JP2010087830A - 積層型バンドパスフィルタ及び高周波モジュール - Google Patents

積層型バンドパスフィルタ及び高周波モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】積層SIR型BPFを小型化し良好なフィルタ特性を得る。
【解決手段】上部グランド電極、下部グランド電極、2以上のSIR及び段間結合キャパシタを積層基板内に備えるBPFである。第1SIRの低インピーダンス部を上部グランド電極と対向して配し、第2SIRの低インピーダンス部を下部グランド電極と対向して配し、これらSIRの低インピーダンス部を平面から見たときに少なくとも一部が重なるように異なる配線層に配した。段間結合キャパシタは、第1SIRの低インピーダンス部の下面側に対向して配した第1結合キャパシタ電極と、第2SIRの低インピーダンス部の上面側に対向して配した第2結合キャパシタ電極と、これら第1結合キャパシタ電極と第2結合キャパシタ電極とを接続するビアとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層型バンドパスフィルタ及びこれを内蔵した高周波モジュールに係り、特に、積層基板内に形成したステップインピーダンス共振器(SIR)を用いるバンドパスフィルタに関する。
無線LANなどの高周波通信システムにおけるRF回路部は、小型・集積化の観点から一般に、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics/低温同時焼成セラミックス)基板のような積層基板の表面にPA(電力増幅器)や高周波スイッチなどの半導体素子やチップ部品を実装する一方、基板内部にフィルタなどの受動回路を備えて構成した高周波モジュールとして提供される。
基板に内蔵されるフィルタ(例えばバンドパスフィルタ/以下、BPFと言う)は、周波数の選択や不要波の除去など通信機器にとって重要な役割を担うものであるが、モジュールの小型化に伴いフィルタへの小型化の強い要求がある。このため、積層基板に内蔵する積層型BPFとして、小型化に有利なステップインピーダンス共振器(以下、SIRと言う)を使用したBPFが提案されている(例えば下記特許文献1参照)。
この積層型BPFは、幅の広い線路部分(低インピーダンス部)と狭い線路部分(高インピーダンス部)とからなる導体線路により共振器(SIR)を形成し、これを複数結合することにより所定の通過帯域を有するフィルタを構成するもので、各線路部分(低インピーダンス部および高インピーダンス部)は、積層基板内の配線層に形成した導体パターンにより構成される。
特開2008‐113432号公報
ところで、積層型BPFを小型化するため様々な提案がなされているが、上記特許文献1のフィルタを含め、従来のSIRを使用した積層型BPFには更なる小型化を図る余地がある。
具体的には、従来のSIR使用のBPFでは、低インピーダンス部と高インピーダンス部がそれぞれ同じ面内にパターン形成されており、これがより一層の小型化を妨げる原因となっている。特に、低インピーダンス部は高インピーダンス部に比べてパターン幅が広く、並べて配置すれば大きな占有面積を必要とする。この点、前記特許文献1の発明では、高インピーダンス部をメアンダラインとすることでフィルタ全体のサイズを小さくしているが、この文献記載の発明でも低インピーダンス部は並べて配置されており、小型化が十分とは言えない。
一方、フィルタやモジュール全体の小型化に伴い、フィルタを構成する電極パターン同士、あるいはモジュール内の他の素子・線路等との距離は必然的に接近することとなり、浮遊容量や不要な電磁界結合によってフィルタ特性の劣化が生じやすくなる面がある。このため、フィルタの小型化にあたっては、このような特性劣化を生じさせない配慮を行うことが望ましい。
したがって、本発明の目的は、積層型BPFをより一層小型化することにあり、さらに小型化した場合にあっても良好なフィルタ特性を得る点にある。
前記課題を解決し目的を達成するため、本発明に係る積層型BPF(バンドパスフィルタ)は、誘電体層により互いに絶縁された複数の配線層を有する積層基板の一の配線層に形成した上部グランド電極と、当該一の配線層に対して複数の配線層を隔てた下層の他の配線層に形成した下部グランド電極と、入力端子と出力端子との間に電気的に接続されるようにこれら一の配線層と他の配線層との間に形成した2以上のSIR(ステップインピーダンス共振器)と、当該SIR同士を電気的に接続する結合キャパシタとを備える。
そして、上記2以上のSIRは、幅の広い導体線路により形成された低インピーダンス部と、当該低インピーダンス部と電気的に接続されかつ当該低インピーダンス部より幅の狭い導体線路により形成された高インピーダンス部とをそれぞれ有する、第一のSIR(以下「第1SIR」と言う)と第二のSIR(以下「第2SIR」と言う)とを含む。また、第1SIRの低インピーダンス部を、キャパシタを形成するように誘電体層を挟んで上部グランド電極と対向して配置する一方、第2SIRの低インピーダンス部を、キャパシタを形成するように誘電体層を挟んで下部グランド電極と対向して配置し、これら第1SIRの低インピーダンス部と第2SIRの低インピーダンス部とを、平面から見たときにそれらの少なくとも一部が重なるように配置する。
本発明のBPFは、積層基板内に複数のSIRを多段(2段以上)に備えたものであるが、前記特許文献1のような従来のフィルタと異なり、低インピーダンス部を同一の配線層に備えることなく、異なる配線層に、平面から見てそれら(低インピーダンス部同士)が互いに重なるように配置した。このように比較的大きな占有面積を必要とする低インピーダンス部を上下に重なるように異なる配線層に配置すれば、低インピーダンス部を同一層に並べて配置した従来のフィルタに比べてフィルタのサイズ(平面から見たときの大きさ)を小さくすることが出来る。
なお、本発明において、第一のステップインピーダンス共振器(SIR)の「第一」ならびに第二のステップインピーダンス共振器(SIR)の「第二」とは、入出力端子間における接続の順序を意味するものではなく、本発明のフィルタでは、第一のステップインピーダンス共振器(第1SIR)が入力端子側で第二のステップインピーダンス共振器(第2SIR)が出力端子側に接続されていても良いし、逆に第1SIRが出力端子側で第2SIRが入力端子側に接続されていても構わない。
