とすることができる。
<ICカードによるコンテンツ管理>
次に,図8に基づいて,本実施形態にかかるICカード3による複数のコンテンツの管理手法について説明する。なお,図8は,本実施形態にかかるICカード3を用いて複数のコンテンツを管理する例を示す説明図である。
コンテンツ提供サーバ60からネットワーク5を介して再生端末20に配信されるネットワークコンテンツは,パッケージメディア(音楽CD等)のような有形物に記憶されていない。このため,従来では,ユーザは,購入した複数のネットワークコンテンツを分類・管理することが困難であった。
これに対し,本実施形態にかかるコンテンツ配信システム1では,コンテンツを購入する際に使用するICカード3を,例えばコンテンツのアーティストやジャンルなどといったコンテンツ属性に応じて使い分けることで,特定のアーティストやジャンル専用のICカード3として運用できる。これにより,無形のネットワークコンテンツを,有形のICカード3を用いて分類して管理できるので,ユーザは,自身が購入した複数のコンテンツの管理が容易になる。
例えば,図8に示すように,ICカード3AとICカード3Bという2つのICカード3を所有するユーザが,コンテンツ提供サーバ60からジャズ系の音楽コンテンツを購入する際にICカード3Aを使用し,ロック系の音楽コンテンツを購入する際にICカード3Bを使用する。このようにICカード3A,3Bを使い分けて音楽コンテンツを購入することで,ICカード3Aには,ジャズ系の音楽コンテンツが集中して登録され,ICカード3Bには,ロック系の音楽コンテンツが集中して登録される。つまり,ICカード3Aに対応するフォルダ52Aには,ジャスコンテンツA,B,C,…の購入コンテンツ情報が記憶され,ICカード3Bに対応するフォルダ52Bには,ロックコンテンツA,B,C,…の購入コンテンツ情報が記憶される。これにより,ユーザは,ジャズ系の音楽を聞きたい時にはICカード3Aを,ロック系の音楽を聞きたい時にはBのカードを,再生端末20にセットしてカードIDを読み込ませることで,ユーザの好みのジャンルの音楽コンテンツを再生することができる。
このように,複数のICカード3を使い分けることによって,ユーザは,形のない複数のネットワークコンテンツを,自己の嗜好に応じて容易に管理することができる。また,上述したコンテンツのジャンル以外にも,他のコンテンツ属性(例えば,アーティスト,アルバム,BPM,リリース時期,リリース場所,リリース企業,再生時間など)ごとに,複数のICカード3を使い分けることで,形のない複数のネットワークコンテンツを,ユーザの嗜好に応じた多様な分類で容易に管理できるようになる。
<コンテンツ配信方法>
次に,上記コンテンツ配信システム1を用いたコンテンツ配信方法,及びこのコンテンツ配信方法を実行する購入端末10,再生端末20,各サーバ40,60,80の処理方法について説明する。以下では,説明の便宜上,当該コンテンツ配信方法をコンテンツ購入処理方法(図9)とコンテンツ再生処理方法(図10)とに分けて説明する。
まず,図9に基づいて,本実施形態にかかるコンテンツ購入処理方法について説明する。なお,図9は,本実施形態にかかるコンテンツ購入処理方法を示すタイミングチャートである。
コンテンツ購入処理方法を概略的に説明すると,図9に示すように,まず,購入端末10は,コンテンツ提供サーバ60から提供された提供コンテンツ情報を表示する(ステップS10〜S14)。また,ユーザによってICカード3がリーダ/ライタ7にセットされると,購入端末10は,カードIDを読み出して,購入済みコンテンツを表示する(ステップS16〜S22)。さらに,購入端末10は,提供コンテンツリストの中から,ユーザ入力に応じて購入対象コンテンツを選択する(ステップS18〜S26)。購入対象コンテンツが複数ある場合には,繰り返しコンテンツを選択する。なお,コンテンツの選択処理(S16)とカードIDの読み出し処理(S14)の順序は,上記と逆であってもよい。
さらに,購入端末10は,コンテンツ提供サーバ60を介してアクセス権限管理サーバ80に,購入対象コンテンツが購入済みであるか否かを問い合わせ(ステップS28〜S36),この結果,未購入のコンテンツの購入金額の合計が表示される(ステップS38)。次いで,購入端末10が,決済方法を選択すると(ステップS40),購入端末10と各サーバ40,60,80によって,コンテンツの購入処理がなされ(ステップS42〜S58),上記選択された決済方法に従って代金が精算される(ステップS60)。
以下に,かかる購入処理方法の処理フローについて,より詳細に説明する。
図9に示すように,まず,購入端末10は,ユーザ入力に応じて,コンテンツ提供サーバ60に対して,当該コンテンツ提供サーバ60が提供可能な提供コンテンツリストを要求するリスト要求情報を送信する(ステップS10)。次いで,コンテンツ提供サーバ60は,上記リスト要求情報に応じて,提供コンテンツリストを購入端末10に送信し,購入端末10は,当該提供コンテンツリストを受信する(ステップS12)。さらに,購入端末10は,受信した提供コンテンツリストを表示する(ステップS14)。
