JP4539870B2 - 薄膜デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、導体層と、この導体層に接続された端子電極とを備えた薄膜デバイスに関する。
近年、携帯電話機等の高周波電子機器の小型化・薄型化の要求に伴い、高周波電子機器に搭載される電子部品の小型化、低背化が求められている。電子部品には、基板の上に、薄膜形成技術を用いて絶縁層や導体層等を形成して構成されたものがある。このように薄膜形成技術を用いて形成された電子部品を、本出願では薄膜デバイスと呼ぶ。
薄膜デバイスでは、導体層を外部回路に接続するための端子電極が設けられる。ここで、薄膜デバイスのうち、端子電極以外の部分をデバイス本体と呼ぶ。端子電極に接続される導体層は、例えば、配線部分を含み、この配線部分の端面がデバイス本体の側面において露出するように形成される。この場合、端子電極は、配線部分の端面に接続されるように、例えば、デバイス本体の側面に配置される。
以下、デバイス本体の側面に端子電極が配置された薄膜デバイスの製造方法の一例について説明する。この製造方法では、まず、1枚のウェハ(基板)上に複数個の薄膜デバイスに対応する導体層等を形成することによって、薄膜デバイス用基礎構造物を作製する。この基礎構造物は、それぞれデバイス本体となる複数のデバイス本体予定部を含んでいる。また、基礎構造物には、隣接するデバイス本体予定部の間に除去予定部が設けられる。次に、除去予定部の位置において基礎構造物を切断することによって、複数のデバイス本体予定部を分離して、複数のデバイス本体を作製する。このように基礎構造物を切断することによって、デバイス本体の側面が形成されると共に、この側面において、端子電極に接続される配線部分の端面が露出する。次に、デバイス本体の側面に端子電極を形成する。
ところで、薄膜デバイスの小型化、低背化のためには、導体層等の層を薄くすることが有効である。しかしながら、上記の製造方法では、導体層を薄くすると、端子電極に接続される配線部分の端面の面積が減少する。その結果、導体層と端子電極とが接触する領域の面積が減少し、導体層と端子電極との接続信頼性を確保することが難しくなるという問題が発生する。
上記の問題を回避するために、配線部分の幅を大きくすることによって、配線部分の端面の面積を大きくすることが考えられる。しかし、この場合には、薄膜デバイスにおいて、配線部分の密度が低下して薄膜デバイスの小型化が難しくなったり、配線部分のインピーダンスが所望の値からずれて薄膜デバイスの特性が劣化したりするという問題が発生する。また、薄膜デバイスにおいて配線部分が配置される領域の面積が大きくなり、薄膜デバイスの省スペース化、小型化が難しくなるという問題が発生する。
特許文献1には、基板上に内部導体膜が配置され、内部導体膜の端面に外部端子電極が接続されたチップ型電子部品において、内部導体膜の端面を基板の切断面に対して傾斜させる技術が記載されている。
また、特許文献2には、基板上に電極が配置され、電極の端面に外部端子が接続された電子部品において、基板上の電極の端面を、基板の切断端面に対して傾斜させる技術が記載されている。
また、特許文献3には、基板上に、3層以上の内部電極層と2層以上の誘電体層が交互に積層され、基板の側面に、内部電極層に接続された外部電極が配置された薄膜コンデンサが記載されている。特許文献3には、回路上で1つのコンデンサにおける一方の電極を構成する2層の内部電極層を、基板の側面の近傍で重ね合わせ、この2層の内部電極層における重ね合わされた部分に外部電極を接続する技術が記載されている。
また、特許文献4には、基板上に、4層の内部電極と4層の薄膜誘電体が交互に積層され、基板の側面に、内部電極に接続された外部電極が配置された薄膜コンデンサが記載されている。特許文献5には、回路上で1つのコンデンサにおける一方の電極を構成する2層の内部電極を、基板の側面の近傍で重ね合わせ、この2層の内部電極における重ね合わされた部分に外部電極を接続する技術が記載されている。
特開平10−163002号公報 特開平11−3833号公報 特開平2−121313号公報 特開平5−129149号公報
以下の説明では、特許文献1における外部端子電極、特許文献2における外部端子、特許文献3、4における外部電極を、いずれも端子電極と呼ぶ。
前述のように、デバイス本体の側面に端子電極が配置された薄膜デバイスでは、導体層を薄くすると、端子電極に接続される配線部分の端面の面積が減少し、その結果、導体層と端子電極とが接触する領域の面積が減少し、導体層と端子電極との接続信頼性を確保することが難しくなるという問題点があった。
特許文献1または2に記載された技術によれば、導体層と端子電極とが接触する領域の面積を増加させることができるが、その面積の増加量はわずかである。そのため、特許文献1または2に記載された技術では、導体層と端子電極との接続信頼性を十分に確保することは難しい。
特許文献3または4に記載された技術によれば、端子電極が1層の導体層の端面にのみ接触する場合に比べて、導体層と端子電極とが接触する領域の面積を増加させることができる。しかしながら、特許文献3または4に記載された技術は、回路上で1つのコンデンサにおける一方の電極を構成する導体層が複数存在する場合にしか適用することができない。回路上で1つのコンデンサにおける一方の電極を構成する導体層が複数存在する場合には、薄膜デバイスの小型化、低背化が難しくなる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、導体層と、この導体層に接続された端子電極とを備えた薄膜デバイスであって、導体層と端子電極との接続信頼性を高めることができると共に、薄膜デバイスの小型化、低背化を図ることができるようにした薄膜デバイスを提供することにある。
本発明の第1の薄膜デバイスは、積層体と端子電極とを備えている。積層体は、積層方向について異なる位置に配置された複数の導体層と、積層方向について隣接する2つの導体層の間に配置された絶縁層とを含むと共に、側面を有している。端子電極は、積層体の側面に接するように配置されている。また、積層体は、それぞれ1層以上の導体層を用いて構成された第1および第2の受動素子を有している。複数の導体層は、第1の受動素子を構成するために用いられる第1の導体層と、第2の受動素子を構成するために用いられ、第1の導体層とは積層方向に異なる位置に配置された第2の導体層とを含んでいる。積層体の側面において、第1の導体層の端面と第2の導体層の端面は電気的且つ物理的に接続され、端子電極は第1の導体層の端面および第2の導体層の端面に接触して、第1および第2の導体層に接続されている。
本発明の第1の薄膜デバイスでは、端子電極は、積層体の側面において、電気的且つ物理的に接続された第1の導体層の端面および第2の導体層の端面に接触して、第1および第2の導体層に接続される。
本発明の第1の薄膜デバイスにおいて、第1の受動素子と第2の受動素子は、互いに異なるキャパシタであってもよいし、互いに異なるインダクタであってもよい。なお、それらだけで並列回路を構成する2つのキャパシタは、回路上では1つのキャパシタとみなすことができるので、このような2つのキャパシタは、本発明における第1の受動素子および第2の受動素子としての「互いに異なるキャパシタ」には含まれない。
また、本発明の第1の薄膜デバイスにおいて、積層方向に並ぶ導体層の最大の数は2であってもよい。
本発明の第2の薄膜デバイスは、積層体と端子電極とを備えている。積層体は、積層方向について異なる位置に配置された複数の導体層と、積層方向について隣接する2つの導体層の間に配置された絶縁層とを含むと共に、側面を有している。端子電極は、積層体の側面に接するように配置されている。また、積層体は、1層以上の導体層を用いて構成された受動素子を有している。複数の導体層は、受動素子を構成するために用いられる第1の導体層と、第1の導体層とは積層方向に異なる位置に配置され、上記受動素子を構成するためには用いられない第2の導体層とを含んでいる。積層体の側面において、第1の導体層の端面と第2の導体層の端面は電気的且つ物理的に接続され、端子電極は第1の導体層の端面および第2の導体層の端面に接触して、第1および第2の導体層に接続されている。
本発明の第2の薄膜デバイスでは、端子電極は、積層体の側面において、電気的且つ物理的に接続された第1の導体層の端面および第2の導体層の端面に接触して、第1および第2の導体層に接続される。
本発明の第2の薄膜デバイスにおいて、積層方向に並ぶ導体層の最大の数は2であってもよい。