また、本発明における各SIRについて、低インピーダンス部と高インピーダンス部とを電気的に接続するには、これらが同じ配線層に配置されている場合には、例えば両者を連続した導体パターン(導体線路)としてパターン形成すれば良いし、異なる配線層に配置されている場合には、ビアホール(以下、単に「ビア」と言う)等の層間接続部により両者を接続すれば良い。積層基板としては、例えば、LTCC(低温同時焼成セラミックス)基板を使用することが出来る。さらに、本発明は、2つ(2段)のSIRを使用したフィルタに限られるものではなく、3個(3段)ないし4個(4段)以上のSIRを備えることが出来る。
上記BPFにおいては、第1SIRの高インピーダンス部および第2SIRの高インピーダンス部のうちのいずれか一方または双方を、第1SIRの低インピーダンス部を配置した配線層より下方でかつ第2SIRの低インピーダンス部を配置した配線層より上方の配線層に配置し、かつ、平面から見たときに、第1SIRの低インピーダンス部および第2SIRの低インピーダンス部のうちのいずれか一方または双方と少なくとも一部が重なるように配置することが望ましい。フィルタを小型化するためである。
また、第1SIRの高インピーダンス部および第2SIRの高インピーダンス部を、同一の、かつ、第1SIRの低インピーダンス部を配置した配線層と第2SIRの低インピーダンス部を配置した配線層との間の、配線層に配置し、当該第1SIRの高インピーダンス部の少なくとも一部と第2SIRの高インピーダンス部の少なくとも一部とを、互いに接近して配置することにより電磁界結合させることがある。
さらに上記BPFでは、前記上部グランド電極と前記下部グランド電極とを互いに電気的に接続し(例えばビア等の層間接続部を介して)、前記上部グランド電極と第1SIRの低インピーダンス部とにより形成されるキャパシタ(以下、このキャパシタを「第1共振キャパシタ」と言う)の容量を、前記下部グランド電極と第2SIRの低インピーダンス部とにより形成されるキャパシタ(以下、このキャパシタを「第2共振キャパシタ」と言う)の容量より大きくする場合がある。その理由は次のとおりである。
本発明によれば、前述のように複数の低インピーダンス部を、平面から見たときに重なるように異なる配線層に配置して上下の各グランド電極にそれぞれキャパシタを介して接続することでフィルタの更なる小型化が可能となる。一方、このようなフィルタ構造では、上部グランド電極に低インピーダンス部を接続した第1SIRと下部グランド電極に低インピーダンス部を接続した第2SIRとで共振周波数にずれが生じることがシミュレーションにより明らかとなった。
この原因を検討したところ、上部グランド電極は、ビア等の接続導体を介して下部グランド電極に接続されているため、下部グランド電極に比べてグランドを流れる電流経路が長く、このためグランド(下部グランド電極)と上記第1共振キャパシタとの間に直列にインダクタが付加された形となって当該第1共振キャパシタの容量が実質的に小さくなってしまい共振周波数にずれが生じていると考えられる。したがって、第1SIRと第2SIRの共振周波数を一致させたい場合には、当該付加されたインダクタの分、第1共振キャパシタの容量を大きくすれば良い。
キャパシタの容量を大きくする具体的な方法は問わない。典型的には、キャパシタ電極(上部グランド電極と対向する第1SIRの低インピーダンス部)の大きさ(面積)を大きくすれば良いが、他の方法、例えば当該電極(上部グランド電極と第1SIRの低インピーダンス部)間に介在される誘電体層を薄くするか、あるいは、高誘電体材料(無機フィラー等)を混入するなどして当該誘電体層の誘電率を高める等の方法によることも可能である。
また上記本発明のBPFでは、第1SIRと第2SIRとを接続する結合キャパシタを備え、この結合キャパシタが、第1SIRの低インピーダンス部の下面側に誘電体層を挟んで対向して配置した第一の結合キャパシタ電極と、第2SIRの低インピーダンス部の上面側に誘電体層を挟んで対向して配置した第二の結合キャパシタ電極と、これら第一の結合キャパシタ電極と第二の結合キャパシタ電極とを電気的に接続する層間接続導体とを備えるようにしても良い。なお、以下の説明では、上記第一の結合キャパシタ電極を「第1結合電極」、第二の結合キャパシタ電極を「第2結合電極」と、また、これら第1結合電極、第2結合電極および両結合電極を接続する層間接続導体をまとめて「浮き電極」とそれぞれ言うことがある。本発明の一態様においてこのような浮き電極構造を採用する理由は、次のとおりである。
図7は、入出力端子間にSIRを2段(第1SIR11と第2SIR12)結合キャパシタC12を介して接続したBPFを示す等価回路図であるが、本発明を創作する過程で、低インピーダンス部を上下に異なる層に配置すると共に、第1共振キャパシタCr1と第2共振キャパシタCr2と間の積層基板内に単純に結合キャパシタC12を形成し、これを両共振キャパシタCr1, Cr2の間に(第1SIR11の低インピーダンス部と第2SIR12の低インピーダンス部に対して)ビアを通じて電気的に接続したフィルタを考案した。ところが、この構造では、フィルタの小型化は図れるものの、高域側の減衰域に不要なパス(減衰の劣化)が生じることがあった。
この原因を、電界分布を観測することにより検討したところ、第1共振キャパシタCr1(第1SIRの低インピーダンス部と上部グランド電極)と結合キャパシタC12との間、ならびに、第2共振キャパシタCr2(第2SIRの低インピーダンス部と下部グランド電極)と結合キャパシタC12との間において、各キャパシタを構成する電極パターン同士がそれぞれ先端開放の1/2波長共振を起こし、それらの共振器が結合キャパシタC12を介して結合していることが分かった。そして、これが高域側減衰域における不要パスの原因と考えられる。
そこで、本発明の上記一態様では、浮き電極を使用することにより第1SIRと第2SIRを結合する。これにより、不要パスを高域側に移動させることが出来た。より具体的には、上記シミュレーションは帯域中心周波数3.6GHzのBPFを想定して行ったが、7.2GHz付近に1/2波長共振による不要パスが生じた。これに対し浮き電極による結合構造とした場合、電界分布観測によっても結合キャパシタ(浮き電極)による結合は見られず、通過域に近い帯域にパスが生じることを防ぐことが可能となった。