次いで,ユーザが,自己の所有するICカード3を購入端末10のリーダ/ライタ7にかざすと,購入端末10のリーダ/ライタ7は,当該ICカード3に記憶されているカードIDを読み出す(ステップS16)。さらに,購入端末10は,当該カードIDをコンテンツ管理サーバ40に送信することによって,当該カードIDに対応する購入コンテンツ情報を要求する(ステップS18)。すると,コンテンツ管理サーバ40は,要求されたカードIDに対応した購入コンテンツ情報をコンテンツ管理データベース50から検索して読み出し(ステップS20),当該購入コンテンツ情報を要求元の購入端末10に送信する(ステップS22)。これに応じて,購入端末10は,受信した購入コンテンツ情報に基づき購入コンテンツリストを生成して表示する(ステップS24)。ユーザは,この購入コンテンツリストによって,上記カードIDに関連づけて既に購入済みのコンテンツを把握できる。
次いで,ユーザが,上記提供コンテンツリストと購入コンテンツリストを確認し,ユーザ自身が購入を希望するコンテンツ,即ち,購入対象のコンテンツを選択して入力すると,購入端末10は,ユーザの選択入力に応じて,上記購入対象のコンテンツのコンテンツIDを提供コンテンツリストの中から抽出する(ステップS26)。さらに,このステップS26では,購入端末10は,例えば,上記選択された購入対象コンテンツに関するアクセス制限内容の選択(例えば,アクセス回数制限の有無とその回数,アクセス有効期限の有無とその期限など)と,このアクセス制限内容に応じたアクセス権限情報の設定を行う。
このように購入対象コンテンツが選択されると,購入端末10は,当該購入対象コンテンツに関するアクセス権限の有無を確認するために,コンテンツ提供サーバ60に対して,当該購入対象コンテンツに関するアクセス情報を要求する(ステップS28)。このアクセス情報の要求は,購入端末10が,コンテンツ提供サーバ60に対して,アクセス情報要求コマンドと,上記選択された購入対象コンテンツを表すコンテンツIDと,上記読み出したカードIDを送信することによってなされる。
次いで,かかるアクセス情報要求を受信したコンテンツ提供サーバ60は,アクセス権限管理サーバ80に,上記コンテンツIDとカードIDとを送信して,アクセス情報の取得を要求する(ステップS30)。これに応じて,アクセス権限管理サーバ80は,上記コンテンツID及びカードIDに基づいて,アクセス権限データベース90を検索して,該当するアクセス情報を読み出し(ステップS32),コンテンツ提供サーバ60に送信する(ステップS34)。さらに,コンテンツ提供サーバ60は,アクセス権限データベース90から受信したアクセス情報を,購入端末10に送信する(ステップS36)。なお,上記コンテンツID及びカードIDに対応するアクセス情報がアクセス権限データベース90にない場合(即ち,上記選択された購入対象コンテンツの全てが未購入である場合)には,コンテンツ提供サーバ60は,その旨の情報を購入端末10に送信する。
次いで,購入端末10は,上記コンテンツ提供サーバ60から送信されたアクセス情報を受信し,当該アクセス情報に基づいて,上記選択された購入対象コンテンツの中からアクセス権限がない未購入のコンテンツを特定し,この未購入のコンテンツの購入代金の合計額を計算して表示する(ステップS38)。この合計金額は,上記購入対象のコンテンツに対して設定されたアクセス権限情報の内容に応じて決定されてもよい。なお,引き続き購入対象コンテンツを選択する場合は,上記ステップS26〜S38の処理を繰り返し,また,他のコンテンツ提供サーバ60からコンテンツを購入する場合は,当該他のコンテンツ提供サーバ60に関して,上記ステップS10〜S38の処理を繰り返す。
上記のようにして購入対象コンテンツ及び購入代金が決定すると,購入端末10は,ユーザ入力に基づき,或いは予め設定された決済方法を選択する(ステップS40)。決済方法としては,例えば,電子マネー機能付きICカード3,現金,クレジットカードなどがある。決済方法として,電子マネー機能付きICカード3が選択された場合には,購入端末10は,ICカード3内の残金を確認した後,ステップS42に進む。また,現金が選択された場合には,購入端末10は,ユーザによって購入端末10に必要な金額の現金の入金を待ち,当該入金を確認後,ステップS42に進む。また,クレジットカードICカード3が選択された場合には,クレジットカード番号や有効期限などの必要な情報の入力を待ち,クレジットカードを認証後,ステップS42に進む。
その後,購入端末10は,上記有効な決済方法を確認した後に,コンテンツ提供サーバ60に対して,上記読み出したカードIDと,上記購入対象のコンテンツを表すコンテンツIDと,購入指示コマンドと,アクセス権限情報とを送信して,購入指示を出す(ステップS42)。
次いで,かかる購入指示を受けたコンテンツ提供サーバ60は,アクセス権限管理サーバ80に,上記コンテンツID,カードID及びアクセス権限情報等を含むアクセス情報を送信して,当該アクセス情報の書き込みを要求する(ステップS44)。これに応じて,アクセス権限管理サーバ80は,アクセス権限データベース90内に上記カードIDに対応するフォルダ92を必要に応じて生成する(既に当該フォルダ92が生成されている場合には不要)とともに,当該フォルダ92に,上記コンテンツID及び上記アクセス制限内容に対応するアクセス権限情報等を含むアクセス情報を書き込んで保存する(ステップS46)。その後,アクセス権限管理サーバ80は,当該アクセス情報の書き込みが終了したことをコンテンツ提供サーバ60に通知する(ステップS48)。