本発明の第1または第2の薄膜デバイスでは、端子電極は、積層体の側面において、電気的且つ物理的に接続された第1の導体層の端面および第2の導体層の端面に接触して、第1および第2の導体層に接続される。これにより、本発明によれば、導体層と端子電極とが接触する領域の面積を大きくすることができ、その結果、導体層と端子電極との接続信頼性を高めることができるという効果を奏する。また、本発明では、端子電極に接続される面を形成するために用いられる第1の導体層と第2の導体層は、同じ1つの受動素子を構成するために用いられる導体層ではない。そのため、本発明によれば、端子電極に接続される面を形成するために、1つの受動素子を構成するために用いられる導体層の数を必要以上に多くする必要がなく、その結果、薄膜デバイスの小型化、低背化を図ることができるという効果を奏する。
本発明の第1または第2の薄膜デバイスにおいて、積層方向に並ぶ導体層の最大の数が2である場合には、特に薄膜デバイスの小型化、低背化を図ることができるという効果を奏する。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図9を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜デバイスの回路構成について説明する。図9は、本実施の形態に係る薄膜デバイスの回路構成を示す回路図である。本実施の形態に係る薄膜デバイス1は、ローパスフィルタの機能を有している。
図9に示したように、本実施の形態に係る薄膜デバイス1は、信号の入出力が行われる2つの入出力端子101,102と、3つのキャパシタ111,112,113と、1つのインダクタ114とを備えている。キャパシタ111の一端は入出力端子101に接続され、キャパシタ111の他端は接地されている。キャパシタ112の一端は入出力端子102に接続され、キャパシタ112の他端は接地されている。キャパシタ113の一端は入出力端子101に接続され、キャパシタ113の他端は入出力端子102に接続されている。インダクタ114の一端は入出力端子101に接続され、インダクタ114の他端は入出力端子102に接続されている。
次に、図1ないし図8を参照して、本実施の形態に係る薄膜デバイス1の構造について説明する。図1および図2は、それぞれ薄膜デバイス1の断面図である。図3は、薄膜デバイス1の平面図である。図1は、図3においてA−A線で示される断面を表している。図2は、図3においてB−B線で示される断面を表している。図4は、薄膜デバイス1に含まれる下部導体層を示す平面図である。図5は、薄膜デバイス1に含まれる絶縁層を示す平面図である。図6は、薄膜デバイス1に含まれる誘電体膜を示す平面図である。図7は、薄膜デバイス1に含まれる上部導体層を示す平面図である。図8は、薄膜デバイス1に含まれる保護膜を示す平面図である。
図1ないし図3に示したように、薄膜デバイス1は、デバイス本体1Bと、4つの端子電極11〜14とを備えている。デバイス本体1Bは、本発明における積層体に対応する。デバイス本体1Bは、ほぼ直方体形状をなし、上面1aと、底面1bと、これら上面1aと底面1bとを連結する4つの側面1c〜1fとを有している。端子電極11〜14は、それぞれ側面1c〜1fの一部に接触するように配置されている。端子電極11は、図9における入出力端子101を構成する。端子電極12は、図9における入出力端子102を構成する。端子電極13,14は、グランドに接続されるようになっている。
デバイス本体1Bは、基板2と、この基板2の上に順に積層された平坦化膜3、下部導体層41〜43、絶縁層5、誘電体膜6、上部導体層71〜74および保護膜8を備えている。
基板2は、直方体形状をなしている。また、基板2は、互いに反対側を向く上面2aおよび下面2bと、上面2aと下面2bとを連結する4つの側面2c〜2fとを有している。基板2は、例えば絶縁材料(誘電体材料)によって構成されている。基板2を構成する絶縁材料は、無機材料でもよいし有機材料でもよい。基板2を構成する絶縁材料としては、例えばAlを用いることができる。また、基板2は、半導体材料によって構成されていてもよい。
平坦化膜3は、絶縁材料によって構成されている。平坦化膜3を構成する絶縁材料は、無機材料でもよいし有機材料でもよい。平坦化膜3を構成する無機材料としては、例えばAlを用いることができる。平坦化膜3を構成する有機材料としては、例えば樹脂を用いることができる。この場合、樹脂は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂のいずれでもよい。平坦化膜3の上面の表面粗さは、基板2の上面の表面粗さよりも小さい。従って、平坦化膜3は、下部導体層41〜43の下地の表面粗さを小さくする機能を有している。平坦化膜3には、基板2の上面の凹凸を吸収して、平坦化膜3の上面が平坦になることが求められる。そのためには、平坦化膜3の厚みは、0.1〜10μmの範囲内であることが好ましい。基板2が絶縁材料によって構成され、且つその上面の表面粗さが十分に小さい場合には、平坦化膜3を設けずに、基板2の上に直接、下部導体層41〜43を配置してもよい。
下部導体層41〜43と、上部導体層71〜74と、端子電極11〜14は、導電材料によって構成されている。下部導体層41〜43の厚みは、5〜10μmの範囲内であることが好ましい。上部導体層71〜74の厚みは、5〜10μmの範囲内であることが好ましい。コーナー部や段差で端子電極11〜14の断線が生じないように配慮して、端子電極11〜14の厚みは、0.5〜10μmの範囲内であることが好ましい。
絶縁層5と保護膜8は、いずれも絶縁材料によって構成されている。絶縁層5と保護膜8を構成する各絶縁材料は、無機材料でもよいし有機材料でもよい。絶縁層5と保護膜8を構成する無機材料としては、例えばAlを用いることができる。絶縁層5と保護膜8を構成する有機材料としては、例えば樹脂を用いることができる。この場合、樹脂は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂のいずれでもよい。樹脂としては、例えば、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、四ふっ化エチレン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル、液晶ポリマ、変性ポリイミドを用いることができる。また、樹脂は、感光性樹脂であってもよい。絶縁層5の厚みは、上部導体層と下部導体層との絶縁信頼性を良好にすると共に、浮遊容量等の不要成分の発生を抑えて高周波特性を良好にするために、0.1〜10μmの範囲内であることが好ましい。保護膜8の厚みは、保護膜8によって製品内部を保護するために、1〜50μmの範囲内であることが好ましい。
誘電体膜6は誘電体材料によって構成されている。誘電体膜6を構成する誘電体材料は、無機材料であることが好ましい。誘電体膜6を構成する誘電体材料としては、例えば、Al、SiまたはSiOを用いることができる。誘電体膜6の厚みは、0.02〜1μmの範囲内であることが好ましく、0.05〜0.5μmの範囲内であることがより好ましい。
次に、図4を参照して、下部導体層41〜43の形状について説明する。図4は、下部導体層41〜43を示す平面図である。下部導体層41は、引き出し電極部41aと、この引き出し電極部41aに接続されたキャパシタ構成部41bと、一端部がキャパシタ構成部41bに接続されたインダクタ構成部41cとを備えている。下部導体層41は、下部導体層41を上方から見たときに基板2の上面2aと側面2cとの間の稜線に重なる位置に配置された端面41Eを有している。端面41Eは、引き出し電極部41aの端面でもある。
下部導体層42は、引き出し電極部42aと、この引き出し電極部42aに接続された配線部42bとを備えている。下部導体層42は、下部導体層42を上方から見たときに基板2の上面2aと側面2dとの間の稜線に重なる位置に配置された端面42Eを有している。端面42Eは、引き出し電極部42aの端面でもある。
下部導体層43は、引き出し電極部43a1,43a2と、引き出し電極部43a1,43a2を接続するキャパシタ構成部43bとを備えている。下部導体層43は、下部導体層43を上方から見たときに基板2の上面2aと側面2eとの間の稜線に重なる位置に配置された端面43E1を有している。端面43E1は、引き出し電極部43a1の端面でもある。また、下部導体層43は、下部導体層43を上方から見たときに基板2の上面2aと側面2fとの間の稜線に重なる位置に配置された端面43E2を有している。端面43E2は、引き出し電極部43a2の端面でもある。
