JP4539704B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、感光体を備えた画像形成装置に関する。
電子写真複写機等の画像形成装置では、例えば感光体ドラムを帯電し、帯電後の感光体ドラムを選択的に露光することで静電潜像を形成し、この静電潜像を所定の極性に帯電したトナーで現像することでトナー像を得ている。ここで、感光体ドラムは、例えば金属からなる導電性の基材と、この基材の表面に設けられた感光体とを備える。感光体には、電荷発生材料と電荷輸送材料との双方を含有する単層型や、電荷発生材料を含有する電荷発生層と電荷輸送材料を含有する電荷輸送層とを積層してなる積層型が存在する。
通常、感光体は、光に曝されることによって光疲労(光疲労は、感光体の一部が光曝露されることにより、他の部分と電気特性が一時的に変化した状態をいう。)が発生し、画像に曝露の履歴が残る。特に、感光体の一部のみが光に曝されてしまうような場合には、光に曝された部位と曝されなかった部位とで画像の濃度に違いが生じてしまう。このような履歴は、光に曝されることにより感光体内に発生した電荷が、感光体内のトラップに捕獲されることによって発生する。
そこで、感光体全体を光疲労させてから画像形成に供する方法が提案されている(特許文献1参照)。また、この特許文献1には、感光体全体を光疲労させるために、感光体に対し、通常の帯電工程で用いる極性と同極性の帯電と全面露光とを同時あるいは交互に行うことも記載されている。
特開平5−88593号公報
ところで、近年では、上述した感光体の最外層に保護層が設けられるようになってきている。このような保護層を有する感光体を用いた場合に感光体が光に曝されると、得られる画像の濃度が、光に曝さなかった場合と比較して高くなったりあるいは低くなったりするという現象がみられた。
本発明は、保護層を有する感光体が光に曝された場合であっても、得られる画像の濃度の変動を低減することを目的とする。
請求項1記載の発明は、電荷発生層および当該電荷発生層を保護する保護層を備え、回転可能に設けられた感光体と、回転する前記感光体を所定の極性に帯電する帯電手段と、回転する前記感光体に対し、所定の波長領域の光に対する前記電荷発生層の感度を最大感度で規格化した当該電荷発生層の相対感度が、当該所定の波長領域の光に対する前記保護層の感度を最大感度で規格化した当該保護層の相対感度よりも大きい波長の光を照射する露光手段と、前記帯電手段および前記露光手段によって、回転する前記感光体に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段と、回転する前記感光体に現像された画像を記録材に転写する転写手段と、前記帯電手段および前記露光手段による前記静電潜像の形成が開始される前に、回転する前記感光体に対し、前記保護層の相対感度が前記電荷発生層の相対感度よりも大きい波長の光を、当該感光体が1回転する以上の期間にわたって照射する光照射手段と、前記光照射手段による光の照射が終了した後であって前記帯電手段および前記露光手段による前記静電潜像の形成が開始される前に、回転する前記感光体を当該感光体が1回転する以上の期間にわたって前記所定の極性とは逆極性に帯電する逆帯電手段とを含む画像形成装置である。
請求項2記載の発明は、前記転写手段により転写がなされた前記感光体に対し、前記電荷発生層の相対感度が前記保護層の相対感度よりも大きい波長の光を一様に照射し、当該電荷発生層を除電する除電手段をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項3記載の発明は、前記感光体は前記画像形成装置の本体に対して着脱される画像形成ユニットに取り付けられ、前記本体に前記画像形成ユニットが取り付けられた後、当該画像形成ユニットの前記感光体を回転させるとともに、当該感光体に対し、前記光照射手段による光照射動作を実行させた後に前記逆帯電手段による逆帯電動作を実行させる制御を行う制御手段をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。
請求項4記載の発明は、前記制御手段は、前記光照射動作および前記逆帯電動作を実行させた後、前記感光体に形成される画像の濃度補正動作をさらに実行させることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置である。
請求項5記載の発明は、電荷発生層および当該電荷発生層を保護する保護層を備え、回転可能に設けられた感光体と、回転する前記感光体を所定の極性に帯電する帯電手段と、回転する前記感光体に対し、前記保護層よりも前記電荷発生層で電荷対が発生しやすい波長の光を照射する露光手段と、前記帯電手段および前記露光手段によって、回転する前記感光体に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段と、回転する前記感光体に現像された画像を記録材に転写する転写手段と、前記帯電手段および前記露光手段による前記静電潜像の形成が開始される前に、回転する前記感光体に対し、前記電荷発生層よりも前記保護層で電荷対が発生しやすい波長の光を、当該感光体が1回転する以上の期間にわたって照射する光照射手段と、前記光照射手段による光の照射が終了した後であって前記帯電手段および前記露光手段による前記静電潜像の形成が開始される前に、回転する前記感光体を当該感光体が1回転する以上の期間にわたって前記所定の極性とは逆極性に帯電する逆帯電手段とを含む画像形成装置である。
請求項6記載の発明は、電荷発生層および当該電荷発生層を保護する保護層を備え、回転可能に設けられた感光体と、回転する前記感光体を所定の極性に帯電する帯電手段と、回転する前記感光体に対し、所定の波長領域の光に対する前記電荷発生層の感度を最大感度で規格化した当該電荷発生層の相対感度が、当該所定の波長領域の光に対する前記保護層の感度を最大感度で規格化した当該保護層の相対感度よりも大きい波長の光を照射する露光手段と、前記帯電手段および前記露光手段によって、回転する前記感光体に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段と、回転する前記感光体に現像された画像を記録材に転写する転写手段と、前記帯電手段および前記露光手段に前記静電潜像の形成が開始される前に、回転する前記感光体に対し、前記保護層の相対感度が前記電荷発生層の相対感度よりも大きい波長の光を、当該感光体が1回転する以上の期間にわたって照射する光照射手段と、前記光照射手段による光の照射が終了した後であって前記帯電手段および前記露光手段による前記静電潜像の形成が開始される前に、回転する前記光照射手段にて光の照射がなされた前記感光体を当該感光体が1回転する以上の期間にわたって加熱する加熱手段とを含む画像形成装置である。
請求項7記載の発明は、前記現像手段は、前記感光体に対向配置され前記トナーを保持して回転する現像剤保持体を備え、前記加熱手段は、前記現像剤保持体に保持された前記トナーが前記感光体に接触している場合に、当該トナーのガラス転移点を超えない温度に当該感光体を加熱することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置である。
請求項8記載の発明は、前記感光体は前記画像形成装置の本体に対して着脱される画像形成ユニットに取り付けられ、前記本体に前記画像形成ユニットが取り付けられた後、当該画像形成ユニットの前記感光体を回転させるとともに、当該感光体に対し、前記光照射手段による光照射動作を実行させた後に前記加熱手段による加熱動作を実行させる制御手段をさらに含むことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置である。
請求項9記載の発明は、前記制御手段は、前記光照射動作および前記加熱動作を実行させる際に、前記感光体から前記現像手段を退避させることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置である。
請求項1記載の発明によれば、画像形成動作を開始する前に、感光体を構成する保護層の光疲労を一様となるようにし、得られる画像の変動を低減することができる。
請求項2記載の発明によれば、画像形成動作において感光体に残存する残留電荷を除去することができる。