さらに,コンテンツ提供サーバ60は,コンテンツ管理サーバ40に対し,上記購入端末10から受信したコンテンツID,カードID及びアクセス権限情報と,当該コンテンツIDに対応する購入対象コンテンツのコンテンツアドレスを含む購入コンテンツ情報を送信して,当該購入コンテンツ情報の書き込みを要求する(ステップS50)。これに応じて,コンテンツ管理サーバ40は,コンテンツ管理データベース50内に上記カードIDに対応するフォルダ52を必要に応じて生成する(既に当該フォルダ52生成されている場合には不要)とともに,当該フォルダ52に,上記コンテンツID及び上記アクセス権限情報,上記コンテンツアドレス等を含む購入コンテンツ情報を書き込んで保存する(ステップS52)。その後,コンテンツ管理サーバ40は,当該購入コンテンツ情報の書き込みが終了したことをコンテンツ提供サーバ60に通知する(ステップS54)。
なお,上記ステップS44〜S48の処理と,上記ステップS50〜S54の処理は,上記とは逆の順序で実行されてもよい。
次いで,コンテンツ提供サーバ60は,購入端末10に対し,購入対象コンテンツの購入及び登録処理が終了したことを通知する(ステップS56)。その後,購入端末10は,コンテンツ提供サーバ60から登録処理が終了した旨の通知に応じて,上記ステップS40で選択された決済方法に従って,コンテンツの購入代金を決済する(ステップS58)。以上までのステップで,コンテンツの購入処理が終了する。
次に,図10に基づいて,本実施形態にかかるコンテンツ再生処理方法について説明する。なお,図10は,本実施形態にかかるコンテンツ再生処理方法を示すタイミングチャートである。
図10に示すように,コンテンツの再生を行う場合,まず,ユーザが,自己の所有するICカード3を再生端末20のリーダ/ライタ7にかざすと,再生端末20のリーダ/ライタ7は,当該ICカード3に記憶されているカードIDを読み出す(ステップS60)。
次いで,再生端末20は,当該カードIDをコンテンツ管理サーバ40に送信することによって,当該カードIDに対応する購入コンテンツ情報を要求する(ステップS62)。すると,コンテンツ管理サーバ40は,コンテンツ管理データベース50から,要求されたカードIDに対応する購入コンテンツ情報を検索して読み出し,アクセス回数などを更新する(ステップS64)。さらに,コンテンツ管理サーバ40は,例えば,当該購入コンテンツ情報の一部又は全部を再生端末20に送信する(ステップS66)。
さらに,再生端末20は,上記コンテンツ管理サーバ40から受信した購入コンテンツ情報に基づき購入コンテンツリストを生成して,表示する(ステップS68)。その後,上記購入コンテンツリストを閲覧したユーザが,ユーザ自身が再生を希望するコンテンツ,即ち,再生対象のコンテンツを選択して入力すると,再生端末20は,上記受信したコン購入テンツ情報に基づいて,上記再生対象のコンテンツのコンテンツアドレスを特定する(ステップS70)。
次いで,再生端末20は,上記再生対象のコンテンツを表すコンテンツ識別情報に対応するコンテンツアドレスのコンテンツ提供サーバ60に対して,コンテンツ要求情報を送信して,当該再生対象のコンテンツの配信を要求する(ステップS72)。このコンテンツ要求情報は,例えば,上記カードIDと,上記再生対象のコンテンツのコンテンツIDと,コンテンツ要求コマンドと,再生端末20のネットワーク上のアドレスなどを含む。
さらに,かかる購入指示を受けたコンテンツ提供サーバ60は,アクセス権限管理サーバ80に対し,上記カードIDを送信して,当該カードIDに対応するアクセス権限情報を要求する(ステップS74)。これに応じて,アクセス権限管理サーバ80は,アクセス権限データベース90内に上記カードIDに対応するフォルダ92から,アクセス権限情報を読み出し(ステップS76),当該アクセス権限情報をコンテンツ提供サーバ60に送信する(ステップS78)。
次いで,コンテンツ提供サーバ60は,アクセス権限管理サーバ80から受信したアクセス権限情報と,上記再生端末20から受信したコンテンIDとに基づいて,再生対象のコンテンツのアクセス権限を評価する(ステップS80)。この評価の結果,アクセス権限があると判断した場合には,上記再生対象のコンテンツをコンテンツデータベース70から読み出して,要求元の再生端末20に送信する(ステップS82)。このとき,コンテンツ提供サーバ60は,再生端末20に対して,再生対象のコンテンツをダウンロード形式で配信してもよいし,ストリーミング形式で配信してもよい。ダウンロード形式で配信される場合には,再生端末20は,コンテンツ提供サーバ60から再生対象のコンテンツを受信しながら,順次再生する(ステップS84)。一方,ダウンロード形式で配信される場合には,再生端末20は,コンテンツ提供サーバ60から再生対象のコンテンツを受信してコンテンツデータ保存用の記憶媒体に記録した後,当該再生対象のコンテンツを当該記憶媒体から読み出して再生する(ステップS84)。以上までのステップで,コンテンツの再生処理が終了する。
ここで,上記購入処理および再生処理に伴う,データベース50,90の管理と運用について具体例を挙げて説明する。
例えば,カードIDが0001のICカード3が未使用であるときには,コンテンツ管理データベース50及びアクセス権限データベース90には,当該ICカード3に対応するフォルダ52,92は未生成である。この状態で,購入端末10に当該ICカード3をセットして,例えば6つのコンテンツを購入すると,当該ICカード3のカードID「0001」が読み取られ,コンテンツ提供サーバ60を介してコンテンツ管理サーバ40及びアクセス権限管理サーバ80に通知される。すると,コンテンツ管理サーバ40は,購入コンテンツ管理データベース50内に当該カードIDに対応するフォルダ52を生成して,各コンテンツに関する購入コンテンツ情報を書き込む。さらに,アクセス権限管理サーバ80は,アクセス権限データベース90に当該カードIDに対応するフォルダ92を生成して,各コンテンツに関するアクセス情報を書き込む。