また、本発明のBPFでは、第1SIRの高インピーダンス部および第2SIRの高インピーダンス部を同一の配線層に配置すると共に、第1SIRおよび第2SIRの各高インピーダンス部を共に、一端を各共振器の低インピーダンス部とそれぞれ接続する一方、他端を短絡端とし、当該高インピーダンス部同士を互いに接近して配置することにより電磁界結合させ、これら高インピーダンス部を配置した領域以外の領域に、第一の結合キャパシタ電極と第二の結合キャパシタ電極とを接続する前記層間接続導体を通過させるように配置することがある。
このように第1SIRと第2SIRの高インピーダンス部同士を近接させこれらを電磁界結合させれば、低域側に減衰極を作り良好な減衰特性を得ることが出来る。なお、上記「高インピーダンス部を配置した領域」とは、高インピーダンス部自体を配した部分に加えて、高インピーダンス部と高インピーダンス部の間の領域を含む概念であり、上記フィルタ構造では、前記第1結合電極と第2結合電極とを接続して浮き電極を形成する層間接続導体を当該高インピーダンス部を配置した領域以外の領域を通すように配置する。
一方、本発明の別のBPFでは、上記フィルタ構造と同様に第1SIRの高インピーダンス部および第2SIRの高インピーダンス部を同一の配線層に配置すると共に、第1SIRおよび第2SIRの各高インピーダンス部を共に、一端を各SIRの低インピーダンス部とそれぞれ接続する一方、他端を短絡端とするが、当該高インピーダンス部の短絡端側の線路部分同士を互いに接近して配置することにより電磁界結合させ、当該高インピーダンス部の低インピーダンス部との接続端側の線路部分同士を離間させてこれら接続端側の線路部分の間に、前記第一の結合キャパシタ電極と第二の結合キャパシタ電極とを接続する前記層間接続導体を通過させるように配置する。
このように第1SIRと第2SIRの高インピーダンス部の短絡側同士を近接させこれらを電磁界結合させれば、低域側に減衰極を作り良好な減衰特性を得ることが出来る。またそれと同時にこのフィルタ構造によれば、高インピーダンス部の接続端側の線路部分を離間させてその間に前記層間接続導体を通すことで、浮き電極を構成する層間接続導体をフィルタの外周部に引き回すように配置する必要がなくなるから、フィルタの小型化を図ることが出来る。さらにこれらのフィルタ構造では、第1結合電極と第2結合電極とを、平面から見たときに少なくとも一部が重なるように配置し、かつ、これら結合電極を接続する前記層間接続導体を、積層基板の積層方向に略平行に直線状に(言い換えれば、基板の配線層に対して略垂直に真っ直ぐ延在して第1結合電極と第2結合電極とを結ぶように)形成することが好ましい。これにより、結合電極同士を最短距離で接続して前記浮き電極を形成することが出来る。
また、本発明のBPFでは、前記入力端子を積層基板の表面に設けると共に、層間接続部および入力タップ線路を含んで当該入力端子に電気的に接続する入力導体部を積層基板内に形成する一方、前記出力端子を積層基板の裏面に設け、層間接続部および出力タップ線路を含んで当該出力端子に電気的に接続する出力導体部を積層基板内に形成し、これら入力導体部と出力導体部との間に前記2以上のSIRを接続するようにしても良い。
このようなフィルタ構造とすれば、本発明のBPFへの入出力を積層基板の上下(表裏面)に引き出すことができ、モジュールを構成したような場合に利便性を高めることが出来る。具体的には、例えば、前記積層基板の上面(表面)をPAや高周波スイッチ等を搭載する実装面とする一方、当該積層基板の下面(裏面)に外部接続端子を形成して他の実装基板に実装可能とした高周波モジュールを構成するような場合に、上記入出力構造を採用すれば、基板表面の表面実装部品ならびに基板裏面の外部接続端子に本発明に係るフィルタを容易に接続することが出来る。
また、本発明に係る高周波モジュールは、上記本発明に係る積層型BPFのいずれかを備えるものであり、さらに当該積層型BPFと電気的に接続されかつ前記積層基板に実装された1以上の電気的機能素子を有する。この電気的機能素子としては、例えば、PA(電力増幅器)や高周波スイッチ等の半導体素子ないし集積回路(IC)、あるいは、チップインダクタ・チップキャパシタ・チップ抵抗などのチップ部品(ディスクリート部品)その他が含まれる。また当該電気的機能素子には、前記積層基板の表面に実装される表面実装部品と、積層基板の内部配線層に備えられる内蔵部品の双方が含まれる。
さらに、本発明に言う高周波モジュールは、その種類を特に問わない。一例として無線LANモジュールを構成することが出来るが、例えば携帯通信端末のフロントエンドモジュールや、その他様々なモジュールを本発明に基づいて構成することが可能である。また、本発明に係るBPFを1つの積層基板に複数備えて、例えば2以上の周波数帯域で使用可能な通信モジュール(デュアルバンド用モジュール、トリプルバンド用モジュール等)を構成しても良い。なお、本発明のBPFは、このようなモジュールに備えるのではなく、他の機能素子を含まない単体のフィルタ素子として提供することも可能である。
本発明によれば、積層型BPFをより一層小型化することができ、さらに良好なフィルタ特性を得ることが出来る。
本発明の他の目的、特徴および利点は、図面に基づいて述べる以下の本発明の実施の形態の説明により明らかにする。なお、各図中、同一の符号は、同一又は相当部分を示す。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第一の実施形態に係るBPFを示す等価回路図であり、図2Aから図2Kは当該第一実施形態のBPFを構成する積層基板各層の導体パターンを示す平面図である。なお、図2Aから図2Kは、積層基板の表面(上面)から裏面(下面)に向け基板の各層(配線層)を第1層、第2層、第3層、第4層、第5層、第6層、第7層、第8層、第9層、第10層および第11層としたときに、第1層から第11層までを順に示している。また、これら図2Aから図2Jはいずれも各層の表面を基板の上面側から見た状態として示すが、図2Kは基板上面側から裏面を透視した状態で示している。さらに、図2Aから図2Jの各図中、丸はビアを表し、黒丸(塗りつぶした丸)は下層に対して電気的な接続を行うため当該ビアが下方に延びていることを示している。