次に、図5を参照して、絶縁層5の形状について説明する。図5は、絶縁層5を示す平面図である。絶縁層5は、平坦化膜3および下部導体層41〜43の大部分を覆う。絶縁層5には、開口部51〜55が形成されている。開口部51,52は、下部導体層41のキャパシタ構成部41bの上方の位置に配置されている。開口部53は、下部導体層43のキャパシタ構成部43bの上方の位置に配置されている。開口部54は、下部導体層41のインダクタ構成部41cにおける他端部の近傍の部分の上方の位置に配置されている。開口部55は、下部導体層42の配線部42bの上方の位置に配置されている。
また、絶縁層5は、それぞれ、絶縁層5の外縁から内側に凹んだ形状をなす4つの凹部5c〜5fを有している。凹部5c〜5fは、それぞれ、基板2の側面2c〜2fに対応する位置に配置されている。また、凹部5c〜5fは、それぞれ、引き出し電極部41a,42a,43a1,43a2の上面を露出させる。
次に、図6を参照して、誘電体膜6の形状について説明する。図6は、誘電体膜6を示す平面図である。誘電体膜6は、絶縁層5の上面全体を覆う。また、誘電体膜6は、開口部51,52,53内にも配置されている。誘電体膜6には、開口部64,65が形成されている。開口部64は、絶縁層5の開口部54の上方の位置に配置されている。開口部65は、絶縁層5の開口部55の上方の位置に配置されている。
また、誘電体膜6は、それぞれ、誘電体膜6の外縁から内側に凹んだ形状をなす4つの凹部6c〜6fを有している。凹部6c〜6fは、それぞれ、絶縁層5の凹部5c〜5fの上方の位置に配置されている。また、凹部6c〜6fは、それぞれ、引き出し電極部41a,42a,43a1,43a2の上面を露出させる。
次に、図7を参照して、上部導体層71〜74の形状について説明する。図7は、上部導体層71〜74を示す平面図である。上部導体層71は、引き出し電極部71aと、引き出し電極部71aに接続された幅広部71bとを備えている。上部導体層71は、上部導体層71を上方から見たときに基板2の上面2aと側面2cとの間の稜線に重なる位置に配置された端面71Eを有している。端面71Eは、引き出し電極部71aの端面でもある。
上部導体層72は、引き出し電極部72aと、引き出し電極部72aに接続された幅広部72bとを備えている。上部導体層72は、上部導体層72を上方から見たときに基板2の上面2aと側面2dとの間の稜線に重なる位置に配置された端面72Eを有している。端面72Eは、引き出し電極部72aの端面でもある。
上部導体層73は、引き出し電極部73a1,73a2と、引き出し電極部73a1,73a2を接続するキャパシタ構成部73bとを備えている。上部導体層73は、上部導体層73を上方から見たときに基板2の上面2aと側面2eとの間の稜線に重なる位置に配置された端面73E1を有している。端面73E1は、引き出し電極部73a1の端面でもある。また、上部導体層73は、上部導体層73を上方から見たときに基板2の上面2aと側面2fとの間の稜線に重なる位置に配置された端面73E2を有している。端面73E2は、引き出し電極部73a2の端面でもある。キャパシタ構成部73bの一部は、開口部51内に配置され、誘電体膜6を介して、下部導体層41のキャパシタ構成部41bの一部に対向している。これらキャパシタ構成部73b,41bの各一部と誘電体膜6は、図9におけるキャパシタ111を構成する。
上部導体層74は、キャパシタ構成部74a,74bと、キャパシタ構成部74a,74bを接続する配線部74cとを備えている。キャパシタ構成部74aの一部は、開口部52内に配置され、誘電体膜6を介して、下部導体層41のキャパシタ構成部41bの他の一部に対向している。これらキャパシタ構成部74a,41bの各一部と誘電体膜6は、図9におけるキャパシタ113を構成する。キャパシタ構成部74bの一部は、開口部53内に配置され、誘電体膜6を介して、下部導体層43のキャパシタ構成部43bの一部に対向している。これらキャパシタ構成部74b,43bの各一部と誘電体膜6は、図9におけるキャパシタ112を構成する。また、キャパシタ構成部74bの他の一部は、開口部65,55内に配置され、下部導体層42の配線部42bに接続されている。また、配線部74cの一部は、開口部64,54内に配置され、下部導体層41のインダクタ構成部41cにおける他端部の近傍の部分に接続されている。インダクタ構成部41cは、図9におけるインダクタ114を構成する。
また、引き出し電極部71a,72a,73a1,73a2は、それぞれ、引き出し電極部41a,42a,43a1,43a2に接続されている。
次に、図8を参照して、保護膜8の形状について説明する。図8は、保護膜8を示す平面図である。保護膜8は、上部導体層71〜74の大部分を覆う。保護膜8は、それぞれ、保護膜8の外縁から内側に凹んだ形状をなす4つの凹部8c〜8fを有している。凹部8c〜8fは、それぞれ、誘電体膜6の凹部6c〜6fの上方の位置に配置されている。また、凹部8c〜8fは、それぞれ、引き出し電極部71a,72a,73a1,73a2の上面を露出させる。
次に、図1ないし図3を参照して、端子電極11〜14と導体層との接続について詳しく説明する。図2に示したように、デバイス本体1Bの側面1cにおいて、下部導体層41の端面41Eと上部導体層71の端面71Eは電気的且つ物理的に接続されている。これにより、端面41E,71Eは、連続する1つの端子接続面91cを形成している。また、図2に示したように、デバイス本体1Bの側面1dにおいて、下部導体層42の端面42Eと上部導体層72の端面72Eは電気的且つ物理的に接続されている。これにより、端面42E,72Eは、連続する1つの端子接続面91dを形成している。また、図1に示したように、デバイス本体1Bの側面1eにおいて、下部導体層43の端面43E1と上部導体層73の端面73E1は電気的且つ物理的に接続されている。これにより、端面43E1,73E1は、連続する1つの端子接続面91eを形成している。また、図1に示したように、デバイス本体1Bの側面1fにおいて、下部導体層43の端面43E2と上部導体層73の端面73E2は電気的且つ物理的に接続されている。これにより、端面43E2,73E2は、連続する1つの端子接続面91fを形成している。
図2に示したように、端子電極11は、デバイス本体1Bの側面1cの一部と、側面1cに続く底面1bの一部とに接触するように配置されている。端子電極11の幅は、側面1cの幅よりも小さい。また、端子電極11は、端面41E,71Eすなわち端子接続面91cに接触して、導体層41,71に接続されている。また、端子電極11の一部は、保護膜8の凹部8c内に収容されて、上部導体層71の上面の一部に接触している。
図2に示したように、端子電極12は、デバイス本体1Bの側面1dの一部と、側面1dに続く底面1bの一部とに接触するように配置されている。端子電極12の幅は、側面1dの幅よりも小さい。また、端子電極12は、端面42E,72Eすなわち端子接続面91dに接触して、導体層42,72に接続されている。また、端子電極12の一部は、保護膜8の凹部8d内に収容されて、上部導体層72の上面の一部に接触している。
図1に示したように、端子電極13は、デバイス本体1Bの側面1eの一部と、側面1eに続く底面1bの一部とに接触するように配置されている。端子電極13の幅は、側面1eの幅よりも小さい。また、端子電極13は、端面43E1,73E1すなわち端子接続面91eに接触して、導体層43,73に接続されている。また、端子電極13の一部は、保護膜8の凹部8e内に収容されて、上部導体層73の上面の一部に接触している。
図1に示したように、端子電極14は、デバイス本体1Bの側面1fの一部と、側面1fに続く底面1bの一部とに接触するように配置されている。端子電極14の幅は、側面1fの幅よりも小さい。また、端子電極14は、端面43E2,73E2すなわち端子接続面91fに接触して、導体層43,73に接続されている。また、端子電極14の一部は、保護膜8の凹部8f内に収容されて、上部導体層73の上面の一部に接触している。
端子電極11〜14は、それぞれ、凹部8c〜8fを越えて保護膜8の上に乗り上げてはいない。図1ないし図3に示した例では、凹部8c〜8f内に配置された端子電極11〜14の各一部と凹部8c〜8fの縁との間に隙間がない。また、この例では、端子電極11〜14の上面と保護膜8の上面は、連続する平坦な平面を形成している。この場合、薄膜デバイス1の上面は平坦な面になる。なお、端子電極11〜14の各一部は凹部8c〜8f内に配置されていればよく、端子電極11〜14の各一部と凹部8c〜8fの縁との間に隙間があってもよい。また、端子電極11〜14の上面と保護膜8の上面とによって段差が形成されていてもよい。