次に,再生端末20に購入時に使用した上記ICカード3をセットすると,コンテンツ管理データベース50のフォルダ52から,購入コンテンツ情報が読み出され,再生端末20に表示される。ユーザが再生対象のコンテンツを選択すると,再生端末20は上記購入コンテンツ情報に含まれているコンテンツアドレスにアクセスする。このコンテンツアドレスは,コンテンツ提供サーバ60のコンテンツを指し,アクセスされたコンテンツ提供サーバ60は,アクセスしてきた再生端末20で読み込まれたカードIDに基づき,対応するアクセス権限情報をアクセス権限データベース90から取得し,アクセス権限を確認した上で,再生対象のコンテンツを再生端末20に提供する。
例えば,図7に示したように,アクセス期限やアクセス回数などのアクセス制限が設定されている場合,コンテンツIDが「V0001」の映画コンテンツは,アクセス期限が一週間であるので,2004/11/8のPM3:00まで再生することができる。かかるアクセス制限により,当該映画コンテンツを,レンタルビデオ店で貸し出された映画コンテンツのように取り扱うことができる。
また,コンテンツIDが「V0002」の映画コンテンツは,アクセス回数制限が5回までであるので,ユーザは当該映画コンテンツを5回だけ視聴することができ,従来にない再生制限ができる。
さらに,コンテンツIDが「V0003」の音楽コンテンツは,アクセス制限が無制限であるので,当該音楽コンテンツがストリーミング形式で配信される場合であっても,ダウンロード購入したコンテンツと同じように視聴することができる。
これらのアクセス制限は,コンテンツ提供サーバ50によって設定・参照されるものであり,かかるアクセス制限によりコンテンツの提供手法を多様に制御できる。従って,常に新たなコンテンツの提供方法を容易に追加,変更することができ,拡張性と柔軟性に優れるという利点がある。
また,例えば映画コンテンツなどを提供する場合,上記コンテンツアドレス先に保存されているコンテンツを置換することで,映画の公開までは予告コンテンツを提供し,公開後は本編コンテンツを提供することもできる。
<コンテンツ継続購入方法>
本実施形態にかかるコンテンツ配信システム1では,上記のようにアクセス回数制限(再生回数制限)やアクセス期間制限(再生期間制限)などの制限が設定されたコンテンツに関し,アクセス権限を失効している場合には,再生端末20を用いて,例えば,ICカード3にチャージされた金額内で,当該コンテンツのアクセス権限を継続購入することができる。
そこで,以下に,図11に基づいて,本実施形態にかかるコンテンツ継続購入処理方法について説明する。なお,図11は,本実施形態にかかるコンテンツ継続購入処理方法を示すタイミングチャートである。
コンテンツの継続購入処理方法を概略的に説明すると,図11に示すように,まず,再生端末20を用いて,アクセス権限が失効したコンテンツを再生しようとした場合(ステップS100〜S112),再生端末20によって,ユーザに対して継続購入するか否を確認する処理がなされる(ステップS114)。この結果,ユーザが継続購入する旨を入力すると,再生端末20によって,ICカード3にチャージされた残金を確認(ステップS116)した上で,各サーバ60,80によって,継続購入されるコンテンツのアクセス権限情報を更新し(ステップS118〜S132),継続購入代金が決済される(ステップS134)。その後,コンテンツ提供サーバ60から再生端末20に,継続購入したコンテンツが配信され(ステップS136),当該コンテンツが再生される(ステップS138)。
以下に,かかる購入処理方法の処理フローについて,より詳細に説明する。
図11に示すように,まず,ユーザが,自己の所有するICカード3を再生端末20のリーダ/ライタ7にかざすと,再生端末20のリーダ/ライタ7は,当該ICカード3に記憶されているカードIDを読み出す(ステップS100)。
次いで,再生端末20は,当該カードIDをコンテンツ管理サーバ40に送信することによって,当該カードIDに対応する購入コンテンツ情報を要求する(ステップS102)。すると,コンテンツ管理サーバ40は,コンテンツ管理データベース50から,要求されたカードIDに対応する購入コンテンツ情報を検索して読み出し,アクセス回数などを更新する(ステップS104)。さらに,コンテンツ管理サーバ40は,例えば,当該購入コンテンツ情報の一部又は全部を再生端末20に送信する(ステップS106)。
さらに,再生端末20は,上記コンテンツ管理サーバ40から受信した購入コンテンツ情報に基づき購入コンテンツリストを生成して,表示する(ステップS108)。その後,上記購入コンテンツリストを閲覧したユーザが,ユーザ自身が再生を希望するコンテンツ,即ち,再生対象のコンテンツを選択して入力すると(ステップS110),再生端末20は,上記コンテンツ管理サーバ40から受信した購入コンテンツ情報に含まれている,再生対象のコンテンツに関するアクセス権限情報(上記アクセスタイプや,購入日時,アクセス回数など)を評価する(ステップS112)。
この評価の結果,当該再生対象のコンテンツのアクセス権限が失効していると判断した場合には,再生端末20は,権限が失効している旨の表示を行って,当該再生対象のコンテンツを継続購入するか否かの確認をユーザに求める(ステップ114)。さらに,このステップS114では,再生端末20は,上記継続購入が確認された継続購入対象コンテンツに関するアクセス権限情報の設定を行う。この結果,再生端末20は,ユーザの所定の入力操作(例えばEnterキーやPlayキーの押下など)によって,ユーザの継続購入の意思と,継続購入するアクセス権限内容とを確認した場合には,上記電子マネー機能付きICカード3にチャージされている残金が,継続購入代金以上あるか否かを確認する(ステップ116)。