請求項3記載の発明によれば、例えば画像形成装置の外に画像形成ユニットが置かれることで感光体が局所的に光に曝された場合であっても、画像形成動作を開始する前に、感光体を構成する保護層の光疲労を一様にすることができる。
請求項4記載の発明によれば、感光体の感度特性に変動が生じた場合であっても、濃度のずれを抑制することができる。
請求項5記載の発明によれば、画像形成動作を開始する前に、感光体を構成する保護層の光疲労を一様となるようにし、得られる画像の変動を低減することができる。
請求項6記載の発明によれば、画像形成動作を開始する前に、感光体を構成する保護層の光疲労を一様となるようにし、得られる画像の変動を低減することができる。
請求項7記載の発明によれば、現像剤保持体に保持されたトナーが感光体に接触している場合に、感光体がトナーのガラス転移点を超えない温度に加熱されるので、トナーの固着、凝集を抑制することができる。
請求項8記載の発明によれば、例えば画像形成装置の外に画像形成ユニットが置かれることで感光体が局所的に光に曝された場合であっても、画像形成動作を開始する前に、感光体を構成する保護層の光疲労を一様にすることができる。
請求項9記載の発明によれば、感光体が加熱される際に感光体から現像手段が退避するので、トナーの固着、凝集を抑制することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置としてのプリンタ1の全体構成を示した図である。プリンタ1は、各色の階調データに対応して画像形成を行う画像形成部10、用紙Pを搬送する用紙搬送部40、そして、画像形成部10や用紙搬送部40を含むプリンタ1の動作を制御する制御手段の一例としての制御部50を備えている。
画像形成部10は、水平方向に一定の間隔を置いて並列に配置される、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニット11Y、11M、11C、11K、これら画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kの感光体ドラム12に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト21上に多重転写させる転写ユニット20、画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kに対してレーザ光を照射する露光ユニット30を備えている。また、プリンタ1は、転写ユニット20によって用紙Pに二次転写されたトナー像を、熱および圧力を用いて定着させる定着ユニット29を備えている。
転写手段の一例としての転写ユニット20は、中間転写ベルト21を駆動する駆動ロール22、中間転写ベルト21に一定の張力を付与する張力付与ロール23、重畳された各色のトナー像を用紙Pに二次転写するためのバックアップロール24、中間転写ベルト21上に存在する残留トナー等を除去するベルトクリーナ25を備えている。記録材の一例としての中間転写ベルト21は、これら駆動ロール22、張力付与ロール23およびバックアップロール24の間に掛け渡されており、図示しないベルト駆動モータによって回転駆動される駆動ロール22により、所定の速度で循環移動する。この中間転写ベルト21は、例えば、チャージアップ(急激な帯電上昇)を起こしにくいベルト素材(ゴムまたは樹脂)にて抵抗調整されたものが使用されている。また、ベルトクリーナ25は、トナー像の二次転写が終了した後の中間転写ベルト21の表面から残留トナー等を除去するように構成されている。
露光手段の一例としての露光ユニット30は、図示しないレーザダイオード、変調器、ポリゴンミラー、各種レンズおよびミラー等を備えており、画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kの感光体ドラム12に対してレーザ光を走査露光するようになっている。なお、本実施の形態では、780nmの発振波長を有するレーザダイオードを用いている。
用紙搬送部40は、用紙Pを積載する給紙積載部41、給紙積載部41から用紙Pを取り上げて供給する取り出しロール42、取り出しロール42から供給された用紙Pを一枚ずつ分離して搬送する捌きロール43、捌きロール43により一枚ずつに分離された用紙Pを二次転写位置に向けて搬送する搬送路44を備えている。また、用紙搬送部40は、搬送路44を搬送される用紙Pに対し、二次転写位置に向けてタイミングを合わせて搬送するレジストレーションロール45、二次転写位置に設けられ用紙Pを介してバックアップロール24に圧接して用紙P上に画像を二次転写する二次転写ロール46を備えている。さらに、用紙搬送部40は、定着ユニット29によって画像が定着された用紙Pをプリンタ1の機外に排出する排出ロール47、排出ロール47によって排出された用紙Pを積載する排紙積載部48を有する。
図2は、イエローの画像形成ユニット11Yの構成を説明するための図である。なお、ここではイエローの画像形成ユニット11Yを例とするが、他色の画像形成ユニット11M、11C、11Kも、使用するトナーの色を除いて同じ構成を有している。
イエローの画像形成ユニット11Yは、矢印A方向に回転する感光体ドラム12を備えている。なお、感光体ドラム12には、感光体ドラム12を回転駆動するドラム駆動モータ12aが接続されている。そして、感光体ドラム12の周囲には、矢印A方向に沿って、帯電装置13、現像装置14、一次転写装置15、光照射装置16および感光体クリーナ17が順次配置されている。
これらのうち、帯電手段および逆帯電手段の一例としての帯電装置13は、感光体ドラム12に接触配置される帯電ロール13aと、この帯電ロール13aに帯電バイアスを供給する帯電電源13bとを備える。ここで、帯電ロール13aは、感光体ドラム12から駆動を受けて回転する。そして、帯電電源13bは、帯電ロール13aに対して正極性の直流帯電バイアスまたは負極性の直流帯電バイアスを選択的に供給する。なお、帯電電源13bは、正極性または負極性の直流帯電バイアスに重畳して、交流帯電バイアスを印加するようにしてもよい。
現像手段の一例としての現像装置14は、感光体ドラム12に対向配置される現像スリーブ14aと、この現像スリーブ14aに内包されるマグネットロール14bと、現像スリーブ14aおよびマグネットロール14bからなる現像ロールにトナーおよび磁性キャリアを含む二成分現像剤を供給する供給部材14cとを備える。ここで、本実施の形態では、マグネットロール14bが固定される一方、現像スリーブ14aは回転するようになっている。また、二成分現像剤において、トナーは、負の帯電極性を有している。そして、現像装置14は、現像スリーブ14aを回転駆動するスリーブ駆動モータ14dと、現像スリーブ14aに現像バイアスを供給する現像電源14eとをさらに備えている。本実施の形態において、現像電源14eは、現像スリーブ14aに対して正極性の直流現像バイアスまたは負極性の直流現像バイアスを選択的に供給する。なお、現像電源14eは、正極性または負極性の直流現像バイアスに重畳して、交流現像バイアスを印加するようにしてもよい。
一次転写装置15は、中間転写ベルト21を挟んで感光体ドラム12に対向して配置される一次転写ロール15aと、この一次転写ロール15aに一次転写バイアスを供給する一次転写電源15bとを備えている。ここで、一次転写ロール15aは、感光体ドラム12との対向部において感光体ドラム12の回転方向Aと同じ矢印B方向に回転する中間転写ベルト21の駆動力を受けて回転する。また、一次転写電源15bは、一次転写ロール15aに対して正極性の一次転写バイアスを供給する。
光照射手段および除電手段の一例としての光照射装置16は、感光体ドラム12に対向して配置される発光部16aと、この発光部16aに対して発光用の電力を供給する発光電源16bとを備えている。なお、光照射装置16の詳細な構成については後述する。
そして、感光体クリーナ17は、感光体ドラム12に接触配置されるブレード部材17aを備えている。
なお、上述したドラム駆動モータ12a、帯電電源13b、スリーブ駆動モータ14d、現像電源14e、一次転写電源15bおよび発光電源16bの動作は、図1に示す制御部50によって制御される。また、図1に示す駆動ロール22を介した中間転写ベルト21の駆動、用紙搬送部40における用紙搬送、二次転写部に印加する二次転写バイアス、そして定着ユニット29における駆動や加熱の動作も、制御部50によって制御されている。