また、端子電極11〜14は、デバイス本体1Bの底面1bには配置されていなくてもよい。また、端子電極11〜14の下端面は、下部導体層の下面とデバイス本体1Bの底面1bとの間の任意の高さの位置に配置されていてもよい。
次に、図10および図11を参照して、本実施の形態に係る薄膜デバイス1の製造方法について説明する。図10および図11は、薄膜デバイス1の製造方法を説明するための断面図である。図10および図11は、いずれも図2に対応する断面を表している。なお、以下の説明では、各層の材料と厚みの一例を挙げているが、本実施の形態における薄膜デバイス1の製造方法は、それらに限定されるわけではない。
本実施の形態に係る薄膜デバイス1の製造方法では、まず、図10に示すウェハ2Wを用意する。ウェハ2Wは、複数列に配列された基板予定部2Pと、隣接する基板予定部2Pの間に設けられた除去予定部2Rとを含んでいる。基板予定部2Pは、後に基板2となる部分である。除去予定部2Rは、後にウェハ2Wを切断することによって除去される部分である。
次に、ウェハ2Wの上に平坦化膜3を形成する。次に、平坦化膜3の上面を、研磨することによって平坦化する。その場合の研磨方法としては、例えば化学機械研磨(以下、CMPと記す。)が用いられる。研磨後の平坦化膜3の厚みは、例えば2μmになるようにする。なお、平坦化膜3の上面を平坦化しなくても、平坦化膜3の上面の表面粗さが十分に小さい場合には、平坦化膜3の上面を研磨によって平坦化しなくてもよい。
次に、平坦化膜3の上に、下部導体層41〜43を形成する。このとき、引き出し電極部41a,42a,43a1,43a2については、後にウェハ2Wを切断したときに、端子電極11〜14に接続される端面が形成されるように、除去予定部2Rの上方の領域にはみ出すように形成する。なお、除去予定部2Rの上方の領域を介して隣接する2つの下部導体層は、除去予定部2Rの上方の領域内で連結されていてもよい。
下部導体層41〜43は、例えば以下のようにして形成される。まず、例えばスパッタ法によって、平坦化膜3の上に電極膜を成膜する。この電極膜は、後に電気めっき法によってめっき膜を形成する際における電極として用いられると共に、下部導体層41〜43の一部を構成するものである。電極膜は、例えば30nmの厚みのTi膜と100nmの厚みのCu膜との積層膜とする。次に、電極膜の上に、例えば8μmの厚みのフォトレジスト層を形成する。次に、フォトリソグラフィによってフォトレジスト層をパターニングして、フレームを形成する。このフレームは、形成すべき下部導体層41〜43の形状に対応した形状の溝部を有している。次に、電極膜を電極として用いて、電気めっき法によって、フレームの溝部内にめっき膜を形成する。めっき膜の材料としては、例えばCuが用いられる。めっき膜の厚みは、例えば9〜10μmとする。次に、めっき膜の上面を、研磨することによって平坦化する。その場合の研磨方法としては、例えばCMPが用いられる。研磨後のめっき膜の厚みは、例えば8μmになるようにする。次に、フレームを剥離する。次に、ドライエッチングまたはウェットエッチングによって、電極膜のうち、めっき膜の下に存在している部分以外の部分を除去する。これにより、残った電極膜およびめっき膜によって下部導体層41〜43が形成される。
なお、下部導体層41〜43は、上記の方法の代わりに、電極膜の上面全体の上に、パターン化されていないめっき膜を形成し、その後、このめっき膜および電極膜を部分的にエッチングすることによって形成してもよい。あるいは、平坦化膜3の上に、スパッタ、蒸着等の物理気相成長法を用いて、パターン化されていない導体膜を形成し、この導体膜を部分的にエッチングすることによって、下部導体層41〜43を形成してもよい。
次に、例えばスパッタ法によって、平坦化膜3および下部導体層41〜43を覆うように絶縁層5を形成する。絶縁層5は、開口部51〜55および凹部5c〜5fを有している。絶縁層5の材料として感光性樹脂を用いた場合には、絶縁層5はフォトリソグラフィによってパターニングされる。絶縁層5の材料として感光性樹脂以外の材料を用いた場合には、絶縁層5は、例えば、選択的なエッチングによってパターニングされる。
次に、絶縁層5の上に誘電体膜6を成膜する。誘電体膜6の厚みは、例えば0.1μmとする。次に、誘電体膜6の上にフォトレジスト層を形成する。次に、フォトリソグラフィによってフォトレジスト層をパターニングして、誘電体膜6に開口部64,65および凹部6c〜6fを形成するためのマスクを形成する。このマスクは、誘電体膜6のうち、最終的に残すべき部分を覆っている。次に、アッシングまたはエッチングによって、誘電体膜6のうち、マスクによって覆われていない部分を除去する。これにより、誘電体膜6に開口部64,65および凹部6c〜6fが形成される。次に、フォトレジスト層を除去する。
次に、誘電体膜6の上に上部導体層71〜74を形成する。このとき、引き出し電極部71a,72a,73a1,73a2については、後にウェハ2Wを切断したときに、端子電極11〜14に接続される端面が形成されるように、除去予定部2Rの上方の領域にはみ出すように形成する。なお、除去予定部2Rの上方の領域を介して隣接する2つの上部導体層は、除去予定部2Rの上方の領域内で連結されていてもよい。上部導体層71〜74の形成方法は、下部導体層41〜43の形成方法と同様である。
次に、上部導体層71〜74を覆うように保護膜8を成膜する。なお、この時点では、保護膜8に凹部8c〜8fは形成されていない。
次に、保護膜8のうち、除去予定部2Rの上方の領域に配置された部分と形成すべき凹部8c〜8fに対応する部分とが除去されるように、保護膜8を加工する。これにより、保護膜8に凹部8c〜8fが形成される。保護膜8の加工方法としては、例えば、レーザー加工や、プラズマを用いたエッチングや、ダイシングソーによる加工を用いることができる。保護膜8の材料として感光性樹脂を用いた場合には、フォトリソグラフィによって保護膜8を加工してもよい。ここで、これまでの工程によって作製されたウェハ2Wないし保護膜8からなる積層体を薄膜デバイス用基礎構造物と呼ぶ。この基礎構造物は、それぞれデバイス本体1Bとなる複数のデバイス本体予定部1Pと、隣接するデバイス本体予定部1Pの間に配置された除去予定部1Rとを含んでいる。デバイス本体予定部1Pは、基礎構造物のうち、基板予定部2Pとその上方の部分からなる。除去予定部1Rは、基礎構造物のうち、除去予定部2Rとその上方の部分からなる。
次に、図11に示したように、例えばダイシングソーによって、除去予定部1Rの位置で基礎構造物を切断する。これにより、基礎構造物のうち、除去予定部1Rが除去され、複数のデバイス本体予定部1Pが分離される。分離されたデバイス本体予定部1Pはデバイス本体1Bとなる。また、基礎構造物を切断することによって端子接続面91c〜91fが形成される。なお、図11において、符号10は、ダイシングソーのブレードを示している。
次に、図2に示したように、デバイス本体1Bの所定の位置に端子電極11〜14を形成する。端子電極11〜14は、例えば以下のようにして形成される。まず、デバイス本体1Bの所定の位置に下地電極膜を形成する。この下地電極膜は、例えば、スクリーン印刷または転写によって導電性樹脂または導電性ペーストをデバイス本体1Bの所定の位置に塗布し、これを乾燥および硬化させることによって形成される。あるいは、デバイス本体1Bに対して、所定の位置に開口部を有するマスクを形成した後、例えばスパッタ法によって、マスク上および開口部内に導電膜を成膜し、その後、マスクを除去することによって、導電膜よりなる下地電極膜を形成してもよい。この場合の導電膜としては、例えば、Cr膜とCu膜との積層膜や、Ti膜とCu膜との積層膜や、Ni膜とCu膜との積層膜を用いることができる。次に、例えばバレルめっき法によって、下地電極膜の上にめっき膜を形成する。めっき膜としては、例えば、NiまたはTiよりなる第1膜とSnまたはAuよりなる第2膜とによって構成された積層膜や、Cuよりなる第1膜とNiまたはTiよりなる第2膜とSnまたはAuよりなる第3膜とよって構成された積層膜を用いることができる。