この結果,再生端末20は,継続購入代金以上の残金があると判断した場合には,上記再生対象のコンテンツのコンテンツアドレス先のコンテンツ提供サーバ60に対して,上記読み出したカードIDと,上記継続購入対象のコンテンツを表すコンテンツIDと,継続購入指示コマンドと,上記設定されたアクセス権限情報とを送信して,継続購入指示を出す(ステップS118)。
次いで,かかる継続購入指示を受けたコンテンツ提供サーバ60は,アクセス権限管理サーバ80に,上記コンテンツID,カードID及びアクセス権限情報等を含むアクセス情報を送信して,当該アクセス情報の更新を要求する(ステップS120)。これに応じて,アクセス権限管理サーバ80は,アクセス権限データベース90内の上記カードIDに対応するフォルダ92に保存されているアクセス権限情報を更新する(ステップS122)。その後,アクセス権限管理サーバ80は,当該アクセス権限情報の更新が終了したことをコンテンツ提供サーバ60に通知する(ステップS124)。
さらに,コンテンツ提供サーバ60は,コンテンツ管理サーバ40に対し,上記再生端末20から受信したコンテンツID,カードID及びアクセス権限情報を含む購入コンテンツ情報を送信して,当該購入コンテンツ情報の更新を要求する(ステップS126)。これに応じて,コンテンツ管理サーバ40は,コンテンツ管理データベース50内の上記カードIDに対応するフォルダ52に保存されている購入コンテンツ情報のうち,アクセス権限情報を更新する(ステップS128)。その後,コンテンツ管理サーバ40は,当該購入コンテンツ情報の更新が終了したことをコンテンツ提供サーバ60に通知する(ステップS130)。
なお,上記ステップS120〜S124の処理と,上記ステップS126〜S130の処理は,上記とは逆の順序で実行されてもよい。
次いで,コンテンツ提供サーバ60は,再生端末20に対し,上記継続購入対象のコンテンツに関する更新登録処理が終了したことを通知する(ステップS132)。その後,再生端末20は,当該終了通知に応じて,ICカード3にチャージされている電子マネー情報を用いて,上記継続購入代金を決済する(ステップS134)。この決済の通知を受信後に,コンテンツ提供サーバ60は,上記継続購入対象のコンテンツ(即ち,上記ステップS110で選択された再生対象のコンテンツ)を,コンテンツデータベース70から読み出して,要求元の再生端末20に送信し(ステップS136),再生端末20は,当該コンテンツを再生する(ステップS138)。
以上のように,再生端末20が,電子マネー情報機能付きICカード3に対するライタ機能を有する場合には,権限が失効したコンテンツについて,当該ICカードにチャージされた金額内で自動的に継続購入することができる。これにより,コンテンツの失効した権限を容易かつ迅速に更新できるので,ユーザの利便性が向上する。
また,再生端末20の記憶されている設定情報,または,上記コンテンツ管理データベース50内の購入コンテンツ情報に含まれる設定情報を,「コンテンツの権限を自動的に継続更新する」設定にしておくことにより,上記ステップS114のような確認処理を行わずに,自動的に権限を継続更新することも可能である。
<ICカード間でのコンテンツのコピー,ムーブ処理>
本実施形態にかかるコンテンツ配信システム1では,コンテンツ管理データベース50がネットワーク5上にあるため,相異なる複数のICカード3間で,コンテンツをコピー(複製)またはムーブ(移動)するといった編集処理が可能である。以下に,ICカード3間でのコンテンツのコピー処理と,ムーブ処理について説明する。
コピー処理は,相異なるICカード3間で,コンテンツに関する情報を複製する処理である。このコピー処理では,ICカード3間で,アクセス権限情報はコピーされず,コンテンツ登録のみが行われる。つまり,コピー処理では,コピー元のICカード3に対応するフォルダ52,92に記憶されている上記購入コンテンツ情報及び上記アクセス情報のうち,コンテンツ識別情報,コンテンツ属性情報及びコンテンツアドレスについては,コピー先のICカード3に対応するフォルダ52にコピーされるが,アクセス権限情報については,コピー先のICカード3に対応するフォルダ92にコピーされない。従って,コピー先のICカード3にコピーされたコンテンツを再生しようとすると,アクセス権限がないため,当該コンテンツを再度購入する必要がある。
このようなコピー処理を実行することで,ユーザは,ICカード3を用いて一度購入したコンテンツに関するコンテンツアドレスを,自身の所有する他のICカード3や,他人の所有するICカード3に対し,迅速かつ容易に複製できる。このため,ユーザ自身の所有する複数のICカード3を整理する際や,自身の所有するコンテンツを他人に勧める際に便利である。ただし,このコピー処理では,アクセス権限情報はコピーされないので,購入代金を支払うことなく,コンテンツが大量にコピーされて再生されることを防止できる。