図1に示すようにこのBPF10は、入力端子P1と出力端子P2との間に2つのSIR、すなわち、第1SIR11と第2SIR12とを結合キャパシタ(段間結合キャパシタ)C12を介して順に接続することにより2段の共振器を備えたフィルタを積層基板の内部に形成したものである。図2も参照して、各SIR11,12は、幅が狭い導体線路からなる高インピーダンス部Lr1,Lr2と、これら高インピーダンス部Lr1,Lr2とビアVを介して接続される幅広の導体線路からなる低インピーダンス部C12-12,C12-22とからなる。なお、図1の等価回路図では低インピーダンス部C12-12,C12-22をキャパシタ(第1共振キャパシタCr1及び第2共振キャパシタCr2)として表している。
積層基板にはLTCC基板を使用し、BPF10を構成する基板各層の導体パターンは、グリーンシート上に導電性ペーストを印刷塗布することによりパターン形成し、各グリーンシートを積層した後、同時焼成することにより形成することが出来る。フィルタ10を構成する各部導体の基板内における配置および接続関係は次のとおりである。
基板表面である第1層(図2A)には、ICを搭載するパッド電極P3と、BPF10へ信号を入力するための入力端子電極P1を設ける。第2層(図2B)には、ベタグランドとして上部グランド電極G1を形成する。第3層(図2C)には、第1SIR11の低インピーダンス部C12-12を構成する電極(以下、「第1低インピーダンス部」と言う)を設ける。この第1低インピーダンス部C12-12は、前記第2層の上部グランド電極G1と誘電体層を介して対向し、第1共振キャパシタCr1を構成する。なお、この第1共振キャパシタCr1を構成する第1低インピーダンス部C12-12の電極は、後に述べる第2共振キャパシタCr2を構成する第2低インピーダンス部C12-22の電極(第9層)より面積を大きくし、当該第1共振キャパシタCr1の容量を大きくすることが各々の共振器の共振周波数を合わせる点で好ましい。
第4層(図2D)の、前記第1低インピーダンス部C12-12の下面位置には、第1結合電極C12-11を設ける。この第1結合電極C12-11は、後に述べる第2結合電極C12-21とビア(層間接続導体)V12を介し電気的に接続されて前述した浮き電極101を構成すると共に、第1低インピーダンス部C12-12と誘電体層を介して対向することによりキャパシタC12-1を構成する。さらにこのキャパシタC12-1(以下、「第1結合キャパシタ」と言う)は、後に述べる第2結合キャパシタC12-2と共に、第1SIR11と第2SIR12とを結合する段間結合キャパシタC12を構成する。
なお、図1の等価回路図では、共振キャパシタ(第1共振キャパシタCr1,第2共振キャパシタCr2)と結合キャパシタ(第1結合キャパシタC12-1,第2結合キャパシタC12-2)とを独立した別個のキャパシタとして描いているが、図1において第1共振キャパシタCr1の一方の電極(第1低インピーダンス部C12-12)と、第1結合キャパシタC12-1の入力端子側に描いた電極(第1低インピーダンス部C12-12)とは実際には積層基板内に配した同一の電極(第1低インピーダンス部C12-12)であり、同様に、第2共振キャパシタCr2の一方の電極(第2低インピーダンス部C12-22)と、第2結合キャパシタC12-2の出力端子側に描いた電極(第2低インピーダンス部C12-22)とは同一の電極(第2低インピーダンス部C12-22)である。
第5層(図2E)には、BPF10に信号を入力するための入力タップT1を設ける。この入力タップT1は、導体線路からなり、一端が前記基板表面(第1層)に設けた入力端子電極P1にビアVを通じて接続され、他端が次に述べる第6層に形成した第1高インピーダンス部Lr1にビアVを通じて接続されている。
第6層(図2F)の、前記第1低インピーダンス部C12-12の略直下位置には、第1SIR11の高インピーダンス部Lr1を形成する電極(以下、「第1高インピーダンス部」と言う)と、第2SIR12の高インピーダンス部Lr2を形成する電極(以下、「第2高インピーダンス部」と言う)とを平行に並べて設ける。これらの高インピーダンス部Lr1,Lr2は、前記低インピーダンス部C12-12,C12-22より幅の狭いクランク状に折れ曲がった形状を有する導体線路を線対称となるように並べて配置する。より詳しくは、各高インピーダンス部Lr1,Lr2は、導体パターンとして連続した2つの線路部分、すなわち、互いに大きな間隔を隔てて平行に延在するように形成した線路部分L11,L21(以下、「広間隔線路部」と言う)と、当該広間隔線路部に連続しかつ互いに接近するようにクランク状に折り曲げて互いの間隔を狭めかつ互いに平行に延在するように形成した線路部分L12,L22(以下、「狭間隔線路部」と言う)とからなる。
そして、第1高インピーダンス部Lr1と第2高インピーダンス部Lr2の各広間隔線路部L11,L21の先端部にビアVを設けて、これらのビアVにより前記第2層(図2B)のベタグランド(上部グランド電極G1)および後に述べる第10層の下部グランド電極G0に電気的に接続することにより第1高インピーダンス部Lr1と第2高インピーダンス部Lr2の各先端部を短絡端とする。一方、当該第1高インピーダンス部Lr1の基端部(反対側の端部)には別のビアVを設けてこのビアVにより前記第3層に設けた第1低インピーダンス部C12-12と当該第1高インピーダンス部Lr1とを接続する。さらに、第1高インピーダンス部Lr1の広間隔線路部L11の中間部にビアVを設けてこのビアVにより前記第5層に設けた入力タップT1を第1高インピーダンス部Lr1に接続する。
他方、第2高インピーダンス部Lr2の基端部は、ビアVを介して後に述べる第9層の第2低インピーダンス部C12-22に接続する。また、第2高インピーダンス部Lr2の広間隔線路部L21の中間部にビアVを設けてこのビアVにより、後に述べる第7層の出力タップT2と第2高インピーダンス部Lr2とを接続する。さらに、これら第1高インピーダンス部Lr1の広間隔線路部L11と第2高インピーダンス部Lr2の広間隔線路部L21との間には、浮き電極101を形成するビア(層間接続導体)V12を通す。
また、第1高インピーダンス部Lr1の狭間隔線路部L12と第2高インピーダンス部Lr2の狭間隔線路部L22とを接近させることでこれらの線路部分L12,L22を互いに電磁界結合させ、これにより、本実施形態のBPF10では、前記結合キャパシタC12による容量結合(C結合)に加え、高インピーダンス部Lr1,Lr2(短絡端側の線路部分L12,L22)同士のエッジ結合(M結合)を実現する。