なお。端子電極11〜14の形成方法は、上記の方法に限らない。例えば、スクリーン印刷または転写によって導電性樹脂または導電性ペーストをデバイス本体1Bの所定の位置に塗布し、これを乾燥および硬化させることによって、端子電極11〜14を形成してもよい。
次に、本実施の形態に係る薄膜デバイス1による効果について説明する。本実施の形態に係る薄膜デバイス1は、デバイス本体1Bと端子電極11〜14とを備えている。デバイス本体1Bは、積層方向について異なる位置に配置された下部導体層41〜43と上部導体層71〜74と、積層方向について隣接する2つの導体層の間に配置された絶縁層5とを含むと共に、側面1c〜1fを有している。端子電極11〜14は、側面1c〜1fに接するように配置されている。また、デバイス本体1Bは、それぞれ1層以上の導体層を用いて構成された受動素子であるキャパシタ111,112,113およびインダクタ114を有している。
キャパシタ112を構成するために用いられる下部導体層43は、側面1eに配置された端面43E1と、側面1fに配置された端面43E2とを有している。キャパシタ111を構成するために用いられ、下部導体層43とは積層方向に異なる位置に配置された上部導体層73は、側面1eに配置された端面73E1と、側面1fに配置された端面73E2とを有している。側面1eにおいて、端面43E1,73E1は電気的且つ物理的に接続されている。これにより、端面43E1,73E1は、連続する1つの端子接続面91eを形成している。端子電極13は、端面43E1,73E1すなわち端子接続面91eに接触して、導体層43,73に接続されている。また、側面1fにおいて、端面43E2,73E2は電気的且つ物理的に接続されている。これにより、端面43E2,73E2は、連続する1つの端子接続面91fを形成している。端子電極14は、端面43E2,73E2すなわち端子接続面91fに接触して、導体層43,73に接続されている。キャパシタ112は本発明における第1の受動素子に対応し、キャパシタ111は本発明における第2の受動素子に対応し、下部導体層43は本発明における第1の導体層に対応し、上部導体層73は本発明における第2の導体層に対応する。
また、キャパシタ111,113およびインダクタ114を構成するために用いられる下部導体層41は、側面1cに配置された端面41Eを有している。下部導体層41とは積層方向に異なる位置に配置され、受動素子を構成するためには用いられない上部導体層71は、側面1cに配置された端面71Eを有している。側面1cにおいて、端面41E,71Eは電気的且つ物理的に接続されている。これにより、端面41E,71Eは、連続する1つの端子接続面91cを形成している。端子電極11は、端面41E,71Eすなわち端子接続面91cに接触して、導体層41,71に接続されている。下部導体層41は本発明における第1の導体層に対応し、上部導体層71は本発明における第2の導体層に対応する。
また、受動素子を構成するためには用いられない下部導体層42は、側面1dに配置された端面42Eを有している。下部導体層42とは積層方向に異なる位置に配置され、受動素子を構成するためには用いられない上部導体層72は、側面1dに配置された端面72Eを有している。側面1dにおいて、端面42E,72Eは電気的且つ物理的に接続されている。これにより、端面42E,72Eは、連続する1つの端子接続面91dを形成している。端子電極12は、端面42E,72Eすなわち端子接続面91dに接触して、導体層42,72に接続されている。
本実施の形態によれば、導体層と端子電極11〜14とが接触する領域の面積を大きくすることができ、その結果、導体層と端子電極11〜14との接続信頼性を高めることができる。また、本実施の形態では、端子接続面91c〜91fを形成するために用いられる2つの導体層は、同じ1つの受動素子を構成するために用いられる導体層ではない。そのため、本実施の形態によれば、端子接続面91c〜91fを形成するために、1つの受動素子を構成するために用いられる導体層の数を必要以上に多くする必要がなく、その結果、薄膜デバイス1の小型化、低背化を図ることができる。
本実施の形態では、積層方向に並ぶ導体層の最大の数が2である。2という数は、端子接続面91c〜91fを形成する上で必要な最小限の数である。これにより、本実施の形態によれば、特に薄膜デバイス1の小型化、低背化を図ることができる。
また、本実施の形態では、保護膜8は、それぞれ、保護膜8の外縁から内側に凹んだ形状をなす4つの凹部8c〜8fを有している。この凹部8c〜8fは、上部導体層の上面のうち端子電極11〜14に接触する部分を露出させると共に端子電極11〜14の一部を収容する。従って、凹部8c〜8fは、端子電極11〜14の形状や位置を規定する機能を有する。そのため、本実施の形態によれば、端子電極11〜14の形状や位置のばらつきを抑制することができる。これにより、本実施の形態によれば、端子電極11〜14とデバイス本体1B内の導体層との間の電磁結合あるいは容量結合の大きさがばらついて薄膜デバイス1の電気的特性がばらつくことを防止することができる。また、本実施の形態によれば、隣接する端子電極間の距離がばらついて、薄膜デバイス1の電気的特性がばらついたり、隣接する端子電極間で短絡が発生したりすることを防止することができる。
ところで、デバイス本体1Bの側面1c〜1fにおいて、下部導体層の端面と上部導体層の端面が連続するように配置しない場合には、下部導体層の端面と上部導体層の端面との間に絶縁層5の端面が存在することになる。この場合に比べて、本実施の形態では、下部導体層の端面と上部導体層の端面が連続していることから、側面1c〜1fに表れる層または膜の界面の数が少なくなる。これにより、本実施の形態によれば、薄膜デバイス用基礎構造物の切断の際の、層または膜の剥離や欠け等の不良の発生を低減することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る薄膜デバイスについて説明する。始めに、図20を参照して、本実施の形態に係る薄膜デバイスの回路構成について説明する。図20は、本実施の形態に係る薄膜デバイスの回路構成を示す回路図である。本実施の形態に係る薄膜デバイス201は、ハイパスフィルタの機能を有している。
図20に示したように、本実施の形態に係る薄膜デバイス201は、信号の入出力が行われる2つの入出力端子301,302と、2つのキャパシタ311,312と、2つのインダクタ321,322とを備えている。キャパシタ311の一端は入出力端子301に接続されている。キャパシタ312の一端はキャパシタ311の他端に接続され、キャパシタ312の他端は入出力端子302に接続されている。インダクタ321の一端はキャパシタ311の他端に接続され、インダクタ321の他端は接地されている。インダクタ322の一端は入出力端子302に接続され、インダクタ322の他端は接地されている。
次に、図12ないし図19を参照して、本実施の形態に係る薄膜デバイス201の構造について説明する。図12および図13は、それぞれ薄膜デバイス201の断面図である。図14は、薄膜デバイス201の平面図である。図12は、図14においてC−C線で示される断面を表している。図13は、図14においてD−D線で示される断面を表している。図15は、薄膜デバイス201に含まれる下部導体層を示す平面図である。図16は、薄膜デバイス201に含まれる絶縁層を示す平面図である。図17は、薄膜デバイス201に含まれる誘電体膜を示す平面図である。図18は、薄膜デバイス201に含まれる上部導体層を示す平面図である。図19は、薄膜デバイス201に含まれる保護膜を示す平面図である。
図12ないし図14に示したように、薄膜デバイス201は、デバイス本体201Bと、4つの端子電極211〜214とを備えている。デバイス本体201Bは、本発明における積層体に対応する。デバイス本体201Bは、ほぼ直方体形状をなし、上面201aと、底面201bと、これら上面201aと底面201bとを連結する4つの側面201c〜201fとを有している。端子電極211〜214は、それぞれ側面201c〜201fの一部に接触するように配置されている。端子電極211は、図20における入出力端子301を構成する。端子電極212は、図20における入出力端子302を構成する。端子電極213,214は、グランドに接続されるようになっている。
デバイス本体201Bは、基板202と、この基板202の上に順に積層された平坦化膜203、下部導体層241〜245、絶縁層205、誘電体膜206、上部導体層271〜274および保護膜208を備えている。