そして、本実施の形態では、各画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kの感光体ドラム12、帯電ロール13aおよび感光体クリーナ17を一体化し、図3に示す画像形成カートリッジ60としている。なお、図3において、「イン側」とは、図1に示すプリンタ1の本体の図中奥側に配置される部位をいい、「アウト側」とは、図中手前側に配置される部位をいう。このような構成を採用することで、プリンタ1の本体に対して画像形成カートリッジ60の着脱が行えるようになっている。
この画像形成カートリッジ60は、感光体ドラム12の軸方向両端部に設けられたベアリング(図示せず)を収容するとともに、帯電装置13および感光体クリーナ17を支持するイン側ハウジング61およびアウト側ハウジング62を備えている。そして、イン側ハウジング61よりもさらにイン側において、感光体ドラム12にはギア12bが取り付けられている。このギア12bは、画像形成カートリッジ60が図1に示すプリンタ1(図1参照)に装着された際には、プリンタ1に設けられた図示しない駆動ギアと噛み合い、プリンタ1に設けられたドラム駆動モータ12a(図2参照)の駆動力を感光体ドラム12へと伝達する。一方、アウト側ハウジング62よりもアウト側には、プリンタ1に対する画像形成カートリッジ60の着脱操作に用いられるハンドル部63が設けられている。
図4は、感光体ドラム12における外周面の断面を示す図である。
本実施の形態において、感光体ドラム12は、導電性基材121と、導電性基材121の上に形成される下引き層122と、下引き層122の上に形成される電荷発生層123と、電荷発生層123の上に形成される電荷輸送層124と、電荷輸送層124の上に形成される表面保護層125とを備えている。なお、この例では、電荷発生層123、電荷輸送層124および表面保護層125によって、感光層126が構成されている。
これらのうち、導電性基材121は、導電性を有する材料であれば特に制限されず、例えばアルミニウム合金等の金属材が用いられる。なお、導電性基材121は、感光体ドラム12を含む画像形成カートリッジ60(図3参照)がプリンタ1に取り付けられた際に接地される。
下引き層122は、積層構造を有する感光層126を帯電する際に、導電性基材121から感光層126への電荷の注入を阻止するとともに、感光層126を導電性基材121に対して一体的に保持させる接着層として機能する。このような下引き層122は、例えば、金属酸化物微粒子および結着樹脂を含んだもので構成される。
電荷発生層123は、光が照射されることに伴って電子および正孔のキャリア対を発生する。電荷発生層123は、電荷発生材料及び結着樹脂を含んで構成される。
電荷輸送層124は、光照射に伴って電荷発生層123で発生したキャリアを輸送する。電荷輸送層124は、例えば電荷輸送材料および結着樹脂を所定の溶媒に溶解および/または分散させた塗布液を塗布し乾燥することによって形成される。なお、本実施の形態において、電荷輸送層124は、キャリアとして正孔を輸送する機能を備えている。
表面保護層125は、感光体ドラム12の外周面の耐摩耗性を向上させ、感光体ドラム12の帯電時における電荷発生層123および電荷輸送層124の化学変化を抑制するために設けられる。また、表面保護層125は、電荷輸送性化合物を少なくとも一種以上含有する樹脂にて構成されており、若干の電荷輸送能力を有している。
ここで、下引き層122および感光層126(電荷発生層123、電荷輸送層124および表面保護層125)の構成例を以下に示す。
(構成例1)
アセチルアセトンジルコニウムブトキシド(オルガチックス ZC540、松本交商製):20重量部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(A1100 日本ユニカ(株)製):2重量部、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S 積水化学(株)製):1.5重量部、n−ブチルアルコール:70重量部からなる溶液を、アルミニウムパイプからなる導電性基材121上に浸漬塗布した後、150℃で10分間乾燥させて、膜厚0.9μmの下引き層122を形成する。
X型無金属フタロシアニン5重量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(VMCH、ユニオンカーバイド社製)5重量部、酢酸 n−ブチル 200重量部を1mmφのガラスビーズを用いたサンドミルで2時間分散して得られた分散液を、上記下引き層122上に浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥させて、膜厚0.2μmの電荷発生層123を形成する。
N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン45重量部及びビスフェノールZポリカーボネート樹脂(重量平均分子量:4万)55重量部をクロルベンゼン800重量部に加えて溶解し、電荷輸送層用塗布液を得る。この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層123上に塗布し、130℃、45分の乾燥を行って膜厚が22μmの電荷輸送層124を形成する。
下記構造式(I)で表される化合物3.5質量部、レジトップPL−4852(群栄化学製)3質量部、ポリビニルフェノール樹脂(Aldrich製)0.5部、イソプロピルアルコール10質量部、並びに3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.2質量部を加えて表面保護層用塗布液を調製する。この表面保護層用塗布液を電荷輸送層124の上に浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した後、150℃で1時間加熱処理して硬化させ、膜厚約4.0μmの表面保護層125を形成する。
Figure 0004539704
(構成例2)
アセチルアセトンジルコニウムブトキシド(オルガチックス ZC540、松本交商製):20重量部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(A1100 日本ユニカ(株)製):2重量部、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S 積水化学(株)製):1.5重量部、n−ブチルアルコール:70重量部からなる溶液を、アルミニウムパイプからなる導電性基材121上に浸漬塗布した後、150℃で10分間乾燥させて、膜厚0.9μmの下引き層122を形成する。
X型無金属フタロシアニン5重量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(VMCH、ユニオンカーバイド社製)5重量部、酢酸 n−ブチル 200重量部を1mmφのガラスビーズを用いたサンドミルで2時間分散して得られた分散液を、上記下引き層122上に浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥させて、膜厚0.2μmの電荷発生層123を形成する。なお、これら下引き層122および電荷発生層123は、上記構成例1と同じである。
下記構造式(II)の電荷輸送性化合物2重量部、ビスフェノールZポリカーボネート樹脂(重量平均分子量:4万)3重量部をクロロベンゼン20重量部に溶解させた塗布液を電荷発生層123上に浸漬コーティング法で塗布し、110℃、40分の加熱を行なって膜厚22μmの電荷輸送層124を形成する。
Figure 0004539704
下記に示す構成材料を、イソプロピルアルコール5重量部、テトラヒドロフラン3重量部、蒸留水0.3部に溶解させ、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E)0.5部を加え、室温で攪拌することにより24時間加水分解を行った。
○構成材料
・下記構造式(III)化合物:2重量部
・メチルトリメトキシシラン:2重量部
・テトラメトキシシラン:0.3重量部
・コロイダルシリカ:0.1重量部