これに対し,ムーブ処理は,相異なるICカード3間で,コンテンツに関する情報を移動する処理である。このムーブ処理では,ICカード3間で,コンテンツ登録とともに,アクセス権限情報も移動される。つまり,ムーブ処理では,ムーブ元のICカード3に対応するフォルダ52,92に記憶されている上記購入コンテンツ情報及び上記アクセス情報のうち,コンテンツ識別情報,コンテンツ属性情報,コンテンツアドレス及びアクセス権限情報の全てが,ムーブ先のICカード3に対応するフォルダ52,92にムーブされ,ムーブ元のICカード3に対応するフォルダ52,92に記憶されている上記全ての情報は削除される。
このようなムーブ処理を実行することで,ユーザは,ICカード3を用いて購入したコンテンツを,自身の所有する他のICカード3や,他人の所有するICカード3に対し,迅速かつ容易に移し替えることができる。このため,ユーザ自身の所有する複数のICカード3を整理する際や,自身の所有するコンテンツを他人に譲渡する際に便利である。また,ムーブ処理では,ムーブ元のICカード3のアクセス権限情報は削除されるので,購入代金を支払うことなく,コンテンツが大量にコピーされることを防止できる。
ここで,図12に基づいて,本実施形態にかかるICカード3間でのコピー処理方法について説明する。なお,図12は,本実施形態にかかるICカード3間でのコピー処理方法を示すタイミングチャートである。
図12に示すように,まず,ユーザが,コピー元のICカード3を再生端末20にかざすと,再生端末20は,当該コピー元のICカード3に記憶されているカードIDを読み出し,コンテンツ管理サーバ40から,当該カードIDに対応する購入コンテンツ情報を取得して,購入コンテンツリストを表示する。(ステップS200〜S208)。このステップS200〜S208の処理は,上述した図10のステップS60〜S68と同様であるので,詳細説明は省略する。
次いで,上記購入コンテンツリストを閲覧したユーザが,コピーを希望するコンテンツを選択して入力し,さらに,メニューなどから「コピー」を選択して入力する(ステップ210)。
さらに,ユーザが,上記コピー元ICカード3の代わりに,コピー先のICカード3を再生端末20にかざすと,再生端末20は,当該コピー先のICカード3に記憶されているカードIDを読み出す(ステップ212)。
その後,ユーザが,メニューなどから「貼り付け(ペースト)」を選択入力してコピー実行を指示すると(ステップS214),再生端末20は,コンテンツ管理サーバ40に対して,コピー要求情報を送信して,当該コピー対象のコンテンツの購入コンテンツ情報をコピーするよう要求する(ステップS216)。このコピー要求情報は,例えば,コピー先及びコピー元のICカード3のカードIDと,上記コピー対象のコンテンツを表すコンテンツ識別情報と,コピーコマンドとを含む。
このコピー要求情報に応じて,コンテンツ管理サーバ40は,コンテンツ管理データベース50内の上記コピー先のカードIDに対応するフォルダ52に,上記コピー元のカードIDに対応するフォルダ52に保存されている上記コピー対象のコンテンツの購入コンテンツ情報を書き込む(ステップS218)この際,コンテンツ管理サーバ40は,購入日時やアクセス回数などのアクセス権限情報については,権限が失効した状態となるように更新する。さらに,コンテンツ管理サーバ40は,コピーが完了した旨を再生端末20に通知する(ステップS220)。
なお,アクセス権限データベース90に関しては,上記コピー元のフォルダ92に保存されていた上記コピー対象のコンテンツに関するアクセス権限情報は,上記コピー先のカードIDに対応するフォルダ92にコピーされない。このため,コピー先のICカード3に関してはアクセス権限が失効した状態であるため,コピー先のICカード3を用いて上記コピーされたコンテンツを再生するためには,当該コンテンツを再度購入する必要がある。
この購入の際には,上記コピー処理により,コンテンツ管理データベース50内のコピー先のICカード3に対応するフォルダ52に,当該コンテンツに関するコンテンツ識別情報及びコンテンツアドレス等が記憶されているので,上記図12に示した継続購入処理のようにして,当該コンテンツを容易かつ迅速に照会・選択して購入できる。
次に,図13に基づいて,本実施形態にかかるICカード3間でのムーブ処理方法について説明する。なお,図13は,本実施形態にかかるICカード3間でのムーブ処理方法を示すタイミングチャートである。
図13に示すように,まず,ユーザが,ムーブ元のICカード3を再生端末20にかざすと,再生端末20は,当該ムーブ元のICカード3に記憶されているカードIDを読み出し,コンテンツ管理サーバ40から,当該カードIDに対応する購入コンテンツ情報を取得して,購入コンテンツリストを表示する。(ステップS300〜S308)。このステップS300〜S308の処理は,上述した図10のステップS60〜S68と同様であるので,詳細説明は省略する。
次いで,上記購入コンテンツリストを閲覧したユーザが,ムーブを希望するコンテンツを選択して入力し,さらに,メニューなどから「切り取り(カット)」を選択して入力すると,再生端末20は,上記購入コンテンツ情報から,ムーブ対象のコンテンツのコンテンツIDを取得する(ステップ310)。
さらに,ユーザが,上記ムーブ元ICカード3の代わりに,ムーブ先のICカード3を再生端末20にかざすと,再生端末20は,当該ムーブ先のICカード3に記憶されているカードIDを読み出す(ステップ312)。
その後,ユーザが,メニューなどから「貼り付け(ペースト)」を選択入力してムーブ実行を指示すると(ステップS314),再生端末20は,コンテンツ管理サーバ40に対して,第1のムーブ要求情報を送信して,当該ムーブ対象のコンテンツの購入コンテンツ情報のムーブを要求する(ステップS316)。この第1のムーブ要求情報は,例えば,ムーブ元のICカード3のカードIDと,ムーブ先のICカード3のカードIDと,ムーブコマンドとを含む。