基板202は、直方体形状をなしている。また、基板202は、互いに反対側を向く上面202aおよび下面202bと、上面202aと下面202bとを連結する4つの側面202c〜202fとを有している。基板202の材料は、第1の実施の形態における基板2と同様である。
平坦化膜203の材料、厚みおよび上面の表面粗さは、第1の実施の形態における平坦化膜3と同様である。基板202が絶縁材料によって構成され、且つその上面の表面粗さが十分に小さい場合には、平坦化膜203を設けずに、基板202の上に直接、下部導体層241〜245を配置してもよい。
下部導体層241〜245と、上部導体層271〜274と、端子電極211〜214のそれぞれの材料と厚みは、第1の実施の形態における下部導体層41〜43と、上部導体層71〜74と、端子電極11〜14と同様である。また、絶縁層205と保護膜208のそれぞれの材料と厚みは、第1の実施の形態における絶縁層5と保護膜8と同様である。また、誘電体膜206の材料と厚みは、第1の実施の形態における誘電体膜6と同様である。
次に、図15を参照して、下部導体層241〜245の形状について説明する。図15は、下部導体層241〜245を示す平面図である。下部導体層241は、引き出し電極部241aと、この引き出し電極部241aに接続された幅広部241bとを備えている。下部導体層241は、下部導体層241を上方から見たときに基板202の上面202aと側面202cとの間の稜線に重なる位置に配置された端面241Eを有している。端面241Eは、引き出し電極部241aの端面でもある。
下部導体層242は、引き出し電極部242aと、この引き出し電極部242aに接続された幅広部242bとを備えている。下部導体層242は、下部導体層242を上方から見たときに基板202の上面202aと側面202dとの間の稜線に重なる位置に配置された端面242Eを有している。端面242Eは、引き出し電極部242aの端面でもある。
下部導体層243は、引き出し電極部243aと、この引き出し電極部243aに接続された幅広部243bとを備えている。下部導体層243は、下部導体層243を上方から見たときに基板202の上面202aと側面202eとの間の稜線に重なる位置に配置された端面243Eを有している。端面243Eは、引き出し電極部243aの端面でもある。
下部導体層244は、引き出し電極部244aと、一端部が引き出し電極部244aに接続されたインダクタ構成部244bとを備えている。下部導体層244は、下部導体層244を上方から見たときに基板202の上面202aと側面202fとの間の稜線に重なる位置に配置された端面244Eを有している。端面244Eは、引き出し電極部244aの端面でもある。
下部導体層245は、キャパシタ構成部245aと、一端部がキャパシタ構成部245aに接続されたインダクタ構成部245bとを備えている。
次に、図16を参照して、絶縁層205の形状について説明する。図16は、絶縁層205を示す平面図である。絶縁層205は、平坦化膜203および下部導体層241〜245の大部分を覆う。絶縁層205には、開口部251〜254が形成されている。開口部251は、下部導体層245のキャパシタ構成部245aにおける長手方向の一端部の近傍の部分の上方の位置に配置されている。開口部252は、下部導体層245のキャパシタ構成部245aにおける長手方向の他端部の近傍の部分の上方の位置に配置されている。開口部253は、下部導体層245のインダクタ構成部245bにおける他端部の近傍の部分の上方の位置に配置されている。開口部254は、下部導体層244のインダクタ構成部244bにおける他端部の近傍の部分の上方の位置に配置されている。
また、絶縁層205は、それぞれ、絶縁層205の外縁から内側に凹んだ形状をなす4つの凹部205c〜205fを有している。凹部205c〜205fは、それぞれ、基板2の側面202c〜202fに対応する位置に配置されている。また、凹部205c〜205fは、それぞれ、引き出し電極部241a,242a,243a,244aの上面を露出させる。
次に、図17を参照して、誘電体膜206の形状について説明する。図17は、誘電体膜206を示す平面図である。誘電体膜206は、絶縁層205の上面全体を覆う。また、誘電体膜206は、開口部251,252内にも配置されている。誘電体膜206には、開口部263,264が形成されている。開口部263は、絶縁層205の開口部253の上方の位置に配置されている。開口部264は、絶縁層205の開口部254の上方の位置に配置されている。
また、誘電体膜206は、それぞれ、誘電体膜206の外縁から内側に凹んだ形状をなす4つの凹部206c〜206fを有している。凹部206c〜206fは、それぞれ、絶縁層205の凹部205c〜205fの上方の位置に配置されている。また、凹部206c〜206fは、それぞれ、引き出し電極部241a,242a,243a,244aの上面を露出させる。
次に、図18を参照して、上部導体層271〜274の形状について説明する。図18は、上部導体層271〜274を示す平面図である。上部導体層271は、引き出し電極部271aと、引き出し電極部271aに接続されたキャパシタ構成部271bとを備えている。上部導体層271は、上部導体層271を上方から見たときに基板202の上面202aと側面202cとの間の稜線に重なる位置に配置された端面271Eを有している。端面271Eは、引き出し電極部271aの端面でもある。キャパシタ構成部271bの一部は、開口部251内に配置され、誘電体膜206を介して、下部導体層245のキャパシタ構成部245bの一部に対向している。これらキャパシタ構成部271b,245bの各一部と誘電体膜206は、図20におけるキャパシタ311を構成する。
上部導体層272は、引き出し電極部272aと、引き出し電極部272aに接続されたキャパシタ構成部272bと、一端部がキャパシタ構成部272bに接続されたインダクタ構成部272cとを備えている。上部導体層272は、上部導体層272を上方から見たときに基板202の上面202aと側面202dとの間の稜線に重なる位置に配置された端面272Eを有している。端面272Eは、引き出し電極部272aの端面でもある。キャパシタ構成部272bの一部は、開口部252内に配置され、誘電体膜206を介して、下部導体層245のキャパシタ構成部245bの他の一部に対向している。これらキャパシタ構成部272b,245bの各一部と誘電体膜206は、図20におけるキャパシタ312を構成する。インダクタ構成部272cにおける他端部の近傍の一部は、開口部264,254内に配置され、下部導体層244のインダクタ構成部244bにおける他端部の近傍の部分に接続されている。インダクタ構成部244bとインダクタ構成部272cは、図20におけるインダクタ322を構成する。
上部導体層273は、引き出し電極部273aと、引き出し電極部273aに接続された幅広部273bとを備えている。上部導体層273は、上部導体層273を上方から見たときに基板202の上面202aと側面202eとの間の稜線に重なる位置に配置された端面273Eを有している。端面273Eは、引き出し電極部273aの端面でもある。
上部導体層274は、引き出し電極部274aと、一端部が引き出し電極部274aに接続されたインダクタ構成部274bとを備えている。上部導体層274は、上部導体層274を上方から見たときに基板202の上面202aと側面202fとの間の稜線に重なる位置に配置された端面274Eを有している。端面274Eは、引き出し電極部274aの端面でもある。インダクタ構成部274bにおける他端部の近傍の一部は、開口部263,253内に配置され、下部導体層245のインダクタ構成部245bにおける他端部の近傍の部分に接続されている。インダクタ構成部245bとインダクタ構成部274bは、図20におけるインダクタ321を構成する。
また、引き出し電極部271a,272a,273a,274aは、それぞれ、引き出し電極部241a,242a,243a,244aに接続されている。
次に、図19を参照して、保護膜208の形状について説明する。図19は、保護膜208を示す平面図である。保護膜208は、上部導体層271〜274の大部分を覆う。保護膜208は、それぞれ、保護膜208の外縁から内側に凹んだ形状をなす4つの凹部208c〜208fを有している。凹部208c〜208fは、それぞれ、誘電体膜206の凹部206c〜206fの上方の位置に配置されている。また、凹部208c〜208fは、それぞれ、引き出し電極部271a,272a,273a,274aの上面を露出させる。