・フッ素グラフトポリマー(ZX007C:富士化成製):0.5重量部
そして、加水分解したものからイオン交換樹脂を濾過分離した液に対し、アルミニウムトリスアセチルアセトナート(Al(aqaq)3)を0.1重量部、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.4重量部を加え、このコーティング液を電荷輸送層124の上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した後、170℃で1時間加熱処理して硬化し、膜厚4.0μmの表面保護層125を形成する。
Figure 0004539704
図5は、露光波長と、上記感光層126における電荷発生層123および表面保護層125の感度との関係を示すグラフ図である。このグラフ図において、横軸は露光波長(nm)を示しており、縦軸は電荷発生層123あるいは表面保護層125の感度を、図5に示す400nm〜850nm波長領域(所定の波長領域)におけるそれぞれの最大感度で規格化した相対値を示している。なお、上述した構成例1と構成例2とでは表面保護層125の組成が異なっているが、両者ともほぼ同様の光学特性を有している。
本実施の形態では、上述したように、露光ユニット30から出射されるレーザ光の発振波長が780nmとなっている。このため、電荷発生層123は、780nm近傍での感度が、これよりも低波長領域の感度よりも高くなっている。また、電荷発生層123は、550〜750nmの範囲における感度が、500nm以下の範囲における感度よりも高くなっている。一方、表面保護層125は、500nm以下の波長領域における感度が、これよりも高波長領域の感度よりも高くなっている。つまり、電荷発生層123と表面保護層125とで、最大感度を示す波長が異なる。
なお、電荷輸送層124は、これら電荷発生層123や表面保護層125とは異なり、400〜850nmの波長領域においてほとんど感度を示さない。
図6は、光照射装置16における発光部16aの構成を説明するための図である。
発光部16aは、基板161と、基板161に取り付けられた除電光源162および光疲労光源163とを備える。
これらのうち、除電光源162は、650nmの波長で発光するLED(Light Emitting Diode)を、主走査方向に複数配列して構成される。また、光疲労光源163は、465nmの波長で発光するLEDを、主走査方向に複数配列して構成される。したがって、除電光源162および光疲労光源163は平行に配置される。なお、本実施の形態において、図2に示す発光電源16bは、除電光源162または光疲労光源163に対して、選択的に発光用の電力を供給する。
では、このプリンタ1による画像形成動作について説明する。図示しない原稿読み取り装置によって読み取られた原稿の色材反射光像や、図示しないパーソナルコンピュータ等にて形成された色材画像データは、例えばR(赤)、G(緑)、B(青)の各8ビットの反射率データとして画像処理部(図示せず)に入力される。画像処理部では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間補正、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の四色の色材階調データに変換され、露光ユニット30に出力される。
露光ユニット30では、入力された色材階調データに応じて、レーザダイオード(図示せず)から出射された各色用レーザ光を、f−θレンズ(図示せず)を介してポリゴンミラー(図示せず)に出射する。ポリゴンミラーでは、入射された各色のレーザ光を偏向走査して、図示しない結像レンズおよび複数枚のミラーを介して画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kの感光体ドラム12に照射する。画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kの感光体ドラム12では、帯電装置13によって帯電された表面が走査露光され、所定の静電潜像が形成される。感光体ドラム12に形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kの現像装置14にて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kの感光体ドラム12上に形成されたトナー像は、それぞれに対応して設けられた一次転写装置15により中間転写ベルト21上に順次転写される。また、一次転写後の感光体ドラム12は、光照射装置16によって除電された後、感光体クリーナ17によって残トナー等が取り除かれ、次の帯電に備える。
一方、用紙搬送部40では、画像形成のタイミングに合わせて取り出しロール42が回転し、給紙積載部41から用紙Pを取り出す。捌きロール43により一枚ずつ分離された用紙Pは、搬送路44を経てレジストレーションロール45に移送され、一旦、停止される。その後、トナー像が重ね転写された中間転写ベルト21の移動タイミングに合わせてレジストレーションロール45が回転し、用紙Pは、バックアップロール24および二次転写ロール46によって形成される二次転写位置へと搬送される。二次転写位置に搬送される用紙Pには、圧接力および所定の電界によって、重ね転写されたトナー像が副走査方向に順次、二次転写される。そして、トナー像が二次転写された用紙Pは、定着ユニット29によって熱および圧力で定着処理を受けた後、排出ロール47によってプリンタ1の上部に設けられた排紙積載部48に排出される。なお、二次転写後の中間転写ベルト21は、ベルトクリーナ25によって残トナーが取り除かれ、次の一次転写に備える。
ではここで、画像形成動作における画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kの動作を、図7に示すタイムチャートを参照しながら詳細に説明する。
画像形成の開始指示を受け付けた制御部50は、ドラム駆動モータ12a、帯電電源13b、スリーブ駆動モータ14d、現像電源14e、一次転写電源15b、発光電源16bに制御信号を出力する。かかる制御信号を受けて、ドラム駆動モータ12aは、感光体ドラム12を所定の周速度で回転駆動する。また、帯電電源13bは、感光体ドラム12の感光層126の帯電電位が−720V(負極性)となるように、帯電ロール13aに負の帯電バイアスを印加する。さらに、スリーブ駆動モータ14dは現像スリーブ14aを所定の周速度で駆動し、現像電源14eは現像スリーブ14aに−580V(負極性)の直流成分に振幅(ピーク・トゥ・ピーク値)が1.0kV、周波数が6kHz、Duty比60%の矩形波を重畳した現像バイアスを印加する。さらにまた、一次転写電源15bは、一次転写ロール15aに正極性の一次転写バイアスを印加する。そして、発光電源16bは、除電光源162に対して発光用電力を供給する。
帯電ロール13aによって負の帯電バイアスが印加された感光体ドラム12では、感光層126を構成する表面保護層125の表面に負の電荷が保持され、結果として−720Vに帯電される。そして、−720Vに帯電された感光体ドラム12の感光層126には、露光ユニット30から780nmの波長のレーザ光が選択的に照射される。ここで、図5を参照すると、感光層126を構成する電荷発生層123は、780nmの露光波長に対して高い感度を有している。このため、感光層126のうちレーザ光が照射された部位では、電荷発生層123において正および負の電荷からなる電荷対が発生する。そして、発生した正の電荷は、電界の影響により電荷発生層123から電荷輸送層124を介して表面保護層125へと移動し、表面保護層125上の負の電荷と結合して消滅する。一方、発生した負の電荷は、電界の影響によって電荷発生層123から下引き層122を介して導電性基材121へと移動する。その結果、感光層126のうち、レーザ光が照射された画像領域の電位すなわち露光部電位はほぼ−300Vまで低減される一方、レーザ光が照射されない背景領域の電位はほぼ−720Vに維持される。このようにして、感光体ドラム12の感光層126には、画像領域および背景領域からなる静電潜像が形成される。なお、感光層126を構成する表面保護層125は、図5から明らかなように780nmの露光波長に対する感度が低くなっている。このため、露光ユニット30を用いて感光層126に光照射を行った場合に、表面保護層125にはほとんど電荷対が発生しない。したがって、露光工程では、感光層126に対し、表面保護層125よりも電荷発生層123で電荷対が発生しやすい波長の光を照射していることになる。