第7層(図2G)には、BPF10から信号を取り出すための出力タップT2を設ける。この出力タップT2は、導体線路からなり、一端が前記第6層に設けた第2高インピーダンス部Lr2にビアVを通じて接続され、他端が後述の基板裏面(第11層)に形成した出力端子電極P2にビアVを通じて接続されている。
第8層(図2H)には、第2結合電極C12-21を設ける。この第2結合電極C12-21は、前述の第1結合電極C12-11とビア(層間接続導体)V12を介し電気的に接続されて浮き電極101を構成すると共に、後に述べる第9層に配した第2低インピーダンス部C12-22と誘電体層を介して対向することによりキャパシタC12-2を構成する。このキャパシタC12-2(以下、「第2結合キャパシタ」と言う)は、前述の第1結合キャパシタC12-1と共に、第1SIR11と第2SIR12とを結合する段間結合キャパシタC12を構成するものである。
第9層(図2I)には、第2低インピーダンス部C12-22を設ける。この第2低インピーダンス部C12-22は、平面から見たとき前記第3層の第1低インピーダンス部C12-12と重なる位置に形成してあり、前述の第2高インピーダンス部Lr2とビアVを介して接続されている。またこの第2低インピーダンス部C12-22は、次に述べる第10層のベタグランド(下部グランド電極G0)に誘電体層を介して対向するように配置してあり、これら第2低インピーダンス部C12-22と下部グランド電極G0により第2共振キャパシタCr2を構成する。
第10層(図2J)には、ベタグランドとして下部グランド電極G0を形成する。さらに基板裏面である第11層(図2K)には、外部接続用のグランド端子電極P4と、BPF10から信号を出力するための出力端子電極P2を形成する。グランド端子電極P4は、前記第10層の下部グランド電極G0と複数のビアVにより接続してある。
このように本実施形態のBPF10では、第1SIR11の低インピーダンス部C12-12、第2SIR12の低インピーダンス部C12-22、ならびに高インピーダンス部Lr1,Lr2を異なる配線層にかつ平面から見たときにこれらが重なるように略同位置に配置しているから、フィルタ10の小型化を図ることが出来る。
また、本実施形態のBPF10は積層基板に内蔵して各種のモジュールを構成することが出来るものである。図3は、本実施形態に係る上記BPF10を積層基板1に内蔵して高周波モジュールを構成した状態を概念的に示すものである。この図に示すように積層基板1の表面には、PAや高周波スイッチを含むIC2、ならびにチップインダクタやチップキャパシタ等のチップ部品3を実装し、積層基板1の内部配線層に本実施形態のBPF10を形成する。また、積層基板1の内層には本実施形態のBPF10以外にも様々な回路・素子を実装することが出来る。
なお、上記本実施形態の説明では、BPF10を構成する各導体を配した基板各層を連続した(積層方向に隣り合う)配線層(第1層から第11層)として説明したが、これら各層は必ずしも連続したものである必要はなく、特に、キャパシタ(第1共振キャパシタCr1、第2共振キャパシタCr2、第1結合キャパシタC12-1および第2結合キャパシタC12-2)を形成しない2つの層の間、具体的には、第1層と第2層との間、第4層と第5層との間、第5層と第6層との間、第6層と第7層との間、第7層と第8層との間、ならびに第10層と第11層との間には、1以上の配線層をさらに設けて構わない。例えば、図3に示したようなモジュールを構成する場合、12層以上、例えば20〜30層あるいはそれ以上の配線層を有する積層基板を使用し、これに本実施形態のBPF10を内蔵しても良い。
また上記図3に示したように基板上面をIC2やチップ部品3を実装する部品搭載面とすると共に、基板下面を、本モジュールを他の実装基板に搭載するための外部接続用の端子形成面とした場合に、本実施形態によれば、BPF10への入出力を基板1の上下に引き出す(基板上面に入力端子電極P1を、基板下面に出力端子電極P2をそれぞれ備える)構造を有するから、基板上面に搭載した各部品2,3ならびに基板下面の他の実装基板との接続を容易に行うことが可能で、使用利便性に優れたモジュールを構成することが出来る。
さらに、本実施形態では、段間結合キャパシタC12を低インピーダンス部C12-12,C12-22の内側(基板積層方向に関し第1低インピーダンス部C12-12と第2低インピーダンス部C12-22との間に、かつ平面から見たときに各低インピーダンス部C12-12,C12-22の内側)に配置した浮き電極101により構成しているから、結合キャパシタC12-1,C12-2を構成する当該浮き電極101と、ベタグランド(上部グランド電極G1および下部グランド電極G0)との間に浮遊容量が生じることを防ぐことができ、1/2波長共振を回避し、良好な帯域外減衰特性を得ることが出来る。また、当該浮き電極101は、平面から見たときに各低インピーダンス部C12-12,C12-22の内側に配置されているから、積層ずれによる容量変動も回避することが出来る。さらに、結合電極C12-11,C12-21を繋ぐビアV12を2つのSIR11,12の高インピーダンス部Lr1,Lr2の間を通しているから、フィルタ10を構成するパターンの拡大を防ぐと共に、積層基板内の他のパターン(回路・素子)との干渉を防ぐことも可能となる。
図4は本実施形態に係るBPF10の周波数‐減衰特性を示す線図であり、実線が入出力端子P1,P2間の通過特性(S21)を、破線が入力端子P1における反射特性(S11)をそれぞれ示している。この図から明らかなように本実施形態のBPF10では良好な帯域通過特性が得られる。なお、本実施形態のBPFは、通過帯域3.3〜3.95GHz(帯域中心周波数約3.6GHz)に設定したが、これより低い周波数帯ならびに高い周波数帯で使用するBPFも本発明に基づいて同様に構成することが可能である。
〔第2実施形態〕
図5は本発明の第二の実施形態に係るBPFを図1(第一実施形態)と同様に示す等価回路図であり、図6Aから図6Gは当該第二実施形態のBPFを構成する積層基板各層の導体パターンを、図2Aから図2K(第一実施形態)と同様に示す平面図である。なお、本実施形態の基板各層を示す図(図6A〜図6G)では、基板の表面と裏面は省略し、基板の内部配線層のみを示している。したがって、本実施形態において第1層(図6A)は基板表面ではなく、基板内の一配線層である。また、第7層(図6G)は基板裏面ではなく、前記第1層より下層の基板内の他の一配線層を表している。