この第1のムーブ要求情報に応じて,コンテンツ管理サーバ40は,コンテンツ管理データベース50内の上記ムーブ元のカードIDに対応するフォルダ52における上記ムーブ対象のコンテンツに関する購入コンテンツ情報を読み出して削除して,上記ムーブ先のカードIDに対応するフォルダ52に,当該読み出してムーブ対象のコンテンツに関する購入コンテンツ情報を書き込む(ステップS318)この際,コンテンツ管理サーバ40は,アクセス権限情報についても他の情報と同様に更新する。さらに,コンテンツ管理サーバ40は,ムーブが終了した旨を再生端末20に通知する(ステップS320)。
その後,再生端末20は,コンテンツ提供サーバ60に対して,第2のムーブ要求情報を送信して,当該ムーブ対象のコンテンツに関するアクセス情報をムーブするよう要求する(ステップS322)。この第2のムーブ要求情報は,例えば,ムーブ先のICカード3のカードIDと,ムーブコマンドとを含む。
この第2のムーブ要求情報に応じて,コンテンツ提供サーバ60は,アクセス権限管理サーバ80に依頼して,アクセス権限データベース90内の上記ムーブ元のカードIDに対応するフォルダ92における上記ムーブ対象のコンテンツに関するアクセス情報を読み出して削除して,上記ムーブ先のカードIDに対応するフォルダ92に,当該ムーブ対象のコンテンツに関するアクセス情報を書き込む処理を行い(ステップS324〜S328),このムーブが終了した旨を再生端末20に通知する(ステップS330)。これにより,コンテンツ登録とともにアクセス権限情報も移動されるので,ムーブ元のICカード3に登録されていたコンテンツおよびアクセス権限は削除され,ムーブ先のICカード3でのみ再生可能となる。
なお,上記コピー処理方法およびムーブ処理方法において,コピー元及びムーブ元のフォルダ52,92は,本実施形態にかかる第1のフォルダに相当し,コピー先及びムーブ先のフォルダ52,92は,本実施形態にかかる第2のフォルダに相当する。
<ゲームコンテンツのセーブデータの管理方法>
コンテンツ管理サーバ40が管理するコンテンツ管理データベース50のフォルダ52は,ネットワークディレクトリサービス上で稼動する共有フォルダとしても機能する。従って,かかるフォルダ52に,購入コンテンツ情報の一部として,購入コンテンツに関連するデータファイルを保存することができる。
例えば,ゲーム機器等の購入端末10を用いてゲームコンテンツを購入し,ゲーム機等の再生端末20を用いて当該ゲームコンテンツをプレイ途中で中断する場合,そのゲームコンテンツのセーブデータを,図7に示したように購入コンテンツ情報の一部として上記フォルダ52内に保存することができる。
以下に,図14に基づいて,本実施形態にかかるゲームコンテンツのセーブデータ管理方法について説明する。なお,図14は,本実施形態にかかるゲームコンテンツのセーブデータ管理方法を示すタイミングチャートである。
図14に示すように,まず,ユーザが,ゲームコンテンツを購入したときに使用したICカード3を,ゲーム機である再生端末20にかざすと,再生端末20は,当該ICカード3に記憶されているカードIDを読み出し,コンテンツ管理サーバ40から,当該カードIDに対応する購入コンテンツ情報を取得して,購入コンテンツリストを表示する。(ステップS400〜S408)。このステップS400〜S408の処理は,上述した図10のステップS60〜S68と同様であるので,詳細説明は省略する。
次いで,ユーザが,ゲームコンテンツを選択して入力すると,再生端末20は,コンテンツ提供サーバ60にアクセスしてゲームコンテンツの配信要求をし(ステップS412),コンテンツ提供サーバ60は,アクセス権限管理サーバ80に依頼して,アクセス権限データベース90内の上記カードIDに対応するゲームコンテンツのアクセス権限情報を取得する(ステップS414〜S418),さらに,コンテンツ提供サーバ60は,取得したアクセス権限を評価して(ステップS420),アクセス権限がある場合には,当該ゲームコンテンツを再生端末20に配信する(ステップS422)。このステップS412〜S422の処理は,上述した図10のステップS72〜S82と同様であるので,詳細説明は省略する。
次いで,ゲームコンテンツが配信された再生端末20は,上記ステップS406で取得した購入コンテンツ情報から,ゲームコンテンツのセーブデータファイル名を読み出し(ただし,セーブデータが保存されてないときは当該ファイル名はない。),当該セーブデータファイル名とカードIDをコンテンツ管理サーバ40に対して送信して,該当するセーブデータを要求する(ステップS424)。これに応じて,コンテンツ管理サーバ40は,コンテンツ管理データベース50内の当該カードIDに対応するフォルダ52から,当該セーブデータファイル名に対応するセーブデータを読み出し(ステップS426),当該セーブデータを再生端末20に送信する(ステップS428)。これによって,再生端末20は,コンテンツ管理サーバ40から受信したセーブデータに基づいて,ゲームコンテンツのプレイを再開することができる(ステップS430)。
また,ゲームコンテンツのプレイを中断するときには,再生端末20は,新たにゲームデータを生成し(ステップS432),当該セーブデータを例えばカードIDとコンテンツIDとともにコンテンツ管理サーバ40に送信する(ステップS434)。これに応じて,コンテンツ管理サーバ40は,コンテンツ管理データベース50の該当するフォルダ52内において,セーブデータファイル名の項目にファイル名を書き込み,該当するセーブデータファイルに新たなセーブデータを書き込んで保存する(ステップS436)。その後,コンテンツ管理サーバ40は,セーブデータの保存完了を再生端末20に通知する(ステップS438)。