現像装置14において、現像スリーブ14aには、上述したように直流−580Vに1.0kV(ピーク・トゥ・ピーク値)の交流を重畳した現像バイアスが印加されている。このため、感光体ドラム12の感光層126上の画像領域(−300V)は、現像スリーブ14aに対して相対的に正(+280V)となる。一方、感光層126上の背景領域(−720V)は、現像スリーブ14aに対して相対的に負(−140V)となる。このため、負極性に帯電した状態で現像スリーブ14aに保持されたトナーは、感光層126の画像領域に静電的に転移する一方、背景領域には転移しにくくなる。これにより、感光体ドラム12には、画像領域に対応したトナー像が現像される。
一次転写装置15において、一次転写ロール15aには、上述したように正極性の一次転写バイアスが印加されている。したがって、負極性に帯電した状態で感光体ドラム12の感光層126に付着しているトナーは、電界の影響で中間転写ベルト21に静電的に転移する。これにより、感光体ドラム12から中間転写ベルト21にトナー像が転写される。なお、感光層126には、一次転写ロール15aとの対向部を通過した後も、帯電、露光によって形成された静電潜像を構成する負の電荷が残存している。
光照射装置16では、除電光源162に電力供給が行われているため、除電光源162が点灯し、光疲労光源163は消灯している。このため、一次転写後の感光体ドラム12の感光層126には、全域に渡って650nmの波長の光が照射される。ここで、図5を参照すると、感光層126を構成する表面保護層125は、650nmの波長の光に対する感度が低い。このため、除電光源162を用いて感光層126に光照射を行っても、表面保護層125には、電荷対はほとんど発生しない。また、図5を参照すると、感光層126を構成する電荷発生層123は、表面保護層125とは異なり、650nmの露光波長に対して高い感度を有している。このため、除電光源162を用いて感光層126に光照射を行うことで、電荷発生層123には正および負の電荷からなる電荷対が発生する。そして、発生した正の電荷は、電界の影響により電荷発生層123から電荷輸送層124を介して表面保護層125へと移動し、表面保護層125上に残存する負の電荷と結合して消滅する。一方、発生した負の電荷は、電界の影響によって電荷発生層123から下引き層122を介して導電性基材121へと移動する。その結果、感光層126の帯電電位は一様に低下し、除電がなされる。
そして、感光体ドラム12の感光層126は、除電光源162によって除電が行われた後感光体クリーナ17でクリーニングされ、再び帯電ロール13aによって−720Vに帯電される。以降、上述した手順を繰り返すことにより、トナー像の形成および転写が行われていく。
その後、画像形成動作が終了すると、制御部50は、ドラム駆動モータ12a、帯電電源13b、スリーブ駆動モータ14d、現像電源14e、一次転写電源15b、発光電源16bに制御信号を出力する。かかる制御信号を受けて、ドラム駆動モータ12aは感光体ドラム12の駆動を停止する。また、帯電電源13bは帯電ロール13aに対する帯電バイアスの印加を停止する。さらに、スリーブ駆動モータ14dは現像スリーブ14aの駆動を停止し、現像電源14eは現像スリーブ14aに対する現像バイアスの印加を停止する。さらにまた、一次転写電源15bは、一次転写ロール15aに対する一次転写バイアスの印加を停止する。そして、発光電源16bは、除電光源162に対する発光用電力の供給を停止する。
ところで、このプリンタ1では、必要に応じて、図3に示す画像形成カートリッジ60の交換が行われる。また、例えば保守作業を行う際に、プリンタ1から画像形成カートリッジ60を取り外し、後でプリンタ1にこの画像形成カートリッジ60を再度取り付けることもある。
本実施の形態では、このようにしてプリンタ1に画像形成カートリッジ60の取り付けが行われた後に、画像調整のためのセットアップ動作が実行されるようになっている。
図8は、セットアップ動作の手順を示すフローチャートである。なお、この処理は、プリンタ1に対する画像形成カートリッジ60の取り付けを、図示しないセンサ等によって検出した場合に行われる。
制御部50は、まず、取り付けられた画像形成カートリッジ60の感光体ドラム12の感光層126を構成する表面保護層125を一様に光疲労させる光疲労セットアップを実行させる(ステップ101)。なお、光疲労セットアップの詳細については後述する。そして、光疲労セットアップが完了すると、制御部50は、次に電位セットアップを実行させる(ステップ102)。なお、電位セットアップでは、帯電ロール13aによる感光体ドラム12の帯電電位および露光ユニット30による露光部電位の調整が行われる。そして、電位セットアップが完了すると、制御部50は、さらに濃度階調セットアップを実行させ(ステップ103)、一連の処理を完了する。なお、濃度階調セットアップでは、感光体ドラム12上に形成されるトナー像の濃度の補正および階調の補正が行われる。
では、上述した光疲労セットアップにおける画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kの動作を、図9に示すタイムチャートを参照しながら詳細に説明する。
光疲労セットアップの開始指示を受け付けた制御部50は、ドラム駆動モータ12a、スリーブ駆動モータ14d、発光電源16bに制御信号を出力する。かかる制御信号を受けて、ドラム駆動モータ12aは、感光体ドラム12を所定の周速度で回転駆動する。また、スリーブ駆動モータ14dは、現像スリーブ14aを所定の周速度で駆動する。そして、発光電源16bは、光疲労光源163に対して発光用電力を供給する。また、光疲労セットアップにおいて、制御部50は、駆動ロール22に制御信号を出力し、中間転写ベルト21を回転させる。なお、セットアップの開始時において、制御部50は、帯電電源13b、現像電源14eおよび一次転写電源15bに対して制御信号を出力しない。このため、感光体ドラム12は、帯電ロール13aによる帯電、露光ユニット30による露光、現像スリーブ14aによる現像バイアスの印加、および一次転写ロール15aによる一次転写バイアスの印加を受けない状態で回転する。
また、光照射装置16では、光疲労光源163に電力供給が行われているため、光疲労光源163が点灯し、除電光源162は消灯している。したがって、感光体ドラム12の感光層126には、465nmの波長の光が照射される。ここで、図5を参照すると、感光層126を構成する表面保護層125は、465nmの露光波長に対して高い感度を有している。このため、光疲労光源163を用いて感光層126に光照射を行うことにより、表面保護層125には正および負の電荷からなる電荷対が発生する。一方、図5を参照すると、感光層126を構成する電荷発生層123は、465nmの露光波長に対する感度が低くなっている。このため、光疲労光源163を用いて感光層126に光照射を行った場合に、電荷発生層123にはほとんど電荷対が発生しない。したがって、光照射工程では、感光層126に対し、電荷発生層123よりも表面保護層125で電荷対が発生しやすい波長の光を照射していることになる。
このように、光疲労セットアップの一番目の工程では、回転する感光体ドラム12に対し、光疲労光源163を用いた465nmの波長の光の照射動作が行われる。
光疲労セットアップの開始から少なくとも感光体ドラム12が一回転、より好ましくは数回転以上する所定の時間が経過すると、制御部50は、帯電電源13b、現像電源14e、および発光電源16bに制御信号を出力する。かかる制御信号を受けて、帯電電源13bは、感光層126の帯電電位が+860V(正極性)となるように、帯電ロール13aに正の帯電バイアス(逆帯電バイアス)を印加する。また、現像電源14eは、現像スリーブ14aに+1000V(正極性)の直流成分を含む正の現像バイアス(逆現像バイアス)を印加する。さらに、発光電源16bは、光疲労光源163に対する発光用電力の供給を停止する。なお、このとき、発光電源16bは、除電光源162に対する発光用電力の供給も行わない。