これらの図に示すように本実施形態のBPF20は、入力端子P1と出力端子P2との間に低インピーダンス部C12-12,C12-22,C23-22と高インピーダンス部Lr1,Lr2,Lr3とからなる3個のSIR11,12,13、すなわち、第1SIR11と第2SIR12と第3SIR13とを順に接続したものである。この3段のSIR11,12,13を備えたBPF20においても、前記第一実施形態と同様に本発明を適用し、これら3個のSIR11,12,13の各低インピーダンス部C12-12,C12-22,C23-22と各高インピーダンス部Lr1,Lr2,Lr3を、積層基板の上部に形成したベタグランド(上部グランド電極G1)と下部に形成したベタグランド(下部グランド電極G0)との間の複数の配線層に亘って上下に重なるように配することで、フィルタ20全体を小型化することが可能である。具体的には、以下のとおりである。
第1層(図6A)にベタグランドとして上部グランド電極G1を形成する一方、第7層に下部グランド電極G0を設ける。第2層(図6B)に、第1SIR11の低インピーダンス部(第1低インピーダンス部)C12-12と第3SIR13の低インピーダンス部(第3低インピーダンス部)C23-22とを並べてかつ第1層の上部グランド電極G1と対向するように形成し、第1共振キャパシタCr1および第3共振キャパシタCr3をそれぞれ構成する。また、これら第1低インピーダンス部C12-12と第3低インピーダンス部C23-22は、平面から見たときに後に述べる第2低インピーダンス部C12-22(図6F)とそれぞれ一部が重なるように配置する。フィルタ20全体を小型化するためである。
第3層(図6C)には、第1結合電極(第一の結合キャパシタ電極)C12-11と第4結合電極(第四の結合キャパシタ電極)C23-21とを設ける。第1結合電極C12-11は、前記第2層の第1低インピーダンス部C12-12に対向してキャパシタ(第1結合キャパシタ)C12-1を構成すると共に、後に述べる第2結合電極C12-21とビア(層間接続導体)V12を介し電気的に接続されて浮き電極101を構成する。さらにこの第1結合キャパシタC12-1は、後に述べる第2結合キャパシタC12-2と共に、第1SIR11と第2SIR12とを結合する段間結合キャパシタC12を構成する。
一方、第4結合電極C23-21は、前記第2層の第3低インピーダンス部C23-22に対向してキャパシタ(第4結合キャパシタ)C23-2を構成すると共に、後に述べる第3結合電極C23-11とビアV23を介し接続されて浮き電極102を構成する。さらにこの第4結合キャパシタC23-2は、後に述べる第3結合キャパシタC23-1と共に、第2SIR12と第3SIR13とを結合する段間結合キャパシタC23を構成する。また、これら浮き電極101,102を形成する各ビアV12,V23は、それぞれ第1高インピーダンス部Lr1と第2高インピーダンス部Lr2との間、ならびに第2高インピーダンス部Lr2と第3高インピーダンス部Lr3との間をそれぞれ通過している。
第4層(図6D)には、第1から第3の各SIR11,12,13を構成する高インピーダンス部Lr1,Lr2,Lr3を平行に並べて配置する。図中左端が第1高インピーダンス部Lr1であり、中央が第2高インピーダンス部Lr2、右端が第3高インピーダンス部Lr3である。各高インピーダンス部Lr1,Lr2,Lr3は、先端部をビアVを介して前記第1層(図6A)の上部グランド電極G1および第7層の下部グランド電極G0にそれぞれ接続することにより短絡端としてある。一方、第1高インピーダンス部Lr1の基端部および第3高インピーダンス部Lr3の基端部は、ビアVを介して第2層の第1低インピーダンス部C12-12および第3低インピーダンス部C23-22とそれぞれ接続する。また、第2高インピーダンス部Lr2の基端部は、後に述べる第6層の第2低インピーダンス部C12-22とビアVを介して接続する。
さらに、第1高インピーダンス部Lr1の基端部には、入力端子P1に接続するための入力タップT1を接続する。この入力タップT1は導体線路からなり、ビアを通じて基板表面に設けた入力端子電極(図示せず)に接続される。また、第3高インピーダンス部Lr3の基端部には、出力端子P2に接続するための出力タップT2を接続する。この出力タップT2は、ビアを通じて基板裏面に設けた出力端子電極(図示せず)に接続される。
なお、本実施形態(図6D)では、前記第一実施形態と同様に隣り合う高インピーダンス部同士、すなわち、第1高インピーダンス部Lr1と第2高インピーダンス部Lr2同士、ならびに、第2高インピーダンス部Lr2と第3高インピーダンス部Lr3同士を平行に並べて配置することで、互いに電磁界結合させる。一方、本実施形態(図6D)では、高インピーダンス部Lr1,Lr2,Lr3を直線状の線路形状を有するものとしたが、当該電磁界結合を強めるため、前記第一実施形態と同様に先端部(短絡端)側に狭間隔線路部を形成するようにしても良い(例えば第1高インピーダンス部Lr1と第3高インピーダンス部Lr3を中央の第2高インピーダンス部Lr2に近づけるようにクランク状に折り曲げれば良い)。この場合、前記浮き電極101,102を形成するビアV12,V23は、各高インピーダンス部Lr1,Lr2,Lr3の基端部側(広間隔線路部)の間を通過させれば良い。
第5層(図6E)には、前記各浮き電極101,102を形成する第2結合電極C12-21と第3結合電極C23-11とを並べて設ける。これらの結合電極のうち第2結合電極C12-21は、前述の第1結合電極C12-11とビアV12を介し接続されて浮き電極101を構成すると共に、次に述べる第6層(図6F)に配した第2低インピーダンス部C12-22に誘電体層を介して対向することによりキャパシタ(第2結合キャパシタ)C12-2を構成する。この第2結合キャパシタC12-2は、前述の第1結合キャパシタC12-1と共に、第1SIR11と第2SIR12を結合する段間結合キャパシタC12を構成する。