次に、図12ないし図14を参照して、端子電極211〜214と導体層との接続について詳しく説明する。図13に示したように、デバイス本体201Bの側面201cにおいて、下部導体層241の端面241Eと上部導体層271の端面271Eは電気的且つ物理的に接続されている。これにより、端面241E,271Eは、連続する1つの端子接続面291cを形成している。また、図13に示したように、デバイス本体201Bの側面201dにおいて、下部導体層242の端面242Eと上部導体層272の端面272Eは電気的且つ物理的に接続されている。これにより、端面242E,272Eは、連続する1つの端子接続面291dを形成している。また、図12に示したように、デバイス本体201Bの側面201eにおいて、下部導体層243の端面243Eと上部導体層273の端面273Eは電気的且つ物理的に接続されている。これにより、端面243E,273Eは、連続する1つの端子接続面291eを形成している。また、図12に示したように、デバイス本体201Bの側面201fにおいて、下部導体層244の端面244Eと上部導体層274の端面274Eは電気的且つ物理的に接続されている。これにより、端面244E,274Eは、連続する1つの端子接続面291fを形成している。
図13に示したように、端子電極211は、デバイス本体201Bの側面201cの一部と、側面201cに続く底面201bの一部とに接触するように配置されている。端子電極211の幅は、側面201cの幅よりも小さい。また、端子電極211は、端面241E,271Eすなわち端子接続面291cに接触して、導体層241,271に接続されている。また、端子電極211の一部は、保護膜208の凹部208c内に収容されて、上部導体層271の上面の一部に接触している。
図13に示したように、端子電極212は、デバイス本体201Bの側面201dの一部と、側面201dに続く底面201bの一部とに接触するように配置されている。端子電極212の幅は、側面201dの幅よりも小さい。また、端子電極212は、端面242E,272Eすなわち端子接続面291dに接触して、導体層242,272に接続されている。また、端子電極212の一部は、保護膜208の凹部208d内に収容されて、上部導体層272の上面の一部に接触している。
図12に示したように、端子電極213は、デバイス本体201Bの側面201eの一部と、側面201eに続く底面201bの一部とに接触するように配置されている。端子電極213の幅は、側面201eの幅よりも小さい。また、端子電極213は、端面243E,273Eすなわち端子接続面291eに接触して、導体層243,273に接続されている。また、端子電極213の一部は、保護膜208の凹部208e内に収容されて、上部導体層273の上面の一部に接触している。
図12に示したように、端子電極214は、デバイス本体201Bの側面201fの一部と、側面201fに続く底面201bの一部とに接触するように配置されている。端子電極214の幅は、側面201fの幅よりも小さい。また、端子電極214は、端面244E,274Eすなわち端子接続面291fに接触して、導体層244,274に接続されている。また、端子電極214の一部は、保護膜208の凹部208f内に収容されて、上部導体層274の上面の一部に接触している。
端子電極211〜214は、それぞれ、凹部208c〜208fを越えて保護膜208の上に乗り上げてはいない。図12ないし図14に示した例では、凹部208c〜208f内に配置された端子電極211〜214の各一部と凹部208c〜208fの縁との間に隙間がない。また、この例では、端子電極211〜214の上面と保護膜208の上面は、連続する平坦な平面を形成している。この場合、薄膜デバイス201の上面は平坦な面になる。なお、端子電極211〜214の各一部は凹部208c〜208f内に配置されていればよく、端子電極211〜214の各一部と凹部208c〜208fの縁との間に隙間があってもよい。また、端子電極211〜214の上面と保護膜208の上面とによって段差が形成されていてもよい。
また、端子電極211〜214は、デバイス本体201Bの底面201bには配置されていなくてもよい。また、端子電極211〜214の下端面は、下部導体層の下面とデバイス本体201Bの底面201bとの間の任意の高さの位置に配置されていてもよい。
本実施の形態に係る薄膜デバイス201の製造方法は、第1の実施の形態に係る薄膜デバイス1の製造方法と同様である。
次に、本実施の形態に係る薄膜デバイス201による効果について説明する。本実施の形態に係る薄膜デバイス201は、デバイス本体201Bと端子電極211〜214とを備えている。デバイス本体201Bは、積層方向について異なる位置に配置された下部導体層241〜245と上部導体層271〜274と、積層方向について隣接する2つの導体層の間に配置された絶縁層205とを含むと共に、側面201c〜201fを有している。端子電極211〜214は、側面201c〜201fに接するように配置されている。また、デバイス本体201Bは、それぞれ1層以上の導体層を用いて構成された受動素子であるキャパシタ311,312およびインダクタ321,322を有している。
インダクタ322を構成するために用いられる下部導体層244は、側面201fに配置された端面244Eを有している。インダクタ321を構成するために用いられ、下部導体層244とは積層方向に異なる位置に配置された上部導体層274は、側面201fに配置された端面274Eを有している。側面201fにおいて、端面244E,274Eは電気的且つ物理的に接続されている。これにより、端面244E,274Eは、連続する1つの端子接続面291fを形成している。端子電極214は、端面244E,274E、すなわち端子接続面291fに接触して、導体層244,274に接続されている。インダクタ322は本発明における第1の受動素子に対応し、インダクタ321は本発明における第2の受動素子に対応し、下部導体層244は本発明における第1の導体層に対応し、上部導体層274は本発明における第2の導体層に対応する。
また、キャパシタ311を構成するために用いられる上部導体層271は、側面201cに配置された端面271Eを有している。上部導体層271とは積層方向に異なる位置に配置され、受動素子を構成するためには用いられない下部導体層241は、側面201cに配置された端面241Eを有している。側面201cにおいて、端面241E,271Eは電気的且つ物理的に接続されている。これにより、端面241E,271Eは、連続する1つの端子接続面291cを形成している。端子電極211は、端面241E,271Eすなわち端子接続面291cに接触して、導体層241,271に接続されている。上部導体層271は本発明における第1の導体層に対応し、下部導体層241は本発明における第2の導体層に対応する。
また、キャパシタ312およびインダクタ322を構成するために用いられる上部導体層272は、側面201dに配置された端面272Eを有している。上部導体層272とは積層方向に異なる位置に配置され、受動素子を構成するためには用いられない下部導体層242は、側面201dに配置された端面242Eを有している。側面201dにおいて、端面242E,272Eは電気的且つ物理的に接続されている。これにより、端面242E,272Eは、連続する1つの端子接続面291dを形成している。端子電極212は、端面242E,272Eすなわち端子接続面291dに接触して、導体層242,272に接続されている。上部導体層272は本発明における第1の導体層に対応し、下部導体層242は本発明における第2の導体層に対応する。
また、受動素子を構成するためには用いられない下部導体層243は、側面201eに配置された端面243Eを有している。下部導体層243とは積層方向に異なる位置に配置され、受動素子を構成するためには用いられない上部導体層273は、側面201eに配置された端面273Eを有している。側面201eにおいて、端面243E,273Eは電気的且つ物理的に接続されている。これにより、端面243E,273Eは、連続する1つの端子接続面291eを形成している。端子電極213は、端面243E,273Eすなわち端子接続面291eに接触して、導体層243,273に接続されている。