帯電ロール13aによって正の帯電バイアスが印加された感光体ドラム12では、感光層126を構成する表面保護層125の表面に正の電荷が保持され、結果として+860Vに帯電する。そして、+860Vに帯電された感光体ドラム12の感光層126には、露光ユニット30からのレーザ光の照射が行われない。したがって、感光層126は、+860Vに帯電した状態で現像スリーブ14aとの対向部へと移動していく。
現像装置14において、現像スリーブ14aには、上述したように直流+1000Vの逆現像バイアスが印加されている。このため、感光体ドラム12の感光層126の全領域(+860V)は、現像スリーブ14aに対して相対的に負(−140V)となる。したがって、負極性に帯電した状態で現像スリーブ14aに保持されたトナーは、感光層126に転移しない。これにより、感光体ドラム12には、トナー像が現像されない。
一次転写装置15において、一次転写ロール15aには、一次転写バイアスが印加されない。したがって、感光層126には、一次転写ロール15aとの対向部を通過した後も、+860Vの電位がそのまま残る。
光照射装置16では、除電光源162および光疲労光源163のいずれにも電力供給が行われていないため、除電光源162および光疲労光源163はともに消灯している。
このように、光疲労セットアップの二番目の工程では、回転する感光体ドラム12に対し、帯電ロール13aを用いた逆帯電動作が行われる。
そして、逆帯電バイアスの印加開始から所定の時間が経過すると、制御部50は、ドラム駆動モータ12a、帯電電源13b、スリーブ駆動モータ14d、現像電源14eに制御信号を出力する。かかる制御信号を受けて、ドラム駆動モータ12aは感光体ドラム12の駆動を停止する。また、帯電電源13bは帯電ロール13aに対する逆帯電バイアスの印加を停止する。さらに、スリーブ駆動モータ14dは現像スリーブ14aの駆動を停止し、現像電源14eは現像スリーブ14aに対する逆現像バイアスの印加を停止する。
その後、時間の経過とともに感光層126上の正の電荷は、一様に減衰していく。
ではここで、上述した光疲労セットアップを行う理由について説明する。
プリンタ1に対して画像形成カートリッジ60を取り付ける場合、プリンタ1に取り付ける前の画像形成カートリッジ60は、一時的に外部に置かれることになる。このとき、画像形成カートリッジ60には、例えば遮光性を有するシートを被せておくなどの処置を施しておくことが好ましいが、そのままの状態で放置されることもある。ここで、図3から明らかなように、画像形成カートリッジ60を構成する感光体ドラム12には、帯電ロール13aや感光体クリーナ17のハウジングによって覆われる部位と、これらに覆われずに外部に露出する部位とが存在する。このため、シート等を被せないで画像形成カートリッジ60を置いておくと、感光体ドラム12のうち外部に露出する部位が選択的に外部の光に曝されることになる。すると、感光体ドラム12のうち外部の光に曝された部位と曝されなかった部位とで感光層126の光疲労の程度に違いが生じ、画像形成動作を行った場合に濃度むらが生じてしまう。
特に、本実施の形態では、図5に示すように、感光層126を構成する表面保護層125が400〜500nmの波長領域に対する感度が相対的に高くなっており、この波長領域の光に曝された場合に光疲労が生じやすい。そして、表面保護層125で発生した光疲労は、電荷発生層123で発生する光疲労よりも緩和されにくく、長期にわたって濃度むらの影響が残ってしまう。
ここで、表面保護層125の光疲労に伴って生じる画像むらの発生要因を、本発明者が行った実験に基づいて説明する。
本発明者は、一般的な3波長型昼光色蛍光灯を用いて、画像形成カートリッジ60を構成する感光体ドラム12上で照度が600lxとなるように光照射を行った。ここで、照射時間が1分程度であれば、光照射後の画像形成カートリッジ60をプリンタ1に装着してハーフトーン画像(濃度20%:以下同じ)を形成しても、感光層126のうち光に曝された光曝露部位と曝されなかった非光曝露部位とで濃度に差はみられなかった。しかしながら、照射時間を3分とし、光照射後の画像形成カートリッジ60をプリンタ1に装着してハーフトーン画像を形成した場合、感光層126の光曝露部位と非光曝露部位とで濃度に差が生じた。このとき、画像形成動作時の感光体ドラム12の周速度を52mm/secとした場合には非光曝露部位に対して光曝露部位の濃度が下がり、周速度を165mm/secとした場合には非光曝露部位に対して光曝露部位の濃度が上がると、いう現象が発生した。さらに、照射時間を10分とし、光照射後の画像形成カートリッジ60をプリンタ1に装着してハーフトーン画像を形成した場合には、画像形成動作時の感光体ドラム12の周速度を52mm/secとした場合および165mm/secとした場合のいずれにおいても、非光曝露部位に対して光曝露部位の濃度が下がるようになった。なお、表面保護層125を有さない感光体ドラム12を使用した場合、照射時間を3分としても光曝露による濃度差は現れなかった。
ここで、光曝露の有無による濃度の違いは、上述した理由により、表面保護層125の光疲労に起因するものと推察された。
また、このような実験結果から、表面保護層125では、感度を有する光の照射に伴い、応答性が向上することに起因する濃度の上昇と、面方向に電荷が流れることに起因する濃度の低下とが同時に発生しているものと推察された。表面保護層125に400〜500nmの波長の光が照射された場合、表面保護層125では正および負の電荷対が発生することになる。ここで、発生した正の電荷すなわち正孔の一部は表面保護層125内のトラップに捕獲される。非光曝露部位では、トラップに捕らえられながらキャリアが移動するが、トラップが正孔で埋められているので、その分、見かけ上電荷輸送層124からの正孔の移動速度が上昇することで露光時の応答性が向上し、結果として現像されるトナー像の濃度が上昇する。一方、表面保護層125に400〜500nmの波長の光が過剰に照射された場合、トラップでは捕獲しきれない正孔が表面保護層125内に多数存在することになる。このような正孔は表面保護層125内を自由に動けることとなるため、面方向に電荷が流れやすくなり、特に低速でプリントした場合、結果として現像されるトナー像の濃度が低下する。
本発明者がこの問題の解決策を検討したところ、通常の帯電極性とは逆極性(本実施の形態では正極性)で感光体ドラム12を一定時間帯電すること、すなわち、感光層126を構成する表面保護層125を正極性に帯電させることで、濃度むらが改善されることを見いだした。この実験では、通常の画像形成動作において−720V(負極性)に帯電する感光体ドラム12に対し、部分的に上記3波長型昼光色蛍光灯を用いて600lxで3分間光を照射した後、+1000V(正極性)に帯電させながら52mm/secの周速度で5分間回転させた。その後、逆帯電がなされた画像形成カートリッジ60をプリンタ1に装着し、52mm/secの周速度にてハーフトーン画像を形成した。すると、光曝露部位と非光曝露部位とで濃度に差はみられなくなった。しかし、同様の逆帯電がなされた画像形成カートリッジ60をプリンタ1に装着し、165mm/secの周速度にてハーフトーン画像を形成したところ、非光曝露部位に対して光曝露部位の濃度が上がるという現象は相変わらず発生した。一方、光曝露後に通常極性に強く(−1500V)帯電させた場合でもこのような現象はみられなかった。
この結果から、感光体ドラム12の感光層126(表面保護層125)を逆帯電することにより、表面保護層125内に存在する自由に動ける正孔を除去する作用が得られると推察でき、上述した面方向への電荷の流れが抑制され、結果として濃度の低下が抑制されることがわかった。つまり、逆帯電をかけることにより、過剰に光曝露されることで自由に動ける正孔が多く存在していた部分を、トラップに正孔が捕獲された状態まで復帰するようになった。
本発明者は、以上の実験および検討を踏まえて、さらに光曝露部位における応答性の向上を図るため、感光体ドラム12を構成する感光層126の全領域に、表面保護層125が感度を有する波長の光を照射することで表面保護層125を一様に光疲労させ、その応答性を全領域で向上させるようにした。そして、表面保護層125を一様に光疲労させた後、感光層126すなわち表面保護層125の全領域を通常の帯電極性とは逆極性に帯電させることで、表面保護層125の全領域が同様な光曝露状態になるようにした。これは、表面保護層125内で自由に動く過剰な電荷を除去し、面方向の電荷の流れが抑制されている状態である。このとき、表面保護層125内のトラップは正孔で埋められた状態となっているので、その光応答性は一様に向上した状態となっている。