なお,上記処理フローでは,セーブデータの保存先は,コンテンツ管理データベース50であったが,かかる例に限定されない。例えば,コンテンツデータベース70等の他のデータベースに,セーブデータを保存し,コンテンツ管理データベース50のフォルダ52に,セーブデータファイル名若しくは当該セーブデータファイルのアドレスを保存してもよい。これにより,フォルダ52内のセーブデータファイル名若しくはアドレスを参照して,セーブデータを読み出して,ゲームコンテンツを再開することができる。
以上,本実施形態にかかるコンテンツ配信システム1,およびその構成要素,並びにこれらの処理動作について詳細に説明した。本実施形態にかかるコンテンツ配信システム1によれば,ジャンルやアーティストなどのコンテンツ属性やユーザの嗜好などに応じた複数のICカード3を使用して,各ICカード3にネットワークコンテンツを関連づけることで,ユーザは,自身の所有する膨大な数のコンテンツを容易に管理することができる。このとき,物理的なデバイスであるICカード3を用いて複数のネットワークコンテンツを管理できるので,ユーザによる無形のネットワークコンテンツの取り扱いが便利である。
また,固有のユニークIDを記憶した携帯型の記憶媒体を購入端末や再生端末にかざすだけで,コンテンツを購入でき,また,当該ユニークIDに関連づけられたコンテンツが再生端末に配信される。このため,ユーザは,ネットワークコンテンツを利用する際に,ユーザIDやパスワードを管理・入力する必要がなく,ネットワークコンテンツを容易かつ迅速に購入及び再生できる。
さらに,上記コンテンツ配信システム1においては,ユーザは,物理的なデバイスであるICカード3が,あたかも記憶容量制限の無い記憶媒体として機能し,その中に大量のコンテンツが記憶されているかのように感じるので,無形のネットワークコンテンツを購入したという実感がわく。このため,ユーザによるネットワークコンテンツの購入に対する抵抗感を低減できるので,ネットワークコンテンツの利用を促進し,コンテンツ配信システム1の普及に寄与することができる。
また,上記ICカード3等の携帯型の記憶媒体に記憶されるユニークID(カードID)は,当該携帯型の記憶媒体を識別するためだけの単なる識別子であり,ユーザID,パスワード,クレジットカード番号等の認証情報や個人情報のように高いセキュリティ性が求められる重要な情報ではない。従って,ユニークIDのセキュリティ性を比較的考慮しなくてすむので,ユニークIDを記憶した当該携帯型の記憶媒体を,比較的安価かつ容易に製造して提供できるとともに,ICカード3等の携帯型の記憶媒体を紛失したり,盗難されたりしても,影響が小さいという利点がある。
また,ICカード3を再生端末20かざしてコンテンツを選択するだけで,配信コンテンツを再生できるので,再生作業が簡単であり,コンテンツ再生を行うまでの時間が短いという利点もある。ネットワーク通信可能な機器であれば,再生場所や機器の異同に関わらず,同一のICカード3に登録されたコンテンツの配信を受けて再生することができる。さらに,コンテンツサービス事業者が運営するコンテンツ提供サーバ60からコンテンツを購入して再生するので,所定レベル以上の音質,画質のコンテンツを視聴できる。
また,オンラインゲーム等のゲームコンテンツのセーブデータを,例えばコンテンツ管理データベース50内に上記カードIDと関連づけて記録しておき,その後,再生端末20によるゲームの再開時に,ICカード3を読み込ませることによって,当該セーブデータをコンテンツ管理データベース50から読み出して利用することもできる。これにより,ユーザは,ネットワークに接続可能な1又は2以上の機器を利用して,機器の異同を問わず,場所を問わずに,同一のゲームコンテンツを継続的に楽しむことができる。例えば,ユーザは,自宅のコンピュータでゲームコンテンツをプレイした後に,当該ゲームコンテンツが登録されたICカード3を携帯して外出し,ゲームセンター店のゲーム機でセーブデータを読み出してゲームの続きを楽しむことができる。
また,ICカード3として,コンテンツの配信代金を支払い可能な電子マネー機能付きのICカード(例えば,Edyカード)を使用して,購入コンテンツの決済処理を当該電子マネー機能付きのICカードを利用して行ってもよい。これにより,コンテンツの購入作業がより容易になるとともに,再生端末20により購入コンテンツに対してアクセスする度ごと(購入コンテンツの再生ごと)に課金することが可能になる。
また,コンテンツを提供する事業者は,コンテンツ管理データベース50の各フォルダ52に記憶されるアクセスログ(アクセス回数等)に基づいて,ユーザの嗜好,動向などを調査することができる。また,再生端末20によるコンテンツに対するアクセス制限を使い分けることで,ネットワークコンテンツの多様な提供方法を実現することができる。
また,アクセス制限制御をサーバ装置60,80側で行うため,購入端末10および再生端末20側の処理を低減して,当該端末の構成を簡素化にできる。また,ストリーム形式で配信する場合には,再生端末20に大記憶容量の記憶媒体が不要であるので,再生端末20の構成をより簡素化して,安価にできる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。