一方、第3結合電極C23-11は、前述の第4結合電極C23-21とビアV23を介し接続されて別の浮き電極102を構成し、さらに上記第6層(図6F)に配した第2低インピーダンス部C12-22に対向してキャパシタ(第3結合キャパシタ)C23-1を構成する。この第3結合キャパシタC23-1は、前述の第4結合キャパシタC23-2と共に、第2SIR12と第3SIR13を結合する段間結合キャパシタC23を構成する。
第6層(図6F)には、第2低インピーダンス部C12-22を設ける。この第2低インピーダンス部C12-22は、平面から見たとき前記第2層の第1低インピーダンス部C12-12ならびに第3低インピーダンス部C23-22とそれぞれ一部が重なる位置に形成してあり、前述の第2高インピーダンス部Lr2とビアVを介して接続されている。第7層(図6G)には下部グランド電極G0を設けてある。前記第2低インピーダンス部C12-22は、この下部グランド電極G0に対向し、これら第2低インピーダンス部C12-22と下部グランド電極G0により第2共振キャパシタCr2が形成される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、図面に基づいて説明した上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変更を行うことが出来ることは当業者に明らかである。
例えば、前記実施形態は2個ないし3個のSIRを備えたフィルタに係るものであるが、本発明を同様に適用して4個以上のSIRを備えるフィルタを構成することも可能である。また、高インピーダンス部および低インピーダンス部の各形状は、特に問わない。例えば高インピーダンス部を、第一実施形態ではクランク形状とし、第二実施形態では直線形状(長方形)としたが、メアンダ状その他の形状とすることも可能である。さらに前記実施形態では、BPFの入力を基板表面に、出力を基板裏面に引き出したが、入出力の双方を基板表面または裏面に引き出すことも出来るし、他の部分(例えば基板の側面等)に入出力タップを引き出すことも可能である。
本発明の第一の実施形態に係るBPFを示す等価回路図である。 前記第一実施形態のBPFを構成する積層基板各層(第1層)の導体パターンを示す平面図である。 前記第一実施形態のBPFを構成する積層基板各層(第2層)の導体パターンを示す平面図である。 前記第一実施形態のBPFを構成する積層基板各層(第3層)の導体パターンを示す平面図である。 前記第一実施形態のBPFを構成する積層基板各層(第4層)の導体パターンを示す平面図である。 前記第一実施形態のBPFを構成する積層基板各層(第5層)の導体パターンを示す平面図である。 前記第一実施形態のBPFを構成する積層基板各層(第6層)の導体パターンを示す平面図である。 前記第一実施形態のBPFを構成する積層基板各層(第7層)の導体パターンを示す平面図である。 前記第一実施形態のBPFを構成する積層基板各層(第8層)の導体パターンを示す平面図である。 前記第一実施形態のBPFを構成する積層基板各層(第9層)の導体パターンを示す平面図である。 前記第一実施形態のBPFを構成する積層基板各層(第10層)の導体パターンを示す平面図である。 前記第一実施形態のBPFを構成する積層基板各層(第11層)の導体パターンを示す平面図である。 前記第一実施形態のBPFを備えた高周波モジュールを示す概念図である。 前記第一実施形態のBPFの周波数‐減衰特性を示す線図である。 本発明の第二の実施形態に係るBPFを示す等価回路図である。 前記第二実施形態のBPFを構成する積層基板各層(第1層)の導体パターンを示す平面図である。 前記第二実施形態のBPFを構成する積層基板各層(第2層)の導体パターンを示す平面図である。 前記第二実施形態のBPFを構成する積層基板各層(第3層)の導体パターンを示す平面図である。 前記第二実施形態のBPFを構成する積層基板各層(第4層)の導体パターンを示す平面図である。 前記第二実施形態のBPFを構成する積層基板各層(第5層)の導体パターンを示す平面図である。 前記第二実施形態のBPFを構成する積層基板各層(第6層)の導体パターンを示す平面図である。 前記第二実施形態のBPFを構成する積層基板各層(第7層)の導体パターンを示す平面図である。 SIRを使用するBPFの一例を示す等価回路図である。
符号の説明
1 積層基板(LTCC基板)
2 IC
3 チップ部品
10,20 BPF(バンドパスフィルタ)
11 第1SIR(ステップインピーダンス共振器)
12 第2SIR(ステップインピーダンス共振器)
13 第3SIR(ステップインピーダンス共振器)
101,102 浮き電極
12,C23 段間結合キャパシタ
12-1 第1結合キャパシタ
12-2 第2結合キャパシタ
23-1 第3結合キャパシタ
23-2 第4結合キャパシタ
12-11 第1結合電極(第1結合キャパシタ電極)
12-21 第2結合電極(第2結合キャパシタ電極)
23-11 第3結合電極(第3結合キャパシタ電極)
23-21 第4結合電極(第4結合キャパシタ電極)
12-12 第1低インピーダンス部
12-22 第2低インピーダンス部
23-22 第3低インピーダンス部
r1 第1共振キャパシタ
r2 第2共振キャパシタ
r3 第3共振キャパシタ
0 下部グランド電極
1 上部グランド電極
r1 第1高インピーダンス部
r2 第2高インピーダンス部
r3 第3高インピーダンス部
1 入力端子
2 出力端子
3 IC搭載用パッド電極
4 グランド端子電極
1 入力タップ
2 出力タップ
V,V12,V23 ビアホール

Claims (11)

  1. 誘電体層により互いに絶縁された複数の配線層を有する積層基板の一の配線層に形成した上部グランド電極と、
    当該一の配線層に対して複数の配線層を隔てた下層の他の配線層に形成した下部グランド電極と、
    入力端子と出力端子との間に電気的に接続されるようにこれら一の配線層と他の配線層との間に形成した2以上のステップインピーダンス共振器と、
    当該ステップインピーダンス共振器同士を電気的に接続する結合キャパシタと、
    を備える積層型バンドパスフィルタであって、
    前記2以上のステップインピーダンス共振器は、幅の広い導体線路により形成された低インピーダンス部と、当該低インピーダンス部と電気的に接続されかつ当該低インピーダンス部より幅の狭い導体線路により形成された高インピーダンス部とをそれぞれ有する、第一のステップインピーダンス共振器と第二のステップインピーダンス共振器とを含み、