では、このために行った評価試験およびその評価結果について説明する。
図10は、この実験における条件および結果の一覧を示す図である。
この実験では、まず、この画像形成カートリッジ60に取り付けられた感光体ドラム12に対し、3波長型昼光色蛍光灯を用いて600lxで3分間光照射を行った。その結果、感光体ドラム12に、外部に露出していた光曝露部位と外部に露出していなかった非光曝露部位とを形成させた。 次いで、この画像形成カートリッジ60をプリンタ1に装着し、52mm/secの周速で回転させながら、20%および50%のハーフトーン画像の形成を行った。
ここで、サンプルS1では、画像形成動作を開始する前に、光疲労光源163を用いて465nmの波長の光を感光層126(表面保護層125)に1分間照射し、その後、帯電ロール13aを用いて感光体ドラム12の表面電位が+860Vとなるように逆帯電バイアスを3分間印加した。そして、帯電ロール13aを用いて逆帯電バイアスを印加する間、現像スリーブ14aには+1000Vの逆現像バイアスを印加した。
また、サンプルS2は、サンプルS1とほぼ同様の条件であるが、逆帯電バイアスの印加時間を5分とした。
さらに、サンプルS3も、サンプルS1とほぼ同様の条件であるが、帯電ロール13aを用いて感光体ドラム12の表面電位が+1360Vとなるように逆帯電バイアスを印加した。そして、帯電ロール13aを用いて逆帯電バイアスを印加する間、現像スリーブ14aには+1500Vの逆現像バイアスを印加した。
一方、サンプルS4では、画像形成動作を開始する前に、光疲労光源163による光照射、帯電ロール13aによる逆帯電バイアスの印加、そして逆現像バイアスの印加を行わず、そのまま画像形成動作を開始するようにした。
また、サンプルS5は、サンプルS4の条件に対し、光疲労光源163による光照射のみを行うようにした。
さらに、サンプルS6は、サンプルS4の条件に対し、逆帯電バイアス(+860V)の印加およびこれに伴う現像スリーブ14aへの逆現像バイアスの印加(+1000V)のみを行うようにした。
なお、画像形成動作開始前における感光体ドラム12の周速度は、画像形成動作時と同様に52mm/secとした。
その結果、感光体ドラム12の表面保護層125を光疲労させた後に逆帯電させたサンプルS1〜S3において、画像むらが低減されることを確認した。特に、サンプルS1と比較して逆帯電バイアスの印加時間を長くしたサンプルS2、あるいは、サンプルS1と比較して逆帯電バイアスを大きくしたサンプルS3において、非常に良好な結果が得られることがわかった。これは、逆帯電によって表面保護層125に供給される単位面積あたりの電荷量が増加したことに起因するものと思量される。
一方、表面保護層125の光疲労や逆帯電を行わなかったサンプルS4や、光疲労のみを行ったサンプルS5では画像むらがほとんど改善されないことがわかった。さらに、表面保護層125の逆帯電のみを行ったサンプルS6では、上記サンプルS4やS5と比べて画像むらが改善されるものの、光曝露部位における高濃度化が改善されていないため、上記サンプルS1〜S3と比較すると画像むらの改善レベルが低いことが判明した。
<実施の形態2>
図11は、本実施の形態で用いられるイエローの画像形成ユニット11Yの構成を説明するための図である。なお、ここではイエローの画像形成ユニット11Yを例とするが、他色の画像形成ユニット11M、11C、11Kも、使用するトナーの色を除いて同じ構成を有している。
イエローの画像形成ユニット11Yの基本構成は、実施の形態1で説明したものと基本的に同じである。ただし、本実施の形態では、帯電電源13bが帯電ロール13aに負の帯電バイアスのみを供給し正の逆帯電バイアスを供給しない点、現像装置14と一次転写装置15との間に加熱装置18を備えている点、および現像装置14が進退機構19を備えている点が実施の形態1とは異なる。この加熱装置18の取り付け位置は、後述のとおり、現像装置14の現像ロール上のトナーへの影響を考慮し、感光体ドラム12の回転方向からみて現像装置14の下流側且つ一次転写装置15の上流側が好ましい。
本実施の形態において、加熱装置18は、例えば電熱線とファンとを備えており、感光体ドラム12上の感光層126(表面保護層125)を40〜60℃程度まで加熱する機能を有している。
また、進退機構19は、現像装置14のハウジング(符号なし)を介して、現像スリーブ14aが感光体ドラム12に接近する現像位置および現像スリーブ14aが感光体ドラム12から退避する退避位置に移動させるようになっている。
画像形成動作において、画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kは、基本的に実施の形態1と同様の動作を実行する。ただし、画像形成動作において、現像装置14は、進退機構19によって進出位置に配置される。また、画像形成動作において、加熱装置18は、感光体ドラム12の加熱を行わない。
一方、プリンタ1に対して画像形成カートリッジ60の取り付けがなされた後に行われるセットアップ動作の光疲労セットアップにおいて、画像形成ユニット11Y、11M、11C、11Kは、基本的に実施の形態1と同様の動作を実行する。ただし、本実施の形態では、感光体ドラム12の全面に対し、光疲労光源163による光照射を行った後、逆帯電バイアスを印加するのではなく、加熱装置18を用いて感光体ドラム12の感光層126(表面保護層125)を加熱する。また、加熱装置18を用いた感光体ドラム12の加熱に際して、進退機構19は、現像装置14を感光体ドラム12から退避させる。
本実施の形態では、感光体ドラム12を構成する感光層126の全領域に、表面保護層125が感度を有する波長の光を照射することで表面保護層125を一様に光疲労させ、その応答性を全領域で向上させるようにした。そして、表面保護層125を一様に光疲労させた後、感光層126すなわち表面保護層125の全領域を所定の温度領域に加熱することで、表面保護層125内に存在する過剰な電荷を除去させ、面方向の電荷の流れを抑制するようにした。
では、このために行った評価試験およびその評価結果について説明する。
図12は、この実験における条件および結果の一覧を示す図である。
この実験では、実施の形態1と同様に、まず、この画像形成カートリッジ60に取り付けられた感光体ドラム12に対し、3波長型昼光色蛍光灯を用いて600lxで3分間光照射を行った。これにより、感光体ドラム12に、外部に露出していた光曝露部位と外部に露出していなかった非光曝露部位とを形成させた。次いで、この画像形成カートリッジ60をプリンタ1に装着し、52mm/secの周速で回転させながら、20%および50%のハーフトーン画像の形成を行った。
ここで、サンプルS11では、画像形成動作を開始する前に、光疲労光源163を用いて465nmの波長の光を感光層126(表面保護層125)に1分間照射し、その後、加熱装置18を用いて感光体ドラム12の表面温度が40℃となるように1分間加熱した。また、サンプルS12〜S14は、サンプルS1とほぼ同様の条件であるが、加熱時間をそれぞれ3分、5分、10分とした。さらに、サンプルS15〜S18は、上記サンプルS11〜S14とほぼ同様の条件であるが、加熱温度を50℃とした。そして、サンプルS19は、サンプルS11やサンプルS15とほぼ同様の条件であるが、加熱温度を60℃とした。
なお、画像形成動作開始前における感光体ドラム12の周速度は、画像形成動作時と同様に52mm/secとした。
その結果、すべてのサンプルS11〜S19において、画像むらが低減されることを確認した。なお、感光層126の加熱温度を例えば80℃程度まで上昇させると、画像むらは更に低減されることになる。ただし、感光体ドラム12の感光層126が高温になりすぎると、例えば現像装置14内に収容されるトナー同士が凝集して感光層126の表面や現像ロールに付着したり、さらには固化したりするおそれがあり、また、加熱装置18の加熱機能をより高める必要もある。このため、感光層126の加熱温度は、現像ロール上のトナーが感光層126に接触する位置において、例えばトナーのガラス転移点を超えない範囲で高くすることが好ましい。なお、加熱温度を40℃未満に設定した場合には、画像むらの抑制が不十分となる。このため、この例では、40℃から60℃の範囲より加熱温度を選択した。