本実施の形態によれば、導体層と端子電極211〜214とが接触する領域の面積を大きくすることができ、その結果、導体層と端子電極211〜214との接続信頼性を高めることができる。また、本実施の形態では、端子接続面291c〜291fを形成するために用いられる2つの導体層は、同じ1つの受動素子を構成するために用いられる導体層ではない。そのため、本実施の形態によれば、端子接続面291c〜291fを形成するために、1つの受動素子を構成するために用いられる導体層の数を必要以上に多くする必要がなく、その結果、薄膜デバイス201の小型化、低背化を図ることができる。
本実施の形態では、積層方向に並ぶ導体層の最大の数が2である。2という数は、端子接続面291c〜291fを形成する上で必要な最小限の数である。これにより、本実施の形態によれば、特に薄膜デバイス201の小型化、低背化を図ることができる。本実施の形態におけるその他の効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明において、第1の受動素子と第2の受動素子の組み合わせは、キャパシタとインダクタの組み合わせであってもよい。
また、本発明の薄膜デバイスは、導体層の他に半導体層や磁性体層を含んでいてもよい。また、本発明の薄膜デバイスにおいて、端子電極の数は、4つに限らず任意である。
また、本発明は、第1の実施の形態に示したローパスフィルタの機能を有する薄膜デバイスや第2の実施の形態に示したハイパスフィルタの機能を有する薄膜デバイスに限らず、導体層と、この導体層に接続された端子電極とを備えた薄膜デバイス全般に適用することができる。本発明が適用される薄膜デバイスの機能としては、例えば、キャパシタ、インダクタ等の受動素子や、トランジスタ等の能動素子や、複数の素子を含む回路がある。回路としては、具体的には、例えば、LC回路部品や、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ等の各種のフィルタや、ダイプレクサや、デュプレクサがある。
また、本発明の薄膜デバイスは、例えば、携帯電話機等の移動体通信機器や、無線LAN(ローカルエリアネットワーク)用の通信装置において利用される。
本発明の第1の実施の形態に係る薄膜デバイスの断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る薄膜デバイスの他の断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る薄膜デバイスの平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る薄膜デバイスに含まれる下部導体層を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る薄膜デバイスに含まれる絶縁層を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る薄膜デバイスに含まれる誘電体膜を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る薄膜デバイスに含まれる上部導体層を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る薄膜デバイスに含まれる保護膜を示す平面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る薄膜デバイスの回路構成を示す回路図である。 本発明の第1の実施の形態に係る薄膜デバイスの製造方法を説明するための断面図である。 図10に示した工程に続く工程を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る薄膜デバイスの断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る薄膜デバイスの他の断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る薄膜デバイスの平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る薄膜デバイスに含まれる下部導体層を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る薄膜デバイスに含まれる絶縁層を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る薄膜デバイスに含まれる誘電体膜を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る薄膜デバイスに含まれる上部導体層を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る薄膜デバイスに含まれる保護膜を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る薄膜デバイスの回路構成を示す回路図である。
符号の説明
1…薄膜デバイス、2…基板、3…平坦化膜、5…絶縁層、6…誘電体膜、8…保護膜、11〜14…端子電極、41〜43…下部導体層、71〜74…上部導体層。

Claims (6)

  1. 積層方向について異なる位置に配置された複数の導体層と、積層方向について隣接する2つの導体層の間に配置された絶縁層とを含むと共に、側面を有する積層体と、
    前記積層体の側面に接するように配置された端子電極とを備えた薄膜デバイスであって、
    前記積層体は、それぞれ1層以上の前記導体層を用いて構成された第1および第2の受動素子を有し、
    前記複数の導体層は、前記第1の受動素子を構成するために用いられる下部導体層と、前記第2の受動素子を構成するために用いられ、前記下部導体層の上方に配置された上部導体層とを含み、
    前記下部導体層および上部導体層は、それぞれ、前記積層体の側面に配置された端面を有する引き出し電極部を含み、
    前記絶縁層は、前記上部導体層と下部導体層との間に配置され、前記絶縁層の外縁から内側に凹んだ形状をなす凹部を有し、
    前記凹部は、前記下部導体層の引き出し電極部の上面を露出させ、
    前記上部導体層の引き出し電極部は、前記凹部を通って前記下部導体層の引き出し電極部に直接接続され、
    前記積層体の側面において、前記下部導体層の端面と前記上部導体層の端面は電気的且つ物理的に接続され、前記端子電極は前記下部導体層の端面および前記上部導体層の端面に接触して、前記下部導体層および上部導体層に接続されていることを特徴とする薄膜デバイス。
  2. 前記第1の受動素子と第2の受動素子は、互いに異なるキャパシタであることを特徴とする請求項1記載の薄膜デバイス。
  3. 前記第1の受動素子と第2の受動素子は、互いに異なるインダクタであることを特徴とする請求項1記載の薄膜デバイス。
  4. 積層方向に並ぶ前記導体層の最大の数は2であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の薄膜デバイス。
  5. 積層方向について異なる位置に配置された複数の導体層と、積層方向について隣接する2つの導体層の間に配置された絶縁層とを含むと共に、側面を有する積層体と、
    前記積層体の側面に接するように配置された端子電極とを備えた薄膜デバイスであって、
    前記積層体は、1層以上の前記導体層を用いて構成された受動素子を有し、
    前記複数の導体層は、下部導体層と、前記下部導体層の上方に配置された上部導体層とを含み、
    前記下部導体層と上部導体層のうちの一方は、前記受動素子を構成するために用いられ、前記下部導体層と上部導体層のうちの他方は、前記受動素子を構成するために用いられず、
    前記下部導体層および上部導体層は、それぞれ、前記積層体の側面に配置された端面を有する引き出し電極部を含み、
    前記絶縁層は、前記上部導体層と下部導体層との間に配置され、前記絶縁層の外縁から内側に凹んだ形状をなす凹部を有し、
    前記凹部は、前記下部導体層の引き出し電極部の上面を露出させ、
    前記上部導体層の引き出し電極部は、前記凹部を通って前記下部導体層の引き出し電極部に直接接続され、
    前記積層体の側面において、前記下部導体層の端面と前記上部導体層の端面は電気的且つ物理的に接続され、前記端子電極は前記下部導体層の端面および前記上部導体層の端面に接触して、前記下部導体層および上部導体層に接続されていることを特徴とする薄膜デバイス。
  6. 積層方向に並ぶ前記導体層の最大の数は2であることを特徴とする請求項5記載の薄膜デバイス。
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