    前記第一のステップインピーダンス共振器の低インピーダンス部を、キャパシタを形成するように誘電体層を挟んで前記上部グランド電極と対向して配置する一方、
    前記第二のステップインピーダンス共振器の低インピーダンス部を、キャパシタを形成するように誘電体層を挟んで前記下部グランド電極と対向して配置し、
    当該第一のステップインピーダンス共振器の低インピーダンス部と第二のステップインピーダンス共振器の低インピーダンス部とを、平面から見たときにそれらの少なくとも一部が重なるように配置した
    ことを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。
  2. 前記第一のステップインピーダンス共振器の高インピーダンス部および前記第二のステップインピーダンス共振器の高インピーダンス部のうちのいずれか一方または双方を、
    前記第一のステップインピーダンス共振器の低インピーダンス部を配置した配線層より下方でかつ前記第二のステップインピーダンス共振器の低インピーダンス部を配置した配線層より上方の配線層に配置し、かつ
    平面から見たときに、前記第一のステップインピーダンス共振器の低インピーダンス部および前記第二のステップインピーダンス共振器の低インピーダンス部のうちのいずれか一方または双方と少なくとも一部が重なるように配置した
    請求項1に記載の積層型バンドパスフィルタ。
  3. 前記第一のステップインピーダンス共振器の高インピーダンス部および前記第二のステップインピーダンス共振器の高インピーダンス部を、同一の、かつ、前記第一のステップインピーダンス共振器の低インピーダンス部を配置した配線層と前記第二のステップインピーダンス共振器の低インピーダンス部を配置した配線層との間の、配線層に配置し、
    当該第一のステップインピーダンス共振器の高インピーダンス部の少なくとも一部と当該第二のステップインピーダンス共振器の高インピーダンス部の少なくとも一部とを、互いに接近して配置することにより電磁界結合させた
    請求項1または2に記載の積層型バンドパスフィルタ。
  4. 前記上部グランド電極と前記下部グランド電極とを互いに電気的に接続し、
    前記上部グランド電極と前記第一のステップインピーダンス共振器の低インピーダンス部とにより形成されるキャパシタの容量を、前記下部グランド電極と前記第二のステップインピーダンス共振器の低インピーダンス部とにより形成されるキャパシタの容量より大きくした
    請求項1から3のいずれか一項に記載の積層型バンドパスフィルタ。
  5. 前記結合キャパシタとして、前記第一のステップインピーダンス共振器と前記第二のステップインピーダンス共振器とを接続する結合キャパシタを備え、
    当該結合キャパシタは、
    前記第一のステップインピーダンス共振器の低インピーダンス部の下面側に誘電体層を挟んで対向して配置した第一の結合キャパシタ電極と、
    前記第二のステップインピーダンス共振器の低インピーダンス部の上面側に誘電体層を挟んで対向して配置した第二の結合キャパシタ電極と、
    これら第一の結合キャパシタ電極と第二の結合キャパシタ電極とを電気的に接続する層間接続導体と、
    を備える
    請求項1から4のいずれか一項に記載の積層型バンドパスフィルタ。
  6. 前記第一のステップインピーダンス共振器の高インピーダンス部および前記第二のステップインピーダンス共振器の高インピーダンス部を同一の配線層に配置すると共に、
    前記第一のステップインピーダンス共振器および第二のステップインピーダンス共振器の各高インピーダンス部を共に、一端を各共振器の低インピーダンス部とそれぞれ接続する一方、他端を短絡端とし、
    当該高インピーダンス部同士を互いに接近して配置することにより電磁界結合させ、
    これら高インピーダンス部を配置した領域以外の領域に、第一の結合キャパシタ電極と第二の結合キャパシタ電極とを接続する前記層間接続導体を通過させるように配置した
    請求項5に記載の積層型バンドパスフィルタ。
  7. 前記第一のステップインピーダンス共振器の高インピーダンス部および前記第二のステップインピーダンス共振器の高インピーダンス部を同一の配線層に配置すると共に、
    前記第一のステップインピーダンス共振器および第二のステップインピーダンス共振器の各高インピーダンス部を共に、一端を各共振器の低インピーダンス部とそれぞれ接続する一方、他端を短絡端とし、
    当該高インピーダンス部の短絡端側の線路部分同士を互いに接近して配置することにより電磁界結合させ、
    当該高インピーダンス部の低インピーダンス部との接続端側の線路部分同士を離間させてこれら接続端側の線路部分の間に、第一の結合キャパシタ電極と第二の結合キャパシタ電極とを接続する前記層間接続導体を通過させるように配置した
    請求項5に記載の積層型バンドパスフィルタ。
  8. 前記第一の結合キャパシタ電極と前記第二の結合キャパシタ電極とを、平面から見たときに少なくとも一部が重なるように配置し、かつ、これらの結合キャパシタ電極を接続する前記層間接続導体を、前記積層基板の積層方向に略平行に直線状に形成した
    請求項6または7に記載の積層型バンドパスフィルタ。
  9. 前記入力端子を前記積層基板の表面に設けると共に、
    層間接続部および入力タップ線路を含んで当該入力端子に電気的に接続する入力導体部を前記積層基板内に形成する一方、
    前記出力端子を前記積層基板の裏面に設け、
    層間接続部および出力タップ線路を含んで当該出力端子に電気的に接続する出力導体部を前記積層基板内に形成し、
    これら入力導体部と出力導体部との間に、前記2以上のステップインピーダンス共振器を接続した
    請求項1から8のいずれか一項に記載の積層型バンドパスフィルタ。
  10. 前記積層基板は、LTCC基板である
    請求項1から9のいずれか一項に記載の積層型バンドパスフィルタ。
  11. 前記請求項1から10のいずれか一項に記載の積層型バンドパスフィルタと、
    当該積層型バンドパスフィルタと電気的に接続されかつ前記積層基板に実装された1以上の電気的機能素子と、
    を備える高周波モジュール。
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