なお、上述した実施の形態1、2では、感光体ドラム12を例に説明を行ったが、これに限られるものではなく、感光体ベルトであってもよい。
また、実施の形態1では、帯電装置13を用いて感光体ドラム12の帯電動作および逆帯電動作を行わせるようにしていたが、これに限られるものではなく、例えば一次転写装置15を用いて感光体ドラム12の逆帯電動作を行わせるようにしてもよく、また、感光体ドラム12に専用の逆帯電装置を取り付けるようにしてもよい。
本実施の形態が適用されるプリンタの全体構成を示した図である。 実施の形態1におけるイエローの画像形成ユニットの構成を説明するための図である。 画像形成カートリッジの構成を示した図である。 感光体ドラムの外周面の断面を示す図である。 露光波長と電荷発生層および表面保護層の感度との関係を示す図である。 光照射装置における発光部の構成を説明するための図である。 画像形成動作における画像形成ユニットの動作を説明するためのタイムチャートである。 画像形成カートリッジ取り付け後のセットアップ動作の手順を示すフローチャートである。 光疲労セットアップにおける画像形成ユニットの動作を説明するためのタイムチャートである。 実験の条件および結果の一覧を示す図である。 実施の形態2におけるイエローの画像形成ユニットの構成を説明するための図である。 実験の条件および結果の一覧を示す図である。
符号の説明
1…プリンタ、12…感光体ドラム、121…導電性基材、122…下引き層、123…電荷発生層、124…電荷輸送層、125…表面保護層、126…感光層、13…帯電装置、14…現像装置、15…一次転写装置、16…光照射装置、162…除電光源、163…光疲労光源、17…感光体クリーナ、18…加熱装置、19…進退機構、21…中間転写ベルト、30…露光ユニット、50…制御部、60…画像形成カートリッジ、P…用紙

Claims (9)

  1. 電荷発生層および当該電荷発生層を保護する保護層を備え、回転可能に設けられた感光体と、
    回転する前記感光体を所定の極性に帯電する帯電手段と、
    回転する前記感光体に対し、所定の波長領域の光に対する前記電荷発生層の感度を最大感度で規格化した当該電荷発生層の相対感度が、当該所定の波長領域の光に対する前記保護層の感度を最大感度で規格化した当該保護層の相対感度よりも大きい波長の光を照射する露光手段と、
    前記帯電手段および前記露光手段によって、回転する前記感光体に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段と、
    回転する前記感光体に現像された画像を記録材に転写する転写手段と、
    前記帯電手段および前記露光手段による前記静電潜像の形成が開始される前に、回転する前記感光体に対し、前記保護層の相対感度が前記電荷発生層の相対感度よりも大きい波長の光を、当該感光体が1回転する以上の期間にわたって照射する光照射手段と、
    前記光照射手段による光の照射が終了した後であって前記帯電手段および前記露光手段による前記静電潜像の形成が開始される前に、回転する前記感光体を当該感光体が1回転する以上の期間にわたって前記所定の極性とは逆極性に帯電する逆帯電手段と
    を含む画像形成装置。
  2. 前記転写手段により転写がなされた前記感光体に対し、前記電荷発生層の相対感度が前記保護層の相対感度よりも大きい波長の光を一様に照射し、当該電荷発生層を除電する除電手段をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記感光体は前記画像形成装置の本体に対して着脱される画像形成ユニットに取り付けられ、
    前記本体に前記画像形成ユニットが取り付けられた後、当該画像形成ユニットの前記感光体を回転させるとともに、当該感光体に対し、前記光照射手段による光照射動作を実行させた後に前記逆帯電手段による逆帯電動作を実行させる制御を行う制御手段をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、前記光照射動作および前記逆帯電動作を実行させた後、前記感光体に形成される画像の濃度補正動作をさらに実行させることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  5. 電荷発生層および当該電荷発生層を保護する保護層を備え、回転可能に設けられた感光体と、
    回転する前記感光体を所定の極性に帯電する帯電手段と、
    回転する前記感光体に対し、前記保護層よりも前記電荷発生層で電荷対が発生しやすい波長の光を照射する露光手段と、
    前記帯電手段および前記露光手段によって、回転する前記感光体に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段と、
    回転する前記感光体に現像された画像を記録材に転写する転写手段と、
    前記帯電手段および前記露光手段による前記静電潜像の形成が開始される前に、回転する前記感光体に対し、前記電荷発生層よりも前記保護層で電荷対が発生しやすい波長の光を、当該感光体が1回転する以上の期間にわたって照射する光照射手段と、
    前記光照射手段による光の照射が終了した後であって前記帯電手段および前記露光手段による前記静電潜像の形成が開始される前に、回転する前記感光体を当該感光体が1回転する以上の期間にわたって前記所定の極性とは逆極性に帯電する逆帯電手段と
    を含む画像形成装置。
  6. 電荷発生層および当該電荷発生層を保護する保護層を備え、回転可能に設けられた感光体と、
    回転する前記感光体を所定の極性に帯電する帯電手段と、
    回転する前記感光体に対し、所定の波長領域の光に対する前記電荷発生層の感度を最大感度で規格化した当該電荷発生層の相対感度が、当該所定の波長領域の光に対する前記保護層の感度を最大感度で規格化した当該保護層の相対感度よりも大きい波長の光を照射する露光手段と、
    前記帯電手段および前記露光手段によって、回転する前記感光体に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段と、
    回転する前記感光体に現像された画像を記録材に転写する転写手段と、
    前記帯電手段および前記露光手段に前記静電潜像の形成が開始される前に、回転する前記感光体に対し、前記保護層の相対感度が前記電荷発生層の相対感度よりも大きい波長の光を、当該感光体が1回転する以上の期間にわたって照射する光照射手段と、
    前記光照射手段による光の照射が終了した後であって前記帯電手段および前記露光手段による前記静電潜像の形成が開始される前に、回転する前記光照射手段にて光の照射がなされた前記感光体を当該感光体が1回転する以上の期間にわたって加熱する加熱手段と
    を含む画像形成装置。
  7. 前記現像手段は、前記感光体に対向配置され前記トナーを保持して回転する現像剤保持体を備え、
    前記加熱手段は、前記現像剤保持体に保持された前記トナーが前記感光体に接触している場合に、当該トナーのガラス転移点を超えない温度に当該感光体を加熱することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
  8. 前記感光体は前記画像形成装置の本体に対して着脱される画像形成ユニットに取り付けられ、
    前記本体に前記画像形成ユニットが取り付けられた後、当該画像形成ユニットの前記感光体を回転させるとともに、当該感光体に対し、前記光照射手段による光照射動作を実行させた後に前記加熱手段による加熱動作を実行させる制御手段をさらに含むことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
  9. 前記制御手段は、前記光照射動作および前記加熱動作を実行させる際に、前記感光体から前記現像手段を退避させることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
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